JP4469364B2 - 絶縁膜エッチング装置 - Google Patents
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しかしながら、フッ化炭化水素系ガスを用いたエッチングでは、未反応ガスや未分解ガスの影響などにより、エッチングの過程でプロセスチャンバー内の露出面に炭素系の薄膜が堆積し易い。膜堆積は、エッチング終了後に残留ガスによって生じる場合もある。尚、堆積膜は、フッ素、炭素、水素等の材料から成る重合物の膜である。
本願の発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、基板へのパーティクルの付着を効果的に防止した優れた性能の絶縁膜エッチング装置を提供する技術的意義がある。
前記プロセスチャンバー内であって前記基板ホルダーに保持された基板の表面より下方の位置のみを占めるようにして、強制冷却される冷却トラップが設けられており、この冷却トラップは、堆積作用のあるガス分子を捕集することで他の場所に比して多くの膜を堆積させるものであり、交換可能に取り付けられており、
前記基板ホルダーは上面において前記基板を保持するものであり、前記冷却トラップは、前記基板ホルダーの側面に取り付けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、排気系を有するとともに内部でエッチング処理が行われるプロセスチャンバーと、プロセスチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーと、エッチング作用のあるガスをプロセスチャンバー内に導入するガス導入系と、導入されたガスのプラズマを形成するプラズマ形成手段と、未処理の基板をプロセスチャンバー内に搬入するとともに処理済みの基板をプロセスチャンバーから搬出する搬送系とを備え、プラズマ中で生成される種の作用により基板の表面の絶縁膜をエッチングする絶縁膜エッチング装置であって、
前記基板ホルダーは上面において基板を保持するものであって、前記基板ホルダーの側面には強制冷却される冷却トラップが設けられており、この冷却トラップは、基板ホルダーの側面を取り囲む筒状であって堆積作用のあるガス分子を捕集することで他の場所に比して多くの膜を堆積させるものであり、交換可能に取り付けられており、
前記プロセスチャンバーの底面には排気口は形成されておらず、前記プロセスチャンバーの側壁のうち前記基板ホルダーの側方の位置に排気口が設けられており、
冷却トラップと排気口との間は、オープンな空間であって何も設けられておらず、プロセスチャンバー内は、この冷却トラップと排気口との間のオープンな空間を通して排気されるようになっているという構成を有する。
図1は、本願発明の実施形態の絶縁膜エッチング装置の主要部の構成を示した正面断面概略図である。図1に示す装置は、排気系11を備えて内部でエッチング処理が行われるプロセスチャンバー1と、プロセスチャンバー1内の所定位置に基板9を保持する基板ホルダー2と、プロセスチャンバー1内にエッチング作用のあるガスを導入するガス導入系3と、導入されたガスのプラズマを形成するプラズマ形成手段4と、未処理の基板9をプロセスチャンバー1内に搬入するとともに処理済みの基板9をプロセスチャンバー1から搬出する搬送系とを備えている。
基板ホルダー2は、主ホルダー部21と、主ホルダー部21に接して設けられた基板保持ブロック22とから構成されている。主ホルダー部21は、アルミニウム又はステンレス等の金属で形成されている。基板保持ブロック22は、アルミナ等の誘電体で形成されており、その上面が基板保持面になっている。
基板ホルダー2には、基板9を静電気によって吸着させる基板吸着機構28が設けられている。基板吸着機構28は、基板保持ブロック22の内部に設けられた基板吸着電極282と、基板吸着電極282に所定の負の直流電圧を印加する基板吸着電源281とから構成されている。
基板ホルダー2には、内部を貫き基板保持ブロック22に通じるように絶縁管284が設けられている。絶縁管284の内部には、導入部材283が挿通されており、一端が基板吸着電極282に接続されている。導入部材283の他端は、基板吸着電源281に接続されている。尚、基板吸着電極282が無く、主ホルダー21全体が静電吸着電極として用いられる場合もある。
エッチングの際のエッチング用ガスの消費と反応生成物の発生については、基板9の外側部分は、基板9の中央部分とは異なる。このため、プラズマの成分も、基板9の中央部分を臨む領域と、基板9の外側部分を臨む領域では異なる。この影響で、基板9の表面のうち周辺部ではエッチング特性が変化してしまうことがある。このような周辺部におけるエッチング特性のバラツキを補正する目的で、補正リング25が設けられている。
また、補正リング25は、基板9と同様にホルダー冷却機構27により冷却され、基板9と同じ温度になるよう温度制御される。この結果、補正リング25は、基板9の端面からの熱放散に見合うだけの熱を基板9に与えることになり、基板9の周辺部の温度低下を抑制する。温度にバラツキがあれば、反応生成物の発生等にもバラツキが生じ、同様にエッチング特性が不均一になるが、補正リング25によりこれも防止されている。
