JP2022026952A - 紡績糸及びこれを用いたループパイルタオル - Google Patents

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Abstract

Figure 2022026952000001
【課題】風合いを良好に保ったまま、毛羽の脱落を防止した紡績糸及びこれを用いたループパイルタオルを提供する。
【解決手段】本発明の紡績糸は、非熱融着繊維と熱融着繊維が混紡されており、前記熱融着繊維の割合は、前記紡績糸を母数としたとき、1重量%以上10重量%未満であり、前記紡績糸は3本交撚精紡糸1である。本発明の織物または編物は、前記紡績糸を少なくとも含む織物または編物であって、前記織物または編物は熱融着繊維が融着され、脱綿防止されている。本発明のループパイルタオルは、前記の紡績糸を少なくともパイル糸に含むループパイルタオルであって、前記タオルは熱融着繊維が融着され、脱綿防止されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、紡績糸及びこれを用いたループパイルタオルに関する。
タオルに使用する原糸は、紡績糸の単糸、2本の単糸を撚り合わせた双糸、通常の糸に比べて撚り数を多くした強撚糸、通常の糸に比べて撚り数を少なくした甘撚糸などがある。これらの撚糸は、撚り数が少ないほど肌触りの感触、吸水性が優れているが、撚り数が少ないほど毛羽数が多くなり、毛羽が製織の阻害要因となり、洗濯などで毛羽が脱落しやすくなる。逆に、原糸は、撚り数が増えるほどに「はり」「こし」が大きくなり、毛羽も少なくなるが、タオルにとって重要な「ふくらみ」と「なめらかさ」が無くなる。そのため、一般的なタオルでは20番単糸付近を使用するが、強度的にやや弱いので製織の前に糊付けして毛羽を抑制し糸の強度を補っている。糊付けには、でんぷん、PVA(ポリビニールアルコール)等を使用しており、製織後に糊抜き処理を施している。
特許文献1には、特定の毛羽本数の精紡交撚糸を使用したタオルが提案されている。特許文献2には、ウール糸を使用してタオルに製織後、水中で処理して縮絨させ毛羽の脱落を防止している。特許文献3は、エジプト綿、インド綿などを使用した甘撚り糸を使用してタオルに製織後、水中で処理して収縮させ毛羽の脱落を防止している。
特開2017-042370号公報 特開2003-201666号公報 特開2001-346713号公報
しかし、前記従来技術は、毛羽の脱落を有効に防止することができず、さらなる改良が求められていた。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、風合いを良好に保ったまま、毛羽の脱落を防止した紡績糸及びこれを用いたループパイルタオルを提供する。
本発明の紡績糸は、非熱融着繊維と熱融着繊維が混紡されており、前記熱融着繊維の割合は、前記紡績糸を母数としたとき、1重量%以上10重量%未満であり、前記紡績糸は3本交撚精紡糸であることを特徴とする。
本発明の織物または編物は、前記紡績糸を少なくとも含む織物または編物であって、前記織物または編物は熱融着繊維が融着され、脱綿防止されていることを特徴とする。
本発明のループパイルタオルは、前記の紡績糸を少なくともパイル糸に含むループパイルタオルであって、前記タオルは熱融着繊維が融着され、脱綿防止されていることを特徴とする。
本発明の紡績糸は、非熱融着繊維と熱融着繊維が混紡されており、熱融着繊維の割合は、前記紡績糸を母数としたとき、1重量%以上10重量%未満であり、前記紡績糸は3本交撚精紡糸であることにより、風合いは良好であり、長期使用しても毛羽の脱落が防止されているループパイルタオルを提供でき、熱融着繊維の割合は比較的少量であり、風合いは柔軟であり、長期使用しても毛羽の脱落を防止できる。また、脱落率が高いループ糸に熱融着繊維を混紡し、融着処理することにより、効率よく脱綿防止できる。
図1Aは本発明の一実施形態の3本交撚精紡糸の模式的側面図、図1Bは同、模式的断面図である。 図2は同、精紡機の概略図である。 図3は同、ループパイルタオル織物の模式的説明図である。 図4は同、ループパイルタオルの織物組織図である。
