JP7429583B2 - リソグラフィマスクの製造方法、リソグラフィマスク、および、半導体装置の製造方法 - Google Patents

リソグラフィマスクの製造方法、リソグラフィマスク、および、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リソグラフィマスクの製造方法、リソグラフィマスク、および、半導体装置の製造方法に関する。本発明は、特に、半導体製造用に好適な、リソグラフィマスクの製造方法、リソグラフィマスク、および、半導体装置の製造方法に関する。
特許文献1には、電子ビームを用いて、マスクの黒欠陥や白欠陥を修正する技術が記載されている。
特許文献2には、電子ビームと原子間力顕微鏡の探針とを使い分けることにより、リソグラフィマスクを修正する技術が記載されている。
特開2004-294613号公報 特開2006-139049号公報
半導体素子の高集積化、微細化は加速しており、ウェハへパターンを転写するためのリソグラフィマスク(レチクル)に形成される転写用パターンも微細化が進んでいる。したがって、リソグラフィマスクの製造においては、転写用パターンの寸法を精緻に制御することが肝要である。
ところが、リソグラフィマスクの製造過程において、転写用パターンの寸法を目標とする寸法(以下、目標寸法dともいう)と一致させることは容易ではなく、寸法の不一致による欠陥を完全に回避することは困難であった。図1に、寸法の不一致による欠陥の例を示す。図1(a)の上段は、目標寸法dに対して、転写用パターンが含む薄膜パターン13の寸法が不足している(小さい)状態の欠陥を有するリソグラフィマスクの一例を示す平面図であり、下段は、該平面図に示すリソグラフィマスクをA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。図1(b)の上段は、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰な(大きい)状態の欠陥を有するリソグラフィマスクの一例を示す平面図であり、下段は、該平面図に示すリソグラフィマスクをB-B’線に沿って切断した場合の断面図である。
リソグラフィマスクの欠陥の修正方法としては、集束イオンビーム(Focused Ion Beam、FIB)を用いる方法や、電子ビーム(Electron Beam、EB)を用いる技術がある。特許文献1に記載のリソグラフィマスクの欠陥修正方法では、試料に対して電子ビームを傾斜させるとともに、傾斜した電子ビームに対して所望の角度に対物レンズのレンズ面を傾け、対物レンズにより集束され、かつ、傾斜した電子ビームを走査照射することにより修正部側面が垂直な側面を持つように、修正を行っている。
また、特許文献2に記載のリソグラフィマスクの修正方法では、材料や欠陥の種類によって、電子ビームと原子間力顕微鏡とを使い分けて、黒欠陥や白欠陥を修正しており、これにより、最適な修正方法でマスクの修正を行うことができるとされている。
半導体装置用のリソグラフィマスクは、基板上に形成された転写用パターンを備えるものであり、転写用パターンは、透明基板上に形成された薄膜をパターニングすることにより得られる。パターニングを行うための描画装置のエラーなど様々な要因により、転写用パターンの寸法が目標寸法からずれてしまうことがある。上記要因の一つとしては、例えば、レジスト膜を現像した後の乾燥が不十分であることなどにより、薄膜上に液滴等が残留または付着し、これによって生じる残渣(いわゆる、ウォーターマーク)が、薄膜のエッチングを阻害して、結果的に薄膜パターンの寸法が目標寸法dからずれる欠陥が生じることもある。このような寸法のずれによる欠陥を修正するためには、特許文献1や特許文献2のような手法を用いて、不要な薄膜のみを除去する、あるいは、薄膜が欠損している領域に修正膜を堆積することが考えられる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の修正方法を用いて修正を行う場合、黒欠陥以外の領域にある必要な薄膜までも除去されてしまったり、白欠陥領域だけではなく、その周囲にも修正膜が堆積してしまったりする可能性があり、正確な位置に修正を行うことが困難であった。このため、上述のような修正方法により修正されたリソグラフィマスクを用いて、被転写体上に正常な寸法の転写像を形成することは容易ではなかった。
そこで、本発明者らは、被転写体上に正常な寸法の転写像を形成できるように、転写用パターンの寸法が目標寸法dからずれてしまう欠陥を有するリソグラフィマスクに対して精緻に修正を行い、寸法精度の高いリソグラフィマスクを得るべく、本発明を完成した。
本発明の第1の態様は、
露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクの製造方法であって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
前記転写用パターン修正工程は、
前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して不足している欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上に必要厚みの修正膜を堆積する修正膜堆積工程と、
を含むことを特徴とする、リソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第2の態様は、
前記修正膜堆積工程において、前記修正膜を、実質的に前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上にのみ堆積することを特徴とする、上記第1の態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第3の態様は、
前記修正膜は、被エッチング断面を有しないことを特徴とする、上記第1または第2の態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第4の態様は、
前記修正膜は、1~100nmの膜厚を有することを特徴とする、上記第1~第3のいずれか1つの態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第5の態様は、
露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するリソグラフィマスクの製造方法であって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
前記転写用パターン修正工程は、
前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して過剰となっている欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域の前記薄膜パターンを膜厚方向に必要量除去する減膜工程と、
を含むことを特徴とする、リソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第6の態様は、
前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンの寸法は実質的に保持されることを特徴とする、上記第5の態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第7の態様は、
前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンは、荷電粒子線を用いたガスアシストエッチング法により前記必要量除去されることを特徴とする、上記第5または第6の態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第8の態様は、
前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンは、原子間力顕微鏡の探針を用いて、前記必要量除去されることを特徴とする、上記第5または第6の態様に記載のリソグラフィマスクの製造方法である。
本発明の第9の態様は、
露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が不足する欠陥が修正された、修正領域を有し、
前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上において、厚さ方向に必要量の修正膜が堆積されていることを特徴とする、リソグラフィマスクである。
本発明の第10の態様は、
前記修正膜は、実質的に前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上にのみ堆積されていることを特徴とする、上記第9の態様に記載のリソグラフィマスクである。
本発明の第11の態様は、
前記修正膜の膜厚は、1~100nmであることを特徴とする、上記第9または第10の態様に記載のリソグラフィマスクである。
本発明の第12の態様は、
露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に所定膜厚の薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が過剰となる欠陥が修正された、修正領域を有し、
前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域の前記薄膜パターンの膜厚が、前記所定膜厚よりも小さくされていることを特徴とする、リソグラフィマスクである。
本発明の第13の態様は、
前記修正領域の前記薄膜パターンの膜厚は、前記所定膜厚よりも1~105nm小さいことを特徴とする、上記第12の態様に記載のリソグラフィマスクである。
