JP2022028437A - 原版製造方法、描画データ作成方法、及びパターン欠陥の修正方法 - Google Patents

原版製造方法、描画データ作成方法、及びパターン欠陥の修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターンの欠陥修正が可能なパターン欠陥の修正方法を提供する。【解決手段】パターン欠陥の修正方法は、所定のパターンを含む第1図形パターンと第2図形パターンに関し、第1図形パターンに対応する第1図形データと、第2図形パターンに対応する第2図形データとを用意し、パターン形成対象物上に形成された第1膜に、第1図形データに基づいてレーザー又は荷電粒子のビームを照射して第1図形パターンを描画し、第1図形パターンが描画された第1膜を用い、パターン形成対象物に第1図形パターンを形成し、第1図形パターンが形成されたパターン形成対象物を検査し、検査結果に基づいて第3図形データを生成し、第3図形データに基づいて第2図形データを補正し、第1図形パターンが形成されたパターン形成対象物上に形成された第2膜に、補正された第2図形データに基づいてビームを照射することを含む。【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、原版製造方法、描画データ作成方法、及びパターン欠陥の修正方法に関する。
半導体デバイスの製造工程の一つに、所定のパターンを基板に転写する工程がある。この工程に利用される技術としては、例えばフォトリソグラフィ技術やインプリント技術がある。フォトリソグラフィ技術によれば、フォトマスクと呼ばれる原版に描画されたパターンが基板上の感光性高分子材料に転写されてエッチングマスクが形成される。一方、インプリント技術によれば、テンプレートと呼ばれるパターンを有する原版が基板上のレジストに押し当てられてエッチングマスクが形成される。このように形成されたエッチングマスクにより下地層がエッチングされ、基板に対してパターンが転写される。
半導体デバイスの高集積化のため、パターンはますます微細化されており、半導体デバイスの製造だけでなく、原版の製造もまた難しくなっている。
特開2014-232809号公報
本発明の一つの実施形態は、原版に微細なパターンを形成する際に生じ得る、原版上のパターンの欠陥を修正することが可能な原版製造方法、描画データ作成方法、及びパターン欠陥の修正方法を提供する。
本開示の一つの実施形態によれば、原版製造方法が提供される。この原版製造方法は、所定のパターンを含む第1の図形パターンと第2の図形パターンについて、当該第1の図形パターンに対応する第1の図形データと、当該第2の図形パターンに対応する第2の図形データとを用意し、パターン形成対象物に、前記第1の図形データに基づいて前記第1の図形パターンを形成し、前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物に対する検査を行い、前記検査の結果に基づいて第3の図形データを生成し、前記第3の図形データに基づいて前記第2の図形データを補正し、補正された前記第2の図形データに基づいて、前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物をパターニングすることを含む。
図1(A)から図1(D)は、実施形態による原版製造方法の主な工程におけるテンプレートの断面を模式的に示す断面図である。 図2(A)から図2(D)は、図1に引き続いて、実施形態による原版製造方法の主な工程におけるテンプレートの断面を模式的に示す断面図である。 図3(A)から図3(D)は、図2に引き続いて、実施形態による原版製造方法の主な工程におけるテンプレートの断面を模式的に示す断面図である。 図4(A)は、第1の図形データによる第1の図形パターンの一部を模式的に示す図であり、図4(B)は、電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などの検査装置により観察された表面画像を模式的に示す上面図であり、図4(C)は、比較結果に基づいて生成された第3の図形パターンを示す図である。 図5(A)は、本実施形態による、第2の図形パターンを模式的に示す図であり、図5(B)は、補正された第2の図形パターンを模式的に示した図である。 図6(A)は、変形例による、補正された第2の図形パターンを模式的に示す図であり、図6(B)は、所定の表面検査装置により観察された、表面画像を模式的に示す上面図である。 図7は、第2の実施形態によるパターン欠陥の修正方法を説明するフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一または対応する部材または部品については、同一または対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間、または、種々の層の厚さの間の相対比を示すことを目的とせず、したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定されてよい。
