JP2022020930A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久印字による転写部材および像担持体の劣化に基づく画像等倍度の変化を簡単に且つ精度よく補正可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、転写部材と、定着装置と、制御部と、を備える。像担持体は、表面にトナー像が形成される。転写部材は、像担持体に接触して転写ニップ部を形成し、転写ニップ部を通過する記録媒体にトナー像を転写する。定着装置は、被加熱回転体と、被加熱回転体に接触して定着ニップ部を形成する加圧部材と、で構成される定着部材を有し、定着ニップ部を通過する記録媒体にトナー像を定着させる。制御部は、定着部材の回転速度である定着速度を制御する。制御部は、像担持体および転写部材の劣化度合いを推定し、推定された像担持体および転写部材の劣化度合いが大きくなるにつれて定着速度を基準速度に比べて速くなるように補正する。【選択図】図6
Description
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、像担持体と定着装置の間での記録媒体の搬送速度の制御に関するものである。
電子写真プロセスを用いた従来の画像形成装置においては、帯電装置により均一に帯電された感光体ドラム等の像担持体上に露光装置からレーザー照射を行うことにより静電潜像を形成する。そして、現像装置により静電潜像にトナーを付着させてトナー像とした後、像担持体に接触する転写ローラーによりトナー像を用紙(記録媒体)上に転写する。その後、定着装置において定着処理を行う画像形成プロセスが実行される。
ところで、転写ローラーは耐久印字が進むにつれて摩耗して外径が小さくなる。そのため、感光体ドラムと転写ローラーのニップ部(転写ニップ部)におけるニップ圧が減少し、転写ニップ部を通過する用紙の搬送速度が低下する。その結果、用紙上に転写された画像の等倍度が変化するという問題が発生する。
転写ローラーの外径変化による転写不良を抑制する方法として、特許文献1には、環境状態センサーあるいは二次転写ローラーの表面温度を直接検知する温度検知手段の出力値から二次転写ローラーの外径変化を推定し、推定された外径変化に基づいて二次転写ローラーの回転駆動用モーターの回転速度を制御し、二次転写ローラーの線速を中間転写体の線速とほぼ同じになるようにする画像形成装置が開示されている。
また、耐久印字に伴う画質不良を抑制する方法として、特許文献2には、画像形成処理された用紙の記録枚数、現像器の駆動時間又は転写ローラーの駆動時間等の使用実績データを累積して記憶し、使用実績データの増加に対応して変動する最適な転写電圧を予めデータテーブルとして記憶しておき、記録処理を行う前に使用実績データを読み出して該当するデータテーブルを選択し、最適な転写電圧値を決定する画像形成装置が開示されている。
特許文献1の方法では、環境温度センサーや転写ローラーの温度を測定するサーミスタを追加する必要があり、画像形成装置の構成が複雑になるとともにコストアップにもつながる。また、転写ローラーの外径変化の原因として、温度変化よりも耐久に伴う摩耗が支配的な場合には、対策として不十分であった。
また、特許文献2の方法は、耐久使用に応じた適正な転写電圧を印加するものであり、外径変化による等倍度への影響を抑制することはできなかった。さらに、転写ローラーが交換された場合の対応が困難であるという問題点もあった。
さらに、耐久印字に伴い感光体ドラムの感光層の摩耗が進行して感光体ドラムの表面が平滑になると、用紙の搬送を阻害する方向に作用する。そのため、転写ローラーに加えて感光体ドラムの摩耗によっても転写画像の等倍度が変化する。
本発明は、上記問題点に鑑み、耐久印字による転写部材および像担持体の劣化に基づく画像等倍度の変化を簡単に且つ精度よく補正可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、像担持体と、転写部材と、定着装置と、制御部と、を備えた画像形成装置である。像担持体は、表面にトナー像が形成される。転写部材は、像担持体に接触して転写ニップ部を形成し、転写ニップ部を通過する記録媒体に像担持体上に形成されたトナー像を転写する。定着装置は、像担持体の下流側に配置され、被加熱回転体と、被加熱回転体に接触して定着ニップ部を形成する加圧部材と、で構成される定着部材を有し、定着ニップ部を通過する記録媒体を加熱および加圧することによりトナー像を記録媒体に定着させる。制御部は、定着部材の回転速度である定着速度を制御する。制御部は、像担持体および転写部材の劣化度合いを推定し、推定された像担持体および転写部材の劣化度合いが大きくなるにつれて定着速度を基準速度に比べて速くなるように補正する。
