JP2022030376A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機膜が設けられた基板の冷却を図ることができ、且つ、デバイスにダメージが発生するのを抑制することができるプラズマ処理装置を提供することである。【解決手段】実施形態に係るプラズマ処理装置は、ベースと、前記ベースの一方の面に設けられた複数のデバイスと、前記ベースの一方の面に設けられ、前記複数のデバイスを覆う有機膜と、前記ベースの他方の面に設けられたレジストマスクと、を有する基板を処理するプラズマ処理装置である。前記基板の、前記有機膜が形成された側が載置される静電チャックと、前記静電チャックに冷却ガスを供給する冷却ガス供給部と、を備えている。前記静電チャックは、表面に開口する複数の溝と、厚み方向に貫通する複数の孔と、を有する誘電体と、前記誘電体の内部に設けられた電極と、前記誘電体の前記表面に設けられ、前記複数の溝の開口を覆うフィルムと、を有している。前記冷却ガス供給部は、少なくとも、前記フィルムと、前記複数の溝と、により画された空間に前記冷却ガスを供給する。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、プラズマ処理装置に関する。
ウェーハなどの板状のベースと、ベースの一方の面(以降、デバイス面と称する)に設けられた複数のデバイスと、ベースの他方の面(以降、裏面と称する)に形成されたレジストマスクと、を有する基板がある。レジストマスクは、例えば、ベースの裏面の所定の領域にイオンを注入するために設けられる。
この様な基板においては、イオンの注入後、基板の裏面側に形成されたレジストマスクを、プラズマ処理などにより除去している。プラズマ処理を行う際には、基板が静電チャックに載置される。この場合、除去対象であるレジストマスクが形成されている基板の裏面側がプラズマ処理空間に向けられ、基板のデバイス面側が静電チャックに載置される。
ところが、基板のデバイス面側には複数のデバイスが設けられている。そのため、複数のデバイスを保護するために、基板のデバイス面側にガラス基板を貼り付ける技術が提案されている。しかしながら、ガラス基板を貼り付けると、基板が静電チャックに吸着されにくくなる。そのため、静電チャックと基板との間に隙間が生じ、静電チャックによる基板の冷却が抑制されて、プラズマ処理の際の熱により、ガラス基板を貼り付けている接着層が変質し易くなる。接着層が変質すると、ガラス基板の剥離が困難となったり、ガラス基板を剥離した際に接着層の一部が基板のデバイス面側に残る場合がある。
また、基板のデバイス面側にシートを貼り付ける技術が提案されている。シートの種類によっては、ガラス基板の場合よりも、基板が静電チャックに吸着され易くなる。しかしながら、静電チャックと基板との間に隙間が生じ易くなることには変わりが無い。そのため、ガラス基板の場合と同様に、シートの剥離が困難となったり、シートを剥離した際に接着層の一部が基板のデバイス面側に残ったりするおそれがある。
また、ガラス基板やシートを基板に貼り付けるようにすると、これらを貼り付ける装置や、これらを除去する装置が別途必要となり、製造コストの増大を招くことになる。
そこで、ガラス基板およびシートに代わるデバイスを保護する方法が求められている。本発明者らは、ガラス基板およびシートに代えて、複数のデバイスを覆う有機膜を、基板のデバイス面側に設ける方法を検討した。有機膜は、厚みを薄くすることができるので、基板が静電チャックに吸着され易くなる。そのため、静電チャックによる有機膜の冷却が容易となるので、有機膜の温度が上昇するのを抑制することができる。また、有機膜の形成はスピンコートなどの既存の技術により行うことができ、有機膜の除去もプラズマ処理やウェット処理などの既存の技術により行うことができる。そのため、有機膜の形成や除去は、既存の装置で対応することができる。
ここで、静電チャックの表面に微細な粒子が付着している場合がある。有機膜は厚みが薄く柔らかいので、静電チャックの表面に微細な粒子が付着していると、静電チャックにより基板を吸着した際に、粒子が有機膜に押し込まれる。この場合、押し込まれた粒子がデバイスに到達するとデバイスにダメージが発生するおそれがある。
また、静電チャックの表面に、変性フッ素樹脂をコーティングする技術が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
しかしながら、基板の冷却を行う静電チャックの場合には、冷却ガスを流す溝を静電チャックの表面に設ける必要がある。表面に溝を有する静電チャックに対して、変性フッ素樹脂のコーティングを行うと、溝が変性フッ素樹脂により塞がれて、冷却ガスを用いた冷却が困難となる。
そこで、有機膜が設けられた基板の冷却を図ることができ、且つ、デバイスにダメージが発生するのを抑制することができるプラズマ処理装置の開発が望まれていた。
特開2008-91353号公報
本発明が解決しようとする課題は、有機膜が設けられた基板の冷却を図ることができ、且つ、デバイスにダメージが発生するのを抑制することができるプラズマ処理装置を提供することである。
実施形態に係るプラズマ処理装置は、ベースと、前記ベースの一方の面に設けられた複数のデバイスと、前記ベースの一方の面に設けられ、前記複数のデバイスを覆う有機膜と、前記ベースの他方の面に設けられたレジストマスクと、を有する基板を処理するプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置は、前記基板の、前記有機膜が形成された側が載置される静電チャックと、前記静電チャックに冷却ガスを供給する冷却ガス供給部と、を備えている。前記静電チャックは、表面に開口する複数の溝と、厚み方向に貫通する複数の孔と、を有する誘電体と、前記誘電体の内部に設けられた電極と、前記誘電体の前記表面に設けられ、前記複数の溝の開口を覆うフィルムと、を有している。前記冷却ガス供給部は、少なくとも、前記フィルムと、前記複数の溝と、により画された空間に前記冷却ガスを供給する。
本発明の実施形態によれば、有機膜が設けられた基板の冷却を図ることができ、且つ、デバイスにダメージが発生するのを抑制することができるプラズマ処理装置が提供される。
基板の模式断面図である。 本実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。 静電チャックの構成を例示するための模式断面図である。 静電チャックの模式平面図である。 比較例に係る静電チャックを例示するための模式断面図である。 (a)、(b)は、フィルムの作用を例示するための模式断面図である。 フィルムの効果を例示するためのグラフ図である。 他の実施形態に係る静電チャックの構成を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(基板100)
