JP2022030703A - 鉄筋コンクリートの補強構造 - Google Patents

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倫夫 伊藤
Michio Ito
秀治 大庭
Hideji Oba
拓哉 青木
Takuya Aoki
大致 岩澤
Daichi Iwasawa
賢一郎 村上
Kenichiro Murakami
友規 村上
Tomoki Murakami
久人 奥出
Hisato Okude
典男 櫻川
Norio Sakuragawa
徹 宇佐美
Toru Usami
喜信 小野
Yoshinobu Ono
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Abstract

【課題】シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる鉄筋コンクリートの補強構造を提供する。【解決手段】構造物3,23を形成するコンクリートの表面から所定の厚さ寸法だけコンクリートの内部側に入り込んだ位置に、コンクリートの表面に沿った表面と略平行な方向に伸びる複数の主鉄筋34が配置されるような鉄筋コンクリートを補強する構造であって、複数の主鉄筋34のうちの一部の主鉄筋34は、その長さ途中の2か所の分断端部34aの間の長さ部分が取り除かれたように形成され、一部の主鉄筋34からコンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置に、主鉄筋34と略平行に伸びる追加鉄筋36が設けられ、追加鉄筋36の両端部は、その追加鉄筋36の長さ方向の位置が、一部の主鉄筋34の2つの分断端部34aより、追加鉄筋34の中央部と反対側に位置するように配置された。【選択図】図1

Description

本発明は、建築構造物の一部を構成する柱部材やブレースの端部が固定される、基礎や梁のような鉄筋コンクリートの構造物を補強するために用いられる、鉄筋コンクリートの補強構造に関するものである。
S造やSRC造等の建築構造物においては、角型鋼管等によって構成された柱部材を、鉄筋コンクリートによって形成された基礎の上に立設するために、柱部材の下端部に固定された接合金物に、基礎コンクリートの内部に埋設されたアンカーボルトの上端部が結合されたような接合構造が知られていた(例えば特許文献1の図4参照)。
本願の図12は、そのような接合構造について説明するために参照する図である。
図12に示すように、接合構造2は、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物4と、基礎コンクリート3の内部に埋設され、上端部が接合金物4に結合された複数のアンカーボルト8を備えていた。
接合金物4は、図12中上下方向に所定の厚さ寸法を有し、平面形状が略正方形の板状に形成され、その板面の四隅部の近傍には、接合金物4を厚さ方向に貫通するボルト挿通孔4aが形成されていた。
そして、このような接合金物4が、溶接等により柱部材5の下端部に固定されると共に、接合金物4が固定された柱部材5が、接合金物4の下面と基礎コンクリート3の表面の間に形成されたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設されていた。
一方、基礎コンクリート3の内部には、図12に示すように、複数のアンカーボルト8が埋設されており、これらのアンカーボルト8の上端部は、基礎コンクリート3の表面より突出し、モルタル層6を貫いて接合金物4に形成されたボルト挿通孔4aに挿通されると共に、接合金物4の上面より上方に突出するアンカーボルト8の上端部のオネジ部には、ナット10がネジ締結されていた。
このような接合構造2を用いることにより、建築構造物の柱部材の柱脚部に地震等による外力が作用した場合に、建築構造物の柱部材が傾いたり転倒したりすることを防止できるようになっていた。
すなわち、図12に示すように、地震等によって、柱部材5の柱脚部に曲げモーメントMが作用した場合、図中左側のアンカーボルト8に生じる引張力Tや、接合金物4の下面の図中右側にモルタル層6を介して生じる基礎コンクリート3からの圧縮力Cによって、柱部材5の柱脚部に、曲げモーメントMに抵抗するような曲げモーメントが作用するようになっていた。
しかしながら、このような接合構造2は、地震等によって、柱部材5の柱脚部にせん断方向(図12中左右方向、又は図の紙面に垂直方向)の力が作用した場合、柱脚部に作用するせん断力を基礎コンクリート3に伝達する際に、せん断力がアンカーボルト8に集中してしまうという問題があった。
そこで、柱脚部に作用するせん断力がアンカーボルトに集中することを防止して、せん断力を効率よく基礎コンクリートに伝達するために、接合金物の下面にシアコッターと呼ばれる突出部を設け、この突出部が基礎コンクリートの内部に埋設されるように柱部材が配置されるような接合構造が知られていた(例えば特許文献1の図5参照)。
本願の図13及び図14は、そのようなシアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造について説明するために参照する図である。なお、図12に示す接合構造2と同様の部分には、原則として同じ符号を付し、重複する説明は原則として省略するものとする。
図13に示すように、接合構造12は、図12示す接合構造2と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えていた。
そして、接合構造12は、柱部材5の下端部に、図12示す接合構造2における接合金物4の代わりに、図14に示すような接合金物14が設けられている点において、接合構造2とはその構成が異なるものであった。
接合金物14は、図14に示すように、板状に形成されたベースプレート16と、ベースプレート16の下面から突出するように設けられた突出部を備えていた。
ベースプレート16は、図14(a)に示すように、図の紙面に垂直方向に所定の厚さ寸法を有し、平面形状が略正方形の板状に形成され、その板面の四隅部の近傍には、ベースプレート16を厚さ方向に貫通するボルト挿通孔16aが形成されていた。