本発明の第1の構成によれば、耐久印字に伴う転写部材の外径の小径化、像担持体の表面の平滑化に応じて定着速度を変更することにより、転写部材および像担持体の使用開始時から耐用期間の終期まで、記録媒体の搬送性能の安定化を実現することができる。従って、転写部材および像担持体の劣化に起因する画像等倍度の変化を効果的に抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す側面断面図である。画像形成装置(ここではモノクロプリンター)100内には、帯電、露光、現像および転写の各工程によりモノクロ画像を形成する画像形成部Pが配設されている。画像形成部Pには、感光体ドラム5の回転方向(図1の反時計回り方向)に沿って、帯電装置4、露光装置(レーザー走査ユニット等)7、現像装置8、転写ローラー14、クリーニング装置19、および除電装置6が配設されている。
感光体ドラム5は、例えば、アルミニウム製のドラム素管の表面に、感光層として正帯電性光導電体である有機感光層(OPC)が形成される。感光体ドラム5は、ドラム駆動部(図示せず)によって、支軸を中心に一定速度で回転駆動される。
画像形成動作を行う場合、図1の反時計回り方向に回転する感光体ドラム5が帯電装置4により一様に帯電され、原稿画像データに基づく露光装置7からのレーザービームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像装置8により静電潜像に現像剤中のトナーが付着されてトナー像が形成される。
現像装置8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピューター(図示せず)等から送信される。また、感光体ドラム5の表面に除電光を照射して残留電荷を除去する除電装置6が、感光体ドラム5の回転方向に対しクリーニング装置19の下流側に設けられている。
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙(記録媒体)が給紙カセット10または手差し給紙装置11から用紙搬送路12およびレジストローラー対13を経由して搬送され、転写ローラー14により感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着装置15に搬送されてトナー像が定着される。定着装置15を通過した用紙は、用紙搬送路16により画像形成装置100の上部に搬送され、用紙の片面のみに画像を形成する場合(片面印字時)は、排出ローラー対17により排出トレイ18に排出される。
一方、用紙の両面に画像を形成する場合(両面印字時)は、用紙の後端が用紙搬送路16の分岐部20を通過した後に搬送方向を逆転させる。これにより、用紙は分岐部20から分岐する反転搬送路21に振り分けられ、画像面を反転させた状態でレジストローラー対13に再搬送される。そして、感光体ドラム5上に形成された次のトナー像が、転写ローラー14によって用紙の画像が形成されていない面に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着装置15に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対17により排出トレイ18に排出される。
図2は、画像形成装置100の制御経路を含む画像形成部P周辺の部分拡大図である。帯電装置4は、感光体ドラム5に接触するように配置され感光体ドラム5を帯電処理する帯電ローラー41を備える。帯電ローラー41は、芯金に導電性のゴム層を被覆することにより形成されており、感光体ドラム5に当接するように配置されている。
図2に示すように、感光体ドラム5が反時計回り方向に回転すると、感光体ドラム5の表面に接触する帯電ローラー41が時計回り方向に従動回転する。このとき、帯電ローラー41に所定の帯電電圧を印加することにより、感光体ドラム5の表面が均一に帯電される。なお、感光体ドラム5、帯電装置4、およびクリーニング装置19はドラムユニット40としてユニット化されている。
