JP2022023322A - 荷電粒子線装置および帯電評価方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および帯電評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷電粒子線像のアーチファクトを自動抽出し、帯電の影響を抑制するよう、撮影条件の調整を可能とする。【解決手段】観察試料または観察試料と同等の帯電が生じる材料である試料の教師画像から抽出された基底画像di(1≦i≦m)を記憶する基底画像記憶部202と、観察画像である検出器からの検出信号に基づき生成された荷電粒子線像を複数の分割画像に分割し(S802)、分割画像を基底画像diとその係数wiとの積の総和として表すとき、基底画像diのうち、その利用率が観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有するとしてラベリングされたラベリング基底画像dLの係数wLが所定の閾値を越える観察画像の分割画像の座標位置を観察画像の関心領域として抽出する関心領域抽出部213とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、荷電粒子線装置および帯電評価方法に関する。
荷電粒子線装置により非導電性試料を観察するとき、装置から荷電粒子線が照射されることにより、試料が帯電し、その影響が荷電粒子線像に表れることがある。帯電の荷電粒子線像への影響の表れ方はさまざまであるが、異常輝線のように観察試料の構造ではないアーチファクトが荷電粒子線像にあらわれる場合がある。
特許文献1は、焦点調節のためのアルゴリズムを実行する自動合焦点検出装置を備える荷電粒子線顕微鏡を開示する。テンプレート画像とレンズの焦点位置を逐次変化させて取得したサンプル画像との一致度を算出して、合焦点を算出する。
特開2014-106388号公報
帯電の影響を荷電粒子線像から自動的に検出/評価し、撮影条件を調整することができれば、荷電粒子線装置の操作に熟練していないユーザであっても、帯電の影響を抑えた荷電粒子線像を容易に取得できるようになる。具体的には、荷電粒子線像中のアーチファクトを自動的に検出し、アーチファクトが抑制されるよう、撮影条件を調整すればよい。
しかしながら、アーチファクトは観察試料の材料や撮影条件によって表れ方が異なるため、特許文献1に開示されるようなパターンマッチングの手法では精度よく抽出することができない。
そこで、本発明者らは、画像中の未知の物体をそれが属するべき既知のクラスに分類する一般物体認識の知見を応用し、荷電粒子線像からアーチファクトを精度よく検出する手法について検討した。
本発明の一実施態様である荷電粒子線装置は、観察試料に荷電粒子線を照射する荷電粒子光学系と、前記荷電粒子線と前記観察試料との相互作用によって放出される電子を検出する検出器とを備える荷電粒子線装置であって、観察試料または観察試料と同等の帯電が生じる材料である試料の教師画像から抽出された基底画像d(1≦i≦m)を記憶する基底画像記憶部と、観察画像である検出器からの検出信号に基づき生成された荷電粒子線像を複数の分割画像に分割し、分割画像を基底画像dとその係数wとの積の総和として表すとき、基底画像dのうち、その利用率が観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有するとしてラベリングされたラベリング基底画像dの係数wが所定の閾値を越える観察画像の分割画像の座標位置を観察画像の関心領域として抽出する関心領域抽出部とを備え、荷電粒子線像における基底画像dの利用率は、荷電粒子線像の複数の分割画像のそれぞれについて求めた基底画像dの係数wの総和に基づき定義される。
荷電粒子線像のアーチファクトを自動抽出し、帯電の影響を抑制するよう、撮影条件の調整を可能とする。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
荷電粒子線装置の例である。 観察フローの実行にかかわるデータ、プログラムを示す図である。 本実施例による観察フローである。 基底画像のラベリングフローである。 利用率の算出方法について説明するための図である。 利用率uと走査条件との相関係数の算出について説明するための図である。 基底画像ラベリングGUIの例である。 教師画像の読み込みフローである。 教師画像作成GUIの例である。 ROI抽出フローである。 ROI抽出GUIの例である。 帯電有無に基づく撮影条件調整フローである。