突出部18は、図14(b)に示すように、図中上下方向に所定の高さ寸法を有し、図14(a)に示すように、水平断面形状が略十字型に形成され、上端部がベースプレート16の下面の略中央に一体的に結合されて、そこから下方に伸びる突出部18の高さ部分がベースプレート16の下面より下方に突出するように形成されていた。
そして、このような接合金物14が、溶接等により柱部材5の下端部に固定されると共に、接合金物14が固定された柱部材5が、接合金物14のベースプレート16の下面と基礎コンクリート3の表面の間に形成されたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設されていた。
このとき、接合金物14のベースプレート16の下面に設けられた突出部18は、図13に示すように、その下端部が基礎コンクリート3の表面より下方に位置するように、基礎コンクリート3やモルタル層6の内部に埋設されるようになっていた。
その他の構成は、図12に示す接合構造2と同様であるため、このような接合構造12であっても、建築構造物の柱部材の柱脚部に地震等による外力が作用した場合に、建築構造物の柱部材が傾いたり転倒したりすることを防止できるようになっていた。
そして、このような接合構造12を用いることにより、柱部材5の柱脚部に作用するせん断方向の力がアンカーボルト8に集中することを防止し、柱脚部に作用するせん断力を効率よく基礎コンクリート3に伝達することができるようになっていた。
すなわち、図13に示すように、地震等によって、柱部材5の柱脚部に作用するせん断力Fを、基礎コンクリート3の内部に埋設された接合金物14の突出部18の各側面に負担させることができるようになっていた。
一方、S造やSRC造等の建築構造物においては、建築構造物の強度を向上させるために、柱部材と梁部材の間を斜めに連結するブレースと呼ばれる補強部材を設けることがあり(例えば特許文献2参照)、そのようなブレースの端部を鉄筋コンクリートによって形成された梁の長さ途中部に固定するために、図14に示す接合金物14と同様の構成を有する接合金物が用いられることがあった。
すなわち、図15に示すように、基礎梁23の長さ途中部に、図13に示す接合構造12と同様に、接合金物14を、モルタル層6を介して配置して、アンカーボルト8やナット10を用いて固定すると共に、その接合金物14のベースプレート16の上面に、図の紙面に垂直方向に所定の厚さ寸法を有する板状に形成されたガセットプレート27を溶接等により固定し、そのガセットプレート27に2つのブレース25のそれぞれの端部が連結されてボルト等により固定されたような、接合構造22が用いられることがあった。
特開2000-319990号公報 特開昭62-101737号公報
しかしながら、上述したような接合金物14を用いた接合構造12,22では、基礎コンクリート3や基礎梁23の内部に埋設された接合金物14の突出部18が、基礎コンクリート3や基礎梁23の内部に配置された鉄筋と干渉するおそれがあった。
すなわち、図13に示す接合構造12における基礎コンクリート3や、図15に示す接合構造22における基礎梁23は、その強度や耐久性を向上させるために、それらを形成するコンクリートの内部に複数の鉄筋が配置された鉄筋コンクリートの構造物として形成されていた。
例えば、図16に示すように、図13に示す接合構造12における基礎コンクリート3は、基礎コンクリート3や基礎梁23の図中上側(又は下側)の表面に沿った前記表面と略平行な方向(図中左右方向)に伸びる鉄筋28(主鉄筋)が、基礎コンクリート3の表面から所定の厚さ寸法だけコンクリートの内部側に入り込んだ位置に配置されるようになっていた。
これに対し、接合構造12を構築するために用いられる接合金物14の突出部18は、その下端部が基礎コンクリート3の内部に埋設されるようになっているため、突出部18の高さ寸法が大きいと、基礎コンクリート3の内部で、突出部18と鉄筋28が干渉してしまうおそれがあった。
その場合、接合金物14の突出部18と鉄筋28が干渉しないようにするためには、例えば、接合金物14の突出部18の高さ寸法を小さくすることが考えられるが、そうした場合、突出部18の高さ寸法を小さくすることにより、突出部18のシアコッターとしての効果、すなわち、柱脚部に作用するせん断力を基礎コンクリート3に伝達するという効果が低下するという問題があった。
また、予め接合金物14の突出部18に孔や溝のようなものを設けて、そこに鉄筋28を通すことも考えられるが、そうした場合、孔や溝等を設けることによって突出部18の形状が複雑化するため、接合金物14の製造工程が増えて製造コストの増加を招くと共に、接合構造12の施工の際に、接合金物14の突出部18に設けられた孔や溝を通して鉄筋28を配置する必要があるため、配筋作業が煩雑化して施工コストが増加するという問題があった。
このように、シアコッターを備えた接合金物には、せん断力をコンクリートにより形成された構造物に効率よく伝達することができるという長所があるが、コンクリートの内部に配置された鉄筋との干渉という問題があるため、その長所を十分に利用することができなかった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる鉄筋コンクリートの補強構造を提供することを課題とするものである。
本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、上記課題を解決するために、
構造物を形成するコンクリートの表面から所定の厚さ寸法だけ前記コンクリートの内部側に入り込んだ位置に、前記コンクリートの前記表面に沿った前記表面と略平行な方向に伸びる複数の主鉄筋が配置されるような鉄筋コンクリートを補強する構造であって、
前記複数の主鉄筋のうちの一部の主鉄筋は、その長さ途中の2か所の分断端部の間の長さ部分が取り除かれたように形成され、