(第1の実施形態)
図1から図3までを参照しながら、第1の実施形態による原版製造方法を説明する。以下の説明では、原版としてテンプレートを例にとる。図1から図3は、第1の実施形態による原版製造方法の主な工程におけるテンプレートの断面を模式的に示す断面図である。
本実施形態による原版製造方法においては、まず、図1(A)に示すように、テンプレートの出発材料10が用意される。出発材料10は、石英基板12と、石英基板12上に形成された金属膜14とを有している。金属膜14は、石英基板12に所定のパターンを形成するためのハードマスクとしての役割を有しており、パターンが形成された石英基板12がテンプレートとして用いられることとなる。
また、出発材料10にはアライメントマーク16が設けられている。アライメントマーク16は、金属膜14に形成された開口部と、その開口部に対応して形成された、石英基板12の凹部として実現される。アライメントマーク16は、テンプレート製造において図形パターンを描画する際に利用される。また、完成後のテンプレートをレジスト膜に押し付けるときに、基板に対してテンプレートを位置決めするために利用されても良い。なお、以下の説明においては、図示の便宜上、2つのアライメントマーク16を図示するが、4つのアライメントマーク16が石英基板12の四隅に一つずつ配置されて良い。また、出発材料10は、石英基板12の代わりに例えば樹脂基板を有しても良い。樹脂基板は、石英基板12と同様に、紫外光を透過する材料により形成され得る。また、金属膜14は、これに限定されることなく例えばクロム(Cr)で形成されて良い。さらには、金属膜14に代わって、ダイヤモンドライクカーボンなどの有機系のハードマスクを用いてもよい。
次に、用意された出発材料10に対して、図1(B)に示すように、金属膜14を覆うようにフォトレジスト膜PF1が塗布される。本実施形態では、フォトレジスト膜PF1は、ポジタイプの感光性材料で形成されている。続けて、図1(C)に示すように、不図示の描画装置により、このフォトレジスト膜PF1に対して、例えばアルゴンイオンレーザーなどのレーザービームや、または電子ビームなどの荷電粒子ビームが照射され、フォトレジスト膜PF1に第1の図形パターンCP1が描画される。第1の図形パターンCP1は、図示のとおり、荷電粒子ビームが照射された領域PFE1を有している。描画装置としては、例えばレーザービーム描画装置や電子ビーム(EB)描画装置を用いることができる。EB描画装置は、電子銃から発せられる電子ビームを電子レンズによってフォトレジスト膜PF1上に集束し、集束された電子ビームを電子ビーム偏向制御系によりフォトレジスト膜PF1上で走査することにより、フォトレジスト膜PF1上に第1の図形パターンCP1を描くことができる。
EB描画装置は例えば中央演算装置(CPU)等を含む制御部を有し、制御部によって、電子銃、電子レンズ、及び電子ビーム偏向制御系に対して、予め用意された図形データに基づく制御が行われる。本実施形態においては、図形データは、テンプレートが有することになるパターン(以下、テンプレートパターンと言う)を描画するためのデータである。また、図形データには、第1の図形パターンCP1に対応する第1の図形データと、後述する第2の図形パターンCP2に対応する第2の図形データとが含まれる。第1の図形データは、第1の図形パターンCP1の形状や線幅に関する情報、及び電子ビーム強度(照射量)などに関する情報を含み、第2の図形データもまた、第2の図形パターンCP2の形状や線幅に関する情報、及び電子ビーム強度(照射量)などに関する情報を含む。
第1の図形パターンCP1と第2の図形パターンCP2は、テンプレートパターンのピッチ(ライン・アンド・スペースパターンにおいては、ライン幅とスペース幅の合計)の2倍のピッチを有しており、これら2つの図形パターンCP1、CP2が組み合わされることにより、より微細なテンプレートパターンが実現される。