本発明の第14の態様は、
上記第1~第8のいずれか1つの態様に記載の製造方法によるリソグラフィマスクまたは上記第9~第13のいずれか1つの態様に記載のリソグラフィマスクを用意する工程と、
露光装置を用いて、前記リソグラフィマスクを露光し、前記被転写体上に前記転写像を形成する工程と、
を含む、半導体装置の製造方法である。
本発明によると、転写用パターンの寸法が目標寸法からずれてしまう欠陥を有するリソグラフィマスクに対して精緻に修正を行うことができ、得られた修正後のリソグラフィマスクを用いて被転写体上に正常な寸法の転写像を形成することができる。
図1(a)の上段は、目標寸法dに対して、転写用パターンが含む薄膜パターン13の寸法が不足している(小さい)状態の欠陥を有するリソグラフィマスクの一例を示す平面図であり、下段は、該平面図に示すリソグラフィマスクをA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。図1(b)の上段は、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰な(大きい)状態の欠陥を有するリソグラフィマスクの一例を示す平面図であり、下段は、該平面図に示すリソグラフィマスクをB-B’線に沿って切断した場合の断面図である。 図2(a)は、形成されるべき目標パターン12を透明基板11上に備えるリソグラフィマスクのモデル(マスクモデルと呼ぶ)の断面図である。図2(b)は、転写用パターン20が含む薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して不足している(小さい)状態となる欠陥を有するリソグラフィマスクの断面図である。図2(c)は、修正領域Z2に残存する薄膜上に修正膜14を堆積したリソグラフィマスクの断面図である。 図3(a)は、形成されるべき目標パターン12を透明基板11上に備えるリソグラフィマスクのモデル(マスクモデルと呼ぶ)の断面図である。図3(b)は、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰な(大きい)状態となる欠陥を有するリソグラフィマスクの断面図である。図3(c)は、修正領域Z2内の薄膜を膜厚方向に一部除去したリソグラフィマスクの断面図である。 図4(a)の上段は、修正前のリソグラフィマスク10の平面図であり、下段は、該平面図に示す修正前のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。図4(b)の上段は、修正後のリソグラフィマスク10の平面図であり、下段は、該平面図に示す修正後のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。 図5は、修正前マスクの転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像である。 図6は、修正前の転写用パターン20による光強度曲線と、正常なパターンの光強度曲線とを示すグラフである。 図7(a)は、修正後の転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像である。図7(b)は、原子間力顕微鏡により、修正後のリソグラフィマスク10(修正後マスク)の表面形状を測定した結果を示す図である。 図8は、修正後の転写用パターン20による光強度曲線と、正常なパターンの光強度曲線とを示すグラフである。 図9は、修正膜14を堆積した修正後の転写用パターン20、および、正常パターン(修正膜14を堆積していない)の、ウェハ(被転写体)上に転写されるパターンの線幅とフォーカス位置との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。 図10(a)の上段は、修正前のリソグラフィマスク10の平面図であり、下段は、該平面図に示す修正前のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。図10(b)の上段は、修正後のリソグラフィマスク10の平面図であり、下段は、該平面図に示す修正後のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図である。 図11は、修正前マスクの転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像である。 図12は、修正前の転写用パターン20による光強度曲線と、正常なパターンの光強度曲線とを示すグラフである。 図13(a)は、修正後の転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像である。図13(b)は、原子間力顕微鏡により、修正後のリソグラフィマスク10(修正後マスク)の表面形状を測定した結果を示す図である。 図14は、修正後の転写用パターン20による光強度曲線と、正常なパターンの光強度曲線とを示すグラフである。 図15は、薄膜の膜厚を減少させた修正後の転写用パターン20、および、正常パターン(減膜していない)の、ウェハ(被転写体)上に転写されるパターンの線幅とフォーカス位置との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
半導体装置用のリソグラフィマスクにおいては、転写用パターンの微細化が進んでおり、転写用パターンの寸法が、露光光の波長(例えば、ArFエキシマレーザーの露光光である波長193nm)に近づく、あるいは、露光光の波長よりも小さくなってきている。このため、転写用パターンの3次元構造(立体構造)の影響により、2次元シミュレーションによる転写特性と実際のリソグラフィマスクの転写特性との間に乖離が見られるようになっている。このため、リソグラフィマスクの開発においては、上記乖離を低減するために、転写用パターンが含む薄膜パターンの3次元構造(立体構造、高さ)の影響を低減する手法が検討されている。
これに対し、本発明者らは、上記乖離の要因である薄膜パターンの3次元構造の影響を低減するのではなく、積極的に利用することにより、上述のような寸法のずれによる欠陥を修正できることを見出した。すなわち、本発明者らの検討により、平面(2次元)で把握した薄膜パターンの寸法ずれによる欠陥を、該平面上で修正するのではなく、薄膜パターンの立体構造を変えることにより、正常な転写用パターンを得られることが明らかとなった。
図2(a)および図3(a)は、形成されるべき目標パターン12を透明基板11上に備えるリソグラフィマスクのモデル(マスクモデルと呼ぶ)の断面を示す。この目標パターン12の寸法が、目標寸法dとなる。図2(b)は、転写用パターン20が含む薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して不足している(小さい)状態となる欠陥を有するリソグラフィマスクの断面を示し、図3(b)は、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰な(大きい)状態となる欠陥を有するリソグラフィマスクの断面を示す。
特許文献1や特許文献2に記載されたような、従来の修正方法を用いて、図2(b)や図3(b)に示すような欠陥を修正する場合、寸法そのものを修正する、すなわち、必要な薄膜が欠損している箇所に修正膜を堆積することや、不要な薄膜を除去することが考えられる。
しかしながら、上述のとおり、特許文献1や特許文献2に記載されたような修正方法を用いても、目標寸法dと一致するように、精緻に修正を行うことは困難であった。これは、寸法のずれ量Δdが、例えば3~20nmと非常に微細な場合においては、修正膜を堆積する面積や寸法、あるいは、除去する薄膜の面積や寸法も非常に微細になり、修正位置を精緻に制御することが困難なためである。なお、本明細書において、「A~B」とは、「A以上B以下」の数値範囲であることを意味する。
ところで、図2(a)および図3(a)において、マスクモデルの上部にある曲線は、マスクモデルを露光したときを想定した場合の、図中の破線で囲んだ領域(参照領域Z1とする)における光強度分布の概略図を表している。また、図2(b)および図3(b)において、リソグラフィマスクの上部にある曲線は、このリソグラフィマスクを露光した場合の、参照領域Z1に対応する領域における光強度分布の概略図を表している。
図2(b)の修正前のリソグラフィマスクにおいては、参照領域Z1に対応する領域における薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して不足している状態であり、該領域の光強度分布のピークが、図2(a)に示すマスクモデルの参照領域Z1の光強度分布のピークよりも高くなる。
図3(b)の修正前のリソグラフィマスクにおいては、参照領域Z1に対応する領域における薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰な状態であり、該領域の光強度分布のピークが、図3(a)に示すマスクモデルの参照領域Z1の光強度分布のピークよりも低くなる。
被転写体上に正常な寸法の転写像を形成するためには、図2(b)あるいは図3(b)に示すようなリソグラフィマスクの光強度分布を、図2(a)あるいは図3(a)に示すようなマスクモデルの光強度分布に一致させることが有用である。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を行い、薄膜パターン13の立体形状(高さ)を調整することにより、リソグラフィマスクの光強度分布を制御できることを見出した。具体的には、修正を施す領域を修正領域Z2として特定し、図2(c)に示すように、修正領域Z2に残存する薄膜上に修正膜14を堆積する、あるいは、図3(c)に示すように、修正領域Z2内の薄膜を膜厚方向に一部除去する(減膜する)ことにより、修正領域Z2における光強度分布を制御できることを見出した。
