JP2022024592A - 杭の性能推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでありながら、杭の性能を表す静的ばねを推定することができる杭の性能推定方法を提供する。【解決手段】杭10の性能推定方法は、地中に埋設された杭10の杭頭12に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、衝撃力による杭頭12の振動データから杭頭12の変位に対する衝撃力に基づいて杭10の静的ばねを推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、杭の性能推定方法に関する。
近年、都市部においては、既存構造物を解体した後に新築建設物の工事を行うことが多い。その際、既存杭を残置し、再利用することが合理的であるが、既存杭の性能評価が必要となる。
杭の性能評価試験としては、静的載荷試験が一般的である(非特許文献1,2)。静的載荷試験は杭に対する静的な荷重に対する杭頭の変位量により杭頭の荷重変位関係を測定し、支持力を評価するものであるが、その測定のためには反力杭の設置作業や大掛かりな載荷装置が必要となる。そのため、静的載荷試験の実施には金銭的、時間的な制約が大きく、既存杭の再利用や新設杭の支持層到達確認のために多数の杭に対して適用することは現実的ではない。
また、近年では急速荷重や衝撃荷重を用いた動的載荷試験も採用されているが、これらのほとんどの試験においても金銭的、時間的な制約が大きい。
簡易に杭の状態を推定できる非破壊検査法としては、インテグリティ試験(IT試験)が良く知られている。(非特許文献3)。IT試験は、ハンマーで杭の杭頭を叩いたときの入射波と反射波の時間差から杭長を推定するものであるが、杭長の情報だけでは、既存杭再利用の可否判断や新設杭が支持層に届いているか否かの評価はできない。
地盤工学会、杭の鉛直載荷試験方法・同解説 第1回改訂版、地盤工学会、2002年5月発行 地盤工学会、杭の水平載荷試験方法・同解説 第1回改訂版、地盤工学会、2010年5月発行 塚田幸弘・市村靖光著、「インテグリティ試験による場所打ち杭の品質管理法」、土木学会論文集No.603/III-44、139-146、1998.9
既存杭の再利用や新設杭の支持層到達確認のために、多数の杭の性能評価を実施したいというニーズある。しかしながら、このニーズを満たす既存の杭の性能評価技術は存在しない。種々の杭頭載荷試験は、その金銭的、時間的制約から多数の杭に対して実施することが現実的ではない。またIT試験については、得られる情報が杭長もしくは杭の破損部の位置のみであり、杭の性能を評価することはできない。
そこで、本発明は、低コストでありながら、杭の性能を表す静的ばねを推定することができる杭の性能推定方法を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[1]本発明に係る杭の性能推定方法の一態様は、
地中に埋設された杭の杭頭に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、前記衝撃力による前記杭頭の振動データから前記衝撃力に対する前記杭頭の変位に基づいて前記杭の静的ばねを推定することを特徴とする。
[2]前記杭の性能推定方法の一態様において、
前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の加速度計から得られる加速度データであり、
前記杭頭の前記変位は、前記加速度データをフーリエ変換して得られた加速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることができる。
[3]前記杭の性能推定方法の一態様において、
前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の速度計から得られる速度データであり、
前記杭頭の前記変位は、前記速度データをフーリエ変換して得られた速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることができる。
本発明に係る杭の性能推定方法によれば、20kN以下という小さい衝撃力を利用することで低コストを達成しつつ、杭の性能を表す静的ばねを推定することができる。
杭の性能推定装置の概要を示す図である。 杭の性能推定装置の概要を示す図である。 衝撃力データ及び速度データの一例を示す図である。 杭1の実験結果を示す図である。 杭2の実験結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本実施形態に係る杭の性能推定方法は、地中に埋設された杭の杭頭に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、前記衝撃力による前記杭頭の振動データから前記衝撃力に対する前記杭頭の変位に基づいて前記杭の静的ばねを推定することを特徴とする。
1.杭の性能推定装置