本発明は、紡績糸であり、非熱融着繊維と熱融着繊維が混紡されている。混紡は混綿混紡、練条混紡等どのような混紡であっても良い。混紡により前記2成分の繊維は均一に混合される。熱融着繊維の割合は、紡績糸を母数としたとき、1重量%以上10重量%未満である。これにより風合いを良好に保持できる。熱融着繊維が1重量%未満では毛羽の脱落効果は低下する。熱融着繊維が10重量%以上であると風合いが粗硬となる。熱融着繊維の好ましい割合は2~9重量%であり、より好ましくは3~8重量%である。
本発明の非熱融着繊維とは、熱融着繊維と比較して高い融点、軟化点または分解温度を有し、紡績糸を母数としたときに、90~99重量%の割合である繊維である。紡績糸を構成する非熱融着繊維は単独又は二種以上を組み合わせてもよい。非熱融着繊維はセルロース繊維であることが好ましい。セルロース繊維は、天然セルロース繊維及び再生セルロース繊維から選ばれる少なくとも一つであるのが好ましく、さらに好ましくは天然セルロース繊維である。天然セルロース繊維としては、木綿(コットン)、麻、竹等があり、再生セルロース繊維としては、普通レーヨン、ベンベルクレーヨン、溶剤型レーヨン、リヨセル、キュプラ等がある。セルロース繊維と非セルロース繊維を混紡した例としては綿とポリエステル、綿とビニロンなどが考えられ、セルロース繊維では綿とレーヨンの混紡などが考えられる。これらの混合割合は使用に応じ変更できる。
本発明で使用できる木綿(コットン)はスーピマ綿、サンフォーキン綿などの米綿、ギザ綿などのエジプト綿、インド綿、新疆綿などの中国綿、海島綿などいかなるものであってもよい。
本発明においては、前記紡績糸は3本交撚精紡糸である。この3本交撚精紡糸は、2本の粗糸から製造した糸に比べて、毛羽の数が少なく、糸の均整度が良好で、長手方向に糸の丸みがあり、糸の乱反射がなくなるため生地ズラがきれいであり、ハリコシがある。また、比較的太い番手の糸であっても糸断面が円に近く丸みがあり、均整である。
熱融着繊維はポリエステル系芯鞘構造の複合繊維が好ましく、芯成分が高融点ポリエステル、鞘成分が低融点共重合ポリエステルの複合繊維が好ましい。ポリエステル系複合繊維はコシがあり、速乾性もある。また、芯鞘構造であると、芯成分は繊維形状を維持し、鞘成分は融解して融着に使われ、風合いを軟らかく保つことができる。芯成分の高融点ポリエステルは、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)やポリエチレンテレフタレート(PET,融点250~260℃)が好ましく、カチオン染料可染タイプの5-ナトリウムスルホイソフタレートが共重合されているポリエステルであっても良い。鞘成分が低融点共重合ポリエステルはPETより融点が40℃以上低いのが好ましく、さらに好ましくは45℃以上低いのが好ましい。このようなポリエステル系芯鞘構造の複合繊維は、例えば東レ社製、商品名”サフメット”がある。
前記紡績糸は、英国式番手で10~100番手であり、好ましくは14~50番手である。また、下記式で示される撚り係数Kが1.0~8.0であるのが好ましく、より好ましくは1.5~7.0である。
K=t/√S
但し、t:1インチ(2.54cm)当たりの撚り数、S:英国式番手(基準重量1ポンド(0.4536kg)での単位長さ840ヤード(0.9144m)の倍数)。
前記糸番手の範囲であれば、ループパイルタオルに好適であり、撚り係数Kが前記の範囲であれば風合いを良好に保持できる。なお、英国式番手を国際的に使用されているtex番手に換算するには、590.5413/英国式番手の式で算出する。
前記紡績糸はループパイルタオル用に使用できる。その他、衣類、靴下、敷物、寝具類などにも好適である。
本発明の織物又は編物は、前記3本交撚精紡糸を織物又は編物を構成する糸に含み、織物又は編物にした後、熱処理し、熱融着繊維を融着する。熱処理は織物又は編物にする工程以前に、紡績した糸に対して行ってもよい。熱処理温度は前記熱融着繊維の低融点繊維の融点(Tm)又は軟化点(Sp)以上、融点又は軟化点+20℃以下程度の温度範囲が好ましい。
