本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本実施の形態における仕分け機100の概要図である。仕分け機100は、物品の投入を受ける投入部11、仕分け機100に投入された物品を梱包材へ仕分ける仕分け部13、投入された物品を仕分け部13へ搬送する搬送部12に区分けされる。仕分け部13は、図1に示すように、例えば100個の梱包材夫々に物品を仕分けられるように、複数のシュート131を有している。搬送部12は、無端環状の軌道で連なって走行する複数のトレイ121で物品を搬送しつつ、制御部10からの指示によって複数のシュート131のいずれかに対応する位置でトレイ121を傾斜させて物品を放出する。搬送部12は、指示されるまで投入された物品を放出せず、バッファとして機能する。なお搬送部12は、搬送コンベヤ(ローラ、スラット等)で物品を仕分け部13へ搬送するものであってよい。以下の説明では、トレイ121を用いたトレイ式の仕分け機100として説明する。
本開示の仕分け機100における複数のシュート131では夫々、各トレイ121の傾斜によって放出された物品が、同一の梱包材に梱包すべき物品が揃うまで蓄積される。図1に示す仕分け機100では、シュート131はフラットな鉄板を用いて滑り台のように梱包材へ物品を受け渡す。シュート131の態様は、ローラコンベヤであってもよい。仕分け部13では、複数のシュート131夫々において梱包材に物品が収容されると、梱包作業者が、収容済の梱包材を次の段階へ移す作業を行なう。複数のシュート131に対応する表示器132が設けられている。表示器132は7セグメントディスプレイを用い、そのシュート131へ向けて放出される予定の物品の残数を表示する。
仕分け機100は、制御部10からの指示に応じて搬送部12が動作する。制御部10は搬送部12に対し、いずれの箇所でいずれのトレイ121を傾斜させるかを指示する。
投入部11及び仕分け部13には、仕分け計画に基づく制御情報を制御部10へ供給する制御装置2が接続されている。制御装置2は、制御部10と、投入部11に投入される物品を識別するリーダ112が接続された投入端末装置113と、仕分け部13の表示器132が接続される仕分け端末装置133とに接続されている。制御装置2は、仕分け計画に対応するデータを記憶する記憶装置22を備える。記憶装置22の仕分け計画に対応するデータは、物品の製造者及び物品の搬送先で管理される管理装置5から得られるデータに基づいて更新される。
制御装置2は、仕分け作業の単位毎に、リーダ112によって物品の識別コードが読み取られると投入端末装置113を介して検知する。制御装置2は、検知した物品を同一の搬送先向けの梱包材にまとめて収容する計画を抽出する。制御装置2は、抽出された計画に含まれる物品のまとまり(以下セットという)別に、対応するシュート131へ物品を放出させる制御情報を、制御部10との間で入出力する。
図2は、本実施の形態における仕分け機100の制御方法の概要図である。仕分け機100に投入される物品は、仕分け機100が載置されている物流センターへ、製造者から納品される。納品された物品は、仕分け作業に合わせて仕分け機100まで搬送される。開始される仕分け作業に対して記憶装置22に記憶されている仕分け計画データには、例えば30箇所の店舗X01-X30向けに出荷されるべき物品A,B,C,Dについて、店舗X01から順に、店舗X01にはAを7個、物品Bを2個、物品Cを8個、Dを2個…、店舗X02にはAを6個、Bを2個…、と仕分けする仕分け計画のデータが含まれている。ここで物品に付されている符号A,B,C,Dは、SKU(Stock Keeping Unit最少保管単位)で区別されている。
この場合、制御装置2は、物品Aを識別するための識別コードがリーダ112で読み取られると、記憶装置22から仕分け計画のデータを抽出する。制御装置2は、仕分け計画に基づき、物品Aを店舗X01向けの梱包材に対応するシュート131に対して放出することを7回、制御部10へ指示する。対象のシュート131へ、物品Aを載せたトレイ121から物品Aが放出される都度、制御部10からは対象のシュート131へ物品Aが載せられたトレイ121を傾斜させて放出したことが制御部10から制御装置2へ通知される。制御装置2は、物品Aが放出されたと通知を受ける都度、次に放出させるべき物品Aを指示し、必要な数だけ物品Aが放出されると、同一のシュート131へ物品Bを載せたトレイ121を必要な数だけ放出させるように制御部10へ指示する。