図1及び図2を用いて後述する本実施形態の杭10の性能推定方法に用いる杭10の性能推定装置(以下「推定装置5」という)について説明する。図1及び図2は、推定装置5の概要を示す図である。図1は、杭10の杭頭12に対して鉛直方向から衝撃力を加える状態を示し、図2は、杭10の杭頭12に対して水平方向から衝撃力を加える状態を示す。
図1及び図2に示すように、推定装置5は、地中に埋設された杭10の杭頭12に設置された複数のセンサー20と、インパルスハンマー30と、データロガー40と、コンピュータ50とを備える。
杭10は、基礎などを介して構造物の荷重を地盤に伝達させるための地中に埋設された柱状の構造部材である。杭10としては、材料面から、例えば、木杭、既製コンクリート杭、鉄筋コンクリート杭、鋼(管)杭などの種類がある。また、杭10としては、施工面から、例えば、打込み杭、場所打ち杭、埋込み杭などの種類がある。さらに、杭10としては、機能面から、例えば、主に先端(最下端)支持力によって上部構造物を支える支持杭、主に杭の周面と地盤との摩擦力によって上部構造物を支える摩擦杭などの種類がある。
杭頭12は、杭10の頂部である。杭頭12は、センサー20の設置のため、地表面に現れていることが好ましい。
センサー20は、杭頭12に複数例えば3個以上設置される。センサー20は、例えば加速度計または速度計である。3個以上のセンサー20は、杭芯を中心に正多角形に配置され、全てのセンサー20の平均をとることが好ましい。この平均化操作によって杭頭12のねじれや倒れなどばね推定の誤差要因となる不都合な杭頭12の動きの影響を除去することができる。
インパルスハンマー30は、力センサーを備えた加振器である。インパルスハンマー30は、図1及び図2では柄とヘッドを備えたハンマー型であるが、人手によって操作可能な形態であって、0kNを超え20kN以下の衝撃力を杭頭12に加えることができ、かつその衝撃力を出力できれば他の形態であってもよい。衝撃力は、実用性を考慮すると例えば0.001kN以上20kN以下であることが好ましい。
データロガー40は、インパルスハンマー30からの衝撃力データと、センサー20からの加速度データまたは速度データとを受信して記録する。
コンピュータ50は、データロガー40で記録されたデータを用いて杭10の静的ばねを推定する。コンピュータ50は、演算処理を行うCPUと、記録手段であるROMやRAMと、公知の各種入力手段及び出力手段とを備える。
データロガー40に代えて、FFTアナライザーにインパルスハンマー30とセンサー20を接続し、コンピュータ50を用いずに、FFTアナライザーで直接データの処理を行っても良い。
2.杭の性能推定方法
図1~図3を用いて本実施形態に係る杭10の性能推定方法について下記2-1~2-7の工程に分けて実行する順に説明する。図3は、衝撃力データ及び速度データの一例を示す図である。
2-1.衝撃力データと振動データを得る工程
図1及び図2に示すように、地中に埋設された杭10の杭頭12に対し鉛直方向(図1)または水平方向(図2)から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、衝撃力データと衝撃力による杭頭12の振動データを得る。インパルスハンマー30から出力された電気信号とセンサー20から出力された電気信号は、それぞれデータロガー40によって受信されて衝撃力データと振動データとして記録される。
衝撃力データは、杭頭12をインパルスハンマー30によって打撃することで得られる。インパルスハンマー30による杭頭12の打撃は、複数回例えば10回以上とすることが好ましい。図3の上段が衝撃力データの一例であり、横軸が測定開始からの経過時間(秒)、縦軸が杭頭12に加えられた衝撃力(kN)である。図3の上段において、インパルスハンマー30による10回の打撃による10回のピークを示している。
振動データは、例えばセンサー20が加速度計である場合、杭頭12に設置された複数の加速度計から得られる加速度データである。また、振動データは、例えばセンサー20が速度計である場合、杭頭12に設置された複数の速度計から得られる速度データである。図3の下段が速度データの一例であり、横軸が測定開始からの経過時間(秒)、縦軸が杭頭12の速度である。図3の下段において、速度データは、衝撃力データの10回のピークに応答する10個のピークが存在する他、周囲の交通振動などに由来するノイズやドリフトが見られる。
2-2.小区間データを得る工程
データロガー40において、衝撃力データの中から衝撃力のピークを検出し、ピーク時刻を中心に前後の小時間(前Δt秒、後Δt秒)の衝撃力データ及び振動データを切り出して、複数の小区間データを得る。図3の例では、衝撃力データ及び速度データの各ピークの前1秒(Δt)、後3.096秒(Δt)を1つの小区間として10個の小区間データが得られる。
2-3.小区間の平均をとる工程