図1に本実施例の荷電粒子線装置の例として、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)100を示す。鏡体101Aには電子光学系及び検出系が内蔵され、試料室101Bには試料を載置するステージが内蔵される。試料観察時には、図示しない真空ポンプにより、鏡体101A及び試料室101Bの内部は真空化される。電子光学系は、その主な構成として、電子線を放出する電子源、電子線を試料上に集束させるためのコンデンサレンズ、絞り、対物レンズなどの光学素子、試料上で電子線を2次元に走査するための偏向器を有している。電子光学系からの電子線が試料に照射されると、電子線と試料との相互作用によって試料から2次電子が放出される。検出系は、試料から放出された2次電子を検出する検出器を備えている。
装置制御部102は、入力部106からのユーザの指示にしたがって試料のSEM像を撮影するため、鏡体101Aに内蔵される電子光学系、検出系及び試料室101Bに内蔵されるステージなどのSEMの各構成要素の制御を行う。また、検出系から出力される2次電子の検出信号と電子光学系の電子線走査信号とに基づき、試料のSEM像を形成する。
データ記憶部103は、例えば、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、などの不揮発性ストレージであり、SEMを制御するための制御データやSEMで撮影された画像データの他、SEMの制御、SEM像に対する画像処理等を行うプログラムが記憶されている。
データ処理部104は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサであり、ソフトウェアのプログラムコードをデータ記憶部103から読み込むことで、他のハードウェアと協働して定められた処理を実行する。データ処理部104などが実行するプログラム、その機能、あるいはその機能を実現する手段を、「機能」、「部」等と呼ぶ場合がある。
表示部105は、走査電子線顕微鏡で撮像したSEM像の他、GUI(Graphical User Interface)を表示する。ユーザは表示部105に表示されるGUIを通じて、入力部106から必要な指示を入力する。
図2に、本実施例の観察フローの実行にかかわるデータ、プログラムを示す。データ記憶部103は、教師画像記憶部201、基底画像記憶部202、ROI(関心領域)記憶部203、撮影画像記憶部204、撮影条件記憶部205を含む。データ処理部104は、基底画像ラベリング部211、教師画像生成部212、ROI(関心領域)抽出部213、帯電評価部214を含む。上述のようにこれらの処理部を実行するためのプログラムコードはデータ記憶部103に格納されており、データ処理部104はこれらのプログラムコードを読み込んで、実行することにより、それぞれの処理部として機能する。これらの詳細については後述する。
図3は、本実施例による観察フローを示す。本観察フローでは、帯電によるアーチファクトの発生を抑制するよう、撮影条件を最適化する。ユーザは、試料室101Bのステージ上に観察試料をセッティングし、観察視野まで移動する(S301)。続いて、撮影条件を設定し(S302)、SEM像(観察画像)を撮像する(S303)。一般的に、SEMでは観察する試料、観察目的(例えば、試料表面のパターンの計測を行いたいのか、試料の溝や穴の深さを計測したいのか、等)に応じて適切な撮影条件があらかじめ設定されており、撮影条件記憶部205に記憶されている。ユーザは、撮影条件記憶部205から呼び出した撮像条件をそのまま使用する、あるいは撮像条件のパラメータ値を修正して、SEM像を撮像するための撮影条件を設定する。
本観察フローでは、ステップS303で撮像した観察画像に写っているアーチファクトを検出し、アーチファクトの発生を抑えるよう、撮影条件を調整する。このため、まず撮像したSEM像に含まれるアーチファクトを検出する必要がある。SEM像中のアーチファクトは、濃さ、長さ、幅などはそれぞれ異なる。そのようなアーチファクトを精度よく検出するため、本実施例では一般物体認識の手法を用いる。最初に、アーチファクトと強い相関をもつ基底画像をアーチファクトの基底画像としてラベリングする(S304)。その後、アーチファクトの基底画像に基づき、アーチファクトが写っているSEM像中の関心領域(以下、ROI(Region of Interest)と表記する)を抽出する(S305)。その後、抽出したROIに基づき、帯電状況を評価し、帯電の影響が強くみられる場合には撮像条件の調整を行う(S306)。以下では、表面にラインアンドスペースパターンが形成されたデバイスのSEM像観察を例に、S304~S306の各ステップについて説明する。ラインアンドスペースパターン上に絶縁体の異物が存在した場合、異物が電子線の照射を受けて帯電する。帯電した異物がのった状態でラインアンドスペースパターンのSEM像を取得すると、SEM像には、異物の位置に応じて電子線の走査方向に筋を引いたような輝線(異常輝線)があらわれることがある。この例では異常輝線がアーチファクトであり、これを抑制できる撮影条件を定める。
