JP2022027511A - 車両用ワイパーブレード - Google Patents

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【課題】優れた払拭性を発揮し得る、車両用のワイパーブレードを提供すること。【解決手段】リップ部の一部分を当接させて被清掃部材の表面を清掃する車両用のワイパーブレードであって、リップ部のポリウレタンはジイソシアネート及び3官能以上の多官能イソシアネートを含むイソシアネート化合物並びに3官能以上の多官能アルコールを含むアルコールを含む組成物の反応物を含み、ジイソシアネートは分子中に芳香環を有し、全てのイオンの検出量をM1、3官能以上の多官能イソシアネートをM2、ジイソシアネートをM3としたときに、M2/M1が0.001~0.028であり、M3/M1が0.020~0.110であり、M2/M3が0.013~0.300であり、ポリウレタン中の3官能以上の多官能アルコールの濃度が0.12mmol/g~0.65mmol/gである。【選択図】図1

Description

本開示は被清掃部材の表面を払拭する車両用ワイパーブレードに関する。
車両用ワイパーブレードには天然ゴムやクロロプレンゴムなどが用いられている。これらのゴムは不飽和結合を有しているため、劣化しやすい。従来技術の一つとして、特許文献1では、不飽和結合を有しない材料として、ポリウレタンを用いることが提案されている。
特開2004-51894号公報
近年、良好な視野確保のため、ガラス面に対する撥水処理やワックス塗布といった処理を施す場合が多くなっている。このことにより、部分的な払拭性は高まるもののガラス面と当接ムラが発生し、ビビリが発生する場合がある。当接ムラによって発生する異音は操縦者に不快感を与え、またビビリ自体が払拭性の低下をまねくおそれがある。本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているが如きポリウレタン製のワイパーブレードは、ウィンドシールドに付着した雨滴などの付着物の払拭性において未だ改善の余地がある。本開示の一態様は優れた払拭性を発揮し得る、車両用のワイパーブレードの提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、
ブレード支持部と、
該ブレード支持部にネックを介して揺動可能に連結されてなるリップ部と、を具備し、
被清掃部材の表面に該リップ部の一部分を当接させて、該被清掃部材の表面を清掃する車両用のワイパーブレードであって、
該リップ部がポリウレタンを含有し、
該ポリウレタンは、ジイソシアネート及び3官能以上の多官能イソシアネートを含むイソシアネート化合物、並びに、3官能以上の多官能アルコールを含むアルコールを含む組成物の反応物を含み、
該ジイソシアネートは、分子中に芳香環を有し、
該ポリウレタンを、イオン化室内で試料を加熱気化させ、試料分子をイオン化する直接試料導入方式の質量分析計を用いて、昇温速度10℃/sで、1000℃まで加熱したときに得られる、
全てのイオンの検出量をM1とし、
3官能以上の多官能イソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM2とし、
ジイソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM3としたときに、
M2/M1が0.001~0.028であり、
M3/M1が0.020~0.110であり、
M2/M3が0.013~0.300であり、
該ポリウレタン中の、3官能以上の多官能アルコールの濃度が、0.12mmol/g
~0.65mmol/gである車両用のワイパーブレードが提供される。
本開示の一態様によれば優れた払拭性を発揮し得る、車両用のワイパーブレードを提供することができる。
ワイパーブレードの概略図の一例。 図2(a)及び(b)はワイパーブレードの清掃過程での状態を示す説明図。 第1のエッジ近傍の拡大図。 第1の線分近傍の拡大図。 図5(a)、(b)は、実施例1および比較例1の2値化像。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本発明者らは、従来のポリウレタン製ワイパーブレードは、ポリウレタン中のハードセグメント部分とソフトセグメント部分とで被清掃面への力の伝わり方が異なることにより、例えば、スジ状の拭き残しが発生しているものと考察した。
かかる考察に基づき、更なる検討の結果、払拭性のより一層の向上を図るうえで、ワイパーブレードの弾性部が、特定のポリウレタンを含有することが有効であるとの知見を得た。当該特定のポリウレタンによれば、ハードセグメントの凝集が抑えられる結果、被清掃面への力の伝達が、ワイパーブレードの長手(幅)方向で均一となり、スジ状の拭き残しの発生が有効に抑制できるものと考えられる。
<車両用のワイパーブレードの構成>
本開示に係る車両用のワイパーブレード(以下単に、ワイパーブレードともいう)は、自動車に代表されるような車両、飛行機、船舶などの輸送機器、建設機械などの産業機械機器といった機器に使用することができる。
該ワイパーブレードは、図1に示すように、ブレード支持部1と、該ブレード支持部にネック2を介して揺動可能に連結されてなるリップ部3とを具備する。該ワイパーブレードは、長手方向に略一様な断面形状に形成されている。
