JP2022020909A - 臓器保存装置 - Google Patents

臓器保存装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022020909A
JP2022020909A JP2020124161A JP2020124161A JP2022020909A JP 2022020909 A JP2022020909 A JP 2022020909A JP 2020124161 A JP2020124161 A JP 2020124161A JP 2020124161 A JP2020124161 A JP 2020124161A JP 2022020909 A JP2022020909 A JP 2022020909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organ
container
connection portion
liquid
connection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020124161A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7527146B2 (ja
Inventor
寛央 笠松
Hiroo Kasamatsu
周平 吉本
Shuhei Yoshimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2020124161A priority Critical patent/JP7527146B2/ja
Priority to EP21185868.3A priority patent/EP3942930A1/en
Priority to US17/378,060 priority patent/US11992006B2/en
Publication of JP2022020909A publication Critical patent/JP2022020909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7527146B2 publication Critical patent/JP7527146B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0236Mechanical aspects
    • A01N1/0242Apparatuses, i.e. devices used in the process of preservation of living parts, such as pumps, refrigeration devices or any other devices featuring moving parts and/or temperature controlling components
    • A01N1/0247Apparatuses, i.e. devices used in the process of preservation of living parts, such as pumps, refrigeration devices or any other devices featuring moving parts and/or temperature controlling components for perfusion, i.e. for circulating fluid through organs, blood vessels or other living parts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】体外にて臓器に液体を灌流させつつ保存する際に、臓器に配管を容易に接続でき、かつ、臓器が保存される空間の密閉性を確保できる技術を提供する。【解決手段】この臓器保存装置1は、臓器収容器10、臓器保持部、給液管40、排液管50、および気圧調整部60を備える。臓器収容器10は、内部に閉鎖された臓器収容空間18を形成する。臓器保持部は、臓器収容空間18にて臓器9を保持する。給液管40は、保持された臓器9へ液体を供給する。排液管50は、保持された臓器9から液体を排出する。気圧調整部60は、臓器収容空間18の気圧を調整する。また、臓器収容器10は、臓器収容空間18と外部空間とを連通させる第1接続部14~第3接続部16を有する。第1接続部14には、給液管40が着脱可能に接続される。第2接続部15には、排液管50が着脱可能に接続される。第3接続部16には、吸引管61が着脱可能に接続される。【選択図】図3

Description

本発明は、体外において臓器に液体を灌流させつつ臓器を保存する臓器保存装置に関する。
肝臓移植等の臓器の移植手術では、ドナーから臓器を摘出した後、当該臓器をレシピエントへ移植するまでの間、一時的に臓器を体外で保存する。このとき、臓器が虚血状態となることを防止するために、臓器内に保存液を灌流させる。臓器を体外で保存する従来のシステムについては、例えば、特許文献1に記載されている。
特表2017-518301号公報
