JP2022027575A - 化合物、光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池 - Google Patents

化合物、光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた光電変換効率を実現する光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物であり、一般式(1)中のX1およびX2がそれぞれ独立して下記一般式(2)で表される化合物。TIFF2022027575000075.tif57150TIFF2022027575000076.tif38148【選択図】図1

Description

本発明は、化合物、光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池に関する。
近年、クリーンエネルギーとして、太陽光発電が注目を浴びており、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子として太陽電池の開発が盛んに行われている。その中でも、低コストかつ溶液プロセスで製造可能な次世代型の太陽電池として、ペロブスカイト材料を光電変換層に用いた太陽電池(以下、ペロブスカイト型太陽電池と表記)の開発が注目を集めている(例えば、特許文献1、非特許文献1~2)。
ペロブスカイト型太陽電池では、素子中に光電変換素子用正孔輸送材料を使用することが多い。使用する目的として、(1)正孔を選択的に輸送する機能を高めて光電変換効率を向上させる、(2)ペロブスカイト光電変換層と接合して水分や酸素からの影響を受けやすいペロブスカイト材料を保護する、ことが挙げられる(例えば、非特許文献3)。標準的な光電変換素子用正孔輸送材料としては、スピロビフルオレン系有機化合物のSpiro-OMeTADが使用されることが多い。
Spiro-OMETADを用いることで、比較的高い光電変換効率は得られるが、合成過程が煩雑で価格面での課題を有しているほか、光電変換効率が安定するまで時間経過が必要であり、その時間が一定ではないなどの、使用面での課題を有している(非特許文献4)。そのため、これらの課題を解決し得る光電変換素子用の正孔輸送材料が求められているが、Spiro-OMETADを超える光電変換効率を達成する光電変換素子用正孔輸送材料の報告は少ない。これらの現状から、優れた光電変換特性および経時安定性を有する光電変換効率を示す光電変換素子用正孔輸送材料が求められている。
国際公開第2017/104792号
Journal of the American Chemical Society,2009年,131巻,P.6050-6051 Science,2012年,388巻,P.643-647 Chemical Science,2019年,10,P.6748-6769 Scientific Reports,2012年,2巻,591
本発明が解決しようとする課題は、光電変換素子ならびに太陽電池に用いることで優れた光電変換効率を実現する新規な光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池を提供することである。
上記課題を解決するため、発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物および該化合物を組み合わせて光電変換素子用正孔輸送材料として用いることにより、高効率な光電変換効率を実現する光電変換素子ならびに太陽電池が得られることを見出した。すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
1.下記一般式(1)で表される化合物であり、一般式(1)中のXおよびXがそれぞれ独立して下記一般式(2)で表される化合物。
Figure 2022027575000002
[式中、R~R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または、置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
~R20は、少なくとも1個のハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
を有するものとする。
~R、R~R10、R11~R15、R16~R20は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよく、RとRおよびR15とR16は互いに結合して環を形成していてもよい。]
Figure 2022027575000003
[式中、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
21とR22、R23とR24およびR25とR26は互いに結合して環を形成していてもよい。
は酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、mおよびnはそれぞれ0~2の整数を表す。ただし、mおよびnのいずれか一方が1または2である。]
2.前記一般式(2)のmが1である化合物。
3.前記記載の化合物を含有する光電変換素子用正孔輸送材料。
4.下記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする前記光電変換素子用正孔輸送材料。
Figure 2022027575000004
[式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、
ニトリル基、
炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基を表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
29~R32はそれぞれ独立して、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
29とR30、R31とR32は互いに結合して環を形成していてもよい。]
5.前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)~(6)で表されることを特徴とする光電変換素子用正孔輸送材料。
Figure 2022027575000005
[式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
33~R52はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
33~R37、R38~R42、R43~R47、R48~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。]
Figure 2022027575000006
[式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
33~R52はそれぞれ独立し、上記記載の置換基と同様のものを表し、
33~R36、R39~R42、R43~R46、R49~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。]
Figure 2022027575000007
[式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
33~R52はそれぞれ独立し、上記記載の置換基と同様のものを表し、
33~R36、R39~R42、R43~R46、R49~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。
およびZは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。]
6.前記一般式(3)で表される化合物の含有量が3~96質量%であることを特徴とする光電変換素子用正孔輸送材料。
7.一般式(3)で表される化合物の含有量が50~94質量%であることを特徴とする光電変換素子用正孔輸送材料。
8.前記記載の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた光電変換素子。
9.請求項7に記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
本発明に係る光電変換素子用正孔輸送材料によれば、優れた光電変換効率を実現する光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子ならびに太陽電池を提供することができる。
本発明実施例および比較例の光電変換素子の構成を表す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明の光電変換素子用正孔輸送層材料は、光電変換素子に用いられる。
〈光電変換素子〉
本発明の光電変換素子は、典型的には、図1の概略断面図に示すように、導電性支持体(電極)1、電子輸送層2、光電変換層3、中間層4、正孔輸送層5、および対極6を有する。
以下に、光電変換素子用正孔輸送材料に含有している一般式(1)で表される化合物について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)においてR~R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または、置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
本発明において、「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては具体的に、エテニル基(ビニル基)、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-メチルエテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-エチルエテニル基、またはこれらのアルケニル基が複数結合した炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」としては具体的に、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、1-メチル-n-ブチニル基、2-メチル-n-ブチニル基、3-メチル-n-ブチニル基、1-ヘキシニル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」における「炭素原子数3~10のシクロアルキル基」としては、具体的に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」としては、具体的に、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、イソオクチルオキシ基、t-オクチルオキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10の直鎖状もしくは分岐状のシクロアルコキシ基」における「炭素原子数3~10の直鎖状もしくは分岐状のシクロアルコキシ基」としては、具体的に、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4-メチルシクロヘキシルオキシ基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」における「炭素原子数1~20のアシル基」としては、具体的に、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイルアセチル基、ベンゾイル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」における、「炭素原子数1~18のチオ基」としては、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、フェニルチオ基、ビフェニルチオ基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」における「炭素原子数1~20のアミノ基」としては、具体的に、一置換アミノ基としてエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基など、また、二置換アミノ基としてジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アセチルフェニルアミノ基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」における「炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」としては具体的に、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基(アントリル基)、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などをあげることができる。なお、本発明において芳香族炭化水素基には、「縮合多環芳香族基」が含まれるものとする。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「環形成原子数5~36の複素環基」としては具体的に、ピリジル基、ピリミジリニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基(フラニル基)、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチルジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、オキサゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボニリル基などをあげることができる。