基板ホルダー2は、絶縁ブロック26を介してプロセスチャンバー1に取り付けされている。絶縁ブロック26は、アルミナ等の絶縁材で形成されており、主ホルダー部21とプロセスチャンバー1とを絶縁するとともに、主ホルダー部21をプラズマから保護するようになっている。尚、プロセスチャンバー1内に真空リークが生じないようにするため、基板ホルダー2と絶縁ブロック26との間及びプロセスチャンバー1と絶縁ブロック26との間に不図示のOリング等の封止部材が設けられている。
対向電極41と基板ホルダー2とは、いわゆる平行平板電極を構成するものである。対向電極41と基板ホルダー2との間の放電空間は、プラズマ形成用高周波電源42による高周波回路を容量的に結合するものである。つまり、プラズマ形成手段4は、容量結合性プラズマを形成するものである。
プラズマ形成用高周波電源42は、周波数10MHz〜600MHz程度、出力0〜5000W程度のものが使用されている。対向電極41とプラズマ形成用高周波電源42との間には、整合器421が設けられている。
搬送ロボット51は、中央の搬送チャンバー50内に設けられている。未処理の基板9は、大気側からロードロックチャンバー7に搬入される。搬送ロボット51は、ロードロックチャンバー7から基板9を取り出し、プロセスチャンバー1内に搬入し、基板ホルダー2上に載置する。エッチング処理後、搬送ロボット51は、基板9を基板ホルダー2から取り去り、ロードロックチャンバー7に戻すようになっている。
尚、ロードロックチャンバー7の外側(大気側)には、オートローダ52が設けられている。オートローダ52は、大気側に配置されたカセット53から未処理の基板9をロードロックチャンバー7に搬入するとともに、処理済みの基板9をロードロックチャンバー7から大気側のカセット53に搬出する。
本実施形態の装置の大きな特徴点の一つは、エッチング処理の際にプロセスチャンバー1内の露出面に堆積した膜(以下、堆積膜)を除去するクリーニングが行えるようになっている点である。以下、この点について詳説する。
次に、シーケンス制御プログラムは、次の基板9を処理する準備を行う。即ち、排気系11を動作させてプロセスチャンバー1内を再度排気し、所定の圧力まで排気されているのを確認した後、搬送系を動作させて次の基板9をプロセスチャンバー1内に搬入する。以降は、前述したのと同様のシーケンスでエッチングを行う。そして、処理終了後、処理枚数カウンタを1を加えて更新する。
制御部8は、具体的には、CPU、メモリ、ハードディスク等を備えたマイクロコンピュータである。上述したシーケンス制御プログラムは、ハードディスクにインストールされており、装置の稼働時には、ハードディスクから読み出されてメモりに記憶され、CPUで実行されるようになっている。
ちなみに、プラズマ形成用高周波電源42を60MHz,1500Wで動作させ、クリーニング用ガスとして酸素ガスを100sccmの流量で導入し、圧力5Paとしてクリーニングを行うと、基板9に付着する粒径0.2μm以上のパーティクルの数は、20個未満に安定して抑えられる。
尚、一回のエッチングの際に堆積する堆積膜の量がそれほど多くない場合、クリーニングの頻度を上述したものより少なくすることはあり得る。例えば、数回のエッチングのたびにクリーニングを行ったり、1ロット毎のクリーニングのみとしたりである。
エッチング中に基板ホルダー2を冷却する点は、主に、プラズマからの熱によって基板9が限度以上に加熱されないようにするためである。対向電極41についても、熱的損傷を受けないよう加熱する。一方、クリーニングの際には、基板ホルダー2上には基板9は無く、クリーニングの所要時間もエッチングに比較して短い。そして、クリーニングは、酸素イオンや酸素活性種との反応によるので、温度が高いほど効果が上がる。
前述したように、バイアス用電源6は、プラズマからイオンを引き出して基板9に入射させることでエッチングの効率を高める作用を有する。しかしながら、クリーニング中は基板9が無いので、イオンを過剰に引き出してしまうと、基板ホルダー2の基板保持面がイオン入射によって損傷を受ける場合がある。そこで、クリーニング中はバイアス用電源6を動作させないようにしている。
生産性低下を抑制する技術手段として、本実施形態の装置は、堆積膜を積極的に堆積させる冷却トラップ12を備えている。冷却トラップ12は、基板9の表面よりも下方の位置に設けられている。具体的には、図1に示すように、冷却トラップ12は、基板ホルダー2の側面に設けられている。
本実施形態の装置によれば、堆積作用のあるガス分子は、冷却トラップ12に多く捕集されて膜に成長する。このため、プロセスチャンバー1内の他の箇所への膜堆積は相対的に少なくなる。従って、冷却トラップ12が無い場合に比べ、1回のエッチング処理の際に堆積する膜(エッチング後の残留ガスによる堆積も含む)の量も少なくなる。このことは、クリーニングの頻度が少なくて済むことを意味している。つまり、冷却トラップ12を設けた本実施形態によれば、クリーニングを行うことによってパーティクルの少ない良質なエッチング処理を可能にしつつも、クリーニングの頻度が多くなることによる生産性の低下を効果的に抑制する技術的意義がある。