複数の小区間データの振動データにおいて、ドリフトやノイズが大きい区間を除外した残りの小区間データの平均をとる。図3の例では、ピーク1、3、7、8の小区間データにおいて大きなドリフトやノイズが存在するので、これらの区間を除外したピーク2、4-6、9、10の小区間データの平均をとる。この平均化操作によって、ピークは平均的な振幅のものが残り、ノイズ同士は互いに相殺して小さくなるので、データのSN比(シグナル・ノイズ比)が向上する。
2-4.小区間データをフーリエ変換する工程
コンピュータ50において、平均化操作された1区間分の小区間データをフーリエ変換する。小区間データの衝撃力データをフーリエ変換して得られるのが衝撃力フーリエ・スペクトル(F)である。小区間データの速度データをフーリエ変換して得られるのが速度のフーリエ・スペクトル(Uドット)である。小区間データの加速度データをフーリエ変換して得られるのが加速度のフーリエ・スペクトル(Uダブルドット)である。
2-5.変位フーリエ・スペクトルを得る工程
センサー20が加速度計の場合、杭頭12の変位は、加速度のフーリエ・スペクトル(Uダブルドット)をコンピュータ50において変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトル(U)とすることができる。また、センサー20が速度計の場合、杭頭12の変位は、速度のフーリエ・スペクトル(Uドット)をコンピュータ50において変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトル(U)とすることができる。
変位フーリエ・スペクトル(U)は、虚数単位をi、角周波数をωとおくと、加速度のフーリエ・スペクトル(Uダブルドット)または速度のフーリエ・スペクトル(Uドット)と変位フーリエ・スペクトル(U)との関係は下記式(1)または(2)の通りであるので、これを用いて変位に換算することができる。
Figure 2022024592000002
Figure 2022024592000003
2-6.杭のばねの逆数を得る工程
コンピュータ50において、変位フーリエ・スペクトル(U)を衝撃力フーリエ・スペクトル(F)で割った杭頭12のインパルス応答(G)は、下記式(3)で表され、杭10のばねの逆数となる。
Figure 2022024592000004
杭頭12のインパルス応答(G)は、周波数平滑化して更にノイズの影響を低減させることが望ましい。周波数平滑化の方法としては、下記式(4)に示すように、分子・分母をそれぞれ別個に平滑化して計算することが好ましい。このように「クロス・スペクトル法」を用いてスペクトルの比を計算することで、ノイズの影響を低減させることができる。
Figure 2022024592000005
本工程において、杭10のばねを直接計算せず、その逆数を計算しているのは、振動データに含まれる交通振動などのノイズの影響を軽減するためである。振動データに比べると、衝撃力データには顕著なノイズ源は無く、比較的高い測定精度が確保できていると考えられるため、上記式(4)の形でクロス・スペクトル法を用いれれば、効果的にノイズの影響を軽減できる。
2-7.杭の静的ばねを得る工程
コンピュータ50において、衝撃力に対する杭頭12の変位に基づいて杭10の静的ばねを推定する。本実施形態においては、静的ばねは、上記式上記式(4)で得られる杭頭12のインパルス応答(G)を平滑化した値(Gバー)を用いて推定できる。
杭頭12のインパルス応答の周波数ゼロにおける値は、杭10の静的ばねの逆数となり、その偏角は当然ゼロとなる。また杭頭12のインパルス応答は、低周波数帯域例えば0Hzを超え20Hz以下では、周波数ゼロにおける値の近似値をとる。図4および図5は、その実例である。したがって、杭10の静的ばねが未知の場合であっても、杭頭インパルスの絶対値(図4および図5において、縦軸Disp./Inp.の値)が概ね一定値をとり、かつ杭頭インパルスの位相(図4および図5において、縦軸Disp.-Inp.の値)が概ねゼロとなっている低周波数帯域例えば0Hzを超え20Hz以下における杭頭インパルスを、静的な杭頭インパルスと近似として、その逆数をとれば、杭10の静的ばねの近似値が得られる。この近似値が、本発明における杭10の静的ばねの推定値である。
上記杭10の静的ばねの推定における杭頭インパルスには、ノイズの影響軽減のため、上記式(4)の平滑化されたインパルス応答(Gバー)の値を用いるものとする。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2本の杭(杭1、杭2)に対して鉛直打撃及び水平打撃を行って本発明の杭の性能推定方法(以下「本発明法」という)を実施するとともに、同杭に対して鉛直及び水平の静的載荷試験を実施した。杭1及び杭2は、杭径300mmでストレートの既製コンクリート杭であった。
本実験での静的載荷試験は、本発明法との比較だけが目的であるため、最大荷重時の変
位が杭径の1/100(3mm)程度となることを想定し、鉛直載荷の最大荷重は300kN、水平載荷の最大荷重は50kNとした。この静的載荷試験の初期勾配として、鉛直載荷では杭頭変位0.1mmまでの割線勾配、水平載荷では変位0.5mmまでの割線勾配を用いて、打撃試験の結果と比較した。