例えば図2の例であれば、店舗X01向けには物品Aが7個、物品Bが2個、物品Cが8個、物品Dが2個、計19個、2つ又は3つの梱包材に分けて搬送されるべきである。異なる投入部11から夫々、物品A,B,Cが同時的に投入されるとする。この場合、物品Aが1つ目の梱包材に1個、2つ目の梱包材に5個、3つ目の梱包材に1個、物品Bが1つ目の梱包材に2個、物品Cが1つ目の梱包材に4個、3つ目の梱包材に4個、物品Dが2つ目の梱包材に2個という、図2中の破線矩形で示されるような仕分けは、回避されるべきである。同一の物品、例えば物品Aが、1つの梱包材からあふれない限り、他の物品B,C,Dと混在して複数の梱包材にまたがって収容される場合、物品を陳列する作業において、複数の梱包材から探し出さなければならず、非効率的なためである。
本開示の制御装置2及び制御部10との間の制御情報の授受では、物品A,Bができる限り、複数の梱包材にまたがって収容されないように仕分けされる(以下、アイテム揃え)。図2の例であれば、1つ目の梱包材に物品Aが7個、物品Bが2個、2つ目の梱包材に物品Cが8個、物品Dが2個収容されるように制御される。制御装置2は、物品Aの投入がされたことを検知した後は、同一の宛先(店舗X01)への物品Aが全て収容されない限り、他の物品Bが同一の梱包材に投入されないように、又は物品Bが投入されないように制御する。制御装置2は更に、物品C,D等の投入を待機するように投入部11の投入端末装置113で通知するように制御する。
更に、制御装置2側で仕分け計画データに基づいて制御するため、図2に示したようなアイテム揃えの仕分けを実施するか否かは、仕分けの作業単位毎に切り替え可能である。
図2に示したような仕分け機100の制御を実現するための詳細な構成及び処理手順について説明する。図3は、仕分け機100及び制御装置2の構成を示すブロック図である。仕分け機100の制御部10は、PLC(Programmable Logic Controller )を用いて記憶されたプログラムに従って仕分け機100を制御する。本実施形態の仕分け機100において制御部10は、搬送部12と接続され、制御装置2との間のデータの授受により、搬送部12を制御する。
搬送部12のトレイ121には、物品が投入されたことを検出するためのセンサ123が設けられている。センサ123は一例では、複数のトレイ121夫々に付されている重量センサである。センサ123は他の例では、光電センサ、変異センサを用いてトレイ121に物品が載置されたこと、及び、物品のサイズを判別するものであってもよい。センサ123は他の例では、トレイ121を撮像する画像センサであって空の状態の画像との比較によって空か否かを判別してもよい。
搬送部12のエンコーダ124は、トレイ121を走行させる駆動部のモータに取り付けられている。エンコーダ124から出力されるパルス信号を受信し、パルス数をカウントすることによって制御部10は、特定のトレイ121の搬送レールにおける位置を検出することができる。制御部10は、特定のトレイ121を基準にして、全トレイ121について、放出すべき物品を載せたトレイ121が放出先のシュート131の位置にあるかを判断できる。
投入部11のリーダ112は、バーコードリーダ、二次元コードリーダ、又はRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダである。リーダ112は、近距離無線通信を用いたリーダであってもよい。識別コードは例えばEAN(JAN)コードである。識別コードはその他、書籍又は雑誌を識別するコードであってもよい。識別コードはその他、CODE128 、NW-7、CODE39、ITF であってもよい。
投入端末装置113は、リーダ112と接続されている。投入端末装置113は例えばパーソナルコンピュータである。投入端末装置113は、図示しないネットワークモジュールを介して制御装置2と、クライアント/サーバの関係でデータの授受が可能である。投入端末装置113は、リーダ112で読み取った識別コードを取得して制御装置2へ通知する。投入端末装置113は、表示ディスプレイを備え、制御装置2から得られるデータに基づいて投入部11で製造者から納品された物品を仕分け機100へ投入する作業を行なう仕分け作業者に対し、投入の可否、仕分け作業の進捗等を示す画面を表示する。
表示器132は、7セグメントディスプレイを用いる。表示器132は、シュート131に対して1つずつ設けられている。複数の表示器132は、仕分け端末装置133に接続されている。仕分け端末装置133は、ネットワークNを介して制御装置2から数値データを受信し、受信した数値データを対応する表示器132に表示させる。
制御装置2は、処理部20、メモリ21、記憶装置22、入出力部23及び通信部24を備える。処理部20は、CPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用い、メモリ21に記憶されている制御プログラム2Pに基づく処理を実行することにより、仕分け機100の制御部10と連携してこれを制御する。メモリ21は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive )又はフラッシュメモリ等である不揮発性の記憶媒体である。メモリ21には制御プログラム2Pが記憶されているほか、処理部20が参照する設定データ、制御プログラム2Pに基づく画面情報等が記憶されている。記憶装置22と一体であってもよい。制御プログラム2Pは、コンピュータから読み取り可能な記憶媒体9に記憶されていた制御プログラム9PをCPUが読み出してメモリに記憶したものであってもよい。
