JP2022023275A - 射出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明において、好ましくは、直線移動アクチュエータが、油圧シリンダであって、軸状部材がピストンヘッドを備えるピストンロッドであり、筒状部材がシリンダである。
また、本発明において、好ましくは、油圧シリンダが、ピストンヘッドの前後方向両面にピストンロッドをそれぞれ備える両ロッド型の油圧シリンダである。
さらに、本発明において、好ましくは、直線移動アクチュエータが、電動モータ駆動のボールねじであって、軸状部材がボールねじ軸であり、筒状部材がボールねじナットである。
このストローク規制手段は、第一規制体が筒状部材に直接的または間接的に突き当たることで、第一ストロークに規制され、第一規制体が取り外されると、第二ストロークが実現される。
このストローク規制手段は、第二規制体が係止体に突き当たることで、第一ストロークに規制され、第二規制体または係止体が取り外されると、第二ストロークが実現される。
前方支持部より後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、プランジャが固定される中間支持部と、中間支持部の後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、スクリュが回転可能で、かつ、前後方向に移動不能に支持される後方支持部と、を備える。移動機構は、中間支持部と後方支持部との間隔を調整する。
射出装置1は、図示を省略する型締装置と組み合わされることにより、射出成形機を構成する。射出装置1は、スクリュ101の前後進機構である第二移動機構90について、小ストローク(第一ストローク)と大ストローク(第二ストローク)を兼ね備える機能を設ける。この機能により、計量後にスクリュ101が前進するのを小ストロークとし、かつ、例えば射出装置1のメンテナンス時には第二移動機構90の大ストロークを実現する。
射出装置1は、図1および図2に示すように、支持部10と、支持部10に支持され、スクリュ101を前後方向への移動およびスクリュ101の回転を担う駆動部30と、スクリュ101を含み、樹脂の射出に関わる射出部100と、を備える。射出装置1は、第一移動機構50によるスクリュ101およびプランジャ103の前進動作を制御することにより、図示を省略する型締装置の金型に向けて溶融した樹脂を供給する。
射出装置1において、図1などにFが記載されている側を前方、Bが記載されている側を後方と定義する。この前方Fおよび後方Bの定義は相対的な意味を含むものとする。
また、射出装置1について、幅方向W、長手方向Lおよび鉛直方向Hが図1などに示すように定義される。
支持部10は、図1および図2に示すように、前方Fから後方Bに向けて延びるベッド11と、ベッド11の上に摺動可能に載置される基台13と、基台13の上であって基台13の後方Bの側に設けられる一対のガイドレール15,15と、を備える。
一対のガイドレール15,15は、図2に示すように、幅方向Wに間隔をあけて基台13の上に固定されている。ガイドレール15,15には、後述する駆動部30の中間プレート61が、前方Fから後方Bに向けて、および、後方Bから前方Fに向けて摺動可能に載せられている。なお、本実施形態において、中間支持部60の前後方向への往復移動を実現することができるのであれば、その手段はガイドレール15,15に限らない。一例として、ガイドレール15,15が設けられる位置にガイド溝またはガイド壁などを設け、中間支持部60にこのガイドに沿って走行するローラや摺動板を設けることができる。
基台13は、射出装置1の重量を受けても、射出成形の動作に影響を与える変形が生じない程度の剛性を備えている。基台13がこの剛性を備えていることにより、架台68を変形が生じないか、変形が生じるとしても微小に抑えつつ架台68を支持できる。
次に、駆動部30について説明する。
駆動部30は、図1および図2に示すように、支持部10の前方Fに設けられる前方支持部40と、前方支持部40よりも後方Bに設けられる中間支持部60と、中間支持部60よりも後方Bに設けられる後方支持部80、を備える。前方支持部40、中間支持部60および後方支持部80は、例えば鉄基金属の鋳造品から構成される。
前方支持部40は、図1および図2に示すように、支持部10の基台13の上に支持され、その位置が基台13に固定される。前方支持部40は、プランジャバレル105を支持する。また、前方支持部40は、中間支持部60の前後方向への往復移動を担う第一移動機構50を支持する。本実施形態ではプランジャバレル105を前方支持部40の前端面で支持しているが、プランジャバレル105の後端部を前方支持部40に嵌合することで支持してもよい。