これにより、修正後のリソグラフィマスクの光強度分布をマスクモデルの光強度分布に一致させることができ、結果として、この修正後のリソグラフィマスクを用いることにより、被転写体上に正常な寸法の転写像を形成することができる。
なお、本明細書において、寸法とは、転写用パターンが形成された主表面側からリソグラフィマスクを平面視した場合の平面上の寸法を指し、薄膜の膜厚のように、主表面に垂直な方向(厚さ方向、膜厚方向)における寸法は、特記しない限り、含まれない。
<第1実施形態>
以降、本発明の第1実施形態にかかるリソグラフィマスク10の製造方法が含む修正工程について、具体的に説明するが、まず、本実施形態にかかるリソグラフィマスク10、および転写用パターン20の欠陥について、説明する。なお、本明細書においては、修正を行う前の転写用パターンと、修正を行った後の転写用パターンとをまとめて、転写用パターン20と称し、薄膜パターン13についても同様である。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10は、後述のマスク基板にリソグラフィを適用することにより得られ、透明基板11上に形成された薄膜をパターニングすることにより得られる転写用パターン20を有するものであり(図4(a)参照)、転写用パターン20は、透明基板11上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターン13が形成された領域(薄膜形成部21)と、透明基板11が露出してなる透光部22と、を含むことができる。本発明のリソグラフィマスク10は、フォトリソグラフィを適用して被転写体上に転写像を形成するために用いる透過型のフォトマスクを含む。また、本発明のリソグラフィマスク10は、波長が13.5nm近傍の極端紫外線(Extreme Ultra Violet、EUV)を用いて被転写体上に転写像を形成するために用いる反射型のマスク(いわゆるEUVマスク)を含んでもよい。
なお、本明細書においては、マスク基板は、透明基板11の主表面に薄膜が形成されたものをいい、いわゆるマスクブランクを含む。透明基板11の主表面と薄膜との間には、別の膜が形成されていてもよい。マスク基板は、薄膜上にレジスト膜を形成したレジスト付マスクブランクも含む。また、マスク基板は、積層構造の膜パターンをもつリソグラフィマスクなどを製造する目的で、既に一部の薄膜がパターニングされたリソグラフィマスク中間体であってもよい。
なお、本実施形態では、例えば図4(a)および図4(b)に示すように、薄膜が透明基板11の主表面に接触した状態で形成されているリソグラフィマスク10を一例として説明する。
マスク基板に用いられる透明基板11としては、合成石英などの透明材料からなるものを、平坦かつ平滑に研磨したものを用いる。例えば、主表面は、一辺が5~6インチ程度の四角形であり、厚みは2~7mm程度である。
マスク基板の薄膜は、スパッタ法など、公知の成膜法により、透明基板11が有する2つの主表面のうち一方の主表面上に形成される。
薄膜は、遮光膜(リソグラフィマスク10を使用する際の露光光に対する光学濃度OD:Optical Densityが2以上、好ましくは3以上)とすることができる。この遮光膜は、遮光層と、さらに表面に、後述の反射防止層とを備えてもよい。
また、薄膜は、露光光を一部透過する、半透光膜としてもよい。このとき、半透光膜の露光光透過率は、透明基板11の露光光透過率を基準(100%)として、5~80%とすることができる。
このような半透光膜は、いわゆる多階調マスク(階調マスク、或いは、ハーフトーンマスクなどともいう)や、ハーフトーン型位相シフトマスクなどに有用に適用することができる。
半透光膜を上述の多階調マスクに適用する場合、露光光透過率は、20~70%が好ましく、さらに好ましくは30~60%である。また、半透光膜の上記露光光に対する位相シフト量は、好ましくは90度以下、より好ましくは60度以下とすることができる。
半透光膜をハーフトーン型位相シフトマスクに適用する場合には、露光光透過率は、5~40%が好ましく、さらに好ましくは5~30%である。また、半透光膜の上記露光光に対する位相シフト量は、好ましくは180±20度の範囲内とすることができる。
上記露光光に対する透過率および位相シフト量は、露光光が単一波長からなる場合はその波長に対するものとし、ブロード波長光源を用いる場合は、該光源の波長域に含まれるいずれかの波長(代表波長とする)に対するものとする。
薄膜の膜厚は、その機能によって決定されるが、23~105nmであることが好ましい。例えば、薄膜が遮光膜であれば、その膜厚を44~105nmとすることができる。
薄膜としては、ウェットエッチングまたはドライエッチングが可能なものを用いることができるが、寸法制御の観点から、異方性エッチング特性を有するドライエッチング可能なものを用いることが好ましい。薄膜の材料は、例えば、クロム(Cr)を含むことができる。薄膜が遮光膜である場合、クロムまたはその化合物を用いることができ、薄膜が半透光膜である場合は、クロム化合物からなるものが好適に使用できる。クロム化合物としては、例えば、クロムの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、および酸化窒化炭化物のいずれかを含む膜であることができる。
さらに、薄膜が遮光膜、または半透光膜である場合、クロム以外の金属、例えば、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、またはそれらの化合物からなる材料を適用してもよい。例えば、金属シリサイドやその酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物を含む材料とすることもできる。上記薄膜の材料として用いることのできる金属シリサイドの例としては、モリブデンシリサイド、およびタンタルシリサイドなどがある。さらに、上記薄膜としては、窒化ケイ素(シリコンナイトライド、Siまたは単にSiN)を含む材料としてもよい。また、これらの材料は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
薄膜が遮光膜であるとき、表面に、光反射率を抑制するための、反射防止層を備えてもよい。その場合、例えば、クロムを主成分とする遮光膜の表面に配置する反射防止層は、クロム化合物(酸化物、窒化物、炭化物など)とすることができる。反射防止層は、これを含む遮光膜の膜厚方向の組成変化により形成することができる。なお、組成変化は、段階的な変化でも、緩慢な変化でもよい。反射防止層は、リソグラフィマスク製造の過程で描画光に対する反射を抑える機能を奏し、また、リソグラフィマスクを露光する際の露光光に対して、反射を抑える機能をもつ。反射防止層の厚みは、例えば、4~40nmとすることができる。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10は、透明基板11上に転写用パターン20を備え、まず、透明基板11上に薄膜を形成したマスク基板を用意し、薄膜をパターニングして薄膜パターン13を形成することにより、得られる。この薄膜のパターニングは、必要に応じて、複数回行ってもよい。この薄膜パターン13を含む転写用パターン20に欠陥がある場合に、後述の転写用パターン20の修正工程(修正方法)を適用して、該欠陥を修正することにより、リソグラフィマスク10を完成することができる。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10の転写用パターン20の修正方法を用いて修正する欠陥は、リソグラフィマスク10上に形成されるべき目標パターン12と、実際にリソグラフィマスク10上に形成された薄膜パターン13との形状が異なるものを含む。具体的には、本実施形態のリソグラフィマスク10の修正方法を用いて修正する欠陥は、図4(a)に示すように、目標寸法dに対して、薄膜パターン13の寸法が不足している状態の欠陥と、図10(a)に示すように、目標寸法dに対して、薄膜パターン13の寸法が過剰な状態の欠陥と、を含む。図4(a)においては、上段が修正前のリソグラフィマスク10の平面図を示し、下段が該平面図に示す修正前のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図を示す。図4(b)においては、上段が修正後のリソグラフィマスク10の平面図を示し、下段が該平面図に示す修正後のリソグラフィマスク10をA-A’線に沿って切断した場合の断面図を示す。図10も、図4と同様である。
なお、図4および図10においては、転写用パターン20として、いわゆるラインアンドスペースパターンを例示しているが、これに限定されず、例えばホールパターンやドットパターンなども本実施形態にかかる転写用パターン20に含まれる。
次に、本実施形態にかかるリソグラフィマスク10の製造方法が含む修正工程(修正方法)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、目標寸法dに対して、転写用パターン20が含む薄膜パターン13の寸法が不足している(小さい)状態の欠陥を含むリソグラフィマスク10の修正方法について、説明する。
図4は、本発明の第1実施形態にかかるリソグラフィマスク10の修正方法を例示する概略図であり、図4(a)は、透明基板11上に転写用パターン20を備えるリソグラフィマスク10を示し、図4(b)は、本実施形態にかかる修正方法により修正されたリソグラフィマスク10を示す。
本実施形態にかかるリソグラフィマスクの製造方法は、