本発明の織物又は編物は、タオル、靴下の側地、インナー、アウター、デニム用の糸として使用できる。タオル生地としてガーゼ、ワッフル、カットパイル、ループパイル等の種類がある。本発明の織物又は編物として、好ましくはループパイルタオル、靴下に使用できる。
本発明のループパイルタオルは、前記3本交撚精紡糸を少なくともループ糸に含み、ループパイル織物に織製した後、熱処理し、熱融着繊維を融着する。熱処理温度は前記熱融着繊維の低融点繊維の融点(Tm)又は軟化点(Sp)以上、融点又は軟化点+20℃以下程度の温度範囲が好ましい。前記の温度未満では融着は起こらず、前記温度を超えると木綿(コットン)が傷む傾向となる。熱処理は糸の状態 (例えばチーズに巻いた状態) で行ってもよいし、布帛を作製した後であってもよい。なお、前記3本交撚精紡糸をループパイル織物に織製した後、晒し、染色、洗浄、乾燥などは常用の方法を採用できる。ループ糸は突出していることから、羽毛の脱落率が高いが、このループ糸に熱融着繊維を混紡し、融着処理することにより、効率よく脱綿防止できる。
ループパイルタオルはパイル量、生地の厚さ等の要因で変化する。本ループパイルタオルの単位面積当たりの重量は130~700g/mが好ましい。より好ましくはバスタオルであれば400~600g/m、フェイスタオルであれば130~200g/mである。前記の重量ならばパイルを十分に構成でき、使用感も良好である。
前記ループパイルタオルの脱綿率は、家庭用全自動洗濯機による洗濯で脱離した毛羽から算出される洗濯脱綿率が0.2重量%以下であるのが好ましい。この毛羽落ち試験方法は、地方独立行政法人、大阪産業技術研究所で実施されている方法であり、後に詳述する。
本発明の3本交撚精紡糸は、パイル糸、経糸(地糸)、緯糸(地糸)のいずれか又は全部に使用することができる。とくに、脱綿しやすいパイル糸に使用するのが好ましい。経糸(地糸)及び緯糸(地糸)は、木綿(コットン)紡績糸、木綿(コットン)とその他の繊維の混紡糸、場合によってはその他の繊維の紡績糸であってもよい。その他の繊維としては、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ウール繊維がある。混紡率は任意の割合とすることができる。経糸(地糸)及び緯糸(地糸)の番手は英国式番手で10~100番手であり、前記式で示される撚り係数Kは1.0~8.0であるのが好ましく、より好ましくは1.5~7.0である。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施形態の3本交撚精紡糸1の模式的側面図、図1Bは同、模式的断面図である。この3本交撚精紡糸1は、紡績糸成分1a,1b,1cが一体に撚られている糸で、断面は図1Bに示すように丸に近い。より方向はS撚りでもZ撚りでもよい。通常は紡績糸成分1a,1b,1cの撚り方向と3本交撚精紡糸1の撚り方向は同一となる。
図2は同、精紡機2の概略図である。この精紡機2はリング精紡機であり、バックローラー7,8からフロントローラー14,15までのドラフト装置20と、フロントローラー14,15からトラベラー18までの加撚巻取装置21からなる。ドラフト装置20は、粗糸をドラフトし(引き伸ばし)、細くする。加撚巻取装置21は、ドラフトされた粗糸に撚りを与えつつ同一方向に3本交撚し、得られた糸をボビンに巻き取る。図示しないボビンから3本の粗糸3,4,5が、3本の粗糸の繊維束を分散する穴を設けた1個のトランペットガイド6を通して供給されると、粗糸3,4,5をそれぞれ上下のバックローラー7,8の間に導入して所定速度で通過させる。ここで、トランペットガイド6には、3つの穴が1列に等間隔に設けられている。穴の形状は、入口側が広く、しだいに狭くなり、出口側では狭いが同じ幅の溝となっている。穴の間隔は番手に依存して適正に設定する。たとえば、英式綿番手30番手より太い番手は、3~5mmの穴の間隔が好適である。