該リップ部3の形状は特に限定されないが、例えば、ワイパーブレードの長手方向に直交する方向の断面が、該ブレード支持部1に近い側から該ブレード支持部1から離れる方向に向かう幅が漸減する形状としてもよい。
ワイパーブレードは、ガラス面に代表される被清掃部材の表面に、該リップ部の一部分を当接させて、該被清掃部材の表面を清掃する。
例えば、ワイパーブレードの長手方向に直交する方向の断面において、ネック2はブレード支持部1やリップ部3に対して幅が狭くなる態様とすることが挙げられる。
このことにより、図2に示すようにリップ部3は払拭方向に傾き被清掃部材の表面に対して接触する。
図2における図2(a)及び図2(b)は、ワイパーブレードの清掃過程での状態を示す説明図である。
Rはワイパーブレードの清掃方向を示す。清掃方向により、被清掃部材と接触する面が切り替わることを示している。
例えば、図2(a)では、ネック2の働きにより、ワイパーブレードのリップ部3は、
紙面右側に傾き、リップ部3の紙面右側が被清掃部材10と当接する。
一方、図2(b)では、ネック2の働きにより、ワイパーブレードのリップ部3は、紙面左側に傾き、リップ部3の紙面左側が被清掃部材10と当接する。
このように、図2(a)の矢印Rの方向への清掃から図2(b)の矢印Rの方向への清掃に切り替わることで、被清掃部材と当接する面が、リップ部3の紙面右側から紙面左側に切り替わる。
上述のように、従来のポリウレタン製ワイパーブレードは、ポリウレタン中のハードセグメントとソフトセグメントとで被清掃部材への力の伝わり方に差が生じることにより、スジ状の拭き取り残しが発生すると考えた。
この原因を以下のように推察した。従来のワイパーブレードに用いられているポリウレタンは、ハードセグメントの凝集が進み、ハードセグメントが塊状に集合していると考えられる。その結果、ミクロな高分子レベルでは、ハードセグメントとソフトセグメント間の硬さの違いが顕著に現れる状態、すなわち、硬度ムラのある状態になっていると思われる。
この状態で、ワイパーブレードを被清掃部材に当接させると、接触力の強い部分と弱い部分が不規則に現れ、清掃の過程(払拭作業)において、スジ状の拭き取り残しが発生すると考えられる。
したがって、ポリウレタン中のハードセグメントを、微細かつ均一に分散させることで上記硬度ムラが解消すると考えた。該考察から出発し、ポリウレタンの組成を特定条件とすることにより、ポリウレタン中のハードセグメントを、微細かつ均一に分散させることが可能となり、被清掃部材の払拭性をより一層向上させることができた。
本開示のリップ部はポリウレタンを含有し、
該ポリウレタンは、ジイソシアネート及び3官能以上の多官能イソシアネートを含むイソシアネート化合物、並びに、3官能以上の多官能アルコールを含むアルコールを含む組成物の反応物を含む。
また、該ジイソシアネートは、分子中に芳香環を有する。
また、該ポリウレタンを、イオン化室内で試料を加熱気化させ、試料分子をイオン化する直接試料導入方式の質量分析計を用いて、昇温速度10℃/s、1000℃まで加熱したときに得られる、
全てのイオンの検出量をM1とし、
3官能以上の多官能イソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM2とし、
ジイソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM3としたときに、
M2/M1が0.001~0.028であり、
M3/M1が0.020~0.110であり、
M2/M3が0.013~0.300であり、
該ポリウレタン中の、3官能以上の多官能アルコールの濃度が、0.12mmol/g~0.65mmol/gである。
以下、詳細に説明する。
ハードセグメントは、主にジイソシアネートがウレタン結合間での相互作用、又は芳香環同士の相互作用によって凝集してできたものである。ハードセグメントは、規則的に重なることができる状態の時、より大きくなりやすい。ゆえに、この規則性を乱すことによってハードセグメントの微細化を達成できる。
よって、上記のように、適切な濃度範囲で3官能以上の多官能イソシアネート、3官能以上の多官能アルコールを含んだ組成とすることで、立体障害により配向性が抑制され、ハードセグメントが凝集しにくくなるため、ハードセグメントが微細化され、均一に分散
される。
その結果、リップ部の長手方向の全域で、被清掃部材との当接部の接触力が均一化され、該接触部は被清掃部材の表面を均一に可動することができる。そのため、ワイパーブレードの長手方向の全域において、拭き取りムラのない優れた払拭性を発揮することができる。
該M2/M1が0.001以上であれば、ハードセグメントを形成するポリイソシアネートに、結晶性が低い、3官能以上の多官能イソシアネートに由来する構造が導入され、ハードセグメントの凝集を抑えることができ、ハードセグメントを微細かつ均一に分散させることができる。
該M2/M1が0.028以下であれば、低分子の多官能成分同士での凝集を抑えることができ、ハードセグメントの凝集を抑えることができる。また、0.015以下であれば、より高度に凝集を抑えることができる。
該M3/M1が0.020以上であれば、硬化反応において、高分子量化しやすく、耐摩耗性を向上させることができる。また、0.040以上であることが好ましい。
