JP6666637B2 - 射出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置に関するものである。
加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置は、装置の長さの割に大容量の可塑化および射出を行える場合が多く、従来から特許文献1および特許文献2に記載されたもの等が知られている。
そして前記特許文献1、特許文献2の射出装置においては、射出プランジャに対してスクリュが前後進可能となっている。そのため特許文献1では「発明の実施の形態」欄の(0032)、「発明の効果」欄に記載されるようにスクリュ10にもプランジャ機能を持たせて前進させることにより射出シリンダ12内の縮小貯留部60に貯留された溶融図示がノズル孔22を通じて射出されることにより射出シリンダ12内の溶融樹脂の残留量を減らすことができる。また特許文献2では「(5)発明の作用」欄の第3頁右下欄に記載されるように射出シリンダ1の押圧口5を押圧させて樹脂流路を閉塞することにより計量室7に貯留された溶融樹脂のバックフロ―を防止した後、油圧シリンダ14を前進作動して射出を行うことができ、射出用を安定させることが期待できる。
特開平10−305461号公報(請求項1、0032、図1) 特開昭60−49909号公報(請求項1、第3頁右下欄、第3B図)
しかしながら特許文献1、特許文献2は、射出プランジャに対してスクリュを前後進させる機構やスクリュを回転させるモータがスクリュの軸部の延長線上にあるため次のような問題があった。即ちスクリュを前後進させる機構やスクリュを回転させるモータをスクリュの延長線上に設けると射出装置の長さが長くなりがちである。またスクリュを前後進させる機構やスクリュを回転させるモータをスクリュの延長線上に設けると装置が複雑になり、特にはスクリュを抜き取る際の作業が複雑になる場合があった。
本発明では上記の問題を鑑みて、加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置において、装置の全長を短くするかまたは装置のメンテナンスを容易にした射出装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の射出装置は、加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置において、基台上に立設され加熱バレルが配設される前方ブロックと、基台上で前方ブロックに対してスクリュの軸方向に移動可能に設けられ計量モータが配設される可動ブロックとが備えられ、前記可動ブロックは、少なくとも射出プランジャが固定されるとともに材料供給孔が形成されたハウジングブロックと該ハウジングブロックの後方側に設けられスクリュが保持されるスクリュ保持ブロックの2枚のブロックを備えており、前記ハウジングブロックとスクリュ保持ブロックの間を接続して可動ブロックにはスクリュの軸部およびその延長線上の位置以外の位置にスクリュ前後進機構が備えられたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の射出装置は、請求項1において、可動ブロックにはスクリュの軸部およびその延長線上の位置以外の位置に計量モータが配設されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の射出装置は、請求項1または請求項2において、前記ハウジングブロックは基台上のリニアガイドによって前後進方向にガイドされていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の射出装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ハウジングブロックとスクリュ保持ブロックの2枚の可動ブロックは基台上のガイド部材によりガイドされていることを特徴とする。
本発明の射出装置は、加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置において、基台上に立設され加熱バレルが配設される前方ブロックと、基台上で前方ブロックに対してスクリュの軸方向に移動可能に設けられ計量モータが配設される可動ブロックとが備えられ、前記可動ブロックは、少なくとも射出プランジャが固定されるとともに材料供給孔が形成されたハウジングブロックと該ハウジングブロックの後方側に設けられスクリュが保持されるスクリュ保持ブロックの2枚のブロックを備えており、前記ハウジングブロックとスクリュ保持ブロックの間を接続して可動ブロックにはスクリュの軸部およびその延長線上の位置以外の位置にスクリュ前後進機構が備えられているので装置の全長を短くするかまたは装置のメンテナンスが容易になる。
