JP2022022793A - 潤滑油用エステル基油および潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であっても持続性に優れる潤滑油用エステル基油を提供する。【解決手段】潤滑油用エステル基油は、エステル(A)およびエステル(B)の質量比((A):(B))が95:5~30:70である。エステル(A): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとリノール酸とのエステル反応物からなるモノエステルエステル(B): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとオレイン酸とのエステル反応物からなるモノエステル【選択図】 なし

Description

本発明は、潤滑油に使用されるエステル基油に関し、詳細には抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であっても持続性に優れるエステル基油に関する。
金属加工油、油圧作動油などに用いられる潤滑油は、基油と様々な機能を持つ添加剤から成り立っている。エステルは構造中に極性基であるエステル結合を有することにより、高潤滑性、高耐熱性、高耐揮発性といった性質を有しているため、潤滑油用の基油として広く利用されている。
金属加工の分野においては、水の混入は大きな問題となり、工具寿命の低下や、加工精度の低下を引き起こす。エステル基油では、鉱物油と比較して極性が高いことから、水との乳化が起こりやすく、乳化が起きると金属摺動面での油膜形性能が低下し、加工精度が低下する恐れがある。また、水が混入するとエステル結合が切れる加水分解が起き、有機酸が生成される。生成した有機酸により金属腐食が生じ、工具寿命の低下に繋がる恐れがある。そのため、金属加工の分野において、エステル基油を使用する場合、抗乳化性(水分離性)や加水分解安定性の改善に向けて様々な検討がなされている。
抗乳化性の課題に対して、例えば、特許文献1では、特定のエステル基油に、2種類のリン系化合物を添加した潤滑油組成物が開示されている。また、加水分解の課題に対して、特許文献2では、特定のエステル基油に脂肪酸アミド化合物、及びベンゾトリアゾール系誘導体を添加した潤滑油組成物が、また、特許文献3では、グリセロールとオレイン酸からなる脂肪酸エステルを基油に特定の化合物を添加した潤滑油組成物がそれぞれ開示されている。
特開2017-008229号公報 特開2008-115301号公報 特開2017-165912号公報
しかし、金属加工油は繰り返し使用される場合があることから、使用初期の性能が良好であっても、加工時の高温条件に曝されたり、水が混入することで潤滑油が劣化し、経時的に性能が低下する恐れがある。潤滑油には長寿命化が望まれており、より高性能なエステル基油として、抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であっても持続性に優れるエステル基油が望まれていた。
本発明の課題は、抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であっても持続性に優れる潤滑油用エステル基油を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、特定のエステル(A)と特定エステル(B)を特定の比率で混合したエステル基油が上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕~〔2〕である。
〔1〕 下記エステル(A)およびエステル(B)の質量比((A):(B))が95:5~30:70であることを特徴とする、潤滑油用エステル基油。

エステル(A): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとリノール酸とのエステル反応物からなるモノエステル

