JP2022028217A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に搬送遅れが生じた場合でも、搬送ベルトの特定の開口部と重ならない特定の位置に記録媒体を到達させ、特定の開口部に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッドに実行させる。【解決手段】インクジェット記録装置の制御部は、特定の開口部と搬送方向にずれた搬送ベルト上の特定の位置に記録媒体が到達する時点から、給紙部から搬送ベルトまでの記録媒体の予め設定された搬送時間だけ遡ったタイミングで、給紙部による記録媒体の送出を開始させるとともに、記録媒体検知センサーでの記録媒体の検知に基づいて記録媒体の搬送遅れを認識したときに、駆動ローラーおよび搬送速度調整部の少なくとも一方を制御して、搬送ベルトにおける特定の位置に、給紙部から送出される記録媒体を到達させる。【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来から、インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置において、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを低減または予防するため、定期的にノズルからインクを吐き出すフラッシング(空吐出)が行われている。例えば特許文献1のインクジェット記録装置では、記録媒体を搬送する搬送ベルトに開口部を設け、記録ヘッドの各ノズルからインクを吐出させて、搬送ベルトの開口部を通過させるようにしている。
特開2012-011724号公報
ところで、搬送ベルトの開口部を利用したフラッシングを記録ヘッドに実行させる場合、搬送ベルト上では、搬送ベルトの走行方向(記録媒体の搬送方向)においてフラッシングに利用する開口部(以下では、「特定の開口部」とも称する)と搬送方向にずれた(重ならない)特定の位置に記録媒体が到達するように、上記記録媒体を搬送ベルトに供給することが必要となる。したがって、給紙部から搬送ベルトに向かって記録媒体を送出するタイミングとしては、通常、搬送ベルト上の上記特定の位置に記録媒体が到達する時点から、給紙部から搬送ベルトへの記録媒体の搬送時間だけ遡ったタイミングに設定される。
しかし、給紙部から予め設定されたタイミングで記録媒体が送出されても、記録媒体が給紙部のローラー(例えばフィードローラー)の表面でスリップすると、記録媒体に搬送遅れが生じる。この場合、搬送ベルトの上記特定の位置への記録媒体の到達が遅れる。その結果、上記記録媒体が、上記特定の位置よりも上流側に位置する特定の開口部と重なって搬送ベルト上に載置される場合が起こり得る。この場合、上記特定の開口部に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッドに実行させることができなくなる。
本発明は、上記問題点に鑑み、記録媒体に搬送遅れが生じた場合でも、搬送ベルトにおいてフラッシングに利用する特定の開口部と重ならない特定の位置に記録媒体を到達させることができ、これによって、特定の開口部に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッドに実行させることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、記録媒体を搬送するとともに、画像形成に寄与するタイミングとは異なるタイミングで各ノズルから前記インクを吐出するフラッシングを前記記録ヘッドが実行したときに、前記インクを通過させる開口部を、前記記録媒体の搬送方向に複数有する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを走行させる駆動ローラーと、前記搬送ベルトの走行によって移動する前記開口部を検知する開口部検知センサーと、前記記録媒体を前記搬送ベルトに向かって送出する給紙部と、前記給紙部から送出された前記記録媒体を前記搬送ベルトに向かって搬送するとともに、前記記録媒体の搬送速度を調整する搬送速度調整部と、前記給紙部から送出された前記記録媒体を検知する記録媒体検知センサーと、前記給紙部、前記駆動ローラーおよび前記搬送速度調整部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記開口部検知センサーによって検知される複数の前記開口部のうちの特定の開口部と前記搬送方向にずれた前記搬送ベルト上の特定の位置に前記記録媒体が到達する時点から、前記給紙部から前記搬送ベルトまでの前記記録媒体の予め設定された搬送時間だけ遡ったタイミングで、前記給紙部による前記記録媒体の送出を開始させるとともに、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて前記記録媒体の搬送遅れを認識したときに、前記駆動ローラーおよび前記搬送速度調整部の少なくとも一方を制御して、前記搬送ベルトにおける前記特定の位置に、前記給紙部から送出される前記記録媒体を到達させる。
上記の構成によれば、記録媒体に搬送遅れが生じた場合でも、制御部が駆動ローラーおよび搬送速度調整部の少なくとも一方を制御することにより、搬送ベルトの特定の開口部と搬送方向にずれた(重ならない)特定の位置に記録媒体を到達させることができる。これにより、記録媒体に搬送遅れが生じた場合でも、上記特定の開口部に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッドに実行させることができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置としてのプリンターの概略の構成を示す説明図である。 上記プリンターが備える記録部の平面図である。 上記プリンターの給紙カセットから第1搬送ユニットを介して第2搬送ユニットに至る用紙の搬送経路の周辺の構成を模式的に示す説明図である。 上記プリンターの主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。 上記第1搬送ユニットが有する第1搬送ベルトの一構成例を示す平面図である。 フラッシングのときに利用する開口部群のパターンを模式的に示す説明図である。 上記第1搬送ベルト上で、フラッシングに利用する特定の開口部と用紙が重なって載置された状態を示す説明図である。 上記プリンターにおける給紙部付近の詳細な構成を模式的に示す説明図である。 用紙に搬送遅れが生じたときの上記第1搬送ベルトの走行速度の変化の一例を模式的に示すグラフである。 上記プリンターの搬送速度調整部による用紙の搬送速度の調整タイミングの一例を示す説明図である。
〔1.インクジェット記録装置の構成〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置としてのプリンター100の概略の構成を示す説明図である。プリンター100は、用紙収容部である給紙カセット2を複数備えている。各給紙カセット2は、サイズの異なる記録媒体を少なくとも1枚収容する。本実施形態では、記録媒体として、例えば用紙Pを用いている。各給紙カセット2は、プリンター本体1の内部下方に配置されている。なお、プリンター100が備える給紙カセット2は、1個であってもよい。
各給紙カセット2の用紙搬送方向下流側、すなわち図1における各給紙カセット2の右側の上方には、給紙装置としての給紙部3がそれぞれ設けられている。各給紙部3は、ピックアップローラー3aと、フィードローラー3bと、リタードローラー3cと、を有する。ピックアップローラー3aは、給紙カセット2内に収容された用紙Pの最上面と当接して回転する。これにより、給紙カセット2内の最上位の用紙Pを含む少なくとも1枚の用紙Pが給紙カセット2から送出される。
フィードローラー3bは、図示しない駆動モーター(駆動源)に連結された回転軸(図示せず)に取り付けられ、駆動モーターからの駆動力により回転する。ピックアップローラー3aとフィードローラー3bとの間には、フィードローラー3bの回転をピックアップローラー3aに伝達する駆動力伝達ギア(図示せず)が配置されている。フィードローラー3bとリタードローラー3cとは、互いに接触してニップを形成する。