本実施形態の射出装置の射出プランジャおよびスクリュが後退した状態を示す正面図である。 本実施形態の射出装置の射出プランジャおよびスクリュが前進した状態を示すA−A線の矢視図(矢視平面図)である。 本実施形態の射出装置の射出プランジャおよびスクリュが前進した状態を示す図2におけるB−B線の矢視図である。 本実施形態の射出装置の射出プランジャおよびスクリュの前部の要部拡大断面図である。
本発明の実施形態の射出成形機11の射出装置12について、図1ないし図3を参照して説明する。横型の射出成形機11は、ベッド13上に配置される射出装置12と図示しない型締装置とから構成されている。型締装置はいずれのタイプのものでもよく、固定金型が取付けられる固定盤がベッド13上に固定的に配置されている。また固定盤に対して可動金型が取付けられる可動盤がベッド上面のガイドの上を型開閉方向に移動可能に設けられている。なお型締装置の可動盤の型開閉機構のみ、または型開閉機構と型締機構をサーボモータ等の電動モータにより駆動すると、本発明の射出装置との組合せにより一層省エネルギー性能が向上する。
射出装置12について図1ないし図3において左側のノズル26の側を前方、右側を後方と称して説明する。ベッド13の上には射出装置12の基台14が前方の型締装置に向けて図示しないノズルタッチ機構により前後進可能に設けられている。そして基台14の上面の前寄りには前方ブロック15が立設されている。前方ブロック15は一定の厚みを備えた盤体であり基台14に固定されている。前方ブロック15の操作側−反操作側の方向(図2において上下方向、以後は幅方向と称す)の中央には、射出プランジャ16が挿入される貫通孔17が形成されている。貫通孔17の大きさは挿入された射出プランジャ16の周囲に空間が維持される大きさである。そして前方ブロック15の前面には加熱バレル18が固定されている。また前方ブロック15の操作側の上側角部の近傍位置と対角側の下側角部の近傍位置にはそれぞれ後方ブロック19に向けてガイド棒20、20の一端が固定されている。また前方ブロック15の操作側の側部近傍の中間高さの位置および反操作側の側部近傍の中間高さの位置にはそれぞれボールねじ21,21の一端がそれぞれベアリング22,22により回転可能に保持されている。前方ブロック15には図示しないが温調用流路を設け温度制御を行うことが望ましい。
前方ブロック15の貫通孔17の周囲の前面に固定される加熱バレル18は軸方向に内孔23が形成された円筒形の部材であり、周囲には軸方向に複数のヒータ24等の加熱手段が取付けられている。また加熱バレル18の前側の部分であるシリンダヘッド部25にはノズル26が固定されている。加熱バレル18の後部面は、貫通孔17の内部に臨んでおり前記内孔23が開口している。
加熱バレル18の内孔23の直径は、後述する射出プランジャ16の外径よりも僅かに大きく設けられ、内孔23に射出プランジャ16が挿入された際に両者の間から溶融材料(溶融樹脂)が漏れないようになっている。また前記内孔23の前部側はテーパー状に形成され、前記ノズル26の軸芯のノズル孔に連通されている。ノズル26についてはシャットオフバルブ等の開閉バルブを設けてもよい。計量される溶融材料の量が多くて計量時間が長時間におよぶ場合、ノズル26を固定金型に常時ノズルタッチさせているとノズルの熱が金型に奪われるので、ノズルに26に開閉バルブを設けておいて射出装置12を後退させてノズル26を金型から離隔させた際に前記バルブを閉鎖して計量を行うようにしてもよい。
そして基台14の上面の後ろ寄りには後方ブロック19が立設されている。後方ブロック19は一定の厚みを備えた盤体であって基台14に固定されている。後方ブロック19の幅方向の一方の上側角部の近傍と対角側の下側角部の近傍には前記ガイド棒20、20の他端が固定されている。従って2本のガイド棒20,20は、前方ブロック15と後方ブロック19の間を接続して平行に配設されている。また後方ブロック19の側部近傍の操作側の中間高さの位置および反操作側の側部近傍の中間高さの位置にはそれぞれボールねじ21,21の他端近傍がベアリング27,27により回転可能に保持されている。従って2本のボールねじ21,21は、前方ブロック15と後方ブロック19の間を接続して平行に配設されている。