露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクの製造方法であって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
前記転写用パターン修正工程は、
前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して不足している欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上に必要厚みの修正膜を堆積する修正膜堆積工程と、
を含む。
以下に、本実施形態にかかる転写用パターン修正工程について、工程順に説明する。
(検査工程)
まず、透明基板11上に形成された薄膜をパターニングして薄膜パターン13を形成することにより得られる転写用パターン20を備えるリソグラフィマスク10(修正前のリソグラフィマスク10)を用意し、検査装置を用いて、この薄膜パターン13の寸法を把握する。なお、本明細書において、寸法を把握するとは、寸法を測定する場合だけではなく、上述の修正前のリソグラフィマスク10に形成された薄膜パターン13と、リソグラフィマスク10上に形成されるべき目標パターン12(詳細は後述)とを比較し、目標パターン12の寸法(目標寸法dと呼称する)に対する薄膜パターン13の寸法の過不足の傾向についての情報を得ることも含む。
転写用パターン20が、規則的に配列された複数の単位パターンからなる繰り返しパターンを含む場合には、目標パターン12と修正前のリソグラフィマスク10の薄膜パターン13とを比較することに代えて、対応する単位パターン同士を比較してもよい。例えば、1つの単位パターン(第1単位パターン)に含まれる薄膜パターン13と、他の単位パターン(第2単位パターン)に含まれる薄膜パターン13とを比較してもよい。このとき、第1単位パターンが、上記の修正前のリソグラフィマスク10に形成された薄膜パターン13に対応し、第2単位パターンが、上記の目標パターン12に対応する。なお、複数の単位パターンのそれぞれは、薄膜形成部21(薄膜パターン13)および透光部22を含むことができる。以下、同様である。
(特定工程)
図4(a)に示すように、薄膜パターン13の寸法が目標パターン12の寸法に対して不足している欠陥を、修正前のリソグラフィマスク10が含む場合には、修正を行う領域を修正領域Z2として特定する。図4(a)においては、例えば、二点鎖線で囲まれた領域を、修正領域Z2としている。
なお、目標パターン12は、例えば、マスク基板に薄膜パターン13を描画するために用いる設計データと、検査装置による検査のために用いられる検査光の波長などの光学条件とに基づき、シミュレーションにより予め求めておくことができる。
また、目標パターン12と薄膜パターン13とを比較して、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して不足している領域が存在することを確認した場合、この薄膜パターン13を含む転写用パターン20を被転写体に転写して得られる転写像をシミュレーションにより求め、この求めた転写像(予測転写像と呼称する)の寸法が正常なものとならないと判断した場合にのみ、修正が必要であると判定し、修正領域Z2を特定してもよい。第1単位パターンと第2単位パターンとを比較する場合も、同様である。なお、本実施形態においては、予測転写像の寸法が正常であることを確認することにより、被転写体上に正常な寸法の転写像を形成できると判断することができる。予測転写像の寸法が正常であるかどうかの確認方法については、後述する。
(修正膜堆積工程)
次に、図4(b)に示すように、修正領域Z2内に存在する薄膜上に、修正膜14を堆積する。修正膜14の堆積には、FIBやEBのような荷電粒子線を用いた手法を用いることができ、例えば、修正領域Z2を、修正膜14の原料となる原料ガス雰囲気とした状態で、該領域に荷電粒子線を照射することにより、修正膜14を堆積させることができる。
堆積する修正膜14の必要な膜厚(必要厚み)は、目標寸法dからの薄膜パターン13の寸法のずれ量(欠陥サイズとも呼ぶ)により、適宜決定することができるが、例えば、1~100nmとすることができ、好ましくは、20~100nmとすることができる。修正膜14の膜厚が小さすぎると、光強度分布を調整するには不十分となり、大きすぎる場合には、堆積した修正膜14が倒壊するなどの不都合が生じる可能性がある。修正膜14の膜厚が上記範囲にあることにより、光強度分布を精緻に制御することができる。
なお、過補正とならない程度の修正膜14の膜厚を予めシミュレーション等により求めておき、求めた膜厚分だけ修正膜14の堆積を行った後に、修正領域Z2の光強度分布を確認し、必要に応じて、さらに修正膜14の堆積を行ってもよい。
修正膜14は、実質的に修正領域Z2に残存する薄膜パターン13上にのみ堆積すればよく、修正膜14のエッジ位置が、修正領域Z2に残存する薄膜パターン13のエッジ位置と一致してもよいし、あるいは、修正膜14を堆積する際に位置ずれが生じる可能性を考慮し、修正膜14のエッジが、修正領域Z2に残存する薄膜パターン13の形成領域の外縁よりも内側に位置するようにしてもよい。修正膜14のエッジが、該外縁よりも内側に位置する場合には、例えば、修正膜14のエッジが、該外縁よりも25nm以下の範囲内で、内側に位置することが好ましく、15~25nmの範囲内であれば、修正膜14を堆積する際に位置ずれが生じても、修正膜14のエッジを修正領域Z2に残存する薄膜パターン13の形成領域内におさめることができ、さらに好ましい。
なお、実質的に修正領域Z2に残存する薄膜パターン13上にのみ堆積するとは、修正領域Z2に残存する薄膜パターン13上にのみ堆積される状態だけでなく、修正後のリソグラフィマスク10を用いて被転写体上に正常な転写像を形成できる程度に、修正膜14のエッジが該薄膜の外縁よりも外側に位置するように堆積される状態も含む。修正膜14のエッジが該薄膜の外縁よりも外側に位置する場合には、例えば、修正膜14のエッジが、該外縁よりも25nm以下の範囲内で外側に位置することができる。
また、修正膜14は、透明基板11の主表面全体に成膜された後に、描画およびエッチングにより、パターニングされて、必要な領域にのみ残存するものではなく、上述のとおり、例えば原料ガス雰囲気下とした修正領域Z2内の薄膜上に荷電粒子線を照射することにより、該薄膜上にのみ堆積されるものである。このため、修正後のリソグラフィマスク10においては、修正膜14のエッジは、エッチングによる断面(被エッチング断面)を有しない。
修正膜14の原料となる原料ガスは、リソグラフィマスク10の修正領域Z2における必要な光学特性などに応じて、適宜選択することができるが、例えば、金属カルボニルや、テトラエトキシシラン(TEOS)のようなケイ素を含むものなどを用いることができる。金属カルボニルとしては、例えば、クロムカルボニル(Cr(CO))、モリブデンカルボニル(Mo(CO))、タングステンカルボニル(W(CO))などを挙げることができる。
(修正結果確認工程)
上記の工程を経たリソグラフィマスク10の修正結果を確認する。例えば、上記の工程を経たリソグラフィマスク10の、薄膜パターン13を含む転写用パターン20を被転写体に転写して得られる転写像を、シミュレーションにより求め、目標とする転写像と、シミュレーションにより得られた転写像(予測転写像)とを比較し、予測転写像の寸法が正常であれば、リソグラフィマスク10の修正が完成したものとすることができる。
予測転写像の寸法が正常であるかどうかを判定する際には、例えば、透明基板11が露出している領域における光強度を1としたとき、目標とする転写像の光強度(目標光強度とする)と、予測転写像の光強度とを比較し、互いに対応する位置における光強度のずれ量が、目標光強度に対して±8%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±3%以下の範囲内であれば、予測転写像の寸法が正常である、と決定してもよい。あるいは、目標とする転写像の寸法(目標転写像寸法とする)と予測転写像の寸法とを比較し、寸法のずれ量が、目標転写像寸法に対して±8%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±3%以下の範囲内であれば、予測転写像の寸法が正常である、と決定してもよい。
ここで、目標転写像寸法および予測転写像の寸法は、それぞれの光強度分布(縦軸を光強度、横軸をウェハのような被転写体上の位置とする)において、特定の光強度を閾値とし、この閾値を通るように横軸に平行な直線を引いたときに、この直線と光強度分布との交点同士の間の距離を求めることにより、決定することができる。上記のような方法により、修正後のリソグラフィマスク10を露光して被転写体上に形成される転写像の寸法が、正常となる、と判断することができる。
上述の検査工程にて、第1単位パターンと修正を施していない正常なパターンである第2単位パターンとを比較する場合には、それぞれの単位パターンを被転写体に転写して得られる転写像を、シミュレーションにより求め、得られた転写像同士を比較すればよい。具体的には、第1単位パターンと第2単位パターンとを被転写体に転写して得られる転写像の光強度を、それぞれ第1光強度および第2光強度とし、これらの光強度同士を比較し、互いに対応する位置における光強度のずれ量が、第2光強度に対して±8%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±3%以下の範囲内であれば、寸法が正常である、と決定してもよい。あるいは、シミュレーションにより得られる、第1単位パターンおよび第2単位パターンの転写像の寸法同士を比較し、寸法のずれ量が、第2単位パターンの転写像の寸法に対して±8%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±3%以下の範囲内であれば、寸法が正常である、と決定してもよい。これらの転写像の寸法についても、上記の目標転写像寸法および予測転写像の寸法の比較について述べたのと同様の方法で得ることができる。