前記一部の主鉄筋から前記コンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置に、前記主鉄筋と略平行に伸びる追加鉄筋が設けられ、
前記追加鉄筋の両端部は、その前記追加鉄筋の長さ方向の位置が、前記一部の主鉄筋の2つの前記分断端部より、前記追加鉄筋の中央部と反対側に位置するように配置された
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
板状のベースプレートと、前記ベースプレートの下面から突出するように設けられた突出部を備えた接合金物を用い、
前記突出部が前記一部の主鉄筋の2つの前記分断端部の間に配置されるように、前記接合金物が設けられた接合構造に対して用いられる
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
前記接合金物は、鉄筋コンクリートによって形成された基礎の上に設けられ、
前記接合金物の前記ベースプレートの上面に、柱部材の下端部が固定されるような、柱脚部の接合構造に対して用いられる
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
前記接合金物は、鉄筋コンクリートによって形成された梁の長さ途中部に設けられ、
前記接合金物の前記ベースプレートの上面に設けられたガセットプレートにブレースの端部が固定されるような、ブレースと梁の接合構造に対して用いられる
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
前記追加鉄筋の長さ方向の端部の近傍に定着部が設けられた
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
前記主鉄筋の前記分断端部の近傍に定着部が設けられた
ことを特徴とするものである。
また、本発明による鉄筋コンクリートの補強構造は、
前記主鉄筋の前記分断端部の近傍の長さ部分に、前記主鉄筋の長さ方向に対して直角方向に伸びて、前記複数の主鉄筋を取り囲むように形成された追加補強鉄筋が設けられた
ことを特徴とするものである。
このような本発明の鉄筋コンクリートの補強構造によれば、
構造物を形成するコンクリートの表面から所定の厚さ寸法だけ前記コンクリートの内部側に入り込んだ位置に、前記コンクリートの前記表面に沿った前記表面と略平行な方向に伸びる複数の主鉄筋が配置されるような鉄筋コンクリートを補強する構造であって、
前記複数の主鉄筋のうちの一部の主鉄筋は、その長さ途中の2か所の分断端部の間の長さ部分が取り除かれたように形成され、
前記一部の主鉄筋から前記コンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置に、前記主鉄筋と略平行に伸びる追加鉄筋が設けられ、
前記追加鉄筋の両端部は、その前記追加鉄筋の長さ方向の位置が、前記一部の主鉄筋の2つの前記分断端部より、前記追加鉄筋の中央部と反対側に位置するように配置されたことにより、
シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30を示す概略側面図である。 図1に示す鉄筋コンクリートの補強構造30の概略平面図である。 図2に示す鉄筋コンクリートの補強構造30のA-A線矢視概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40を示す概略側面図である。 図4に示す鉄筋コンクリートの補強構造40のB-B線矢視概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50を示す概略平面図である。 図6に示す鉄筋コンクリートの補強構造50のC-C線矢視概略断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60を示す概略側面図である。 図8に示す鉄筋コンクリートの補強構造60の概略平面図である。 図9に示す鉄筋コンクリートの補強構造60のD-D線矢視概略断面図である。 図1に示す鉄筋コンクリートの補強構造30を用いた、ブレース25と基礎梁23の接合構造72を示す概略側面図である。 接合金物4を用いた柱脚部の接合構造2を示す概略側面図である。 接合金物14を用いた柱脚部の接合構造12を示す概略側面図である。 図13に示す接合金物14を示す図であって、図14(a)はその平面図であり、図14(b)はその側面図である。 接合金物14を用いたブレース25と基礎梁23の接合構造22を示す概略側面図である。 図13に示す接合構造12において、接合金物14の突出部18と基礎コンクリート3や基礎梁23の内部に配置された鉄筋28が干渉している状態を示す概略側面図である。
以下、本発明に係る鉄筋コンクリートの補強構造を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。なお、図12ないし図16に示す従来の構成と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付し、重複する説明は原則として省略するものとする。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30について説明するために参照する図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における接合構造32は、図13に示す接合構造12と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物14と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えている。
柱部材5は、図2に示すように、水平断面形状が略正方形の角筒状に形成された角型鋼管であって、図1に示すように、基礎コンクリート3の上に鉛直方向(図中上下方向)に伸びるように立設され、その下端部には、図14に示すような接合金物14が固定されている。