次に、粗糸を上下のエプロン11,12を有するセカンドローラー9,10の間を通す。ここで繊維束を把持して加重をかけ、ドラフトむらのないように制御しながらドラフトする。エプロン11,12を通過した3本の粗糸は、次に、それぞれ、コレクタ13に設けた凹部を通すことにより適当な間隔に保つ。粗糸は、コレクタ13に設けた3つの溝を通って、それぞれ最後のローラー(フロントローラー14,15)に案内される。3つの溝は、連続的に形成されていて、いずれも入口側が広く、しだいに狭くなり、出口側では狭いが同じ幅の溝となっている。なお、コレクタ13は、フロントローラー14,15の近くに設置される。コレクタ13を使用する目的は、各粗糸がドラフト装置を通過するときに各繊維束の重なりを防ぐためと、フロントローラー14,15から出たフリース16を切れることなく1本に結合させるためである。
次に、3本の粗糸を上下のフロントローラー14,15の間を通過させてドラフトして、薄い層状のフリース16を形成する。フロントローラー14,15から出てきたフリース16は、次に、スネルワイヤー17を通過させる。次いでリング精紡により、トラベラー18によって、トラベラー1回転で1回の割合で撚りをかけ、得られた糸(精紡管糸)を管糸ボビン19に巻き取る。このようにして3本交撚精紡糸を製造する。
図3は同、ループパイルタオル織物22の模式的説明図である。このループパイルタオル織物22は、パイル糸23と、経糸(地糸)24と、緯糸(地糸)25で構成され、パイル糸23は、経糸(地糸)24と緯糸(地糸)25で構成される地組織に固定されながらループパイルを形成する。本発明の3本交撚精紡糸は、パイル糸23、経糸(地糸)24、緯糸(地糸)25のいずれか又は全部に使用することができる。とくに、脱綿しやすいパイル糸23に使用するのが好ましい。ループパイルタオル織物22は、所定の大きさに切断され、端部処理されてタオルとなる。バスタオルの場合、大きさは一例としてタテ70cm,ヨコ140cmである。
図4は同、ループパイルタオルの織物組織図である。この織物組織は、3本よこタオル組織(3ピックテリーモーション)であり、パイル糸は緯糸を3本打ち込むごとに1回交差させる。経糸の配列は、地糸Gとパイル糸Pを交互に配置する。図4において、黒とバツ印は浮き糸を示し、白は沈み糸を示す。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<毛羽落ち試験方法>
毛羽落ち試験方法は、地方独立行政法人、大阪産業技術研究所に依頼して測定した。
(1)試料:タオル1枚。
(2)使用洗濯機:家庭用全自動洗濯機、高水位、洗剤使用、標準の洗濯コース。柔軟剤有りと無しで洗濯試験をした。
(3)毛羽の採取:洗濯機中の糸取りフィルター及び排水中から150μmメッシュのフルイで濾す。
(4)秤量:回収した毛羽は50℃の予備乾燥の後、標準状態(20℃、65%RH)にて放置安定後測定。
(5)下記の計算式で算出する。
洗濯脱綿率(%)=[洗濯による脱綿重量(g)/洗濯前のタオル重量(g)]×100
(実施例1)
<原料繊維>
1 パイル糸
(1)木綿(コットン)
木綿(コットン)はスーピマ綿を使用した。
(2)熱融着繊維
熱融着繊維としてポリエステル系芯鞘構造の複合繊維、東レ社製、商品名”サフメット”T-9611(繊度2.2decitex,繊維長38mm)を使用した。この繊維は強度3.4cN/decitex,破断伸度39%である。
<紡績糸の製造>
木綿(コットン)を95質量%、熱融着繊維を5質量%使用し、カード機で混紡してウェブとし、スライバーとし、粗糸とし、図2に示すリング精紡機にて精紡交撚し、英式綿番手20番手(繊度:29.5tex)、撚り数15.65回/インチ、Z撚り、撚り係数K=3.5の3本交撚精紡糸を製造した。この3本交撚精紡糸は単糸使いとし、パイル糸として経糸に配置した。
2 地糸
(1)経糸(地糸)は、木綿(コットン)を100質量%のリング紡績糸、英式綿番手16番(繊度:36.9tex)、撚り数13.2回/インチ、Z撚り、撚り係数K=3.3を使用した。この紡績糸は単糸使いとした。
(2)緯糸(地糸)は、木綿(コットン)を100質量%のリング紡績糸、英式綿番手20番(繊度:29.5tex)、撚り数14.8回/インチ、Z撚り、撚り係数K=3.3を使用した。この紡績糸は単糸使いとした。
<織物製造>