まず、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1により処理される基板100を例示する。
図1は、基板100の模式断面図である。
図1に示すように、基板100には、ベース101、デバイス102、レジストマスク103、および有機膜104を設けることができる。
ベース101は、板状体とすることができる。ベース101は、例えば、ウェーハなどの半導体基板とすることができる。ベース101は、裏面101aとデバイス面101bを有する。ベース101の裏面101aには、凹部101a1が設けられている。凹部101a1は、例えば、ベース101の裏面101aを研磨することで形成することができる。凹部101a1は、必ずしも必要ではないが、凹部101a1が設けられていれば、ベース101の、複数のデバイス102が形成されている領域の厚みを薄くすることができる。そのため、ベース101の裏面101a側から、デバイス102が形成される領域にイオンなどを注入するのが容易となる。
複数のデバイス102は、ベース101のデバイス面101bに設けられている。デバイス102の種類、数、配置などには、特に限定がない。デバイス102は、例えば、裏面電極を有するパワートランジスタなどとすることができる。複数のデバイス102は、既知の半導体製造プロセスにより形成することができるので、製造などに関する詳細な説明は省略する。
レジストマスク103は、凹部101a1の底面に設けることができる。レジストマスク103は、凹部101a1の底面の所定の領域にイオンなどを注入するために設けられている。例えば、レジストマスク103は、いわゆるインプラレジストマスクなどとすることができる。レジストマスク103は、例えば、既知のフォトリソグラフィ法により形成することができるので、製造などに関する詳細な説明は省略する。
なお、プラズマ処理装置1により処理される基板100は、イオンの注入後の基板100である。そのため、レジストマスク103の表面には、イオンの注入工程において、イオンがレジストマスク103に入射することで形成された硬化層がある。
有機膜104は、ベース101のデバイス面101bに設けられ、複数のデバイス102を覆っている。有機膜104は、複数のデバイス102を保護するために設けられている。有機膜104の厚みには特に限定がなく、複数のデバイス102が有機膜104により覆われていればよい。特に、保護膜として使用後の除去のし易さおよび除去時間の短縮を考慮すると、有機膜104の厚みは、出来るだけ薄いことが好ましい。
ただし、有機膜104の厚みが薄くなり過ぎると、後述する粒子200が有機膜104に押し付けられた際に、粒子200がデバイス102に到達するおそれがある(例えば、図5を参照)。一般的に、デバイス102の厚みは数百nm程度であるため、有機膜104の厚みは、例えば、1μm以上とすることができる。より好ましくは、3μm以上、10μm以下である。本実施形態では、有機膜の厚みは、3μmである。有機膜104は、例えば、フォトレジストやポリイミドなどの樹脂を含むことができる。有機膜104は、例えば、既知のスピンコート法などにより形成することができるので、製造などに関する詳細な説明は省略する。なお、有機膜104の厚みとは、デバイス102の最も厚みのある部分がカバーされる厚さtである(図1参照)。厚さtは、例えば、TEMやSEMで基板100の断面を確認することで確認するようにすればよい。
(プラズマ処理装置1)
次に、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1について例示する。
なお、以下においては、一例として、上部に誘導結合型電極を有し、下部に容量結合型電極を有する二周波プラズマ処理装置を例示するが、プラズマの発生方法はこれに限定されるわけではない。例えば、プラズマ処理装置は、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を用いたプラズマ処理装置や、容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)を用いたプラズマ処理装置などであってもよい。
ただし、前述したように、除去対象であるレジストマスク103の表面には、イオンの注入工程で形成された硬化層がある。そのため、ラジカルなどによる化学的な除去が困難な硬化層を、イオンにより物理的に除去することが好ましい。この場合、二周波プラズマ処理装置とすれば、基板100に引き込むイオンのエネルギーを制御することができるので、硬化層の除去が容易となる。そのため、プラズマ処理装置1は、二周波プラズマ処理装置とすることが好ましい。
なお、プラズマ処理装置1の一般的な動作や、レジストマスク103を除去する際のプロセス条件などには既知の技術を適用することができるので、これらの詳細な説明は省略する。
図2は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するための模式断面図である。 図2に示すように、プラズマ処理装置1には、チャンバ2、電源ユニット3、電源ユニット4、減圧部5、ガス供給部6、載置部7、およびコントローラ8を設けることができる。
コントローラ8は、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを有することができる。コントローラ8は、例えば、コンピュータとすることができる。コントローラ8は、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、プラズマ処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。なお、各要素の動作を制御する制御プログラムには既知の技術を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
チャンバ2は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ2は、例えば、略円筒形状を呈している。チャンバ2は、例えば、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。チャンバ2は、接地することができる。