図4Aに基底画像のラベリングフロー(S304)を示す。図4Aのフローは、基底画像ラベリング部211により実行される。まず、基底画像ラベリング部211は教師画像生成部212を呼び出し、教師画像生成部212は、SEM像から基底画像を求めるための教師画像を読み込む(S401)。
教師画像生成部212が実行する、教師画像の読み込みフロー(S401)を図6に示す。帯電の大きさを決める要因の一つが試料の材料であるため、教師画像には、観察試料と同じ材料の試料のSEM像を用いる。このため、観察試料の試料情報を入力部106から入力し、教師画像データベースに既存の教師画像が存在しているかどうかを検索する(S602)。教師画像DBは、荷電粒子線装置に保存されているDBであってもよいし、外部システムに保存されているDBであってもよい。観察試料と同じ材料である試料の教師画像が教師画像DBに存在している場合には(S602でYes)、教師画像DBにアクセスし(S611)、その教師画像を教師画像記憶部201に保存する(S610)。なお、材料は厳密に同一でなくてもよく、同程度の帯電が観察試料と同様に生じる材料である試料の教師画像を用いてもよい。
一方、教師画像として適切な画像が教師画像DBに存在しないと判断する場合(S602でNo)、観察試料を撮像することによって、必要な教師画像を得る。教師画像生成部212はまず、教師画像を撮影するための複数の撮影条件を生成する(S603)。撮影条件は、光学条件、走査方向、観察視野の少なくとも1以上について、異なる条件を複数設定する。これらはそれぞれ帯電によるアーチファクトの表れ方に影響を及ぼす条件であるため、それらの条件の異なるパラメータの組み合わせとして複数の撮影条件を生成することが望ましい。光学条件には、例えば、電子線の走査速度、加速電圧、照射電流といったパラメータが挙げられる。観察する試料、観察目的に応じたパラメータの制御範囲においてランダムに値を振って光学条件を定めればよい。走査方向は、ラインアンドスペースの長手方向と走査方向との関係がSEM像への帯電の表れ方に影響する。観察視野は、異物の存在状況がSEM像への帯電の表れ方に影響する。装置制御部102は、設定した撮影条件を1つずつ読み込み(S605)、SEMの撮影条件をステップS605で読み込んだパラメータの値に変更し(S606)、画像撮影を行う(S607)。以上のステップS605~S607を設定した全ての撮影条件について繰り返し行う(S604)。
続いて、撮影された画像を表示部に表示する(S608)。教師画像生成GUI700を図7に示す。教師画像生成GUI700は、撮影されたSEM像701ごとに帯電有無の判断結果を入力する判定部702が設けられている。ユーザは、目視でSEM像701中にアーチファクトが見られない場合には帯電の影響がないことを示す「〇」を、SEM像701中にアーチファクトが見られる場合には帯電の影響があることを示す「×」をポインタ703により選択する(S609)。なお、SEM像701は模式的に表現しているが、上段中央のSEM像を例にとると、傾斜線711がラインアンドスペースの輪郭、丸712が異物、横方向に伸びる影のような線713が異常輝線(アーチファクト)を表している。スライダー704を動かして、撮影したすべてのSEM像について帯電有無についての判定入力が完了したら、保存ボタン705を押下することにより、教師画像を教師画像記憶部201に保存する(S610)。教師画像は、SEM像と当該SEM像の帯電有無データとの組み合わせである。
基底画像のラベリングフロー(S304、図4A)の説明に戻る。教師画像のそれぞれを同じサイズの画像に分割する(S402)。分割画像のサイズは特に限定しないが、観察するアーチファクトに対して、大きすぎることも、小さすぎることもないサイズとして設定する。教師画像の分割画像についてスパースコーディング(辞書学習とも呼ばれる)を行うことにより、基底画像を抽出する(S403)。
スパースコーディングは、観測信号をなるべく少ない基底ベクトルの線形和として再構成する最適化問題である。スパースコーディングでは、観測信号y、m個の基底ベクトルの集合D={d,d,d・・・d}(なお、Dを辞書と呼ぶ)、線形結合の係数をwとして、y≒Dw(式1)と定式化する。ただし、wの要素の多くは0の値をとる(このとき、wはスパースである、という)。実データyと(式1)で求められるDwとの間の誤差関数を最小化するよう学習を行うことにより、辞書Dを求める。このとき、誤差関数として誤差項に正則項(正則パラメータ)を加えたlassoの式を用いて学習を行うことで、wがスパースとなるような辞書Dを求めることができる。なお、スパースコーディングのために誤差関数として用いられる式はlassoの式の他にもいくつか知られており、用いる誤差関数について限定するものではない。