接合部材14は、十分な強度を有する鋼材により形成することができ、例えば、十分な強度を有する鋼材により板状に形成されたベースプレート16の下面に、同じく十分な強度を有する鋼板材を略十字型に組み合わせて形成された突出部18を溶接等により固定することによって形成することができ、また、鋳造によって、ベースプレート16と突出部18を一体的に成型することによって形成することもできる。
このような接合金物14が、柱部材5の下端面が接合金物14のベースプレート16の上面に当接するように、柱部材5の下端部に配置され、柱部材5の下端部と接合金物14のベースプレート16の上面を、柱部材5の下端部の外周部に沿って溶接することにより、柱部材5の下端部に一体的に固定されている。
そして、接合金物14が固定された柱部材5が、接合金物14のベースプレート16の下面と基礎コンクリート3の表面の間に形成されたモルタル層6を介して、基礎コンクリート3の上に立設され、接合金物14の突出部18は、その下端部が基礎コンクリート3の表面より下方に位置するように、基礎コンクリート3やモルタル層6の内部に埋設されるようになっている。
そして、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8の上端部が、基礎コンクリート3の表面より突出し、モルタル層6を貫いて接合金物14のベースプレート16のボルト挿通孔16aに挿通されると共に、ベースプレート16の上面より上方に突出するアンカーボルト8の上端部のオネジ部にナット10がネジ締結されている。
このような接合構造32における基礎コンクリート3や、その基礎コンクリート3に隣接して図1中左右方向に伸びる基礎梁23は、コンクリートの強度や耐久性を向上させるために、それらを形成するコンクリートの内部に複数の鉄筋34(主鉄筋)が配置された鉄筋コンクリートの構造物として形成されている。
これら複数の鉄筋34は、図1に示すように、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの図中上側(又は下側)の表面から、所定の厚さ寸法だけコンクリートの内部側に入り込んだ位置に、コンクリートの上側(又は下側)の表面に沿った前記表面と略平行な方向(図中左右方向)に伸びるように配置されている。
そして、図3に示すように、8本の鉄筋34が、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの図中上側の表面側と図中下側の表面側にそれぞれ4本ずつ、鉄筋34の長さ方向(図の紙面に垂直方向)に対して直角方向(図中左右方向)に所定の間隔をおいて、互いに略平行に並んで配置されている。
そして、図1及び図2に示すように、これら複数の(8本の)鉄筋34のうちの一部の鉄筋34、すなわち、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの図1中上側の表面側に配置された4本の鉄筋34のうちの中央寄りの2本(図2参照)が、その長さ途中の2か所の分断端部34aの位置で切断されて、その2か所の分断端部34aの間の長さ部分が取り除かれたように形成されている。
そして、図1ないし図3に示すように、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5の下端部に固定された接合金物14のベースプレート16の下面に設けられた突出部18が、基礎コンクリート3やモルタル層6の内部に埋設されて、それらの鉄筋34の分断端部34aの間に配置されるようになっている。
すなわち、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの内部に配置された複数の鉄筋34のうち、そのままでは接合金物14の突出部18と干渉してしまうような位置に配置されている鉄筋34は、その長さ途中の突出部18と干渉する長さ部分が取り除かれて、突出部18によって分断されたように形成されている。
そして、図3に示すように、鉄筋34と略平行(図の紙面に垂直方向)に伸びる追加鉄筋36が、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの内部の、それら分断された2本の鉄筋34から図中下方、すなわち、コンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置にそれぞれ配置されている。
これらの追加鉄筋36の両端部は、図1に示すように、その追加鉄筋36の長さ方向(図中左右方向)の位置が、分断された鉄筋34の2つの分断端部34aより外側、すなわち追加鉄筋36の中央部と反対側に位置するように配置されている。
すなわち、図1に示すように、鉄筋34と追加鉄筋36は、分断された鉄筋34のそれぞれの分断端部34aの近傍の長さ部分と、その下方に配置された追加鉄筋36の両端部の近傍の長さ部分が、それぞれの端部から所定の長さ寸法Lだけ、互いに重なり合うように配置されるようになっている。
このような本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30を用いることにより、鉄筋コンクリートの構造物のコンクリートの内部に配置された主鉄筋が、その長さ途中部で分断されていたとしても、その主鉄筋に作用する引張力を、主鉄筋の長さ方向に伝達することができる。
すなわち、図1に示すように、鉄筋34と追加鉄筋36のそれぞれの端部が、それぞれの端部から所定の長さ寸法Lだけ、互いに重なり合うように配置されることにより、分断された鉄筋34に対して引張力(図1中左右方向の力)が作用した際に、鉄筋34に作用する引張力が、鉄筋34の分断端部34aの近傍の長さ部分とその周囲のコンクリートの付着力を介して、追加鉄筋36へと伝達されるようになっており、同じように、追加鉄筋36に作用する引張力も、追加鉄筋36の端部の近傍の長さ部分とその周囲のコンクリートの付着力を介して、鉄筋34へと伝達されるようになっている。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30を用いることにより、鉄筋コンクリートの構造物のコンクリートの内部に埋設された接合金物のシアコッターが、コンクリートの内部に配置された主鉄筋と干渉しないようにすることができる。