チャンバ2の側面には、基板100の搬入と搬出を行うための孔2aを設けることができる。チャンバ2の孔2aが設けられた部分には、ロードロックチャンバ21を接続することができる。ロードロックチャンバ21にはゲートバルブ22を設けることができる。プラズマ処理を行う際には、ゲートバルブ22により孔2aが気密となるように閉鎖される。基板100の搬入と搬出を行う際には、ゲートバルブ22により孔2aがロードロックチャンバ21と連通される。
チャンバ2の天井には、窓23が気密となるように設けられている。窓23は、板状を呈している。窓23は、電磁場を透過させることができる。窓23は、プラズマ処理を行った際にダメージを受けにくい材料から形成することができる。窓23は、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
チャンバ2の内部には、遮蔽体24を設けることができる。プラズマ処理を行うと反応生成物が生成される。反応生成物がチャンバ2の内壁に堆積し、堆積した反応生成物が剥がれ落ちるとパーティクルなどの汚染物となる。また、堆積量が多くなると、処理環境が変動して処理レートが変動したり、製品品質にバラツキが生じたりする。そのため、定期的に、あるいは反応生成物の堆積量に応じてクリーニングが行われる。この場合、チャンバ2の内壁などをクリーニングすることもできるが、手間、時間、費用がかかることになる。
そこで、チャンバ2の内部には、遮蔽体24が設けられている。遮蔽体24は、筒状を呈し、例えば、載置部7の上面および窓23の表面以外の部分を覆うように設けることができる。遮蔽体24は、例えば、アルミニウム合金などから形成され、表面にアルマイト処理やセラミック溶射処理(アルミナ、イットリウムなど)などを施すことができる。遮蔽体24が設けられていれば、クリーニングの際に遮蔽体24を交換すればよいので、クリーニングに要する手間などを大幅に削減することができる。
電源ユニット3は、チャンバ2の内部空間においてプラズマPを発生させる。
電源ユニット3は、例えば、アンテナ31、整合器32、および電源33を有する。
アンテナ31は、チャンバ2の外部であって、窓23の上に設けることができる。アンテナ31は、整合器32を介して電源33と電気的に接続されている。アンテナ31は、例えば、電磁場を発生させる複数のコイルと、複数のコンデンサとを有することができる。
整合器32は、電源33側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合回路などを備えることができる。
電源33は、高周波電源とすることができる。電源33は、例えば、100KHz~100MHz程度の周波数を有する高周波電力をアンテナ31に印加する。この場合、電源33は、プラズマPの発生に適した周波数(例えば、13.56MHz)を有する高周波電力をアンテナ31に印加する。また、電源33は、出力する高周波電力の周波数を変化させるものとすることもできる。
電源ユニット4は、いわゆるバイアス制御のために設けられている。すなわち、電源ユニット4は、基板100に引き込むイオンのエネルギーを制御するために設けられている。前述したように、レジストマスク103の表面には硬化層が形成されている。硬化層は硬さが硬く、また、ラジカルなどによる化学的な除去が難しい。本実施の形態に係るプラズマ処理装置1には、電源ユニット4が設けられているので、基板100に引き込むイオンのエネルギーを制御することでイオンによるスパッタ効果を生じさせ易くなる。そのため、硬化層の物理的な除去が容易となる。
電源ユニット4は、例えば、ベース41、整合器42、および電源43を有する。
ベース41は、絶縁部材41aを介して、チャンバ2の底部に設けられている。ベース41は、整合器42を介して電源43と電気的に接続されている。また、ベース41の上には、静電チャック71を設けることができる。ベース41は、電源43により高周波電力が印加される電極となるとともに、静電チャック71を支持する支持台となる。この場合、ベース41は、内部に冷却水を流す流路を有し、静電チャック71の冷却を行うこともできる。ベース41は、例えば、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
整合器42は、ベース41と電源43との間に電気的に接続されている。整合器42は、電源43側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合回路などを備えることができる。
電源43は、高周波電源とすることができる。電源43は、イオンを引き込むために適した周波数(例えば、13.56MHz以下)を有する高周波電力をベース41に印加する。
減圧部5は、チャンバ2の内部を所定の圧力まで減圧する。減圧部5は、例えば、レジストマスク103の除去を行う際に、チャンバ2の内部の圧力が100Pa以下となるようにすることができる。
減圧部5は、例えば、開閉バルブ51、ポンプ52、および圧力コントローラ53を有する。
開閉バルブ51は、チャンバ2の側面に設けられた孔2bに接続されている。開閉バルブ51は、チャンバ2とポンプ52との間の流路の開閉を行う。開閉バルブ51は、例えば、ポペットバルブとすることができる。
ポンプ52は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
圧力コントローラ53は、開閉バルブ51とポンプ52との間に設けることができる。圧力コントローラ53は、チャンバ2の内部圧力を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ2の内部圧力が所定の圧力となるように制御する。圧力コントローラ53は、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
ガス供給部6は、チャンバ2の側面に設けられた複数のノズル2cを介して、チャンバ2の内部空間にガスGを供給する。例えば、複数のノズル2cは、チャンバ2の中心軸周りに略等間隔で設けることができる。この様にすれば、プラズマPが発生する領域においてガスGの濃度がばらつくのを抑制することができる。
ガス供給部6は、例えば、ガス源61、ガスコントローラ62、および開閉バルブ63を有する。
ガス源61は、ガスコントローラ62および開閉バルブ63を介して、チャンバ2の内部にガスGを供給する。ガス源61は、例えば、ガスGを収納した高圧ボンベなどとすることができる。また、ガス源61は、例えば、工場配管などであってもよい。
ガスGは、プラズマPにより励起、活性化された際に、基板100に設けられたレジストマスク103と反応するラジカルが生成されるものとすることができる。ガスGは、例えば、酸素ガス、酸素ガスとヘリウムガスの混合ガスなどとすることができる。なお、プラズマPにより励起、活性化されたガスGのことをエッチャントと呼ぶこともある。