上記の修正結果確認工程により、修正が不十分であると判断された場合には、予測転写像の寸法、あるいはシミュレーションによる第1単位パターンの転写像の寸法が正常となるまで、修正膜堆積工程から修正結果確認工程までを繰り返し行えばよい。
以上により、リソグラフィマスク10の欠陥を修正することができる。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10の修正方法によれば、転写用パターン20の寸法(薄膜パターン13の寸法)を目標寸法dに一致させる加工を行うことなく(転写用パターン20の寸法を増減させることなく)、精緻にこの欠陥を修正することができ、所望の転写結果を得ることができる。
以下に、本実施形態にかかる修正方法により、欠陥を修正した例を第1実施例として示す。
<第1実施例>
本実施例における修正の対象とした修正前のリソグラフィマスク10(修正前マスク)は、透明基板11上に形成したモリブデンシリサイド(MoSi)を含む薄膜をパターニングして得られる薄膜パターン13を含む転写用パターン20を備えるものとした。この転写用パターン20は、リソグラフィマスク10上でピッチ360nmの1:1のラインアンドスペースパターンであった。また、該薄膜が形成された部分である薄膜形成部21において、光透過率は6%であり、位相シフト量は、180度であった。
図5は、修正前マスクの転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像を示し、この画像において、灰色の領域がライン部(薄膜形成部21)、黒色の領域がスペース部(透光部22)を表している。図5に示すように、修正前マスクの5つのライン部のうち真ん中のライン部の一部において、寸法が目標寸法dに対して不足しており、光強度曲線は図6のようになった。なお、該光強度曲線は、露光光の波長を193nm、露光光源のNAを1.35、Sigmaをouter 0.98/inner 0.735、照明形状を二重極照明、Polarization(偏光)をTE偏光として、シミュレーションにより求めた。
図6においては、点線が修正前の転写用パターン20による光強度曲線を示し、実線が正常なパターンの光強度曲線を示す。図6から明らかなように、修正前の転写用パターン20の一部において、正常なパターンよりも光強度が大きくなっていた。具体的には、図6において矢印で示した光強度曲線のピークにおいて、正常パターンでは光強度が0.468であり、修正前マスクでは、0.492(0.468に対して+5.1%)であった。
上記光強度のずれ量は、必ずしも欠陥と呼べるほど大きなものではなく、リソグラフィマスクに求められる仕様によっては、修正が不要な場合もあるが、本実施例では、一例として、図6において矢印で示した箇所に対応する転写用パターン20を修正することとした。
具体的には、テトラエトキシシランおよび酸素を含む原料ガス雰囲気下とした状態で電子ビームを照射することにより、特定した修正領域Z2内に存在する薄膜パターン13上に、SiOを含む膜を修正膜14として、堆積した。堆積した修正膜14の膜厚は、78nmであった。
図7(a)に、修正後の転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像を示し、灰色で示される各ライン部は、図5における各ライン部に対応する。図7(a)からわかるように、図5において寸法が不足していた領域(5つのライン部のうち真ん中のライン部の一部)に、修正膜14を堆積した。図7(b)には、原子間力顕微鏡により、修正後のリソグラフィマスク10(修正後マスク)の表面形状を測定した結果を示す。図7(b)においては、灰色の領域がライン部(薄膜形成部21)、黒色の領域がスペース部(透光部22)を表している。図7(b)を参照すると、右端から6番目の白色のライン部に修正膜14が形成されており、膜厚が大きくなっていることがわかる。
図8に、修正後マスクの光強度曲線を示す。図8の光強度曲線は、修正前の光強度曲線と同様の方法により、求めた。図8においては、破線が修正後の転写用パターン20による光強度曲線を示し、実線が、正常なパターンの光強度曲線を示す。図6において矢印で示した箇所が、図8において矢印で示した箇所に対応する。図8から明らかなように、矢印で示した箇所の光強度曲線のピークにおいて、正常パターンでは光強度が0.468であったところ、修正後マスクでは、0.461(0.468に対して-1.5%)であり、薄膜パターン13を含む転写用パターン20を精緻に修正できたことがわかった。
次に、薄膜パターン13を構成する薄膜の膜厚を変化させた場合のフォーカスシフトによる被転写体上に形成されるパターン寸法(線幅)への影響について説明する。図9は、修正膜14を堆積した修正後の転写用パターン20、および、正常パターン(修正膜14を堆積していない)の、ウェハ(被転写体)上に転写されるパターンの線幅とフォーカス位置との関係をシミュレーションにより求めた結果を示す。シミュレーション条件は、上述の光強度曲線を得たときの条件と同様である。
図9を参照すると、修正膜14を堆積させた状態において、フォーカス位置を変化させても、修正膜14を堆積していない正常パターンと同様に、フォーカス位置のシフト量が±80nmの範囲内において、ウェハ上のパターンの線幅は、ほぼ変化がない。すなわち、本実施形態にかかる修正方法のように、修正膜14を堆積して、透明基板11上に形成されている膜のトータルの厚みを大きくなるように変化させても、修正膜14を堆積していない正常パターンと同様の寸法精度が得られることがわかる。
以上のようなリソグラフィマスク10の修正方法によれば、転写用パターン20の寸法(薄膜パターン13の寸法)を目標寸法dに一致させる加工を行うことなく(転写用パターン20の寸法を増減させることなく)、精緻にこの欠陥を修正することができ、所望の転写結果を得ることができる。
<本実施形態にかかる修正方法により得られるリソグラフィマスク>
上記修正方法により得られるリソグラフィマスクは、露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が不足する欠陥が修正された、修正領域を有し、
前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上において、厚さ方向に必要量の修正膜が堆積されていることができる。
修正膜14は、実質的に修正領域Z2に残存する薄膜パターン13上にのみ堆積していればよく、修正膜14のエッジ位置が、修正領域Z2に残存する薄膜パターン13のエッジ位置と一致してもよいし、あるいは、修正膜14のエッジが、修正領域Z2に残存する薄膜パターン13の形成領域の外縁よりも内側に位置していてもよい。修正膜14のエッジが、該外縁よりも内側に位置する場合には、例えば、修正膜14のエッジが、該外縁よりも25nm以下の範囲内で、内側に位置することが好ましく、15~25nmの範囲内であれば、修正膜14を堆積する際に位置ずれが生じても、修正膜14のエッジを修正領域Z2に残存する薄膜パターン13の形成領域内におさめることができ、さらに好ましい。
また、修正膜14のエッジは、エッチングによる断面(被エッチング断面)を有していない。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10の修正方法は、転写用パターン20が含む薄膜パターン13の立体形状を変化させることにより、欠陥を修正するものであって、透過率を変化させることにより欠陥を修正することを目的とするものではない。したがって、修正膜14の露光光の透過率は特に限定されない。すなわち、修正膜14は、露光光に対して、実質的に透明でもよく、照射された光のうち一部を透過する半透光性、あるいは遮光性を有してもよい。ここで、透明基板11の露光光の透過率を100%としたとき、透過率が80~100%である場合を実質的に透明、5~80%である場合を半透光性、5%未満である場合を遮光性とする。
修正膜14の材料としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)単体や、二酸化ケイ素(SiO)とクロム酸化物とを組合せたものが挙げられる。二酸化ケイ素(SiO)は、適切に堆積することにより、耐薬性および耐光性が高くなり、好ましい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態にかかるリソグラフィマスク10の製造方法が含む修正工程(修正方法)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、目標寸法dに対して、転写用パターン20が含む薄膜パターン13の寸法が過剰な(大きい)状態の欠陥を含むリソグラフィマスク10の修正方法について、説明する。
図10は、本発明の第2実施形態にかかるリソグラフィマスク10の修正方法を例示する概略図であり、図10(a)は、透明基板11上に転写用パターン20を備えるリソグラフィマスク10を示し、図10(b)は、本実施形態にかかる修正方法により修正されたリソグラフィマスク10を示す。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10は、上述のマスク基板にリソグラフィを適用することにより得られ、透明基板11上に形成された薄膜をパターニングすることにより得られる転写用パターン20を有するものであり(図10参照)、転写用パターン20は、透明基板11上に薄膜が形成された領域(薄膜形成部21)、すなわち薄膜パターン13と、透明基板11が露出してなる透光部22と、を含むことができる。なお、本実施形態では、図10に示すように、薄膜が透明基板11の主表面に接触した状態で形成されているリソグラフィマスク10を一例として説明する。
