JP2022021591A - セラミック板及びその製造方法、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法 - Google Patents

セラミック板及びその製造方法、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気絶縁性を低減することが可能なセラミック板の製造方法を提供すること。【解決手段】板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射し、セラミック焼結体の少なくとも一部を変質する照射工程を有する、セラミック板の製造方法を提供する。照射工程において、セラミック焼結体の主面に照射される波長10~450nmの紫外線の積算光量は1000mJ/cm2以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、セラミック板及びその製造方法、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法に関する。
セラミック焼結体で構成されるセラミック板は、種々の技術分野における製品の部材として利用されている。例えば、ドライエッチング装置、プラズマアッシャ装置、CVD装置、スパッタ装置等の半導体製造装置、並びに液晶ディスプレイ等のFPD製造装置等に用いられる静電チャックの部材、並びに、車両及び産業機械等の電力制御用のパワーモジュールにおける回路基板等に利用されている。
セラミック焼結体としては、窒化物、炭化物、硼化物、又は珪化物等で構成されるものが知られている。特許文献1では、円板状の静電チャックにおける載置板を構成するセラミックとして、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化アルミニウム-炭化ケイ素複合焼結体等が挙げられている。特許文献2では、静電チャックの誘電体層を構成する材料として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム及びサファイヤ等が挙げられている。
特開2020-53559号公報 特開2020-53579号公報
セラミック焼結体の多くは電気絶縁性であるが、その用途によっては、電気絶縁性を所定の範囲に調整することが求められる。例えば、静電チャックは、シリコンウェーハ等の板状試料を静電力によって吸着及び脱着する部材である。このような用途においては、円滑に除電できるようにするために、極めて高い絶縁性が求められるパワーモジュール等の回路基板用途よりも、体積抵抗率を低くすることが必要となる。そこで、本開示では、電気絶縁性を簡便に調整することが可能なセラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法を提供する。また、本開示では、電気絶縁性が低減されたセラミック板を提供する。また、本開示では、電気絶縁性を低減することが可能なセラミック板の製造方法を提供する。
本開示は、一つの側面において、板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射し、セラミック焼結体の少なくとも一部を変質する照射工程を有するセラミック板の製造方法を提供する。このような照射工程によって、電気絶縁性を低減することができる。照射工程を行うことによって、電気絶縁性が低減できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のとおり推察される。すなわち、セラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線が照射されると、主面及びその近傍部を構成するセラミック粒子の結晶構造においてホール等の欠陥が生じる。このような欠陥の生成が主面及びその近傍部における電気陰性度を変化させ、電気絶縁性の低減に寄与すると推察される。ただし、電気絶縁性が低減する理由は、上述の内容に限定されるものではない。
上記照射工程において、セラミック焼結体の主面に照射される波長10~450nmの紫外線の積算光量は1000mJ/cm以上であってよい。これによって、主面に十分な光量の紫外線が照射されるため、電気絶縁性を十分に低減することができる。
上記照射工程で紫外線を照射する前のセラミック焼結体の体積抵抗率をR0、紫外線を照射した後のセラミック焼結体の体積抵抗率をR1としたときに、R1/R0が0.5以下であってよい。
上記セラミック焼結体は窒化アルミニウム焼結体であり、紫外線を照射することによって、体積抵抗率が5×1010Ω・cm以下の窒化アルミニウム板を得てもよい。このような窒化アルミニウム板は、絶縁性が低減されながらも高い熱伝導率を有する。このため、ある程度の導電性も求められる用途(例えば静電チャックの部材用)に好適である。
