JP2022030543A - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】マーカーの記録に使用するノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれている場合においても、各ノズルの濃度情報を高精度に取得することができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】画像処理装置であって、各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得手段と、スキャン画像データに基づいて、マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定手段と、マーカー位置ずれ量に基づいて、マーカーごとに、マーカー位置の補間に用いる基準マーカーを選択する選択手段と、基準マーカーを用いて、各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定手段と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、インクを吐出して画像を形成する際に生じる濃度ムラやスジを低減するための、記録素子の濃度特性を取得する画像処理技術に関する。
従来、インクジェット記録ヘッドを用いる記録方式では、白スジが生じる場合がある。例えば、解像度が1200dpiでノズル列の長さが10インチのインクジェット記録ヘッドの場合、12000個ものノズルから吐出されるインクの着弾位置や記録されるドットの大きさは各ノズルで様々にばらつくため、記録した画像にスジが生じやすい。
特許文献1には、記録した画像に生じたスジを補正するために各ノズルの濃度情報を取得する方法が開示されている。この方法では、まず、階調パッチに隣接するように記録したライン状のマーカーの位置に基づいて、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を線形補間により算出する。次に、算出した着弾位置に対応する階調パッチの濃度情報に基づいて、各ノズルの濃度情報を取得する。
特開2005-141232号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、マーカーの記録に使用するノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれている場合、線形補間により算出した着弾位置に誤差が生じてしまう。この場合、各ノズルの濃度情報を正確に取得できないという課題があった。
そこで本発明は、上記の課題に鑑み、マーカーの記録に使用するノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれている場合においても、各ノズルの濃度情報を高精度に取得することを目的とする。
本発明の一実施形態は、各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得手段と、前記スキャン画像データに基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定手段と、前記マーカー位置ずれ量に基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置の補間に用いる基準マーカーを選択する選択手段と、前記基準マーカーを用いて、前記各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
本発明の一実施形態によれば、マーカーの記録に使用するノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれている場合においても、各ノズルの濃度情報を高精度に取得することが可能となる。
濃度ムラ検出画像データに基づいて記録される画像のイメージ図。 画像処理装置の構成を示すブロック図。 画像処理装置の機能構成を示すブロック図。 画像処理装置が実行する処理のフローチャート。 濃度ムラ検出スキャン画像データに基づく画像のイメージ図。 マーカー位置決定部が実行する処理のフローチャート。 スキャナ収差等によるマーカー位置変動を示す図。 マーカー位置ずれ量決定部が実行する処理のフローチャート。 各マーカーの位置ずれ量を示す図。 基準マーカー選択部が実行する処理のフローチャート。 各ノズルの濃度情報を示す図。 マーカー位置の算出方法を説明する図。 マーカー群Ωiを示す図。 全ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量のヒストグラム分布を示す図。 マーカー群Ωiに選択された各マーカーの重心位置を示す図。 マーカー位置ずれ量決定部が実行する処理のフローチャート。 マーカー群Ψiと、マーカー群Φiとを示す図。 マーカー群Ψiに選択された各マーカーの位置ずれを示す図。 マーカー位置ずれ量決定部が実行する処理のフローチャート。 マーカー群Φi´を示す図。 マーカー群Φi´に選択された各マーカーの位置ずれを示す図。 画像処理装置が実行する処理のフローチャート。 濃度ムラ検出画像データに基づいて記録される画像のイメージ図。 搬送ローラーの段差等によるマーカー位置変動を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。また、以下に記載されている構成要素の内容、相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、階調パッチ101とマーカーとを有するチャート画像であり、後述する濃度ムラ検出画像データ生成部301(図3参照)によって生成される濃度ムラ検出画像データに基づいて記録媒体に記録される画像のイメージ図である。以降、濃度ムラ検出画像データに基づいて記録媒体に記録される画像を、濃度ムラ検出画像と称する。図1に示すように、X方向とY方向とは、垂直方向である。以降、図1の-Y方向を階調パッチ101の上方向とし、+Y方向を階調パッチ101の下方向とする。また、以降、図1の-X方向を階調パッチ101の左方向とし、+X方向を階調パッチ101の右方向とする。また、図1におけるX方向とY方向とは、後述の図13、図17、図20、及び図23におけるX方向とY方向と同様の方向である。図1において、階調パッチ101の上下には、Y方向に延在するライン状のマーカーがそれぞれ配置されている(図では黒い縦線で示している)。ある階調パッチの上に配置されているマーカーは、X方向に(2T+1)pixel間隔で配置されている。同様に、ある階調パッチの下に配置されているマーカーは、(2T+1)pixel間隔で配置されている。そして、これらのある階調パッチの上下に配置されている2つのマーカー列は、画素位置がX方向にTpixelずれて配置されている。各階調パッチ101の上または下には、それぞれn本のマーカーが配置される。
本実施形態で用いるプリント画像出力装置211(図2参照)は、シングルパス記録方式であり、図1に示すようにX方向にN0個のノズル(記録素子)が並んだ記録ヘッドを有する。プリント画像出力装置211は、+Y方向に(搬送方向の上流から下流に)記録媒体を搬送させると共にノズルからインクを吐出させて画像記録を行う。画像が記録された記録媒体の搬送先には、図1に示すようにX方向にN0個のセンサが並んだスキャナが配置され、記録媒体に記録された画像は、このスキャナによってスキャンされる。その結果、プリント画像出力装置211によって記録媒体に記録された画像の画像データが取得される。尚、本実施形態において、N0>nである。
<画像処理装置の構成>
図2は、本実施形態における画像処理装置200の構成を示すブロック図である。本実施形態における画像処理装置200について、図2を用いて説明する。画像処理装置200は、入力部201、表示部202、記憶部203、CPU204、ROM205、RAM206、通信部207、プリント画像出力部208、及びシステムバス209を有する。CPU204は、RAM206をワークメモリとして、ROM205や記憶部203に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス209を介して後述する各構成要素を制御する。