すなわち、図1に示すように、追加鉄筋36が、分断された鉄筋34の下方に配置されることにより、分断された鉄筋34の分断端部34aの間に、接合金物14の突出部18(シアコッター)が配置されるための十分な空間、特に高さ方向(図中上下方向)の寸法を確保することができるようになっている。
そして、それにより、接合金物14の突出部18の高さ寸法を大きくすることができるため、突出部18のシアコッターとしての効果、すなわち、柱脚部に作用するせん断力を基礎コンクリート3に伝達するという効果を十分に利用することができる。
また、接合金物14の突出部18の高さ寸法を大きくしても、突出部18に鉄筋34を通すための孔や溝等を設ける必要がないため、接合金物14の製造コストの増加を防止することができ、接合構造32の配筋作業の施工コストの増加を防止することができる。
このように、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30によれば、シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる。
また、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30によれば、追加鉄筋36が鉄筋34の下方に配置されるため、基礎コンクリート3や基礎梁23の幅方向(図2中上下方向)の寸法を大きくすることなく、鉄筋コンクリートを補強することができる。
図4及び図5は、本発明の第2の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40について説明するために参照する図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40における接合構造42は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における接合構造32(図1ないし図3参照)と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物14と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えている。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40の接合構造42における基礎コンクリート3や基礎梁23は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30の接合構造32における基礎コンクリート3や基礎梁23と、鉄筋34の代わりに鉄筋44が設けられ、追加鉄筋36の代わりに追加鉄筋46が設けられている点で、その構成が異なるものである。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40における鉄筋44は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における鉄筋34と同様の構成を有し、更に定着部44bが設けられている点で、その構成が異なるものである。
すなわち、鉄筋44は、図4に示すように、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの表面から、所定の厚さ寸法だけコンクリートの内部側に入り込んだ位置に、コンクリートの表面に沿った前記表面と平行な方向(図中左右方向)に伸びるように配置され、図5に示すように、8本の鉄筋44が、コンクリートの上側と下側の表面側にそれぞれ4本ずつ、鉄筋44の長さ方向(図の紙面に垂直方向)に対して直角方向(図中左右方向)に所定の間隔をおいて、互いに略平行に並んで配置されている。
そして、図4及び図5に示すように、これら8本の鉄筋44のうちの一部の鉄筋44、すなわち、コンクリートの上側の表面側に配置された4本の鉄筋44のうちの中央寄りの2本が、その長さ途中部の2か所の分断端部44aの位置で切断されて、その2か所の分断端部44aの間の長さ部分が取り除かれたように形成されている。
そして、図4に示すように、このような分断された2本の鉄筋44のそれぞれの分断端部44aの近傍の長さ部分には、それぞれの鉄筋44の中心軸から半径方向の外側に向かって放射状に広がるように突出する略円板状(又は円柱状)に形成された定着部44b(図5参照)が、鉄筋44と一体的に設けられている。
一方、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40における追加鉄筋46は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における追加鉄筋36と同様の構成を有し、更に定着部46aが設けられている点で、その構成が異なるものである。
すなわち、追加鉄筋46は、図4及び図5に示すように、鉄筋44と略平行に伸び、基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの内部の、それら分断された2本の鉄筋44から下方、すなわち、コンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置に、分断された鉄筋44のそれぞれの分断端部44aの近傍の長さ部分と、追加鉄筋46の両端部の近傍の長さ部分が、それぞれの端部から所定の長さ寸法L1だけ、互いに重なり合うように配置されるようになっている。
そして、図4に示すように、それぞれの追加鉄筋46の両端部の近傍の長さ部分には、それぞれの追加鉄筋46の中心軸から半径方向の外側に向かって放射状に広がるように突出する略円板状(又は円柱状)に形成された定着部46a(図5参照)が、追加鉄筋46と一体的に設けられている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30と同様であり、このような鉄筋コンクリートの補強構造40によっても、シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる。