後方ブロック19の上部には射出用サーボモータ28,28(射出用アクチュエータ)がそれぞれ配設されている。射出用サーボモータ28,28は、後方ブロック19の操作側の上部と反操作側の上部にそれぞれ設けられたモータ取付用ブラケット29に対して駆動軸28a側の面が当接するように取付けられ、モータ本体が射出装置12の前方に向けられている。そして駆動軸28aには、駆動プーリ30が固定されている。このように射出用サーボモータ28,28を後方ブロック19に取付けることにより、後方ブロック19から後方に突出する長さが最小限に抑えられ、射出装置12の全長短縮に寄与する。本実施形態ではボールねじ21,21の取付位置の上方(鉛直方向)に射出用サーボモータ28,28がそれぞれ配置されており、射出装置12の幅を抑制している。しかし射出用サーボモータ28,28は後方ブロック19の側部(側部上方を含む)に取り付けられたものでもよい。
後方ブロック19の後部側の面からは、ボールねじ21,21の他端部が一定長さだけ突出している。そして前記ボールねじ21,21の他端部には従動プーリ32,32がそれぞれ固定されている。ボールねじ21,21に固定される従動プーリ32,32の直径は、後述するスクリュ33の軸部34に固定される従動プーリ58よりも大径となっている。より具体的にはボールねじ21,21に固定される従動プーリ32,32の直径は、前方ブロック15や後方ブロック19の幅の1/3以上となっている。また射出装置12を後方側から見た際の従動プーリ32,32の外径のうちそれぞれ装置中心側の位置は、同じく後方側から投影した加熱バレル18の外周の直径よりも中心側となっている。このように従動プーリ32,32が大径であるので、本発明の射出装置12では、スクリュ33を内蔵する射出プランジャ16の軸方向に直交する方向の受圧面積(加熱バレルの内孔の断面積とほぼ一致)が一般的なインラインスクリュ式のスクリュの軸方向に直交する方向の面積よりもかなり大きい場合であっても所望の射出圧力を得ることができる。
そして射出用サーボモータ28,28を後方ブロック19に設けることにより次のようなメリットがある。射出装置が前方ブロックと後方ブロック(可動ブロック)の2つのブロックから構成されている場合または前方ブロックと後方ブロックと可動ブロックの3つのブロックから構成されている場合に係わらず、射出用サーボモータを前方ブロックの加熱バレル側に配置することは次のような点で不利である。即ち加熱バレル内に射出プランジャを内蔵した射出装置では、加熱バレルの太さが一般的なスクリュインライン式の射出装置よりも太くなる。そのため前方ブロックに射出用サーボモータを配置すると加熱バレルとの間の距離が狭くなり、射出用サーボモータがヒータからの輻射熱の影響を受けやすい。また前記のようにボールねじ21,21に大径の従動プーリ32,32を取付ける必要があるので、前方ブロックに射出用サーボモータを設け、前方ブロックの加熱バレル側に従動プーリを取付けると前方ブロックの幅をその分大きくする必要があり装置構造の点で不利である。
また前記の中で射出装置が2つのブロックから構成されている場合、後方ブロック(可動ブロック)に射出用サーボモータを取付けることも考えられる。しかしながら本発明のような射出プランジャを備えた装置では後方ブロック(可動ブロック)にスクリュのみならず射出プランジャも固定されるので、後方ブロック(可動ブロック)の重量が重くなる。その上更に後方ブロック(可動ブロック)に射出用サーボモータを取付けることは、更に後方ブロックの重量が重くなり、可動ブロック移動時のイナーシャの点において不利である。前記の観点から本発明の射出装置12では、射出用サーボモータ28,28は基台14に対して固定的に設けた後方ブロック19に配設することがより望ましい。
基台14の上面で前方ブロック15と後方ブロック19の間には1基の計量用サーボモータ35(計量用モータ)が配設される可動ブロック36が、スクリュ33の軸方向に移動可能に設けられている。そして可動ブロック36において計量用サーボモータ35が配置される位置は、可動ブロック36の上部のスクリュ33の軸部34およびその延長線上の位置以外の位置となっている。本実施形態では可動ブロック36は、射出プランジャ16が固定されたハウジングブロック37と、計量用サーボモータ35が配設されたスクリュ保持ブロック38の2枚の2つのブロックからなっている。ハウジングブロック37の側面近傍には前記ガイド棒20を挿入するための孔が形成されている。またハウジングブロック37の操作側の側部近傍の中間高さの位置および反操作側の側部近傍の中間高さのボールねじ21,21に対応する位置にはそれぞれボールねじナット39,39が固定されており、ボールねじナット39,39には上記ボールねじ21,21が挿入されている。そして少なくとも一方のボールねじナット39とハウジングブロック37の間にはロードセル40が取付けられている。なおロードセル40が取付けられる位置は別のブロックも含めて他の位置でもよい。またハウジングブロック37は、基台14上のガイドレール41とハウジングブロック37の底面の脚部42からなるリニアガイド43等のガイドによっても前後進方向にガイドがなされている。なおハウジングブロック37(可動ブロック)をガイドするガイド棒20は必須ではなく、基台14上のガイドのみにより前後進するものでもよい。または基台14上のガイドも必須ではなく、ガイド棒20のみによりガイドされるものでもよく、ガイド棒20の位置や本数も限定されない。