第一移動機構50は、中間支持部60を前後方向に往復移動させる。中間支持部60のこの移動は、プランジャ103および後方支持部80の前後方向の往復移動を伴う。
第一移動機構50は、図2に示すように、一対のボールねじ51,51と、それぞれのボールねじ51,51に回転駆動力を与える電動モータ55,55と、を備える。ボールねじ51は本発明の第一移動部材の一例であり、電動モータ55は本発明の第一駆動源の一例である。なお、ボールねじ51および電動モータ55は、それぞれ公知の直線駆動アクチュエータ構成を採用することができる。また、第一移動機構50は、ボールねじ51,51のそれぞれの入力軸52,52に固定される入力プーリ53,53と、電動モータ55,55のそれぞれの出力軸56,56に固定される出力プーリ57,57と、を備える。入力プーリ53,53と出力プーリ57,57の間には、伝達ベルト58,58が巻き回されている。したがって、電動モータ55,55が回転駆動するとボールねじ51,51のボールねじ軸51A,51Aが回転する。
次に、中間支持部60について説明する。
中間支持部60は、図1および図2に示すように、支持部10のガイドレール15,15に支持され、前後方向に往復移動、つまり前進または後退が可能とされる。中間支持部60は、プランジャ103を回転不能に固定するとともに、一対のボールねじナット51B,51Bを回転不能に支持する。
第二移動機構90は、図示を省略する油圧源からシリンダ91に作動油を供給することで、ピストンロッド94を前後方向に往復移動させる直線移動型のアクチュエータである。
第二移動機構90は、シリンダ91が後方支持部80に固定されている。したがって、第二移動機構90のピストンロッド94を前後方向に往復移動させることにより、中間支持部60と後方支持部80の間隔を広くしたり狭くしたり調整することができる。
また、架台68は、ガイドレール15,15を介して剛性の高い基台13に支持される。
以上より、後方支持部80の全重量が負荷されても、架台68の鉛直方向Hの曲がりなどの変形が生じないか生じたとしても微小に抑えられる。
また架台68は、鉛直方向Hに十分な寸法(厚さ)を設けることができるので、後端側の一部が支持部10から離別して浮き上がった片持ち状態としても、架台68の鉛直方向Hの曲がりなどの変形が生じないか生じたとしても微小に抑えられる。
次に、後方支持部80について説明する。
後方支持部80は、図1および図2に示すように、中間支持部60の架台68に支持され、前後方向に往復移動が可能に載置される。後方支持部80は、スクリュ101のスクリュ軸101Bを回転可能に支持するのに加えて、スクリュ101の回転機構85と、後方支持部80の前後方向の移動を担う第二移動機構90と、を支持する。後方支持部80にはスクリュ101が前後方向には移動が拘束された状態で支持されるので、第二移動機構90はスクリュ101の前後進機構を構成する。
回転機構85は、スクリュ101を回転させる。
回転機構85は、図1および図2に示すように、後方プレート81に支持される電動モータ86と、電動モータ86の出力軸87に固定される出力プーリ88と、を備える。また、回転機構85は、スクリュ軸101Bに固定される入力プーリ110と、出力プーリ88と入力プーリ110の間に掛け回される伝達ベルト89と、を備える。
電動モータ86の回転動作が伝達ベルト89を介してスクリュ軸101Bに伝えられ、スクリュ101が回転動作をする。
第二移動機構90は、後方支持部80を前後方向に往復移動させる。この後方支持部80の往復移動は、架台68のガイドレール69に沿って行われ、かつ、中間支持部60に対する相対的な移動である。この移動は、通常成形運転時のスクリュ101の小ストロークの前進および後退を含む。具体的には、計量後の射出工程を開始する際のスクリュ101の小ストロークの前進およびその後の可塑化工程を開始する際の小ストロークの後退を含むとともに、例えば射出装置1のメンテナンス時の大ストロークの前進および後退とを含む。つまり、第二移動機構90は、小ストロークと大ストロークの二つの異なるストローク機能を実現する。二段階の異なるストローク機能は、後述する第一ストローク規制手段95(第一実施形態)の着脱により実現される。
第二移動機構90は、ピストン93およびピストンロッド94のストロークを小さく規制できる第一ストローク規制手段95を備えるが、この第一ストローク規制手段95は着脱が可能である。第二移動機構90は、第一ストローク規制手段95が装着されていると小ストロークで動作し、第一ストローク規制手段95が取り外されると大ストロークで動作する。図3および図4を参照して、第一ストローク規制手段95の構成および動作について説明する。