第1の図形パターンCP1が描画されたフォトレジスト膜PF1が、現像装置(不図示)により現像されると、第1の図形パターンCP1に対応したパターンを有するフォトレジストマスクが形成される。ここで、図1(D)に示すように、現像の前にフォトレジスト膜PF1上にパーティクルPが偶発的に付着していた場合には、パーティクルPが付着した部分に現像液が触れることが無いため、図2(A)に示すように、その部分のフォトレジストは溶出することなく残ってしまうこととなる。すなわち、フォトレジストマスクPM1に欠陥Dが発生してしまう。このため、フォトレジストマスクPM1を用いて金属膜14をエッチングし、金属膜14上に残ったフォトレジスト膜PF1をアッシングにより除去した後には、図2(B)に示すように、金属膜14においても、本来は開口すべき部分が開口せずに残ってしまう。言い換えると、金属膜14にも欠陥Dが転写されてしまうこととなる。
次に、図2(B)に示す欠陥Dを含んだ金属膜14に対して、以下のように検査が行われる。この検査には光学顕微鏡や電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などの検査装置を用いることができる。具体的には、これらの検査装置により、金属膜14の表面が観察され、そのパターンを示す画像データが取得される。
図4(A)は、第1の図形データによる第1の図形パターンCP1の一部を示す図であり、図4(B)は、所定の表面検査装置により観察された、金属膜14の欠陥Dを含む領域の表面画像を模式的に示す上面図であり、図4(C)は、比較結果に基づいて生成された第3の図形パターンCP3を示す図である。
図4(A)を参照すると、第1の図形パターンCP1は、荷電粒子ビーム(例えば電子ビーム(EB))が照射されるべき複数の部分P1を有している。これらの部分P1の各々は、一の方向にライン状に延びた形状を有している。また、これらの部分P1は、一の方向(長手方向)と直交する方向に所定のピッチ(テンプレートパターンの2倍のピッチ)で並んでいる。一方、金属膜14の表面観察像においては、図4(B)に示すように、部分P1に対応した部分が開口部OPとなり、石英基板12が露出している。ただし、上述のようにパーティクルP(図1(D))に由来した欠陥Dもまた観察されている。欠陥Dのような欠陥は、例えば光学顕微鏡や電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などの表面検査装置による観察像の画像データに基づき、例えばパターン認識技術を利用することにより検出することができる。また、欠陥の形状や座標位置は、観察像の画像データに基づいて特定することができる。また、観察像の画像データと、第1の図形データとを比較することにより、欠陥の形状や座標位置を求めても良い。すなわち、第1の図形データに無い構造が画像データにあることから、その構造は、本来存在しない欠陥として把握され得る。この場合、両データを比較したときに見出された差異によって、欠陥に対応する形状や座標位置が把握され得る。以上のようにして、欠陥の形状や座標位置を示す第3の画像データが生成される。図4(C)は、第3の画像データに基づく第3の図形パターンCP3を示している。第3の図形パターンCP3は、欠陥Dに対応した部分P2を有しており、部分P2は、部分P1と同様に荷電粒子ビームが照射されるべき部分として設けられる。
次いで、第3の図形データに基づいて、第2の図形データが補正される。図5(A)は、第2の図形データに基づく本来の第2の図形パターンCP2を模式的に示す図である。図示のとおり、第2の図形パターンCP2は、第1の図形パターンCP1と同様に複数の部分P1を有している。ただし、第1の図形パターンCP1と第2の図形パターンCP2との間では、部分P1は、長手方向に直交する方向に沿って互いに1/2ピッチだけずれている。この第2の図形パターンCP2に第3の図形パターンCP3を重ね合わせることにより、第2の図形パターンCP2が補正される。図5(B)は、このように補正された第2の図形パターンCCP2を模式的に示した図であり、複数の部分P1に加えて、部分P2が示されている。補正された第2の図形パターンCCP2に対応する、補正された第2の図形データは、例えば、描画装置の記憶部に保存される。