本開示は、一つの側面において、UV光源からの紫外線を主面に照射することによって生成する変質部を備えるセラミック板を提供する。このような変質部におけるセラミック粒子は、変質部以外の部分のセラミック粒子よりも結晶構造においてホール等の欠陥が多くなり電気陰性度が変化していると考えられる。上記セラミック板は、このような変質部を主面及びその近傍部に有することから、電気絶縁性を低減することができる。ただし、電気絶縁性が低減する理由は、上述の内容に限定されるものではない。
上記焼結体は、主成分として窒化アルミニウムを含み、体積抵抗率が5×1010Ω・cm以下であってよい。このようなセラミック板は、絶縁性が低減されながらも高い熱伝導率を有する。このため、ある程度の導電性が求められる用途(例えば静電チャックの部材用)に好適である。
本開示は、一つの側面において、板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射することによって、セラミック焼結体の体積抵抗率を調整する工程を有する、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法を提供する。この調整方法によれば、紫外線を照射するという簡便な手段によって、セラミック焼結体の体積抵抗率を調整することができる。紫外線を照射することによって、電気絶縁性が調整できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のとおり推察される。すなわち、セラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線が照射されると、主面及びその近傍部を構成するセラミック粒子の結晶構造においてホール等の欠陥が生じる。このような欠陥の生成が主面及びその近傍部における電気陰性度を変化させ、電気絶縁性の変化に寄与すると推察される。ただし、電気絶縁性が変化する理由は、上述の内容に限定されるものではない。
本開示によれば、電気絶縁性を簡便に調整することが可能なセラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法を提供することができる。また、本開示では、電気絶縁性が低減されたセラミック板を提供することができる。また、本開示では、電気絶縁性を低減することが可能なセラミック板の製造方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係るセラミック板を示す斜視図である。 図2は、図1のセラミック板の断面図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
一本実施形態に係るセラミック板の製造方法は、板状のセラミック焼結体を作製する作製工程と、板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射してセラミック焼結体の少なくとも一部を変質し、変質部を生成する照射工程を有する。
作製工程で作製されるセラミック焼結体は、窒化物、酸化物又は炭化物であってよい。作製工程は例えば次の手順で行ってよい。まず、原料を準備する。原料としては、例えば、セラミック粉末、焼結助剤、及び、必要に応じて添加剤を用いる。添加剤としては、バインダー、可塑剤、分散媒、及び離型剤等が挙げられる。バインダーとしては、例えば、可塑性又は界面活性作用を有するメチルセルロース系のもの、熱分解性に優れたアクリル酸エステル系のものが挙げられる。可塑剤としては、例えばグリセリンが挙げられる。分散媒としては、イオン交換水及びエタノール等が挙げられる。セラミック粉末としては、例えば、窒化アルミニウム粉末、窒化ケイ素粉末、又は酸化アルミニウム粉末等を用いることができる。
焼結助剤としては、希土類元素、希土類元素とは異なる遷移元素、アルカリ土類金属元素、及びアルミニウム元素からなる群より選ばれる少なくとも一種を構成元素とする酸化物を用いることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、及び酸化セリウム等が挙げられる。これらの酸化物の少なくとも2つは複合酸化物となって液相を形成して焼結を促進してもよい。これによって、セラミック焼結体を十分に緻密化することができる。複数の酸化物を用いる場合は、各酸化物の配合割合を変えて、セラミック焼結体における酸化物粒子の組成を調整してもよい。