ガスコントローラ62は、ガス源61とチャンバ2の間に設けることができる。ガスコントローラ62は、ガス源61から供給されたガスGの流量および圧力の少なくともいずれかを制御する。ガスコントローラ62は、例えば、MFC(Mass Flow Controller)などとすることができる。
開閉バルブ63は、ガスコントローラ62とチャンバ2の間に設けることができる。開閉バルブ63は、ガスGの供給の開始と供給の停止を制御する。開閉バルブ63は、例えば、2ポート電磁弁などとすることができる。なお、開閉バルブ63の機能をガスコントローラ62に持たせることもできる。
載置部7は、例えば、静電チャック71、絶縁リング72、マスクリング73、電源ユニット74、および冷却ガス供給部75を有する。また、載置部7には、図示しない搬送装置と静電チャック71との間で基板100の受け渡しを行うリフトピン76をさらに設けることもできる(例えば、図6(a)、(b)を参照)。
静電チャック71には、基板100の、有機膜104が形成された側が載置される。静電チャック71は、静電力を発現させて、基板100を吸着する。静電チャック71は、クーロン力を用いるものであってもよいし、ジョンソン・ラーベック力を用いるものであってもよい。以下においては、一例として、静電チャック71が、クーロン力を用いるものである場合を説明する。
また、静電チャック71は、レジストマスク103の除去を行う際に、基板100を冷却して、基板100の温度が高くなり過ぎないようする。すなわち、静電チャック71は、基板100を吸着する機能と、基板100を冷却する機能を有する。
図3は、静電チャック71の構成を例示するための模式断面図である。
図4は、静電チャック71の模式平面図である。
図3に示すように、静電チャック71は、ベース41の上に設けられている。
静電チャック71は、例えば、誘電体71a、電極71b、および、フィルム71cを有する。
誘電体71aは、中央領域の厚みが、中央領域を囲む周縁領域の厚みよりも厚い、段付き状を呈している。誘電体71aの周縁領域は、ネジなどの締結部材を用いてベース41に取り付けることができる。誘電体71aは、酸化アルミニウムなどのセラミックスから形成することができる。
図3および図4に示すように、誘電体71aの表面には、複数の溝71a1が設けられている。複数の溝71a1は、誘電体71aの表面に開口している。この場合、複数の溝71a1を複数の群に分け、1つの群に含まれる溝71a1同士を連通させることができる。例えば、図4に示すように、複数の溝71a1を3つの群71aa~71acに分け、群71aaに含まれる溝71a1同士を連通させ、群71abに含まれる溝71a1同士を連通させ、群71acに含まれる溝71a1同士を連通させることができる。
また、誘電体71aには、複数の溝71a1に接続される複数の第1の孔71a2を設けることができる。複数の第1の孔は、複数の溝71a1に後述する冷却ガスG1を供給する給気孔71a2aと、複数の溝71a1に供給された冷却ガスG1を排出する排気孔71a2bとに区分することができる。給気孔71a2aには、後述する冷却ガス供給部75を接続することができる。排気孔71a2bには、図示しない排気管などを接続することができる。例えば、1つの群71aa(71ab、71ac)に含まれる溝71a1に、少なくとも1つの給気孔71a2aと、排気孔71a2bとを接続することができる。
給気孔71a2aを介して複数の溝71a1に供給された冷却ガスG1は、複数の溝71a1の内部を流れた後、排気孔71a2bを介して図示しない排気管などに排出される。すなわち、複数の溝71a1は、冷却ガス供給部75から供給された冷却ガスG1が流れる流路となる。
また、誘電体71aには、厚み方向に貫通する複数の孔71a3(第2の孔の一例に相当する)を設けることができる。複数の孔71a3のそれぞれには、リフトピン76を設けることができる(例えば、図6(a)、(b)を参照)。
また、孔71a3に接続された溝71a1と、この溝71a1に接続された給気孔71a2aを設けることができる。給気孔71a2aを介して溝71a1に供給された冷却ガスG1は、溝71a1の内部を流れた後、孔71a3を介して静電チャック71の外部に排出される。
電極71bは、板状を呈し、誘電体71aの内部に設けられている。電極71bは、単極型であってもよいし、双極型であってもよい。例えば、双極型の場合には、同一平面上に2つの電極71bを並べて設けることができる。電極71bは、例えば、タングステンやモリブデンなどの金属から形成することができる。
フィルム71cは、膜状を呈し、誘電体71aの表面に設けられている。フィルム71cは、複数の溝71a1の開口を覆っている。フィルム71cは、例えば、ポリイミドやフッ素樹脂を含むことができる。
この場合、ポリイミドを含むフィルム71cとすれば、フィルム71cを誘電体71aの表面に接合したり、フィルム71cを誘電体71aの表面から剥離したりするのが容易となる。すなわち、ポリイミドを含むフィルム71cとすれば、メンテナンス性の向上を図ることができる。
また、フッ素樹脂を含むフィルム71cとすれば、ラジカルに対する耐性が向上するとともに、フィルム71cの表面が汚れるのを抑制することができる。例えば、基板100が静電チャック71に吸着され、レジストマスク103の除去を行った際に、有機膜104とフィルム71cが接触し擦れる場合がある。有機膜104とフィルム71cが接触し擦れると、有機膜104の材料が一部剥離し、粒子200が発生するおそれがある。フッ素樹脂を含むフィルム71cとすれば、有機膜104がフィルム71cと擦れた際の摩擦力を低減させることができる。
また、フィルム71cと誘電体71aとの間に接合部71c1が設けられている。接合部71c1は、接着剤が硬化することで形成された層や、粘着テープなどとすることができる。
この場合、接合部71c1が溝71a1の内部に侵入すると冷却ガスG1の流通が阻害されるおそれがある。接合部71c1が粘着テープであれば、接合部71c1が溝71a1の内部に侵入するのを抑制することが容易となる。また、フィルム71cの貼り付け作業、およびフィルム71cの剥離作業が容易となる。
また、接合部71c1の厚みとフィルム71cの厚みの合計が大きくなり過ぎると、基板100を吸着する力が弱くなったり、基板100の冷却が抑制されたりするおそれがある。そのため、接合部71c1の厚みとフィルム71cの厚みの合計は、100μm以下とすることが好ましい。