続けて、図2(C)に示すように、欠陥Dを含むものの第1の図形パターンCP1が形成された金属膜14の上にフォトレジスト膜PF2が塗布される。次いで、このフォトレジスト膜PF2に対して、補正された第2の図形パターンCCP2に対応する図形データに基づいて、荷電粒子ビームが照射される。これにより、図2(D)に示すように、フォトレジスト膜PF2に、補正された第2の図形パターンCCP2が形成される。この第2の図形パターンCCP2は、荷電粒子ビームにより照射された領域PFE2を有している。
次に、このフォトレジスト膜PF2が現像されると、図3(A)のようにフォトレジストマスクPM2が得られる。補正された第2の図形パターンCCP2は、上述のとおり、部分P1だけでなく部分P2を有しており(図5(B))、よって、部分P2にも荷電粒子ビームが照射されたため、部分P2も現像により溶出する。したがって、フォトレジストマスクPM2は、部分P1に対応する部分にだけでなく、部分P2の上方にも開口を有している。
次に、図3(B)に示すように、フォトレジストマスクPM2により金属膜14がエッチングされ、残余のフォトレジストマスクPM2が除去されると、ハードマスクHMが得られる。ハードマスクHMは、補正された第2の図形パターンCCP2を有することとなり、したがって、ハードマスクHMにおいても部分P1だけでなく部分P2が開口している。
続けて、ハードマスクHMを用いて、石英基板12をエッチングする(図3(C))と、テンプレートパターンを有するテンプレートTPが完成する(図3(D))。ここで、ハードマスクHMは、部分P2に対応した開口部を有しているため、第1の図形パターンCP1を金属膜14に転写したときに生じた欠陥Dが修正されることとなる。
以上説明したように、本実施形態による原版製造方法においては、まず、テンプレートに形成されるべきテンプレートパターンを構成する第1の図形パターンCP1と第2の図形パターンCP2にそれぞれ対応した第1の図形データと第2の図形データが生成される。次に、第1の図形パターンCP1が転写された金属膜14の表面を観察することにより、金属膜14の欠陥が検出される。検出された欠陥を修正するための第3の図形データが生成され、これに基づいて、第2の図形パターンCP2が補正される。補正された第2の図形パターンCCP2に対応する図形データに基づいて、金属膜14上に塗布されたフォトレジスト膜PF2に荷電粒子ビームが照射され、補正された第2の図形パターンCCP2が金属膜14に転写される。これにより、ハードマスクHMが得られる。ハードマスクHMは、第2の図形パターンCP2だけでなく、検出された欠陥を修正するための第3の図形パターンCP3も有している。したがって、ハードマスクHMは、テンプレートパターンに対応するパターンを有することができ、ハードマスクHMを用いて石英基板12をエッチングすることにより、テンプレートが得られる。
すなわち、本実施形態による原版製造方法によれば、第1の図形パターンCP1が転写された金属膜14に対して、補正された第2の図形パターンCCP2が転写されるため、第1の図形パターンCP1の転写時に金属膜14に発生した欠陥を修正することができる。したがって、欠陥が低減された所望のテンプレートパターンを有するテンプレートを製造することが可能となる。
また、第1の図形パターンCP1の転写時に金属膜14に発生した欠陥が、補正された第2の図形パターンCP2を転写する際に修正することができるため、第1の図形パターンCP1の転写後にリワークを行う必要がない。よって、余計な工程を避けることができ、短時間でのテンプレート製造が可能となる。
なお、第1の図形パターンCP1が形成された金属膜14の表面観察において、欠陥が見いだされなかった場合には、第2の図形パターンCP2に対応する第2の図形データに基づいて、フォトレジスト膜PF2に対して荷電粒子ビームが照射されて良い。
(変形例)
次に、第1の実施形態による原版製造方法の変形例について説明する。本変形例では、上述の原版製造方法における第2の図形パターンCP2が異なる方法で補正される。図6(A)は、変形例による原版製造方法において、補正された第2の図形パターンCCP4の一部を模式的に示す上面図である。また、図6(B)は、第1の図形パターンCP1と、補正された第2の図形パターンCCP4が転写された金属膜14を模式的に示す上面図である。
図示のとおり、補正された第2の図形パターンCCP4もまた、上述の補正された第2の図形パターンCCP2と同様に、欠陥Dを修正するための部分P2を有している。また、部分P2の両側のライン状に延びた部分P10には、部分P2に対向する狭幅部NWを有している。この狭幅部NWは、いわゆる近接効果という現象を考慮して設けられている。