一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10の直鎖状もしくは分岐状のシクロアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」または「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「置換基」としては、具体的に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;シアノ基;水酸基;ニトロ基;ニトロソ基;カルボキシル基;リン酸基;
メチルエステル基、エチルエステル基などのカルボン酸エステル基;チオキソ基(>C=S);
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
エテニル基(ビニル基)、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-エチルエテニル基、など炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などの炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基;
フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基などの炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基;
ピリジル基、ピリミジリニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基(フラニル基)、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチルジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、オキサゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボニリル基などの環形成原子数5~30の複素環基;
無置換アミノ基(―NH)、エチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基などの一置換アミノ基、またはジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アセチルフェニルアミノ基などの二置換アミノ基である、炭素原子数0~18のアミノ基;
無置換チオ基(チオール基:―SH)、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、フェニルチオ基、ビフェニルチオ基などの炭素原子数0~18のチオ基;
などをあげることができる。これらの「置換基」は、1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら「置換基」はさらに前記例示した置換基を有していてもよい。
一般式(1)において、R~R20は、少なくとも1個の
ハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基を有する。
一般式(1)において、R~R20は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基であることが好ましい。
一般式(1)において、R~R20は、上記で述べたとおりの置換基を表すが、R~R、R~R10、R11~R15、R16~R20は隣り合う基同士で、単結合、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を介した結合もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよく、RとRおよびR15とR16は、単結合、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を介した結合もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介した結合であることが好ましい。
一般式(1)において、XおよびXは、一般式(2)で表されることが好ましい。
一般式(2)において、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」における「炭素原子数3~10のシクロアルキル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」における「炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」における「炭素原子数1~18のチオ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」における「炭素原子数1~20のアミノ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」における「炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「環形成原子数5~36の複素環基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21~R26で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10の直鎖状もしくは分岐状のシクロアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」または「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「置換基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」等における「置換基」と同じものをあげることができる。
一般式(2)において、R21とR22、R23とR24およびR25とR26は、単結合、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を介した結合、もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(2)において、Yは酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を介した結合を表す。
一般式(2)において、mおよびnはそれぞれ0~2の整数を表し、mが0である場合、nは1~2であるものとし、nが0である場合、mは1~2であり、mあるいはnいずれか一方が1または2であり、共に0となる場合は含まないものとする。mは1であることが好ましい。また、一般式(1)の中心骨格であるシクロペンタジチオフェン部とは、一般式(2)で表されているフェニル基および5員環の複素環基のどちらから結合しても良いものとする。
一般式(2)において、mが1であり、nが0または1であると好ましい。一般式(2)において、mが1であり、nが1である場合に、一般式(1)の中心骨格であるシクロペンタジチオフェン部とは、5員環の複素環基が結合していると好ましい。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下の例示化合物は水素原子、炭素原子等を一部省略して記載しており、存在し得る異性体のうちの一例を示したものであり、その他すべての異性体を包含するものとする。また、それぞれ2種以上の異性体の混合物であってもよい。
Figure 2022027575000008
Figure 2022027575000009
Figure 2022027575000010
Figure 2022027575000011
Figure 2022027575000012
Figure 2022027575000013
Figure 2022027575000014
Figure 2022027575000015
Figure 2022027575000016
Figure 2022027575000017
Figure 2022027575000018
Figure 2022027575000019
Figure 2022027575000020
一般式(1)で表される化合物は、光電変換素子用正孔輸送材料として使用することができる。
本発明において、光電変換素子用正孔輸送材料は、前記一般式(1)で表される化合物を1種または2種以上を併用してもよく、本発明に属さない他の正孔輸送材料等と併用することもできる。本発明において、前記一般式(1)で表される化合物と他の材料を併用する場合、前記一般式(3)で表される化合物を併用して使用することが好ましく、さらに、前記一般式(4)、前記一般式(5)または前記一般式(6)で表される化合物とを併用して使用することがより好ましい。
一般式(3)で表される化合物について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(3)において、R27およびR28はそれぞれ独立して、
ニトリル基、
炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基を表す。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基」としては、具体的に、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基において、水素原子が完全にフッ素原子に置換(パーフルオロ化)された、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などをあげることができる。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」における「炭素原子数1~20のアシル基」としては、具体的に、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイルアセチル基、ベンゾイル基などをあげることができ、アルキル鎖を含む場合、水素原子が完全にフッ素原子に置換(パーフルオロ化)されているものを含む。また、アミノ基と結合したもの(-CO-N<)であってもよい。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基」における「炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基」としては、具体的に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などをあげることができアルキル鎖を含む場合、水素原子が完全にフッ素原子に置換(パーフルオロ化)されているものを含む。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」における「炭素原子数1~18のチオ基」としては、具体的に、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、フェニルチオ基、ビフェニルチオ基などをあげることができる。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」における「炭素原子数1~20のアミノ基」としては、具体的に、一置換アミノ基としてエチルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアミノ基など、また、二置換アミノ基としてジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アセチルフェニルアミノ基などをあげることができる。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基」における「炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基」としては、具体的に、-SO(Aは上述した置換基を有してもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す)で表される基であり、Aの例としては、上述した置換基を有してもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基の例としてあげたメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などがあげられる。
一般式(3)において、R27およびR28で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基」における「置換基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」等における「置換基」と同じものをあげることができる。
一般式(3)において、R27およびR28がそれぞれ独立して、ニトリル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアシル基、または置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基であると好ましい。また、R27およびR28がニトリル基であってもよい。また、Rがニトリル基であり、Rが置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基であってもよい。また、R27およびR28が置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基であってもよい。また、R27およびR28が置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアシル基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(3)において、R27とR28は、単結合、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を介した結合、もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよく、その場合、本発明においては、単結合により環を形成することが好ましい。また、バルビツール酸系、チオバルビツール酸系、ローダニン系、チオヒダントイン系、インダンジオン系などの酸性の複素環であることがさらに好ましい。