また、フィルム71cの表面の凹凸が大きくなり過ぎると、フィルム71cと基板100(有機膜104)との間の隙間が大きくなって、基板100を吸着する力が弱くなったり、静電チャック71による基板100の冷却が抑制されたりする。
前述したように、接合部71c1の厚みとフィルム71cの厚みは薄いので、誘電体71aの表面の凹凸が、フィルム71cの表面に転写される。そのため、誘電体71aの表面の算術平均粗さRaは、0.3μm以下とすることが好ましい。この様にすれば、フィルム71cの表面の凹凸を小さくすることができる。
図5は、比較例に係る静電チャック171を例示するための模式断面図である。
静電チャック171には、誘電体71aおよび電極71bが設けられているが、フィルム71cは設けられていない。そのため、誘電体71aの表面に基板100の有機膜104が直接接触する。
また、前述したように、冷却ガス供給部75から、給気孔71a2aと溝71a1を介して、リフトピン76を設けるための孔71a3に冷却ガスG1が供給される。
前述したように、誘電体71aは、酸化アルミニウムなどのセラミックスから形成されている。そのため、フィルム71cが無い静電チャック171に基板100が保持される場合、基板100と静電チャック171の誘電体71aとが接触する。基板100と静電チャック171の誘電体71aとが接触することで、セラミックを含む微細な粒子が発生するおそれがある。また、プラズマによる熱によって、基板100と誘電体71aが膨張する。基板100と誘電体71aとは、膨張係数が異なるので、膨張した際に擦れるおそれもある。このため、誘電体71aの表面には、セラミックスなどを含む微細な粒子200が付着している場合がある。誘電体71aの表面に粒子200が付着していると、図5に示すように、基板100が静電チャック171に吸着された際に、誘電体71aの表面にある粒子200が有機膜104の内部に押し入れられる。
また、誘電体71aの溝71a1は、一般的に切削して形成される。このため、バリが溝71a1に形成されているおそれもある。溝71a1には冷却ガスG1が流れるので、プラズマ処理中にバリが溝71a1から剥離し、粒子200となるおそれがある。また、後述の冷却ガス供給部75は、不図示のフィルタを介して冷却ガスG1を供給している。しかし、フィルタから漏れてしまった粒子200や、フィルタを経た後、溝71a1までの経路の間に存在していた粒子200が冷却ガスG1に含まれるおそれもある。そのため、フィルム71cが無い静電チャック171では、溝71a1の内部にある粒子200が、冷却ガスG1により有機膜104の内部に押し入れられる場合がある。
また、リフトピン76を設けるための孔71a3には冷却ガスG1が流れるので、孔71a3の場合にも、溝71a1と同様に、孔71a3の内壁にある粒子200が、冷却ガスG1により有機膜104の内部に押し入れられる場合がある。
この場合、粒子200の粒子径が、デバイス102の端部と有機膜104の表面との間の距離よりも大きいと、押し入れられた粒子200がデバイス102に到達し、デバイス102にダメージが発生するおそれがある。
図6(a)、(b)は、フィルム71cの作用を例示するための模式断面図である。
前述したように、フィルム71cは、誘電体71aの表面に設けられている。そのため、図6(a)、(b)に示すように、誘電体71aの表面に粒子200が付着していたとしても、フィルム71cにより、粒子200が有機膜104の内部に押し入れられるのを抑制することができる。
また、前述したように、フィルム71cは、複数の溝71a1の開口を覆っている。そのため、溝71a1の内壁にある粒子200が、冷却ガスG1により有機膜104の内部に押し入れられるのを抑制することができる。
ここで、静電チャック71と図示しない搬送装置との間で基板100を受け渡す際には、リフトピン76の先端を誘電体71aの表面から突出させて、基板100を静電チャック71の上方に持ち上げる。そのため、図6(a)、(b)に示すように、フィルム71cは、孔71a3の開口を覆っていない。
フィルム71cが孔71a3の開口を覆っていないと、図6(a)に示すように、孔71a3に供給された冷却ガスG1により、孔71a3の内壁にある粒子200が、有機膜104の内部に押し入れられる場合がある。この場合、複数の溝71a1は、誘電体71aの表面の全領域に形成されているが、孔71a3の数は3つ程度である。そのため、孔71a3に冷却ガスG1を供給したとしても、有機膜104の内部に押し入れられる粒子200の数は僅かなものとなる。
また、図6(b)に示すように、孔71a3に冷却ガスG1を供給しないようにすることもできる。前述したように、孔71a3の数は3つ程度であるため、孔71a3に冷却ガスG1を供給しないようにしても、基板100の冷却効果に及ぼす影響は小さくて済む。一方、孔71a3に冷却ガスG1を供給しないようにすれば、孔71a3の内壁にある粒子200が、有機膜104の内部に押し入れられるのを抑制することができる。
図7は、フィルム71cの効果を例示するためのグラフ図である。
図7中の「A1」、「A2」は、比較例に係る静電チャック171において、有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。すなわち、フィルム71cが設けられていない場合に有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。「A2」は、粒子200の粒子径が5μm以上の場合である。すなわち、「A2」は、前述したデバイス102にダメージが発生し得る程度の大きさを有する粒子200の数を表している。「A1」は、粒子200の粒子径が0.3μ以上、5μm未満の場合である。すなわち、「A1」は、デバイス102の損傷が発生し得る程度の大きさを有する粒子200を除いたほぼ全ての大きさの粒子200の数を表している。
「B1」は、図6(a)に例示をした本実施の形態に係る静電チャック71において、有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。すなわち、フィルム71cが設けられている場合に有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。
「B2」は、粒子200の粒子径が5μm以上の場合である。すなわち、「B2」は、前述したデバイス102にダメージが発生し得る程度の大きさを有する粒子200の数を表している。