第一規制体96は、ピストン93に接続されるピストンロッド94と同軸上であって、ピストンロッド94が設けられる側とピストン93の裏側に設けられる。第一規制体96は、円筒状の形態を有しており、軸線方向の一方の側(前端側)に開口端96Aと、開口端96Aに対向する封止端96Bと、開口端96Aと封止端96Bを繋ぐ側体96Dと、を備えている。封止端96Bには、締結具98の締結ボルト98Aが挿通される締結孔96Cが表裏を貫通して形成される。
接続ロッド97は、前端側がピストン93に固定され、後端側に上述した締結ボルト98Aがねじ込まれるボルト孔97Aを備える。接続ロッド97は、シリンダ91の第二油室92Bを通るとともにシリンダ91の後端の側を貫通して外部に突出する。
締結具98は、ボルト孔97Aにねじ込まれる締結ボルト98Aと、第一規制体96の封止端96Bを貫通する締結ボルト98Aと締結される締結ナット98Bと、を備える。
接続ロッド97と締結ナット98Bの間で第一規制体96の封止端96Bを挟み込むことで、第一規制体96は第二移動機構90に一体的に組み付けられる。
後方プレート81は、中間プレート61の前後方向に往復移動に伴って前後方向に往復移動をする第一移動に加えて、中間プレート61に対して前後方向に往復移動する第二移動を行うことができる。なお、第二移動機構90によって後方プレート81が前方に移動すると、出力軸83に連結されたスクリュ101も前方に移動する。このとき、スクリュ101は前方に貯留した溶融樹脂から反力を受けるが、後方プレート81はこの反力をスクリュ101と出力軸83を介して受ける。第二移動機構90とスクリュ101は同一線上に配置されていないため、溶融樹脂からの反力は後方プレート81に回転モーメントを発生させることになる。この回転モーメントにより後方プレート81が傾くと、出力軸83に把持されたスクリュ101もプランジャ103に対して偏心あるいは傾きが発生するので、スクリュ101とプランジャ103の摺動面に囓りが発生する場合がある。よって、第二移動機構90の駆動時に後方プレート81に傾きが発生しないように、一対の第二移動機構90が、スクリュ101の回転軸芯を中心にして点対称の位置に設けられることが好ましい。本実施形態においては、後方プレート81の幅方向Wの両側面に一つずつ第二移動機構90が設けられている。
なお、スクリュ101が中間支持部60から取り外された後におけるピストン93の図中右方向の移動規制については、シリンダ91に突き当ててもよいし、第一ストローク規制手段95の代わりに全長の短い第一ストローク規制手段95と同様な筒状部材を取り付けるなど別なストッパを設けてもよい。
駆動部30の、前方支持部40、中間支持部60および後方支持部80について説明したが、それぞれについて要旨を以下に示す。
A:前方支持部40
(a)基台13上における固定された位置において、プランジャバレル105を前端において支持するとともに、スクリュ101およびプランジャ103が前後方向に移動可能に貫通する。
(b)中間支持部60の前後方向の移動を担う第一移動機構50を支持する。
B:中間支持部60
(a)プランジャ103を支持しつつ、電動モータ55により前後方向に往復移動する。
(b)後方支持部80を支持する架台68が一体的に設けられている。
C:後方支持部80
(a)スクリュ101と連結した出力軸83を回転可能に支持しつつ、中間支持部60とともに前後方向に往復移動する。また、中間支持部60に対して前後方向に往復移動する。
(b)スクリュ101と連結した出力軸83を回転させる回転機構85を支持する。
(c)中間支持部60に対する相対的な前後方向の往復移動を担う、第二移動機構90を支持する。
射出部100は、図1および図2に示すように、スクリュ101と、スクリュ101の長手方向Lのほぼ全域を取り囲む筒状のプランジャ103と、を備える。また、射出部100は、前方支持部40よりも前方Fにおいてプランジャ103およびスクリュ101が挿入される筒状のプランジャバレル105と、プランジャバレル105の前端に設けられる射出ノズル107と、を備える。
スクリュ101において、らせん状の溝を構成するフライト山部の頂面が、スクリュ101の外径面101Sを構成する。
プランジャ103には、射出成形の原料である固体樹脂からなる原料を投入する投入口104が形成されている。投入口104は、プランジャ103の内外を貫通している。投入口104は、中間支持部60に形成される投入口67と連通する。