セラミック粉末、焼結助剤及び必要に応じて添加される添加剤を配合して混合し、成形原料を得る。成形原料をドクターブレード法等の公知の方法によって例えばシート状に成形する。得られた成形体の脱脂を行ってもよい。脱脂方法は特に限定されず、例えば、成形体を空気中又は窒素等の非酸化雰囲気中で300~700℃に加熱して行ってよい。加熱時間は、例えば1~10時間であってよい。
セラミック焼結体は、上述の成形体を焼成して得ることができる。セラミック焼結体として窒化アルミニウム焼結体を製造する場合、不活性ガス雰囲気中で、1760~1840℃に昇温する。1760~1840℃の温度範囲における保持時間は、1~20時間とする。焼成温度が高過ぎたり、保持時間が長くなり過ぎたりすると、酸化物粒子の凝集が進行する傾向にある。一方、焼成温度が低過ぎたり、保持時間が短くなり過ぎたりすると、セラミック焼結体の緻密化が十分に進行しない傾向がある。焼結は大気圧下で行ってよい。窒化アルミニウム焼結体以外の焼結体(例えば、窒化ケイ素焼結体、及び酸化アルミニウム焼結体等)の場合も、酸化物粒子の凝集の進行を抑制しつつ、焼結体の緻密化が十分に進行するような焼結条件を設定することができる。
セラミック焼結体の形状は、板状である。円板状であってよく、平板状であってもよい。ブロック状のセラミック焼結体を得た後に、切断加工して、板状のセラミック焼結体を得てもよい。このようにして作製されるセラミック焼結体の主面にUV光源から紫外線を照射する照射工程を行う。
照射工程で用いられるUV光源(紫外線光源)は、人工光源であり、例えば、UV-LED方式のものであってもよく、UVランプ方式のものであってよい。なお、ランプ方式のものとしては、水銀ランプ、重水素ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、無電極放電ランプ、キセノンランプ、及びカドミウムランプ等が挙げられる。UV光源は、効率よく変質部を生成させる観点から、メタルハライドランプであってよい。
UV光源からセラミック焼結体の主面に照射される紫外線(紫外光)の波長は、10~450nmであってよい。セラミック焼結体の主面及び主面近傍において変質部を十分に生成する観点から、セラミック焼結体の主面に照射される紫外線の波長は、例えば、300~400nmであってよい。UV光源は、エリア照射するタイプのもの、ライン照射するタイプのもの、及びスポット照射するタイプのもの等が挙げられる。UV光源は、これらの以外のタイプのものを用いてもよい。例えば、ライン照射するタイプのUV光源を用い、搬送されるセラミック焼結体に連続的に紫外線を照射して変質部を生成させてもよい。
UV光源からセラミック焼結体の主面に照射される波長10~450nmの紫外線の積算光量は、1000mJ/cm以上であってよく、1500mJ/cm以上であってもよい。この積算光量を大きくすることによって変質部を十分に生成し、体積抵抗率を十分に低くすることができる。上記積算光量を変えることによって、セラミック板の体積抵抗率を調整することができる。上記積算光量の上限は、例えば、10000mJ/cmであってよく、5000mJ/cmであってもよい。
UV光源を複数用いて、セラミック焼結体の主面への紫外線の照射を複数回に分けて行ってもよい。セラミック焼結体の主面の所定エリアに、紫外線を複数回照射してもよいし、互いに異なるエリアに、紫外線をそれぞれ一回ずつ、又は複数回ずつ照射してもよい。同じエリアに複数回に分けて紫外線を照射する場合、上述の積算光量は、毎回リセットして算出されるのではなく、複数の合計値として求められる。
紫外線は、セラミック焼結体の一方の主面のみに照射してもよく、両方の主面に照射してもよい。また、一方の主面の一部のみに照射してもよい。また、セラミック焼結体の主面のみならず、セラミック焼結体の側面にも照射してもよい。
照射工程で紫外線を照射する前のセラミック焼結体の体積抵抗率をR0、照射工程で紫外線を照射した後のセラミック焼結体の体積抵抗率をR1としたときに、R1/R0は、0.5以下であってよく、0.3以下であってよく、0.2以下であってもよい。紫外線を照射後のセラミック板(セラミック焼結体)の体積抵抗率は、ある程度の電気絶縁性を維持する観点から、R1/R0は、0.01以上であってよく、0.05以上であってもよい。これによって、例えば、静電チャックの部材用に好適なセラミック板を製造することができる。R1/R0は、例えば、0.01~0.5であってよい。
セラミック焼結体及びセラミック板の体積抵抗率は、JIS C2139:2008に準拠し、厚さ1.0mmの板状に加工して測定することができる。測定試料の形状は、縦×横×厚さ=50mm×50mm×1.0mmの直方体形状であってよい。測定装置は、例えば、三菱ケミカルアナリテック製のハイレスタUXMCP-HT800(商品名)を用いる。測定温度は、23±1℃としてよい。