メモリ21に記憶されている設定データには、複数のシュート131を各々識別する識別データ(例えば番号)が含まれている。設定データには、複数のシュート131夫々に対応する表示器132の出力先の識別データ(アドレス)が含まれる。設定データには、投入部11の識別データ(例えば番号)が含まれており、投入部11の識別データに対応付けてリーダ112の識別データ、並びに、投入端末装置113の識別データ及びアドレスが対応付けられている。
記憶装置22は、ハードディスク又はSSDの不揮発性の記憶媒体であり、メモリ21よりも比較的大容量である。記憶装置22には、仕分け作業のスケジュール、仕分け計画の店舗毎のデータ等を含む仕分け計画データが記憶されており、仕分け完了のデータと共に記憶される。
入出力部23は、仕分け機100と接続されるインタフェースである。処理部20は、入出力部23によって仕分け機100から、リーダ112で読み取られた識別コードを取得できる。処理部20は、入出力部23によって、物品が投入されたトレイ121を特定するためのセンサ123からデータを取得できる。処理部20は、入出力部23によって、対象のトレイ121の位置を検知するためのデータを所得できる。入出力部23は、図2に示すように、仕分け機100から取得する信号毎に異なる信号線で仕分け機100と接続されるとよい。
通信部24は、ローカルネットワークであるネットワークNを介した投入端末装置113及び仕分け端末装置133とのデータの送受信を実現する。通信部24は例えば、ネットワークカード、又は、無線通信モジュールである。ネットワークNは、インターネット、及びキャリアネットワーク、専用線であってもよい。
このように構成される制御装置2によって、仕分け機100を制御する方法についてフローチャートを参照して以下に説明する。図4-図6は、仕分け機100に対する制御装置2による処理手順の一例を示すフローチャートである。処理部20は、仕分け作業単位毎に以下の処理を実行する。
処理部20は、各投入部11についていずれの物品の投入が開始されるか未知な状態で処理を開始する。処理部20は、各投入部11にて、未知な状態で投入される物品について識別コードが読み取られたことを、識別コードを取得することで検知する(ステップS101)。処理部20は、識別コードの取得は、制御部10を介して入出力部23によって取得してもよいし、投入端末装置113を介して取得してもよい。
処理部20は、ステップS101で取得した最初の物品の識別コードを含む仕分け計画を、記憶装置22の仕分け計画データから参照する(ステップS102)。処理部20は、投入部11毎に、ステップS101で取得した物品を対象とする仕分け計画から、同一の搬送先向けの物品リストを、搬送先別に複数抽出する(ステップS103)。
処理部20は、どの物品が最初に投入されるかが未知状態から、最初に読み取られた物品を含む物品リストがステップS103で抽出できたか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104で抽出できないと判断された場合(S104:NO)、処理部20は、各投入端末装置113の投入端末装置113へ、投入不可を示す画像又はテキストを表示させ(ステップS105)、処理をステップS101へ戻す。
ステップS104で抽出できると判断された場合(S104:YES)、処理部20は、各投入部11に対して、投入可の物品を決定する(ステップS106)。ステップS106において処理部20は、SKU、品番、又は、品番且つSKU単位で物品を決定し、投入可能な物品の識別コードを一時的に記憶する。SKU単位で投入可の物品、例えば物品Aのみを投入可と決定する場合、処理部20は、1つの識別コードのみを記憶する。品番単位で投入可の物品、例えば物品A,物品Bを投入可と決定する場合、処理部20は、物品A及び物品Bの識別コードを記憶する。以後、記憶中の物品の識別コードと異なる識別コードの物品の投入はいずれの投入部11でも不可とされる。
処理部20は、各投入部11に対し、複数のシュート131の識別データを割り当てる(ステップS107)。ステップS106において処理部20は、例えば1つの投入部11に対して10個のシュート131を割り当てる。処理部20は、シュート131の割り当て数を、物品のリストの抽出数に応じて決定してもよい。
処理部20は、対応する投入部11の投入端末装置113へ、ステップS101で取得した識別コードの物品の投入可を示す画像又はテキストを表示させる(ステップS108)。