また、プランジャ103は、その前端には、プランジャ103の内部でスクリュ101によって溶融された樹脂が外部に吐出される吐出口103Aを備えている。
プランジャ103の内部に収容されるスクリュ101は、プランジャ103の内部において、前後方向に往復移動できるとともに回転できる。
プランジャ103の周囲にはバンドヒータやカートリッジヒータなど電熱線ヒータ108が備えられており、図示を省略する電源から電熱線ヒータ108に電力を投入することにより、プランジャ103の内部の樹脂材料を加熱する。
射出ノズル107は、その前端に設けられる射出孔107Aと、射出孔107Aに連なる樹脂通路107Bと、を備える。スクリュ101で可塑化されかつ計量された溶融樹脂は、樹脂通路107Bおよび射出孔107Aを通って、図示を省略される金型のキャビティに射出される。
次に、図5および図6を参照して、射出装置1の動作を説明する。ここで説明する射出装置1の動作は、以下を含んでいる。以下の射出動作の過程においては、第二移動機構90には第一ストローク規制手段95が組み付けられている。
図5(a):可塑化・計量の準備(樹脂流路開動作)
図5(b):可塑化・計量(溶融樹脂吐出)
図6(a):射出の準備(樹脂流路閉動作)
図6(b):射出(キャビティへの樹脂充填)
図5(a)に示すように、プランジャ103の吐出口103Aからスクリュ101を微小量のストロークだけ後退させて、吐出口103Aを開口させる。そうすると、スクリュ101の先端とプランジャ103の間にプランジャ103の内部とプランジャバレル105を連通させる樹脂流路が形成され、プランジャバレル105の内部への溶融樹脂の供給が可能になる。この後、プランジャ103の内部で可塑化された溶融樹脂をプランジャバレル105の内部に流入させることにより、プランジャ103が後退して金型のキャビティに充填する溶融樹脂の計量を行うことができる。樹脂流路を形成するには、第二移動機構90を動作させて、後方支持部80を中間支持部60に対して後退させる。つまり、後方支持部80が後退することにより、後方支持部80の後方プレート81に連結されているスクリュ101が後退する。
この時点で、中間支持部60および後方支持部80は、最も前進した位置、つまり前進限または前進限近傍の所定位置に置かれている。
次に、スクリュ101を回転することにより、樹脂原料を可塑化させる。この前提として、投入口67,104から所定量の樹脂原料が投入さていれる。スクリュ101の回転は、電動モータ86を駆動させることにより実現される。このときのスクリュ101および電動モータ86の回転の向きを正転とする。
次に、射出動作に備えて、スクリュ101を微小量だけ前進させプランジャ103の吐出口103Aに当接させて、図6(a)に示すように、これまで形成されていた樹脂流路を閉じる。この動作は、先に説明した可塑化・計量の準備と逆の動作であり、第二移動機構90を動作させることにより、後方支持部80を中間支持部60に向けて微小量だけ前進させる。
樹脂流路が閉じたなら、スクリュ101とプランジャ103を前進させることで、金型のキャビティへの溶融樹脂の充填のための射出を行う。
このとき、電動モータ55を逆転させることにより、中間支持部60および後方支持部80を前進させる。そうすると、スクリュ101がプランジャ103とともに前進するので、プランジャバレル105の内部においてスクリュ101よりも前方Fに蓄えられていた溶融樹脂がノズルから図示を省略する金型のキャビティに向けて射出される。このとき、射出圧力に押されてスクリュ101がプランジャ103の前端部分に対して後退しようとする。しかし、吐出口103Aが開口してプランジャバレル105の内部の溶融樹脂がプランジャ103の内部に逆流しないように、スクリュ101には第二移動機構90により前進方向に押し圧が加えられている。
プランジャ103が所定位置まで前進すると、一つのサイクルのキャビティへの溶融樹脂の充填は終了する。その後、次のサイクルの準備が行われる。
次に、射出装置1が奏する効果を説明する。
[通常成形運転時とメンテナンス時の両立]
射出装置1は、第一ストローク規制手段95を備えることで、スクリュ101を第一ストロークと小さくできるのに加えて、第一規制体96を取り外すことでスクリュ101を第二ストロークと大きくできる。第一ストロークにおいて、通常成形運転の計量後における射出工程開始に際してのスクリュ101の移動距離を小さくできるので、すでに計量されている溶融樹脂量の精度に与える影響を小さく抑えることができる。第二ストロークにおいて、例えばメンテナンス時に、後方支持部80を大きく後退させることによって中間プレート61と後方プレート81の間隔を広くとれる。これにより、スクリュ取り外し時にカップリング106を取り外すなどのメンテナンスの際に、中間支持部60と後方プレート81との間の作業空間を増大させて作業性を向上させることができる。つまり、射出装置1は、射出時におけるスクリュ101の短い移動距離とメンテナンス時における中間プレート61と後方プレート81の広い間隔という、相反する要求に応えることができる。
