JP2022027580A - ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、溶出イオンが極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物を安定して生産性良く製造する方法を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂を二軸押出機に供給してスクリュー加熱、混練して溶融化し(第1工程)、前記第1混練工程後に、前記フッ素樹脂を供給して、フッ素樹脂を分散しながら分散したフッ素樹脂と溶融化した前記ポリカーボネート樹脂とを混練し(第2工程)、次いで、ベントで減圧脱揮し、二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、電気伝導度が10μS/cm以下の水に1秒以上15秒以下接触させ、ペレット化する(第3工程)ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に関し、詳しくはフィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、溶出イオンが極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物を安定して生産性良く製造することが可能なポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば自動車、電気・電子機器、住宅関連、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。
ポリカーボネート樹脂により高い難燃性を付与するために難燃剤が広く用いられるが、その際に燃焼時の樹脂の滴下(ドリップ)防止のためにフッ素樹脂が併用されることが多い。このドリップ抑制は、フィブリル形成能を有するフッ素樹脂が用いられ、フィブリル構造形成により効果が発現するものと考えられている。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂の分散粒子径を小さくしたポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法としては、本出願人による特許文献1-2が知られている。特許文献1には、フッ素樹脂の分散粒子径が小さく、かつ全光線透過率が低いポリカーボネート樹脂組成物を押出機で製造する方法が記載されている。特許文献2には、押出機での運転トラブルがなく、長期間に渡って連続的に安定にフッ素樹脂を供給でき、しかもポリカーボネート樹脂へのフッ素樹脂の分散性に優れた製造方法が記載されている。
特開2016-107611号公報 特開2018-183933号公報
フッ素樹脂の分散粒子径を小さくすることは重要であるが、成形品の用途、例えば光学部品や記録媒体用の用途等では清浄度が極めて高い必要があり、フッ素樹脂を含有するポリカーボネート樹脂の場合、特にFイオンやClイオンを低くすることが強く求められる。Fイオンはフッ素樹脂から発生し、Clイオンはポリカーボネート樹脂の重合時に使用するメチレンクロライドの残存物から発生するものと考えられる。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、溶出イオン、特に溶出Fイオンや溶出Clイオンが極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物ペレットを安定して生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、フッ素樹脂として特定の平均1次粒子径のものを用いること、且つ、押出機から押し出されたストランドを特定の電気伝導度の水と接触させることが極めて有効であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に関する。
[1]ポリカーボネート樹脂80~97質量部及びフィブリル形成能を有さず、平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂20~3質量部(但し、両者の合計は100質量部である。)を含量するポリカーボネート樹脂組成物ペレットをベント式二軸押出機で製造する方法であって、
ポリカーボネート樹脂を二軸押出機に供給してスクリュー加熱、混練して溶融化し(第1工程)、
前記第1混練工程後に、前記フッ素樹脂を供給して、フッ素樹脂を分散しながら分散したフッ素樹脂と溶融化した前記ポリカーボネート樹脂とを混練し(第2工程)、次いで、
ベントで減圧脱揮し、二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、電気伝導度が10μS/cm以下の水に1秒以上15秒以下接触させ、ペレット化する(第3工程)ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[2]二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、10μS/cm以下の電気伝導度の純水に1秒以上11秒以下接触させる上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[3]第二工程に次いで、ベントで減圧脱揮する際の真空度を-0.097MPa以下-0.07MPa以上とする上記[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[4]得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットの溶出Fイオンの量が10ppb以下である上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