入力部201は、USB等のシリアルバスインタフェイスである。入力部201には、キーボードやマウス等の入力デバイス、メモリカードリーダ、ディジタルカメラやスキャナ等の画像入力デバイスが接続される。CPU204は、入力部201を介してユーザ指示や画像データ等を入力し、表示部202にグラフィックユーザインタフェイス(GUI)、画像、処理経過や結果等を表示する。
記憶部203は、各種プログラム等の様々なデータが格納されるハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶媒体である。記憶部203に格納されるデータには、後述する処理を実現するためのプログラムが含まれる。
通信部207は、Ethernet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、P2P等の有線または無線ネットワークと画像処理装置200とを接続するためのネットワークインタフェイスである。
プリント画像出力部208は、USB等のシリアルバスインタフェイスである。プリント画像出力部208には、プリント画像出力装置211やメモリカードライタ等が接続される。CPU204は、プリント画像出力部208を介して画像データ等を出力する。
CPU204は、通信部207を経由してネットワーク210に接続されているサーバ装置や他のコンピュータ機器等と通信を行う。また、CPU204は、ネットワーク210に接続されているサーバ装置や他のコンピュータ機器等から様々なプログラムやデータを受け取って処理を実行することができる。また、CPU204は、処理結果のデータをネットワーク210に接続されているサーバ装置や他のコンピュータ機器等に提供することができる。尚、CPU204が通信部207を介して通信できるコンピュータ機器には、プリント画像出力装置211も含まれる。そのため、CPU204は、通信部207を介してプリント画像出力装置211に画像データを送信することもできる。
画像処理装置200として利用される情報処理装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等である。情報処理装置は、後述する処理を実現するためのプログラムが供給されることで画像処理装置200としての機能を有する。画像処理装置200として、タブレットやスマートフォン等が利用される場合、表示部202は、タッチスクリーン機能を有していてもよい。この場合、表示部202は、ユーザ指示を受け付ける入力部201としても機能する。
尚、本実施形態では、画像処理装置200とプリント画像出力装置211とが別体に構成されるが、画像処理装置200とプリント画像出力装置211とは一体に構成されてもよい。
<画像処理装置の機能構成>
図3は、画像処理装置200の機能構成を示すブロック図である。尚、図3に示す機能構成は、該機能構成やその機能を実現するためのプログラムを画像処理装置200のCPU204が実行することで実現される。
濃度ムラ検出画像データ生成部301は、階調パッチ101の上下にマーカーが配置された濃度ムラ検出画像データを生成する。生成された画像データにおいて、階調パッチ101の上に位置するマーカーと、階調パッチ101の下に位置するマーカーとは、X方向において異なる画素位置に配置される。濃度ムラ検出画像データ生成部301は、生成した濃度ムラ検出画像データを、プリント画像出力部208を介してプリント画像出力装置211へ出力する。
スキャン画像入力部302は、プリント画像出力装置211によって記録媒体に記録された濃度ムラ検出画像がスキャンされて得られた濃度ムラ検出スキャン画像データを、入力部201を介して画像処理装置200に入力する。そして、スキャン画像入力部302は、画像処理装置200に入力した濃度ムラ検出スキャン画像データをマーカー位置決定部303へ出力する。
マーカー位置決定部303は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいて階調パッチ101の上下に配置されたマーカーの画素位置を算出する。マーカー位置決定部303は、算出したマーカーの画素位置をマーカー位置ずれ量決定部304へ出力する。
マーカー位置ずれ量決定部304は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおける複数のマーカーの画素位置に基づいて、各マーカーの位置ずれ量を算出する。マーカー位置ずれ量決定部304は、算出した各マーカーの位置ずれ量を基準マーカー選択部305へ出力する。
基準マーカー選択部305は、位置ずれ量の小さいマーカーを信頼度の高い基準マーカーとして選択する。基準マーカー選択部305は、選択した基準マーカーの記録に使用したノズル番号を濃度情報決定部306へ出力する。
濃度情報決定部306は、選択された基準マーカーの画素位置に基づいて、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を算出し、各ノズルの濃度情報を算出する。濃度情報決定部306は、算出した各ノズルの濃度情報を、プリント画像出力部208を介してプリント画像出力装置211へ出力する。
<HS(ヘッドシェーディング)処理の概要>
HS処理について説明する。HS処理とは、各ノズルの濃度特性と目標特性とに基づいて、入力画像を補正する処理である。HS処理では、まず、インク色信号値(K、C、M、Y)を有する濃度ムラ検出画像データに基づいて、単一の色のインクのみで形成された階調パッチを含む濃度ムラ検出画像を記録媒体に記録する。次に、スキャナを用いた読み取り処理を行い、濃度ムラ検出スキャン画像を取得する。そして、濃度ムラ検出スキャン画像に基づいて決定された各ノズルの濃度情報と目標特性データとに応じて、入力画像を補正する。以降で画像を記録する際には、このように濃度が補正された状態で記録が行われることになる。以上がHS処理の概要である。本実施形態は、HS処理の内、濃度ムラ検出スキャン画像に基づいて決定される各ノズルの濃度情報を高精度に取得するものである。
<画像処理装置が実行する処理>
以下、図4のフローチャートを用いて画像処理装置200が実行する処理について説明する。図4に示すフローは、画像処理装置200におけるROM205に格納された制御プログラムがRAM206に読み出され、CPU204がこれを実行することによって実現される。あるいはまた、図4におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。尚、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
尚、以下では、フローチャートの説明に合わせて、関連する図を適宜参照して説明する。また、一部のフローチャートの詳細な処理については、一連の処理の説明が終了した後に、詳細に説明を述べる形で記載している。
S401では、濃度ムラ検出画像データ生成部301は、濃度ムラ検出画像データを生成する。図1に示すように、濃度ムラ検出画像データにおいて、k個の階調パッチ101a~101kの上下にマーカー番号1、2、3、・・・n、n+1、・・・、2n、・・・(k+1)nで示されるマーカーが配置されている。このマーカー番号は、実際に濃度ムラ検出画像に記録されるものではない。階調パッチ101aの上には、第1のマーカーとして、ライン状のマーカーが(2T+1)pixelの間隔でn本配置されている。階調パッチ101aの下には、第2のマーカーとして、ライン状のマーカーが、(2T+1)pixel間隔でn本配置されている。この第2のマーカーは、X方向において第1のマーカーから+X方向にTpixel画素位置がずれた位置に配置されている。第2のマーカーの下に階調パッチ101bが配置され、階調パッチ101bの下には、第3のマーカーとして、ライン状のマーカーが、(2T+1)pixel間隔でn本配置されている。この第3のマーカーは、X方向において第2のマーカーから-X方向にTpixel画素位置がずれた位置に配置されている。即ち、第3のマーカーと第1のマーカーとは、X方向において同じ画素位置となる。以下、同様に階調パッチ101c~101kの上下に、±X方向にTpixel画素位置をずらしたマーカーが配置されている。濃度ムラ検出画像データは、8bitグレースケールの画像データとして生成される。生成された濃度ムラ検出画像データは、RAM206等に記憶される。この記憶された濃度ムラ検出画像データに基づいて、プリント画像出力装置211によって記録媒体に濃度ムラ検出画像が記録される。