特に、本実施形態は、スクリュ101の回転軸芯を中心にして点対称な位置に配置される一対のシリンダ91のピストンロッド94のそれぞれに第一ストローク規制手段95を直列に取り付ける。これにより、スクリュ101を介して伝わる溶融樹脂の圧力によるモーメント荷重が発生しない。したがって、本実施形態によれば、基台13の変形がないか変形を微小に抑えられるために、中間支持部60に対する後方支持部80の位置ずれを抑えることができる。これにより、可塑化時においてスクリュ101が回転する時にスクリュ101の外径面101Sとプランジャ103の内径面103Sとの摺動面に凝着摩耗(囓り)が発生するのを抑えることができる。
また、後方支持部80の傾き(倒れ)防止を基台13の曲げ剛性に頼る必要がないので、基台13の剛性を低くすることが可能であるため、射出装置1を安価で小スペースな機械とすることができる。
また、基台13の剛性を低くすることが可能なため、安価で小スペースな機械とすることができる。
スクリュ101の可塑化能力、つまりスクリュ101から吐出される単位時間あたりの溶融樹脂量は、スクリュ101の前端の圧力の影響を大きく受ける。つまり、スクリュ101から吐出される際の溶融樹脂流動はスクリュ101の前端の圧力が背圧となるため、スクリュ101の前端の圧力が高いとスクリュ101から吐出される樹脂量は少なくなり、スクリュ101の前端の圧力が低いとスクリュ101から吐出される樹脂量は多くなる。スクリュ101の後退量が変動すると、スクリュ101の先端とプランジャ103の間の流路の幅が変動するため、溶融樹脂の流動抵抗が変動し、この結果、溶融樹脂流動の背圧となるスクリュ101の前端圧力に変動が生ずる。このスクリュ101の前端部の圧力が変動するとスクリュ101から吐出される樹脂量も変動するので、溶融樹脂がスクリュ101内で混練される時間が不安定となり、溶融樹脂の溶融状態、溶融の均一性が変動してしまい、成形品の品質にばらつきが発生し、不良率が増大することになる。
このため、可塑化時のスクリュ101の後退量を精度よく維持する必要があるが、第一ストローク規制手段95は、可塑化時のスクリュ101の後退量を機械的に規定する。そのため、第一ストローク規制手段95という部材の寸法精度により、後退量を精度よく管理、維持できるので、成形品の品質を均一に確保することができる。
また、射出装置1において、第一ストロークから第二ストロークへの移行、これとは逆の第二ストロークから第一ストロークへの移行は、締結具98による第一規制体96の着脱だけで足り、作業負担が小さい。
以上では一例として第一ストローク規制手段95(第一実施形態)を説明したが、本発明の変形例である第二ストローク規制手段195を、図7および図8を参照して説明する。第二ストローク規制手段195も、第一ストローク規制手段95と同様に、後方プレート81の幅方向Wの両側面に、スクリュ101の中心軸と点対称に対をなして設けられている。
第二ストローク規制手段195は、第二規制体196と、第二規制体196が突き当たることで第二規制体196の前方への移動を係止する係止体197と、を備える。第二規制体196と係止体197の両方が所定の位置に、同時にそれぞれ配置されることによって、第二ストローク規制手段195が本発明のストローク規制手段として成立し機能していると、第二移動機構190が小ストロークで動作し、第二ストローク規制手段195が成立しておらず機能していないと、第二移動機構190が大ストロークで動作する。図7および図8を参照して、第二ストローク規制手段195の構成および動作について説明する。
第二ストローク規制手段195を成立させなくするには、第二規制体196を取り外すのに変えて、係止体197を取り外してもよいし、第二規制体196と係止体197の双方を取り外してもよい。
第二ストローク規制手段195は、第一ストローク規制手段95が第二移動機構90の軸線の延長線上に備えられるのに対し、第二ストローク規制手段195は第二移動機構190の側方(平行)に設けられる。したがって、第一ストローク規制手段95に比べて前後方向に占有するスペースが小さくてすむ。
10 支持部
11 ベッド
13 基台
15 ガイドレール
30 駆動部
40 前方支持部
41 前方プレート
43 プランジャ通路