エステル(B): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとオレイン酸とのエステル反応物からなるモノエステル
(2) (1)の潤滑油用エステル基油を80質量%以上含有することを特徴とする、潤滑油組成物。
本発明の潤滑油用エステル基油は、抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であってもその持続性に優れる。
本発明の潤滑油用エステル基油は、エステル(A)及びエステル(B)を特定の比率で含有する。本発明の効果を損なわない範囲において、エステル(A)及びエステル(B)以外の任意成分を含有していても良い。以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は「2以上、5以下」を表す。
〔エステル(A)〕
エステル(A)は、炭素数4~22の分岐モノアルコールとリノール酸とのエステル反応物からなるモノエステルである。
エステル(A)の原料である分岐モノアルコールの炭素数が23以上の場合、十分な耐摩耗性が得られないことがあり、炭素数が4未満の場合、十分な抗乳化性が得られないことがある。また直鎖モノアルコールでは、十分な加水分解安定性が得られないことがある。炭素数4~22の分岐モノアルコールとしては、例えば、2-メチルプロパノール、イソブタノール、イソオクタノール、2-エチルヘキサノール、イソノナノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、イソデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-ヘキシルデカノールなどが挙げられる。これらアルコールのうち1種を単独で、または2種類以上を混合して用いても良い。
エステル(A)の原料である分岐モノアルコールは、抗乳化性および加水分解安定性の観点から、炭素数として好ましくは4~18であり、さらに好ましくは8~18であり、一層好ましくは8~14であり、特に好ましくは12~14である。
例えば、2-エチルヘキサノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、イソドデカノール、イソトリデカノールが好ましく、イソドデカノール、イソトリデカノールが特に好ましい。
エステル(A)に使用されるリノール酸としては、工業的に入手可能な商品のを使用することができるが、効果持続性の観点から、商品中のリノール酸純度が95%以上のリノール酸が好ましい。
なお、エステル(A)の質量を算出するのに際しては、リノール酸純度から算出したリノール酸の質量を基準として算出する。
〔エステル(B)〕
エステル(B)は、炭素数4~22の分岐モノアルコールとオレイン酸とのエステル反応物からなるモノエステルである。
エステル(B)の原料である分岐モノアルコールの炭素数が23以上の場合、十分な耐摩耗性が得られないことがあり、炭素数が4未満の場合、十分な抗乳化性が得られないことがある。また、直鎖モノアルコールでは十分な加水分解安定性が得られないことがある。
エステル(B)の原料である炭素数4~22の分岐モノアルコールとしては、例えば、2-メチルプロパノール、イソブタノール、イソオクタノール、2-エチルヘキサノール、イソノナノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、イソデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-ヘキシルデカノールなどが挙げられる。これらアルコールのうち1種を単独で、または2種類以上を混合して用いても良い。
エステル(B)の原料である分岐モノアルコールは、抗乳化性および加水分解安定性の観点から、炭素数としては、好ましくは4~18であり、さらに好ましくは8~18であり、一層好ましくは8~14であり、特に好ましくは炭素数10~14である。例えば、2-エチルヘキサノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、イソドデカノール、イソトリデカノールが好ましく、イソドデカノール、イソトリデカノールが特に好ましい。
エステル(B)の原料であるオレイン酸としては、工業的に入手可能なものを使用することができるが、効果持続性の観点から主成分純度が95%以上のオレイン酸が好ましい。
なお、エステル(B)の質量を算出するのに際しては、オレイン酸純度から算出したオレイン酸の質量を基準として算出する。
抗乳化性の観点から、エステル(A)、エステル(B)以外のエステル(以下、エステル(C)ともいう)をさらに含有していることが好ましい。
〔エステル(C)〕
炭素数4~22のモノアルコールとリノレン酸とのエステル反応物からなるモノエステルである。
エステル(C)の原料であるモノアルコールの炭素数が23以上の場合、十分な耐摩耗性が得られないことがあり、炭素数が4未満の場合、十分な抗乳化性が得られないことがある。
エステル(C)の原料である炭素数4~22のモノアルコールとしては、飽和または不飽和、直鎖状または分岐状のいずれの形態であっても良い。モノアルコールとしては、例えば、1-ブタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、1-ヘキサデカノール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ドコサノールなどの直鎖状飽和アルコール、2-メチルプロパノール、イソブタノール、イソオクタノール、2-エチルヘキサノール、イソノナノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、イソデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-ヘキシルデカノールなどの分岐飽和アルコール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エルシルアルコールなどの直鎖不飽和アルコールなどが挙げられる。これらアルコールのうち1種を単独で、または2種類以上を混合して用いても良い。