[5]得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットの溶出Clイオンの量が10ppb以下である上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法によれば、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有しながら、溶出イオンが極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物ペレットを安定して生産性良く製造でき、ポリカーボネート樹脂本来の良好な機械的特性等も維持することが可能である。そして、得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットは、清浄度が高く、特に問題となる溶出イオンであるFイオンとClイオンが、どちらも10ppb以下とすることができ、光学分野、電気・電子機器分野、コンピュータ等のOA機器分野、精密機器分野、住宅関連分野、自動車分野、その他の各種工業分野等における成形品あるいは部品等に幅広く問題なく利用することができる。
図1は、本発明の製造方法の一例の概略を示す説明図である。 実施例又は比較例で使用した押出機のスクリュー構成の概念図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法は、ポリカーボネート樹脂80~97質量部及びフィブリル形成能を有さず、平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂20~3質量部(但し、両者の合計は100質量部である。)を含量するポリカーボネート樹脂組成物ペレットをベント式二軸押出機で製造する方法であって、
ポリカーボネート樹脂を二軸押出機に供給してスクリュー加熱、混練して溶融化し(第1工程)、
前記第1混練工程後に、前記フッ素樹脂を供給して、フッ素樹脂を分散しながら分散したフッ素樹脂と溶融化した前記ポリカーボネート樹脂とを混練し(第2工程)、次いで、
ベント部で-0.097MPa以下-0.07MPa以上の真空度で減圧脱揮し、二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、水により冷却し、カッティングすること(第3工程)を特徴とする。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族-脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。また、難燃性向上の為に、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有ポリマー、またはそのオリゴマーを用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールA又はビスフェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC又はビスフェノールCと他の芳香族ジヒドロキシ化合物(特にビスフェノールA)とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は、1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、制限はないが、粘度平均分子量(Mv)は、通常は10,000~100,000程度であり、好ましくは12,000~35,000程度である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより、ポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることによりポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて薄肉成形も容易に行うこともできる。
なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて、25℃にて、ポリカーボネート樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し極限粘度([η])を求め、以下のSchnellの粘度式から算出される値である。
[η]=1.23×10-4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂も好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスクなどの光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防などの車両透明部材、水ボトルなどの容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板などの建築部材などが好ましく挙げられる。また、再生ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、またはランナーなどから得られた粉砕品、またはそれらを溶融して得たペレットなども使用可能である。
[フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法に用いるフッ素樹脂はフィブリル形成能を有さないフッ素樹脂である。ここで、「フィブリル形成能」とは、せん断力等の外的作用により、樹脂同士が結合して繊維状になる傾向を示すことをいう。フッ素樹脂が「フィブリル形成能を有さない」かどうかの目安は、比溶融粘度により評価することも可能であり、380℃における比溶融粘度(ASTM 1238-52T)が1×10ポイズ以下であり、さらには1×10ポイズ以下であり、その下限は、通常、5×10ポイズである。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂は、溶融混練や成形加工時等にフィブリルを形成することがなく摺動性を良くすることができる。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。ポリテトラフルオロエチレンのフィブリル形成能を有さない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン及びパーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。このような共重合成分の含有量は、ポリテトラフルオロエチレン中のテトラフルオロエチレンに対して、好ましくは10質量%以下である。
本発明において、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂として、溶融混練前の原料として、平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂を使用する。フッ素樹脂の1次粒子径が130nm未満だと、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂の界面が大きく、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂との熱反応によりHFが生成すると考えられる。290nm超になると、今度は破砕によりフッ素樹脂とポリカーボネート樹脂の界面が大きくなり、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂が反応し、HFが増大すると考えられる。平均1次粒子径の好ましい範囲は140~280nm、より好ましい範囲は150~270nm、更に好ましい範囲は160~260nmである。
なお、フッ素樹脂の平均1次粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定によるD50で測定することができる。また、走査型電子顕微鏡により、倍率を例えば5000倍とし、任意の視野内で50個以上の個数平均として求めることもできる。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂の含有量は、ポリカーボネート樹脂とフッ素樹脂の合計100質量部に対して、3~20質量部である。含有量が3質量部未満では成形品として十分な摺動性が発現されにくく、過度に少なすぎると押出機での供給安定性や分散性が悪化して好ましくない。逆に20質量部を超えると品質面での問題は生じないがコスト面で不利となるため好ましくない。フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂の好ましい含有量は5質量部以上であり、また好ましくは15質量部以下である。
また、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂は単独でも2種類以上を混合して供給しても良く、更に他の樹脂や添加剤等と混合して供給しても良い。
[ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法は、ベント式二軸押出機を用い、ポリカーボネート樹脂を二軸押出機に供給してスクリュー加熱、混練して溶融化し(第1工程)、前記第1混練工程後に、平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂を供給して、フッ素樹脂を分散しながら分散したフッ素樹脂と溶融化した前記ポリカーボネート樹脂とを混練し(第2工程)、次いで、ベント部で減圧脱揮し、二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、電気伝導度が10μS/cm以下の水に1秒以上15秒以下接触させ、ペレット化する(第3工程)ことを特徴とする。
本発明で使用する押出機はベント式二軸押出機であり、好ましくは噛合い型同方向回転二軸スクリュー押出機で、バレル内部に同方向に回転する二本のスクリューを有し、そのスクリュー途中には、複数枚のニーディングディスクによって構成される混練部が相互に噛み合う形態で設けられているものが好ましい。
ベント式二軸押出機は、通常、原料供給口、ベント口、ジャケットを備えたシリンダー、押出機先端に取り付けられたダイ部から構成される。好ましくは、図1に示すようにポリカーボネート樹脂を供給する供給口、第1ベント、フッ素樹脂をサイドフィードする供給口、次いで、第2ベントを有する。
第1工程では、ポリカーボネート樹脂を原料供給口から押出機内に供給してスクリューで加熱、混練して溶融化させる。スクリュー途中には、好ましくは複数枚のニーディングディスクによって構成される混練部が構成される。そのスクリュー構成は、順送りニーディングディスク、逆送りニーディングディスク、直交ニーディングディスクから選択される2種以上のエレメントの組合せで構成されていることが好ましい。