ステップS101からステップS108までの処理により、投入される物品が未知な状態から、投入可能な物品が仕分け機100全体で決定される。
処理部20は、各投入部11にて、リーダ112によって読み取られた識別コードを取得する(ステップS109)。処理部20は、取得した識別コードが、投入可能な物品であるか否かをステップS105の決定内容に基づいて判断する(ステップS110)。
投入可能な物品でないと判断された場合(S110:NO)、処理部20は、対応する投入部11の投入端末装置113へ、投入不可を示す画像又はテキストを表示させ(ステップS111)、処理をステップS109へ戻す。
以後、処理部20は、投入可能な物品の以外の識別コードが投入部11で読み取られた場合にはその都度、投入不可を示す画像又はテキストを表示させる。処理部20は、複数の投入部11の内、最初に、仕分け計画に含まれる物品が投入された投入部11に対しては、既にS101、S104で実行しているのでステップS110及びS111の処理を省略する。ステップS110及びステップS111の処理については投入可能な物品の数、種類の設定を、投入端末装置113、又は仕分け端末装置133等を介して制御装置2で受け付け、メモリ21又は記憶装置22に記憶しておき、記憶内容に応じて省略してもよい。
投入可能な物品であると判断された場合(S110:YES)、処理部20は、投入部11毎に、ステップS110で取得した識別コードの物品(投入部11の最初)を含む、同一の搬送先への物品リストを、抽出されている物品リストから複数、決定する(ステップS112)。ステップS112において処理部20は、仕分け作業単位における最初の物品以外の物品に対しては、シュート131に対して既に対応付けられている搬送先のリストから決定する。
ステップS112において処理部20は、対応する投入部11に割り当てられたシュート131の数分だけ物品リストを選択するとよい。処理部20は、選択外となった余剰の物品リストについては待機中の物品リストとして記憶する(ステップS113)。
処理部20は、決定した物品リストを識別する識別データ(搬送先の識別データでもよい)を、割り当てられたシュート131の内のいずれかに対応付けて記憶する(ステップS114)。仕分け作業単位の最初の物品以外の他の物品を投入可能物品と決定する場合(2回目以降のS114)、処理部20は、既に物品リストの識別データとシュート131の識別データとの対応付けは記憶済みである。
処理部20は、物品リストに含まれる物品の内、ステップS110で取得した識別コードの物品及びその必要個数に対してアイテムナンバーを採番する(ステップS115)。処理部20は、採番したアイテムナンバーを、物品リストの識別データ(搬送先の識別データ)に対応付けて記憶する(ステップS116)。
アイテムナンバーは、投入部11で投入可能な物品の内の最初の物品の識別コードが読み取られたタイミングで、投入可能な物品に対して1つずつ採番される。物品A,B,C,Dの内、SKU単位で物品Aのみが投入可能な場合、物品リストに含まれる物品の内の物品Aに対してアイテムナンバーが採番される。物品A,B,C,Dの内、品番単位で物品A及び物品Bが投入可能な場合、物品リストに含まれる物品の内の物品A,物品B夫々に対してアイテムナンバーが採番される。
処理部20は、採番したアイテムナンバーを、物品リストの識別データが対応付けられているシュート131に対応付ける(ステップS117)。ステップS117において処理部20は、アイテムナンバーを、シュートの識別データに対応付けて記憶する。
処理部20は、シュート131別に、そのシュート131に対応付けられたアイテムナンバー、対象物品の識別コード、対象物品の個数を、仕分け機100の制御部10へ指示する(ステップS118)。処理部20は、対象物品の個数を、シュート131に対応付けられた物品リストから決定できる。ステップS117において処理部20は、対象のシュート131の識別データに対応付けて、アイテムナンバー、物品の識別コード及び個数を、シュート131の数分だけ、制御部10へ出力する。ステップS117の処理によって処理部20は、識別コードで識別される物品を、その個数分だけ、対応するシュートへ放出するように仕分け機100へ指示し、1つ1つの放出についての指示はしない。
仕分け機100の制御部10は、仕分け対象の物品の識別コード及び個数、並びにシュート131の識別データをアイテムナンバーと対応付けて受信する。制御部10は、リーダ112にて物品の識別コードが読み取られる都度、間もなく載置されたトレイ121の識別データをセンサ123から取得し、識別コードとトレイ121の識別データとを対応付けて記憶する。制御部10は、受信した物品の識別コードが対応付けられているトレイ121をいずれか選択し、選択したトレイ121を対応する識別データのシュート131で放出するように制御する。制御部10は、物品を放出する都度、放出したシュート131に対応するアイテムナンバーと、放出された物品の識別コードとを制御装置2へ通知する。