一般式(3)において、XおよびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表されるものと同じものをあげることができる。
一般式(3)において、R29~R32はそれぞれ独立して、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
一般式(3)において、R29~R32で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」における「炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」と同じものをあげることができる。
一般式(3)において、R29~R32で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「環形成原子数5~36の複素環基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」と同じものをあげることができる。
一般式(3)において、R29~R32で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」、「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「置換基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」等における「置換基」と同じものをあげることができる。
一般式(3)において、R29とR30、R31とR32は、単結合、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を介した結合、もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(3)で表される化合物は、前記一般式(4)~(6)で表されることが好ましい。
一般式(4)~(6)において、R27およびR28は、それぞれ独立して、「一般式(3)において表される、R27およびR28」と同様の基で表される。
一般式(4)~(6)において、XおよびXは、それぞれ独立して、「一般式(3)において表される、XおよびX」と同様に前記一般式(2)で表される。
一般式(4)~(6)において、R33~R52は、それぞれ独立して、
水素原子、ハロゲン原子、トリメチルシリル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」における「炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」における「炭素原子数3~10のシクロアルキル基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」における「炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」における「炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」における「炭素原子数1~18のチオ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」における「炭素原子数1~20のアミノ基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」における「炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「環形成原子数5~36の複素環基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)~(6)において、R33~R52で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数3~10の直鎖状もしくは分岐状のシクロアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基」または「置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基」における「置換基」としては、一般式(1)において、R~R20で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」等における「置換基」と同じものをあげることができる。
一般式(4)における「R33~R37、R38~R42、R43~R47、R48~R52」、一般式(5)および一般式(6)における「R33~R36、R39~R42、R43~R46、R49~R52」は、単結合、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を介した結合、もしくは窒素原子を介した結合によって互いに結合して環を形成していてもよい。
本発明の前記一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下の例示化合物は水素原子、炭素原子等を一部省略して記載しており、存在し得る異性体のうちの一例を示したものであり、その他すべての異性体を包含するものとする。また、それぞれ2種以上の異性体の混合物であってもよい。
Figure 2022027575000021
Figure 2022027575000022
Figure 2022027575000023
Figure 2022027575000024
Figure 2022027575000025
Figure 2022027575000026
Figure 2022027575000027
Figure 2022027575000028
Figure 2022027575000029
Figure 2022027575000030
Figure 2022027575000031
Figure 2022027575000032
前記一般式(1)で表される本発明の光電変換素子用正孔輸送材は、公知の方法によって合成することができる。一般式(1)において、一般式(2)のmが1であり、nが0の場合の合成例を示す。
下記式(7)で表されるジブロモ体化合物と一般式(8)および一般式(9)で表されるボロン酸化合物または一般式(10)および一般式(11)で表されるボロン酸エステル化合物との鈴木・宮浦クロスカップリング反応により合成することができる。
Figure 2022027575000033
Figure 2022027575000034
Figure 2022027575000035
また、上記式(7)で表される本発明の光電変換素子用正孔輸送材は、公知の方法によって合成することができる。一般式(3)において、一般式(2)のmが1であり、nが0の場合の合成例を示す。
一般式(3)で表されるジブロモ体化合物と一般式(12)および一般式(13)で表されるボロン酸化合物または一般式(14)および一般式(15)で表されるボロン酸エステル化合物との鈴木・宮浦クロスカップリング反応を行い、さらに一般式(16)で表される化合物とのクネーフェナーゲル縮合反応により合成することができる。
Figure 2022027575000036
Figure 2022027575000037
Figure 2022027575000038
本発明の前記一般式(1)および一般式(3)で表される光電変換素子用正孔輸送材料の精製方法としては、カラムクロマトグラフィーによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土等による吸着精製、溶媒による再結晶や晶析等により行うことができる。あるいはこれらの方法を併用して、純度を高めた化合物を使用することが有効である。また、これらの化合物の同定は、核磁気共鳴分析(NMR)により行うことができる。
一般式(3)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物と混合して光電変換素子用正孔輸送材料として使用することが好ましい。また、一般式(3)で表される化合物の含有量は、3~96質量%であることが好ましく、一般式(3)で表される化合物の含有量が50~94質量%であることがより好ましい。一般式(1)の化合物と前記一般式(3)の化合物を混合して使用することで、開放電圧が高い傾向を示す一般式(1)の化合物の利点と、短絡電流の高い傾向を示す一般式(3)の利点を維持することで、単独で使用する時よりもより優れた効果が期待できる。
以下、本発明の光電変換素子の好ましい態様について説明する。
本発明の光電変換素子は、図1に示す通り、導電性支持体(電極)1、電子輸送層2、光電変換層3、中間層4、正孔輸送層5、および対極6を備えることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、本発明の光電変換素子としては、太陽電池として用いることが好ましく、ペロブスカイト型の光電変換素子であることがより好ましいが、これに限定されない。本発明において、ペロブスカイト型の光電変換素子は、導電性支持体(電極)1、電子輸送層2、光電変換層(ペロブスカイト層)3、中間層4、正孔輸送層5、および対極6をこの順に備えることが好ましい。また、導電性支持体、正孔輸送層、光電変換層(ペロブスカイト層)、電子輸送層、対極の順で構成されていてもよい。
〈導電性支持体〉
本発明の光電変換素子において、導電性支持体は、光電変換に寄与する光を透過可能な透光性を有する必要がある。また、導電性支持体は、光電変換層より電流を取り出す機能を有する部材であることから、導電性基板であることが好ましい。導電性材料の具体例としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープしたインジウム酸化物(IZO)、タングステンをドープしたインジウム酸化物(IWO)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、フッ素ドープの酸化スズ(FTO)、酸化インジウム(In)、インジウム-スズ複合酸化物などの導電性透明酸化物半導体などをあげることができるが、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープしたインジウム酸化物(IZO)、タングステンをドープしたインジウム酸化物(IWO)などの非晶質酸化物を用いることが好ましい。
また、導電性支持体(透明導電層)は、シート抵抗が100Ω/□以下であることが好ましく、50Ω/□以下であることがさらに好ましく、一方、0.1Ω/□以上であることが好ましい。
〈電子輸送層〉
本発明の光電変換素子において、図1に示す電子輸送層2は、前記導電性支持体(電極)1と光電変換層3との間に位置する層であり、導電性支持体(電極)1の上に電子輸送層が形成されることが好ましい。電子輸送層は、光電変換層から電極への電子の移動効率を向上させ、一方で正孔の移動をブロックさせるために用いることができる。電子輸送層の態様は特に限定されないが、多孔質構造を有する薄膜であることが好ましい。多孔質構造を有することにより、光電変換層の活性表面積を著しく増加させ、光電変換効率を向上させるとともに、電子収集に優れる電子輸送層とすることができる。
本発明において、電子輸送層を形成する半導体の具体例としては、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)、酸化スズ(SnO、SnO、SnO等)などの金属酸化物;硫化チタン、硫化亜鉛、硫化ジルコニウム、硫化銅、硫化スズ、硫化インジウム、硫化タングステン、硫化カドミウム、硫化銀などの金属硫化物;セレン化チタン、セレン化ジルコニウム、セレン化インジウム、セレン化タングステンなどの金属セレン化物;シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体などをあげることができ、これらの半導体は1種または2種以上を用いるのが好ましい。本発明においては、半導体として酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズから選択される1種または2種以上を用いるのが好ましい。
本発明において、前記半導体微粒子を含むペーストは市販品を用いてもよく、市販の半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製したペースト(電子輸送層用塗布液)などを用いてもよい。ペーストを調製する際に使用する溶媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n-ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒をあげることができるが、これらに限定されない。また、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明において半導体微粉末を溶媒中に分散させる方法としては、粉末を乳鉢などですりつぶしてから行ってもよく、ボールミル、ペイントコンディショナー、縦型ビーズミル、水平型ビーズミル、アトライターなどの分散機を用いてもよい。ペーストを調製する際には、半導体微粒子の凝集を防ぐために界面活性剤などを添加するのが好ましく、増粘させるためにポリエチレングリコールなどの増粘剤を添加するのが好ましい。