ハウジングブロック37の幅方向の中央には貫通孔44が形成され、貫通孔44には射出プランジャ16が挿通および固定されている。射出プランジャ16は軸方向に内孔45を備えた筒状の部材であり、前記内孔45内にスクリュ33が回転可能に配置されている。そして射出プランジャ16の筒部46のハウジングブロック37に挿入される部分には、内孔45に向けて材料供給孔47が貫通形成されている。またハウジングブロック37の上面から射出プランジャ16の前記材料供給孔47に向けて垂直方向に材料供給孔48が形成され両者が連通している。そしてハウジングブロック37の上面の材料供給孔48の部分には図示しない材料供給装置が接続され、材料供給孔48,47を介して射出プランジャ16内に樹脂材料等の材料が供給可能となっている。射出プランジャ16はその後端がハウジングブロック37の後面と一致するかまたは僅かに突出した位置となるように固定されている。
射出プランジャ16の筒部46の外周には複数のヒータ49が取付けられている。また図4にも詳細が示されるように射出プランジャ16の筒部46の前端寄りの外周部50の直径は、前記加熱バレル18の内孔23の直径よりもごく僅かに小さく形成されており、射出プランジャ16が加熱バレル18の内孔23に挿入された際に加熱バレル18と射出プランジャ16の間から溶融樹脂が漏出しないようになっている。また射出プランジャ16の前端面52は加熱バレル18の内孔23の前端側の形状に合わせてテーパー状になっている。なお射出プランジャ16の前端面は軸方向の直交する平面からなるものでもよい。
また射出プランジャ16の内孔45内にはスクリュ33が回転可能に配置されている。スクリュ33は後部から順にフィードゾーン、コンプレッションゾーン、メタリングゾーンが形成されている。なおスクリュ33の形状は限定されない。本実施形態ではスクリュ33の前部に逆流防止弁は取付けられていない。ハウジングブロック37の後部からはスクリュ33の軸部34(スクリュ本体の軸部33以外に、軸部33にカップリング65等を用いて接続されるスクリュコネクタ51等の部材もまたスクリュ33の軸部34に含まれる)が突出している。
次にスクリュ保持ブロック38とスクリュ前後進機構53について説明する。ハウジングブロック37の後部面には、操作側の上側と反操作側の下側というように対角方向に2本のガイド棒54,54が所定長さに突出形成されている。またハウジングブロック37の後部面の操作側下側と反操作側の上側というように反対側の対角方向にそれぞれスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55のシリンダ部55a,55aが取付けられている。そして前記ガイド棒54,54は、スクリュ保持ブロック38のガイド孔38a,38aに挿通されている。また油圧シリンダ55、55のロッド部55b,55bはスクリュ保持ブロック38の前面にそれぞれ取付けられている。従って油圧シリンダ55,55は、可動ブロック36のスクリュ33の軸部およびその延長線上以外の位置において、ハウジングブロック37とスクリュ保持ブロック38の間を接続して取付けられている。そして油圧シリンダ55,55は図示しないバルブやポンプ等の油圧回路に接続されている。このことによりスクリュ保持ブロック38は、前記ガイド棒54,54によって保持され、油圧シリンダ55,55の作動によりスクリュ33の軸方向に移動可能となっている。そしてスクリュ33の軸部34は、スクリュ保持ブロック38の内部に設けられた図示しないベアリング64により保持されている。そしてスクリュ33の軸部34のうちのスクリュ保持ブロック38から後部側に突出した部分には従動プーリ32が固定されている。
このようにスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55を取付けることにより、特許文献2の射出装置と比較して油圧シリンダ55,55が可動ブロック36内ではなく外部に露出して取付けられているためパッキンの交換等の作業が容易になる。また計量用サーボモータ35やスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55がスクリュ33の軸部34およびその延長線上の位置に配置されていないので、射出装置12の全長が短くできるとともに、スクリュ33のメンテナンス時にスクリュを前方または後方に抜き取る作業が容易となる。