処理部20は、シュート131毎に、ステップS113で指示した対象物品が放出されたことを仕分け機100の制御部10から通知される都度、これを受信し(ステップS119)、対象物品の残数を算出する(ステップS120)。処理部20は、算出した残数を表示器132にて表示させる(ステップS121)。ステップS121において処理部20は、対象のシュート131に対応付けられた物品リストに含まれる全物品の内、仕分けが済んでいない物品の残数、即ち同一搬送先向けの物品の総残数を、共に表示させてよい。
処理部20は、シュート131毎に、アイテムナンバーの対象の物品について全て放出されたか否かを判断する(ステップS122)。全て放出されていないと判断された場合(S122:NO)、処理部20は、処理をステップS119へ戻す。
ステップS122にて、アイテムナンバーの対象の物品について全て放出されたと判断された場合(S122:YES)、処理部20は、アイテムナンバーとシュート131との対応付けを解消する(ステップS123)。処理部20は、解消されたアイテムナンバーを仕分け済みとして記憶する(ステップS124)。
処理部20は、各シュート131に対応付けられている物品リストに、仕分け済みでない他の物品が含まれているか否かを判断する(ステップS125)。
他の物品が残っていると判断された場合(S125:YES)、処理部20は、他の物品の内、いずれの物品が次に投入されるか不明な状態に戻る。処理部20は、処理をステップS101へ戻す。
他の物品が残っていないと判断された場合(S125:NO)、処理部20は、対象のシュート131について、対応付けられている同一搬送先の物品リストに含まれている物品の仕分け完了を確認する(ステップS126)。表示器132にはSTOPボタンが備えらえており、STOPボタンが押下されることで処理部20は、仕分け完了を確認できる。
処理部20は、対象のシュート131への物品リストの対応付けを解消する(ステップS127)。物品リストを、仕分け済みであるとして記憶する(ステップS128)。この後、シュート131は異なる搬送先への仕分けの対象として利用することができる。
図6のフローチャートに示す例では、このように他の物品が残っていないと判断するまで(S125:NO)、物品リストとシュート131との対応付けは維持される。逆に、処理部20は、他の物品が残っていると判断された場合であっても(S125:YES)、仕分け完了を確認すると、シュート131と物品リストとの対応を解消し(S127)、他の搬送先への梱包に使えるようにしてもよい。同一の搬送先へのアイテムの残数がゼロの場合、又は、同一搬送先へのアイテムが残っているとしても梱包材が満杯の場合には、オペレータがSTOPボタンを押下することでシュート131が待機状態となることを回避することができる。
処理部20は、シュート131が割り当てられている投入部11について、待機中の物品リストが残存するか否かを判断する(ステップS129)。残存すると判断された場合(S129:YES)、処理部20は、次の物品が未知な状態として処理をステップS101へ戻す。
ステップS129にて待機中の物品リストが残存しないと判断された場合(S129:NO)、処理部20は、現状の仕分け作業単位が完了したか否かを判断する(ステップS130)。現状の仕分け作業単位が完了していないと判断された場合(S130:NO)、次の物品が未知な状態として処理をステップS101へ戻す。
処理部20は、現状の仕分け作業単位が完了したと判断された場合(S130:YES)、仕分けの処理を終了する。
なお処理部20は、所定時間以上、シュート131に対応付けられているアイテムナンバー、又は物品リストに含まれる物品について全て放出されていないと判断される状況(S122:NO又はS125:YES)では、不足する物品の識別コードを記憶する。処理部20は、不足している物品の識別コードを投入端末装置113へ表示させることができる。処理部20は、所定時間以上、不足している物品として記憶されたままである場合、欠品があるとして、対象のアイテムナンバーについては揃わないとしてアイテムナンバーの対応付けを解消して処理を進めてよい。
図4-図6のフローチャートにおいてシュート131毎の処理(S118-S127)は、複数のシュート131夫々について独立、平行的に実行される。
図4-図6のフローチャートに示した処理手順について、具体例を挙げて説明する。図7-図10は、アイテム揃えを伴う仕分けの進捗を示す概要図である。