ジイソシアネートは、濃度が高いほどハードセグメントの凝集が進む傾向にあるため、M3/M1は0.110以下である。0.110以下とすることで、ハードセグメントの凝集をより抑制できる。また、0.100以下であることが好ましい。
M2/M3が0.013以上であれば、ジイソシアネートに対して、十分な3官能以上の多官能イソシアネートが存在するため、ジイソシアネートによる結晶化が抑制され、ハードセグメントの凝集を抑えることができる。
一方、M2/M3が0.300以下であれば、低分子多官能成分同士での凝集を抑えることができ、ハードセグメントの凝集を抑えることができる。また0.150以下であれば、より高度に凝集を抑えることができる。
また、
該M2/M1が0.001~0.015であり、
該M3/M1が0.040~0.100であり、
該M2/M3が0.013~0.150であり、
該ポリウレタン中の、3官能以上の多官能アルコールの濃度が、0.22mmol/g~0.39mmol/gであることが好ましい。
ポリウレタン中の3官能以上の多官能アルコールの濃度は下記式(1)により算出される。該3官能以上の多官能アルコールの濃度が上記範囲である場合、ハードセグメント凝集の抑制効果が高い。すなわち、ポリウレタン中の3官能以上の多官能アルコールの濃度は、0.12mmol/g~0.65mmol/gであり、0.22mmol/g~0.39mmol/gであることが好ましい。
式(1):3官能以上の多官能アルコールの濃度(mmol/g)=
〔3官能以上の多官能アルコール量(g)/3官能以上の多官能アルコール分子量×1000〕/〔ポリウレタン質量(g)〕
該ポリウレタンは、ポリウレタンエラストマーであることが好ましい。
ポリウレタンエラストマーは、主にポリオール、鎖延長剤、ポリイソシアネート、触媒、その他添加剤などの原料から得られる。
該ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合体である。ハードセグメントは、一般的に、ポリイソシアネートと短鎖ジオールを含む鎖延長剤から構成される。一方、ソフトセグメントは、一般的に、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの長鎖ポリオールとポリイソシアナートから構成される。
上記ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネートと3官能以上の多官能イソシアネートを併用する。
ジイソシアネートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート(1,5-NDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、カルボジイミド変性MDI。
ジイソシアネートは、分子中に芳香環を有したものを用いる。該芳香環を含むジイソシアネートを用いることで、良好な機械特性と高い反応性が得られる。
ジイソシアネートは、該芳香環にNCOが直接結合した構造であることが好ましい。これにより、ハードセグメントの凝集をより抑え、さらに微細に分散することができる。
3官能以上の多官能イソシアネートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリメリックMDI、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート(TTI)、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート(TPTI)、4-イソシアネートメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-4’-トリイソシアネート。
3官能以上の多官能イソシアネートが、ポリメリックMDI、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート及びトリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも一であることが好ましい。
3官能以上の多官能イソシアネートが、ポリメリックMDI及びトリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも一であることがより好ましい。該イソシアネートは、NCO間にメチレン基又はエーテルを持つため、ウレタン結合間の距離を適切に保つことができるため、ハードセグメントの凝集抑制のためにより好ましい。
該ポリメリックMDIは以下の化学式(1)及び化学式(1)’で示される。
化学式(1)’におけるnは、1以上4以下であることが好ましい。
化学式(1)は、化学式(1)’においてnが1の場合である。
Figure 2022027511000002
3官能以上の多官能アルコールによる分岐により、結晶化を抑制し、ハードセグメント
の凝集を抑えることができる。
一方、分岐が多くなりすぎると、3官能以上の多官能アルコール周辺のウレタン結合の密度が高くなり、ハードセグメントが凝集しやすくなる傾向にある。そのため、3官能以上の多官能アルコールの中でも、3官能アルコールを用いることが好ましい。
なかでも、水酸基の隣にメチレン基をもつことで、ウレタン結合間の距離を適切に保つことができる、下記式(a)又は(b)で表されるアルコールが好ましい。