臓器を保存する際には、滅菌性の確保や、周囲への保存液の飛散防止のために、臓器を密閉空間に収容することが好ましい。特に、臓器内における保存液の流れを向上させるために、臓器にかかる気圧を調整する場合には、臓器を密閉空間に収容することが必須となる。ただし、その場合、臓器を密閉空間に収容し、かつ、密閉空間と外部空間との間で、保存液を流すための配管を延ばす必要がある。
特許文献1の臓器管理システムでは、潅流中の肝臓は臓器チャンバ(104)に収容される。臓器チャンバ(104)は、ベース部材(2802)と、ベース部材(2802)にヒンジ部分(2832)を介して取り外し可能に結合される蓋(2820)とを有する。また、臓器チャンバ(104)は、カニューレが挿入される胆管等の脈管を導管接続するためのオリフィス(2830)(小穴)を有する。しかしながら、臓器の移植手術における限られた時間の中で、オリフィス(2830)を介して接続する作業を行うことは、非常に難しい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、臓器の移植手術時に体外において臓器に液体を灌流させつつ臓器を保存する際に、臓器に各配管を容易に接続でき、かつ、臓器が保存される空間の密閉性を確保できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、体外において臓器に液体を灌流させつつ前記臓器を保存する臓器保存装置であって、内部に閉鎖された臓器収容空間を形成可能な臓器収容器と、前記臓器収容空間において前記臓器を保持する臓器保持部と、前記臓器保持部に保持された前記臓器に対して液体を供給する給液管と、前記臓器保持部に保持された前記臓器から液体を排出する排液管と、前記臓器収容空間の気圧を調整する気圧調整部と、を有し、前記気圧調整部は、前記臓器収容器の外部に配置され、前記臓器収容空間から吸引管を介して気体を吸引する減圧機構を有し、前記臓器収容器は、前記臓器収容空間と前記臓器収容器の外部空間とを連通させ、かつ、前記給液管が着脱可能に接続される第1接続部と、前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記排液管が着脱可能に接続される第2接続部と、前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記吸引管が着脱可能に接続される第3接続部と、を有する。
本願の第2発明は、第1発明の臓器保存装置であって、前記臓器収容器は、上方へ開口する凹部を有し、前記凹部が前記臓器収容空間を形成する容器本体部と、前記開口を覆う容器カバー部と、を有し、前記第1接続部、前記第2接続部、前記第3接続部はそれぞれ、前記容器本体部または前記容器カバー部において設けられる。
本願の第3発明は、第2発明の臓器保存装置であって、前記臓器収容器は、前記開口の周囲に配置され、前記容器本体部の上面および前記容器カバー部の下面に接触するシール部をさらに有する。
本願の第4発明は、第2発明または第3発明の臓器保存装置であって、前記第1接続部は、前記容器本体部を貫通する第1貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器本体部における前記第1貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、前記給液管は、前記第1接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第1外側接続部に接続され、一端が前記臓器の動脈または静脈に接続される第1カテーテルの他端が、前記第1接続部のうち前記容器本体部の内部に位置する第1内側接続部に接続される。
本願の第5発明は、第2発明から第4発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記第2接続部は、前記容器本体部を貫通する第2貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器本体部における前記第2貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、前記排液管は、前記第2接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第2外側接続部に接続され、一端が前記臓器の静脈に接続され、または一端が前記容器本体部の内部に設置される第2カテーテルの他端が、前記第2接続部のうち前記容器本体部の内部に位置する第2内側接続部に接続される。
本願の第6発明は、第2発明から第5発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記第3接続部は、前記容器カバー部を貫通する第3貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器カバー部における前記第3貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、前記吸引管は、前記第3接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第3外側接続部に接続され、前記臓器収容空間は、前記第3接続部の内側空間に連続する。
本願の第7発明は、第3発明の臓器保存装置であって、前記容器カバー部は、水平かつ板状に拡がる板状部と、前記板状部の下面の外周部から下方へ筒状に突出する筒状部と、を有し、前記筒状部の下端部は、外側筒部と、前記外側筒部よりも内側に位置する内側筒部と、前記外側筒部と前記内側筒部との間において環状に拡がる環状面と、を有し、前記シール部は、前記容器本体部の上面と前記環状面とに接触して押圧変形される。