フィードローラー3bおよびリタードローラー3cは、ピックアップローラー3aによって送出された用紙Pを1枚ずつ捌きながら給送する。より詳しくは、ピックアップローラー3aから送出された少なくとも1枚の用紙Pは、フィードローラー3bとリタードローラー3cとの間のニップ部に進入する。ここで、リタードローラー3cは、トルクリミッターを介して軸支されており、所定のトルクがかかるまでは停止し、所定のトルクを超えるトルクがかかると、フィードローラー3bに対して従動回転するように構成されている。したがって,ピックアップローラー3aによって複数枚の用紙Pが同時に送出された場合は、リタードローラー3cが停止した状態でフィードローラー3bとリタードローラー3cとによって用紙Pが捌かれる。これにより、最上位の1枚の用紙Pのみが給送される。
プリンター100は、その内部に第1用紙搬送路4aを備えている。第1用紙搬送路4aは、各給紙カセット2に対してその給紙方向である右上方に位置する。各給紙カセット2から送出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aに合流し、プリンター本体1の側面に沿って垂直上方に搬送される。また、手差しトレイ2aに載置された用紙も、第1用紙搬送路4aに給送されて合流し、プリンター本体1内を垂直上方に搬送される。
用紙搬送方向において第1用紙搬送路4aの下流端には、レジストローラー対13が設けられている。さらに、レジストローラー対13の用紙搬送方向下流側直近には、第1搬送ユニット5および記録部9が配置されている。給紙カセット2から給紙部3によって送り出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aを通ってレジストローラー対13に到達する。レジストローラー対13は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、記録部9が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1搬送ユニット5に向かって用紙Pを送り出す。
レジストローラー対13によって第1搬送ユニット5に送り出された用紙Pは、第1搬送ベルト8(詳細については後述する)によって記録部9との対向位置に搬送される。記録部9から第1搬送ベルト8上の用紙Pにインクが吐出されることにより、用紙P上に画像が記録される。このとき、記録部9におけるインクの吐出は、プリンター100の内部の制御部110によって制御される。
用紙搬送方向において、第1搬送ユニット5の下流側(図1の左側)には、第2搬送ユニット12が配置されている。記録部9によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ユニット12へ送られる。用紙Pの表面に吐出されたインクは、第2搬送ユニット12を通過する間に乾燥される。
用紙搬送方向において、第2搬送ユニット12の下流側には、第2用紙搬送路4bが設けられている。第2搬送ユニット12を通過した用紙Pは、両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路4bを通り、プリンター100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ15aに排出される。
プリンター本体1の上部であって記録部9および第2搬送ユニット12の上方には、両面記録を行うための反転搬送路16が設けられている。両面記録を行う場合、用紙Pの一方の面(第1面)への記録が終了して第2搬送ユニット12を通過した用紙Pが、反転搬送路16へ送られる。
反転搬送路16へ送られた用紙Pは、続いて用紙Pの他方の面(第2面)への記録のために搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは、レジストローラー対13を経て第2面を上向きにした状態で再び第1搬送ユニット5へ送られる。第1搬送ユニット5では、記録部9との対向位置に用紙Pが搬送され、記録部9からのインク吐出によって第2面に画像が記録される。両面記録後の用紙Pは、第2搬送ユニット12、第2用紙搬送路4bを順に介して用紙排出トレイ15aに排出される。
また、プリンター100は、自動原稿搬送装置14と、図示しない画像読取部と、を備える。自動原稿搬送装置14は、図示しないコンタクトガラス上に、原稿束から1枚ずつの原稿を自動で順次送る装置である。上記画像読取部は、上記コンタクトガラス上に送られた原稿を読み取ることにより、記録部9でのインク吐出によって用紙Pに形成すべき画像の画像データを取得する。また、プリンター100は、両面記録後の用紙Pを、第1面を上向きにして排出するための他の用紙排出トレイ15bも備えている。
図2は、記録部9の平面図である。記録部9は、ヘッドハウジング10と、ラインヘッド11Y、11M、11C、11Kとを備えている。ラインヘッド11Y~11Kは、駆動ローラー6a、従動ローラー6b、テンションローラー7a、7bおよび7c(図3参照)を含む複数のローラーに張架された無端状の第1搬送ベルト8の搬送面に対して、所定の間隔(例えば1mm)が形成される高さでヘッドハウジング10に保持される。駆動ローラー6aは、第1搬送ベルト8を用紙Pの搬送方向(矢印A方向)に走行させる。この駆動ローラー6aの駆動は、制御部110(図1、図4参照)によって制御される。なお、上記複数のローラーは、第1搬送ベルト8の走行方向に沿って、テンションローラー7a、テンションローラー7b、テンションローラー7c、従動ローラー6b、および駆動ローラー6aの順に配置されている(図3参照)。
ラインヘッド11Y~11Kは、複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a~17cをそれぞれ有している。記録ヘッド17a~17cは、用紙搬送方向(矢印A方向)と直交する用紙幅方向(矢印BB’方向)に沿って千鳥状に配列されている。記録ヘッド17a~17cは、複数のインク吐出口18(ノズル)を有している。各インク吐出口18は、記録ヘッドの幅方向、つまり、用紙幅方向(矢印BB’方向)に等間隔で並んで配置されている。ラインヘッド11Y~11Kからは、記録ヘッド17a~17cのインク吐出口18を介して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクが、第1搬送ベルト8で搬送される用紙Pに向かってそれぞれ吐出される。
図3は、給紙カセット2から第1搬送ユニット5を介して第2搬送ユニット12に至る用紙Pの搬送経路の周辺の構成を模式的に示している。また、図4は、プリンター100の主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンター100は、上記の構成に加えて、レジストセンサー21と、第1用紙センサー22と、第2用紙センサー23と、開口部検知センサー24と、を備えている。
レジストセンサー21は、給紙カセット2から給紙部3によって搬送され、レジストローラー対13に送られる用紙Pを検知する。このレジストセンサー21は、レジストローラー対13よりも用紙Pの供給方向の上流側に位置している。制御部110は、レジストセンサー21での検知結果に基づき、レジストローラー対13の回転開始タイミングを制御することができる。例えば、制御部110は、レジストセンサー21での検知結果に基づき、レジストローラー対13によるスキュー(斜行)補正後の用紙Pの第1搬送ベルト8への供給タイミングを制御することができる。
第1用紙センサー22は、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に供給される用紙Pの通過(タイミング)を検知する。第1用紙センサー22は、第1搬送ベルト8と用紙Pとが合流する位置よりも、用紙搬送方向の上流側(レジストローラー対13側)に位置している。
第2用紙センサー23は、第1搬送ベルト8で搬送される用紙Pの搬送方向の位置を検知するセンサーである。第2用紙センサー23は、用紙搬送方向において記録部9の上流側で第1用紙センサー22の下流側に位置している。制御部110は、第2用紙センサー23での検知結果に基づき、第1搬送ベルト8によってラインヘッド11Y~11K(記録ヘッド17a~17c)と対向する位置に到達する用紙Pに対するインクの吐出タイミングを制御することができる。