3官能以上の多官能アルコールの具体例として、トリメチロールエタン(下記式(a)のRがCHのもの)、トリメチロールプロパン(TMP:下記式(a)のRがCのもの)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールを挙げることができる。
該3官能以上の多官能アルコールとしては、下記式(a)及び(b)で表されるアルコール、並びに、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも一であることが好ましい。
該3官能以上の多官能アルコールは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2022027511000003
該式(a)及び(b)中、R及びRは、それぞれ独立して、H、CH、又はCを表す。
上記ポリオールとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリエチレンアジペートポリエステルポリオール、ポリブチレンアジペートポリエステルポリオール、ポリヘキシレンアジペートポリエステルポリオール、(ポリエチレン/ポリプロピレン)アジペートポリエステルポリオール、(ポリエチレン/ポリブチレン)アジペートポリエステルポリオール、(ポリエチレン/ポリネオペンチレン)アジペートポリエステルポリオールなどのポリエステルポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトン系ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール;ポリカーボネートジオール。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリオールの中でも機械的特性に優れたポリウレタンエラストマーが得られることからアジペートを用いたポリエステルポリオールが好ましい。
特にポリブチレンアジペートポリエステルポリオールや、ポリヘキシレンアジペートポリエステルポリオールなど、炭素数が4以上のアルキレン基を有するものが好ましい。また、ポリブチレンアジペートポリエステルポリオールとポリヘキシレンアジペートポリエステルポリオールなど、該アルキレン基の炭素数が異なるポリオールを併用することが好ましい。これら異なる種類のポリオールを用いることで、ソフトセグメントの結晶化抑制も向上させることができ、ソフトセグメントが集まりにくくなり、その結果、ハードセグメントの分散性をより向上させることができる。
上記鎖延長剤としては、ポリウレタンエラストマー鎖を延長可能なジオールや、3官能以上の多官能アルコールを使用することができる。
ジオールとしては、例えば以下のものを挙げることができる。
エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)、1,6-ヘキサンジオール(1,6-HD)、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコール。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記触媒としては、一般的に用いられるポリウレタンエラストマー硬化用の触媒を使用することができ、例えば、三級アミン触媒が挙げられ、具体的には、以下のものを例示できる。ジメチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、N,N‘-ジメチルヘキサノールアミンの如きアミノアルコール;トリエチルアミンの如きトリアルキルアミン;N,N,N’N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミンの如きテトラアルキルジアミン;トリエチレンジアミン、ピペラジン系化合物、トリアジン系化合物。また、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムアルカリなどの金属の有機酸塩も用いることができる。
さらに、通常、ウレタン化に用いられる金属触媒、例えば、ジブチル錫ジラウレートも使用可能である。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
該リップ部を構成する原料には、必要に応じて、顔料、可塑剤、防水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
<ワイパーブレードの製造方法>
ワイパーブレードの製造方法は、特に限定されず、公知の方法の中から選択することができる。
例えば、ワイパーブレード用金型内に、例えば、ポリウレタンエラストマー原料組成物をキャビティに注入し、加熱して硬化させることにより、該リップ部を得ることができる。
また、リップ部の先端部において、切断し形状を形成してもよい。このようにすると、リップ部の被清掃部材との当接面の平滑度を高く成形することができる。
また、リップ部が互いに向き合うよう当接して形成されたタンデム形状の一対の成型体を作製し、長手方向に切断することによりワイパーブレードを作製してもよい。
<ワイパーアームも含めた全体としてプロセス>
本開示のワイパーブレードは、タンデム式、対向払拭式といった様々な形式のワイパー装置に使用することができる。