順送りニーディングディスクエレメントは、Rニーディング(以下、Rと称することもある。)とも呼ばれ、通常羽根が2枚以上で、その羽根ねじれ角度θは10度から75度であることが好ましい。このように羽根を所定角度ずらして設置していくことにより擬似スクリュー構造を形成し樹脂を送り方向に送り出しつつ強いせん断力を加え、混練を行うゾーンとなる。
逆送りニーディングディスクエレメントは、Lニーディング(以下、Lと称することもある。)とも呼ばれ、通常羽根が2枚以上で、かつ羽のねじれ角度θが-10度から-75度であることが好ましい。逆送りニーディングディスクエレメントは、送られてくる樹脂を堰止めたり、送られてくる樹脂を送り戻す方向に働く昇圧能力のあるエレメントであり、混練を促進するエレメントの下流側に設けることにより樹脂を堰きとめ、強力な混練効果を発揮させるものである。
直交ニーディングディスクエレメントは、Nニーディング(以下、Nと称することもある。)とも呼ばれ、通常羽根が2枚以上で、かつ羽根のねじれ角度θが75度から105度である。羽根が略90度ずらして設置されているため樹脂を送り出す力は弱いが混練力は強い。
第1工程の混練ゾーンのスクリュー構成は、2種以上のエレメントの組合せで構成されていることが好ましく、混練を促進するエレメントを上流側に、昇圧能力のあるエレメントを下流側に配置されることが好ましい。したがって、第1工程の混練ゾーンでは、上流側からR、N及びLから選ばれる2種以上を、R→N→Lの順で配置するのが好ましく、各R、N及びLは複数個配置することも好ましい。
第1工程の混練ゾーンのスクリュー長さL1は、スクリュー径をDとすると、
L1=3D~7D であることが好ましい。
第1工程の混練ゾーンのスクリュー長さL1が3Dより短いと、剪断不足によりポリカーボネート樹脂の溶融可塑化が不十分となり、その結果フッ素樹脂の分散が悪化し分散粒子径が大きくなる傾向になるため好ましくない。一方、7Dを超えると過剰混練により局部的な樹脂組成物の分解が進行する傾向にあり、組成物本来の機械物性が劣るため好ましくない。
第1工程でポリカーボネート樹脂の混練溶融後は第1ベントによりベントすることが好ましい。
第1ベントの下流にはシールリングを設けることが好ましい。
第2工程では、上記した第1工程後に、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を供給口から供給し、フッ素樹脂を分散しながら、分散したフッ素樹脂と溶融化したポリカーボネート樹脂をスクリューで混練させる。
第2工程での樹脂温度は315℃以下の樹脂温度となるようにするのが好ましい。315℃以下の樹脂温度となるようにするためには、押出機への吐出量とスクリュー回転数を適宜調節したり、第1工程のスクリュー構成を調整する方法や第2工程のシリンダー設定温度を低く設定する方法が採られる。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂は、上流側の第1工程の混練ゾーンよりも下流側に供給されるが、供給はサイドフィーダーにより行うのが好ましい。サイドフィーダーとしては、任意のサイドフィーダーを用いることができるが、スクリュー、好ましくは2本のスクリューによりシリンダー内に供給する方法を用いることが好ましい。またフッ素樹脂同士の再凝集を極力発生しないように低速で供給する方が好ましく、サイドフィーダーのスクリュー回転数は200rpm以下とするのが好ましい。
また、サイドフィーダーへのフッ素樹脂の供給は一般的には2軸スクリューフィーダーや振動式フィーダーを使用して行うが、ここでもフッ素樹脂同士の再凝集を極力発生しないように低速で供給する方法が好ましい。
二軸押出機のスクリュー回転数は400rpm以下が好ましい。400rpmを超えると押出機内でフッ素樹脂の再凝集が発生しやすくなり、スクリュー回転数はスクリューモーターの負荷能力との兼合いもあるが、200~400rpmとすることがより好ましい。
第2工程の混練ゾーンのスクリューは、順送りニーディングディスク(R)、逆送りニーディングディスク(L)、直交ニーディングディスク(N)、順送り切欠き型ミキシングスクリュー、逆送り切欠き型ミキシングスクリューから選択されるエレメントで構成されていることが好ましい。ニーディングディスクやミキシングスクリューが構成されてない状態でフッ素樹脂を供給するとフッ素樹脂の分散が不十分となりやすいため好ましくない。
第2工程の混練ゾーンのスクリュー長さL2は、スクリュー径をDとすると、
L1=0.4D~3D であることが好ましい。
第2工程の混練ゾーンのスクリュー長さL2が0.4Dより短いと、フッ素樹脂の分散が不完全となり、一方、3Dを超えるとフッ素樹脂同士の再凝集が発生しやすくなるため好ましくない。
順送り切欠き型ミキシングスクリュー(以下、FMSと称することもある。)は、スクリューの山(フライト部)を切り欠いた順送りのミキシングスクリューエレメントである。フライト数は2条でも1条でもよく、切欠き数は1スクリューリード当たり5~15個であることが好ましい。また、ギアタイプのミキシングスクリューを含む。スクリューエレメント長さL/Dは、0.3~2であることが良好な昇圧効果で得るために好ましい。
逆送り切欠き型ミキシングスクリュー(以下、BMSと称することもある。)は、スクリューの山(フライト部)を切り欠いた逆送りのミキシングスクリューエレメントである。フライト数は2条でも1条でもよく、切り欠き数は1スクリューリード当たり5~15個であることが好ましい。また、ギアタイプのミキシングスクリューを含む。