近接効果とは、照射した荷電粒子ビームがフォトレジスト膜(PF2)内で散乱したり、反射したりするために、照射領域が拡大してしまう現象であり、照射領域が近接する場合に特に顕著になる。補正された第2の図形パターンCCP4のように、本来の第2の図形パターンCP2には無かったパターン(部分P2)が追加された場合には、部分P2と部分P10との間は、部分P1間の間隔よりも狭くなる上に、近接効果によって更に狭くなるおそれがある。そのため、部分P10にはパターン幅の小さい狭幅部NWを設けることにより、部分P2との距離を大きくすることにより、近接効果による影響を低減することとしている。すなわち、第2の図形パターンCP2は、第3の図形パターンCP3に基づいて、補正されるだけでなく、狭幅部NWを設ける補正が行われる。このようにして得た、補正された第2の図形パターンCCP4を用いて、第1のパターンCPが転写された金属膜14(欠陥Dを含む)をパターニングすると、ハードマスクHMが得られる。図6(B)に示すように、ハードマスクHMには、第1の図形パターンCP1及び第2の図形パターンCP2の部分P1と同様に、ほぼ同一形状を有する開口部OPが形成されている。
なお、狭幅部NWの幅や長さ(部分P10の長手方向に沿った長さ)は、例えば特開平9-289164号公報に開示される照射量補正法などにより決定されて良い。この公報は、荷電ビーム描画方法において近接効果の影響を効率よく低減するため、(欠陥等を考慮するわけではなく)パターンのサイズや密度、間隔などに基づいて、最適なビーム照射量を計算する方法を開示している。このような計算は、一般に、チップの全体に相当するパターンについて行われるため、計算量が多くなるが、変形例による原版製造法においては、表面検査で検出された欠陥Dの周囲でのみ計算を行えば良いため、短時間で簡便に狭幅部NWの幅や長さを決定することができる。また、計算精度の向上も期待される。
また、部分P10をフォトレジスト膜(PF2)上に実現する場合には、上述のように幅や長さが決定された狭幅部NWに荷電粒子ビームが到達したときに、荷電粒子ビームの集束径を小さくするとともにシフトするようにして良い。また、荷電粒子ビームを部分P10の長手方向に沿って複数回往復させることにより部分P10に照射する場合には、荷電粒子ビームが狭幅部NWに至った時に、荷電粒子ビームを所定の期間停止させ、再び照射を開始しても良い。さらに、荷電粒子ビームの照射量を低減することにより、狭幅部NWを実現するようにしても良い。これによれば、荷電粒子ビームのフォトレジスト膜(PF2)内での散乱や反射が低減されるため、近接効果の影響が低減される。すなわち、低い照射量で照射された部分を狭幅部NWとすることができる。もちろん、計算により求めた狭幅部NWに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を低減するようにしても良い。
(第2の実施形態)
これまで第1の実施形態による原版製造方法を説明したが、本開示は、描画データ作成方法やパターン欠陥の修正方法としても実施することが可能である。図8は、第2の実施形態によるパターン修正方法(描画データ作成方法)の手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態によるパターン欠陥の修正方法においては、まず、ステップS1において、形成されるパターンを構成する第1の図形パターンと第2の図形パターンにそれぞれ対応した第1の図形データと第2の図形データが生成される。第1の図形データは、第1の図形パターンCP1の形状や線幅に関する情報、及び、荷電粒子ビームが使用される場合には、その強度(照射量)などに関する情報を含み、第2の図形データもまた、第2の図形パターンCP2の形状や線幅に関する情報、及び電子ビーム強度(照射量)等に関する情報を含む。
次に、ステップS2において、パターンが形成されるべき形成対象物に、第1の図形データに基づいて第1の図形パターンが形成され、ステップS3において、形成された第1の図形パターンが観察され、画像データが取得される。次いで、本実施形態においては、ステップS4にて第1の図形データと画像データとが比較される。
続けて、第1の図形データと画像データとの間の差異が検出される(ステップS5)。差異が無い場合には(ステップS5:NO)、第1の図形パターンが形成された形成対象物に対して、第2の図形データに基づき、第2の図形パターンが形成され(ステップS9)、一連のプロセスが終了する。