ステップS403では、教師画像の分割画像についてスパースコーディングを行って、基底画像を抽出する。教師画像の分割画像が観測信号yにあたり、基底画像は辞書Dの基底ベクトルd(1≦i≦m)にあたる。ユーザは教師画像の分割サイズ、分割枚数、求める基底画像数m、誤差関数の正則パラメータの大きさを設定して、スパースコーディングを行うことにより、m個の基底画像dを抽出する。
続いて、学習に使用した教師画像の中から、同一視野で走査速度以外は同じ撮影条件で撮像された複数のSEM像(この複数のSEM像を比較画像という)を準備する。なお、そのようなSEM像が教師画像に含まれていなければ、観察試料をそのような撮影条件で撮像する。この複数の比較画像を用いて以下の処理を行う。
まず、複数の比較画像のそれぞれについて基底画像d(1≦i≦m)の利用率を算出する(S404~405)。図4Bを用いてステップS405における利用率の算出方法について説明する。ここではk枚の走査速度の異なるSEM像(比較画像)1~kのそれぞれについて利用率を算出するものとする。また、SEM像1~kの順に走査速度が速くなっており、SEM像1の走査速度が最も遅く、SEM像kの走査速度が最も速いものとする。
SEM像1の利用率u={u11,u21・・・um1}の算出方法について説明する。SEM像1における基底画像dの利用率をui1と表記する。SEM像1の分割画像y11を例にとると、(式1)より、
11=w111+w211・・・+wm11
と表すことができる。利用率は、SEM像1の分割画像yのそれぞれについて求めた基底画像dの係数wの総和に基づき定義し、これを算出する(図4Bでは総和そのものを利用率と定義している)。SEM像1~kについて以上の処理を実行することにより、SEM像1~kごとの利用率u={u,u・・・u}を算出することができる。
続いて、すべての基底画像d(1≦i≦m)について、利用率uと走査条件との相関係数を算出する(S406~407)。図4Cを用いてステップS407における利用率uと走査条件との相関係数の算出について説明する。図4Cは各基底画像dについて、ステップS405で算出した利用率を縦軸にとって、横軸を走査条件として示したものである。例えば、基底画像dの場合、利用率u11~u1kの値をSEM像の走査条件(ここでは走査速度の逆数)に応じてプロットしたものである。基底画像dごとに利用率と走査条件との関係を相関係数として算出する。
SEM像1~kは、走査条件以外は同一の撮影条件で撮影しており、走査速度が遅い程、帯電の影響が強く表れる。すなわち、走査速度の遅いSEM像程、アーチファクトは多く表れることになる。したがって、アーチファクトの基底画像は、走査速度の遅いSEM像程その利用率が高くなり、走査速度の速いSEM像ではその利用率が低くなるという関係を有していることになる。そこで、基底画像d(1≦i≦m)のうち、走査速度と最も強い負の相関を有する基底画像をアーチファクトの基底画像として選定する(S408)。
アーチファクトの基底画像としてラベリングされた基底画像(ラベリング基底画像dという)を表示部105に表示する。基底画像ラベリングGUI500を図5に示す。基底画像表示領域501にm個の基底画像が一覧に表示される。一度に表示できない基底画像はスライダー502を動かすことによって表示させることができる。なお、本図における基底画像は模式図であって、実際の基底画像は、画像における特徴量の局所性、方向性を表す抽象的な画像である。アーチファクトの基底画像として選定されたラベリング基底画像503が他と識別可能に表示される。ユーザは、ラベリング基底画像503をアーチファクトの基底画像として用いることを認める場合には(S409でYes)、終了ボタン506を押下する。これにより、得られた基底画像とラベリング基底画像のラベリング情報とを基底画像記憶部202に記憶する(S408)。これに対して、ユーザがラベリング基底画像503をアーチファクトの基底画像として用いることを認めない場合には(S409でNo)、再学習ボタン507を押下して、再度、基底画像の抽出を実行する(S403)。この際、基底画像ラベリングGUI500の上部には、基底画像を抽出したときの条件である基底画像数504、正則パラメータ505が表示されているので、この値を変更し、再学習させ、アーチファクトの基底画像が抽出されるまで基底画像のラベリングフローを実行する。