本発明において、電子輸送層は、形成する材料に応じて、公知の製膜方法を用いて得ることができる。電子輸送層の製膜方法としては、塗布液を用いて被覆する任意の塗布方法を用いることができる。半導体微粒子を含むペーストのスピンコート法、インクジェット法、ドクターブレード法、ドロップキャスティング法、スキージ法、スクリーン印刷法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法又はカーテンコート法などの湿式塗布法で導電性基板上に塗布した後、焼成により溶媒や添加物を除去して製膜する方法や、スパッタリング法、蒸着法、電着法、電析法、マイクロ波照射法などがあげられるが、これらに限定されない。本発明においては、前記方法により調製した電子輸送層用塗布液を用いてスピンコート法により製膜することが好ましいが、これに限定されない。製膜する雰囲気は特に制限されなく、大気中でもよい。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されず、多孔質(メソポーラス)な金属酸化物が用いられる場合は通常20~200nm以下であることが好ましく、また50~150nmであることがより好ましい。本発明において、メソポ-ラスな層が用いられず、緻密な電子輸送層が用いられる場合は、電子輸送層の厚みは通常5nm~100nmであることが好ましく、また10nm~50nmであることがより好ましい。また、結晶構造を持たない非結晶性(アモルファス)の薄膜が一部形成されていてもよい。
本発明において、各層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等を用いて光電変換素子の断面を観察することにより、測定できる。
〈光電変換層〉
本発明の光電変換素子においては、図1に示す前記電子輸送層2の上に、光電変換層3が形成されることが好ましい。
本発明において、ペロブスカイト型光電変換素子として用いる場合、光電変換層であるペロブスカイト材料は、一般式ABXで表される構造を持つ一連の材料を表す。ここで、A、B、およびXとしては、それぞれ、有機カチオンあるいは1価の金属カチオン、金属カチオン、およびハロゲン化物アニオンを表し、例として、A=Cs、CHNH (MA)、CHCHNH (EA)、NH=CHNH (FA);B=Pb、Sn;X=Br、Iがあげられる。さらに、具体的には、CHNHPbI、CNHPbI、CHNHPbBr、CNHPbBr、CHNHPbBr、CNHPbCl、CHNHPbCl、CNHPbCl、CsSnI、CHNHSnI、CNHSnI、CsSnBr、CHNHSnBr、CNHSnBr、CsSnCl、CHNHSnCl、CNHSnCl、CsPbIBr、(FA,MA)Pb(Br,I)の任意の組成で表される混合カチオン(FAはホルムアミド、MAはメチルアンモニウム)等のペロブスカイト材料を含有する層を用いることができるが、これらに限定されない。これらのペロブスカイト材料は、1種または2種以上を用いることが好ましい。また、ペロブスカイト材料以外の光吸収剤を含んでいてもよい。
本発明の光電変換素子の、光電変換層(ペロブスカイト層)を、塗布液を用いて被覆する方法としては任意の塗布方法を用いることができ、電子輸送層の製膜方法と同じ方法をあげることができる。
ペロブスカイト前駆体は、市販の材料を用いてもよく、本発明においては、ヨウ化鉛(PbI)、ホルムアミドヨウ化物、メチルアンモニウムハロゲン化物またはエチルアンモニウムハロゲン化物、とヨウ化セシウム(CsI)による前駆体、または、ヨウ化鉛(II)と臭化セシウムからなる前駆体を任意の組成により用いることが好ましいが、これに限定されない。
本発明のペロブスカイト前駆体溶液の溶媒は、前駆体の溶解性の観点から、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクトン等があげられるが、これらに限定されない。また、これらの溶媒は、1種または2種以上を混合して使用してもよく、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液を使用することが好ましい。
本発明において、ペロブスカイト材料の製膜時の雰囲気は、水分の混入を防ぐことにより再現よく高効率ペロブスカイト型太陽電池を製造できる観点から、乾燥雰囲気下が好ましく、グローブボックス等の乾燥不活性気体雰囲気下がより好ましい。また、脱水を行い、水分含量が少ない溶媒を用いることが好ましい。
本発明において、光電変換層(ペロブスカイト層)をホットプレート等により加熱する際の温度は、前駆体よりペロブスカイト材料を生成する観点から、50~200℃が好ましく、70~190℃がより好ましい。また、加熱時間は、10~90分程度が好ましく、10~60分程度がより好ましい。
本発明の光電変換層(ペロブスカイト層)の厚みは、欠陥や剥離による性能劣化をより抑制する観点、および光電変換層が十分な光吸収率を持つとともに、抵抗値において高くなりすぎない物性とするために、50~1000nmが好ましく、300~700nmがより好ましい。
〈中間層〉
本発明の光電変換素子において、図1に示す中間層4は、層間の接合の構造を連続的にして電荷移動の効率を高める機能を有する層であり、光電変換層と正孔輸送層との間に位置する層である。
本発明において、中間層には4級アンモニウム塩構造を有する化合物を用いることが好ましいが、これに限定されず、複数の化合物を併用して用いてもよい。具体的には、フェニルエチルアンモニウムブロミド、n-ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド等があげられる。
本発明の光電変換素子の中間層を、塗布液を用いて被覆する方法としては任意の塗布方法を用いることができ、電子輸送層の製膜方法と同じ方法をあげることができる。製膜時の雰囲気は、乾燥雰囲気下が好ましい。塗布液から溶媒を除去する方法としては、加熱法よりも減圧法が好ましい。
中間層の膜厚は、電荷移動の効率を高める効果が認められれば特に制限はないが、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
〈正孔輸送層〉
本発明の光電変換素子において、図1に示す正孔輸送層5は、正孔を輸送する機能を有する層であり、中間層層4と対極6との間に位置する層である。正孔輸送層は、光電変換層から電極への正孔の移動効率を向上させ、一方で電子の移動をブロックさせるために用いることができる。正孔輸送層には、例えば、導電体、半導体、有機正孔輸送材料などを用いることができ、正孔輸送特性をさらに向上させることを目的として、添加剤であるドーパント(酸化剤)が含まれていてもよい。
本発明の正孔輸送層は、前記一般式(1)で表される化合物を正孔輸送材料として含有する層である。また、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(3)で表される化合物を含有する層であってもよい。
一般式(1)で表される化合物を正孔輸送層に用いること、または、一般式(1)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を含有する正孔輸送層を用いることで、優れた光電変換効率を実現する光電変換素子および太陽電池を構成できる。また、一般式(1)で表される化合物を正孔輸送層に用いること、または、一般式(1)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を含有する正孔輸送層を用いることで、素子作製後、時間経過の工程を経由せずに安定した光電変換効率を実現し得る光電変換素子並びに太陽電池を構成し得るものであり、素子作製後、エージング等の後処理工程を経由せずに安定した光電変換効率を実現する光電変換素子用正孔輸送材料、およびそれを用いた光電変換素子並びに太陽電池を構成し得る。
本発明の正孔輸送層には、前記一般式(1)で表される化合物および前記一般式(3)を1種または2種以上を併用してもよく、本発明に属さない他の正孔輸送材料等と併用することもできる。
本発明の正孔輸送材料に属さない他の正孔輸送材料の具体例としては、例えば、CuI、CuInSe、CuS等の1価銅を含む化合物半導体;GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr等の銅以外の金属を含む化合物があげられ、これらの酸化物金属は正孔輸送層中に混合してもよく、正孔輸送材料の上に積層されていてもよい。有機の正孔輸送材料としては、例えば、ポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体;2,2’,7,7’-テトラキス-(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-OMeTAD)等のフルオレン誘導体;ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA)等のトリフェニルアミン誘導体;ジフェニルアミン誘導体;ポリシラン誘導体;ポリアニリン誘導体等があげられる。
本発明の正孔輸送層は、前記中間層の上に、塗布及び乾燥することにより形成することが好ましい。製膜方法としては、具体的に、スピンコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、ディップコート法、スプレー法、ナイフコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法等があげられ、本発明においては、スピンコート法が好ましい。なお、スピンコートの条件は、適宜設定することができる。
本発明において、製膜の際、正孔輸送層用塗布液(あるいは混合正孔輸送層用塗布液)に使用される溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン(1,2,3,4‐テトラヒドロナフタレン)、モノクロロベンゼン(クロロベンゼン)、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系有機溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系有機溶媒;ベンゾニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、c-ペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、シクロヘキサノール、2-n-ブトキシエタノール等のアルコール系溶媒等があげられるが、これらに限定されない。また、上記溶媒は、1種または2種以上を混合して使用してもよく、構造により使用する溶媒を選択することができる。特に、芳香族系有機溶媒およびハロゲン化アルキル系有機溶媒を使用することが好ましい。
本発明において、正孔輸送層を上記の通り塗布後、乾燥する際の条件としては特に制限はないが、溶媒を除去できる程度行うことが望ましく、ホットプレート等により50~120℃程度で加熱することが好ましく、加熱時間は、概ね10~60分程度であることが好ましい。
本発明において、正孔輸送層の厚み膜厚は、光電変換効率をより向上させる観点から、5~500nmであることが好ましく、10nm~200nmであることがより好ましく、10nm~100nmであることがさらに好ましい。
本発明において、正孔輸送層の製膜時の雰囲気は、水分の混入を防ぐことにより再現よく高効率ペロブスカイト型太陽電池を製造できる観点から、乾燥雰囲気下が好ましい。また、脱水を行い、水分含量が少ない溶媒を用いることが好ましい。
〈添加剤〉
本発明では、正孔輸送層の添加剤として、ドーパント(あるいは、酸化剤)や塩基性化合物(あるいは、塩基性添加剤)を含有していてもよい。正孔輸送層に添加剤を含有させ、正孔輸送層における正孔輸送材料のキャリア濃度を向上させること(ドーピング)は、光電変換素子の変換効率向上につながる。本発明において、正孔輸送層に添加剤であるドーパントおよび塩基性添加剤を含有する場合、正孔輸送材料1当量に対して、添加剤3.5当量以下程度であることが好ましい。
本発明において、ドーパントを含有させる場合、ドーパントの具体例としては、トリス(2-(1H-ピラゾール-1-イル)-4-tert-ブチルピリジン)コバルト(III)トリ[ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド](FK209)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀、NOSbF、SbCl、SbFなどをあげることができる。本発明において、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)を用いることが好ましいが、これに限定されない。
本発明において、ドーパントを使用する場合、正孔輸送層に含有する正孔輸送材料1当量に対して、2.0当量以下が好ましく、0.5当量以下であることがさらに好ましい。
また、本発明において、正孔輸送層の添加剤として塩基性化合物(塩基性添加剤)を含有してもよい。本発明において、塩基性化合物を含有させる場合、具体例としては、4-tert-ブチルピリジン(tBP)、2-ピコリン、2,6-ルチジンなどがあげられる。塩基性化合物は、ドーパントを使用する際に併用して用いられることが多い。本発明においても、ドーパントを使用する際には併用することが望ましい。
本発明において、塩基性化合物を使用する場合、本発明の正孔輸送材料1当量に対して、5当量以下であることが好ましい。
〈対極〉
本発明において、図1に示す対極6は、導電性支持体に対向配置され、正孔輸送層5の上に形成されることで、正孔輸送層と電荷のやり取りが可能である。本発明の光電変換素子においては、正孔輸送層5上に対極として金属電極を備えることが好ましいが、正孔輸送層5と対極6との間に有機材料もしくは無機化合物半導体からなる電子ブロッキング層を追加することもできる。
本発明において、対極に使用される材料としては具体的に、白金、チタン、ステンレス、アルミニウム、金、銀、ニッケル、マグネシウム、クロム、コバルト、銅などの金属又はこれらの合金があげられる。これらのなかでも、薄膜においても高い電気伝導性を示す点で金、銀または銀の合金を用いることが好ましい。なお、銀の合金としては、硫化又は塩素化の影響を受けにくく薄膜としての安定性を向上させるために、銀と金の合金、銀と銅の合金、銀とパラジウムの合金、銀と銅とパラジウムの合金、銀と白金の合金などがあげられる。