一方、第1の図形データと画像データとの間に差異がある場合には(ステップS5:YES)、その差異に基づいて、第3の図形パターンに対応する第3の図形データが生成される(ステップS6)。次いで、ステップS7において第3の図形データに基づいて、第2の図形データが補正され、ステップS8において、補正された第2の図形データに基づいて、第1の図形パターンが形成された形成対象物がパターニングされる。以上により、一連のプロセスが終了する。
なお、第2の実施形態の変形例として、ステップS4からステップS6までに代わり、ステップS3で取得された画像データに基づき、パターン認識技術等を利用して第3の図形データを生成しても良い。
本発明の実施形態(変形例を含む、以下同じ)を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
更なる変形例としては、例えば以下のものが例示される。例えば、上述の実施形態においては、テンプレートパターンに対応する図形データには、第1の図形パターンCP1に対応する第1の図形データと、後述する第2の図形パターンCP2に対応する第2の図形データとの2つの個別の図形データが含まれていたが、2つに限らず、3つの個別の図形データが含まれても良い。この場合、補正された第2の図形データに基づいて、第1の図形パターンが修正されつつ第2の図形パターンが金属膜14に形成されるが(図3(B))、この後に、その金属膜14の検査が行われて良い。そして、この検査に基づいて、3つ目の個別の図形データが補正され、補正された図形データに基づいて、金属膜14が更にパターニングされて良い。
また、上述の実施形態において、第1の図形パターンと観察像との間の差異に相当する第3の図形パターンを示す第3の図形データが生成されたが、第3の図形データは、必ずしも図形パターンを示すデータでなくて良い。例えば、第3の図形データは、第1の図形パターンに対応する第1の図形データと、観察像の画像データとの比較により得られる、座標位置と、その座標位置における欠陥の有無を示す情報とが対応付けられたデータであっても良い。換言すると、第3の図形データは、第2の図形データを補正可能であれば良い。
また、上述の実施形態においては、補正された第2の図形データに基づいて金属膜14をパターニングすることによりハードマスクHMを得、このハードマスクHMを用いて石英基板12をエッチングした。しかし、金属膜14に第1の図形パターンが形成された後に(図2(B)の後に)、石英基板12をエッチングしても良い。この場合であっても、第1の図形パターンが形成された金属膜14の検査に基づいて、第3の図形パターンを生成し、これにより、第2の図形パターンが補正されるから、第1の図形パターンが形成された金属膜14に欠陥があっても、これを修正することが可能である。また、これによれば、石英基板12が2回エッチングされるため、1回目のエッチングと、2回目のエッチングとにおいて、エッチング量(深さ)を変えることにより、3次元的なパターンを形成することも可能となる。
また、上述の実施形態においては、原版としてのテンプレートを製造する場合を例にとって説明したが、原版してのフォトマスク(レチクル)の製造にも本実施形態を応用することができる。この場合、図3(B)に示すように、第1の図形パターンCP1と第2の図形パターンCP2を金属膜14に転写することにより形成されたハードマスクHMが得られたところでプロセスを停止すれば、フォトマスクを製造することができる。すなわち、金属膜14は光の透過を阻害するため、石英基板12と、その上に形成される所定のパターンを有する金属膜14(ハードマスクHM)とにより、フォトマスクが実現される。
また、第3の図形パターンCP3の生成の際に、第1の図形パターンCP1が転写された金属膜14の画像データと、第1の図形パターンCP1に対応する第1の図形データとが比較されたが、さらに第2の図形パターンCP2に対応する第2の図形データを用いても良い。画像データと第1の図形データと間で差異が生じたとしても、その部分と第2の図形パターンCP2が重複する場合には、その差異は無視されても良い。
12…石英基板、14…金属膜、16…アライメントマーク、PF1,PF2…フォトレジスト膜、D…欠陥、CP1…第1の図形パターン、CP2…第2の図形パターン、CP3…第3の図形パターン、CCP2…補正された第2の図形パターン、HM…ハードマスク。

Claims (10)

  1. 所定のパターンを含む第1の図形パターンと第2の図形パターンについて、当該第1の図形パターンに対応する第1の図形データと、当該第2の図形パターンに対応する第2の図形データとを用意し、