エステル(C)の原料であるモノアルコールは、抗乳化性の観点から、炭素数としては好ましくは8~18であり、より好ましくは10~14である。例えば、1-オクタノール、2-エチルヘキサノール、1-ノナノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、1-ドデカノール、イソドデカノール、1-トリデカノール、イソトリデカノールが好ましく、1-ドデカノール、イソドデカノール、1-トリデカノール、イソトリデカノールが特に好ましい。
エステル(C)の原料であるリノレン酸としては、工業的に入手可能なものを使用することができるが、効果持続性の観点から主成分純度が95%以上のリノレン酸が好ましい。
本発明の潤滑油用エステル基油を構成するエステル(A)、エステル(B)およびエステル(C)は、通常のエステル化反応およびエステル交換反応によって製造することができる。
すなわち、炭素数4~22のモノアルコールと特定カルボン酸との当量比は、アルコールに対し、特定カルボン酸が好ましくは0.8~1.5当量であり、生産効率と経済性の点からさらに好ましくは0.9~1.2当量であり、このような当量比に調整し、必要に応じてエステル化触媒を加えて反応を行なう。
エステル化触媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのブレンステッド酸、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜鉛等のルイス酸触媒を使用できる。
エステル化反応は、窒素気流下、160℃以上で行い、反応液の酸価または水酸基価の1時間あたりの下がり幅が2.0mgKOH/g以下となるまで行う。過剰の脂肪酸やアルコールの除去を効率よく行うために、1時間あたりの下がり幅が1.0mgKOH/g以下となるまで行うのが好ましい。
反応終了後のエステル粗生成物中に存在する余剰のアルコールや反応時に生成した副生成物を除去するために、窒素気流下、減圧条件で留去することが好ましい。アルコールの除去は、液温160℃以上で、100Torr以下の真空度で行うのが好ましい。
また、エステル粗生成物中の余剰のカルボン酸を除去するために、アルカリによるカルボン酸の中和精製を行うことが好ましい。用いるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましく、5~15質量%の水溶液で用いるのが好ましい。中和精製に際しては、エステル粗生成物に上記のアルカリ水溶液を加えて攪拌して静置し、分離した下層のカルボン酸石鹸水溶液を除去する。その後、エステル粗生成物中のカルボン酸石鹸をさらに除去するために、水洗い(温水洗い)を行うことが好ましい。水洗いは、エステル粗生成物に60~90℃の温水を加え、攪拌して静置し、下層の水層を除去して行う。
アルカリによるカルボン酸の中和、水洗いを行った後、活性白土、酸性白土および合成系の吸着剤を用いた吸着処理やスチーミングなどの操作を単独または組み合わせて行うことによって、エステル(A)、エステル(B)およびエステル(C)を得ることができる。
本発明の潤滑油用エステル基油は、エステル(A)とエステル(B)を混合することにより得られ、エステル(A)とエステル(B)の質量比((A):(B))は、95:5~30:70である。抗乳化性、耐加水分解性の観点から、エステル(A)とエステル(B)の質量比((A):(B))は、80:20~30:70であることが好ましく、70:30~35:65であることが更に好ましく、60:40~45:55であることが特に好ましい。
エステル(C)を含有する場合、エステル(C)の含有量としては、エステル基油の総質量に対して、抗乳化性、耐加水分解性の観点から、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
エステル(A)、エステル(B)およびエステル(C)の合計含有量の下限としては、エステル基油の総質量に対して、70質量%が好ましく、80質量%が更に好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%が特に好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、エステル(A)、エステル(B)及びエステル(C)以外のエステル(以下、エステル(D)ともいう)を含んでいても良い。エステル(D)としては、例えば、炭素数4~22のモノアルコールと炭素数12~22の飽和脂肪酸とのエステルが挙げられる。
本発明の潤滑油用エステル基油には、公知の添加剤、例えば、フェノール系、アミン系、キノリン系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾ-ル、チアジアゾールまたはジチオカーバメートなどの金属不活性化剤、エポキシ化合物またはカルボジイミドなどの酸補足剤、リン系の極圧剤などの添加剤を目的に応じて適宜配合することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(合成例1:リノール酸イソトリデシルの合成)
温度計、窒素導入管、攪拌機、ジムロート冷却管および容量10mLの油水分離管を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、リノール酸(日油製、EXTRA LINOLEIC 99)を41.4gと、イソトリデカノール(KHネオケム(株)製、トリデカノール)28.6g仕込んだ(カルボン酸/アルコールの当量比=1.03)。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸0.1gを仕込んだ。油水分離器に溜まる反応水を抜き取りながら、反応液を220℃まで加熱して反応液の酸価を1時間ごとに測定し、1時間あたりの酸価の下がり幅が0.5mgKOH/g以下となるまで反応を行なった。
その後、反応液を220℃で30Torrまで減圧し、アルコールと揮発性の反応副生成物を除去した。85℃まで反応器を冷却した後、酸価から算出される水酸化ナトリウム量の1.5当量をイオン交換水で希釈して10質量%の水溶液を調製し、それを反応液に加えて1時間撹拌した。撹拌を止めた後、30分静置して下層に分離した水層を除去した。
次に、反応液に対して20質量%に相当する量のイオン交換水を加えて85℃で10分撹拌して、15分静置し、分離した水層を除去する操作を5回繰り返した。その後、100℃、30Torrで1時間撹拌することで脱水した。最後に、反応液に対して2質量%に相当する量の活性白土を加え、80℃、30Torrの条件で1時間撹拌し、ろ過して吸着剤を除去することでリノール酸トリデシルを得た。