本発明において対極は、蒸着等の方法で形成できる材料が好ましい。
対極として金属層を用いる場合は、その膜厚は、良好な導電性を得るために10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また、金属層には、透明電極として60%以上の可視光線透過率をもつ金属層を用いることができる。この場合、光透過率を維持するために、膜厚は、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
本発明の光電変換素子においては、導電性支持体が陰極となり、対極が陽極となる。太陽光などの光は導電性支持体側から照射する方が好ましい。太陽光などの照射により、光電変換層(ペロブスカイト層)が光を吸収して励起状態となって電子と正孔が生成する。この電子が電子輸送層を、正孔が正孔輸送層を経由して電極へ移動することにより電流が流れ、光電変換素子として機能するようになる。
本発明の光電変換素子の性能(特性)を評価する際には、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクター、光電変換効率の測定を行う。短絡電流密度とは、出力端子を短絡させたときの両端子間に流れる1cmあたりの電流を表し、開放電圧とは、出力端子を開放させたときの両端子間の電圧を表す。また、フィルファクターとは最大出力(電流と電圧の積)を、短絡電流密度と開放電圧の積で割った値であり、主に内部抵抗に左右される。光電変換効率は、最大出力(W)を1cmあたりの光強度(W)で割った値に100を乗じてパーセント表示した値として求められる。
本発明の光電変換素子は、ペロブスカイト型太陽電池や各種光センサーなどに応用できる。本発明のペロブスカイト型太陽電池は、前記一般式(1)で表される化合物を含有する光電変換素子用正孔輸送材料または、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(3)で表される化合物とを含有する光電変換素子用正孔輸送材料を正孔輸送層として含む光電変換素子がセルとなり、そのセルを必要枚数配列してモジュール化し、所定の電気配線を設けることによって得られる。
以上、好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲内で適宜変更してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、合成実施例において得られた化合物の同定は、H-NMR(1H-NMR(日本電子株式会社製核磁気共鳴装置、JNM-ECZ400S/L1型)により行った。
[合成実施例1]化合物(A-1)の合成
反応容器に3,3’-ジブロモ-5,5’-ビス(トリメチルシリル)-2,2’-ビチオフェン(10.0g、TCI社製)を加えアルゴン置換した。脱水したテトラヒドロフラン(106mL)を加え、ドライアイス-アセトンバスで-78℃に冷却した。n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.55mol/L,29.0mL、関東化学社製)を滴下した。その後、4時間かけて-30℃まで昇温し、ジメチルカルバモイルクロリド(1.2mL、TCI社製)を加えた。-30 ℃で20分間撹拌した後、3時間かけて徐々に昇温し0℃まで昇温した。その後、室温まで昇温した。水(150mL)を加え、分液し有機層を水(150mL)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。水層はクロロホルム(40mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去することで粗生成物として赤色固体を得た。この粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=97/3(体積比))により精製し、下記式(17)で表される化合物を赤色固体(収量:5.76g、収率80%)として得た。
反応容器に下記式(17)で表される化合物(3.5g)、テトラヒドロフラン(以下、THF,21mL)を仕込み氷浴で5℃以下まで冷却した。そこへN-ブロモスクシンイミド(4.9g、TCI社製)、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMF,7mL)を数回に分けて投入した。その後、室温に戻し2時間撹拌した。反応終了後、水(400mL)が入ったビーカーに反応液を投入した。30分撹拌後、この溶液をろ過した。得られた固体を減圧下70℃で乾燥し、下記式(18)で表される化合物を紫色固体(収量:3.53g、収率:97%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=7.00(2H)。
Figure 2022027575000039
反応容器に上記式(18)の化合物(0.88g)、[4-[ビス(4-メトキシフェニル)アミノ]フェニル]ボロン酸(2.10g、TCI社製)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.90g、関東化学社製)、トルエン(13mL)、エタノール(4.5mL)、水(4.5mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、6時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(10mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20mL)で2回抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/アセトン=100/1(体積比))にて精製した。再度、シリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(A-1)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:1.86g、収率:93%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=3.80(12H)、6.84(8H)、6.90(4H)、7.05(2H)、7.08(8H)、7.31(4H)。
Figure 2022027575000040
[合成実施例2]化合物(A-8)の合成
反応容器に4-ブロモアニソール(10.60g、TCI社製)、ジフェニルアミン(8.72g、TCI社製)、酢酸パラジウム(0.015g)、ナトリウム-t-ブトキシド(11.90g関東化学社製)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.017g、関東化学社製)、トルエン(110mL)を投入し減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、3時間加熱還流した。反応終了後、冷却し、吸引ろ過した。残渣をトルエン(50mL)で洗浄し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物をアミノシリカゲルカラム(トルエン/ヘキサン=1/1(体積比))にて精製後、再結晶(トルエン/メタノール)を行い、下記式(19)で表される化合物を白色固体(収量:11.02g、収率:78%)として得た。
反応容器に下記式(19)の化合物(10.50g)、THF(71mL)を投入し5 ℃以下まで冷却した。そこへN-ブロモスクシンイミド(14.30g、TCI社製)を投入し、5 ℃以下で2時間撹拌した。反応終了後、水300 mLが入ったビーカーに反応液を注化した。そこへトルエン(100mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(40mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/ヘキサン=1:1(体積比))にて精製し、下記式(20)で表される化合物を黄色油状物(収量:16.50g、収率:100%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=3.80(3H)、6.84(2H)、6.89(4H)、7.02(2H)、7.30(4H)。
Figure 2022027575000041
反応容器に上記式(20)の化合物(16.40g)、4,4’-ジメトキシジフェニルアミン(2.90g、TCI社製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.68g、関東化学社製)、ナトリウム-t-ブトキシド(3.67g、関東化学社製)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.56g、関東化学社製)、トルエン(25mL)を投入し減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、4時間加熱還流した。反応終了後、40℃以下まで冷却し、吸引ろ過した。残渣をトルエン(50mL)で洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/ヘキサン=1/1(体積比))にて精製後、下記式(21)で表される化合物を黄色固体(収量:2.76g、収率:38%)として得た。
反応容器に下記式(21)の化合物(10.0g)、無水THF(130mL)を投入し、減圧下脱気を行った。アルゴン雰囲気下、アセトン-ドライアイスバスで-70℃以下に冷却した。そこへn-ブチルリチウムヘキサン溶液(1.55M,17.0mL、関東化学社製)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、-70℃以下で1時間撹拌し、ほう酸トリイソプロピル(6.0mL、TCI社製)を滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に昇温し、室温で1時間撹拌した。反応液へ水(55mL)を注加して反応を終了した。反応液を分液し、水層をトルエン(40mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン→THF)にて精製し、下記式(22)で表される化合物を黄色粉末(収量:5.75g、収率:62%)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d):δ(ppm)=3.67(6H)、3.73(3H)、6.75(4H)、6.8-6.9(8H)、6.98-7.02(6H)、7.59(2H)、7.75(2H)。
Figure 2022027575000042
反応容器に上記式(18)の化合物(1.00g)、上記式(22)の化合物(4.59g)、炭酸カリウム(19.0g、関東化学社製)、テトラキス(トリフェニルホフィン)パラジウム(0)(0.15mg、関東化学社製)、トルエン(150mL)を投入し脱気した。その後、アルゴン雰囲気下で68時間加熱還流した。反応終了後、50℃以下まで冷却し、セライトろ過を行った。残渣をトルエン(100mL)で洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン→トルエン/アセトン=100/1(体積比))を行った。再度、シリカゲルカラム(トルエン/アセトン=100/1(体積比))にて精製し、下記式(A-8)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:1.34g、収率:40%)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d):δ(ppm)=3.72(12H)、3.75(6H)、6.7-6.8(8H)、6.91(8H)、6.95(8H)、7.01(8H)、7.05(4H)、7.29(2H)、7.46(4H)。
Figure 2022027575000043
[合成実施例3]化合物(A-10)の合成
反応容器に3,6-ジブロモカルバゾール(5.0g、TCI社製)、1-クロロ-4-フルオロベンゼン(7.83g、TCI社製)、炭酸セシウム(19.5g、関東化学社製)、DMF(15mL)を投入した。アルゴン雰囲気下、130℃で38時間撹拌した。反応終了後、反応液を飽和食塩水(250mL)の入ったビーカーに注加した。これをろ過し、ろ物を水(50mL)、メタノール(10mL)で洗浄した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(23)で表される化合物を白色粉末(収量:6.04g、収率:92%)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d):δ(ppm)=7.34(2H)、7.60(2H)、7.69(2H)、7.74(2H)、8.60(2H)。
Figure 2022027575000044
反応容器に上記式(23)で表される化合物(5.0g)、4,4’-ジメトキシジフェニルアミン(5.27g、TCI社製)、酢酸パラジウム(0.11g、関東化学社製)、ナトリウム-t-ブトキシド(5.19g関東化学社製)、トリ-t-ブチルホスフィン(33%キシレン溶液)(0.67g、関東化学社製)、トルエン(30mL)を投入し、アルゴン雰囲気下、減圧脱気を行った。4時間加熱還流し、反応終了後、反応液をセライトろ過した。残渣をトルエン(30mL)で洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン→トルエン/アセトン=100/1(体積比))にて精製し、下記式(24)で表される化合物を黄色粉末(収量:3.10g、収率:39%)として得た。