開口部検知センサー24は、第1搬送ベルト8に設けられた後述する開口部80(図5参照)の位置を検知する。第1搬送ベルト8の走行により、開口部80の位置は移動(変化)する。このため、開口部検知センサー24は、第1搬送ベルト8の走行によって移動する開口部80を検知すると言うこともできる。本実施形態では、開口部検知センサー24は、第1搬送ベルト8の走行方向において、記録部9と駆動ローラー6aとの間、およびテンションローラー7aとテンションローラー7bとの間に位置して開口部80を検知するが、どちらか一方の位置のみに設けられて開口部80を検知してもよいし、さらに他の位置に設けられて開口部80を検知してもよい。制御部110は、開口部検知センサー24での開口部80の検知結果に基づいて、給紙部3(ピックアップローラー3a、フィードローラー3b)を駆動して、用紙Pを所定の送出タイミングで1枚ずつ給紙部3から送出させることができる。
上述したレジストセンサー21、第1用紙センサー22、第2用紙センサー23および開口部検知センサー24は、透過型または反射型の光学センサー、CISセンサー(Contact Image Sensor、密着型イメージセンサー)などで構成することができる。
その他、プリンター100は、第1搬送ベルト8の蛇行を検知する蛇行検知センサーを備え、その検知結果に基づいて第1搬送ベルト8の蛇行を修正する構成であってもよい。
また、プリンター100は、操作パネル27と、記憶部28と、通信部29と、制御部110と、をさらに備えている。制御部110は、プリンター110内の各部の動作を制御する。このような制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)と呼ばれる中央演算処理装置を有して構成される。また、制御部110は、時間を計時する計時部(タイマー)の機能も有する。
操作パネル27は、各種の設定入力を受け付けるための操作部である。例えば、ユーザーは、操作パネル27を操作して、給紙カセット2にセットする用紙Pのサイズの情報を入力することができる。また、ユーザーは、操作パネル27を操作して、印刷する用紙Pの枚数を入力したり、印刷ジョブの開始を指示することもできる。
記憶部28は、制御部110の動作プログラムを記憶するとともに、各種の情報を記憶するメモリであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどを含んで構成されている。例えば、操作パネル27によって設定された情報は、記憶部28に記憶される。
通信部29は、外部(例えばパーソナルコンピュータ(PC))との間で情報を送受信するための通信インターフェースである。例えば、ユーザーがPCを操作し、プリンター100に対して画像データとともに印刷コマンドを送信すると、上記の画像データおよび印刷コマンドが通信部29を介してプリンター100に入力される。プリンター100では、制御部110が上記画像データに基づいて記録ヘッド17a~17cを制御してインクを吐出させることにより、用紙Pに画像を記録することができる。
また、図3に示すように、プリンター100は、第1搬送ベルト8の内周面側に、インク受け部31Y、31M、31C、31Kを有している。インク受け部31Y~31Kは、ラインヘッド11Y~11Kの記録ヘッド17a~17cと、第1搬送ベルト8を介して対向する位置に設けられている。インク受け部31Y~31Kは、記録ヘッド17a~17cにフラッシングを実行させたときに、記録ヘッド17a~17cから吐出されて第1搬送ベルト8の開口部80を通過したインクを受けて回収する。ここで、フラッシングとは、インクの乾燥によるインク吐出口18の目詰まりを低減または予防する目的で、用紙Pへの画像形成(画像記録)に寄与するタイミングとは異なるタイミングでインク吐出口18からインクを吐出することを言う。インク受け部31Y~31Kで回収されたインクは、例えば廃インクタンクに送られて廃棄されるが、廃棄せずに再利用されてもよい。
なお、プリンター100は、さらに、アシストセンサー32と、搬送速度調整部33と、ゼロセンサー34と、を有しているが、その詳細については後述する。
図3に示す第2搬送ユニット12は、第2搬送ベルト12aと、乾燥器12bとを有して構成されている。第2搬送ベルト12aは、2つの駆動ローラー12cおよび従動ローラー12dによって張架されている。第1搬送ユニット5によって搬送され、記録部9によるインク吐出によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ベルト12aによって搬送されるとともに、搬送中に乾燥器12bによって乾燥される。
〔2.第1搬送ベルトの詳細〕
次に、第1搬送ユニット5の第1搬送ベルト8の詳細について説明する。図5は、第1搬送ベルト8の一構成例を示す平面図である。本実施形態では、負圧吸引方式で用紙Pを搬送するようにしている。このため、同図に示すように、第1搬送ベルト8には、吸引風を通過させる吸引孔8aが無数に設けられている。
また、第1搬送ベルト8には、開口部群82も設けられている。開口部群82は、フラッシングのときに記録ヘッド17a~17cの各ノズル(インク吐出口18)から吐出されるインクを通過させる開口部80の集合である。開口部80の開口面積は、上記の吸引孔8aの開口面積よりも大きい。第1搬送ベルト8は、開口部群82を用紙Pの搬送方向(A方向)に1周期で複数有しており、本実施形態は6個有している。なお、各開口部群82を互いに区別するときは、6個の開口部群82を、A方向の下流側から、開口部群82A~82Fと称する。上記の吸引孔8aは、A方向において隣り合う開口部群82と開口部群82との間に位置している。すなわち、第1搬送ベルト8において、開口部群82と重複する領域には、吸引孔8aは形成されていない。
開口部群82は、第1搬送ベルト8の1周期において、A方向に不定期に位置する。つまり、A方向において、隣り合う開口部群82と開口部群82との間隔は一定ではなく、変化している(上記間隔は少なくとも2種類存在する)。このとき、A方向に隣り合う2つの開口部群82の最大間隔(例えば図5の開口部群82Aと開口部群82Bとの間隔)は、印字可能な最小サイズ(例えばA4サイズ(横置き))の用紙Pが第1搬送ベルト8上に載置されたときの上記用紙PのA方向の長さよりも長い。
上記の開口部群82は、開口部列81を有している。開口部列81は、A方向と直交するベルト幅方向(用紙幅方向、BB’方向)に複数の開口部80を並べて構成されている。1つの開口部群82は、開口部列81をA方向に複数有しており、本実施形態では、開口部列81を2列有している。なお、2列の開口部列81を互いに区別するときは、一方を開口部列81aとし、他方を開口部列81bとする。
1つの開口部群82において、いずれかの開口部列81(例えば開口部列81a)の開口部80は、他の開口部列81(例えば開口部列81b)の開口部80とBB’方向にずれて位置し、かつ、A方向に見て他の開口部列81(例えば開口部列81b)の開口部80の一部と重畳するように位置する。また、各開口部列81において、複数の開口部80は、BB’方向に等間隔で位置する。
上記のように複数の開口部列81をA方向に並べて1つの開口部群82を形成していることにより、開口部群82のBB’方向の幅は、記録ヘッド17a~17cのBB’方向の幅よりも大きくなっている。したがって、開口部群82は、記録ヘッド17a~17cのBB’方向のインク吐出領域を全てカバーしており、フラッシング時に記録ヘッド17a~17cの全てのインク吐出口18から吐出されるインクは、開口部群82のいずれかの開口部80を通過する。
また、上記のように開口部群82は、第1搬送ベルト8の1周期において、A方向に不定期に位置するため、第1搬送ベルト8の走行速度が一定である場合、開口部検知センサー24による開口部80のA方向の検知間隔が変化する。したがって、制御部110は、開口部検知センサー24で検知される開口部80の上記検知間隔から、開口部検知センサー24が検知した開口部80がどの開口部群82に属する開口部80であるかを認識することができる。
〔3.フラッシングに利用する開口部群のパターンについて〕
本実施形態では、上記の第1搬送ベルト8を用いて用紙Pを搬送しながら、外部(例えばPC)から送信される画像データに基づいて、制御部110が記録ヘッド17a~17cを駆動することにより、用紙P上に画像を記録する。その際に、搬送される用紙Pと用紙Pとの間で記録ヘッド17a~17cにフラッシング(紙間フラッシング)を実行させることにより、インク吐出口18の目詰まりを低減または予防するようにしている。