本実施形態にかかるリソグラフィマスクの製造方法は、
露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するリソグラフィマスクの製造方法であって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
前記転写用パターン修正工程は、
前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して過剰となっている欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域の前記薄膜パターンを膜厚方向に必要量除去する減膜工程と、を含む。
以下に、本実施形態にかかる転写用パターン修正工程について、工程順に説明する。
(検査工程)
第1実施形態と同様に、まず、透明基板11上に所定膜厚の薄膜がパターニングして薄膜パターン13を形成することにより得られる転写用パターン20を備えるリソグラフィマスク10(修正前のリソグラフィマスク10)を用意し、検査装置を用いて、この薄膜パターン13の寸法を把握する。
なお、薄膜パターン13が、同じパターンを複数繰り返してなる繰り返しパターンを含む場合には、第1実施形態と同様に、目標パターン12とリソグラフィマスク10の薄膜パターン13とを比較することに代えて、繰り返しパターン内で対応するパターン同士(第1単位パターンおよび第2単位パターン)を比較してもよい。この場合、以下の工程に関しても、減膜工程以外は、第1実施形態と同様であるため、詳細は省略することがある。
(特定工程)
図10(a)に示すように、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dよりも大きい欠陥を、修正前のリソグラフィマスク10が含む場合には、修正を行う領域を修正領域Z2として特定する。図10(a)においては、例えば、二点鎖線で囲まれた領域を、修正領域Z2としている。
また、目標パターン12と薄膜パターン13とを比較して、薄膜パターン13の寸法が目標寸法dに対して過剰となっている領域が存在することを確認した場合、第1実施形態と同様に、薄膜パターン13を含む転写用パターン20を被転写体に転写して得られる転写像をシミュレーションにより求め、この求めた転写像(予測転写像)の寸法が正常なものとならないと判断した場合にのみ、修正が必要であると判定し、修正領域Z2を特定してもよい。第1単位パターンと第2単位パターンとを比較する場合も、同様である。
(減膜工程)
次に、図10(b)に示すように、修正領域Z2内に存在する薄膜パターン13を、膜厚方向に必要量除去し、その膜厚を減少させる(減膜する)。このとき、修正領域Z2の薄膜パターン13の一部が、透明基板11上に残存するように、減膜することができる。すなわち、減膜工程においては、修正領域Z2の薄膜パターン13を膜厚方向に一部除去するのであって、全て除去するわけではない。なお、図10(b)では、リソグラフィマスク10の断面視において、修正領域Z2内の薄膜パターン13の一方のエッジから他方のエッジに至るまでの範囲内の薄膜パターン13を膜厚方向に減膜しているが、該範囲内にある薄膜パターン13の一部のみを膜厚方向に減膜してもよい。減膜工程を経ることにより、修正が行われた薄膜パターン13は、膜厚減少部15(図13参照)を含む。
薄膜パターン13の減膜には、例えば、荷電粒子線を用いたガスアシストエッチング法、原子間力顕微鏡の探針を用いて物理的に残存薄膜を研削する方法や、レーザ光あるいは集束イオンビーム(Focused Ion Beam、FIB)によって除去する方法を適用することができる。
薄膜パターン13を膜厚方向に減少させる量(減膜量)は、目標パターン12からの薄膜パターン13の寸法のずれ量(欠陥サイズ)により、適宜決定することができるが、例えば、1~105nmとすることができ、好ましくは2~70nm、さらに好ましくは、5~30nmとすることができる。減膜量が上記範囲にあることにより、光強度分布を精緻に制御することができる。なお、過補正とならない程度の減膜量を予めシミュレーション等により求めておき、求めた減膜量分だけ修正領域Z2における薄膜パターン13の減膜を行った後に、修正領域Z2における光強度分布を確認し、必要に応じて、さらに減膜を行ってもよい。
また、減膜工程においては、修正領域Z2の薄膜パターン13の寸法は実質的に保持されることが好ましい。ここで、実質的に保持されるとは、修正領域Z2の薄膜パターン13が膜厚方向にのみ除去され、減膜の前後で該薄膜パターン13の寸法が変わらない状態だけでなく、修正後のリソグラフィマスク10を用いて被転写体上に正常な転写像を形成できる程度に、減膜後の薄膜パターン13の寸法が減膜前の寸法よりも小さくなる状態も含む。
(修正結果確認工程)
上記の工程を経たリソグラフィマスク10の修正結果を確認する。第1実施形態と同様に、例えば、目標とする転写像と、シミュレーションにより得られた転写像(予測転写像)とを比較、あるいは、繰り返しパターンが有する2つの単一パターン(第1単位パターンおよび第2単位パターン)の転写像同士を比較し、予測転写像(あるいは第1単位パターンの転写像)の寸法が正常であれば、リソグラフィマスク10の修正が完成したものとすることができる。
具体的には、第1実施形態と同様に、目標とする転写像の光強度と、予測転写像の光強度とを比較する、あるいは、目標とする転写像の寸法と予測転写像の寸法とを比較することにより、予測転写像の寸法が正常である、と決定することができる。第1単位パターンおよび第2単位パターンの転写像同士を比較する場合も、同様である。これにより、修正後のリソグラフィマスク10を露光して被転写体上に形成される転写像の寸法が、正常となる、と判断することができる。
修正が不十分であると判断された場合には、予測転写像の寸法が正常となるまで、減膜工程から修正結果確認工程までを繰り返し行えばよい。
以上により、リソグラフィマスク10の欠陥を修正することができる。
本実施形態にかかるリソグラフィマスク10の修正方法によれば、転写用パターン20の寸法(薄膜パターン13の寸法)を目標寸法dに一致させる加工を行うことなく(転写用パターン20の寸法を増減させることなく)、精緻にこの欠陥を修正することができ、所望の転写結果を得ることができる。
以下に、本実施形態にかかる修正方法により、欠陥を修正した例を第2実施例として示す。
<第2実施例>
本実施例における修正の対象としたリソグラフィマスク10(修正前マスク)は、透明基板11上に形成したモリブデンシリサイド(MoSi)を含む薄膜をパターニングして得られる薄膜を含む転写用パターン20を備えるものとした。この転写用パターン20は、リソグラフィマスク10上でピッチ360nmの1:1のラインアンドスペースパターンである。該薄膜が形成された部分(薄膜形成部)において、光透過率は6%であり、位相シフト量は、180度であった。
図11は、修正前マスクの転写用パターン20の一部の走査型電子顕微鏡による撮像画像を示し、画像において、灰色の領域がライン部(薄膜形成部21)、黒い領域がスペース部(透光部22)を表している。図11に示すように、修正前マスクの5つのライン部のうち真ん中のライン部の一部において、寸法が目標寸法dに対して過剰となっており、光強度曲線は図12のようになった。なお、該光強度曲線は、第1実施例と同様の方法により求めた。
図12においては、点線が修正前の転写用パターン20による光強度曲線を示し、実線が正常なパターンの光強度曲線を示す。図12から明らかなように、修正前の転写用パターン20の一部において、正常なパターンよりも光強度が小さくなっていた。具体的には、図12において矢印で示した光強度曲線のピークにおいて、正常パターンでは光強度が0.459であるところ、修正前マスクでは、0.422(0.459に対して-8.1%)であった。
上記光強度のずれ量は、必ずしも欠陥と呼べるほど大きなものではなく、リソグラフィマスクに求められる仕様によっては、修正が不要な場合もあるが、本実施例では、一例として、図12において矢印で示した箇所に対応する転写用パターン20を修正することとした。
具体的には、アシストガスとしてXeFを用い、電子ビームを照射することにより、特定した修正領域Z2内に存在する薄膜パターン13の一部を、膜厚方向にエッチングした。エッチングにより除去した膜厚量(減膜量)は、14nmであった。
図13(a)に、修正後の転写用パターン20の走査型電子顕微鏡による撮像画像を示し、灰色で示された各ライン部(薄膜形成部21)は、図11におけるライン部に対応する。スペース部も同様である。図13(a)を参照すると、5つのライン部のうち真ん中のライン部の一部のエッジ近傍において、色が濃くなっており、この色が濃くなっている領域が、薄膜をエッチングした領域(膜厚減少部15)である。図13(b)には、原子間力顕微鏡により、修正後のリソグラフィマスク10(修正後マスク)の表面形状を測定した結果を示す。図13(b)においては、灰色の領域がライン部(薄膜形成部21)、黒色の領域がスペース部を表している。図13(b)を参照すると、右端から6番目のライン部のエッジ近傍において、膜厚が小さくなっている領域(膜厚減少部15)が存在していることがわかる。
図14に、修正後マスクの光強度曲線を示す。図14の光強度曲線は、修正前の光強度曲線と同様の方法により、求めた。図14においては、破線が修正後の転写用パターン20による光強度曲線を示し、実線が正常なパターンの光強度曲線を示す。図12において矢印で示した箇所が、図14において矢印で示した箇所に対応する。図14から明らかなように、矢印で示した箇所の光強度曲線のピークにおいて、正常パターンでは光強度が0.459であったところ、修正後マスクでは、0.456(0.459に対して-0.7%)であり、薄膜パターン13を含む転写用パターン20を精緻に修正できたことがわかった。