反応容器に下記式(24)で表される化合物(3.10g)、ビスピナコレートジボロン (2.13g、TCI社製、酢酸カリウム(2.06g、関東化学社製)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(0.343g、関東化学社製)、1,4-ジオキサン(27mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で減圧脱気した。37時間加熱還流し、反応終了後、40℃以下まで冷却し、セライトろ過した。ろ液を濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/アセトン=200/1(体積比))にて精製した。再度、シリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(25)で表される化合物を黄色粉末(収量:2.56g、収率:74%)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d):δ(ppm)=1.33(12H)、3.69(12H)6.80-6.89(16H)、7.07(2H)、7.35(2H)、7.63(2H)、7.71(2H)、7.93(2H)。
Figure 2022027575000045
反応容器に上記式(18)の化合物(0.43g)、上記式(25)の化合物(2.56g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.44g、関東化学社製)、トルエン(7mL)、エタノール(2mL)、水(2mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、7時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(20mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20mL)で2回抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/アセトン=100/1(体積比))にて精製し、下記式(A-10)で表される化合物を黒青色粉末(収量:1.65g、収率:84%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.68(24H)6.72(16H)、6.91(16H)、7.08(4H)、7.31(4H)、7.53(2H)、7.63-7.66(8H)、7.90(4H)。
Figure 2022027575000046
[合成実施例4]化合物(A-12)の合成
反応容器に上記式(18)の化合物(0.43g)、下記式(26)の化合物(2.04g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.44g、関東化学社製)、トルエン(7mL)、エタノール(2mL)、水(2mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、7時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(20mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20mL)で2回抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン)、シリカゲルカラム(トルエン:ヘキサン=2/1(体積比))にて精製し、下記式(A-12)で表される化合物を黒紫色粉末(収量:1.42g、収率:86%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=6.84(8H)、7.00(16H)、7.13(16H)、7.19(4H)、7.39(4H)、7.55(2H)、7.68(4H)、7.86(4H)、7.93(4H)。
Figure 2022027575000047
[合成実施例5]化合物(A-13)の合成
反応容器に上記式(18)の化合物(0.43g)、下記式(27)の化合物(2.52g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.44g、関東化学社製)、トルエン(7mL)、エタノール(2mL)、水(2mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、7時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(20mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20mL)で2回抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=50/1(体積比))にて精製し、下記式(A-13)で表される化合物を黒色粉末(収量:1.52g、収率:75%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.67(24H)6.65(16H)、6.84(16H)、6.96(4H)、7.11(4H)、7.35(2H)、7.55-7.58(8H)、7.80(4H)。
Figure 2022027575000048
[合成実施例6]化合物(A-14)の合成
反応容器に上記式(10)の化合物(0.43g)、下記式(28)の化合物(2.48g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.44g、関東化学社製)、トルエン(7mL)、エタノール(2mL)、水(2mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、7時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(20mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20mL)で2回抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=50/1(体積比))にて精製し、下記式(A-14)で表される化合物を黒色粉末(収量:1.52g、収率:77%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.68(24H)6.68(16H)、6.88(16H)、7.00(4H)、7.15(4H)、7.39(2H)、7.60-7.63(8H)、7.85(4H)。
Figure 2022027575000049
[合成実施例7]化合物(A-25)の合成
反応容器に下記式(29)の化合物(0.32g)、[4-[ビス(4-メトキシフェニル)アミノ]フェニル]ボロン酸(0.49g、TCI社製)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.22g、関東化学社製)、トルエン(4mL)、エタノール(1.3mL)、水(1.3mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、6時間加熱還流下で撹拌した。反応終了後、反応液を水(100mL)に投入した。そこにトルエン20mLを投入後、分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(A-25)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.40g、収率:69%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.73(12H)、6.81-6.88(12H)、7.02(8H)、7.13(2H)、7.16(4H)、7.38(4H)。
Figure 2022027575000050
[合成実施例8]化合物(A-26)の合成
反応容器に上記式(29)の化合物(0.32g)、下記式(30)の化合物(1.15g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.22g、関東化学社製)、トルエン(4mL)、エタノール(1.3mL)、水(1.3mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、6時間加熱還流下で撹拌した。反応終了後、反応液を水(100mL)に投入した。そこにトルエン(20mL)を投入後、分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=40/1(体積比))にて精製し、下記式(A-26)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.64g、収率:61%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.61(24H)、6.62-6.65(16H)、6.80-6.84(16H)、7.00(4H)、7.17(2H)、7.23(6H)、7.38(2H)、7.53-7.58(8H)、7.80(4H)。
Figure 2022027575000051
[合成実施例9]化合物(B-1)の合成
反応容器に前記化合物(A-1)(0.20g)、マロノニトリル(0.07g、TCI社製)、THF(30mL)を投入した。アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1(体積比))溶液を(1.6mL)投入した。加熱還流下で20時間撹拌した。反応終了後、水(50mL)の入ったビーカーに反応液を投入した。これを分液し、有機層を水(50mL)で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(B-1)で表される化合物を黒紫色粉末(収量:0.17g、収率:81%)として得た。
Figure 2022027575000052
[合成実施例10]化合物(B-13)の合成
反応容器に上記式(18)の化合物(0.88g)、4-(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(1.73g、シグマアルドリッチ社製)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.90g、関東化学社製)、トルエン(13mL)、エタノール(4.5mL)、水(4.5mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、13時間加熱還流した。反応終了後、エタノール(50mL)の入ったビーカーに反応液を投入した。これをろ過し、水(50mL)で2回、エタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン→クロロホルム)にて精製した。その後、結晶をトルエンにて分散洗浄し、下記式(31)で表される化合物を黒青色粉末(収量:1.14g、収率:67%)として得た。
1H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=7.01(8H)、7.06(8H)、7.23(8H)、7.25(2H)、7.47(4H)。
Figure 2022027575000053
反応容器に上記式(31)の化合物(0.60g)、マロノニトリル(0.23g、TCI社製)、THF(50mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1)溶液を(5.6mL)投入した。加熱還流下で32時間撹拌した。反応終了後、水(300mL)の入ったビーカーに反応液を投入した。これをろ過し、水(20mL)、メタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物をアセトンで分散洗浄し、再結晶(クロロホルム)し、下記式(B-13)で表される化合物を黒色粉末(収量:0.44g、収率:69%)として得た。
1H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=7.01(8H)、7.06(8H)、7.23(8H)、7.45(4H)、7.49(2H)。
Figure 2022027575000054
[合成実施例11]化合物(B-14)の合成
反応容器に上記式(A-8)の化合物(0.57g)、マロノニトリル(0.13g、TCI社製)、THF(15mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(体積比1:1)溶液を(3.6mL)投入した。加熱還流下で6時間撹拌した。反応終了後、水(30mL)、トルエン(20mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(30mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物をカラム(トルエン)にて精製し、下記式(B-14)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.493g、収率:83%)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d):δ(ppm)=3.72(12H)、3.73(6H)、6.7-6.8(8H)、6.89(8H)、6.92(8H)、7.00(8H)、7.05(4H)、7.23(2H)、7.33(4H)。
Figure 2022027575000055
[合成実施例12]化合物(B-15)の合成
反応容器に上記式(A-10)の化合物(0.56g)、マロノニトリル(0.09g、TCI社製)、THF(15mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1)溶液を(2.6mL)投入した。加熱還流下で16時間撹拌した。反応終了後、水(30mL)を投入した。これをろ過し、水(30mL)、メタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物を再結晶(クロロホルム/アセトン)し、下記式(B-14)で表される化合物を緑色粉末(収量:0.52g、収率:91%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.68(24H)6.72(16H)、6.91(16H)、7.08(4H)、7.3(4H)、7.66(8H)、7.76(2H)、7.90(4H)。