照射工程で紫外線を照射する前のセラミック焼結体の熱伝導率をK0、照射工程で紫外線を照射した後のセラミック板(セラミック焼結体)の熱伝導率をK1としたときに、K1/K0は、0.9~1.1であってよく。0.95~1.05であってもよい。このように、紫外線を照射したときの熱伝導率の変化は、体積抵抗率の変化よりも極めて小さい。本実施形態の製造方法は、紫外線を照射するという簡便な方法によって電気絶縁性を低減しつつも、放熱特性を十分に高く維持することができる。
セラミック板の熱伝導率は、例えば、100W/m・K以上であってよく、120W/m・K以上であってよく、140W/m・K以上であってもよい。このようなセラミック板は、例えば、静電チャックの部材として好適である。ただし、その用途はこれに限定されるものではない。
熱伝導率は、JIS R1611:2010に準拠し、レーザーフラッシュ法で測定することができる。測定試料は、厚さ1.0mmの板状に加工して測定することができる。セラミック板の形状は、縦×横×厚さ=50mm×50mm×1.0mmの直方体形状であってよい。測定装置は、例えば、株式会社リガク製のLF/TCM-8510B(商品名)を用いる。測定温度は、23±1℃としてよい。
照射工程で一方の主面のみに紫外線を照射した場合、当該主面及びその近傍に変質部が生成する。一方、他方の主面には、紫外線が照射されないことから、変質部は生成しない。このように変質していない部分を、本実施形態では非変質部と称する。変質部と非変質部は、結晶構造におけるホール等の欠陥の濃度が異なっていてもよく、電気陰性度が異なっていてもよい。変質部は、非変質部よりも低い電気抵抗を有する。照射工程を経て得られるセラミック板は、半導体製造装置、FPD製造装置、薄膜形成装置、及び搬送装置等に用いられる静電チャックの部材として好適に用いることができる。
セラミック焼結体が窒化アルミニウム焼結体である場合、照射工程で紫外線を照射することによって、体積抵抗率が5×1010Ω・cm以下の窒化アルミニウム板を得てもよい。窒化アルミニウム板の体積抵抗率は、3×1010Ω・cm以下であってよく、2×1010Ω・cm以下であってもよい。また、ある程度の電気絶縁性を維持する観点から、窒化アルミニウム板の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上であってよく、5×10Ω・cm以上であってもよい。窒化アルミニウム板の密度は、3.1g/cm以上であってよく、3.2g/cm以上であってもよい。
窒化アルミニウム焼結体の場合、紫外線の照射によって生成する変質部は、変質していない部分(非変質部)よりも白い色を有していてよい。変質の有無及び変質の程度を、色の変化に基づいて目視で確認してもよい。
図1は、UV光源からの紫外線を照射することによって生成する変質部を備えるセラミック板の一例を示す斜視図である。図2は、図1のセラミック板10を厚さ方向に沿って切断したときの断面図である。円板状のセラミック板10は、一対の主面10A,10Bを有する。図2に示すように、主面10A側には、変質部20が生成している。変質部20は、UV光源からの紫外線を主面10Aに照射することによって生成する。一方、主面10Bは紫外線が照射されていないため、主面10B側には変質部20が生成せず、非変質部22が残存している。
変質部20と非変質部22は、境界線21のように明確に区分されている必要はない。例えば、ホール(欠陥)の濃度が、主面10Aから主面10Bに向かって徐々に減少していてもよい。変質部20と非変質部22の色が異なる場合、主面10Aから主面10Bに向かって色が徐々に変化していてもよい。この場合、セラミック板10の変質部20は、主面10Aから主面10Bに向かって体積抵抗率が徐々に変化する傾斜部を有する。
セラミック板10の体積抵抗率をR1、及び、変質部20を含む上側半分(板厚の1/2)を除去して得られるセラミック板10の下側半分の体積抵抗率をR2としたときに、R1/R2は、0.5以下であってよく、0.3以下であってよく、0.2以下であってもよい。セラミック板10(セラミック焼結体)の電気絶縁性をある程度維持する観点から、R1/R2は、0.01以上であってよく、0.05以上であってもよい。これによって、例えば、静電チャックの部材用に好適なセラミック板を製造することができる。R1/R2は、例えば、0.01~0.5であってよい。
セラミック板10が静電チャックの部材用である場合、直径は100~500mmであり、厚みは1~10mmであってよい。変質部20の厚みは特に限定されず、例えば、非変質部22の厚みよりも小さくてよい。セラミック板10は、厚み方向に沿って、穴又は貫通孔を有していてもよい。静電チャックは、支持板と静電吸着用電極と載置板がこの順に積層されて構成されていてもよい。このうち、支持板と載置板の少なくとも一方に、セラミック板10を用いてもよい。この場合、載置板として用いられるセラミック板の静電吸着用電極側とは反対側の主面に半導体ウェハ等の板状試料が載置され、板状試料に加工が施される。板状試料は、シリコンウェーハ、又は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の平板型ディスプレイであってよい。