本願の第8発明は、第7発明の臓器保存装置であって、前記内側筒部は、前記容器本体部の上端部よりも内側かつ下側へ延びる。
本願の第9発明は、第7発明の臓器保存装置であって、前記内側筒部の下面は、前記容器本体部の上面に接触する。
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記臓器保持部に保持される前記臓器よりも高い位置において、供給前の液体を保持する液体保持部をさらに備え、前記給液管の上流側の端部が、前記液体保持部に接続される。
本願の第11発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記給液管に設けられた給液ポンプと、供給前の液体が貯留されたタンクと、をさらに備え、前記給液管の上流側の端部が、前記タンクに接続される。
本願の第12発明は、第1発明から第11発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記排液管に設けられた排液ポンプをさらに備える。
本願の第13発明は、第2発明から第9発明までのいずれか1発明の臓器保存装置であって、前記臓器収容空間の気圧を計測する気圧計をさらに有し、前記臓器収容器は、前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記容器カバー部を貫通する第4貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器カバー部における前記第4貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起である第4接続部をさらに有し、前記気圧計は、前記第4接続部に接続される。
本願の第1発明~第13発明によれば、臓器収容器に設けられ、臓器収容空間と臓器収容器の外部空間とを連通させる複数の接続部を介して、各管および各カテーテルを容易に接続できる。これにより、誤って保存液を飛散させることを抑制できる。また、臓器収容空間の密閉性を容易に確保できる。
臓器保存装置の構成を示した図である。 図1における臓器収容器付近の拡大図である。 各接続部の構成を模式的に示した図である。 気圧調整部の構成を示したブロック図である。 臓器保存装置による臓器の保存手順を示したフローチャートである。 臓器を臓器収容空間に配置して、臓器に液体を灌流させつつ、当該空間の圧力を変化させた場合の、臓器内に流れる液体の流量変化を示すグラフである。 臓器を臓器収容空間に配置して、臓器に液体を灌流させつつ、当該空間の圧力を変化させた場合の、臓器内の血管の圧力変化を示すグラフである。 第1変形例に係る臓器保存装置の構成を示した図である。 第2変形例に係る臓器保存装置の構成を示した図である。 第3変形例に係る容器本体部および容器カバー部の構成を示した部分拡大図である。 第4変形例に係る容器本体部および容器カバー部の構成を示した部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本願において「ドナー」および「レシピエント」は、ヒトであってもよいし、非ヒト動物であってもよい。すなわち、本願において、「臓器」は、ヒトの臓器であってもよいし、非ヒト動物の臓器であってもよい。また、非ヒト動物は、マウスおよびラットを含む齧歯類、ブタ、ヤギ、およびヒツジを含む有蹄類、チンパンジーを含む非ヒト霊長類、その他の非ヒトほ乳動物であってもよいし、ほ乳動物以外の動物であってもよい。
<1.臓器保存装置の構成>
図1は、一実施形態に係る臓器保存装置1の構成を示した図である。
この臓器保存装置1は、臓器の移植手術を行うときに、ドナーから摘出された臓器9を、レシピエントへ移植するまでの間、体外において一時的に保存するための装置である。臓器9の例としては、肝臓、腎臓、心臓、膵臓を挙げることができる。ただし、臓器保存装置1において保存される臓器9は、他の臓器であってもよいし、臓器の一部分であってもよい。臓器保存装置1は、臓器9内の血管に対して生理食塩水などの保存液を灌流させつつ、臓器9を保存する。
また、臓器9の移植手術を行うときに、臓器9の動脈および静脈に、それぞれカテーテルが接続される。以下では、臓器9の動脈に接続されるカテーテルを「第1カテーテル91」と称する。また、臓器9の静脈に接続されるカテーテルを「第2カテーテル92」と称する。保存液は、第1カテーテル91を介して臓器9の動脈に流入され、臓器9内の毛細血管を流れた後、静脈から第2カテーテル92を介して排出される。ただし、保存液が流入される「第1カテーテル91」は、臓器9の静脈に接続されてもよい。例えば、詳細を後述するとおり、臓器9が肝臓である場合、「第1カテーテル91」は、静脈系の門脈に接続されてもよい。また、保存液が排出される「第2カテーテル92」は、必ずしも臓器9に接続されなくてもよい。例えば、後述する臓器収容器10の内部において、臓器9の静脈からそのまま保存液を排出させて溜め、その溜められた箇所へ「第2カテーテル」の一端を設置し、「第2カテーテル」の他端から臓器収容器10の外部空間へ排出してもよい。
図1に示すように、本実施形態の臓器保存装置1は、臓器収容器10、臓器保持部20、液体保持部30、給液管40、排液管50、気圧調整部60、気圧計65、および制御部70を備える。