S402では、スキャン画像入力部302は、プリント画像出力装置211によって記録媒体に記録された濃度ムラ検出画像がスキャンされて得られた濃度ムラ検出スキャン画像データを、入力部201を介して画像処理装置200に入力する。図5は、濃度ムラ検出スキャン画像データに基づく画像のイメージ図である。本実施形態では、隣接するノズルから吐出されたインクの着弾位置が互いに近づく方向又は離れる方向にずれることにより、記録媒体に記録される濃度ムラ検出画像の階調パッチ101上に黒スジ又は白スジが生じる。また、搬送ベルトの蛇行やスキャナ収差(読み取り収差)等により、濃度ムラ検出スキャン画像データには歪みが生じる。スキャナ収差や搬送ローラー段差等はX方向位置に依存してマーカー位置変動やインクの着弾位置ずれを発生させ、搬送ベルト蛇行等はY方向位置に依存してインクの着弾位置ずれを発生させる。本実施形態では、濃度ムラ検出スキャン画像データは、8bitグレースケール画像データ形式である。スキャン画像入力部302は、輝度に対して画素値が線形になるようにガンマ変換を施した濃度ムラ検出スキャン画像データを、入力部201を介して画像処理装置200に入力する。このガンマ変換は、後述の処理において、ラインプロファイルの裾野部分の画素値を潰さないための処理であり、ラインプロファイルの重心位置の算出における誤差の発生を回避するために行われる。
S403では、マーカー位置決定部303は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいて階調パッチ101の上下に配置された各マーカーの画素位置Xvを算出する。マーカー位置算出処理の詳細は図6を用いて後述する。
図7は、スキャナ収差等によるマーカー位置変動を示す図である。本実施形態では、図7に示す、各マーカー番号で示される各マーカーの画素位置が算出される。図7の横軸はマーカー番号である。図7の縦軸は算出された各マーカーの画素位置である。本実施形態では、マーカー位置決定部303は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいてマーカー番号iで示されるマーカーの想定画素位置を中心に、(M×L)pixelの範囲をトリミングする。従って、マーカーを記録する際にノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれや搬送ベルトの蛇行等によるインクの着弾位置ずれが無い場合、各マーカーのX方向における画素位置は、各トリミング画像においてM/2pixelとなる。図7の実線部は、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701である。また、図7の点線部は、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれを示す点線702である。スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701には、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれが含まれている。そのため、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701は、搬送ベルト蛇行によるインクの着弾位置ずれを示す点線702に応じて、X方向に変動している。濃度ムラ検出スキャン画像データにおいてマーカー番号1~マーカー番号knで示される各マーカーのX方向における画素位置は、スキャナ収差と、搬送ベルトの蛇行との影響を受ける。
S404では、マーカー位置ずれ量決定部304は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおける複数のマーカー位置に基づいて、各マーカーの位置ずれ量を算出する。マーカー位置ずれ算出処理の詳細は図8を用いて後述する。次に、各マーカーの位置ずれ量について説明する。
図9は、各マーカーの位置ずれ量について示す図である。図9に示すように、本ステップにおいて各マーカーの位置ずれ量が算出される。図9の横軸はマーカー番号である。図9の縦軸は算出された各マーカーの位置ずれ量である。図9においてマーカー番号i0で示されるマーカーの位置ずれ量Xi0が他のマーカーの位置ずれ量と比べて非常に大きい値として算出されている。
S405では、基準マーカー選択部305は、位置ずれ量Xi0が所定の値より小さいマーカーを信頼度が高い基準マーカーとして選択する。基準マーカー選択処理の詳細は図10を用いて後述する。本実施形態では、図9に示すマーカー番号i0で示されるマーカーの位置ずれ量Xi0は、所定の値ΔXを許容量とする。マーカー番号i0で示されるマーカーの位置ずれ量Xi0は、Xi0<ΔXを満たさない。そのため、マーカー番号i0で示されるマーカーの記録に使用したノズルを除いた各ノズルから吐出されるインクによって記録された各マーカーが基準マーカーとして各ノズルから吐出されるインクの着弾位置の算出に使用される。選択された基準マーカーの記録に使用したノズル番号は、所定の記憶領域に記憶される。
S406では、濃度情報決定部306は、選択された基準マーカーの画素位置に基づいて、各ノズルの濃度情報を算出する。ここで、特許文献1の手法を用いた場合、マーカー番号i0+n-1~i0で示されるマーカー間及びマーカー番号i0~i0+nで示されるマーカー間の各ノズル(マーカーの記録に使用されないノズル)の濃度情報を線形補間で算出する。つまり、マーカーを記録していないノズルのインクの着弾位置は、マーカーを記録した各ノズルのインクの着弾位置から線形補間で算出される。このようにして、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置(スキャン画像上の各ノズルの位置)が求められ、各ノズルの濃度情報が算出される。
図11は、各ノズルの濃度情報を示す図である。図11(a)に示すように、マーカー位置ずれ量Xi0が所定の値以上(本実施形態ではΔX以上)であるマーカーが含まれる場合、各ノズルから吐出されたインクの着弾位置の算出において誤差が生じる。そのため、本実施形態では、マーカー位置ずれ量Xi0が所定の値以上であるマーカーを記録したノズルのインクの着弾位置は、線形補間に使用しない。N(i0)は、マーカー番号i0で示されるマーカーの記録に使用したノズルのノズル番号を表す関数であり、以下の式(1)に従い、算出される。
Figure 2022030543000002
ここで、floorは小数点以下を切り下げる関数である。階調パッチ101aにおける各ノズルの濃度情報は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおける階調パッチ101aの領域をY方向に平均化した1次元の濃度情報プロファイルに基づいて算出される。本実施形態では、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置が算出され、このインクの着弾位置から濃度ムラ検出スキャン画像データにおける各ノズル位置が求まる。このため、各ノズル位置に対応する濃度情報が、この1次元の濃度情報プロファイルに基づき算出される。この際、図9のマーカー番号i0のようにマーカー位置ずれ量が他のマーカーの位置ずれ量と比べて非常に大きいマーカーを基準マーカーに含め、マーカー間の各ノズルの濃度情報を算出すると、誤差が生じてしまう。その結果、マーカー間の各ノズルの濃度情報の算出精度が低下してしまう。
具体的には、図11(b)におけるノズル番号N(i0)の1つ前のノズル番号N(i0)-1の濃度情報255-I(N(i0)-1)は、図11(d)におけるノズル番号N(i0)-1の濃度情報255-I(N(i0)-1)より小さい値である。また、ノズル番号N(i0)の1つ後のノズル番号N(i0)+1の濃度情報255-I(N(i0)+1)は、図11(d)におけるにノズル番号N(i0)+1の濃度情報255-I(N(i0)+1)より小さい値である。ここで、ノズル番号N(i0)は、マーカー位置ずれ量が他のマーカーの位置ずれ量と比べて非常に大きいマーカーを記録したノズルのノズル番号である。そのため、図11(b)では、ノズル番号N(i0)の近傍に位置するノズル番号N(i0)-1及びノズル番号N(i0)+1の濃度情報の算出結果には誤差が生じてしまう。