第2工程の混練ゾーンのスクリュー構成は、上記各エレメントの中から1種を単独でも2種以上を併用してもよく、各エレメントは1個でも2個以上用いてもよい。また、上記ニーディングディスクおよびミキシングスクリューの配置についても、上流、下流何れに配置してもよい。
第2工程の後、ベント部(第2ベント)で減圧脱揮するが、その際の真空度は-0.097MPa以下-0.07MPa以上とすることが好ましい。平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂を使用することと、ベント部の真空度を-0.097MPa以下-0.07MPa以上とすることにより、溶出Fイオンと溶出Clイオンがより少ないペレットを製造することができる。ベントの真空度が-0.07MPaに達しないとFイオンの低減は不十分となりやすく、-0.07MPa以上の高い真空度が好ましい。然しながら-0.097MPaより高い真空度では逆にFイオン量は多くなりやすい。この原因は定かではないが、高い真空度により、揮発物の体積が極端に大きくなり、ベント部で樹脂の膜を形成し、それがFイオンの揮発を抑制していると考えられる。
なお、本明細書において、真空度はゲージ圧を意味する。
次いで、ポリカーボネート樹脂組成物は押出機先端の押出ダイからストランド状に押し出す(押出工程)が、押出工程は樹脂温度315℃未満、かつダイ圧0.5~8MPaの条件の条件で行うことが好ましい。このような条件とすることにより、FイオンとClイオンの両方を低減しやすくなる。
樹脂温度は、より好ましくは315℃未満であり、さらに好ましくは310℃未満、特には306℃以下であることが好ましく、その下限としては280℃がより好ましい。ダイ圧はより好ましくは0.5~6MPa、さらに好ましくは0.5~4MPaである。
押出ダイの形状は特に制限はなく、公知のものが使用される。ダイ穴の直径は所望するペレットの寸法にもよるが、通常2~5mm、好ましくは3~4mm程度である。
ストランドは、引き取りローラーによって引き取られ、水と接触される。
本発明では電気伝導度が10μS/cm以下の水に1秒以上15秒以下接触される。
このようにすることで、溶出Fイオンと、溶出Clイオンが少ないペレットを製造することができる。溶出Fイオン源と思われるHFは冷却工程の水に溶解し低減する。そのため接触時間は長い方が好ましい。しかし水との接触時間が長すぎると、水中のClイオンがペレットに滲み込み、Clイオンが上昇する。また、フッ素樹脂の1次粒子径が130nm未満だと、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂の界面が大きく、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂が熱反応によりHF生成すると考えられる。290nmを超えると今度は破砕によりフッ素樹脂とポリカーボネート樹脂の界面が大きくなり、フッ素樹脂とポリカーボネート樹脂が反応し、HFが増大すると考えられる。
使用する水は、電気伝導度が10μS/cm以下とする。水の電気伝導度が10μS/cmを超えると、得られるポリカーボネート樹脂組成物ペレットの清浄度が悪化しやすい。水の電気伝導度は好ましくは8μS/cm以下、さらに好ましくは7μS/cm以下、特に好ましくは6μS/cm以下、最も好ましくは5μS/cm以下である。
水との接触は、ストランドに水をかけて水と接触させて冷却してもよいし、好ましくは図1のように、熱効率の点から冷却水槽に溜められた水中を搬送されるようにして冷却される。樹脂の劣化を少なくするために、ストランドがダイから押し出されてから水冷却、あるいは水に入るまでの時間は短い方がよい。通常は、ダイから押し出されてから1秒以内に水中に入るのがよい。上記したように、メッシュベルトコンベアでストランドを引き、そこに水を掛ける方法でもよい。
ストランドを水冷却する時間(水との接触時間)は、1秒以上15秒以下であるが、好ましくは1秒以上13秒以下、さらには1秒以上11秒以下が好ましい。上記したように、メッシュベルトコンベアでストランドを引き、そこに水を掛ける方法でもよいが、この場合のストランドと水との接触時間はストランドが水冷却始まる時間からストランドから水蒸気の発生が見えなくなるまでの時間となる。
冷却水槽で冷却する場合、冷却水槽に溜められた水は経時的に劣化し、電気伝導度が上がるが、冷却水を常時供給し、槽から水をオーバーフローさせることにより、電気伝導度を所定の範囲に保つことができる。また、水槽の温度は位置により変わり、通常ストランドが水槽に入ったところが最も温度が高く、冷却されるに従い水槽の温度も下がる。水槽の温度が低すぎればストランドが過冷却され、水槽の温度が高ければストランドの温度が上がりすぎる。水槽の温度の好ましい範囲は、30℃から90℃、更に好ましい範囲は40℃~70℃である。
冷却されたストランドは、引き取りローラーによりペレタイザーに送られ、カッティングされて、ペレットとされる。カッティングは、ストランド温度が好ましくは70~140℃、より好ましくは75~130℃の範囲にある時に切断することが好ましい。
得られたポリカーボネート樹脂組成物(ペレット)は、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有しながら、溶出イオン、特に溶出Fイオン、溶出Clイオンが極めて少ないものとなる。