射出装置12からスクリュ33の抜き取り作業(メンテナンス作業)の一例について記載すると、スクリュ33の軸部34とスクリュコネクタ51を固定するカップリング65を外す。そして射出装置12の後部ブロック19の中央部の窓部66から、スクリュ33の軸部34の後端に形成された図示しないねじ孔に向けて図示しない先端にねじの形成された工具を挿入する。そして工具によりスクリュ33を前方に押し出す。この際に前方ブロック15から加熱バレル18は外されており、基台14は図示しない旋回装置により旋回されて射出装置12が固定盤に正対しない位置となっている。
また可動ブロック36であるスクリュ保持ブロック38の上部には計量用サーボモータ35が配設されている。具体的には計量用サーボモータ35は、スクリュ保持ブロック38の幅方向の中央部の上面に設けられたモータ取付用ブラケット56に対して駆動軸側の面が当接するように取付けられ、モータ本体が射出装置12の前方に向けられている。そして駆動軸35aには、駆動プーリ57が固定されている。本発明では前記したようにスクリュ33は射出プランジャ16の内部に挿入されており、可動ブロック36であるスクリュ保持ブロック38の後面側に従動プーリ58が配置されているので、可動ブロック36の後面側の上方に計量用サーボモータ35の駆動プーリ57が位置するように取付ける必要がある。そして更に前記計量用サーボモータ35の駆動プーリ57と前記従動プーリ58の間にはベルト59(タイミングベルト)が掛け渡されている。なお場合によってはハウジングブロック37とスクリュ保持ブロック38の間のスクリュ33の軸部34の部分に従動プーリ58を固定し、スクリュ保持ブロック38に取付ける計量用サーボモータ35を駆動軸35aが前方方向を向くように取付けてもよい。なお可動ブロック36に計量用サーボモータ35を取付ける位置は、スクリュ保持ブロック38(可動ブロック36)の側部(側部上方を含む)であってもよいが、その場合射出装置12の幅が大きくなる不利がある。
なお可動ブロック36については、ガイド棒20,20やガイドレール41等のガイド部材がスクリュ保持ブロック38のみをガイドするように取り付けられ、ハウジングブロック37についてはガイドされないものでもよい。またはハウジングブロック37とスクリュ保持ブロック38の双方の可動ブロック36がガイド部材によりガイドされるものでもよい。更にはボールねじナット39,39についてもスクリュ保持ブロック38に取付けられるものでもよい。
またスクリュ前後進機構53の駆動源については上記に限定されず、油圧シリンダを用いる場合は単動シリンダであってもよい。その場合スクリュの前進または後退の一方向はバネにより復帰させてもよい。更にはスクリュ前後進機構53の駆動源は、電動機とボールねじ機構や電磁石によるものでもよい。駆動源が電動機の場合、クサビ機構などによりスクリュを前進させ位置保持してもよい。更には可動ブロックについては1枚のブロックとしてそのブロックに計量用サーボモータを取付けてもよい。その場合可動ブロックの内部にスクリュの軸部を前後進させる油圧シリンダ等が配置される。そしてスクリュの軸部にはスプライン状に所定の厚みを備えた歯車が採用され計量用サーボモータの駆動歯車と係合されるようにする。このような構造にすることによりスクリュが前後進しても歯車同士の係合が外れることはない。またはスクリュ前進時にはスクリュは回転されないので計量用サーボモータからの駆動力の伝達が解除されるものでもよい。いずれにしてもスクリュ前後進機構53のアクチュエータは、可動ブロック36のスクリュ33の軸部34およびその延長線上の位置以外の位置に配置されることが望ましい。
次に図4によりスクリュ33の先端形状と射出プランジャ16の内孔形状からなるシール構造について説明する。射出プランジャ16の内孔45の先端側はテーパー面60を経て中心の断面積の小さい連通孔61となっている。またスクリュ33についても先端面はテーパー面62となっている。また前記テーパー面62の中でも中心軸寄りの部分は前記テーパー面62とは角度の異なりプランジャ16のテーパー面60と角度が一致するテーパー面からなる当接面63となっている。従ってスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55が作動されスクリュ保持ブロック38と共にスクリュ33が最前進位置まで前進すると前記当接面63が射出プランジャ16の内孔45のテーパー面60に当接して溶融樹脂の流路がシールされるようになっている。なお射出プランジャ16の内孔45の筒の部分に段差を設け、該段差にスクリュ33の肩部が当接されるなど、スクリュ33と射出プランジャ16との間のシール構造は図4の記載のものに限定されない。