そして、このような本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40によれば、鉄筋44や追加鉄筋46のそれぞれの端部に定着部44b,46aが設けられたことにより、鉄筋44や追加鉄筋46の端部とその周囲のコンクリートの定着力が増すため、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30に比べて、鉄筋44と追加鉄筋46のそれぞれの端部が重なり合う部分の長さ寸法L1を小さくすることができる。
図6及び図7は、本発明の第3の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50について説明するために参照する図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50における接合構造52は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における接合構造32(図1ないし図3参照)と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物14と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えている。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50の接合構造52における基礎コンクリート3や基礎梁23は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30の接合構造32における基礎コンクリート3や基礎梁23と、設けられている追加鉄筋36の数が異なる点で、その構成が異なるものである。
すなわち、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30の接合構造32における基礎コンクリート3や基礎梁23では、図3に示すように、2本の追加鉄筋36が設けられているのに対して、鉄筋コンクリートの補強構造50の接合構造52における基礎コンクリート3や基礎梁23は、図7に示すように、追加鉄筋36が3本設けられている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30と同様であり、このような鉄筋コンクリートの補強構造50によっても、シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる。
そして、このような本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50によれば、鉄筋34が分断されていない状態に比べて、基礎コンクリート3や基礎梁23の曲げ耐力が低下することを防止することができる。
すなわち、地震等によって、接合構造52の基礎コンクリート3や基礎梁23に曲げモーメントが生じた場合、追加鉄筋36が分断された鉄筋34の下方、すなわち基礎コンクリート3や基礎梁23の高さ方向の中央寄りに配置されているため、追加鉄筋36の応力中心間距離(引張力が作用する鉄筋から圧縮力の作用点までの距離)が、鉄筋34のそれと比べて小さくなる。
それにより、基礎コンクリート3や基礎梁23に生じた曲げモーメントによって追加鉄筋36に作用する引張力が鉄筋34に比べて大きくなって、追加鉄筋36にかかる負荷が大きくなり、その結果、追加鉄筋36が設けられた部分の基礎コンクリート3や基礎梁23の曲げ耐力が低下するため、追加鉄筋36の数を増やすことによって、追加鉄筋36の応力中心間距離が小さくなることにより低下した基礎コンクリート3や基礎梁23の曲げ耐力を補強することができるようになっている。
図8ないし図10は、本発明の第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60について説明するために参照する図である。
図8に示すように、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60における接合構造52は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における接合構造32(図1ないし図3参照)と同様に、基礎コンクリート3の上に立設された柱部材5と、柱部材5の下端部に設けられた接合金物14と、基礎コンクリート3の内部に埋設された複数のアンカーボルト8を備えている。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60の接合構造62における基礎コンクリート3や基礎梁23は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30における基礎コンクリート3や基礎梁23と同様の構成を有し、更に追加補強鉄筋66が設けられている点で、その構成が異なるものである。
ところで、一般的に、前記第1ないし第3の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50の接合構造32,42,52における基礎コンクリート3や基礎梁23のような鉄筋コンクリートの構造物は、図1等に示すように、それを形成するコンクリートの内部に、複数の主鉄筋(鉄筋34,44)が配置されることによって、その構造物の主鉄筋の長さ方向の引張強度が補強されるようになっている。
そしてそれと同時に、その構造物の主鉄筋の長さ方向に対して垂直な方向の強度(せん断強度)を補強するために、そのような主鉄筋と共に、主鉄筋の長さ方向に対して直角方向に伸びる鉄筋を、それら複数の主鉄筋の周囲に巻き付けるように配置した補強鉄筋(スターラップ筋)が、主鉄筋の長さ方向に所定の間隔をおいて複数設けられるようになっている。