以下に製造例、実施例及び比較例によって本開示を説明するが、本開示はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において表示した以外の原材料は、試薬または工業薬品を用いた。なお、実施例及び比較例中の「部」は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
〔実施例1〕
下記表1の材料を混合し、温度80℃で3時間反応させて、NCO含量が10.6質量%のプレポリマーを調製した。
Figure 2022027511000004
下記表2に記載の材料を混合して硬化剤を調製した。
Figure 2022027511000005
上記のプレポリマーと上記の硬化剤とを混合してポリウレタンの原料組成物を調製した。この原料組成物を、車両用のワイパーブレードの成形用金型のキャビティ内に注入し、温度130℃で2分間硬化させた。その後、脱型して、ポリウレタン成形体を得た。なお、成形用金型のキャビティには、原料組成物の注入に先立って、離型剤Aを塗布した。離型剤Aは、下記表3に示す材料の混合物である。
Figure 2022027511000006
得られたポリウレタン成形体のリップ部先端側を切断して本実施例に係るワイパーブレードを得た。リップ部先端の厚みは0.6mm、長手方向の長さは450mmとした。こうして得たワイパーブレードを以下の評価に供した。
〔評価1:ハードセグメントの大きさの測定〕
ハードセグメントの大きさは、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:MFP-3D-Origin、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)を用いて、以下の方法で測定した。
サンプルの調製方法などは以下の通りである。
ここで、車両用のワイパーブレードのリップ部3は、図2(a)及び図2(b)のように、被清掃部材10と当接する、テーパー部4を構成する第1のテーパー面5及び第1のテーパー面5とは反対側の第2のテーパー面6と、該第1のテーパー面5及び該第2のテーパー面6と共に、該リップ部3の該ブレード支持部1から最も離れた側に第1のエッジ8及び第2のエッジ9を構成する先端面7と、を有する(第1のエッジ、第2のエッジ及び先端面については図1及び図3を参照)。
本発明者らは、清掃時の往復運動するワイパーブレードの挙動を観察した結果、清掃時の被清掃部材に対するワイパーブレードは、リップ部の有する第1のテーパー面及び第2のテーパー面において、第1のエッジ及び第2のエッジから各々10μm程度の位置を中心とする領域で、被清掃部材と接触していることが確認できた。
そこで、図3及び図4に示すように、得られたワイパーブレードの第1のテーパー面に第1のエッジと平行に、第1のエッジとの距離が10μmである、長さがL1の第1の線分11を引いたと仮定したときに、該第1の線分上の一端側から(1/8)L1、(1/2)L1、(7/8)L1の点を各々、P0、P1、P2を重心とする、一辺が該第1の線分に平行である2mm角の正方形の測定サンプルを3個切り出した。次いで、各測定サンプルから、クライオミクロトーム(UC-6(製品名)、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、P0、P1、P2を重心とし、一辺が第1の線分と平行な100μm角、厚みが1μmのポリウレタン薄片を-50℃で切り出した。こうして3個の測定サンプルを調製した。得られた測定サンプルの各々を、平滑なシリコンウエハ上に載せ、室温25℃湿度50%の環境下に24時間放置した。
次に測定サンプルを載せたシリコンウエハをSPMステージにセットし、SPMで観察した。なお、シリコン製のカンチレバー(商品名:OMCL-AC160、オリンパス社製、先端曲率半径:8nm)のバネ定数と比例定数は、あらかじめ本SPM装置搭載のサ
ーマルノイズ法において以下であることを確認した(バネ定数:30.22nN/nm、比例定数:82.59nm/V)。
また、あらかじめカンチレバーのチューニングを実施し、カンチレバーの共振周波数を求めた(285KHz(1次)および1.60MHz(高次))。
SPMの測定モードはAM-FMモード、カンチレバーの自由振幅は3V(1次)および25mV(高次)、セットポイント振幅は2V(1次)とし、1μm×1μmの正方形の視野において、スキャン速度は1Hz、スキャン点数は縦256および横256の条件でスキャンを行い、位相像(256階調のグレースケール)を3つ取得した。なお、視野は、各測定サンプルのP0、P1及びP2が視野の中央に存在し、かつ、一辺が第1の線分と平行となる位置を選択した。
得られた位相像の各々について、画像処理解析システム(商品名:Luzex-AP、ニレコ社製)を用いて2値化処理した。具体的には、該位相像を、該画像処理解析システムの2値化設定機能を用いて2値化した。なお、2値化設定機能における閾値は、85(256階調の85番目)に設定した。この操作により、ソフトセグメントが黒色で示され、ハードセグメントが白色で示された2値化像を得た。例として、図5(a)に実施例1の2値化像、図5(b)に比較例1の2値化像を示す。
得られた2値化像中のハードセグメントの大きさを、上記画像処理解析システムを用いて測定した。ハードセグメントの大きさは「円相当径」パラメータを用いて測定を行った。