(合成例2:オレイン酸イソトリデシルの合成)
温度計、窒素導入管、攪拌機、ジムロート冷却管および容量10mLの油水分離管を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、オレイン酸(日油(株)製、EXTRA OLEIN 99)を41.4gと、イソトリデシルアルコール(KHネオケム(株)製、トリデカノール)28.6g仕込んだ(カルボン酸/アルコールの当量比=1.03)。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸0.1gを仕込んだ。以降の工程は合成例1と同様にして行い、オレイン酸トリデシルを得た。
(合成例3:リノール酸2-エチルヘキシルの合成)
温度計、窒素導入管、攪拌機、ジムロート冷却管および容量10mLの油水分離管を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、リノール酸(日油製、EXTRA LINOLEIC 99)を47.1gと、2-エチルヘキサノール(三菱化学(株)製、2-エチルヘキサノール)22.9g仕込んだ(カルボン酸/アルコールの当量比=0.95)。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸0.1gを仕込んだ。以降の工程は合成例1と同様にして行い,リノール酸2-エチルヘキシルを得た。
(合成例4:オレイン酸2-エチルヘキシルの合成)
温度計、窒素導入管、攪拌機、ジムロート冷却管および容量10mLの油水分離管を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、オレイン酸(日油(株)製、EXTRA OLEIN 99)を47.1gと、2-エチルヘキサノール(三菱化学(株)製、2-エチルヘキサノール)22.9g仕込んだ(カルボン酸/アルコールの当量比=0.95)。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸0.1gを仕込んだ。以降の工程は合成例1と同様にして行い、オレイン酸2-エチルヘキシルを得た。
(合成例5:リノレン酸トリデシルの合成)
温度系、窒素導入管、撹拌機、ジムロート冷却管および容量10mLの油水分離管を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、リノレン酸(日油(株)製、EXTRA γ‐LINOLEIC 99)を41.4gと、トリデシルアルコール(TCI製、1-トリデカノール)を28.6g仕込んだ(カルボン酸/アルコールの当量比=1.03)。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸0.1gを仕込んだ。以降の工程は合成例1と同様にして行い、リノレン酸トリデシルを得た。
〔潤滑油用エステル基油の調製〕
表1に記載の質量比となるよう、合成例1~5の各エステルをフラスコに計量し、80℃で加温し、30分撹拌することで、実施例1~4および比較例1および2の各潤滑油用エステル基油をそれぞれ調製した。
Figure 2022022793000001
〔酸価]
JIS C2101に準拠して、各基油の酸価を測定した。
[抗乳化性試験〕
抗乳化性を評価した。JIS K 2520を基に実施し、油と水の分離時間にて評価した。評価は以下のとおりとした。
「◎」: 1時間未満
「〇」: 1時間以上から5時間未満
「×」: 5時間以上
また、100mLガラス瓶に、潤滑油エステル基油を50mlおよび水0.1mlを入れ、空気雰囲気下で密閉し、80℃の恒温槽にて4日間静置後の潤潤滑油用エステル基油の抗乳化性を同一の条件で測定した。
〔加水分解安定性〕
各基油の加水分解安定性を評価した。100mLガラス瓶に、潤滑油用エステル基油を50mlおよび水0.1mlを入れ、空気雰囲気下で密閉し、80℃の恒温槽にて4日間静置後の酸価を測定した。加水分解による酸価上昇の測定により、評価した。評価は以下のとおりとした。
「◎」: 0.05mgKOH/g未満
「○」: 0.05mgKOH/g以上から0.15mgKOH/g未満
「×」: 0.15mgKOH/g以上
〔耐摩耗性試験〕
SRV試験機(OPTIMOL 社製、Schwingungs Reihungundund Verschleiss試験機4型)にて耐摩耗性を評価した。SRV試験はボール/ディスクで行い、試験片はそれぞれSUJ-2製を用いた。試験条件は試験温度120℃、荷重100N、振幅1mm、振動数50Hzであり、試験時間25min経過後の摩耗痕径を測定した。評価は、以下のとおりとした。
「◎」: 500μm未満
「○」: 500μm以上から550μm未満
「×」: 550μm以上
また、100mLガラス瓶に、潤滑油エステル基油50mlおよび水0.1mlを入れ、空気雰囲気下で密閉し、80℃の恒温槽にて4日間静置後の潤滑油組成物の耐摩耗性を同一の条件で測定した。
Figure 2022022793000002
表2に示す結果から明らかなように、本発明に係る潤滑油用エステル基油1~4は、抗乳化性、加水分解安定性、潤滑性に優れるとともに、水存在下であってもその持続性に優れることがわかる。
一方、エステル(A)とエステル(B)の質量比が範囲外の潤滑油用エステル基油は、加水分解安定性や耐摩耗性は良好であったが、抗乳化性や加水分解安定性の持続性が劣っていた。

Claims (2)

  1. 下記エステル(A)およびエステル(B)の質量比((A):(B))が95:5~30:70であることを特徴とする、潤滑油用エステル基油。

    エステル(A): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとリノール酸とのエステル反応物からなるモノエステル

    エステル(B): 炭素数4~22の分岐モノアルコールとオレイン酸とのエステル反応物からなるモノエステル
  2. 請求項1記載の潤滑油用エステル基油を80質量%以上含有することを特徴とする、潤滑油組成物。
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