ステップS304により、アーチファクトの基底画像としてラベリングされたラベリング基底画像が得られれば、観察試料のSEM図からアーチファクトが写っている関心領域(ROI)を抽出する(S305)。図8にROI抽出フロー(S305)を示す。
まず、ROI抽出部213は、観察画像を読み込む(S801)。観察画像は、ステップS303で撮影したSEM像である。観察画像を、教師画像について画像分割を行ったとき(ステップS402)と同じ条件で画像分割を行う(S802)。基底画像記憶部202から基底画像d(1≦i≦m)を読み込み(S803)、観察画像についての基底画像ごとの利用率u={u,u・・・u}を算出する。利用率の算出方法は図4Bを用いて説明した通りである。本実施例では、観察画像に帯電の影響が表れているかどうかを、アーチファクトの基底画像としてラベリングされたラベリング基底画像dの係数wの大きさによって判定する。このため、ラベリング基底画像dの利用率に基づいて、係数wに対する閾値を設定し(S805)、観察画像の各分割画像において帯電の影響が表れているかどうか、すなわちアーチファクトがあらわれているかどうかを判定する。
図9にROI抽出GUI900を示す。ROI抽出GUI900の上段には閾値設定部901が設けられている。抽出モード選択部902により、閾値を自動で設定する自動抽出モードと閾値を手動で設定する手動抽出モードとのいずれかを設定できる。自動抽出モードの場合の閾値設定には大津法などの手法を適用できる。手動抽出モードでは、分割画像におけるラベリング基底画像の係数の分布に基づき、ユーザが設定する。閾値設定部901には、係数分布グラフ903が表示され、ユーザは、分割画像ごとのアーチファクトの基底画像(ラベリング基底画像d)の係数wを把握することができ、ポインタ904を上下に移動させて閾値を設定する。設定ボタン906を押下することにより、以降の処理に進む。なお、閾値設定部901には、取り消しボタン905も設けられており、ROIの抽出結果に基づいて、閾値の再設定を行い、再度閾値を変更してROIを再抽出することも可能である。
閾値が設定されると、分割画像ごとに、アーチファクトの基底画像の係数を、設定された閾値と比較し(S807)、閾値を越えている場合には(S807bでYes)、元の観察画像における座標位置をROI記憶部203に記憶する(S808)。この処理をすべての分割画像に対して繰り返し実行する(S806)。その後、ROI記憶部203に記憶された座標情報からROIマスクを作成し(S809)、ROIマスクを観察画像に重畳して表示することにより、ユーザにROIを可視化する(S810)。
図9に示すROI抽出GUI900の下段にROI抽出結果を表示するROI抽出結果表示部910が設けられている。ROI抽出結果表示部910の左側には観察画像911が表示され、右側には抽出されたROIをROIマスク913が付加された観察画像912が表示されている。これにより、ユーザは抽出されたROIを把握することができる。
ステップS305により抽出されたアーチファクトが写っている関心領域(ROI)に基づき、帯電状況の評価と帯電あり評価の場合には撮影条件の調整とを行う(S306)。図10に帯電有無に基づく撮影条件調整フロー(S306)を示す。
まず、帯電評価部214は、抽出されたROIに基づき、ステップS303で撮影した観察画像の帯電スコアを算出する(S1001)。帯電スコア値は、抽出したROIのSEM像全体に対する面積比、ROIとして抽出された分割画像の枚数、ROIとして抽出された分割画像におけるアーチファクトの基底画像の利用率の少なくともいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせとして定義されるものとする。このSEM像の帯電スコア値を、帯電有無を判定するための帯電スコア閾値と比較する(S1002)。帯電スコア閾値は、例えば、帯電ありと評価された教師画像のスコア値と帯電なしと評価された教師画像の帯電スコア値から求めることができる。SEM像の帯電スコア値が帯電スコア閾値よりも小さい場合(S1002でYes)には、SEM像を撮影画像記憶部204に保存する(S1006)とともに、SEM像を取得した撮影条件を撮影条件記憶部205に記憶する(S1007)。