「B1」は粒子200の粒子径が0.3μm以上、5μm未満の場合である。すなわち、「B1」は、デバイス102の損傷が発生し得る程度の大きさを有する粒子200を除いたほぼ全ての大きさの粒子200の数を表している。また、「B1」、および「B2」は、リフトピン76を設けるための孔71a3に冷却ガスG1を供給した場合に、有機膜104の表面に付着した各粒径の粒子200の付着数である。
「C1」は、図6(b)に例示をした本実施の形態に係る静電チャック71において、有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。すなわち、フィルム71cが設けられている場合に有機膜104の表面に付着した粒子200の数を表している。「C1」は粒子200の粒子径が0.3μm以上、5μm未満の場合である。すなわち、「C1」は、デバイス102の損傷が発生し得る程度の大きさを有する粒子200を除いたほぼ全ての大きさの粒子200の数を表している。また、「C1」は、リフトピン76を設けるための孔71a3に冷却ガスG1を供給しない場合に、有機膜104の表面に付着した粒子径が0.3μm以上、5μm未満の粒子200の付着数である。
図7から分かるように、フィルム71cにより、複数の溝71a1の開口が覆われていれば、有機膜104の表面に付着するほぼ全ての大きさの粒子200の数を減らすことができる。つまり、有機膜104に付着する粒子200を抑制することができる。
また、デバイス102にダメージが発生し得る程度の大きさを有する粒子200が、有機膜104の表面に付着する数を減らすことができる。つまり、デバイス102の損傷が発生し得る5μm以上の大きさを有する粒子の発生を防止することができる。
特に、フィルム71cにより、複数の溝71a1の開口が覆われ、かつ、リフトピン76を設けるための孔71a3に冷却ガスG1を供給しない場合、デバイス102にダメージが発生し得る程度の大きさを有する粒子200が、有機膜104の表面に付着するのを無くすことができた。
「B1」と「C1」を比較すると、「C1」の方が粒子200の数が少ない。前述したように、「B1」は、孔71a3に冷却ガスG1を供給した場合である。そのため、図6(b)に例示をした様に、孔71a3に冷却ガスG1を供給しないようにすれば、有機膜104の表面に付着する粒子200の数をさらに少なくすることができる。
本発明者は、確認のため、アルミニウム製の基板の表面に厚みが3μmの有機膜104を形成し、粒子200による圧痕が基板の表面に発生するか否かの実験を行った。なお、圧痕は、平面寸法が、5μm×5μm以上の傷や窪みなどとしている。
静電チャック171の場合(フィルム71cが設けられていない場合)には、67個の圧痕が発生した。
静電チャック71の場合(フィルム71cが設けられている場合)には、図6(a)および図6(b)に記載のどちらの静電チャック71の場合も圧痕の発生はなかった。
図6(a)の場合、デバイス102にダメージが発生し得る程度の大きさの粒子200が有機膜104の表面に数個付着していたが、本実験では圧痕の発生は無かった。例えば、リフトピン76を設けるための孔71a3の部分は、静電チャック71の吸着力が働かない。このため、有機膜104の表面に付着した粒子200が有機膜104に押し込まれることが無かったので、圧痕が発生しなかったと考えられる。
このことは、フィルム71cを設ければ、デバイス102にダメージが発生するのを抑制できることを意味する。
次に、図2に戻って、載置部7に設けられた他の要素について説明する。
図2に示すように、絶縁リング72は、筒状を呈し、チャンバ2の底部に設けられている。絶縁リング72は、ベース41の側面を覆っている。絶縁リング72は、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
マスクリング73は、筒状を呈し、静電チャック71の誘電体71aの周縁領域に設けられている。マスクリング73は、静電チャック71の中央領域を囲んでいる。マスクリング73をこのように配置することで、誘電体71aの周縁近傍がエッチャントに曝されることを防ぐことができる。そのため、誘電体71aの周縁領域に設けられている、前述した締結部材がエッチャントにより損傷するのを抑制することができる。
マスクリング73は、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
また、マスクリング73が設けられていれば、レジストマスク103の除去を行う際に、エッチャントが有機膜104の周端面に到達するのを抑制することができる。そのため、有機膜104の周端面が分解されて、有機膜104の材料が静電チャック71の表面に付着するのを抑制することができる。
電源ユニット74は、例えば、直流電源74a、および切り替えスイッチ74bを有する。直流電源74aは、静電チャック71の電極71bと電気的に接続されている。直流電源74aにより、電極71bに電圧が印加されると、電極71bの基板100側の面に電荷が発生する。そのため、電極71bと基板100との間に静電力が発生し、発生した静電力により、基板100が静電チャック71に吸着される。
切り替えスイッチ74bは、直流電源74aと、静電チャック71の電極71bとの間に電気的に接続され、基板100の吸着と、吸着の解除とを切り替える。
冷却ガス供給部75は、静電チャック71に冷却ガスG1を供給する。例えば、冷却ガス供給部75は、誘電体71aに設けられた孔71a2aを介して溝71a1に冷却ガスG1を供給する。前述したように、冷却ガス供給部75は、複数の溝71a1と、リフトピン76を設けるための複数の孔71a3に冷却ガスG1を供給することができる。また、冷却ガス供給部75は、複数の溝71a1に冷却ガスG1を供給し、複数の孔71a3に冷却ガスG1を供給しないようにすることもできる。
すなわち、冷却ガス供給部75は、少なくとも、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に冷却ガスG1を供給する。
冷却ガス供給部75は、例えば、ガス源75a、ガスコントローラ75b、および開閉バルブ75cを有する。ガス源75aは、例えば、冷却ガスG1を収納した高圧ボンベなどとすることができる。また、ガス源75aは、例えば、工場配管などであってもよい。冷却ガスG1は、例えば、ヘリウムガスなどとすることができる。
ガスコントローラ75bは、ガス源75aと静電チャック71との間に設けることができる。ガスコントローラ75bは、ガス源75aから供給された冷却ガスG1の流量を制御する。ガスコントローラ75bは、例えば、MFCなどとすることができる。例えば、ガスコントローラ75bは、図示しない圧力計による、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間の圧力の検出値が、400Pa~2000Paとなるように、冷却ガスG1の供給流量を制御することができる。