一方、本実施形態の手法を用いた場合、マーカーの位置ずれ量が他のマーカーの位置ずれ量と比べて非常に大きいマーカー番号i0で示されるマーカーを使用しないで、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置(各ノズル位置)が算出される。そのため、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置が高精度に算出される。その結果、図11(d)に示すように、マーカーの記録に使用したノズル間の各ノズルの濃度情報を高精度に算出することができる。算出された各ノズルの濃度情報は、所定の記憶領域に記憶される。
算出された各ノズルの濃度情報は、記録媒体に画像を記録する際に、画像に発生する濃度ムラやスジを抑制するために使用される。具体的には、記録媒体に画像を記録した際に、ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれによってスジが発生する場合、図4のフローチャートに従って処理を実行することで、各ノズルの濃度情報が取得できる。この場合、取得した各ノズルの濃度情報に基づいて、入力画像において表現したい濃度が記録媒体上で表現されるように、目標特性を参照して入力画像を補正することで濃度ムラやスジの発生を抑制できる。
<マーカー位置決定部が実行するマーカー位置算出処理>
以下、S403のマーカー位置算出処理の詳細について図6のフローチャートを用いて説明する。
S601では、マーカー位置決定部303は、i=1に設定する。このiはマーカー番号である。
S602では、マーカー位置決定部303は、マーカー番号iで示されるマーカーの近傍の領域をトリミングする。この際、ノズルから吐出されるインク着弾位置ずれや、搬送ベルトの蛇行等によるインクの着弾位置ずれ等が無い場合を想定している。
図12は、マーカー位置の算出方法を説明する図である。図12(a)に示すように、マーカー位置決定部303は、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいてマーカー番号iで示されるマーカーの想定画素位置を中心に(M×L)pixelの範囲をトリミングする。トリミングされた画像は、マーカー番号iの画像として所定の記憶領域に記憶される。
S603では、マーカー位置決定部303は、図12(a)に示す(M×L)pixelのトリミング画像をY方向に平均する。具体的には、マーカー位置決定部303は、X方向において画素位置が同一である各画素の画素値の平均値を算出する。これにより、図12(b)に示す(M×1)pixelの画像のラインプロファイルが算出される。
S604では、以下の式(2)に従って、マーカー位置決定部303は、マーカー番号iで示されるマーカーのラインプロファイルに基づいて、ラインプロファイルの重心位置を算出する。尚、重心位置は、トリミングした範囲のX方向における画素位置を示す。
Figure 2022030543000003
viは、マーカー番号iで示されるマーカーのラインプロファイルの重心位置である。I(j)は、ラインプロファイルにおける画素位置(j,1)の画素値である。本実施形態では、図12(b)に示すラインプロファイルに基づいて、マーカー番号iで示されるマーカーの重心位置Xviが算出される。図12(c)は、横軸をラインプロファイルのX方向の画素位置であり、縦軸をラインプロファイルにおける画素値I(j)を階調反転した値である。図12(c)の点線の位置がマーカー番号iで示されるマーカーの重心位置Xviとして算出される。
S605では、マーカー位置決定部303は、i=i+1に設定する。
S606では、マーカー位置決定部303は、i>knを満たすか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、マーカー位置算出処理を終了する。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S602に戻る。
<マーカー位置ずれ量決定部が実行するマーカー位置ずれ量算出処理>
以下、S404におけるマーカー位置ずれ量を算出する処理の詳細について図8のフローチャートを用いて説明する。
S801では、マーカー位置ずれ量決定部304は、i=1に設定する。このiはマーカー番号である。
S802では、マーカー位置ずれ量決定部304は、所定の近傍領域内に記録されたマーカーをマーカー群Ωiに選択する。具体的には、マーカー番号iで示されるマーカーのX方向の画素位置XΩiと、このマーカーの下側に記録された最近傍の階調パッチ101の中心のY方向の画素位置YΩiと、を中心とする所定の近傍領域内に記録されたマーカーがマーカー群Ωiに選択される。
図13は、マーカー群Ωiを示す図である。本実施形態では、図13に示すように、マーカー番号iで示されるマーカーの近傍領域であるW×Hpixelの点線領域1301内のマーカー番号i-1、i、i+1、i+n-1、i+n、及びi+n+1で示されるマーカーがマーカー群Ωiに選択さる。本実施形態では、階調パッチ101の上下でX方向に画素位置がずれたマーカーが配置されることにより、点線領域1301内の各マーカーを記録する際に使用されるノズル数が増えている。点線領域1301内には、何れか1つの階調パッチ101の上下に配置されたマーカーが含まれ、点線領域1301内のマーカーの数は6本程度である。
S803では、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ωiに選択された全マーカーの重心位置の平均値Xi_AVGを算出する。ここで、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量は等方的にランダムに分布すると仮定する。この場合、スキャナ収差によるマーカー位置変動や搬送ベルトの蛇行等によるインクの着弾位置ずれが無い場合、全ノズルから吐出されるインクのX方向における着弾位置ずれ量のヒストグラム分布は、図14に示すように、X=0を中心に等方的に分布する。
図14は、全ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量のヒストグラム分布を示す図である。図14の横軸はノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量Xである。図14の縦軸はノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量Xに対する分布数Nである。図14のXaveは、全ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量の平均値である。ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量のヒストグラムが等方的に分布するため、Xave≒0となる。また、スキャナ収差によるマーカー位置変動と、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量とは、点線領域1301が十分小さければ一定とみなせる。従って、点線領域1301が十分小さい場合、マーカー群Ωiに選択された全マーカーの重心位置の平均値Xi_AVGは、点線領域1301内におけるスキャナ収差によるマーカー位置変動及び搬送ベルト蛇行によるインクの着弾位置ずれ量と略等しくなる。
S804では、以下の式(3)に従って、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ωiに選択された全マーカーの重心位置の平均値Xvi_AVGを使用して、マーカー番号iで示されるマーカーの位置ずれ量Xiを算出する。
Figure 2022030543000004