また、第2のテーパー面についても、第1のテーパー面のときと同様にして3つの2値化像を作成し、各2値化像中のハードセグメントの大きさを測定した。こうして得られた合計6つの2値化像から測定されたすべてのハードセグメントの大きさの算術平均値を、本開示における、ハードセグメントの大きさとした。
〔評価2:M1、M2及びM3の測定〕
サンプルを、ガスクロマトグラフ(GC)を通さずにイオン源に直接導入する直接試料導入法(DI法)を用いてM1~M3の測定を行った。装置としては、イオントラップ型GC/MS(商品名:POLARIS Q、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を使用し、直接導入プローブとしては、ダイレクト・エクスポージャー・プローブ(DirectExposureProbe(DEP))を用いた。
評価1にて記載した第1のテーパー面及び該第2のテーパー面のP0、P1及びP2の各々において0.1μgをサンプルの各々を以下の方法にて測定した。すなわち、採取したサンプルを、プローブの先端に位置するフィラメントに固定し、イオン化チャンバーの中に直接挿入した。その後、一定の昇温速度(10℃/s)で室温から1000℃まで急速に加熱し、気化したガスを質量分析計により検出した。
全てのイオンの検出量M1は得られたトータルイオンカレントサーモグラムにおいて全ピークの積分強度を合計したものとし、3官能以上の多官能イソシアネートに由来するm/z値の抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度の合計をM2とし、ジイソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM3としたときに、該M1、該M2及び該M3の値を用いて、(M2/M1)、(M3/M1)及び(M2/M3)を算出した。そして、第1のテーパー面及び第2のテーパー面の該P0、P1及びP2の各々の試料から得られたすべての測定値の算術平均値を、本開示における、(M2/M1)、(M3/M1)及び(M2/M3)とした。
ここで、本実施例において、3官能以上の多官能イソシアネートとしてポリメリックMDIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られた抽出イオンサーモグラムにおいて、上記化学式(1)’で示される構造のn=1を示すm/z値が380.5~381.5の範囲、n=2を示すm/z値が511.5~512.5
の範囲、n=3を示すm/z値が642.5~643.5の範囲、及び、n=4を示すm/z値が773.5~774.5の範囲、の各位置にピークトップを有する、ポリメリックMDIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。そこで、本実施例においては、当該各ピークの積分強度の合計を(M2)とした。
また、後述する他の実施例において、3官能以上の多官能イソシアネートとして用いたTTIは、下記化学式(2)に示す構造を有する。そして、TTIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られた抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが366.5~367.5の範囲にピークトップを有する、TTIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。従って、当該実施例においては、当該ピークの積分強度をM2とした。
Figure 2022027511000007
同様に、後述する実施例において、3官能以上の多官能イソシアネートとして用いたTPTIは下記化学式(3)で示される構造を有する。そして、TPTIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られる抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが464.5~465.5の範囲にピークトップを有する、TPTIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。従って、当該実施例においては、当該ピークの積分強度をM2とした。
Figure 2022027511000008
一方、本実施例においてジイソシアネートとして用いた4,4’-MDIは、下記化学式(7)で示される構造を有する。4,4’-MDIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記した分析によって得られた抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが249.5~250.5の位置にピークトップを有する、4,4’-MDIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。そこで、当該ピークの積分強度をM3とした。
Figure 2022027511000009