Figure 2022027575000056
[合成実施例13]化合物(B-16)の合成
反応容器に上記式(A-12)の化合物(0.60g)、マロノニトリル(0.12g、TCI社製)、THF(19mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1)溶液を(3.2mL)投入した。加熱還流下で54時間撹拌した。反応終了後、反応液を水(200mL)に注加した。これをろ過し、水(30mL)、メタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物をトルエンで洗浄後、再結晶(クロロホルム/アセトン)し、下記式(B-16)で表される化合物を緑色粉末(収量:0.30g、収率:48%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=6.84(8H)、7.00(16H)、7.13(16H)、7.19(4H)、7.39(4H)、7.55(2H)、7.68(4H)、7.86(4H)、7.93(4H)。
Figure 2022027575000057
[合成実施例14]化合物(B-17)の合成
反応容器に上記式(A-13)の化合物(0.56g)、マロノニトリル(0.09g、TCI社製)、THF(15mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1)溶液を(2.6mL)投入した。加熱還流下で16時間撹拌した。反応終了後、水(30mL)を投入した。これをろ過し、水(30mL)、メタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物を再結晶(クロロホルム/アセトン)し、下記式(B-17)で表される化合物を緑色粉末(収量:0.51g、収率:88%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.67(24H)6.65(16H)、6.84(16H)、6.96(4H)、7.11(4H)、7.57(8H)、7.59(2H)、7.80(4H)。
Figure 2022027575000058
[合成実施例15]化合物(B-18)の合成
反応容器に上記式(A-13)の化合物(0.55g)、マロノニトリル(0.09g、TCI社製)、THF(15mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸-ピリジン(1:1)溶液を(2.6mL)投入した。加熱還流下で16時間撹拌した。反応終了後、水(30mL)を投入した。これをろ過し、水(30mL)、メタノール(20mL)で洗浄した。粗生成物を再結晶(クロロホルム/アセトン)し、下記式(B-18)で表される化合物を緑色粉末(収量:0.51g、収率:90%)として得た。
1H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.68(24H)6.68(16H)、6.88(16H)、7.00(4H)、7.15(4H)、7.62(8H)、7.64(2H)、7.85(4H)。
Figure 2022027575000059
[合成実施例16]化合物(B-19)の合成
反応容器に下記式(32)の化合物(1.33g)、[4-[ビス(4-メトキシフェニル)アミノ]フェニル]ボロン酸(2.10g、TCI社製)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12g、関東化学社製)、炭酸カリウム(0.90 g、関東化学社製)、トルエン(13mL)、エタノール(4.5mL)、水(4.5mL)を投入し、減圧下、脱気を行った。アルゴン雰囲気下、6時間加熱還流した。反応終了後、トルエン(10mL)、水(10mL)を投入した。これを分液し、水層をトルエン(20 mL)で2回抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(B-19)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:2.11g、収率:86%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=1.32(6H)、3.81(12H)、4.59(4H)、6.84(8H)、6.90(4H)、7.08(8H)、7.33(4H)7.69(2H)。
Figure 2022027575000060
[合成実施例17]化合物(B-20)の合成
反応容器に上記式(A-1)の化合物(0.6g)、マロン酸ジエチル(0.37g、TCI社製)、THF(14mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。氷浴で5℃以下まで冷却し、四塩化炭素(0.9mL、純正化学社製)、四塩化チタン(0.5mL、和光純薬社製)、THF(8mL)を投入した。5 ℃以下まで再度、冷却し、ピリジン(1mL)、THF(1mL)を投入した。その後、室温まで昇温し、室温で17時間撹拌した。反応終了後、50mLの水が入ったビーカーに反応液を注加し、そこにトルエン(30mL)を投入した。これを分液し、有機層を10%炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。クルードをシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(B-20)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.56g、収率:79%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=1.38(6H)、3.81(12H)、4.40(4H)、6.84(8H)、6.90(4H)、7.07(8H)、7.31(4H)、7.36(2H)。
Figure 2022027575000061
[合成実施例18]化合物(B-21)の合成
反応容器に上記式(A-1)の化合物(0.6g)、シアノ酢酸メチル(0.23g、TCI社製)、THF(14mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。氷浴で5℃以下まで冷却し、四塩化炭素(0.9mL、純正化学社製)、四塩化チタン(0.5mL、和光純薬製)、THF(8mL)を投入した。5℃以下まで再度、冷却し、ピリジン(1mL)、THF(1mL)を投入した。その後、室温まで昇温し、室温で18時間、60℃で14時間撹拌した。反応終了後、(50mL)の水が入ったビーカーに反応液を注加し、そこにトルエン(30mL)を投入した。これを分液し、有機層を10%炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。クルードをシリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、下記式(B-21)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.51g、収率:77%)として得た。
H-NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)=3.81(12H)、3.95(3H)、6.84(8H)、6.90(4H)、7.07(8H)、7.34(4H)、7.68(1H)、7.82(1H)。
Figure 2022027575000062
[合成実施例19]化合物(B-22)の合成
反応容器に上記式(A-25)(0.35g)、マロン酸ジエチル(0.27mL、TCI社製)、THF(11mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこにピリジン(0.48mL、ナカライテスク社製)を投入した。その後、四塩化チタン(0.24mL、和光純薬社製)を投入した。室温で9時間撹拌した。反応終了後、反応液を水(150mL)の入ったビーカーに投入した。これをろ過し、水(30mL)、メタノール(20mL)で洗浄し、乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=50/1(体積比))にて精製し下記式(B-22)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.32g、収率:82%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=1.35(6H)、3.73(12H)、4.39(4H)、6.81-6.88(12H)、7.02(8H)、7.12(2H)、7.15(2H)、7.39-7.42(6H)。
Figure 2022027575000063
[合成実施例20]化合物(B-23)の合成
反応容器に上記式(A-26)の化合物(0.32g)、マロノニトリル(0.05g、TCI社製)、THF(8mL)を投入し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。そこに酢酸、ピリジン混合液(体積比=1:1)(1.4mL)を投入し、20時間加熱還流した。反応終了後、(150mL)の水が入ったビーカーに反応液を注加した。これをろ過し、水(20mL)メタノール(20mL)で洗浄後、乾燥した。クルードをシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=40/1(体積比))にて精製し、下記式(B-23)で表される化合物を黒緑色粉末(収量:0.26g、収率:81%)として得た。
H-NMR(400MHz、THF-d):δ(ppm)=3.67(24H)、6.69-6.71(16H)、6.88-6.90(16H)、7.07(4H)、7.28-7.31(6H)、7.47(4H)、7.61(4H)、7.64(4H)、7.89(4H)。
Figure 2022027575000064
[実施例1]
〈電子輸送層の製膜〉
酸化スズのコロイド分散水溶液(Alfa Aesar社製、1.75wt%)に超純水を加えて1/10に希釈することで電子輸送層用塗布液を調製した。
導電性支持体としてITO基板を用い、これを体積濃度2%のアルカリ洗浄剤を加えた水溶液で超音波洗浄し、続けて基板を水で洗浄した後、エタノール中で超音波洗浄した。続けてITO基板に10分間のUVオゾン処理を行った。このITO基板上に、前記の電子輸送層用塗布液を滴下し、スピン塗布機を用いて5000rpmで30秒間回転塗布し、形成した薄膜をホットプレート上で150℃、40分間加熱した。
作製した光電変換素子において、ITO基板上に形成した酸化スズからなる電子輸送層は、厚さがおよそ20nmの多孔質性のSnOの膜であった。また、電子輸送層の結晶性を、X線回折法によって調べた結果、SnOの表面には、結晶構造を持たない非結晶性(アモルファス)のスズ酸化物(SnOx)の薄膜が一部形成されていた。
〈光電変換層(ペロブスカイト層)の製膜〉
ヨウ化鉛(1.2M、PbI)、ホムアミドヨウ化物(1M、FAI)、メチルアンモニウム臭化物(0.2M、MABr)、とヨウ化セシウム(0.06M、CsI)をバイアル瓶に秤量し、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルスルホキシド(DMSO)の4:1(体積比)の溶媒に溶解した。この溶液を室温で1時間撹拌することで1.0mol/Lのペロブスカイト前駆体溶液を調製した。ペロブスカイト前駆体溶液を更に30分撹拌の後、穴径0.45μmのPTFEフィルターを通すことでろ過し光電変換層用塗布液を得た。
相対湿度20%の大気中で、光電変換層用塗布液を、電子輸送層を製膜したITO基板に滴下し、1000rpmで10秒、3000rpmで30秒、スピンコート法により塗布した。続けて薄膜を大気中で10分間保管したのち、ホットプレートで180℃、10分間加熱することで、FA0.83MA0.17Pb(I0.9Br0.05の組成で示される混合カチオン(FA、MA)と混合ハロゲン(I、Br)からなる光電変換層(ペロブスカイト層)を形成した。FAはホルムアミド、MAはメチルアンモニウムの略である。光電変換層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べたところ約450~600nmであった。
〈中間層の製膜〉
2-フェニルエチルアンモニウムブロミド(PEABr)4mgを2-プロパノール(1mL)に溶かし50℃で2時間撹拌した。光電変換層(ペロブスカイト層)の上に、5000rpm、30秒の条件でPEABr溶液をスピンコート法により塗布した。溶媒除去のため0.05kPaの減圧の雰囲気で塗布膜を10分間放置した。
〈正孔輸送層の製膜〉
化合物(A-10)は16mgをバイアル瓶に秤量し、0.5mLの脱水クロロベンゼンを加え60分間超音波をかけ溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li-TFSI、340mg/1mL アセトニトリル溶液)9.1μLと4-tert-ブチルピリジン(tBP)9.8μLを加え、穴径0.45μmのPTFEフィルターを通すことでろ過し、正孔輸送層用塗布液を調製した。
中間層(PEABrの膜)の上に、正孔輸送層用塗布液を3000rpmで30秒間、スピンコート法により塗布し、正孔輸送層を形成し、ホットプレートを用いて110℃で1時間加熱乾燥した。正孔輸送層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べたところ、約100nmであった。