杭頭の打撃は水平・鉛直とも各杭10回実施し、杭頭応答の測定は速度計にて、サンプリングレート1kHzで行った。速度計は杭頭に3つ、正三角形状に配置し、それらの平均をとることで、杭頭応答に含まれる回転成分の影響を除去した。各打撃前後のデータ区間の切り出しは、衝撃力のピーク時刻を基準として、前0.5秒、後ろ3.596秒、計4.096秒を対象とした。
インパルスハンマーで杭頭12を打撃した実験結果を図4及び図5に示した。図4の(a)は杭1に対して鉛直打撃を行った実験結果、(b)は水平打撃を行った実験結果を示す図であり、図5は(a)は杭2に対して鉛直打撃を行った実験結果、(b)は水平打撃を行った実験結果を示す図である。各図の横軸は周波数(Hz)であり、上段の縦軸は杭の上記式(4)を用いて得られたばねの逆数(m/kN)、下段の縦軸は位相差の偏角(rad)である。各図において、直線状の破線が静的載荷試験の結果であり、部分的に点線となる太い曲線が打撃試験の結果である。
図4及び図5より、杭1及び杭2の鉛直加振、水平加振いずれの結果においても、本発明法の低周波数側(10Hz~20Hz)の応答振幅は静的試験結果に近い値をとっており、加振力に対する杭頭応答の位相差も低周波数側でゼロに漸近していた。このことから、低周波数側において、本発明法と静的載荷試験結果(載荷初期の値)が整合していることが確認できた。
5…推定装置、10…杭、12…杭頭、20…センサー、30…インパルスハンマー、40…データロガー、50…コンピュータ
[1]本発明に係る杭の性能推定方法の一態様は、
地中に埋設された杭の杭頭に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、前記衝撃力による前記杭頭の振動データから前記衝撃力に対する前記杭頭の変位に基づいて前記杭の静的ばねを推定する杭の性能推定方法であり、
前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の加速度計から得られる加速度データであり、
前記杭頭の前記変位は、前記加速度データをフーリエ変換して得られた加速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで
割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることを特徴とする
本発明に係る杭の性能推定方法の他の一態様は、
地中に埋設された杭の杭頭に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、前記衝撃力による前記杭頭の振動データから前記衝撃力に対する前記杭頭の変位に基づいて前記杭の静的ばねを推定する杭の性能推定方法であり、
前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の速度計から得られる速度データであり、
前記杭頭の前記変位は、前記速度データをフーリエ変換して得られた速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることができる。

Claims (3)

  1. 地中に埋設された杭の杭頭に対し鉛直方向または水平方向から0kNを超え20kN以下の衝撃力を加え、前記衝撃力による前記杭頭の振動データから前記杭頭の変位に対する前記衝撃力に基づいて前記杭の静的ばねを推定することを特徴とする、杭の性能推定方法。
  2. 請求項1において、
    前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の加速度計から得られる加速度データであり、
    前記杭頭の前記変位は、前記加速度データをフーリエ変換して得られた加速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
    前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
    前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることを特徴とする、杭の性能推定方法。
  3. 請求項1において、
    前記振動データは、前記杭頭に設置された複数の速度計から得られる速度データであり、
    前記杭頭の前記変位は、前記速度データをフーリエ変換して得られた速度のフーリエ・スペクトルを変位換算して得られた変位フーリエ・スペクトルであり、
    前記衝撃力は、前記杭頭をインパルスハンマーによって打撃することで得られる衝撃力データをフーリエ変換して得られた衝撃力フーリエ・スペクトルであり、
    前記静的ばねは、前記変位フーリエ・スペクトルを前記衝撃力フーリエ・スペクトルで割った0Hzを超え20Hz以下における前記杭頭のインパルス応答の逆数であることを特徴とする、杭の性能推定方法。
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