図15は、マーカーΩiに選択された全マーカーの重心位置の平均値Xvi_AVGと、マーカー群Ωiに選択された各マーカーの重心位置とを示す図である。図15の横軸はマーカー番号である。図15の縦軸は算出した各マーカーの画素位置である。図15には、n本単位のスキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701と、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれを示す点線702とが示されている。また、図15には、マーカー群Ωiに選択されたマーカー番号i-1~i+1、マーカー番号i+n-1~i+n+1で示される各マーカーの重心位置がプロットされている。本実施形態では、Y方向の中心がYΩiである階調パッチ101の上に記録されたn本のマーカーの内、マーカー群Ωiを含む点線領域1301には、3本程度が含まれている。点線領域1301のX方向における範囲(3本程度)は、濃度ムラ検出スキャン画像データのX方向における両端間の範囲(n本単位)に比べて十分に小さい。また、点線領域1301のY方向における範囲(1つの階調パッチ101の上下に位置するマーカー)は、濃度ムラ検出スキャン画像データのY方向における両端間の範囲に比べて十分に小さい。そのため、点線領域1301内の各マーカーにおけるスキャナ収差によるマーカー位置変動量と、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量とは、一定値とみなせる。従って、マーカー群Ωiの全マーカーの重心位置の平均値Xi_AVGと、マーカー番号iで示されるマーカーの重心位置とにおいて、スキャナ収差によるマーカー位置変動量及び搬送ベルト蛇行によるインクの着弾位置ずれ量は略等しいとみなせる。そのため、式(3)によって算出される各マーカーの位置ずれ量は、スキャナ収差によるマーカー位置変動量及び搬送ベルト蛇行によるインクの着弾位置ずれ量を排除した値となる。
S805では、マーカー位置ずれ量決定部304は、i=i+1に設定する。
S806では、マーカー位置ずれ量決定部304は、i>knを満たすか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、マーカー位置ずれ算出処理を終了する。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S802に戻る。
<基準マーカー選択部が実行する基準マーカー選択処理>
以下、S405の基準マーカー選択処理の詳細について図10のフローチャートを用いて説明する。
S1001では、基準マーカー選択部305は、i=1に設定する。このiはマーカー番号である。
S1002では、基準マーカー選択部305は、マーカー番号iで示されるマーカーの位置ずれ量XiがXi<ΔXを満たすか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S1003へ進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S1004へ進む。
S1003では、基準マーカー選択部305は、マーカー番号iで示されるマーカーをマーカー間の各ノズル位置の算出に使用する基準マーカーに選択する。
S1004では、基準マーカー選択部305は、i=i+1に設定する。
S1005では、基準マーカー選択部305は、i>knを満たすか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、基準マーカー選択処理を終了する。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S1002に戻る。
<本実施形態の効果>
以上説明した一連の処理を行うことにより、本実施形態では、マーカーの記録に使用するノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれている場合においても、図11(c)、(d)に示すように、高精度に各ノズルの濃度情報を算出できる。
尚、本実施形態では、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置の算出にライン状のマーカーを使用したが、マーカーの形状はこれに限定されず、例えば、三角形や四角形等の2次元形状パターンでもよい。
[第2の実施形態]
以下、本実施形態について説明する。尚、本実施形態における各装置の構成は、第1の実施形態と同様のため説明は省略する。
スキャナ収差や搬送ベルトの蛇行により、図7に示すようなマーカー位置変動やインクの着弾位置ずれが生じる。第1の実施形態では、マーカー番号iで示されるマーカーの重心位置と、近傍の複数のマーカーの重心位置の平均値との差分を求め、各ノズルから吐出されるインクの位置ずれ量を算出する。また、第1の実施形態では、階調パッチ101の上に位置するマーカーと、下に位置するマーカーと、のX方向における画素位置をずらすことでマーカーの記録に使用するノズル数を増やしている。ここで、ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量の算出精度を高めるために、重心位置の平均値を算出する対象のマーカー数を増やす場合を想定する。この場合、算出対象のマーカーからY方向に遠いマーカーは、搬送ベルト蛇行の等によるマーカー位置変動の影響を受け、重心位置の平均値の算出において誤差が生じる。その結果、算出したマーカー位置ずれ量に誤差が生じる場合がある。
そこで、本実施形態では、スキャナ収差によるマーカー位置変動と搬送ベルト蛇行によるインクの着弾位置ずれとの影響を排除することにより、マーカー位置ずれ量を更に高精度に算出する。具体的には、まず、マーカー番号iで示されるマーカーとX方向の画素位置が近く、濃度ムラ検出スキャン画像データのY方向の両端に渡り配置されたマーカー群Ψiを選択する。
図17は、マーカー群Ψiと、マーカー群Φiとを示す図である。選択されたマーカー群Ψiに基づいて、スキャナ収差や搬送ローラー段差等のX方向位置に依存するインクの着弾位置ずれ量を、後述する式(4)を用いて高精度に排除する。次に、マーカー番号iで示されるマーカーとY方向の画素位置が近く、濃度ムラ検出スキャン画像データのX方向両端に渡り配置されたマーカー群Φiを選択する。選択されたマーカー群Φiに基づいて、後述する処理によって搬送ベルト蛇行等のY方向位置に依存するインクの着弾位置ずれ量を、後述する式(4)を用いて高精度に排除する。
<マーカー位置ずれ決定部が実行する処理>
以下、本実施形態におけるマーカー位置ずれ量決定部304が実行する処理について、図16を用いて説明する。本実施形態におけるマーカー位置ずれ量決定部304が実行する処理において、S1601~1604以外は、図8を用いて説明した内容と同様のため、S1601~1604以外についての説明は省略する。尚、各ステップは、S801、S1601~1604、S805、S806の順番で実行される。
S1601では、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ψiを選択する。ここで、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいて、マーカー番号iで示されるマーカーのX方向の画素位置はXΨiである。図17に示すように、X方向における範囲がXΨi-ΔΨ<X<XΨi+ΔΨを満たし、かつ、Y方向における範囲が濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるY方向両端に渡る点線領域1701内に記録されたマーカーがマーカー群Ψiとして選択される。マーカー群Ψiには、マーカー番号iで示されるマーカーが含まれる。
S1602では、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Φiを選択する。ここで、濃度ムラ検出スキャン画像データにおいて、マーカー番号iで示されるマーカーの下側に記録された階調パッチ101のY方向の画素位置の中心はYΦiである。図17に示すように、Y方向における範囲がYΦi-ΔΦ<Y<YΦi+ΔΦを満たし、かつ、X方向における範囲が濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるX方向両端に渡る点線領域1702内に記録されたマーカーがマーカー群Φiに選択される。マーカー群Φiには、マーカー番号iで示されるマーカーが含まれる。
S1603では、マーカー位置ずれ量決定部304は、Y方向マーカー群Ψiの全マーカーの重心位置の平均値と、X方向マーカー群Ψiの全マーカーの重心位置平均値とを算出する。
S1604では、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ψiの重心位置の平均値XvΨi_AVGと、マーカー群Φiの重心位置の平均値XvΦi_AVGとに基づいて、マーカー番号iで示されるマーカーの位置ずれ量Xiを算出する。マーカーの位置ずれ量Xiは、以下の式(4)に従い算出される。
Figure 2022030543000005
濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるY方向両端に渡る点線領域1701内では、スキャナ収差によるマーカー位置変動量が一定とみなせる。また、点線領域1701内では、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量は、搬送ベルトの蛇行の1周期分によるインクの着弾位置ずれ量を平均すれば0とみなせる。ここでは搬送ベルトの蛇行の1周期分が濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるY方向両端間より十分に小さいものとする。従って、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ψiとして選択した全マーカーの重心位置の平均値XvΨi_AVGを式(4)に適用することにより、スキャナ収差によるマーカー位置変動量を高精度に排除できる。従って、スキャナ収差によるマーカー位置変動量を排除し、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を高精度に算出できる。
また、濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるX方向両端に渡る点線領域1702内では、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量が一定とみなせる。また、点線領域1702内では、スキャナ収差によるマーカー位置変動量は、スキャナ収差の1周期分を平均化することになるので0とみなせる。従って、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Φiとして選択した全マーカーの重心位置の平均値XvΦi_AVGを式(4)に適用することにより、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量を高精度に排除できる。従って、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量を排除し、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を高精度に算出できる。
図18は、マーカー群Ψiに選択された各マーカーの位置ずれを示す図である。マーカー位置ずれ量決定部304によって算出された各マーカーの位置ずれを図18に示す。図18の横軸はマーカー番号である。図18の縦軸は算出された各マーカーの画素位置である。図18においてプロットされている点は、各マーカー番号で示される各マーカーの画素位置である。図18において、実線の矩形領域1801内に画素位置がプロットされているマーカーがマーカー群Ψiに選択されている。また、図18において、点線の矩形領域1802内に画素位置がプロットされているマーカーがマーカー群Φiに選択されている。ここで、マーカー位置ずれ量決定部304は、点線の矩形領域1802内に画素位置がプロットされている2n本の全マーカーの重心位置を平均することにより、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれを示す点線702を高精度に導出できる。図18において、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701は、搬送ベルトの蛇行に応じて全体的にシフトするが、その形状は変わらない。従って、マーカー位置ずれ量決定部304は、実線の矩形領域1801内に画素位置がプロットされている各マーカーの重心位置を平均することにより、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線701を高精度に導出できる。
<本実施形態の効果>
以上説明した処理を行うことにより、本実施形態では、スキャナ収差によるマーカー位置変動量と、搬送ベルトの蛇行によるインク着弾位置ずれ量と、を個別に排除でき、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量を高精度に算出できる。
[第3の実施形態]
以下、本実施形態について説明する。尚、本実施形態における各装置の構成は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
第2の実施形態では、スキャナ収差によるマーカー位置変動量と搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量とを個別に排し、ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量が高精度に取得できる。但し、記録媒体のたわみ等により、スキャナ収差によるマーカー位置変動量が局所変動する場合、一部領域において、Y方向両端に渡り配置された全マーカーの重心位置の平均値の算出において誤差が生じる。その結果、ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量の算出において誤差が生じ、各ノズルの濃度情報の算出において誤差が生じる場合がある。
そこで、本実施形態では、スキャナ収差によるマーカー位置変動量を、近傍のマーカーの重心位置の平均値を用いて算出する。これにより、記録媒体のたわみ等によりスキャナ収差によるマーカー位置変動量が局所的に変動する場合においても、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量を高精度に算出できる。具体的には、マーカー番号iで示されるマーカーとX方向の画素位置が近く、Y方向の正負近傍に配置されたマーカー群Ψi´に基づいて、スキャナ収差によるマーカー位置変動量を高精度に排除する。
<マーカー位置ずれ決定部が実行する処理>
以下、本実施形態におけるマーカー位置ずれ量決定部304が実行する処理について、図19を用いて説明する。本実施形態におけるマーカー位置ずれ量決定部304が実行する処理において、S1901以外は、図8及び図16を用いて説明した内容と同様のため、S1901以外についての説明は省略する。尚、各ステップは、S801、S1901、S1602~1604、S805、S806の順番で実行される。
S1901では、マーカー位置ずれ量決定部304は、X方向においてXΨi-ΔΨ<X<XΨi+ΔΨを満たし、かつ、Y方向においてYΦi-ΔΦ´<Y<YΦi+ΔΦ´を満たす点線領域2001内のマーカーをマーカー群Ψi´として選択する。ここで、XΨiはマーカー番号iで示されるマーカーのX方向の画素位置、YΦiはマーカー番号iで示されるマーカーの下側に位置する階調パッチ101のY方向の画素位置の中心である。
図20は、マーカー群Φi´を示す図である。図20に示すように、濃度ムラ検出スキャン画像データのX方向においてXΨi-ΔΨ<X<XΨi+ΔΨを満たし、かつ、Y方向においてYΦi-ΔΦ´<Y<YΦi+ΔΦ´を満たす点線領域2001内に記録されたマーカーがマーカー群Ψi´に選択される。
ここで、点線領域2001内に位置するマーカーでは、記録媒体のたわみ等によりスキャナ収差によるマーカー位置変動量が局所的に変動する場合において、そのマーカー位置変動量は、一定とみなせるものとする。そのため、マーカー位置ずれ量決定部304は、マーカー群Ψi´として選択した全マーカーの重心位置平均値XvΨi_AVGを式(4)に適用することにより、スキャナ収差によるマーカー位置変動量が高精度に排除できる。従って、スキャナ収差によるマーカー位置変動量を排除し、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を高精度に算出できる。
また、X方向の正負近傍に配置されたマーカー群では、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量が一定とみなせる。そのため、X方向の正負近傍に配置されたマーカー群として選択した全マーカーの重心位置の平均値XvΦi_AVGを式(4)に適用することにより、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量を高精度に排除できる。従って、搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれ量を排除し、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置を高精度に算出できる。