次に本実施形態の射出成形機11の射出装置12の1サイクルにおける作動について説明する。ノズル26、加熱バレル18、射出プランジャ16はそれぞれ図示しない制御装置により制御されるヒータ24等により所定の設定温度に温度制御されている。またハウジングブロック37、前方ブロック15、金型等も制御装置を含む温調装置により所定の設定温度に温度制御されている。そしてまず前回の射出工程(射出充填と保圧)が終了すると図示しない型締装置の金型内のキャビティで成形品の冷却工程が行われる。本発明の成形機は、限定されるものではないが大容積または肉厚の成形品の成形を行うことも想定されており、その場合は冷却時間も一例として20秒〜120秒というように長時間となる。成形品の冷却工程と並行して射出装置12では次の成形のための計量工程が行われる。
計量工程の開始の際はスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55を作動させ、可動ブロック36のうちのスクリュ保持ブロック38をハウジングブロック37に対して後退移動させる。それにより同時にスクリュ33も後退し、スクリュ前端の当接面63と射出プランジャ16の内孔45のテーパー面60との間のシール状態も解消される。従って射出プランジャ16の内孔45とその前方の連通孔61が連通され、前記内孔45と加熱バレル18の内孔23も連通される。なお油圧シリンダ55,55の油圧回路をドレンに接続して圧抜を行い、計量用サーボモータ35を回転してもスクリュ33を後退させることもできる。
図示しない制御装置からの信号により計量用サーボモータ35が駆動されると駆動プーリ57、ベルト59、従動プーリ58を介して駆動力が伝達されスクリュ33が回転される。スクリュ33は設定回転数で回転され、材料供給孔47,48から射出プランジャ16の内孔45内に供給された樹脂材料をフィードゾーン、コンプレッションゾーン、メタリングゾーンを経て前方に送ることにより溶融状態の溶融樹脂とする。そして前記溶融樹脂は後方のスクリュ33側からの圧力により連通孔61を通過して前方の加熱バレル18の内孔23内に供給される。この際に射出用サーボモータ28,28のトルク制御により可動ブロック36に前進方向の力を付与して背圧制御が行われる(ただし背圧0制御の場合も含む)。加熱バレル18の内孔23内には溶融樹脂が満たされているにもかかわらず更にスクリュ回転により溶融樹脂が供給されるので、射出プランジャ16とスクリュ33は共に徐々に後退する。そして所定の計量完了位置まで射出プランジャ16が後退すると計量用サーボモータ35の回転を停止する。その後にスクリュ前後進機構53の油圧シリンダ55,55を作動させて射出プランジャ16に対してスクリュ33を前進させる。そのことによりスクリュ33の前端の当接面63が射出プランジャ16のテーパー面63に当接して流路が閉鎖されシールが完成する。なおその際にも射出プランジャ16の内孔45内の溶融樹脂が加熱バレル18内に僅かに供給される場合があるので、スクリュ前進後の射出プランジャ16の位置が計量完了位置となるように制御してもよい。本実施形態では射出工程の開始前に射出プランジャ16とスクリュ33の間のシールが行われるので、特許文献1、特許文献2のように射出工程の開始によりスクリュが前進した際に初めてリングバルブが後退してシールされるものよりも射出量を安定させることができる。
次に型締装置側で成形品の冷却工程が完了すると型開、成形品取出、型閉、型締などの工程が行われ、型締完了が確認されると射出工程となる。射出工程では図示しない制御装置からの信号により射出用サーボモータ28,28が駆動されると駆動プーリ30,30、ベルト31,31、従動プーリ32,32を介してボールねじ21,21が定位置で回転される。ボールねじ21,21の回転と共にボールねじナット39,39とハウジングブロック37と射出プランジャ16が設定された射出速度で前方に向けて移動され、同時にスクリュ保持ブロック38とスクリュ33も移動される。この際に上記したように射出プランジャ16の内孔45とスクリュ33の間は当接されシールされているから両者は一体となって前進し、溶融樹脂が加熱バレル18の内部から射出プランジャ16の内部に向けて逆流することはない。
そして加熱バレル18に対して射出プランジャ16とスクリュ33が所定の位置まで前進したことが検出されるかまたはロードセル40に所定の力が付与されたことが検出されると保圧工程となり、保圧工程が完了すると型締装置の側は上記の通り再び冷却工程となり、射出装置12の側では再び次の計量工程が開始される。