セラミック板10は、主成分として窒化アルミニウムを含んでいてよい。本開示における主成分とは、セラミック板に含まれる成分のうち、最も含有量が多い成分をいう。主成分以外の成分は、副成分と称する。副成分は、主成分とは異なる成分であり、主成分中に分散していてよい。例えば、主成分である窒化アルミニウムの粒子の粒界に含まれていてよい。
セラミック板10は、副成分として、酸化物(複合酸化物)を含んでいてよい。酸化物としては、希土類元素、希土類元素とは異なる遷移元素、アルカリ土類金属元素、及びアルミニウム元素からなる群より選ばれる少なくとも一種を構成元素とする酸化物が挙げられる。このような酸化物は、焼結助剤に由来する成分であってよい。
セラミック板10(窒化アルミニウム板)における主成分(窒化アルミニウム)の含有量は、熱伝導性を高くする観点から、80質量%以上であってよく、85質量%以上であってよく、90質量%以上であってもよい。セラミック板10(窒化アルミニウム板)における主成分(窒化アルミニウム)の含有量は、緻密化を促進する観点から、97質量%以下であってよく、95質量%以下であってよく、93質量%以下であってもよい。
セラミック板10は、例えば、上述の作製工程及び照射工程を有するセラミック板の製造方法によって製造することができる。したがって、セラミック板の製造方法に関する上述の説明内容は、セラミック板10にも適用される。
一実施形態に係るセラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法は、板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射することによって、セラミック焼結体の体積抵抗率を調整する工程を有する。この工程は、上述の照射工程と同様にして行うことができる。紫外線の積算光量を調節することによって、セラミック焼結体の体積抵抗率を目標とする範囲に調整することができる。例えば、セラミック焼結体の搬送路にUV光源を設けておけば、搬送速度を変えることによって積算光量を調節し、搬送後のセラミック焼結体の体積抵抗率を調整することができる。例えば、搬送速度を上げて積算光量を小さくすれば、体積抵抗率を高くすることができる。一方、搬送速度を下げて紫外線の積算光量を大きくすれば、体積抵抗率を低くすることができる。このように、この調整方法は、複雑な設備を導入することなく、簡便な手段で体積抵抗率を調整することができる。
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、本開示のセラミック板は、図1及び図2の構造のものに限定されない。また、セラミック板は、静電チャック用に限定されるものではなく、例えば、回路基板の放熱材として用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本開示の内容をさらに具体的に説明する。ただし、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(セラミック焼結体の作製)
市販の窒化アルミニウム粉末と、酸化イットリウム粉末と、酸化アルミニウム粉末とを、97:1.5:1.5の質量比で配合し、ボールミルを用いて混合して混合粉末を得た。混合粉末100質量部に対し、セルロースエーテル系バインダー(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ)を6質量部、グリセリン(花王株式会社製、商品名:エキセパール)を5質量部、及びイオン交換水を10質量部添加して、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合し、成形原料を得た。この成形原料を、ドクターブレード法によって成形し、シート状の成形体(厚み:1.4mm)を作製した。
この成形体を、空気中において570℃で5時間加熱して脱脂した。次に、脱脂した積層体を加熱炉に入れて、窒素ガス雰囲気中(大気圧)、1800℃まで昇温した。その後、積層体を1800℃で4時間加熱した後、加熱炉内で放冷した。このようにして、セラミック焼結体を得た。
(紫外線照射前の体積抵抗率の測定)