図21は、マーカー群Φi´に選択された各マーカーの位置ずれを示す図である。マーカー位置ずれ量決定部304によって算出された各マーカーの位置ずれを図21に示す。図21の横軸はマーカー番号である。図21の縦軸は算出された各マーカーの画素位置である。図21においてプロットされている点は、各マーカー番号で示される各マーカーの画素位置である。図21において実線の矩形領域2101内に画素位置がプロットされているマーカーがマーカー群Ψi´に選択される。マーカー位置ずれ量決定部304は、X方向の正負近傍に配置されたマーカーの重心位置の平均値に基づいて、画素位置XΨiにおける搬送ベルトの蛇行によるインクの着弾位置ずれを示す点線702を高精度に導出できる。図21において、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線は、搬送ベルトの蛇行に応じて全体的にシフトする。記録媒体のたわみ等により、スキャナ収差によるマーカー位置変動量が変化するため、図21において、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線2102、2104、2106の形状は異なる。但し、矩形領域2101内では、記録媒体のたわみ等によるマーカー位置の局所変動は一定とみなせるため、スキャナ収差等の影響を受けた各マーカーの画素位置を示す線2103~2105は略同一の線となる。スキャナ収差によるマーカー位置変動量が局所的に変化する場合、マーカー位置ずれ量決定部304は、矩形領域2101内の全マーカーの重心位置を平均する。これにより、スキャナ収差等によるマーカー位置変動を示す線2103~2105を高精度に導出できる。
<本実施形態の効果>
以上説明した処理を行うことにより、本実施形態では、記録媒体のたわみ等によって、スキャナ収差によるマーカー位置変動量が局所的に変化する場合においても、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれを高精度に算出できる。
[第4の実施形態]
第1~第3の実施形態では、均等間隔に並んだマーカーを階調パッチ101上下にマーカー間隔周期の半周期分だけX方向にずらされて配置された濃度ムラ検出スキャン画像データを用いて、ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれを高精度に算出する。但し、搬送ローラーによる段差のように、一部領域においてインクの着弾位置が急峻に変動する場合、濃度ムラ検出スキャン画像データにおけるY方向の両端に渡り配置された全マーカーの重心位置の平均値の算出において誤差が生じる。その結果、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量の算出において誤差が生じる場合がある。
そこで、本実施形態では、搬送ローラーによる段差が生じる領域にマーカーが多数配置されるように、マーカーのX方向における画素位置を設定する。これにより、搬送ローラーの段差によりインクの着弾位置が急峻に変動する場合においても、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量を高精度に算出することを可能とする。尚、本実施形態における各装置の構成は、記録媒体の搬送手段が搬送ローラーであることを除き、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
<画像処理装置が実行する処理>
以下、本実施形態における画像処理装置200が実行する処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。本実施形態における画像処理装置200が実行する処理は、S2201、S2202以外は、第1の実施形態における図4のフローチャートで示される内容と同様のため、S2201、S2202以外についての説明は省略する。尚、各ステップは、S2201、S2202、S402~S406の順番で実行される。
S2201では、濃度ムラ検出画像データ生成部301は、プリント画像出力装置211の搬送ローラーの段差によりインクの着弾位置が急峻に変動する領域にマーカーが多数配置されるように、画素値θi(i=1~4)を設定する。画素値θiは、以下の式(5)に従い設定される。
Figure 2022030543000006
iは搬送ローラーのX方向両端のX方向における画素位置である。pは搬送ローラーのX方向両端Riと同一の画素位置に配置されるマーカーを示すマーカー番号である。Riは、1≦p≦nかつ、0≦θi<2T+1を満たす値を取る。具体的には、濃度ムラ検出画像データ生成部301は、式(5)に、p=1~nを順次代入していき、0≦θi<2T+1を満たすp及びθiを算出する。
S2202では、濃度ムラ検出画像データ生成部301は、S2201において設定した画素値θiに応じて、X方向における画素位置をずらしたマーカーが配置された濃度ムラ検出画像データを生成する。
図23は、濃度ムラ検出画像データ生成部301によって生成される濃度ムラ検出画像データに基づいて記録される濃度ムラ検出画像のイメージ図である。本実施形態では、図23に示すように、各階調パッチ101の上または下に配置されるn本のマーカーの内、X方向における画素位置が最小となるマーカーの位置をずらしている。このマーカーは、濃度ムラ検出画像データのX方向における最小の画素位置から(θi-Δθ)、θi、(θi+Δθ)pixelだけX方向に画素位置がずらされている。これにより、濃度ムラ検出画像データにおける搬送ローラーのX方向両端のX方向における画素位置Riの近傍領域2301~2304にマーカーが多数配置される。本実施形態では、Δθ=1pixelである。
図24は、搬送ローラーの段差等によるマーカー位置変動を示す図である。本実施形態では、図24に示すマーカー位置が算出されている。スキャナ収差によるマーカー位置変動と、搬送ローラーの段差によるインクの着弾位置ずれと、を図24に示す。図24の横軸はマーカー番号である。図24の縦軸は算出した各マーカーの画素位置である。図24では、搬送ローラーのX方向両端Ri近傍で多数のマーカー位置がプロットされている。従って、スキャナ収差によるマーカー位置変動及び搬送ローラー段差によるインクの着弾位置の急峻な変動の影響を受けたインクの着弾位置ずれを示す線2401を高精度に排除できる。
式(3)によって算出される各マーカーの位置ずれ量は、スキャナ収差によるマーカー位置変動量及び搬送ローラーの段差によるインクの着弾位置ずれ量を排除した値となる。その結果、マーカーの記録に使用したノズル間の各ノズルの濃度情報を高精度に算出できる。
本実施形態では、画素値θiを設定し、濃度ムラ検出画像データのX方向において最小の画素位置から(θi-1)、θi、(θi+1)pixelだけX方向に画素位置をずらしたマーカーを配置した。但し、搬送ローラーの段差によりインクの着弾位置が急峻に変動する領域をサンプリングできる値だけX方向における画素位置をずらせばよく、X方向にずらす画素値は±1pixelに限定されない。
同様に、各階調パッチ101の上または下に配置されるn本のマーカーの内、X方向における画素位置が最小となるマーカーの位置に応じて、マーカーの記録に使用されるノズルが変更されてもよい。特に、全ノズルがマーカーの記録に使用されるようにすれば、全ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量を高精度に取得できるだけでなく、ノズルの使用率が均一化されるため、ヘッドの寿命が延びる等の効果も期待できる。
<本実施形態の効果>
以上説明した処理を行うことにより、本実施形態では、搬送ローラー段差によりインク着弾位置が急峻に変動する場合においても、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置ずれ量を高精度に算出できる。
[その他の実施形態]
以上述べた各実施形態を適用可能な画像形成装置は、フルラインタイプのインクジェットプリンタに限らない。例えば、前述した各実施形態は、記録ヘッドを用紙の搬送方向と交差する方向に走査して画像を形成する、所謂シリアルタイプのインクジェットプリンタに適用されてもよい。
また、前述した各実施形態を適用可能な画像形成装置における画像形成の方式もインクジェット方式に限定されない。例えば、前述した各実施形態は、記録素子としてLEDや発熱体を使用する画像形成装置にも適用されてもよい。具体的には、露光のための光源としてLEDアレイを用いた電子写真プリンタや、固形インクを気化させるための熱源として微小な発熱体が並んだサーマルヘッドを用いた昇華型プリンタにも、前述した各実施形態は適用可能である。