上記の実施形態の変形例として、後方ブロック19に配設される射出用サーボモータは1個または3個以上であってもよい。射出用サーボモータが1個の場合は、射出用サーボモータは後方ブロックの中央上部に固定され、ボールねじも後方ブロックの中央のスクリュ33の軸部34の延長線上に軸支される。そして射出用サーボモータの駆動プーリとボールねじに固定された従動プーリにはベルト(タイミングベルト)が掛け渡される。そして可動ブロックの後部分の中央のスクリュ33の軸部34の延長線上にボールねじナットが固定され、ボールねじがボールねじナットに挿通される。可動ブロックの計量用モータによるスクリュの駆動部分は図1等の実施形態と同じである。しかしこの構造は、ボールねじナットを可動ブロックの後部に突出して設ける上に、可動ブロック後退時に前記ボールねじがボールねじナットから前方に突き出すスペースが必要となる。従って複数の射出用サーボモータ28,28を後方ブロック19の両側寄りの上部にそれぞれ配置した図1ないし図3の実施形態の射出装置12のほうが、射出用サーボモータが1基の射出装置よりも射出装置12の全長が短くなる場合が多い。
また本実施形態の射出装置12ではスクリュ前後進機構53は、スクリュ33を射出プランジャ16に向けて僅かなストロークだけ前後進させシールをする目的であるが次のようなものでもよい。即ち計量工程においてスクリュ33の回転とともに射出プランジャ16内のスクリュ33が後退して射出プランジャ内のスクリュ33の前方にも溶融樹脂が貯留されるものでもよい。この場合上記の連通孔61の部分に開閉弁を設けることにより種々の使い方ができる。即ち連通孔61の開閉弁を閉鎖して保圧中に計量工程を開始したり、計量工程において加熱バレル18内に溶融樹脂が充満されてから更にスクリュ33を後退させて射出プランジャ16内に溶融樹脂を貯留するなどの使い方をすることができる。これらのケースではスクリュ33には逆流防止弁を設けるようにしてもよい。またスクリュ前後進機構33の油圧シリンダ等のアクチュエータもストロークおよび出力の大きなものが採用されることが望ましい。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、上記の各記載を組み合わせたものや当業者が本発明の趣旨を踏まえて追加や変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本発明の射出成形機は、竪方向に型開閉される竪型型締装置を備えたものでもよい。
11 射出成形機
12 射出装置
14 基台
15 前方ブロック
16 射出プランジャ
18 加熱バレル
19 後方ブロック
21 ボールねじ
28 射出用サーボモータ
33 スクリュ
35 計量用サーボモータ
36 可動ブロック
37 ハウジングブロック
38 スクリュ保持ブロック
39 ボールねじナット
53 スクリュ前後進機構
55 油圧シリンダ

Claims (4)

  1. 加熱バレルに挿入された筒状の射出プランジャ内にスクリュを回転可能に配置し前記スクリュの回転により溶融材料を加熱バレル内に供給するとともに、加熱バレルに対して射出プランジャとスクリュを前進させて加熱バレル内の溶融材料を射出する射出装置において、
    基台上に立設され加熱バレルが配設される前方ブロックと、
    基台上で前方ブロックに対してスクリュの軸方向に移動可能に設けられ計量モータが配設される可動ブロックとが備えられ、
    前記可動ブロックは、少なくとも射出プランジャが固定されるとともに材料供給孔が形成されたハウジングブロックと該ハウジングブロックの後方側に設けられスクリュが保持されるスクリュ保持ブロックの2枚のブロックを備えており、
    前記ハウジングブロックとスクリュ保持ブロックの間を接続して可動ブロックにはスクリュの軸部およびその延長線上の位置以外の位置にスクリュ前後進機構が備えられたことを特徴とする射出装置。
  2. 可動ブロックにはスクリュの軸部およびその延長線上の位置以外の位置に計量モータが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の射出装置。
  3. 前記ハウジングブロックは基台上のリニアガイドによって前後進方向にガイドされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出装置。
  4. 前記ハウジングブロックとスクリュ保持ブロックの2枚の可動ブロックは基台上のガイド部材によりガイドされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の射出装置。
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