一方、観察画像の帯電スコア値が帯電スコア閾値以上である場合(S1002でNo)には、観察画像に帯電の影響があると評価し、撮影条件を変えて、帯電スコア閾値を満たす撮影条件の探索を行う。このため、新たな撮影条件でSEM像(再観察画像)を撮影し、ROIの抽出(S305)と抽出したROIに基づく帯電スコア値の算出を実行する(S1003)。ステップS302で設定した撮影条件を第1の撮影条件、ステップS1003で設定する撮影条件を第2の撮影条件とすると、第2の撮影条件は前記第1の撮影条件よりも帯電が小さくなるよう、走査速度、加速電圧、照射電流などの値を調整するものとする。第2の撮影条件でのSEM像の帯電スコア値が第1の撮影条件でのSEM像の帯電スコア値よりも小さくなっていることを確認し(S1004)、帯電スコア閾値と比較する(S1005)。帯電スコア閾値を満たさない場合(S1005でNo)には、撮影条件の探索を継続する。帯電スコア閾値を満たす場合(S1005でYes)には、SEM像を撮影画像記憶部204に保存する(S1006)とともに、SEM像を取得した撮影条件を撮影条件記憶部205に記憶する(S1007)。
なお、ここではステップS1002、ステップS1005で同じ帯電スコアにより撮影条件の可否を判定する例を説明したが、異なる帯電スコアを用いてもよい。すなわち、帯電の影響を少なくするように撮影条件を変更する場合、SEM像の画質の劣化につながりやすい。このため、ステップS1005における評価には、SEM像の帯電評価値に加えて、画質評価値も加えたスコアにより判定するようにしてもよい。スコアに加える画質評価としては、SEM像の解像度、コントラスト、平均輝度、S/Nなどが挙げられる。この帯電評価値と画像評価値とを含む帯電スコアによってステップS1002の判定を行ってもよい。
以上、本発明を実施例、変形例に基づき説明した。本発明は、上記した実施例、変形例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな変形が可能である。
100:走査電子顕微鏡、101A:鏡体、101B:試料室、102:装置制御部、103:データ記憶部、104:データ処理部、105:表示部、106:入力部、201:教師画像記憶部、202:基底画像記憶部、203:ROI記憶部、204:撮影画像記憶部、205:撮影条件記憶部、211:基底画像ラベリング部、212:教師画像生成部、213:ROI抽出部、214:帯電評価部、500:基底画像ラベリングGUI、501:基底画像表示領域、502:スライダー、503:ラベリング基底画像、504:基底画像数、505:正則パラメータ、506:終了ボタン、507:再学習ボタン、700:教師画像生成GUI、701:SEM像、702:判定部、703:ポインタ、704:スライダー、705:保存ボタン、900:ROI抽出GUI、901:閾値設定部、902:抽出モード選択部、903:係数分布グラフ、904:ポインタ、905:取り消しボタン、906:設定ボタン、910:ROI抽出結果表示部、911,912:観察画像、913:ROIマスク。

Claims (14)

  1. 観察試料に荷電粒子線を照射する荷電粒子光学系と、前記荷電粒子線と前記観察試料との相互作用によって放出される電子を検出する検出器とを備える荷電粒子線装置であって、
    前記観察試料または前記観察試料と同等の帯電が生じる材料である試料の教師画像から抽出された基底画像d(1≦i≦m)を記憶する基底画像記憶部と、
    観察画像である前記検出器からの検出信号に基づき生成された荷電粒子線像を複数の分割画像に分割し、分割画像を前記基底画像dとその係数wとの積の総和として表すとき、前記基底画像dのうち、その利用率が前記観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有するとしてラベリングされたラベリング基底画像dの係数wが所定の閾値を越える前記観察画像の分割画像の座標位置を前記観察画像の関心領域として抽出する関心領域抽出部とを備え、
    前記荷電粒子線像における前記基底画像dの利用率は、前記荷電粒子線像の複数の分割画像のそれぞれについて求めた前記基底画像dの係数wの総和に基づき定義される荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記教師画像を複数の分割画像に分割し、前記教師画像の複数の分割画像についてスパースコーディングを行うことにより前記基底画像dを抽出し、帯電状況の異なるk枚の比較画像である前記教師画像または前記荷電粒子線像について、前記比較画像のそれぞれについて前記基底画像dの利用率を求め、前記基底画像dのうち、その利用率が前記観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有する基底画像を前記ラベリング基底画像dとしてラベリングする基底画像ラベリング部を有する荷電粒子線装置。
  3. 請求項2において、
    前記比較画像は、前記荷電粒子線の走査速度以外の撮影条件が等しい前記荷電粒子線像である荷電粒子線装置。
  4. 請求項2において、
    表示部を有し、
    前記基底画像ラベリング部は、前記表示部に前記基底画像dを表示し、前記ラベリング基底画像dを他の基底画像とは識別可能に表示する荷電粒子線装置。