また、ガスコントローラ75bは、レジストマスク103の除去を行う際に、図示しない温度計による基板100の表面温度の検出値が80℃以下となるように、冷却ガスG1の流量を制御することができる。例えば、ガスコントローラ75bは、図示しない温度計による静電チャック71の温度の検出値が25℃以下となるようにすることで、基板100の表面温度が80℃以下となるようにすることができる。
開閉バルブ75cは、ガスコントローラ75bと静電チャック71との間に設けることができる。開閉バルブ75cは、冷却ガスG1の供給の開始と供給の停止を制御する。開閉バルブ75cは、例えば、2ポート電磁弁などとすることができる。なお、開閉バルブ75cの機能をガスコントローラ75bに持たせることもできる。
ここで、前述したように、フィルム71cは、複数の溝71a1の開口を覆っている。そのため、複数の溝71a1に供給された冷却ガスG1は、フィルム71cを介して、基板100の冷却を行う。この場合、冷却効果を向上させるために、冷却ガスG1の温度は常温以下(例えば、25℃以下)とすることが好ましい。
例えば、冷却ガス供給部75は、供給する冷却ガスG1を冷却する冷却器75dをさらに有することもできる。冷却器75dは、例えば、冷却ガスG1の温度が-20℃以下となるように冷却ガスG1を冷却する熱交換器などとすることができる。なお、液化された冷却ガスG1を気化させて冷却ガスG1としてもよい。この様にすれば、冷却器75dを設けなくても、-20℃以下の冷却ガスG1を静電チャック71に供給することができる。
ここで、比較例に係る静電チャック171の表面には、微細な粒子200が付着している場合がある(図5を参照)。有機膜104は、厚みが薄く柔らかいので、静電チャック171の表面に微細な粒子200が付着していると、静電チャック171により基板100を吸着した際に、粒子200が有機膜104に押し込まれる。押し込まれた粒子200がデバイス102に到達するとデバイス102にダメージが発生するおそれがある。
本実施の形態の静電チャック71は、表面に開口する複数の溝71a1と、厚み方向に貫通する複数の孔71a3と、を有する誘電体誘電体71aと、誘電体71aの表面に設けられ、複数の溝71a1の開口を覆うフィルム71cを有し、冷却ガス供給部75は、少なくとも、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に冷却ガスG1を供給する。
フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に冷却ガスG1を供給すれば、フィルム71cに冷却ガスG1が直接接触する。そのため、冷却ガスG1により、誘電体71aを介してフィルム71cを冷却するよりも伝熱効率が良い。
また、本実施の形態では、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間と孔71a3とに冷却ガスG1を供給することができる。このようにすることで、デバイス102にダメージを与えるおそれのある粒径の粒子200の発生を抑制しつつ、それよりも小さな粒径の粒子200が有機膜104に付着する付着数を少なくすることができる。さらに、孔71a3から基板100とフィルム71cとの間に冷却ガスG1を供給することができるので、冷却効率が良い。
また、本実施の形態では、孔71a3は、給気孔71a2aと接続された溝71a1とは連通していないので、孔71a3に冷却ガスG1を供給しないこともできる。このようにすることで、デバイス102にダメージを与えるおそれのある粒径の粒子200の発生を防止しつつ、それよりも小さな粒径の粒子200が有機膜104に付着する付着数をさらに少なくすることができる。
また、本実施の形態では、給気孔71a2aと排気孔71a2bとに分けることができる。このようにすることで、デバイス102にダメージを与えるおそれのある粒径の粒子200の発生を防止しつつ、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に、冷却ガスG1の流れを形成することができる。このため、冷却効率が向上する。
また、本実施のプラズマ処理装置は、ベース101の裏面101aに凹部101a1を有する基板100にプラズマ処理することに特に優れている。
ベース101の厚みが全体的に薄い基板100の場合、基板100は、剛性が低いので、撓んでしまう。そのため、厚みのあるガラス基板やシートを使用して剛性を補っている。
本実施の基板100は、ベース101の外周部が厚い。このため、本実施の基板100は、ベース101の厚みが全体的に薄い基板100と比べて、剛性が向上する。したがって、本実施の基板100は、ガラス基板やシートを使用して剛性を補う必要がなく、有機膜104は、デバイス102を保護できる厚みがあればよい。つまり、本実施の基板100は、有機膜104の厚みをガラス基板やシートの厚みよりも薄くすることができる。
有機膜104の厚みは、ガラス基板またはシートと比べて、とても薄い。このため、静電チャック71が本実施の基板100を吸着する力は、ガラス基板またはシートで保護された基板100を吸着する場合と比べて大きい。したがって、本実施の静電チャック71が本実施の基板100を吸着する際に、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間の圧力を、ガラス基板またはシートで保護された基板100を吸着する場合と比べて大きくしたとしても、本実施の基板100が静電チャック71から分離されることは無い。つまり、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に従来よりも圧力の高い状態で冷却ガスG1を供給したとしても、フィルム71cが冷却ガスG1の圧力により膨張することは無い。そして、フィルム71cと、複数の溝71a1と、により画された空間に従来よりも圧力の高い状態で冷却ガスG1を供給することができるため、本実施の基板100の冷却効率がガラス基板またはシートで保護された基板100の冷却効率よりも良い。
また、本実施の形態では、有機膜104の厚みを3μm以上、10μm以下とすることができる。有機膜104の厚みをこの範囲とすることで、上記のように、従来よりも圧力の高い状態で冷却ガスG1を供給することができるため、ガラス基板またはシートで保護された基板100の冷却効率よりも冷却効率が良い。また、デバイス102を有機膜で保護された基板100は、有機膜104の厚みが薄いので、ベース101への熱伝導がよくなる。したがって、デバイス102を有機膜104で保護された基板100は、ガラス基板またはシートで保護された基板100よりも冷却効率が良くなる。