このとき、制御部110は、第1搬送ベルト8の1周期において、フラッシングのときに利用する複数の開口部群82のA方向のパターン(組み合わせ)を、用いる用紙Pのサイズに応じて決定する。なお、用いる用紙Pのサイズは、例えば制御部110が、記憶部28に記憶された情報(操作パネル27によって入力された用紙Pのサイズ情報)に基づいて認識することができる。
図6は、用いる用紙PがA4サイズ(横置き)またはレターサイズ(横置き)である場合において、フラッシングのときに利用する開口部群82のA方向のパターンを模式的に示している。なお、図6では、上記パターンに属する開口部群82の開口部80を、便宜的に黒塗りで示す。同図に示すように、用いる用紙PがA4サイズ(横置き)である場合、制御部110は、図5で示した6つの開口部群82の中から、フラッシングに利用する開口部群82として、開口部群82A、82C、82Fを選択し、決定する。
なお、フラッシングに利用する開口部群82A、82C、82Fのことを、ここでは「特定の開口部群82」とも称する。そして、フラッシングに利用する特定の開口部群82に含まれる開口部80のことを、ここでは「特定の開口部80」とも称する。
制御部110は、第1搬送ベルト8の走行により、決定したパターンで位置する特定の開口部群82が記録ヘッド17a~17cと対向するタイミングで、記録ヘッド17a~17cにフラッシングを実行させる。ここで、第1搬送ベルト8の走行速度(用紙搬送速度)、開口部群82A~82Eの間隔、第1搬送ベルト8に対する記録ヘッド17a~17cの位置は、全て既知である。このため、第1搬送ベルト8の走行によって基準となる開口部群82(例えば開口部群82A)が通過したことを開口部検知センサー24が検知すると、その検知時点から何秒後に開口部群82A~82Eが記録ヘッド17a~17cとの対向位置を通過するかがわかる。したがって、制御部110は、開口部検知センサー24での検知結果に基づき、上記で決定したパターンで位置する特定の開口部群82が記録ヘッド17a~17cと対向するタイミングで、記録ヘッド17a~17cにフラッシングを実行させることができる。
〔4.第1搬送ベルト上での用紙の載置パターンについて〕
制御部110は、決定したパターンで位置する特定の開口部群82とはA方向にずれて用紙Pが第1搬送ベルト8上に載置されるように、給紙部3およびレジストローラー対13を制御して、用紙Pを第1搬送ベルト8に供給させる。
例えば、用いる用紙PがA4サイズ(横置き)またはレターサイズ(横置き)である場合、制御部110は、図6で示したように、第1搬送ベルト8上で、特定の開口部群82Aと特定の開口部群82Cとの間に2枚の用紙Pが配置され、特定の開口部群82Cと特定の開口部群82Fとの間に2枚の用紙Pが配置され、特定の開口部群82Fと特定の開口部群82Aとの間に1枚の用紙Pが配置されるように、所定のタイミングで給紙部3から用紙Pを送出させ、レジストローラー対13を介して第1搬送ベルト8に供給させる。
ここで、本実施形態では、生産性(単位時間あたりに印刷できる枚数)を向上させる目的で、給紙部3から送出される用紙Pを、レジストローラー対13でほとんど止めずに第1搬送ベルト8に供給する制御を行う。この場合、給紙部3からの用紙Pの送出タイミングを早くすればするほど、生産性が向上する。つまり、給紙部3からの用紙Pの送出タイミングによって生産性が決まる。
給紙部3からの用紙Pの送出タイミングは、開口部検知センサー24での検知結果に基づいて制御部110によって決定される。例えば、第1搬送ベルト8の搬送速度が既知であり、開口部検知センサー24の検知位置から、第1搬送ベルト8と用紙Pとの合流地点までの第1搬送ベルト8の走行距離も既知であるとする。この場合、制御部110は、第1搬送ベルト8の走行によって基準となる開口部群82(例えば開口部群82A)の通過を開口部検知センサー24が検知した時点から何秒後に、フラッシングに利用する特定の開口部80、または特定の開口部80と第1搬送ベルト8上で搬送方向にずれた特定の位置が、上記合流地点に到達するかを判断することができる。なお、上記特定の位置とは、例えば、図6で示したように、フラッシングに利用する特定の開口部80と重ならないように用紙Pが第1搬送ベルト8上に載置されるときに、用紙Pの先端(走行方向の下流側端部)が接触する位置を指す。
そこで、制御部110は、開口部検知センサー24によって検知される複数の開口部80のうちの特定の開口部80と第1搬送ベルト8上で搬送方向にずれた特定の位置に用紙Pが到達(合流)する時点から、給紙部3から第1搬送ベルトまでの用紙Pの予め設定された搬送時間だけ遡ったタイミングで、給紙部3による用紙Pの送出を開始させる。つまり、上記タイミングが、給紙部3からの用紙Pの送出タイミングである。
上記送出タイミングで給紙部3から用紙Pを送出することにより、第1搬送ベルト8上で、図6で示したように、特定の開口部80と特定の開口部80との間に、およそ等間隔で用紙Pを配置することができる。図6の例では、第1搬送ベルト8の1周期で用紙Pを5枚搬送することができ、用紙Pの1分あたりの印字枚数(生産性)として、150ipm(images per minute)を実現することができる。
〔5.用紙の搬送遅れについて〕
給紙カセット2(図1参照)からピックアップローラー3aによって送り出され、フィードローラー3bおよびリタードローラー3cによって1枚ずつ捌かれて給送される用紙Pは、回転駆動されるフィードローラー3bの表面でスリップする場合がある。この場合、用紙Pの搬送が遅れるため、第1搬送ベルト8上の上記した特定の位置への用紙Pの到達が遅れる。その結果、例えば図7に示すように、第1搬送ベルト8上で、フラッシングに利用する特定の開口部80(例えば特定の開口部群82Cの開口部80)と用紙Pが重なって載置される。このような状態では、上記特定の開口部80に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができなくなる。
そこで、本実施形態では、制御部110が第1搬送ベルト8の走行速度と、給紙部3から送出される用紙Pの搬送速度との少なくとも一方を調整することにより、用紙Pに搬送遅れが生じても、特定の開口部80を利用したフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることを可能にしている。
以下、制御部110の詳しい制御について説明する前に、本実施形態のプリンター100が有する前述のアシストセンサー32、搬送速度調整部33、およびゼロセンサー34についてまず説明する。
図8は、プリンター100における給紙部3付近の詳細な構成を模式的に示す説明図である。フィードローラー3bおよびリタードローラー3cに対して用紙搬送方向の下流側には、アシストセンサー32が設けられている。アシストセンサー32は、給紙部3(例えばフィードローラー3bおよびリタードローラー3cのニップ部)から送出された用紙Pを検知する記録媒体検知センサーである。なお、ここでは、フィードローラー3bおよびリタードローラー3cをまとめてローラー対3Rとも称する。なお、本実施形態では、フィードローラー3bおよびリタードローラー3cのうち、フィードローラー3bが駆動ローラーであるが、少なくとも一方が駆動ローラーであればよい。
制御部110は、アシストセンサー32での用紙Pの検知に基づいて、用紙Pの搬送遅れの有無を判断することができる。例えば、フィードローラー3bの回転開始時点、つまり、給紙部3からの用紙Pの送出の開始時点から、用紙Pの搬送遅れがない場合にアシストセンサー32の検知位置に用紙Pが到達するまでの予め設定された時間(理論上の搬送時間)を、基準時間Tref(sec)とする。制御部110は、フィードローラー3bの回転開始時点から、アシストセンサー32による用紙Pの検知時点までの実際の経過時間TA(sec)を求める。そして、制御部110は、経過時間TAと基準時間Trefとを比較する。TA=Trefであれば、制御部110は、用紙Pの搬送遅れは生じていないと判断することができる。一方、TA≠Trefであれば(例えばTA>Trefであれば)、制御部110は、用紙Pの搬送遅れが生じていると判断することができる。
搬送速度調整部33は、給紙部3から送出された用紙Pを第1搬送ベルト8に向かって搬送するとともに、用紙Pの搬送速度を調整する。このような搬送速度調整部33は、少なくとも1対の搬送ローラー対であるアシストローラー対33aで構成される。上記したアシストセンサー32は、最も上流側に位置するアシストローラー対33aよりも下流側に位置する。