セラミック焼結体を、縦×横×厚さ=50mm×50mm×1.0mmの直方体形状に加工した。JIS C2139:2008に準拠して、体積抵抗率を測定した。測定装置は、三菱ケミカルアナリテック製のハイレスタUXMCP-HT800(商品名)を用いた。測定温度は、23±1℃とした。測定結果は表1にR0として示した。
(紫外線照射前の熱伝導率の測定)
縦×横×厚さ=50mm×50mm×1.0mmの直方体形状の加工したセラミック焼結体を測定試料として用いた。JIS R1611:2010に準拠し、レーザーフラッシュ法で上記測定試料の熱伝導率を測定した。測定装置は、株式会社リガク製のLF/TCM-8510B(商品名)を用いた。測定温度は、23±1℃とした。測定結果は表1にK0として示した。
(紫外線の照射によるセラミック板の作製)
UV光源(株式会社GSユアサ製、商品名:MAL200NL、ピーク波長:405nm、波長範囲:200~450nm)を備える搬送ラインを用い、セラミック焼結体を2m/分の搬送速度で搬送した。このとき、セラミック焼結体の上側の主面に上記UV光源から紫外線を照射してセラミック板を作製した。波長10~450nmの紫外線の積算光量は1900mJ/cmであった。紫外線照射後のセラミック板の主面は、照射前よりも白くなっており、当該主面側に変質部が生成していることが確認された。
(紫外線照射後の評価)
紫外線照射することによって得られたセラミック板の体積抵抗率及び熱伝導率を、紫外線照射前と同じ方法で測定した。測定結果は表1に、R1及びK1としてそれぞれ示した。また、照射後のセラミック板から変質部を含む上側半分(板厚の1/2)を除去し、セラミック板の下側半分の体積抵抗率をR0及びR1と同じ方法で測定した。表1には、測定結果の比として、R1/R0、R1/R2及びK1/K0をそれぞれ示す。
[実施例2]
セラミック焼結体の搬送速度を、3m/分にしたこと以外は、実施例1と同様にしてセラミック板を作製した。波長10~450nmの紫外線の積算光量、作製したセラミック板の体積抵抗率、及び熱伝導率の測定結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2022021591000002
表1に示すとおり、照射する紫外線の積算光量が大きくなると、体積抵抗率が低くなることが確認された。一方、熱伝導率は紫外線の照射前後で殆ど変化しなかった。
本開示によれば、本開示によれば、電気絶縁性を簡便に調整することが可能なセラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法を提供することができる。また、本開示では、電気絶縁性が低減されたセラミック板を提供することができる。また、本開示では、電気絶縁性を低減することが可能なセラミック板の製造方法を提供することができる。
10…セラミック板、10A,10B…主面、20…変質部、21…境界線、22…非変質部。

Claims (7)

  1. 板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射し、前記セラミック焼結体の少なくとも一部を変質する照射工程を有する、セラミック板の製造方法。
  2. 前記照射工程において、前記セラミック焼結体の前記主面に照射される波長10~450nmの紫外線の積算光量は1000mJ/cm以上である、請求項1に記載のセラミック板の製造方法。
  3. 前記照射工程で前記紫外線を照射する前の前記セラミック焼結体の体積抵抗率をR0、及び、前記紫外線を照射した後のセラミック焼結体の体積抵抗率をR1としたときに、R1/R0が0.5以下である、請求項1又は2に記載のセラミック板の製造方法。
  4. 前記セラミック焼結体は窒化アルミニウム焼結体であり、
    前記紫外線を照射することによって、体積抵抗率が5×1010Ω・cm以下の窒化アルミニウム板を得る、請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック板の製造方法。
  5. UV光源からの紫外線を主面に照射することによって生成する変質部を備えるセラミック板。
  6. 主成分として窒化アルミニウムを含み、体積抵抗率が5×1010Ω・cm以下である請求項5に記載のセラミック板。
  7. 板状のセラミック焼結体の主面にUV光源からの紫外線を照射することによって、前記セラミック焼結体の体積抵抗率を調整する工程を有する、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法。
JP2020125256A 2020-07-22 2020-07-22 セラミック板及びその製造方法、セラミック焼結体の体積抵抗率の調整方法 Active JP7488712B2 (ja)

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