    パターン形成対象物に、前記第1の図形データに基づいて前記第1の図形パターンを形成し、
    前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物に対する検査を行い、
    前記検査の結果に基づいて第3の図形データを生成し、
    前記第3の図形データに基づいて前記第2の図形データを補正し、
    補正された前記第2の図形データに基づいて、前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物をパターニングすることを含む、原版製造方法。
  2. 前記パターン形成対象物に、前記第1の図形データに基づいて前記第1の図形パターンを形成することが、
    前記パターン形成対象物の上に第1の膜を形成し、
    前記第1の図形データに基づいて前記第1の膜へレーザービームまたは荷電粒子ビームを照射することにより第1のマスクを形成し、
    前記第1のマスクを用いて、前記パターン形成対象物をエッチングすることを含む、請求項1に記載の原版製造方法。
  3. 補正された前記第2の図形データに基づいて、前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物をパターニングすることが、
    前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物の上に第2の膜を形成し、
    補正された前記第2の図形データに基づいて前記第2の膜へレーザービームまたは荷電粒子ビームを照射することにより第2のマスクを形成し、
    前記第2のマスクを用いて、前記パターン形成対象物をエッチングすることを含む、請求項1又は2に記載の原版製造方法。
  4. 前記パターン形成対象物が、紫外光を透過可能な基板の表面に形成されたハードマスク膜である、請求項1から3のいずれか一項に記載の原版製造方法。
  5. 前記パターン形成対象物としての前記ハードマスク膜をマスクとして前記基板を加工することを更に含む、請求項4に記載の原版製造方法。
  6. 前記第2の図形データの補正において、補正前の前記第2の図形パターンと異なる第3の図形パターンを追加する場合、前記第3の図形パターンの周囲における前記第2の図形パターンが部分的に縮小化される、請求項1から5のいずれか一項に記載の原版製造方法。
  7. 前記第2の図形パターンの縮小化が、レーザービームまたは荷電粒子ビームが照射される領域を縮小化することにより行われる、請求項6に記載の原版製造方法。
  8. 前記第2の図形パターンの縮小化が、レーザービームまたは荷電粒子ビームの照射量を低下させることにより行われる、請求項6に記載の原版製造方法。
  9. 所定のパターンを含む第1の図形パターンと第2の図形パターンについて、当該第1の図形パターンに対応する第1の図形データと、当該第2の図形パターンに対応する第2の図形データとを用意し、
    パターン形成対象物の上に形成された第1の膜に、前記第1の図形データに基づいてレーザービームまたは荷電粒子ビームを照射して、前記第1の図形パターンを描画し、
    前記第1の図形パターンが描画された前記第1の膜を用いて、前記パターン形成対象物に前記第1の図形パターンを形成し、
    前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物に対する検査を行い、
    前記検査の結果に基づいて第3の図形データを生成し、
    前記第3の図形データに基づいて前記第2の図形データを補正し、
    前記第1の図形パターンが形成された前記パターン形成対象物の上に形成された第2の膜に、補正された前記第2の図形データに基づいてレーザービームまたは荷電粒子ビームを照射することを含む、パターン欠陥の修正方法。
  10. 所定のパターンを含む第1の図形パターンと第2の図形パターンについて、当該第1の図形パターンに対応する第1の図形データと、当該第2の図形パターンに対応する第2の図形データとを用意し、
    形成された前記第1の図形パターンの検査結果に基づいて第3の図形データを生成し、
    前記第3の図形データに基づいて、前記第2の図形データを補正することを含む、描画データ作成方法。
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