帯電ローラー41は、直流電圧に交流電圧が重畳された帯電電圧を生成する帯電電圧電源43に接続されている。帯電電圧電源43は、交流定電圧電源および直流定電圧電源(いずれも図示せず)を備える。交流定電圧電源は、昇圧トランス(図示せず)を用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を出力する。直流定電圧電源は、昇圧トランスを用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を整流した直流電圧を出力する。
現像装置8は、感光体ドラム5に対向配置され、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)を担持する現像ローラー30を備える。現像ローラー30は、直流電圧に交流電圧が重畳された現像電圧を生成する現像電圧電源44に接続されている。現像電圧電源44の構成は帯電電圧電源43と同様である。現像ローラー30に所定の現像電圧を印加することにより、現像ローラー30に担持された現像剤中のトナーが感光体ドラム5の表面に飛翔し、静電潜像がトナー像に現像される。
転写ローラー14は、感光体ドラム5に所定の圧力で圧接されることにより転写ニップ部N1を形成し、感光体ドラム5に従動して回転する。転写ローラー14は、直流電圧に交流電圧が重畳された転写電圧を生成する転写電圧電源45に接続されている。転写電圧電源45の構成は帯電電圧電源43と同様である。用紙Sが転写ニップ部N1を通過することにより、感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。
定着装置15は、加熱装置(図示せず)によって加熱される定着ローラー16aと、定着ローラー16aに圧接される加圧ローラー16bと、で構成される定着ローラー対16を備える。定着ローラー16aと加圧ローラー16bは定着装置15のハウジング(図示せず)に回転可能に保持されている。加圧ローラー16bは、定着駆動モーター60によって回転駆動され、さらに定着ローラー16aの径方向中心に向かって加圧される。これにより、加圧ローラー16bが定着ローラー16aに所定の圧力で圧接され、加圧ローラー16bが回転すると、定着ローラー16aが定着ニップ部N2において同方向に従動回転する。トナー像が転写された用紙Sが定着ニップ部N2を通過することにより、トナー像が加熱、溶融されて用紙S上に定着される。
次に、画像形成装置100の制御システムについて図2を参照して説明する。画像形成装置100には、CPU等で構成される主制御部80が設けられている。主制御部80は、ROMやRAM等からなる記憶部70に接続される。主制御部80は、記憶部70に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて画像形成装置100の各部(帯電装置4、除電装置6、露光装置7、現像装置8、転写ローラー14、クリーニング装置19、定着装置15、電圧制御部47、電流検知機構50、リーダー/ライターモジュール51、速度制御部61等)を制御する。
電圧制御部47は、帯電ローラー41に帯電電圧を印加する帯電電圧電源43、現像ローラー30に現像電圧を印加する現像電圧電源44、転写ローラー14に転写電圧を印加する転写電圧電源45を制御する。なお、電圧制御部47は、記憶部70に記憶される制御プログラムで構成されていてもよい。電流検知機構50は、帯電ローラー41に帯電電圧を印加したときの表面電位を補正するために帯電ローラー41-感光体ドラム5間に流れる電流を検知する。
リーダー/ライターモジュール51は、ドラムユニット40に装着されたICチップ(ICタグ)53に対し情報の読み取りおよび書き込みを行う。本発明においては、リーダー/ライターモジュール51によりICチップ53に記憶された感光体ドラム5の感度データの読み取りや書き換えを行う無線自動識別(Radio Frequency Identification)を、ドラムユニット40が新品に交換されたか否かの判別に利用している。
速度制御部61は、定着駆動モーター60に制御信号を送信することにより定着ローラー対16の回転線速(以下、定着速度という)を制御する。
主制御部80には液晶表示部90、送受信部91が接続されている。液晶表示部90は、ユーザーが画像形成装置100の各種設定を行うためのタッチパネルとして機能するとともに、画像形成装置100の状態、画像形成状況や印字枚数等を表示する。送受信部91は、電話回線やインターネット回線を用いて外部との通信を行う。