アイテム揃えを実施する仕分け作業単位では、物品A,B,C,Dを仕分ける。最初に物品A,B,C,Dの内、まず物品Aの投入が、図7の左上部に示すように、複数の投入部11の内のいずれかで開始されると、物品Aを含む物品リストが作業対象の仕分け計画から抽出される(S103)。物品Aを含む物品リストが抽出できたと判断されると(S104:YES)、物品リストに含まれる物品A及びその個数に夫々、アイテムナンバーが採番される(S115)。図7の例では、記憶装置22の仕分け計画データから店舗X01向けの7個の物品A、店舗X02向けの6個の物品A、店舗X03向けの11個の物品A、店舗X04向けの8個の物品A、店舗X05向けの7個の物品Aに対し、アイテムナンバー「00000001」~「00000005」が採番されている。これらのアイテムナンバー「00000001」~「00000005」が、「001」~「005」の識別番号を持つシュート131に対応付けられる(S117)。なお店舗X01~X05向けの物品リストが、最初に物品Aの投入を開始した2番目の投入部11に割り当てられた「001」~「005」の識別番号を持つシュート131に対応付けられている(S114)。
物品Aのアイテムナンバーに対する仕分けが完了するまで、図4の例では、物品Aのみが投入可の対象として判断される。物品Bに対して識別コードを読み取ろうとしても投入不可と判断され、不可(NG)が表示される(図7)。
「001」のシュート131には、アイテムナンバー「0000001」が対応付けられていている。処理部20は、「001」のシュート131に対し、物品Aを7個放出するように制御部10へ指示する(S118)。処理部20は、「001」のシュート131のみならず他のシュート131への物品Aの放出個数についても、制御部10へ指示する(S118)。つまり制御装置2は、「001」のシュート131への放出完了を待つことなく、他のアイテムナンバー「00000002」以降の制御を順次開始する。
ステップS118において制御装置2の処理部20は、どのトレイ121に物品Aが投入されており、どのトレイ121をいずれのシュート131で傾斜させて物品Aを放出させるか、の指示はしない。いずれのトレイ121をいずれのシュート131で傾斜させ、物品を放出させるかは、仕分け機100で制御する。仕分け機100の制御部10は、物品Aが投入されたトレイ121を、リーダ112からの識別コードと、センサ123とで把握している。制御部10は、各シュート131への物品Aの個数の指示を受信すると、指示された個数に対応する回数だけ、物品Aが投入されたトレイ121を傾斜させて物品Aを放出し、放出の都度、制御装置2へ通知する。
図7の例では、未だ物品は放出されていないので、制御装置2の処理部20は、「001」のシュート131へ仕分けるべき物品Aの残数は7、同一の搬送先へのアイテムの残数、即ちシュート131へ仕分ける物品A~Dの総残数を19と算出し(S120)、表示器132に表示させる。
「003」のシュート131に対応する表示器132には、シュート131へのアイテム残数が「11」、シュート131への総残数が「20」と、アイテム残数が総残数の略半分で表示されている。仕分け部13のオペレータは、アイテム残数と総残数とに基づき、「003」のシュート131へ放出されている物品Aのみで梱包材が満杯になるようなので、物品Aのアイテム残数が「0(ゼロ)」になった場合に、その梱包材への梱包を完了させてもよいことを認識できる。梱包材が、物品A,B,C,Dが10個前後で約満杯になるようなものであって、且つ、衣類のようなある程度押し込める物品である場合、あと1個で終わるのであれば、残り1個を待ってから梱包を完了すべきであることを認識できる。
図8は、図7に示した物品Aの投入開始よりも後の進捗を示す。図8の例では、「001」~「005」の各シュート131に2~3個の物品Aが放出された状態である。「001」のシュート131には3個、「002」のシュート131には3個、「003」のシュート131にも3個、「004」のシュート131には2個、「005」のシュート131にも2個放出され、梱包材に収容されている。物品Aが、各シュート131へ放出される都度に制御装置2の処理部20は通知を受けて(S119)、アイテム残数及び総残数を算出して(S120)、表示器132に表示させる(S121)。なお、処理部20は、表示器132にアイテム残数及び総残数のみならず、搬送先を識別する数字と、その搬送先へのアイテムの残数(仕分け予定数)を表示させてもよい。
「001」のシュート131では、物品Aは全部で7個放出されるべきであるから、物品Aは残り4個、全アイテムは残り16個放出されることが表示器132に表示される。仕分け部13のオペレータは、「001」のシュート131には、物品Aが全て放出されても、他のアイテムが放出される予定であり、梱包を完了すべきでないことを認識できる。