得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレット中の溶出Fイオンは、後記する樹脂組成物ペレットの溶出Fイオン試験において、好ましくは10ppb以下であり、より好ましくは9ppb以下、8ppb以下、さらに好ましくは7ppb以下である。また、溶出Clイオンは、樹脂組成物ペレットの溶出Fイオン試験において、好ましくは10ppb以下であり、より好ましくは9ppb以下、8ppb以下、さらに好ましくは7ppb以下である。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法において、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、ポリカーボネート樹脂及びフィブリル形成能を有さないフッ素樹脂以外に他の成分を含有していてもよい。他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以やフッ素樹脂以外の他の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
他の樹脂
他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
ただし、他の樹脂を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、10質量部以下とすることが好ましく、5質量部以下がより好ましく、さらに3質量部以下、中でも2質量部以下、特には1質量部以下とすることが好ましい。
樹脂添加剤
樹脂添加剤としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、離形剤、滑材、充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明で使用される安定剤としては、リン系安定剤が好ましく、より好ましくは亜リン酸エステル化合物、中でも、分子中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1~25のアルキル基でエステル化された亜リン酸エステル化合物が好ましい。
亜リン酸エステル化合物の具体例としては、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上混合して使用してもよい。上記の中で、特にトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
なお、これらは、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
亜リン酸エステル化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.001~0.5質量部が好ましく、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上であり、また、より好ましくは0.3質量部以下、さらに好ましくは0.2質量以下、特に好ましくは0.1質量部以下である。亜リン酸エステル化合物の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、熱安定効果が不十分となる可能性があり、リン系安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
本発明の方法で製造されたポリカーボネート樹脂組成物は溶出Fイオンおよび溶出Clイオンが極めて少ないので、例えば電気・電子機器分野、コンピュータ等のOA機器分野、精密機器分野、光学機器分野、自動車分野、その他の各種工業分野等における成形品あるいは部品等に幅広く利用することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂として、以下のポリカーボネート樹脂を使用した。
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、界面重合法によるビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、商品名「ノバレックス(登録商標)7022A」
粘度平均分子量Mv:21,800
[フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂]
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂として、以下の表1に記載のポリテトラフルオロエチレンを使用した。
Figure 2022027580000002
[押出機]
押出機としては、ベント式噛み合い型同方向回転二軸スクリュー押出機(日本製鋼所社製、「TEX30α」、スクリュー径32mm)を使用した。
押出機のベント構成及びスクリューは図2に示すものを使用した。
C1の位置にホッパーを設置し、ポリカーボネート樹脂を供給し、Rスクリューにより搬送した。第1混練部はシリンダーC6の位置にあり、各1D(Dはバレルの直径)の長さ、5枚パドルのニーディングディスクからなり、RRNLの構成(Rは順送り、Nは中立、Lは逆送りニーディング)とした。C7にはベント(第1ベント)を設けた。C8には長さ0.5Dのシールリングを配置し、その後にサイドフィードスクリューを配置して、フッ素樹脂を供給した。第2混練部はC9の位置に長さ0.5D、5枚パドルのニーディングディスクでLの構成とした。C10の位置には真空ベント(第2ベント)を設置した。