アシストローラー対33aは、対向配置される2つのローラーを有する。上記2つのローラーのうち、一方のローラーは、制御部110の制御のもとで駆動される駆動ローラーであり、他方のローラーは、上記一方のローラーに圧接されて回転する従動ローラーである。制御部110は、上記駆動ローラーの回転速度(周速)を制御することにより、アシストローラー対33aによって搬送される用紙Pの搬送速度を増減することができる。
ゼロセンサー34は、フィードローラー3bおよびリタードローラー3cに対して用紙搬送方向の下流側で、かつ、最も上流側に位置するアシストローラー対33aよりも上流側に位置する。ゼロセンサー34は、フィードローラー3bおよびリタードローラー3cから送出される用紙Pの後端を検知する。これにより、制御部110は、ゼロセンサー34による検知結果に基づいて、連続して送出される用紙Pの間隔(紙間)が一定となるように、フィードローラー3bおよびピックアップローラー3aの駆動を制御することができる。
上記したアシストセンサー32およびゼロセンサー34は、例えば透過型または反射型の光学センサーで構成される。
<5-1.用紙に搬送遅れが生じたときの制御(その1)>
図9は、用紙Pに搬送遅れが生じたときの第1搬送ベルト8の走行速度の変化の一例を模式的に示すグラフである。制御部110は、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を、基準走行速度Bv-ref(mm/sec)にして、用紙Pへの印刷を行う。基準走行速度Bv-refは、例えば、記録ヘッド17a~17cが、インクを吐出できる時間間隔、用紙Pへのインク浸透時間、および用紙P上でのインクの乾燥時間などの条件に対応して定められる。記憶部28には、それらの条件に対応した走行速度の情報が記憶されている。制御部110は、現在の印刷条件に対応した走行速度の情報を記憶部28から読み出して、読み出した情報が示す走行速度を基準走行速度Bv-refにする。制御部110は、通常の状態において、第1搬送ベルト8の走行速度を、基準走行速度Bv-refで維持する。
制御部110は、上記の経過時間TAに基づいて用紙Pの搬送遅れを認識した場合、制御部110は、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも一時的に低下させ、これによって、第1搬送ベルト8における上記した特定の位置に、給紙部3から送出される用紙Pを到達させる。以下、この制御について、より詳しく説明する。
用紙Pの搬送遅れの時間をΔT(sec)としたとき、ΔT=Tref-TAである。フィードローラー3bの予め設定された回転速度(用紙Pの搬送速度)をPv(mm/sec)とし、用紙Pの搬送遅れの量(距離)をΔD(mm)としたとき、ΔD=ΔT×Pvである。したがって、制御部110は、用紙Pの搬送遅れを認識したときに、第1搬送ベルト8の走行距離がΔDだけ短くなるように、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも一時的に低下させる。
例えば、図9に示すように、駆動ローラー6aを駆動して、静止していた第1搬送ベルト8の走行を開始させ、第1搬送ベルト8の走行速度が基準走行速度Bv-refに到達した時刻をt0とする。制御部110は、用紙Pの搬送遅れを認識すると、時刻t1において、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を低下させる。その結果、時刻t2では、第1搬送ベルト8の走行速度がBv-1(mm/sec)となる。時刻t2から時刻t3までは、第1搬送ベルト8の走行速度Bv-1を維持し、時刻t3に到達すると、制御部110は駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を増加させる。時刻t4において、第1搬送ベルト8の走行速度が元の基準走行速度Bv-refに到達すると、その後は基準走行速度Bv-refを維持する。時刻t5では、第1搬送ベルト8に、給紙部3から送出された用紙Pが合流する。
図9のように、第1搬送ベルト8の走行速度を変化させる場合、同図の斜線部分の面積Sが、第1搬送ベルト8の走行距離の減少量に対応する。したがって、制御部110は、上記の面積Sが、用紙Pの搬送遅れの距離であるΔDと等しくなるように、第1搬送ベルト8の走行速度Bv-1、および走行速度を低下させるタイミング(時刻t1~t4)を設定して、第1搬送ベルト8の走行速度を変化させる。これにより、用紙Pの搬送遅れの距離ΔDと等しい距離だけ、第1搬送ベルト8の走行が遅れるため、第1搬送ベルト8において特定の開口部80と搬送方向にずれた(重ならない)特定の位置に、給紙部3から送出される、搬送遅れが生じた用紙Pを到達させ、載置することができる。
したがって、制御部110の上記制御によれば、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、フラッシング時には、第1搬送ベルト8において用紙Pとずれた特定の開口部80に向かって記録ヘッド17a~17cからインクを吐出させて、特定の開口部80を通過させることができる。つまり、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、特定の開口部80を利用した定期的なフラッシングを記録ヘッド17a~17cに適切に実行させることができる。
また、例えば、給紙部3(一次給紙部)に加えて、レジストローラー対13(二次給紙部)を備え、レジストローラー対13で第1搬送ベルト8への用紙Pの搬送タイミングを制御する構成、つまり、レジストローラー対13で用紙Pを所定時間止めてスキュー補正を行ってから搬送を開始する構成では、給紙部3から送出された用紙Pに搬送遅れが生じても、レジストローラー対13での用紙Pの搬送タイミングを早めることにより(レジストローラー対13で用紙Pを止める時間を短くすることにより)、上記搬送遅れをキャンセルすることができる。ただし、レジストローラー対13で搬送タイミングを調整するため(レジストローラー対13で用紙Pを一時的に止めるため)、レジストローラー対13で用紙Pを止めずに第1搬送ベルト8に供給する制御に比べて、生産性が若干低下する虞がある。
これに対して、レジストローラー対13で用紙Pの搬送タイミングを調整しない構成(レジストローラー対13で用紙Pをほとんど止めずに第1搬送ベルトに供給する構成)では、給紙部3から送出される用紙Pに搬送遅れが生じると、レジストローラー対13での搬送タイミングの調整によって上記搬送遅れをキャンセルすることができない。したがって、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、特定の開口部80を利用した定期的なフラッシングを記録ヘッド17a~17cに適切に実行させることができる上述の効果は、特に、生産性重視の構成、つまり、給紙部3から送出される用紙Pを、レジストローラー対13でほとんど止めずに第1搬送ベルト8に供給する構成において非常に有効となる。
ところで、上述した制御部110による第1搬送ベルト8の走行速度の調整は、印刷する用紙Pが1枚のときであっても適用可能であるし、後述するように、印刷する用紙Pが複数枚のときであっても適用可能である。特に、給紙部3が用紙Pを1枚のみ第1搬送ベルト8に向かって送出する場合において、制御部110は、アシストセンサー32での用紙Pの検知に基づいて用紙Pの搬送遅れを認識したときに、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させてもよい。
給紙部3から1枚のみ送出される用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、制御部110が上記制御を行うことにより、搬送遅れが生じた用紙Pに合わせて第1搬送ベルト8の走行を遅らせ、これによって、第1搬送ベルト8の特定の開口部80と搬送方向にずれた特定の位置に用紙Pを到達させることができる。したがって、第1搬送ベルト8の走行速度の低下によって、ファーストプリントタイム(印刷指示から印刷完了までの時間)は延びることにはなるが、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、特定の開口部80を利用したフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができる。