図9は、物品Aの投入が全て完了する頃の進捗を示す。図9の例では、物品Aが7個のアイテムナンバー「00000001」が対応付けられていた「001」のシュート131について、処理部20はアイテムナンバーが全て放出されたと判断する(S122:YES)。処理部20は、アイテムナンバー「00000001」とシュート131の識別データ「001」との対応付けを解消し(S123)、「001」のシュート131に対応付けられている店舗X01への物品リストには他の物品があると判断し(125:YES)、処理をステップS101へ戻す。その後、物品Bが投入されたことを検知し(S101)、物品Bが、各シュート131に対応付けられている物品リストに含まれていることから物品Bを投入可能な物品として決定し(S106)、以後、物品C,物品Dについては投入されても投入不可を表示する(S105、S111)。処理部20は、店舗X01への物品リストに含まれる物品B及び個数(2)に対して新たなアイテムナンバー「00000083」を採番し(S115)、店舗X01への物品リストが既に対応付けられているシュート「001」にアイテムナンバー「000000083」を対応付ける(S117)。
図9では、物品Cの投入は不可とされている。図9では、「001」のシュート131へ放出される物品の総残数は12個であるが、次の物品Bの残数は2個であると示されている。2個であれば、10個で満杯になる梱包材に収容できるので、次の物品Bが残り2個放出されるまで、仕分け部13のオペレータは待つことができる。
図9では、「003」のシュート131については、処理部20はアイテムナンバーが全て放出されたと判断する(S122:YES)。処理部20は、アイテムナンバー「00000003」とシュート131の識別データ「003」との対応付けを解消し(S123)、「003」のシュート131に対応付けられている店舗X03への物品リストには他の物品があると判断し(125:YES)、処理をステップS101へ戻す。物品Bが投入可の状態であって、物品Cは投入不可であるから、「003」のシュート131に対しては、新たなアイテムナンバーの採番及び対応付けはしない。仕分け部13のオペレータは、「003」のシュート131には店舗X03向けの物品リストが対応付けられたままである。
「003」のシュート131の表示器132にはアイテム残数が「0」、総残数が「10」とされている。梱包材には満容量10枚を超える11枚の物品Aが収容されている。仕分け部13のオペレータは、同一搬送先への残数が「10」と表示されていることを確認し、その残りを現状載置されている梱包材に全て収容できないと判断し、物品Aのみで梱包してもよいと判断できる。
図10は、物品Bの投入中の進捗を示す。図10の例では、処理部20は、「001」のシュート131に新たなに対応付けられているアイテムナンバー「00000083」の物品Bについて制御部10へ2個放出することを制御部10へ指示する(S118)。「001」のシュート131に1個の物品Bが放出されると、処理部20は、この放出通知を制御部10から受信し(S119)、物品Bの残数「1」を表示器132へ表示させる(S1121)。物品Bは全て放出されていないので(S122:NO)、処理部20は、残りの1個が放出されるまで表示器132に残数「1」を表示させたまま待機する。
図10の例において「001」のシュート131では、アイテム残数が「1」であるから、仕分け部13のオペレータは、残り1個の物品Bが放出されたら、「001」のシュート131に載置されている梱包材は梱包を完了してもよいと認識できる。
図10の例では、「004」及び「005」のシュート131に対応する物品リストからも物品B及び個数に新たなアイテムナンバー「00000085」及び「00000086」が採番されている。これらのシュート131に対してもオペレータは、物品Bが放出されると梱包を完了させてもよいと認識できる。
図10の例では、「003」のシュート131には、空の梱包材が載置されており、物品C又は物品Dの投入を待っている状態である。
図7-図10に示したように、予め作成される仕分け計画データと、図4-図6のフローチャートに示した処理手順とにより、同一の物品Aであれば物品Aばかりがシュート131へ放出されるようにしたアイテム揃えが可能である。
図11は、アイテム揃えを伴わない仕分けの進捗を示す概要図である。図11は、図7-図10に示した進捗の概要図に対する比較例を示す。図11に示す例において処理部20は、アイテム揃えをしないと設定された仕分け作業単位で、仕分け機100を制御している。
図11の例では、図7と同一の仕分け計画データであっても、アイテム揃えをしないため、アイテムナンバーは同一搬送先の物品A,B,C,Dのアイテム及び個数に対して各々採番されている。図11の例では、投入部11で投入可否を判断せず、投入部11のオペレータは、上流から流れてきた物品A,B,C,Dを順次、仕分け機100へ投入する。制御装置2の処理部20は、アイテムナンバーが対応付けられたシュート131へ、アイテムナンバー、物品の識別コード及び個数を、仕分け機100へ指示する。
仕分け機100は、投入部11にて投入された物品A,B,C,Dを夫々、指示されたアイテムナンバーに対応するシュートへ、アイテムナンバーに対応する個数分だけ放出する。放出順序も問わないので、図11に示すように、物品A、物品B、物品Aのように揃わずに梱包材に収容されている。