押出ダイには穴数が5穴、開口径が3.5mmのダイスを使用した。
冷却水槽は長さ4mのものを使用した。冷却水槽で冷却されたストランドを、ペレタイザーでカットしペレットを得た。ペレタイザーのストランドの引き取り速度は9m/分とした。冷却水槽の水の電気伝導度は5μS/cmになるように調整した。
(実施例1-1)
上記ポリカーボネート樹脂90質量部をC1のメインホッパーから供給し、次いでフッ素樹脂(PTFE1)10質量部をC8のサイドフィーダー口からサイドフィーダーを用いて供給した。C7の第1ベントを開放(ゲージ圧:0MPa)、C11の第2ベントを真空度:-0.095MPa(ゲージ圧)でベントした。吐出量は20kg/h、スクリュー回転数は200rpmとした。ダイスから出たしストランドは冷却水槽で冷却した。冷却距離は21cmとした。ペレタイザーのストランド引き取り速度は9m/分であり、水中のストランドの移動速度は15cm/秒であった。ストランドが水に浸かっていた時間は1.4秒であった。その後ペレタイザーでカットした。カットされたペレットの直径は3.0mmであった。
<溶出イオン量の測定>
純水にて洗浄したボトルに、上記で得られたペレット50gを、純水100mlに入れて蓋を閉め、50℃で3時間保持してイオンを水中に溶出させた。その溶液をイオンクロマトグラフでFイオンの量とClイオンの量を測定した。イオンクロマトグラフはダイオニックス製「DX-100」を使用した。
(実施例1-2~5、比較例1-1~2)
実施例1-1において、下記表2に記載の冷却距離と冷却時間にした以外は、実施例1-1と同様にして行った。
以上の結果を以下の表2に示す。
Figure 2022027580000003
(実施例2-1~5、比較例2-1~2)
実施例1-1において、フッ素樹脂をPTFE2に変更し、下記表3に記載の冷却距離と冷却時間とした以外は、実施例1-1と同様にして行った。
結果を以下の表3に示す。
Figure 2022027580000004
(比較例3-1~7)
実施例1-1において、フッ素樹脂をPTFE3に変更し、下記表4に記載の冷却距離と冷却時間とした以外は、実施例1-1と同様にして行った。
結果を以下の表4に示す。
Figure 2022027580000005
(比較例4-1~7)
実施例1-1において、フッ素樹脂をPTFE4に変更し、下記表5に記載の冷却距離と冷却時間とした以外は、実施例1-1と同様にして行った。
結果を以下の表5に示す。
Figure 2022027580000006
(実施例5-1~6)
実施例1-1において、第2ベントの真空度を下記表6に記載の通りとし、冷却距離は45cm、冷却時間を3秒とした以外は、実施例1-1と同様にして行った。
結果を以下の表6に示す。
Figure 2022027580000007
本発明の製造方法は、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有しながら、溶出イオンが極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物を安定して生産性良く製造することが可能なので、産業上の利用性は非常に高いものがある。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂80~97質量部及びフィブリル形成能を有さず、平均1次粒子径が130nm以上290nm以下のフッ素樹脂20~3質量部(但し、両者の合計は100質量部である。)を含量するポリカーボネート樹脂組成物ペレットをベント式二軸押出機で製造する方法であって、
    ポリカーボネート樹脂を二軸押出機に供給してスクリュー加熱、混練して溶融化し(第1工程)、
    前記第1混練工程後に、前記フッ素樹脂を供給して、フッ素樹脂を分散しながら分散したフッ素樹脂と溶融化した前記ポリカーボネート樹脂とを混練し(第2工程)、次いで、
    ベントで減圧脱揮し、二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、電気伝導度が10μS/cm以下の水に1秒以上15秒以下接触させ、ペレット化する(第3工程)ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  2. 二軸押出機の先端からストランドとして押し出し、10μS/cm以下の電気伝導度の純水に1秒以上11秒以下接触させる請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  3. 第二工程に次いで、ベントで減圧脱揮する際の真空度を-0.097MPa以下-0.07MPa以上とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  4. 得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットの溶出Fイオンの量が10ppb以下である請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
  5. 得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットの溶出Clイオンの量が10ppb以下である請求項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法。
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