製膜した素子の正孔輸送層上に、抵抗加熱型真空蒸着法により金を蒸着させ、厚さが約100nmの金属からなる対極を形成した後、素子の周辺にUV硬化性エポキシ樹脂を、ディスペンサを用いて塗布し、UV光を照射することで、素子を樹脂によって封止を行った。
〈光電変換素子の評価〉
得られた光電変換素子に、エアマス(AM)1.5G、放射照度100mW/cmのソーラシミュレータによる疑似太陽光を照射して、負電極(ITO)と正電極との間における電流-電圧特性を測定した。測定にはソースメーター(ケイスレー社製,2400型)を用い、測定結果から、短絡光電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、そして光電変換効率(PCE)(%)を算出した。光電変換素子を作製した直後の測定結果に基づいて算出されたこれらの値を表1に示す。
[実施例2]
中間層を使用しなかった以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作成した。光電変換素子を作製した直後の測定結果に基づいて算出された値を表1に示す。
[実施例3]
化合物(A-1)16mgをバイアル瓶に秤量し、1mLの脱水クロロベンゼンを加え60分間超音波をかけ溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI、340mg/1mL アセトニトリル溶液)9.1μLと4-tert-ブチルピリジン(tBP)9.8μLを加え、穴径0.45μmのPTFEフィルターを通すことでろ過し、化合物(A-1)溶液を調製した。化合物(B-1)17mgをバイアル瓶に秤量し、0.5mLの脱水クロロベンゼンを加え60分間超音波をかけ溶解させ、化合物(A-1)と同様にLi-TFSI溶液とtBPを加え、PTFEフィルターでろ過することで化合物(B-1)溶液を得た。化合物(A-1)溶液と化合物(B-1)溶液とを、体積比1:3で混合することで混合正孔輸送層塗布液を得た。この際、化合物(A-1)と化合物(B-1)のモル比は1:6となる。この混合正孔輸送層用塗布液を使用する以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作成した。光電変換素子を作製した直後の測定結果に基づいて算出された値を表1に示す。
[実施例4]
化合物(A-1)と化合物(B-1)の混合比が、モル比で1:8となるように調整した以外は実施例2と同様の方法で混合正孔輸送層用塗布液を調整し、この混合正孔輸送層用塗布液を使用する以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作成した。光電変換素子を作製した直後の測定結果に基づいて算出された値を表1に示す。また、素子作製直後を0時間とし、6時間後、24時間後の時間による光電変換効率の変化を追跡した結果を表2に示す。
[実施例5]
化合物(A-1)と化合物(B-1)の混合比が、モル比で1:10となるように調整した以外は実施例2と同様の方法で混合正孔輸送層用塗布液を調整し、この混合正孔輸送層用塗布液を使用する以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作成した。光電変換素子を作製した直後の測定結果に基づいて算出された値を表1に示す。
[比較例1]
正孔輸送材料として市販の正孔輸送用化合物であり、ペロブスカイト太陽電池に最も広く使用さられている下記式(C-1)で表されるSpiro-OMeTAD(36.15mg)を用いた以外は実施例1と同様に光電変換素子を作成した。作成後24時間経過後に測定結果に基づいて算出された値を表1に示す。また、素子作製直後を0時間とし、6時間後、24時間後の時間による光電変換効率の変化を追跡した結果を表2に示す。
Figure 2022027575000065
Figure 2022027575000066
表1の結果から、本発明の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた素子が、市販の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた素子と比較しても高い変換効率を与えることがわかる。
一般式(1)で表される化合物は、単独で用いても十分な光電変換効率を示し、さらに一般式(3)で表される化合物と混合することにより、開放電圧が高い傾向にある一般式(1)の化合物の利点を維持しつつ比較例より高い光電変換効率を示すことがわかる。
Figure 2022027575000067
表2の結果から、本発明の光電変換素子用正孔輸送材料を使用した素子は、市販の光電変換素子用正孔輸送材料を使用した場合と比較して素子効率を安定化させるための保持時間(素子効率が安定するまでの時間)を必要とせず、素子作成直後に高効率となる点において、工業生産上優位であることがわかる。比較例に使用した市販の光電変換素子用正孔輸送材料は、素子効率が安定するまでに時間を要することが言われている。その要因は、市販材料が、光電変換素子用正孔輸送材料として機能する酸化体に、比較的酸化されにくいためと推測される。本発明の化合物は、酸化体への酸化が容易なため、素子作製後すぐに、素子効率が安定するものと考えられる。
[実施例6]
ヨウ化鉛(II)と臭化セシウムをモル比1:1でバイアル瓶に秤量し、溶媒としてDMFとDMSOを体積比6:4の割合で加え、室温で1時間撹拌することで1.0mol/Lの全組成が無機の元素からなるペロブスカイト前駆体溶液を用いて、光電変換層用塗布液を調製し、CsPbIBrからなる光電変換層(ペロブスカイト層)を形成した以外は、実施例1と同様に化合物(A-1)と化合物(B-1)を混合(体積比1:4,モル比は1:8)して溶解した溶液を混合し正孔輸送層用塗布液を調製し、用いた正孔輸送層である光電変換素子を作製し、測定を行った結果を表3に示す。
[比較例2]
正孔輸送材料としてSpiro-OMeTADを用いた以外は実施例6と同様に光電変換素子を作成し、測定を行った結果を表3に示す。
Figure 2022027575000068
表2の結果から、本発明の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた素子が、市販の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた素子に比べて、開放電圧が高い点において優位であり、十分な光電変換効率を与えることがわかる。
本発明による光電変換素子用正孔輸送材料を用いることにより、高効率光電変換素子ならびにペロブスカイト型太陽電池に有用であり、太陽光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換できる太陽電池として、クリーンエネルギーを提供することができる。
1 導電性支持体(電極)
2 電子輸送層
3 光電変換層
4 中間層
5 正孔輸送層
6 対極

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であり、一般式(1)中のXおよびXがそれぞれ独立して下記一般式(2)で表される化合物。
    Figure 2022027575000069
    [式中、R~R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
    または、置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
    ~R20は、少なくとも1個のハロゲン原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
    または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
    を有するものとする。
    ~R、R~R10、R11~R15、R16~R20は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよく、RとRおよびR15とR16は互いに結合して環を形成していてもよい。]
    Figure 2022027575000070
    [式中、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
    または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
    21とR22、R23とR24およびR25とR26は互いに結合して環を形成していてもよい。
    は酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、mおよびnはそれぞれ0~2の整数を表す。ただし、mおよびnのいずれか一方が1または2である。]
  2. 前記一般式(2)のmが1である、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の化合物を含有する光電変換素子用正孔輸送材料。
  4. 下記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする、請求項3に記載の光電変換素子用正孔輸送材料。
    Figure 2022027575000071
    [式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、
    ニトリル基、
    炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアシル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
    または、置換基を有していてもよい炭素原子数1~18の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルホニル基を表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
    29~R32はそれぞれ独立して、
    置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
    または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表す。
    29とR30、R31とR32は互いに結合して環を形成していてもよい。]
  5. 前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)~(6)で表されることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子用正孔輸送材料。
    Figure 2022027575000072
    [式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
    33~R52はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、トリメチルシリル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数2~20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルキル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアシル基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~18のチオ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアミノ基、
    置換基を有していてもよい炭素原子数6~36の芳香族炭化水素基、
    または置換基を有していてもよい環形成原子数5~36の複素環基を表し、
    33~R37、R38~R42、R43~R47、R48~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。]
    Figure 2022027575000073
    [式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
    33~R52はそれぞれ独立し、上記基と同様のものを表し、
    33~R36、R39~R42、R43~R46、R49~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。]
    Figure 2022027575000074
    [式中、R27およびR28はそれぞれ独立して、前記と同様のものを表し、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびXはそれぞれ独立して、前記一般式(2)で表され、
    33~R52はそれぞれ独立し、上記基と同様のものを表し、
    33~R36、R39~R42、R43~R46、R49~R52は隣り合う基同士で互いに結合して環を形成していてもよい。
    およびZは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。]
  6. 前記一般式(3)で表される化合物の含有量が3~96質量%であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光電変換素子用正孔輸送材料。
  7. 一般式(3)で表される化合物の含有量が50~94質量%であることを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の光電変換素子用正孔輸送材料。
  8. 請求項3~請求項7のいずれか一項に記載の光電変換素子用正孔輸送材料を用いた光電変換素子。
  9. 請求項8に記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
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