すなわち、接合構造62の基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの内部に配置された鉄筋34には、図10に示すように、その鉄筋34の長さ方向(図の紙面に垂直方向)に対して直角方向に伸びて、8本の鉄筋34の周囲に巻き付けてそれらを取り囲むような矩形に形成された補強鉄筋64が、図8の破線部に示すように、鉄筋34の長さ方向(図中左右方向)に所定の間隔をおいて複数配置されている。
そして、本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60においては、図8に示すように、接合構造62の基礎コンクリート3や基礎梁23を形成するコンクリートの内部に配置された鉄筋34の、それぞれの分断端部34aの近傍の長さ部分に、補強鉄筋64と同様の構成を有する追加補強鉄筋66が、鉄筋34の長さ方向(図中左右方向)に隣り合って配置された2つの補強鉄筋64の間に位置するように配置されている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30と同様であり、このような鉄筋コンクリートの補強構造60によっても、シアコッターを備えた接合金物を用いた接合構造において、せん断力を鉄筋コンクリートにより形成された基礎や梁のような構造物に効率よく伝達できると共に、接合金物の製造コストや施工コストの増加を防止できる。
そして、このような本実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60によれば、鉄筋34の分断端部34aの近傍の長さ部分のコンクリートのせん断方向の強度が補強されることにより、地震等の外力によって、接合構造62の基礎コンクリート3や基礎梁23に曲げモーメントが作用した際に、鉄筋34の分断端部34aがコンクリートを突き破ってコンクリートの表面より上方に抜け出すことを防止することができる。
なお、本発明は、前記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、種々の変更が可能である。
例えば、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60においては、図1等に示すように、基礎コンクリート3や基礎梁23のような鉄筋コンクリートの構造物を形成するコンクリートの内部には、8本の鉄筋34,44が配置されていたが、コンクリートの内部に配置される鉄筋34,44の数は8本より多くてもよいし、8本より少なくてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60においては、図3等に示すように、追加鉄筋36,46には、鉄筋34,44と略同一の径の鉄筋が用いられていたが、追加鉄筋36,46の径は、鉄筋34,44の径より大きくてもよいし、鉄筋34,44の径より小さくてもよい。
また、前記第2の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40においては、図4及び図5に示すように、鉄筋44や追加鉄筋46のそれぞれの端部に1つずつ定着部44b,46aが設けられていたが、鉄筋44や追加鉄筋46のそれぞれの端部に2つ以上の定着部44b,46aが設けられていてもよい。
また、前記第2の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造40においては、図4及び図5に示すように、鉄筋44や追加鉄筋46の端部に設けられた定着部44b,46aは、円板状(又は円柱状)に形成されていたが、鉄筋44や追加鉄筋46の端部とその周囲のコンクリートの定着力を増すことができれば、定着部44b,46aはどのような形状や構成であってもよい。
例えば、定着部が円板状ではなく、四角形の板状に形成されていてもよいし、鉄筋44や追加鉄筋46の端部に形成されたオネジ部にナット状の部材をネジ締結し、それを定着部としてもよいし、鉄筋44や追加鉄筋46の端部をL字状又はJ字状に曲げてフック状に形成し、そのフック部分を定着部としてもよい。
また、前記第3の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造50においては、図6及び図7に示すように、基礎コンクリート3や基礎梁23のような鉄筋コンクリートの構造物を形成するコンクリートの内部には、3本の追加鉄筋36が配置されていたが、コンクリートの内部に配置される追加鉄筋36の数は3本より多くてもよい。
また、前記第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造60においては、図8ないし図10に示すように、追加補強鉄筋66は、補強鉄筋64と同様に、鉄筋34の周囲を取り囲むような矩形に形成されているが、コンクリートの内部に配置される鉄筋34の数や位置に応じて、追加補強鉄筋66の形状が箱形以外、例えば、円形や八角形等に形成されていてもよいし、鉄筋34の周囲を切れ目なく囲むようなループ状ではない形状、例えば、逆U字形等に形成されていてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14においては、図14に示すように、ベースプレート16は、その平面形状が略正方形に形成されているが、ベースプレート16の平面形状は正八角形や円形など、正方形以外の形状に形成されていてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14においては、図14に示すように、ベースプレート16の上面や下面はいずれも平坦に形成されているが、それらの部分は平坦でなくともよく、例えば、ベースプレート16の上面に、ベースプレート16の強度を向上させるためのリブを形成したり、ベースプレート16の下面に、モルタル層6との付着力を向上させるための凹凸形状を形成してもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14においては、図14に示すように、ベースプレート16には、それぞれの四隅部に1つずつ、合計4つのボルト挿通孔16aが形成されているが、ベースプレート16に形成されるボルト挿通孔16aの数は4つより多くてもよく、また、ボルト挿通孔16aがベースプレート16の四隅部以外の位置に形成されていてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14においては、図14に示すように、突出部18は、その水平断面形状が略十字型に形成されているが、接合金物14の突出部18が、例えば、平面形状が中心から八方に放射状に広がるような形状や、円筒状、角筒状等の、十字型以外の形状に形成されていてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14においては、図14に示すように、突出部18は、ベースプレート16の下面に1つ設けられているが、ベースプレート16の下面に2つ以上の突出部18が設けられていてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62においては、図1等に示すように、接合金物14は、基礎コンクリート3の上に立設される柱部材5の下端部に設けられていたが、図15に示す接合構造22と同様に、接合金物14を、鉄筋コンクリートによって形成された梁の長さ途中部にブレースの端部を固定するために用いてもよい。
すなわち、図11に示すように、接合金物14を、基礎梁23の長さ途中部にモルタル層6を介して、突出部18がモルタル層6や基礎梁23の内部に埋設するように配置し、アンカーボルト8とナット10を用いて固定し、そのベースプレート16の上面にガセットプレート27を溶接等により固定し、2つのブレース25のそれぞれの端部がガセットプレート27に連結されてボルト等により固定されるような接合構造72に対して、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60を用いてもよい。
また、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60の接合構造32,42,52,62に用いられる接合金物14は、コンクリートにより形成されていれば、基礎や梁以外の構造物に設けることができるため、前記第1ないし第4の実施の形態に係る鉄筋コンクリートの補強構造30,40,50,60を、そのような基礎や梁以外の鉄筋コンクリートの構造物、例えば、鉄筋コンクリートの柱の鉛直面等に対して用いてもよい。
2 接合構造
3 基礎コンクリート
4 接合金物
4a ボルト挿通孔
5 柱部材
6 モルタル層
8 アンカーボルト
10 ナット
12 接合構造
14 接合金物
16 ベースプレート
16a ボルト挿通孔
18 突出部
22 接合構造
23 基礎梁
25 ブレース
27 ガセットプレート
28 鉄筋
30 鉄筋コンクリートの補強構造
32 接合構造
34 鉄筋
34a 分断端部
36 追加鉄筋
40 鉄筋コンクリートの補強構造
42 接合構造
44 鉄筋
44a 分断端部
44b 定着部
46 追加鉄筋
46a 定着部
50 鉄筋コンクリートの補強構造
52 接合構造
60 鉄筋コンクリートの補強構造
62 接合構造
64 補強鉄筋
66 追加補強鉄筋
72 接合構造
M,M0 曲げモーメント
T 引張力
C 圧縮力
F せん断力
L 長さ寸法

Claims (7)

  1. 構造物を形成するコンクリートの表面から所定の厚さ寸法だけ前記コンクリートの内部側に入り込んだ位置に、前記コンクリートの前記表面に沿った前記表面と略平行な方向に伸びる複数の主鉄筋が配置されるような鉄筋コンクリートを補強する構造であって、
    前記複数の主鉄筋のうちの一部の主鉄筋は、その長さ途中の2か所の分断端部の間の長さ部分が取り除かれたように形成され、
    前記一部の主鉄筋から前記コンクリートの内部側に所定の間隔をおいた位置に、前記主鉄筋と略平行に伸びる追加鉄筋が設けられ、
    前記追加鉄筋の両端部は、その前記追加鉄筋の長さ方向の位置が、前記一部の主鉄筋の2つの前記分断端部より、前記追加鉄筋の中央部と反対側に位置するように配置された
    ことを特徴とする鉄筋コンクリートの補強構造。
  2. 板状のベースプレートと、前記ベースプレートの下面から突出するように設けられた突出部を備えた接合金物を用い、
    前記突出部が前記一部の主鉄筋の2つの前記分断端部の間に配置されるように、前記接合金物が設けられた接合構造に対して用いられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
  3. 前記接合金物は、鉄筋コンクリートによって形成された基礎の上に設けられ、
    前記接合金物の前記ベースプレートの上面に、柱部材の下端部が固定されるような、柱脚部の接合構造に対して用いられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
  4. 前記接合金物は、鉄筋コンクリートによって形成された梁の長さ途中部に設けられ、
    前記接合金物の前記ベースプレートの上面に設けられたガセットプレートにブレースの端部が固定されるような、ブレースと梁の接合構造に対して用いられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
  5. 前記追加鉄筋の長さ方向の端部の近傍に定着部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
  6. 前記主鉄筋の前記分断端部の近傍に定着部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
  7. 前記主鉄筋の前記分断端部の近傍の長さ部分に、前記主鉄筋の長さ方向に対して直角方向に伸びて、前記複数の主鉄筋を取り囲むように形成された追加補強鉄筋が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鉄筋コンクリートの補強構造。
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