このような凹凸は、例えば加熱・融解させたアルミナを噴射するアルミナ熔射により形成される。また、アルミニウムの表面にサンドブラスト法により凹凸を形成した後、表面をアルマイト処理する場合もある。
ものである。冷却トラップ12は、上述したように、堆積膜の剥離が少なくなっているが、それでも剥離する可能性はゼロではない。もし堆積膜が剥離した場合、冷却トラップ12が基板9の表面よりも高い位置にあると、落下の際に基板9の表面に付着する可能性が高い。また、排気系11による排気経路の点を考慮すると、冷却トラップ12は、プロセスチャンバー1の器壁に設けられた排気口に対して、基板9の表面によりも近い位置に設けられることが好ましい。これは、もし堆積膜が剥離したとしても、パーティクルが基板9の表面に到達せずに排気系11によって排気される可能性を高くするためである。図1に示すように、本実施形態の装置は、この構成も満足している。
前述したように、堆積膜が問題となるのは、剥離によりパーティクルを生じ、それが基板9の表面に付着するためである。従って、基板ホルダー2に保持される基板9に近い場所に堆積する堆積膜ほど、問題を生じやすい。本実施形態の構成では、基板ホルダー2の基板保持面を取り囲む補正リング25及びその付近に堆積する膜がこれに当たる。そして、クリーニングは、プラズマ中で生成される酸素イオンや酸素活性種の作用による。このようなことから、プラズマ密度は、基板ホルダー2の周辺部分を臨む空間で高くしておくことが好ましいことになる。
プラズマ形成用高周波電源42:周波数60MHz,出力1800W
バイアス用電源6:周波数1.6MHz,出力1800W
プロセスチャンバー1内の圧力:3.3Pa
導入されたガス:酸素
ガス流量:100sccm
図4に示すように、可変キャパシタ61のキャパシタンスがゼロの場合に比べ、キャパシタンスを50〜60pF程度にすると、周辺部分でのプラズマ密度の突出が確認される。
11 排気系
12 冷却トラップ
2 基板ホルダー
25 補正リング
27 ホルダー冷却機構
28 静電吸着機構
3 ガス導入系
32 バルブ
4 プラズマ形成手段
41 対向電極
42 プラズマ形成用高周波電源
43 電極冷却機構
51 搬送ロボット
6 バイアス用電源
61 可変キャパシタ
7 ロードロックチャンバー
8 制御部
9 基板
Claims (2)
- 排気系を有するとともに内部でエッチング処理が行われるプロセスチャンバーと、プロセスチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーと、エッチング作用のあるガスをプロセスチャンバー内に導入するガス導入系と、導入されたガスのプラズマを形成するプラズマ形成手段と、未処理の基板をプロセスチャンバー内に搬入するとともに処理済みの基板をプロセスチャンバーから搬出する搬送系とを備え、プラズマ中で生成される種の作用により基板の表面の絶縁膜をエッチングする絶縁膜エッチング装置であって、
前記プロセスチャンバー内であって前記基板ホルダーに保持された基板の表面より下方の位置のみを占めるようにして、強制冷却される冷却トラップが設けられており、この冷却トラップは、堆積作用のあるガス分子を捕集することで他の場所に比して多くの膜を堆積させるものであり、交換可能に取り付けられており、
前記基板ホルダーは上面において前記基板を保持するものであり、前記冷却トラップは、前記基板ホルダーの側面に取り付けられていることを特徴とする絶縁膜エッチング装置。 - 排気系を有するとともに内部でエッチング処理が行われるプロセスチャンバーと、プロセスチャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーと、エッチング作用のあるガスをプロセスチャンバー内に導入するガス導入系と、導入されたガスのプラズマを形成するプラズマ形成手段と、未処理の基板をプロセスチャンバー内に搬入するとともに処理済みの基板をプロセスチャンバーから搬出する搬送系とを備え、プラズマ中で生成される種の作用により基板の表面の絶縁膜をエッチングする絶縁膜エッチング装置であって、
前記基板ホルダーは上面において基板を保持するものであって、前記基板ホルダーの側面には強制冷却される冷却トラップが設けられており、この冷却トラップは、基板ホルダーの側面を取り囲む筒状であって堆積作用のあるガス分子を捕集することで他の場所に比して多くの膜を堆積させるものであり、交換可能に取り付けられており、
前記プロセスチャンバーの底面には排気口は形成されておらず、前記プロセスチャンバーの側壁のうち前記基板ホルダーの側方の位置に排気口が設けられており、
冷却トラップと排気口との間は、オープンな空間であって何も設けられておらず、プロセスチャンバー内は、この冷却トラップと排気口との間のオープンな空間を通して排気されるようになっていることを特徴とする絶縁膜エッチング装置。
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