また、前述した各実施形態で使用したマーカーは、チャート中の全ての階調パッチ101の上下に配置しなくてもよい。例えば、記録媒体の搬送等によるマーカー位置ずれ量の特性等に基づいて、ノズルから吐出されるインクの位置ずれの算出に必要な位置に形成される階調パッチ101の上下のみにマーカーを配置する等としてもよい。
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
濃度ムラ検出画像データ生成部301
スキャン画像入力部302
マーカー位置決定部303
マーカー位置ずれ量決定部304
基準マーカー選択部305
濃度情報決定部306

Claims (16)

  1. 各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得手段と、
    前記スキャン画像データに基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定手段と、
    前記マーカー位置ずれ量に基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置の補間に用いる基準マーカーを選択する選択手段と、
    前記基準マーカーを用いて、前記各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記選択手段は、前記マーカー位置ずれ量が所定の値より小さい値である前記マーカーを、前記基準マーカーに選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記濃度情報決定手段は、前記基準マーカーを用いた線形補間に基づいて、前記マーカーの記録に使用されない前記ノズルの濃度情報を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記マーカー位置ずれ決定手段は、
    対象のマーカーごとに、所定の近傍領域に位置する複数のマーカーをマーカー群として選択し、
    前記マーカー群に選択した前記複数のマーカーそれぞれのマーカー位置ずれ量の平均値を決定し、
    前記対象のマーカーの前記マーカー位置と、前記マーカー群に選択した前記複数のマーカーそれぞれの前記マーカー位置ずれ量の平均値と、に基づいて、前記対象のマーカーのマーカー位置ずれ量を決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記近傍領域は、前記スキャン画像データの、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において前記記録媒体が搬送される搬送方向に垂直となる垂直方向における両端とすることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記近傍領域は、前記スキャン画像データの、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において前記記録媒体が搬送される搬送方向における両端とすることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記近傍領域は、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において前記記録媒体が搬送される搬送方向において、読み取り収差の所定の周期分となることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 前記チャート画像は、搬送ベルトによって前記記録媒体を搬送して画像を記録する画像記録装置によって記録され、
    前記近傍領域は、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において前記記録媒体が搬送される搬送方向に垂直となる垂直方向において、前記搬送ベルトの蛇行の所定の周期分となることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  9. 前記チャート画像は、搬送ローラーによって前記記録媒体を搬送して画像を記録する画像記録装置によって記録され、
    前記スキャン画像データにおいて、前記搬送ローラーの両端の前記近傍領域に前記マーカーが位置することを特徴とする請求項4乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記1つ以上の階調パッチのそれぞれに対して、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において前記記録媒体が搬送される搬送方向の上流に隣接して記録された前記マーカー、および、前記搬送方向の下流に隣接して記録された前記マーカーは、異なるノズルから吐出されたインクによって記録されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記マーカーごとに、前記マーカーが記録された前記マーカー位置を決定するマーカー位置決定手段をさらに有し、
    前記マーカー位置ずれ量決定手段は、前記決定されたマーカー位置の前記マーカー位置ずれ量を決定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記チャート画像を生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データ生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の画像処理装置。
  13. 各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得手段と、
    前記スキャン画像データに基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定手段と、
    前記マーカー位置ずれ量に基づいて、前記各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定手段と、
    を有し、
    前記1つ以上の階調パッチのそれぞれに対して、前記チャート画像を読み取る読み取り手段において記録媒体が搬送される搬送方向の上流に隣接して記録された前記マーカー、および、前記搬送方向の下流に隣接して記録された前記マーカーは、異なるノズルから吐出されたインクによって記録されていることを特徴とする画像処理装置。
  14. 各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得ステップと、
    前記スキャン画像データに基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定ステップと、
    前記マーカー位置ずれ量に基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置の補間に用いる基準マーカーを選択する選択ステップと、
    前記基準マーカーを用いて、前記各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  15. 各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を決定するためのマーカーと、1つ以上の階調パッチと、を含む、記録媒体上のチャート画像を読み取って得られるスキャン画像データを取得する取得ステップと、
    前記スキャン画像データに基づいて、前記マーカーごとに、マーカー位置ずれ量を決定するマーカー位置ずれ量決定ステップと、
    前記マーカー位置ずれ量に基づいて、前記各ノズルの濃度情報を決定する濃度情報決定ステップと、
    を有し、
    前記1つ以上の階調パッチのそれぞれに対して、前記チャート画像を読み取る際に記録媒体が搬送される搬送方向の上流に隣接して記録された前記マーカー、および、前記搬送方向の下流に隣接して記録された前記マーカーは、異なるノズルから吐出されたインクによって記録されていることを特徴とする画像処理方法。
  16. コンピュータを、請求項1乃至13の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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