他の実施例において、ジイソシアネートとして用いたトルエンジイソシアネート(TDI)は、下記化学式(4a)及び(4b)に示す構造を有する。TDIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られた抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが173.5~174.5の範囲にピークトップを有する、TDIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。従って、当該ピークの積分強度をM3とした。
Figure 2022027511000010
ジイソシアネートであるm-キシリレンジイソシアネート(XDI)は下記化学式(5)に示す構造を有する。XDIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られた抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが187.5~188.5の範囲にピークトップを有する、XDIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。従って、当該ピークの積分値をM3とした。
Figure 2022027511000011
さらに、ジイソシアネートである1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)は化学式(6)に示す構造を有する。NDIを用いて合成されたポリウレタンからなる弾性部は、上記の分析によって得られる抽出イオンサーモグラムにおいて、m/zが209.5~210.5の範囲にピークトップを有する、NDIの陽イオン化物に由来するピークが検出された。従って、当該ピークの積分強度をM3とした。
Figure 2022027511000012
〔評価3:多官能アルコール種、濃度の測定〕
熱分解GC/MS(ガスクロマトグラフィー及び質量分析法)により、多官能アルコールの検出を行った。測定条件を以下に示す。
サンプリング位置:該第1のテーパー面及び該第2のテーパー面の該P0、P1及びP2の各々においてサンプリングした試料を下記方法にて測定した。
装置:
・熱分解装置:商品名:EGA/PY-3030D、フロンティアラボ社製
・ガスクロマトグラフィー装置:TRACE1310ガスクロマトグラフ、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製
・質量分析装置:ISQLT、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製
・熱分解温度:500℃
・GCカラム:内径0.25mm×30m ステンレスキャピラリーカラム
固定相 5%フェニルポリジメチルシロキサン
・昇温条件:50℃3分保持し、8℃/分で300℃まで昇温
・MS条件:質量数範囲 m/z10~650
・スキャン速度 1秒/スキャン
多官能アルコール種はGC/MSで定性した。定性した多官能アルコール種の既知濃度のGC分析での検量線を作成し、GCピーク面積比から定量を行った。そして、第1のテーパー面及び第2のテーパー面のそれぞれの該P0、P1及びP2の各々の試料から得られたすべての測定値の算術平均値を、本開示における、多官能アルコールの濃度とした。
<評価4:払拭性能の評価>
日本産業規格(JIS)D5710:1998(自動車部品-ワイパーアーム及びワイパーブレード)に記載されている払拭性能試験の試験装置を用い、ワイパーブレードの払拭性の評価を行った。この試験では、ワイパーブレードを取り付け、被清掃部材であるガラス面に水を霧状に散布した後、ワイパーブレードを1往復させた後のガラス面上の水の拭き取りの状況を目視で確認し、下記の基準で評価した。
〔払拭条件〕
ワイパーブレードに加える荷重:10N/m
ワイパーブレードの払拭往復速度:50回/分
〔評価基準〕
・ランクA:ヘアライン(幅が0.5mm以下のごく細い筋状の拭き残し)が1本以下、かつ、ヘビアライン(幅1mm以下の細い筋状の拭き残し)、ワイドライン(幅1~20mm程度までの帯状の拭き残し、ヘアライン、ヘビアラインが数本集まったもの、並びに薄い膜状の拭き残しも含む)が0本
・ランクB:ヘアラインが2本、かつ、ヘビアライン、ワイドラインが0本
・ランクC:ヘアラインが2本、かつ、ヘビアラインが1本、ワイドラインが0本
・ランクD:ヘアラインが3本、かつ、ヘビアラインが1本、ワイドラインが0本
・ランクE:ヘアラインが4本以上、あるいは、ヘビアラインが2本以上、あるいは、
ワイドラインが1本以上
〔実施例2~48、及び、比較例1~6〕
表4又は表5の通り、配合の材料、量を変えた以外は、実施例1と同様にして、プレポリマー、硬化剤を得、ワイパーブレードを得た。得られたワイパーブレードを実施例1と同様に評価した。
実施例1に示した以外に使用した材料の詳細について下記に示す
数平均分子量1000のポリブチレンアジペートポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン4009、東ソー(株)製)(以下PBA1000と表す)
数平均分子量1000のポリへキシレンアジペートポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン164、東ソー(株)製)(以下PHA1000と表す)
数平均分子量2600のポリへキシレンアジペートポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン136、東ソー(株)製)(以下PHA2600と表す)