また、第1搬送ベルト8上で特定の開口部80に用紙Pが重なって載置されると、過去に行ったフラッシングによって開口部80の周囲がインクで汚れている場合に、その汚れが用紙Pに転写することが起こり得る。したがって、給紙部3から送出される用紙Pが1枚のみであっても、その用紙Pに搬送遅れが生じたときに、制御部110が上記制御を行って用紙Pの載置位置を特定の開口部80と搬送方向にずらすことにより、ベルト汚れの転写によって用紙Pが汚れる事態を回避することもできる。
また、給紙部3が、給紙カセット2内に収容された用紙Pを送出するピックアップローラー3aと、互いに接触してニップを形成するとともに、ピックアップローラー3aによって送出された用紙Pを1枚ずつ捌きながら給送するローラー対3R(フィードローラー3bおよびリタードローラー3c)と、を有する本実施形態の構成では、制御部110は、以下の制御を行うと言うこともできる。
制御部110は、フィードローラー3bの回転の開始時点から、ローラー対3Rによって給送される用紙Pのアシストセンサー32による検知時点までの実際の経過時間TAと、予め設定された基準時間Trefとに基づいて、用紙Pの搬送遅れを認識する。そして、制御部110は、経過時間TAと基準時間Trefとの差ΔTと、フィードローラー3bの回転速度Pvとに応じて決まる用紙Pの搬送距離(搬送遅れの量ΔD)だけ、第1搬送ベルト8の走行による上記特定の位置の移動が遅れるように、駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させる。
この場合、フィードローラー3bでのスリップによって用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、制御部110は、フィードローラー3bの回転の開始時点から、アシストセンサー32による検知時点までの実際の経過時間TAと、予め設定された基準時間Trefとに基づいて、用紙Pの搬送遅れを認識することができる。また、用紙Pに搬送遅れが生じた場合には、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させることにより、用紙Pの搬送遅れの量ΔDだけ、第1搬送ベルト8の走行を遅らせて、特定の位置の移動を遅らせることができる。これにより、第1搬送ベルト8と用紙Pとの合流位置では、第1搬送ベルト8の上記特定の位置に、搬送遅れが生じた用紙Pを到達させることができる。
<5-2.用紙に搬送遅れが生じたときの制御(その2)>
図10は、搬送速度調整部33による用紙Pの搬送速度の調整タイミングの一例を示す説明図である。通常の状態において、制御部110は、搬送速度調整部33を制御して、アシストローラー対33aによって搬送される用紙Pを、基準搬送速度X(mm/sec)で搬送する。基準搬送速度Xは、すべての印刷において同じ速度に設定されもよいし、印刷条件等によって違う速度に設定されてもよい。例えば、基準走行速度Bv-refが異なる場合に、基準搬送速度Xとして違う速度が設定されてもよく、基準走行速度Bv-refの中で速い速度が設定された場合に、基準搬送速度Xの中で速い速度が設定されてもよい。
すべての印刷において基準搬送速度Xを同じにする場合、基準搬送速度Xは、プリンター100において最も速い速度で印刷を行う場合の基準走行速度Bv-refで動作する第1搬送ベルト8に、用紙Pを供給可能な速度に設定される。
制御部110は、上記した経過時間TAに基づいて用紙Pの搬送遅れを認識しない場合、アシストローラー対33aによって搬送される用紙Pを、基準搬送速度Xで搬送する。そのように搬送された用紙Pは、第1搬送ベルト8へ搬送されるタイミングに合うようにレジストローラー対13に到達する。逆に言えば、基準搬送速度Xで搬送した場合に、そのようなタイミングになるように、給紙部3から用紙Pが取り出される。
制御部110は、上記した経過時間TAに基づいて用紙Pの搬送遅れを認識したときに、搬送速度調整部33を制御して、用紙Pの搬送速度を所定のタイミングで基準搬送速度Xよりも増加させてもよい。なお、フィードローラー3bによる用紙Pの搬送速度を基準搬送速度Xにしてもよい。なお、本制御は、給紙部3から1枚のみ用紙Pが送出される場合でも、複数枚の用紙Pが順次送出される場合でも適用することができる。
例えば、給紙部3から基準搬送速度Xで送出される用紙Pとして、2種類の用紙P1およびP2を考える。用紙P1およびP2は両方とも、給紙部3(例えばフィードローラー3b)から送出された後に、アシストセンサー32をONするタイミング(アシストセンサー32による用紙検知タイミング)が、搬送遅れのない用紙Pがアシストセンサー32をONするタイミングに比べて遅いとする。この場合、用紙P1およびP2は両方とも、フィードローラー3bの表面でスリップし、搬送が遅れていることになる。また、用紙P1およびP2のうち、アシストセンサー32をONするタイミングは、用紙P2に比べて用紙P1のほうが早いとする。この場合、用紙P1よりも用紙P2のほうが、フィードローラー3bでのスリップの量が多いことになる。
このように、アシストセンサー32をONするタイミングが通常よりも遅い用紙P1およびP2に対して、制御部110は、搬送速度調整部33を制御して搬送速度を調整するとともに、用紙P1と用紙P2とについて搬送速度の調整タイミングを異ならせる。例えば、制御部110は、用紙P1については、搬送速度調整部33の少なくとも1つのアシストローラー対33aを制御して、時刻t11で用紙P1の搬送速度を増大させる加速制御を行う。時刻t12では、用紙P1はレジストローラー対13に到達し、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に供給される。
一方、制御部110は、用紙P2については、搬送速度調整部33の少なくとも1つのアシストローラー対33aを制御して、時刻t11よりも早い時刻t01で用紙P2の搬送速度を増大させる加速制御を行う。時刻t12では、用紙P2はレジストローラー対13に到達し、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に供給される。つまり、用紙P1およびP2ともに、レジストローラー対13に到達する時刻はt12で同じである。搬送遅れが認識されず、加速制御を行わない用紙Pがレジストローラー対13に到達する時刻もt12で同じである。
例えば、用紙の基準搬送速度Xが450mm/secであった場合、搬送速度調整部33により、用紙P1およびP2は、ともに搬送速度が1290mm/secに到達するまで加速される。ただし、用紙P2のほうが用紙P1よりも加速開始のタイミングが早いため、加速される時間は長い。つまり、用紙Pに搬送遅れが生じた場合において、加速後の用紙Pの搬送速度は同じであり、搬送遅れが大きいほど、加速制御が行われるタイミングが早くされる。そして、用紙P1およびP2は、時刻t12でレジストローラー対13から送り出される用紙の搬送速度(例えば760mm/sec)と同じ速度になるように減速される。なお、レジストローラー対13から送り出される用紙の上記搬送速度は、第1搬送ベルト8の走行速度と同じ速度である。
このように、用紙P(P1、P2)に搬送遅れが生じた場合でも、制御部110が搬送速度調整部33(アシストローラー対33a)を制御して、搬送遅れが生じた用紙Pの搬送速度を所定のタイミングで(時刻t11またはt01で)増加させることにより、上記の搬送遅れを取り戻すことができる。つまり、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、上記の加速制御により、搬送遅れがないときの通常のタイミング(時刻t12)でレジストローラー対13に用紙Pを到達させることができる。
これにより、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に向かって用紙Pを搬送したときに、第1搬送ベルト8において特定の開口部80と搬送方向にずれた特定の位置に到達させることができる。したがって、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、特定の開口部80を利用した定期的なフラッシングを記録ヘッド17a~17cに適切に実行させることができる。また、上記の制御では、第1搬送ベルト8の走行速度を変化させなくても済むため(基準走行速度Bv-refに維持できるため)、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、ファーストプリントタイムが延びることを低減しながら、適切なフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができる。