次に、他の実施形態に係る静電チャック271について説明する。
有機膜104は除去対象であるレジストマスク103と同質であるため、レジストマスク103の除去を行った際に、有機膜104の露出部分(例えば、有機膜104の周端面)が分解されて、有機膜104の材料がフィルム71cの表面に付着するおそれがある(図3参照。)。
また、マスクリング73と基板100との間の隙間から侵入したラジカルなどのエッチャントにより有機膜104の周端近傍が分解されて、有機膜104の材料がフィルム71cの表面に付着すると、付着した有機膜104の材料が熱などにより変質して硬くなる場合がある。また、基板100の処理枚数が多くなるに従い、付着量が経時的に増加する場合がある。静電チャック71(フィルム71c)の表面に、硬さの硬い付着物や、サイズの大きい付着物があると、基板100を静電チャック71に載置した際に、付着物と基板100が干渉するおそれがある。付着物と基板100が干渉すると、基板100にダメージが発生したり、基板100を吸着する力が弱くなったり、基板100の温度に面内分布が生じたりするおそれがある。
図8は、他の実施形態に係る静電チャック271の構成を例示するための模式断面図である。
前述した静電チャック71とでは、フィルム271cおよび接合部271c1が異なる。
そこで、図8に示すように、静電チャック271においては、フィルム271cの、その表面に平行な方向の寸法をD1(mm)とし、有機膜104の、その表面に平行な方向の寸法をD2(mm)とした場合に、「D1(mm)<D2(mm)」となるようにしている。この様にすれば、基板100を吸着した際に、フィルム271cが有機膜104により覆われるので、有機膜104の周端近傍が分解されたとしても、有機膜104の材料がフィルム271cの表面に付着するのを抑制することができる。そのため、付着した有機膜104の材料により、基板100にダメージが発生したり、基板100を吸着する力が弱くなったり、基板100の温度に面内分布が生じたりするのを抑制することができる。
また、この様にすれば、接合部271c1の周端面が、誘電体71aの周端面よりも誘電体71aの中心側に設けられるので、マスクリング73と基板100との間の隙間から侵入したラジカルなどのエッチャントが接合部271c1の周端近傍に到達し難くなる。そのため、接合部271c1の周端近傍が分解されて、フィルム271cの周端近傍が誘電体71aから剥離するのを抑制することができる。
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理の例として、レジストマスク103の除去を記載したが、これに限らない。例えば、基板100のベース101の裏面101aをエッチングする処理や、ベース101の裏面101aに金属膜や絶縁膜を形成する処理もプラズマ処理に含まれる。
例えば、第1の孔71a2を給気孔71a2aと排気孔71a2bと区別したが、区別することなく使用してもよい。例えば、プラズマ処理中は、第1の孔71a2からガスGを供給し続け、プラズマ処理が終了したら、第1の孔71a2から排気するようにしてもよい。
1 プラズマ処理装置、2 チャンバ、3 電源ユニット、4 電源ユニット、5 減圧部、6 ガス供給部、7 載置部、71 静電チャック、71a 誘電体、71a1 溝、71a2a 給気孔、71a2b 排気孔、71a3 孔、71b 電極、71c フィルム、71c1 接合部、75 冷却ガス供給部、76 リフトピン、100 基板、101 ベース、102 デバイス、103 レジストマスク、104 有機膜、271c フィルム、271c1 接合部、G1 冷却ガス

Claims (7)

  1. ベースと、前記ベースの一方の面に設けられた複数のデバイスと、前記ベースの一方の面に設けられ、前記複数のデバイスを覆う有機膜と、前記ベースの他方の面に設けられたレジストマスクと、を有する基板を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記基板の、前記有機膜が形成された側が載置される静電チャックと、
    前記静電チャックに冷却ガスを供給する冷却ガス供給部と、
    を備え、
    前記静電チャックは、
    表面に開口する複数の溝と、厚み方向に貫通する複数の孔と、を有する誘電体と、
    前記誘電体の内部に設けられた電極と、
    前記誘電体の前記表面に設けられ、前記複数の溝の開口を覆うフィルムと、
    を有し、
    前記冷却ガス供給部は、少なくとも、前記フィルムと、前記複数の溝と、により画された空間に前記冷却ガスを供給するプラズマ処理装置。
  2. 前記冷却ガス供給部は、前記誘電体に設けられた前記複数の孔の少なくともいずれかに、前記冷却ガスをさらに供給する請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記静電チャックは、前記基板の受け渡しを行うリフトピンをさらに備え、
    前記誘電体に設けられた前記複数の孔は、
    前記複数の溝に接続される複数の第1の孔と、
    前記リフトピンが設けられる複数の第2の孔と、
    に区別され、
    前記冷却ガス供給部は、前記複数の第2の孔には、前記冷却ガスを供給しない請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第2の孔は、前記複数の溝、および前記複数の第1の孔には接続されていない請求項3記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記複数の溝に接続される前記複数の第1の孔は、
    前記複数の溝に前記冷却ガスを供給する給気孔と、
    前記複数の溝に供給された前記冷却ガスを排出する排気孔と、
    に区別されている請求項3または4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記有機膜の厚みは、3μm以上、10μm以下である請求項1~5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記フィルムは、ポリイミドおよびフッ素樹脂の少なくともいずれかを含む請求項1~6のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
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