数平均分子量4500のポリへキシレンアジペートポリエステルポリオール(商品名:HS2H-451A、豊国製油(株)製)(以下PHA4500と表す)
数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名:PTG-1000SN、保土谷化学工業(株)製)(以下PTMG1000と表す)
数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名:PTG-2000SN、保土谷化学工業(株)製)(以下PTMG2000と表す)
グリセリン(東京化成工業(株)製)
ペンタエリトリトール(東京化成工業(株)製)
トルエンジイソシアネート(商品名:コロネートT-80、東ソー(株)製)(以下TDIと表す)
m-キシリレンジイソシアネート(製品コード:D0127、東京化成工業(株)製)(以下XDIと表す)
1,5-ナフタレンジイソシアネート(製品コード:N0168、東京化成工業(株)製)(以下NDIと表す)
3官能以上の多官能イソシアネートであるトリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート(商品名:ウルタイトスーパーCA、東邦化成工業(株)製)(以下TTIと表す)
3官能以上の多官能イソシアネートであるトリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート(商品名:ウルタイトスーパーCAII、東邦化成工業(株)製)(以下TPTIと表す)
実施例1~48、比較例1~6の評価結果を表4~表5に示す。
Figure 2022027511000013
Figure 2022027511000014
1:ブレード支持部、2:ネック、3:リップ部、4:テーパー部、5:第1のテーパ
ー面、6:第2のテーパー面、7:先端面、8:第1のエッジ、9:第2のエッジ、10:被清掃部材、11:第1の線分

Claims (5)

  1. ブレード支持部と、
    該ブレード支持部にネックを介して揺動可能に連結されてなるリップ部と、を具備し、
    被清掃部材の表面に該リップ部の一部分を当接させて、該被清掃部材の表面を清掃する車両用のワイパーブレードであって、
    該リップ部がポリウレタンを含有し、
    該ポリウレタンは、ジイソシアネート及び3官能以上の多官能イソシアネートを含むイソシアネート化合物、並びに、3官能以上の多官能アルコールを含むアルコールを含む組成物の反応物を含み、
    該ジイソシアネートは、分子中に芳香環を有し、
    該ポリウレタンを、イオン化室内で試料を加熱気化させ、試料分子をイオン化する直接試料導入方式の質量分析計を用いて、昇温速度10℃/sで、1000℃まで加熱したときに得られる、
    全てのイオンの検出量をM1とし、
    3官能以上の多官能イソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM2とし、
    ジイソシアネートに由来するm/z値の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM3としたときに、
    M2/M1が0.001~0.028であり、
    M3/M1が0.020~0.110であり、
    M2/M3が0.013~0.300であり、
    該ポリウレタン中の、3官能以上の多官能アルコールの濃度が、0.12mmol/g~0.65mmol/gであることを特徴とする車両用のワイパーブレード。
  2. 前記M2/M1が0.001~0.015であり、
    前記M3/M1が0.040~0.100であり、
    前記M2/M3が0.013~0.150であり
    前記ポリウレタン中の、3官能以上の多官能アルコールの濃度が、0.22mmol/g~0.39mmol/gである、請求項1に記載の車両用のワイパーブレード。
  3. 前記ジイソシアネートは、芳香環にNCOが直接結合した構造を有する、請求項1又は2に記載の車両用のワイパーブレード。
  4. 前記3官能以上の多官能イソシアネートが、ポリメリックMDI、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート及びトリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも一である、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用のワイパーブレード。
  5. 前記3官能以上の多官能アルコールが、下記式(a)及び(b)で表されるアルコール、並びに、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも一である、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用のワイパーブレード。
    Figure 2022027511000015

    (該式(a)及び(b)中、R及びRは、それぞれ独立して、H、CH、又はCを表す。)
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