なお、用紙Pに搬送遅れが生じていない場合には、用紙Pを基準搬送速度Xで搬送する、つまり、加速制御を行わないと説明したが、搬送遅れが生じていない場合でも、加速制御を行ってもよい。そのような加速制御を行う場合、搬送遅れが生じた場合は、搬送遅れが生じていない場合よりも、加速制御が行われるタイミングが早くされる。
また、用紙Pに搬送遅れが生じた場合において、加速制御が行われるタイミングを同じにして、搬送遅れが大きいほど、加速後の用紙Pの搬送速度を速くしてもよい。さらに、加速制御が行われるタイミングおよび加速後の用紙Pの搬送速度の両方を変えてもよい。
ところで、制御部110は、上記の加速制御を行う場合、経過時間TAと基準時間Trefとの差と、フィードローラー3bの回転速度Pvとに応じて決まる用紙Pの搬送距離(搬送遅れの量ΔD)に基づいて、加速を開始させる所定のタイミングを決定することができる。例えば、制御部110は、搬送遅れの量ΔDの相対的に少ない用紙P1については、加速を開始させるタイミングとして、任意の時刻t11を決定する。一方、制御部110は、搬送遅れの量ΔDの相対的に大きい用紙P2については、加速を開始させるタイミングとして、時刻t11よりも早い時刻t01を決定する。そして、制御部110は、決定した上記所定のタイミング(時刻t11、t01)で用紙Pの搬送速度が基準搬送速度Xよりも増加するように、搬送速度調整部33を制御する。
このように、用紙Pの搬送遅れの量ΔDに基づいて、加速を開始させる所定のタイミングを決定し、決定したタイミングで用紙Pの搬送速度を増加させることにより、用紙Pごとに搬送遅れの量ΔDにばらつきがあっても、搬送遅れの量ΔDに応じたタイミングで用紙Pの搬送速度を増大させて、レジストローラー対13に到達させることができる。したがって、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に向かって用紙Pを搬送したときに、第1搬送ベルト8において特定の開口部80と搬送方向にずれた特定の位置に用紙Pを到達させることができる。つまり、用紙Pごとに搬送遅れの量ΔDにばらつきがあっても、個々の用紙Pを第1搬送ベルト8の特定の位置に到達させることができる。
また、搬送速度調整部33は、用紙Pを搬送する少なくとも1つのアシストローラー対33aを有する。この構成では、制御部110が、少なくとも1つのアシストローラー対33aの回転速度を調整することにより、用紙Pの搬送速度を調整(増減)することができる。
<5-3.用紙に搬送遅れが生じたときの制御(その3)>
制御部110は、上記した制御(その1)と制御(その2)とを組み合わせて行ってもよい。例えば、給紙部3が用紙Pを複数枚順に第1搬送ベルトに向かって送出する場合において、制御部110は、アシストセンサー32での用紙Pの検知に基づいて(上記した経過時間TAおよび基準時間Trefに基づいて)、1枚目の用紙Pの搬送遅れを認識したときに、駆動ローラー6aを制御して第1搬送ベルトの走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させる一方、経過時間TAおよび基準時間Trefに基づいて2枚目以降の用紙Pの少なくともいずれかの搬送遅れを認識したときに、搬送速度調整部33を制御して、搬送遅れを認識した用紙Pの搬送速度を所定のタイミングで基準搬送速度Xよりも増加させてもよい。
給紙部3から順に送出される複数枚の用紙Pのうち、1枚目の用紙Pに搬送遅れが生じた場合には、制御部110が駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルト8の走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させる。この場合、搬送遅れが生じた1枚目の用紙Pに合わせて、第1搬送ベルト8の特定の位置の、用紙Pとの合流位置への到達を遅らせることができ、これによって、第1搬送ベルト8の上記特定の位置に、搬送遅れが生じた1枚目の用紙Pを到達させることができる。また、2枚目以降のいずれかの用紙Pに搬送遅れが生じた場合には、制御部110が搬送速度調整部33を制御して、搬送遅れを認識した2枚目以降の用紙Pの搬送速度を所定のタイミングで増大させることにより、その用紙Pの搬送遅れを取り戻すことができる。つまり、2枚目以降で搬送遅れが生じたいずれかの用紙Pについては、第1搬送ベルト8において特定の開口部80と搬送方向にずれた特定の位置に用紙Pを到達させることができる。
したがって、複数枚の用紙Pの少なくともいずれかに搬送遅れが生じた場合でも、特定の開口部80を利用した定期的なフラッシングを記録ヘッド17a~17cに適切に実行させることができる。
また、複数枚の用紙Pを第1搬送ベルト8で搬送しながら各用紙Pに対して画像形成を行う構成では、いずれかの用紙Pに対する画像形成の間は、第1搬送ベルト8の走行速度を変化させることができない(第1搬送ベルト8の走行速度を変化させると、色ずれが起こり、画質が劣化するため)。したがって、2枚目以降の用紙Pの搬送遅れに対しては、搬送速度調整部33によって用紙Pの搬送速度を増加させる加速制御を行うことにより、第1搬送ベルト8の走行速度を一定としたまま(第1搬送ベルト8の走行速度を変化させることなく)搬送遅れを取り戻して、特定の開口部80を利用したフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができる。
なお、上記した制御(その1)で述べた具体的な制御は、制御(その3)にもそのまま適用することができる。例えば、制御部110が、用紙Pの搬送遅れを認識したときに、経過時間TAと基準時間Trefとの差と、フィードローラー3bの回転速度とに応じて決まる用紙Pの搬送距離(搬送遅れの量ΔD)だけ、第1搬送ベルトの走行による特定の位置の移動が遅れるように駆動ローラー6aを制御して、第1搬送ベルトの走行速度を基準走行速度Bv-refよりも低下させる制御は、制御(その3)において、1枚目の用紙Pに搬送遅れが生じたときの制御にそのまま適用することができる。
同様に、上記した制御(その2)で述べた具体的な制御は、制御(その3)にもそのまま適用することができる。例えば、制御部110が、用紙Pの搬送遅れを認識したときに、経過時間TAと基準時間Trefとの差と、フィードローラー3bの回転速度とに応じて決まる用紙Pの搬送距離(搬送遅れの量ΔD)に基づいて、用紙Pの搬送速度を増加させる所定のタイミングを決定し、決定した所定のタイミングで用紙Pの搬送速度が基準搬送速度Xよりも増加するように搬送速度調整部33を制御する点は、制御(その3)において、2枚目以降のいずれかの用紙Pに搬送遅れが生じたときにもそのまま適用することができる。
<5-4.まとめ>
以上のように、本実施形態では、制御部110は、開口部検知センサー24によって検知される複数の開口部80のうちの特定の開口部80と搬送方向にずれた第1搬送ベルト8上の特定の位置に用紙Pが到達する時点から、給紙部3から第1搬送ベルトまでの用紙Pの予め設定された搬送時間だけ遡ったタイミングで、給紙部3による用紙Pの送出を開始させる。そして、制御部110は、アシストセンサー32での用紙Pの検知に基づいて用紙Pの搬送遅れを認識したときに、駆動ローラー6aおよび搬送速度調整部33の少なくとも一方を制御して、第1搬送ベルト8における上記特定の位置に、給紙部3から送出される用紙Pを到達させる。
これにより、用紙Pにスリップによる搬送遅れが生じた場合でも、第1搬送ベルト8の特定の開口部80と搬送方向にずれた(重ならない)特定の位置に用紙Pを到達させることができる。したがって、用紙Pに搬送遅れが生じた場合でも、上記特定の開口部80に向かってインクを吐出するフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができる。
〔6.その他〕
本実施形態で説明した制御部110の制御は、用紙Pに搬送遅れが生じた場合だけでなく、間欠印刷を行う場合にも適用可能である。ここで、間欠印刷とは、例えば複数枚の用紙Pのいずれかに対する画像形成時において、画像処理に時間がかかったために、後続の用紙Pの搬送を遅らせる必要が生じ、結果的に紙間が広がって生産性が低下するような印刷を言う。間欠印刷では、上記のように用紙Pの搬送が遅れるため、本実施形態と同様に、制御部110が駆動ローラーおよび搬送速度調整部33の少なくとも一方を制御することにより、第1搬送ベルト8の特定の位置に用紙Pを到達させて、特定の開口部80を利用したフラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させることができる。