なお、本実施例では、修正対象としたライン部(薄膜形成部21)の幅方向における中央近傍領域の膜厚を維持したまま、該ライン部のエッジ近傍の薄膜のみをエッチングしたが、本発明は、これに限定されない。すなわち、修正対象としたライン部の一方のエッジから、他方のエッジに至るまでの領域において、薄膜を膜厚方向にエッチングしてもよい。
次に、転写用パターン20が含む薄膜パターン13を構成する薄膜の膜厚を減少させた場合のフォーカスシフトによる被転写体上に形成されるパターン寸法(線幅)への影響について説明する。図15は、薄膜の膜厚を減少させた修正後の転写用パターン20、および、正常パターン(減膜していない)の、ウェハ(被転写体)上に転写されるパターンの線幅とフォーカス位置との関係をシミュレーションにより求めた結果を示す。シミュレーション条件は、上述の光強度曲線を得たときの条件と同様である。
図15を参照すると、膜厚を減少させた状態において、フォーカス位置を変化させても、減膜をしていない正常パターンの場合と同様に、フォーカス位置のシフト量が±80nmの範囲内において、ウェハ上のパターンの線幅は、ほぼ変化がない。すなわち、本実施形態にかかる修正方法を適用することにより、薄膜の厚みを減少させても、減膜をしていない正常パターンと同様の寸法精度が得られることがわかる。
以上のようなリソグラフィマスク10の修正方法によれば、転写用パターン20の寸法(薄膜パターン13の寸法)を目標寸法dに一致させる加工を行うことなく(転写用パターン20の寸法を増減させることなく)、精緻にこの欠陥を修正することができ、所望の転写結果を得ることができる。
<本実施形態にかかる修正方法により得られるリソグラフィマスク>
上記修正方法により得られるリソグラフィマスクは、露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に所定膜厚の薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が過剰となる欠陥が修正された、修正領域を有し、
前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域の前記薄膜パターンの膜厚が、前記所定膜厚よりも小さくされている。
修正領域Z2内の薄膜パターン13は、修正後のリソグラフィマスク10を用いて被転写体上に正常な転写像を形成できる程度に、所定膜厚よりも小さければよく、例えば、所定膜厚よりも1~105nm、好ましくは2~70nm、さらに好ましくは、5~30nm小さくすることができる。修正領域Z2内の薄膜パターン13の膜厚が上記範囲内にあれば、光強度分布を精緻に制御することができ、この修正後のリソグラフィマスク10を用いて、被転写体上に正常な転写像を形成することができる。
<リソグラフィマスクの製造方法>
本発明は、上述の修正方法により修正されたリソグラフィマスクの製造方法を含む。すなわち、本発明のリソグラフィマスクの製造方法は、上述のリソグラフィマスクの修正方法を含むことができる。
リソグラフィマスクの製造方法の一例について、以下に説明する。
まず、マスク基板を準備する。マスク基板は、上述のマスク基板と同様のものとすることができるが、ここでのマスク基板は、透明基板上に、上述の薄膜を形成し、さらに薄膜上にフォトレジスト膜を形成したものとする。なお、マスク基板の薄膜上には、フォトレジスト膜が形成されていなくてもよい。この場合、後述の描画工程の前に、フォトレジスト膜を塗布する工程を追加すればよい。
描画機を用い、フォトレジスト膜に描画および現像を行い、レジストパターンを形成する。描画には、例えば、電子線(EB)描画機を用いることができる。
そして、上記レジストパターンをマスクにして、薄膜をエッチングし、薄膜パターンを形成する。これにより、薄膜形成部および透光部を含む転写用パターンを形成することができる。薄膜のエッチングには、ウェットエッチングおよびドライエッチングのいずれを用いてもよいが、精緻に寸法を制御できるため、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングを適用する場合、エッチングガスとしては、薄膜の材料に応じて適宜選択できるが、例えば、塩素(Cl)を含むガスや、フッ素(F)を含むガスなどを用いることができる。
その後、レジストパターンを剥離し、修正前のリソグラフィマスクが作成される。
次に、この修正前のリソグラフィマスクを、上述の修正方法により修正し、得られたリソグラフィマスクを完成品とすることができる。
上記リソグラフィマスクの用途には特に制約がない。このリソグラフィマスクは、パターンの微細化が進んでいる半導体装置用のリソグラフィマスクとして、特に有利に用いることができる。すなわち、寸法が、50~400nmの微細部分を含む転写用パターンを有するリソグラフィマスクなどに、本発明の手法は好適に用いることができる。
本発明は、上述の製造方法により製造したリソグラフィマスクを用いた半導体装置の製造方法を含む。例えば、本発明の半導体装置の製造方法は、上述の製造方法により製造したリソグラフィマスクまたは上述のリソグラフィマスクを用意する工程と、露光装置を用いて、前記リソグラフィマスクを露光し、前記転写用パターンを、前記被転写体に転写して、前記被転写体上に前記転写像を形成する工程とを含むことができる。
本発明にかかるリソグラフィマスクの製造方法が含む修正方法は、例えば、被転写体上に解像されるパターンの修正に好適に用いることができ、欠陥サイズは、3~20nmである場合に、本発明の効果が顕著である。特に、リソグラフィマスクに発生した転写用パターンの寸法異常欠陥(寸法ずれによる欠陥)において、例えば一辺が2~4μmとなる領域に含まれる欠陥サイズが3~20nmである場合に、本発明の効果が顕著である。
従来の方法は、寸法そのものを修正する手法であるため、目標とする修正位置に対して位置ずれが生じないように修正を行わなければならず、特に、欠陥サイズが数nm(例えば、10nm未満)と小さい場合には、数nmの領域内において、修正膜の堆積あるいは不要な薄膜の除去を行う必要があり、修正が非常に困難であった。これに対し、本発明にかかる修正方法では、堆積する修正膜の厚みあるいは膜厚方向に減膜する薄膜の量(減膜量)を10nm以上とすることができる上、荷電粒子線などの照射時間を制御するだけで、修正膜の膜厚および減膜量を精緻に制御できるため、従来の修正方法よりもはるかに容易に、かつ、精度良く修正を行うことができる。
また、本発明にかかる修正方法は、従来の欠陥修正方法で修正した場合に、過補正(必要な薄膜までも除去する、あるいは、修正膜を不要な領域に堆積してしまう)により生じた寸法異常欠陥の修正方法としても、非常に有用である。
本発明にかかる製造方法により製造されるリソグラフィマスクが備える転写用パターンを、被転写体に転写する際に用いる露光機としては、縮小投影型露光装置やEUV露光装置とすることができる。
上記露光装置の光学系としては、縮小投影型露光機の場合、NA(開口数)が0.8~1.4、コヒレンシファクタ(σ)の値が、0.8~1.0の範囲のものを好適に使用することができる。また、露光光源として変形照明(輪帯照明、二重極照明、四重極照明など)を用いる場合に、本実施形態の効果が特に顕著である。
上記露光装置の露光光としては、例えば、250nm以下、好ましくは200nm以下とすることができる。例えば、露光装置の光源として、KrFエキシマレーザーを用いる場合には、露光光の波長は248nmとすることができ、ArFエキシマレーザーを用いる場合には、露光光の波長は193nmとすることができる。これらの波長の光を露光光として用いると、50~400nmの微細部分を含む転写用パターンを被転写体上に転写することができ、本発明の効果が顕著となる。したがって、これらの波長の光を用いることが、好ましい。
なお、上述の実施形態によれば、修正領域において、薄膜上に修正膜を堆積する、あるいは、薄膜の膜厚を減少させているため、修正領域における光の透過率および位相シフト量が、修正の前後で変わる可能性があるが、これは、特段問題とはならない。なぜなら、本発明の修正方法によれば、転写用パターンの光強度分布を、形成されるべき目標パターンの光強度曲線と一致させることができるため、被転写体上に正常な転写像を形成することができるからである。
また、上述の実施形態において、薄膜が遮光膜からなり、この遮光膜が遮光層と反射防止層とを備える場合、一部の反射防止層上に修正膜が堆積される、あるいは、一部の反射防止層が表面側から消失することとなる。しかし、修正膜を堆積する幅あるいは反射防止層が消失する幅は、修正を施す領域の幅であり、例えば3~20nmと、非常に小さい。すなわち、反射防止層のごくわずかな一部のみである。したがって、この部分における露光光の反射が転写用パターンの転写性を妨げることはない。
本発明にかかるリソグラフィマスクは、下記の第1~2のリソグラフィマスクを含んでもよい。
第1のリソグラフィマスクは、露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に、規則的に配列した複数の単位パターンからなる繰り返しパターンを含む転写用パターンを備え、
前記複数の単位パターンのそれぞれは、前記透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を有し、
前記複数の単位パターンのうちの1つを第1単位パターン、他の1つを第2単位パターンとするとき、
前記第1単位パターンにおいては、一部の前記薄膜パターン上に前記薄膜とは異なる修正膜が形成されているとともに、前記一部の前記薄膜パターンの寸法は、前記第2単位パターンにおける、対応する前記薄膜パターンの寸法よりも小さく、