図3は、印字枚数と転写ローラー14の外径との関係を示すグラフである。図3に示すように、耐久印字に伴い転写ローラー14の摩耗による外径の小径化が進行する。その結果、感光体ドラム5と転写ローラー14の圧接力が低下し、転写ニップ部N1での用紙の搬送速度が低下するため、転写画像の等倍度(以下、画像等倍度という)が変化する。
図4は、用紙の搬送方向位置と画像等倍度との関係を示すグラフである。転写ニップ部N1を通過する用紙Sの搬送は、感光体ドラム5の線速<用紙Sの搬送速度(レジストローラー対13の線速)<転写ローラー14の線速となるように設計され、用紙Sがレジストローラー対13(図1参照)にニップされている間は、レジストローラー対13の線速が用紙搬送速度の律速となる。即ち、用紙Sの先端が転写ニップ部N1を通過するときは用紙Sの後端がレジストローラー対13にニップされているため、図4に示すように用紙Sの先端では画像等倍度の変化は生じにくい。
しかし、用紙Sの後端がレジストローラー対13を抜けると、転写ローラー14の搬送力が用紙搬送速度の律速となる。そのため、用紙Sの後端がレジストローラー対13を抜けたタイミングで転写ローラー14の外径変化の影響を受けて搬送速度が変化(低下)し、用紙Sの後端が転写ニップ部N1を通過するときに画像等倍度が変化(縮小)してしまう。画像等倍度の変化度合いは、転写ローラー14の耐久度合いによって変化し、耐久初期(図4の実線)、耐久中期(図4の破線)、耐久後期(図の点線)の順に画像等倍度の変化(縮小)が顕著となる。
さらに、耐久印字に伴い感光体ドラム5の感光層の摩耗が進行して感光体ドラム5の表面が平滑になる。感光体ドラム5の表面の平滑化は用紙Sの搬送を阻害する方向に作用する。そのため、転写ローラー14に加えて感光体ドラム5の摩耗によっても画像等倍度が変化する。
そこで、本実施形態の画像形成装置100では、感光体ドラム5および転写ローラー14の劣化度合いに応じて定着ニップ部N2を通過する際の用紙搬送速度(定着速度)を補正することにより、画像等倍度の変化を抑制することとしている。また、感光体ドラム5および転写ローラー14の耐久度合いに合わせて定着速度の補正量を調整する。
感光体ドラム5の劣化度合いは、感光体ドラム5の使用開始時からの累積印字枚数をカウントすることによって確認することができる。累積印字枚数と表面平滑性とは相関関係があり、累積印字枚数(感光体ドラム5の累積駆動時間)に比例して表面平滑性が増加する。そこで、累積印字枚数と感光体ドラム5の劣化度合い(表面平滑性)との関係を予め記憶部70に記憶しておき、カウントされた累積印字枚数に基づいて感光体ドラム5の劣化度合いを判定する。
また、感光体ドラム5の感光層の膜厚と感度(帯電特性)とは相関関係があり、感光層の膜厚が薄くなるほど感度が低下する。そこで、帯電ローラー41に帯電電圧を印加したときに帯電ローラー41-感光体ドラム5間に流れる電流を電流検知機構50により検知することで感光体ドラム5の感度を検知する。そして、予め記憶部70に記憶された感光体ドラム5の感度と劣化度合い(表面平滑性)との関係に基づいて感光体ドラム5の劣化度合いを判定することもできる。
転写ローラー14の劣化度合いを検知する方法としては、感光体ドラム5が帯電していない状態で、非通紙時に転写ローラー14に転写電圧を印加し、感光体ドラム5への流れ込み電流値を検知して、体積抵抗値を算出する。感光体ドラム5への流れ込み電流量は、感光体ドラム5の表面電位を補正するために搭載されている電流検知機構50を流用して検知することができる。
図5は、印字枚数と転写ローラー14の体積抵抗値との関係を示すグラフである。転写ローラー14の体積抵抗値は印字枚数の増加とともに上昇するため、体積抵抗値と劣化度合い(外径変化)との関係を予め記憶部70に記憶しておくことで、算出された転写ローラー4の体積抵抗値に基づいて転写ローラー4の劣化度合いを判定することができる。定着速度の補正量を決定するためのテーブルを表1に示す。
表1に示すように、感光体ドラム5および転写ローラー14の劣化度合いを「耐久初期」、「耐久中期」、「耐久後期」の3ランクに分け、それぞれの劣化度合いの組み合わせに応じて定着速度の補正値(補正量)を決定する。感光体ドラム5の場合、例えば耐久初期は累積印字枚数が0~10万枚、耐久中期は累積印字枚数が10~20万枚、耐久後期は累積印字枚数が20~30万枚である。転写ローラー14の場合、例えば耐久初期は体積抵抗値が101Ω以下、耐久中期は体積抵抗値が101~102Ω、耐久後期は体積抵抗値が102Ω以上である。