45 第一支持孔
50 第一移動機構
51A ボールねじ軸
51B ボールねじナット
52 入力軸
53 入力プーリ
55 電動モータ
56 出力軸
57 出力プーリ
58 伝達ベルト
60 中間支持部
61 中間プレート
63 プランジャ把持孔
65 第二支持孔
67,104 投入口
68 架台
69 ガイドレール
80 後方支持部
81 後方プレート
83 出力軸
85 回転機構
86 電動モータ
87 出力軸
88 出力プーリ
89 伝達ベルト
90,190 第二移動機構
91 シリンダ
92B 第二油室
92F 第一油室
93 ピストン
94 ピストンロッド
95 第一ストローク規制手段
96 第一規制体
96A 開口端
96B 封止端
96C 締結孔
96D 側体
97 接続ロッド
97A ボルト孔
98 締結具
98A 締結ボルト
98B 締結ナット
100 射出部
101 スクリュ
101A 本体
101B スクリュ軸
101S 外径面
103 プランジャ
103A 吐出口
104 投入口
105 プランジャバレル
106 カップリング
107 射出ノズル
107A 射出孔
107B 樹脂通路
108,109 電熱線ヒータ
110 入力プーリ
195 第二ストローク規制手段
196 第二規制体
196A ねじ部
196B 胴部
196C 頭部
197 係止体
Claims (9)
- プランジャの中に回転可能に配置されるスクリュと、
前記スクリュの前後方向の往復移動を担う移動機構と、を備え、
前記移動機構は、
第一ストロークと、前記第一ストロークよりも前記往復移動の距離が大きい第二ストロークとの、二段階ストローク機能を備える、
ことを特徴とする射出装置。
- 前記移動機構は、
直線移動アクチュエータと、
前記直線移動アクチュエータの移動距離を前記第一ストロークに規制するストローク規制手段と、を備え、
前記ストローク規制手段が成立しているときに、前記第一ストロークが実行され、
前記ストローク規制手段が成立していないときに、前記第二ストロークが実行される、
請求項1に記載の射出装置。
- 一対の前記ストローク規制手段が、
前記スクリュの回転軸を中心にして、点対称の位置に設けられる、
請求項2に記載の射出装置。
- 前記直線移動アクチュエータが、軸状部材と筒状部材により移動動作が可能なアクチュエータであって、
前記ストローク規制手段は、
前記軸状部材と同軸上であって、前記軸状部材の端部に設けられる第一規制体を備え、
前記第一規制体が前記筒状部材に直接的または間接的に突き当たることで、前記第一ストロークに規制され、
前記第一規制体が取り外されると、前記第二ストロークが実現される、
請求項3に記載の射出装置。
- 前記ストローク規制手段は、
前記直線移動アクチュエータと平行であって、前記直線移動アクチュエータの側方に設けられる第二規制体と、
前記第二規制体が突き当たることで前記第二規制体の移動距離を規制する係止体と、を備え、
前記第二規制体が前記係止体に直接的または間接的に突き当たることで、前記第一ストロークに規制され、
前記第二規制体または前記係止体が取り外されると、前記第二ストロークが実現される、
請求項3に記載の射出装置。
- 前記直線移動アクチュエータが、油圧シリンダであって、
前記軸状部材がピストンヘッドを備えるピストンロッドであり、前記筒状部材がシリンダである、
請求項4または請求項5に記載の射出装置。
- 前記油圧シリンダが、前記ピストンヘッドの前後方向両面にピストンロッドをそれぞれ備える両ロッド型の油圧シリンダである、
請求項6に記載の射出装置。
- 前記直線移動アクチュエータが、電動モータ駆動のボールねじであって、
前記軸状部材がボールねじ軸であり、前記筒状部材がボールねじナットである、
請求項4または請求項5に記載の射出装置。
- 前記プランジャが挿入されるプランジャバレルと、
前記プランジャバレルが固定される前方支持部と、
前記前方支持部より後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、前記プランジャが固定される中間支持部と、
前記中間支持部の後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、前記スクリュが回転可能で、かつ、前後方向に移動不能に支持される後方支持部と、を備え、
前記移動機構は、
前記中間支持部と前記後方支持部との間隔を調整する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の射出装置。
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