シミュレーションにより求められる、前記第1単位パターンを前記被転写体に転写して得られる転写像の光強度である第1光強度と、前記第2単位パターンを前記被転写体に転写して得られる転写像の光強度である第2光強度との差は、前記第2光強度に対して±8%以下であってもよい。
修正膜は、薄膜とは組成または材料が異なることができる。具体的には、第1実施形態および第2実施形態と同様のものを用いることができる。
修正膜は、第1単位パターンにおける一部の薄膜パターン上にのみ堆積していればよく、修正膜のエッジ位置が、該薄膜パターンのエッジ位置と一致してもよいし、あるいは、修正膜のエッジが、該薄膜パターンの形成領域の外縁よりも内側に位置していてもよい。修正膜のエッジが、該外縁よりも内側に位置する場合には、例えば、修正膜のエッジが、該外縁よりも25nm以下の範囲内で、内側に位置することが好ましく、15~25nmの範囲内であれば、修正膜を堆積する際に位置ずれが生じても、修正膜のエッジを該薄膜パターンの形成領域内におさめることができ、さらに好ましい。
第2のリソグラフィマスクは、露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
前記リソグラフィマスクは、透明基板上に、規則的に配列した複数の単位パターンからなる繰り返しパターンを含む転写用パターンを備え、
前記複数の単位パターンのそれぞれは、前記透明基板上に所定膜厚の薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を有し、
前記複数の単位パターンのうちの1つを第1単位パターン、他の1つを第2単位パターンとするとき、
前記第1単位パターンにおける前記薄膜パターンは、前記所定膜厚よりも小さい膜厚減少部を含むとともに、前記膜厚減少部を含む前記薄膜パターンの寸法は、前記第2単位パターンにおける、対応する前記薄膜パターンの寸法よりも大きく、
シミュレーションにより求められる、前記第1単位パターンを前記被転写体に転写して得られる転写像の光強度である第1光強度と、前記第2単位パターンを前記被転写体に転写して得られる転写像の光強度である第2光強度との差は、前記第2光強度に対して±8%以下であってもよい。
膜厚減少部に対応する領域の薄膜パターンの膜厚は、修正後のリソグラフィマスクを用いて被転写体上に正常な転写像を形成できる程度に、所定膜厚よりも小さければよく、例えば、所定膜厚よりも1~105nm、好ましくは2~70nm、さらに好ましくは、5~30nm小さくすることができる。該薄膜パターンの膜厚が上記範囲内にあれば、光強度分布を精緻に制御することができ、この修正後のリソグラフィマスクを用いて、被転写体上に正常な転写像を形成することができる。
上述のシミュレーションの条件は、第1光強度および第2光強度のいずれも、同じものとすることができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10 リソグラフィマスク
11 透明基板
12 目標パターン
13 薄膜パターン
14 修正膜
15 膜厚減少部
20 転写用パターン
21 薄膜形成部
22 透光部
Z1 参照領域
Z2 修正領域

Claims (14)

  1. 露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクの製造方法であって、
    前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
    前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
    前記転写用パターン修正工程は、
    前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
    前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して不足している欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
    前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上に必要厚みの修正膜を堆積する修正膜堆積工程と、
    を含むことを特徴とする、リソグラフィマスクの製造方法。
  2. 前記修正膜堆積工程において、前記修正膜を、実質的に前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上にのみ堆積することを特徴とする、請求項1に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  3. 前記修正膜は、被エッチング断面を有しないことを特徴とする、請求項1または2に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  4. 前記修正膜は、1~100nmの膜厚を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  5. 露光装置を用いて露光することにより被転写体上に転写像を形成するリソグラフィマスクの製造方法であって、
    前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
    前記リソグラフィマスクの製造方法は、前記転写用パターンを修正する転写用パターン修正工程を有し、
    前記転写用パターン修正工程は、
    前記薄膜パターンの寸法を把握する検査工程と、
    前記薄膜パターンの寸法が目標寸法に対して過剰となっている欠陥に対し、修正を施す修正領域を特定する特定工程と、
    前記露光によって前記被転写体上に正常な寸法の前記転写像を形成できるように、前記修正領域の前記薄膜パターンを膜厚方向に必要量除去する減膜工程と、
    を含み、
    前記減膜工程では、前記修正領域内の前記薄膜形成部の一方のエッジから他方のエッジに至るまでの範囲において、一部の膜厚を維持したまま、他の一部の薄膜のみを膜厚方向に必要量除去することを特徴とする、リソグラフィマスクの製造方法。
  6. 前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンの寸法は実質的に保持されることを特徴とする、請求項5に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  7. 前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンは、荷電粒子線を用いたガスアシストエッチング法により前記必要量除去されることを特徴とする、請求項5または6に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  8. 前記減膜工程において、前記修正領域の前記薄膜パターンは、原子間力顕微鏡の探針を用いて、前記必要量除去されることを特徴とする、請求項5または6に記載のリソグラフィマスクの製造方法。
  9. 露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
    前記リソグラフィマスクは、透明基板上に薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
    前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が不足する欠陥が修正された、修正領域を有し、
    前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上において、厚さ方向に必要量の修正膜が堆積されていることを特徴とする、リソグラフィマスク。
  10. 前記修正膜は、実質的に前記修正領域に残存する前記薄膜パターン上にのみ堆積されていることを特徴とする、請求項9に記載のリソグラフィマスク。
  11. 前記修正膜の膜厚は、1~100nmであることを特徴とする、請求項9または10に記載のリソグラフィマスク。
  12. 露光装置を用いた露光によって、被転写体上に転写像を形成するためのリソグラフィマスクであって、
    前記リソグラフィマスクは、透明基板上に所定膜厚の薄膜がパターニングされてなる薄膜パターンが形成された薄膜形成部と、前記透明基板が露出してなる透光部と、を含む転写用パターンを備え、
    前記薄膜パターンは、目標寸法に対して寸法が過剰となる欠陥が修正された、修正領域を有し、
    前記露光によって、前記被転写体上に、正常な寸法の前記転写像が形成されるように、前記修正領域の前記薄膜形成部の一方のエッジから他方のエッジに至るまでの範囲において、一部の膜厚は前記所定膜厚が維持され、他の一部の膜厚のみが前記所定膜厚よりも小さくされていることを特徴とする、リソグラフィマスク。
  13. 前記修正領域の前記薄膜形成部の一部の膜厚は、前記所定膜厚よりも1~105nm小さいことを特徴とする、請求項12に記載のリソグラフィマスク。
  14. 請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法によるリソグラフィマスクまたは請求項9~13のいずれか1項に記載のリソグラフィマスクを用意する工程と、
    露光装置を用いて、前記リソグラフィマスクを露光し、前記被転写体上に前記転写像を形成する工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
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