表1では、感光体ドラム5または転写ローラー14のいずれも耐久初期である場合の補正値を0、感光体ドラム5および転写ローラー14のいずれも耐久後期である場合の補正値を100としたとき、感光体ドラム5または転写ローラー14の一方が耐久初期で他方が耐久中期である場合の補正値を30、一方が耐久初期で他方が耐久後期である場合、いずれも耐久中期である場合の補正値を50、一方が耐久中期で他方が耐久後期である場合の補正値を70としている。感光体ドラム5および転写ローラー14のいずれも耐久後期である場合の実際の補正値は、例えば基準速度の数%である。
但し、定着速度を速くしすぎると転写不良や用紙のシワ等の問題が発生する。そのため、感光体ドラム5または転写ローラー14が新品に交換されたタイミングで定着速度の調整をリセットする必要がある。
感光体ドラム5は、感度データ等が格納されたICチップ53がドラムユニット40に付設されているため、リーダー/ライターモジュール51によりICチップ53に記憶されたデータを読み取ることで、感光体ドラム5を含むドラムユニット40が交換されたか否かを容易に確認することができる。
また、転写ローラー14が新品に交換されると、図5の破線で示すように体積抵抗値が急激に低下する。この体積抵抗値の急激な低下を検知することで、転写ローラー14の交換タイミングを検知することができる。これにより、転写ローラー14にメモリーを搭載する必要がなくなり、安価な構成で用紙の搬送安定性とユーザーメンテナンス性能の確保が可能となる。
図6は、本実施形態の画像形成装置100における定着速度制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1~図5を参照しながら、図6のステップに沿って定着速度の制御手順について詳細に説明する。
パソコン等から主制御部80に印字データが入力されると、主制御部80から画像形成装置100の各部に制御信号を送信し、帯電装置4、感光体ドラム5、露光装置7、現像装置8、転写ローラー14、定着装置15等を駆動して印字動作を開始する(ステップS1)。同時に、主制御部90は前回の劣化度合いの推定時からの累積印字枚数Nと、感光体ドラム5の使用開始時(ドラムユニット40の交換時)からの累積印字枚数N′をカウントする(ステップS2)。
次に、主制御部80は累積印字枚数Nが所定枚数N1に到達したか否かを判定する(ステップS3)。所定枚数N1に到達していない場合は(ステップS3No)ステップS1に戻り、印字動作および累積印字枚数N、N′のカウントを継続する。
累積印字枚数Nが所定枚数N1に到達した場合は(ステップS3でYes)、転写ローラー14の体積抵抗値を算出する(ステップS4)。具体的には、感光体ドラム5を帯電させない状態で、転写電圧電源45から転写ローラー14に転写電圧を印加し、感光体ドラム5への流れ込み電流値を電流検知機構50により検知し、転写ローラー14の体積抵抗値を算出する。そして算出された体積抵抗値から転写ローラー14の劣化度合いを推定する(ステップS5)。
また、感光体ドラム5の劣化度合いを推定する(ステップS6)。具体的には、ステップS2でカウントされた感光体ドラム5の使用開始時(ドラムユニット40の交換時)からの累積印字枚数N′と、記憶部70に記憶された累積印字枚数N′と感光体ドラム5の劣化度合い(表面平滑性)との関係に基づいて感光体ドラム5の劣化度合いを推定する。
次に、主制御部80は、記憶部70に記憶された定着速度補正テーブル(表1参照)に基づいて、転写ローラー14および感光体ドラム5の劣化度合いのランクが変化したか否かを判定する(ステップS7)。ランクが変化していない場合は(ステップS7でNo)定着速度を補正せずに累積印字枚数Nをリセット(N=0)して(ステップS8)ステップS1に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
ランクが変化している場合は(ステップS7でYes)、表1を用いて定着速度を補正する(ステップS9)。例えば、転写ローラー14または感光体ドラム5のいずれかのランクが耐久初期から耐久中期に変化した場合は定着速度を基準速度から30%増加させる。その後、累積印字枚数Nをリセット(N=0)して(ステップS8)ステップS1に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