本実施形態では、用紙Pを負圧吸引によって第1搬送ベルト8に吸着させて搬送する場合について説明したが、第1搬送ベルト8を帯電させ、用紙Pを第1搬送ベルト8に静電吸着させて搬送するようにしてもよい(静電吸着方式)。
本実施形態では、インクジェット記録装置として、4色のインクを用いてカラーの画像を記録するカラープリンターを用いた例について説明したが、ブラックのインクを用いてモノクロの画像を記録するモノクロプリンターを用いた場合でも、本実施形態のフラッシングデータの生成およびフラッシング制御を適用することは可能である。
本発明は、インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置に利用可能である。
2 給紙カセット
3 給紙部
3a ピックアップローラー
3b フィードローラー
3c リタードローラー
3R ローラー対
6a 駆動ローラー
8 第1搬送ベルト
17a~17c 記録ヘッド
18 インク吐出口(ノズル)
24 開口部検知センサー
32 アシストセンサー(記録媒体検知センサー)
33 搬送速度調整部
33a アシストローラー対(搬送ローラー対)
80 開口部
100 プリンター(インクジェット記録装置)
110 制御部
P、P1、P2 用紙(記録媒体)

Claims (9)

  1. インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、
    記録媒体を搬送するとともに、画像形成に寄与するタイミングとは異なるタイミングで各ノズルから前記インクを吐出するフラッシングを前記記録ヘッドが実行したときに、前記インクを通過させる開口部を、前記記録媒体の搬送方向に複数有する無端状の搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトを走行させる駆動ローラーと、
    前記搬送ベルトの走行によって移動する前記開口部を検知する開口部検知センサーと、
    前記記録媒体を前記搬送ベルトに向かって送出する給紙部と、
    前記給紙部から送出された前記記録媒体を前記搬送ベルトに向かって搬送するとともに、前記記録媒体の搬送速度を調整する搬送速度調整部と、
    前記給紙部から送出された前記記録媒体を検知する記録媒体検知センサーと、
    前記給紙部、前記駆動ローラーおよび前記搬送速度調整部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記開口部検知センサーによって検知される複数の前記開口部のうちの特定の開口部と前記搬送方向にずれた前記搬送ベルト上の特定の位置に前記記録媒体が到達する時点から、前記給紙部から前記搬送ベルトまでの前記記録媒体の予め設定された搬送時間だけ遡ったタイミングで、前記給紙部による前記記録媒体の送出を開始させるとともに、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて前記記録媒体の搬送遅れを認識したときに、前記駆動ローラーおよび前記搬送速度調整部の少なくとも一方を制御して、前記搬送ベルトにおける前記特定の位置に、前記給紙部から送出される前記記録媒体を到達させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御部は、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて前記記録媒体の搬送遅れを認識したときに、前記駆動ローラーを制御して、前記搬送ベルトの走行速度を基準走行速度よりも低下させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記給紙部は、
    互いに接触してニップを形成し、前記記録媒体を給送する、少なくとも一方が駆動されるフィードローラーであるローラー対を有し、
    前記制御部は、前記フィードローラーの回転の開始時点から、前記ローラー対によって給送される前記記録媒体の前記記録媒体検知センサーによる検知時点までの実際の経過時間と、予め設定された基準時間とに基づいて、前記記録媒体の前記搬送遅れを認識し、前記経過時間と前記基準時間との差と、前記フィードローラーの回転速度とに応じて決まる前記記録媒体の搬送距離だけ、前記搬送ベルトの走行による前記特定の位置の移動が遅れるように、前記駆動ローラーを制御することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記給紙部が前記記録媒体を複数枚順に前記搬送ベルトに向かって送出する場合において、前記制御部は、1枚目の記録媒体の搬送遅れを、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて認識したときに、前記駆動ローラーを制御して前記搬送ベルトの走行速度を基準走行速度よりも低下させる一方、2枚目以降の記録媒体の少なくともいずれかの搬送遅れを、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて認識したときに、前記搬送速度調整部を制御して、前記搬送遅れを認識した前記記録媒体の搬送速度を所定のタイミングで基準搬送速度よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記給紙部は、
    互いに接触してニップを形成し、前記記録媒体を給送する、少なくとも一方が駆動されるフィードローラーであるローラー対を有し、
    前記制御部は、前記フィードローラーの回転の開始時点から、前記ローラー対によって給送される前記記録媒体の前記記録媒体検知センサーによる検知時点までの実際の経過時間と、予め設定された基準時間とに基づいて、1枚目の前記記録媒体の前記搬送遅れを認識し、前記経過時間と前記基準時間との差と、前記フィードローラーの回転速度とに応じて決まる前記記録媒体の搬送距離だけ、前記搬送ベルトの走行による前記特定の位置の移動が遅れるように、前記駆動ローラーを制御することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御部は、実際の前記経過時間と前記基準時間とに基づいて、2枚目以降の前記記録媒体の前記搬送遅れを認識し、前記経過時間と前記基準時間との差と、前記フィードローラーの回転速度とに応じて決まる前記記録媒体の搬送距離に基づいて、前記所定のタイミングを決定し、決定した前記所定のタイミングで前記記録媒体の搬送速度が前記基準搬送速度よりも増加するように、前記搬送速度調整部を制御することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御部は、前記記録媒体検知センサーでの前記記録媒体の検知に基づいて前記記録媒体の搬送遅れを認識したときに、前記搬送速度調整部を制御して、前記記録媒体の搬送速度を所定のタイミングで基準搬送速度よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記給紙部は、
    互いに接触してニップを形成し、前記記録媒体を給送する、少なくとも一方が駆動されるフィードローラーであるローラー対を有し、
    前記制御部は、前記フィードローラーの回転の開始時点から、前記ローラー対によって給送される前記記録媒体の前記記録媒体検知センサーによる検知時点までの実際の経過時間と、予め設定された基準時間とに基づいて、前記記録媒体の前記搬送遅れを認識し、前記経過時間と前記基準時間との差と、前記フィードローラーの回転速度とに応じて決まる前記記録媒体の搬送距離に基づいて、前記所定のタイミングを決定し、決定した前記所定のタイミングで前記記録媒体の搬送速度が前記基準搬送速度よりも増加するように、前記搬送速度調整部を制御することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記搬送速度調整部は、前記記録媒体を搬送する少なくとも1つの搬送ローラー対を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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