図11の例では、表示器132には、搬送先を識別する識別番号(店舗番号)及び同一搬送先への総残数が表示される。したがって仕分け部13のオペレータは、総残数が、梱包材に収容できる数を超えるころ、総残数が梱包材に入りきらない場合は、梱包材を替える。これにより、アイテム揃えをしない場合、同一SKUの物品Aが異なる梱包材に跨って収容されるといったことが起こる。新規物品ではなく、各搬送先からの追加注文である場合の仕分けなどでは同一の搬送先への物品数が少なく、梱包材内に異なるSKUが混在していても全く問題ないので、制御装置2もこのような仕分けを実行する場合があってよい。
制御装置2によって、図7-図10に示したアイテム揃えと、図11に示した同一搬送先への物品の仕分けとで切り替えて実行できる。これにより、同一の仕分け機100で異なる仕分け方が可能である。
上述の図4-図6のフローチャートに示した処理手順は、アイテム揃えの仕分け、例えばSKUで区別された物品A,B,C,Dを分けて梱包されることが求められる場合に実行される。物品A及び物品Bが例えば、同一品番でサイズ違いの物品であり、物品C及び物品Dが同一品番でサイズ違いである。この場合、図7-図10の例で示したように、同一の梱包材には同一品番のみが梱包され、サイズ違いの物品も物品A、物品B夫々で固まって梱包される。SKU単位でアイテムナンバーを採番することで、品番且つSKUを揃えたアイテム揃えが可能になる。処理部20は、例えば品番違いの物品Aと物品Dとを含む物品リストに基づいて仕分けする場合、1つのアイテムに対するアイテムナンバー毎に放出するように仕分け機100を制御するので、同一SKUの物品が梱包材内で固まって仕分けられるように制御できる。
また、図4-図6のフローチャートに示した処理手順を、物品の単位をSKUではなく品番で実行した場合には、サイズが異なるSKU違いの物品同士は混在しても同一の品番は固まって梱包されるというアイテム揃えは可能である。
このように、予め決定されている仕分け計画データと、処理部20による図4-図6のフローチャートに示した処理手順とにより、異なるパターンのアイテム揃えが可能である。
仕分け機100又は制御装置2は、搬送部12で物品が周回している周回回数をカウントし、所定回数周回している物品は、特定のシュート131に放出するように制御されるとよい。このとき、あるシュート131に、欠品等の理由で長期間、同一のアイテムナンバーが対応付けられ続けている場合、仕分け機100又は制御装置2にて、シュート131を開放して梱包させ、次のアイテムナンバーを対応付けるようにしてもよい。制御装置2は、投入部11にて投入端末装置113に、周回し続けている物品と同一のSKUについては投入を不可のメッセージを表示するとよい。更に、制御装置2は、欠品によって対象のアイテムナンバーの物品は揃わない旨を表示器132に表示させるとよい。
図12は、投入端末装置113における表示例を示す図である。制御装置2は基本的に、投入端末装置113にて、ディスプレイに、投入可能な物品を表示させるか、投入されてリーダ112で読み取られた識別コードに基づく投入可否のメッセージを表示させる。しかしながら、投入端末装置113は、ディスプレイに内蔵されたタッチパネル、又はキーボード及びマウス等のユーザインタフェースを備えて、ユーザインタフェースに対する操作に応じて、制御装置2から送信されるデータに基づく以下に示すような画面を表示させてもよい。
図12では、投入端末装置113は、仕分け部13における仕分けの進捗を示す画面を表示させている。仕分けの進捗は、シュート131の識別データ(番号)と、対象のシュート131に対応付けられたアイテムナンバーと、放出が完了していない残りの物品の識別データ(品番、サイズ等)との対応表で表されている。制御装置2は、シュート131に対応付けられているアイテムナンバーの物品の識別データ(ここではA,B)と共に、各物品の個数を仕分け計画データから取得し、また、各シュート131へ放出済みの個数を用いて対応表を作成し、投入端末装置113へ送信する。
仕分けの進捗を投入端末装置113に表示させることにより、いずれのシュート131で、いずれの物品の投入が待たれているかを、投入部11のオペレータが認識できる。どの物品を探してきて投入すればシュート131が開放され、次の物品を投入できるようになるのか、オペレータが認識できる。
仕分け機100の仕分け対象の物品は例えば、衣料品である。物品は薬品であってもよい。物品は日用雑貨でもよい。日用品と洗剤とで異なる梱包材に分ける、というニーズがあるため、仕分け機100自体はそのような分類ができなくとも、制御装置2にてセット分け及びアイテム揃えを行なうように制御を実行することによって、ニーズに合わせた仕分けが可能である。
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。