なお、図6では記載を省略しているが、転写ローラー14またはドラムユニット40の少なくとも一方が新品に交換された場合は、交換された転写ローラー14または感光体ドラム5に関連する定着速度の補正値をリセットする。例えば、転写ローラー14と感光体ドラム5の両方が耐久後期であった状態から転写ローラー14のみが新品に交換された場合は、表1の補正値を100→50に変更する。転写ローラー14およびドラムユニット40の両方が新品に交換された場合は、表1の補正値を100→0に変更する。また、ドラムユニット40が交換された場合は累積印字枚数N′をリセット(N′=0)する。
図6の制御例によれは、耐久印字に伴う転写ローラー14の外径の小径化、感光体ドラム5の表面の平滑化に応じて定着速度を変更することにより、転写ローラー14および感光体ドラム5の使用開始時から耐用期間の終期まで、用紙の搬送性能の安定化を実現することができる。従って、転写ローラー14および感光体ドラム5の劣化に起因する画像等倍度の変化を抑制することができる。
また、感光体ドラム5を帯電させない状態で転写電圧を印加したときの感光体ドラム5への流れ込み電流を検知して転写ローラー14の体積抵抗値を算出することができる。この体積抵抗値の変化から転写ローラー14の劣化度合いを精度よく推定できるため、転写ローラー14にメモリーを搭載する必要がなく画像形成装置100の低コスト化にも寄与する。感光体ドラム5の劣化度合いは使用開始時からの累積印字枚数に基づいて推定することで、感光体ドラム5の劣化度合いを精度よく推定することができる。
さらに、転写ローラー14または感光体ドラム5の交換が検知されたときは、交換された転写ローラー14または感光体ドラム5に関連する定着速度の補正値をリセットする。これにより、定着速度が速くなりすぎることによる転写不良や用紙のシワも抑制することができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態ではレジストローラー対13から転写ニップ部N1を通過して定着ニップ部N2まで、用紙Sが略水平に搬送される水平搬送式の画像形成装置100について説明したが、これに限定されるものではなく、用紙Sが略垂直に搬送される垂直搬送式の画像形成装置100にも適用可能である。
また、上記実施形態では画像形成装置100として図1に示したようなモノクロプリンターを例に挙げて説明したが、モノクロプリンターに限らず、モノクロおよびカラー複写機、デジタル複合機、カラープリンター、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置の場合、中間転写ベルト(像担持体)と二次転写ローラー(転写部材)の劣化度合いに基づいて定着速度を制御することで、二次転写ニップ部での画像等倍度の変化を抑制可能となる。
本発明は、感光体ドラム等の像担持体と共に転写ニップ部を形成する転写部材と、定着ニップ部を有する定着装置とを備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、耐久印字による転写部材の外径変化に基づく画像等倍度の変化を簡単に且つ精度よく補正可能な画像形成装置を提供することができる。
4 帯電装置
5 感光体ドラム(像担持体)
6 除電装置
7 露光装置
8 現像装置
13 レジストローラー対
14 転写ローラー(転写部材)
15 定着装置
16 定着ローラー対(定着部材)
16a 定着ローラー(被加熱回転体)
16b 加圧ローラー(加圧部材)
40 ドラムユニット
45 転写電圧電源
47 電圧制御部
50 電流検知機構
51 リーダー/ライターモジュール
53 ICチップ(外付けメモリー)
60 定着駆動モーター
61 速度制御部
70 記憶部
80 主制御部(制御部)
90 液晶表示部
100 画像形成装置
N1 転写ニップ部
N2 定着ニップ部
5 感光体ドラム(像担持体)
6 除電装置
7 露光装置
8 現像装置
13 レジストローラー対
14 転写ローラー(転写部材)
15 定着装置
16 定着ローラー対(定着部材)
16a 定着ローラー(被加熱回転体)
16b 加圧ローラー(加圧部材)
40 ドラムユニット
45 転写電圧電源
47 電圧制御部
50 電流検知機構
