JP2022021682A - 水門開閉装置及びその油圧駆動ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
一方、流量調整弁を設けずに、閉回路を流れる作動油の流量によって、開閉操作用の油圧ポンプ及びサーボモータを回転させて、サーボモータを発電機として回生電流による回生抵抗(ダイナミックブレーキ)で自重降下させることができるが、扉体の開閉速度に対して自重降下速度が高速となるので、所要出力が大きくなり、自重降下時で発生する出力以上のサーボモータとサーボアンプとに接続する回生電流の抵抗器が必要となる。このため、機器が大きくなり、コストがかかる。
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
本項に係る水門開閉装置において、油圧モータから漏れた作動油は補助ポンプに貯留され、また、密閉タンク内に予め作動油を貯留させており、この密閉タンクを油圧モータの、扉体の降下時における吸込側に接続することで、チャージポンプは、油圧モータ及び油圧源のポンプから漏れた作動油の量以上を補助タンクから吸込んで、密閉タンクに吐出し、密閉タンクから作動油を油圧モータの吸込側に供給することで、閉回路内の作動油の流量を保つことができる。これにより、チャージポンプによる吐出量が抑えられ、チャージポンプを小型化することができる。また、補助タンク内の貯留量は、密閉タンク内の作動油によって閉回路内が冷却されることから、僅かな作動油の量だけでよいので、補助タンクを小さくすることができる。その結果、水門開閉装置の構造を小型化することができる。
さらに、水門開閉装置の構造を小型化することで、水門開閉装置の重量が抑えられ、小型化により操作室の拡張による重量増加もなくなるので、水門開閉装置を既設の水門設備に設置させても、重量増加による水門設備の耐震補強が不要となり、コストを抑えることができる。
本項に係る水門開閉装置において、自重降下装置によって、油圧モータと密閉タンクとを閉じた油圧回路で接続することできる。これにより、自重降下管路に流れた作動油が密閉タンク内に流入されることで、密閉タンク内に貯留された作動油が閉じた油圧回路内に流れ循環するので、作動油の入れ替えが容易であり、密閉タンク内に貯留された作動油によって、閉じた油圧回路の冷却効果を得ることができる。
本項に係る水門開閉装置において、アキュムレータを設けることで、災害等により停電が発生するなどして動力電源が喪失した際、水門開閉装置側で作業員の人力によって、扉体を自重降下させることができる。
本項に係る水門開閉装置において、チャージポンプ又はアキュムレータからの油圧によって、ブレーキ機構が油圧モータの出力軸を制動又は解放させることができる。
本項に係る水門開閉装置において、閉回路に並列に配置された少なくとも2つ油圧源を設けることで、一方の油圧源が動作不能になっても、他方の油圧源によって、扉体を開閉させることができる。
本項に係る油圧駆動ユニットにおいて、油圧モータ、減速機、密閉タンク、油圧源及びチャージポンプを一体化させたことで、水門設備の配置をコンパクトにすることができる。
本発明の第1実施形態に係る水門開閉装置は、河川、運河、ダム等に設置される水門を開閉させるものであり、災害等により停電が発生するなどして動力電源が喪失した場合でも、扉体を自重によって降下させることができるものである。なお、以下の説明では、一例として、1モータ・1ドラム型のワイヤロープ式水門開閉装置について説明するが、1モータ・2ドラム型又は2モータ・2ドラム型等の他の形式の水門開閉装置にも同様に適用することができる。
まず、動力電源が喪失していない通常の状態において、扉体3を昇降させる方法について説明する。扉体3を昇降させないときには、ブレーキ機構31が油圧モータ21の出力軸21aを拘束して扉体3をその自重で降下させないようしている。このため、扉体3を昇降させるときには、作業者が操作盤33を操作して、チャージ圧源27の電動機75を回転駆動させて、この回転駆動により、電動機75と連結されるチャージポンプ73を駆動させて、補助タンク71から作動油を吸込み、吐出管路85の第1経路85bを介して、作動油を密閉タンク29及び油圧モータ21の連通経路47bに供給して、チャージ圧を作用させる。
第1実施形態に係る水門開閉装置1Aでは、災害により停電が発生するなどして動力電源が喪失した場合に扉体3を自重降下させるとき、自重降下装置97の自重降下管路101に設けられた流量調整弁101aによって、作動油の流量を絞ることで発熱が生じる。しかしながら、油圧モータ21と密閉タンク29とが、自重降下装置97によって、閉じた油圧回路で接続されており、密閉タンク29内には、扉体3の自重によって、油圧モータ21と密閉タンク29とを接続する閉じた油圧回路に循環して、冷却に必要な作動油が貯留されている。このため、密閉タンク29内の作動油が閉じた油圧回路に流れることで、閉じた油圧回路内を冷却することができる。また、密閉タンク29(29a,29b)は、扉体3の昇降用回路(閉回路45)内に設けられていないため、チャージ圧(例えば、1MPaの圧力)に耐えられる強度を有すればよいので、コストを抑えることができる。