タオル織機を使用し、図3及び図4に示すループパイル生地織物を製造した。パイル糸23の供給倍率は経糸(地糸)24の6倍とした。このようにして経糸密度32本/インチ、緯糸密度55本/インチのパイル織物生地を製造した。このパイル織物生地を精練漂白した後、テンターにかけて190℃の温度で2分間熱処理し、熱融着繊維を融着させた。この生地の単位面積当たりの質量(目付)は490g/mであった。
<評価>
前記の毛羽落ち試験方法を使用して脱綿率を測定した。この結果、洗濯時に柔軟剤を加えた試料は脱綿率が0.06%であり、柔軟剤なしの試料は脱綿率が0.05%であった。
(実施例2)
パイル糸としてスーピマ綿に代えてサンフォーキン綿を使用した以外は実施例1と同様に実施した。このパイル織物生地の洗濯時に柔軟剤を加えた試料は脱綿率が0.12%であり、柔軟剤なしの試料は脱綿率が0.11%であった。
(比較例1)
パイル糸に熱融着繊維を加えない以外は実施例1と同様に実施した。このパイル織物生地の洗濯時に柔軟剤を加えた試料は脱綿率が0.27%であり、柔軟剤なしの試料は脱綿率が0.23%であった。
以上の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2022026952000002
表1から明らかなとおり、実施例1及び2はパイル糸に熱融着繊維を5質量%加えことにより、脱綿率は大幅に低下した。風合いは官能検査したところ、実施例1及び2のパイル織物生地は比較例品と同等であり、柔軟であった。
本発明の紡績糸は、ループパイルタオル(バスタオル、フェイスタオル、タオルハンカチ、スポーツタオル、バスローブ)など、衣類、靴下、敷物、寝具類などにも好適である。
1 3本交撚精紡糸
1a,1b,1c 紡績糸成分
2 精紡機
3,4,5 粗糸
6 トランペットガイド
7,8 バックローラー
9,10 セカンドローラー
11,12 エプロン
13 コレクタ
14,15 フロントローラー
16 フリース
17 スネルワイヤー
18 トラベラー
19 管糸ボビン
20 ドラフト装置
21 加撚巻取装置
22 ループパイルタオル織物
23 パイル糸
24 経糸(地糸)
25 緯糸(地糸)

Claims (9)

  1. 非熱融着繊維と熱融着繊維が混紡されてなる紡績糸であって、、
    前記熱融着繊維の割合は、前記紡績糸を母数としたとき、1重量%以上10重量%未満であり、
    前記紡績糸は3本交撚精紡糸であることを特徴とする紡績糸。
  2. 前記熱融着繊維はポリエステル系芯鞘構造の複合繊維であり、芯成分が高融点ポリエステル、鞘成分が低融点共重合ポリエステルである請求項1に記載の紡績糸。
  3. 前記非熱融着繊維がセルロース繊維である、上記請求項1又は2に記載の紡績糸。
  4. 前記紡績糸は、英国式番手で10~100番手である請求項1~3のいずれか1項に記載の紡績糸。
  5. 前記紡績糸は、下記式で示される撚り係数Kが1.0~8.0である請求項1~4のいずれか1項に記載の紡績糸。
    K=t/√S
    但し、t:1インチ(2.54cm)当たりの撚り数、S:英国式番手。
  6. 前記紡績糸はループパイルタオル用紡績糸である請求項1~5のいずれか1項に記載の紡績糸。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の紡績糸を少なくとも含む織物又は編物であって、
    前記織物または編物は熱融着繊維が融着され、脱綿防止されていることを特徴とする織物または編物。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の紡績糸を少なくともパイル糸に含むループパイルタオルであって、
    前記ループパイルタオルは熱融着繊維が融着され、脱綿防止されていることを特徴とするループパイルタオル。
  9. 前記ループパイルタオルの脱綿率は、家庭用全自動洗濯機による洗濯で脱離した毛羽から算出される洗濯脱綿率が0.2重量%以下である請求項8に記載のループパイルタオル。
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