51 リーダー/ライターモジュール
53 ICチップ(外付けメモリー)
60 定着駆動モーター
61 速度制御部
70 記憶部
80 主制御部(制御部)
90 液晶表示部
100 画像形成装置
N1 転写ニップ部
N2 定着ニップ部
Claims (5)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体に接触して転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部を通過する記録媒体に前記像担持体上に形成された前記トナー像を転写する転写部材と、
前記像担持体の下流側に配置され、被加熱回転体と、前記被加熱回転体に接触して定着ニップ部を形成する加圧部材と、で構成される定着部材を有し、前記定着ニップ部を通過する前記記録媒体を加熱および加圧することにより前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着装置と、
前記定着部材の回転速度である定着速度を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置において、
前記制御部は、
前記像担持体および前記転写部材の劣化度合いを推定し、推定された前記像担持体および前記転写部材の劣化度合いが大きくなるにつれて前記定着速度を基準速度に比べて速くなるように補正することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写部材に前記トナー像と逆極性の転写電圧を印加する転写電圧電源と、
前記転写部材から前記像担持体への流れ込み電流を検知可能な電流検知機構と、
を備え、
前記制御部は、前記像担持体を帯電させない状態で前記転写部材に前記転写電圧を印加したときに前記電流検知機構によって検知された前記流れ込み電流に基づいて前記転写部材の体積抵抗値を算出し、算出された前記体積抵抗値に基づいて前記転写部材の劣化度合いを推定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、算出された前記体積抵抗値が前回の算出値から所定値以上低下したときは前記転写部材が交換されたものと判定し、前記転写部材の劣化に起因する前記定着速度の補正値をリセットすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記像担持体の使用開始時からの累積印字枚数に基づいて前記像担持体の劣化度合いを推定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記像担持体を含むユニットには、前記像担持体に関する情報が記憶された不揮発性の外付けメモリーが搭載されており、
前記制御部は、前記外付けメモリーに記憶された情報が変化したときは前記ユニットが交換されたものと判定し、前記像担持体の劣化に起因する前記定着速度の補正値をリセットすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020124216A JP2022020930A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 画像形成装置 |
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JP2020124216A JP2022020930A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 画像形成装置 |
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JP2022020930A true JP2022020930A (ja) | 2022-02-02 |
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ID=80220082
Family Applications (1)
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2020
- 2020-07-21 JP JP2020124216A patent/JP2022020930A/ja active Pending
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