  5. 請求項1において、
    表示部を有し、
    前記関心領域抽出部は、抽出された前記観察画像の関心領域を前記観察画像に重畳して表示する荷電粒子線装置。
  6. 請求項5において、
    前記観察画像の関心領域を抽出するための前記所定の閾値は、前記観察画像の分割画像における前記ラベリング基底画像dの係数wの分布に基づき決定される荷電粒子線装置。
  7. 請求項1において、
    前記観察画像の関心領域に基づき算出される第1帯電スコアが所定の第1スコア閾値よりも小さい場合には、前記観察画像を撮影画像記憶部に記憶し、前記観察画像を撮影した撮影条件を撮影条件記憶部に記憶する帯電評価部を有し、
    前記第1帯電スコアは、抽出された関心領域の前記観察画像全体に対する面積比、関心領域として抽出された分割画像の枚数、関心領域として抽出された分割画像における前記ラベリング基底画像dの利用率の少なくともいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせとして定義される荷電粒子線装置。
  8. 請求項7において、
    前記帯電評価部は、前記観察画像の撮影条件を変更して撮影した再観察画像について、前記再観察画像の関心領域及び画質に基づき算出される第2帯電スコアが所定の第2スコア閾値よりも小さい場合には、前記再観察画像を前記撮影画像記憶部に記憶し、前記観察画像を撮影した撮影条件を前記撮影条件記憶部に記憶し、
    前記第2帯電スコアは、前記第1帯電スコアを決定する帯電評価値に加えて、画質評価値を加えて定義される荷電粒子線装置。
  9. 荷電粒子線装置により観察試料を撮影した観察画像である荷電粒子線像の帯電評価方法であって、
    前記観察試料または前記観察試料と同等の帯電が生じる材料である試料の教師画像から基底画像d(1≦i≦m)を抽出し、
    前記観察画像である荷電粒子線像を複数の分割画像に分割し、分割画像を前記基底画像dとその係数wとの積の総和として表すとき、前記基底画像dのうち、その利用率が前記観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有するとしてラベリングされたラベリング基底画像dの係数wが所定の閾値を越える前記観察画像の分割画像の座標位置を前記観察画像の関心領域として抽出し、
    前記荷電粒子線像における前記基底画像dの利用率は、前記荷電粒子線像の複数の分割画像のそれぞれについて求めた前記基底画像dの係数wの総和に基づき定義される帯電評価方法。
  10. 請求項9において、
    前記教師画像を複数の分割画像に分割し、前記教師画像の複数の分割画像についてスパースコーディングを行うことにより前記基底画像dを抽出し、
    帯電状況の異なるk枚の比較画像である前記教師画像または前記荷電粒子線像について、前記比較画像のそれぞれについて前記基底画像dの利用率を求め、前記基底画像dのうち、その利用率が前記観察試料における帯電の発生と最も強い相関を有する基底画像を前記ラベリング基底画像dとしてラベリングする帯電評価方法。
  11. 請求項10において、
    前記比較画像は、荷電粒子線の走査速度以外の撮影条件が等しい前記荷電粒子線像である帯電評価方法。
  12. 請求項9において、
    前記観察画像の関心領域を抽出するための前記所定の閾値は、前記観察画像の分割画像における前記ラベリング基底画像dの係数wの分布に基づき決定される帯電評価方法。
  13. 請求項9において、
    前記観察画像の関心領域に基づき算出される第1帯電スコアが所定の第1スコア閾値よりも小さい場合には、前記観察画像を撮影画像記憶部に記憶し、前記観察画像を撮影した撮影条件を撮影条件記憶部に記憶し、
    前記第1帯電スコアは、抽出された関心領域の前記観察画像全体に対する面積比、関心領域として抽出された分割画像の枚数、関心領域として抽出された分割画像における前記ラベリング基底画像dの利用率の少なくともいずれか、または組み合わせとして定義される帯電評価方法。
  14. 請求項13において、
    前記観察画像の撮影条件を変更して撮影した再観察画像について、前記再観察画像の関心領域及び画質に基づき算出される第2帯電スコアが所定の第2スコア閾値よりも小さい場合には、前記再観察画像を前記撮影画像記憶部に記憶し、前記再観察画像を撮影した撮影条件を前記撮影条件記憶部に記憶し、
    前記第2帯電スコアは、前記第1帯電スコアを決定する帯電評価値に加えて、画質評価値を加えて定義される帯電評価方法。
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