具体的には、図5及び図6に示すように、チャージ圧源27には、アキュムレータ107が備えられている。アキュムレータ107は、水門開閉装置1B側で作業員の手動による扉体3の自重降下を行う場合に、チャージポンプ73の補助として設けられ、チャージポンプ73によって加圧された作動油を蓄えている。アキュムレータ107は、接続ライン109及び吐出管路85の第1経路85aを介して、ブレーキ機構31に接続され、接続ライン109及び吐出管路85の第2経路85bを介して、チャージポンプ73及び密閉タンク29(29a)に接続されている。また、アキュムレータ107は、排出ライン111を介して補助タンク71と接続されている。ここで、アキュムレータ107に蓄えられた作動油が補助タンク71に入るので、補助タンク71は、アキュムレータ107の容量に応じた容量となる。接続ライン109には、手動で切替操作可能な電動切替弁109aと、仕切弁109bとを備え、排出ライン111には、閉仕切弁111aを備えている。
災害により停電が発生するなどして動力電源が喪失した場合、作業員が電動切替弁109aを手動操作で開状態にすることで、アキュムレータ107の作動油を接続ライン111及び吐出管路85の第1経路85aを介して、ブレーキ機構31に供給する。これにより、油圧モータ21の出力軸21aに対するブレーキ機構31の拘束が解除され、扉体3の自重降下が開始される。
作業員が、自ら電動切替弁109aを手動操作で開状態にすることで、アキュムレータ107の作動油が油圧モータ21及びブレーキ機構31に供給されるので、油圧モータ21へのチャージ及びブレーキ機構31の解放を行うことができる。このため、チャージポンプ73及び電動機75を使用しなくても、扉体3を自重降下させることができる。なお、この他は、第2実施形態に係る水門開閉装置1Bは、上述の第1実施形態に係る水門開閉装置1Aと同様の作用効果を奏することができる。
具体的には、本発明の第3実施形態に係る水門開閉装置1Cは、図7及び図8に示すように、動力電源が喪失していない通常の状態において扉体3を昇降させるためのみのものである。
扉体3を昇降させないときには、ブレーキ機構31が油圧モータ21の出力軸21aを拘束して扉体3をその自重で降下させないようしている。このため、扉体3を昇降させるときには、作業者が操作盤33を操作して、チャージ圧源27の電動機75を回転駆動させて、この回転駆動により、電動機75と連結されるチャージポンプ73を駆動させて、補助タンク71から作動油を吸込み、吐出管路85の第1経路85bを介して、作動油を密閉タンク29c及び油圧モータ21の連通経路47bに供給して、チャージ圧を作用させる。
第3実施形態に係る水門開閉装置1Cでは、扉体3が昇降する高さ(揚程)が高い設備で連続して運転する時間が長い場合でも、チャージポンプ73から供給される作動油によって、密閉タンク29c内の作動油が閉回路45内に流れ、その作動油が閉回路45内を循環することで、閉回路45内を冷却させることができる。
Claims (6)
- 水門を開閉する水門開閉装置であって、
前記水門の扉体に連結されて、該扉体を昇降させる油圧モータと、
ポンプ及び該ポンプを駆動する電動機を含み、吐出量及び吐出方向を制御可能な油圧源と、
前記油圧モータと前記ポンプとを接続する閉回路と、
該閉回路に接続される密閉タンクと、
前記油圧モータから漏れる作動油を貯留する補助タンクと、
前記補助タンクの作動油を加圧して前記密閉タンクに供給するチャージポンプと、を備えることを特徴とする水門開閉装置。 - 前記油圧モータの前記扉体の下降時における吐出側と前記密閉タンクとを接続する自重降下管路と、該自重降下管路に設けられる流量制御弁と、を含む自重降下装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の水門開閉装置。
- 前記チャージポンプの吐出管路に接続されるアキュムレータを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の水門開閉装置。
- 前記油圧モータの出力軸を制動するブレーキ機構を備え、前記チャージポンプ又は前記アキュムレータからの油圧によって前記ブレーキ機構による制動を解除することを特徴とする請求項3に記載の水門開閉装置。
- 前記閉回路に並列に配置された少なくとも2つの前記油圧源を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の水門開閉装置。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の水門開閉装置に使用される油圧駆動ユニットであって、
前記油圧モータと、該油圧モータに連結される減速機と、該減速機に隣接して配置される前記密閉タンクと、該密閉タンクに隣接して配置される前記油圧源及び前記チャージポンプとが一体化されていることを特徴とする油圧駆動ユニット。
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