図2は、図1における臓器収容器10付近の拡大図である。図2に示すように、臓器収容器10は、容器本体部11、容器カバー部12、シール部13,第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17を有する。
容器本体部11は、上方へ開口する凹部を有するカップ状の部材である。容器本体部11は、底面部111と側面部112とを有する。底面部111は、水平かつ板状に拡がる。側面部112は、底面部111の上面の外周部から上方へ筒状に突出する。また、側面部112の上端部付近には、内側突出部81と外側突出部82とが設けられている。内側突出部81は、側面部112の上端部付近において、全周に亘って内側へ突出する。外側突出部82は、側面部112の上端部付近の複数の箇所(本実施形態では、容器本体部11の内部空間を挟んで互いに反対側の2箇所)において、外側へ突出する。
容器カバー部12は、容器本体部11の上部の開口を覆うカップ状の部材である。容器カバー部12は、板状部121と筒状部122とを有する。板状部121は、水平かつ板状に拡がる。筒状部122は、板状部121の下面の外周部から下方へ筒状に突出する。また、筒状部122の下端部には、外側筒部83と内側筒部84とが設けられている。外側筒部83は、筒状部122の外周部において筒状に延びる。内側筒部84は、外側筒部83よりも内側に間隙を隔てて位置し、筒状に延びる。これにより、板状部121の下面には、外側筒部83と内側筒部84との間において環状に拡がる環状面85が形成されている。すなわち、外側筒部83と、内側筒部84と、環状面85とによって、上方へ凹む溝部80が形成されている。
容器本体部11に容器カバー部12を組み合わせる際には、容器本体部11の上面に、弾性を有するシール部13(パッキン)を配置する。シール部13は、側面部112の上面、すなわち、容器本体部11の開口の周囲の全周に亘って配置される。シール部13には、例えば、ゴム等の樹脂製の材料が用いられる。そして、容器本体部11の開口を覆うように容器カバー部12を組み合わせると、側面部112の環状の上端部が容器カバー部12の溝部80に嵌まり、側面部112の上面と容器カバー部12の環状面85とが、シール部13を介して互いに接触する。これにより、筐体である臓器収容器10が構成される。そして、容器本体部11の凹部形状によって、臓器収容器10の内部に、閉鎖空間である臓器収容空間18が形成される。
また、シール部13は、側面部112の上面と容器カバー部12の環状面85とに接触して押圧変形される。これにより、臓器収容空間18の密閉性を高めることができる。また、容器カバー部12の内側筒部84は、側面部112の上端部よりも内側かつ下側へ延び、内側突出部81に接触する。これにより、臓器収容空間18の密閉性をさらに高めることができる。
さらに、容器カバー部12は、複数(本実施形態では、2つ)のフック123を有する。2つのフック123は、板状部121の外周部のうち、互いに反対側の2箇所に固定されている。容器本体部11に容器カバー部12が組み合わされた後、2つのフック123は、容器本体部11に設けられた2つの外側突出部82にそれぞれ係合する。これにより、容器本体部11に対して容器カバー部12が固定され、はずれが防止される。ただし、容器カバー部12に設けられるフック123の数および容器本体部11に設けられる外側突出部82の数は、それぞれ3つ以上であってもよい。
図2に示すように、容器本体部11には、第1貫通孔101および第2貫通孔102が設けられている。第1貫通孔101および第2貫通孔102はそれぞれ、容器本体部11を水平方向に貫通する。また、容器カバー部12には、第3貫通孔103および第4貫通孔104が設けられている。第3貫通孔103および第4貫通孔104はそれぞれ、容器カバー部12を鉛直方向に貫通する。
第1貫通孔101には、第1接続部14が隙間無く固定される。第2貫通孔102には、第2接続部15が隙間無く固定される。第3貫通孔103には、第3接続部16が隙間無く固定される。第4貫通孔104には、第4接続部17が隙間無く固定される。第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17にはそれぞれ、図示を省略した開閉レバーを有する継手が用いられる。そして、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17はそれぞれ、上記の開閉レバーの開放時において、臓器収容空間18と臓器収容器10の外部空間とを連通させる。ただし、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17が設けられる位置は、これに限定されない。第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17はそれぞれ、容器本体部11または容器カバー部12において設けられればよい。また、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、または第4接続部17には、開閉レバーを有さない継手が用いられてもよい。
図3は、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17の構成を模式的に示した図である。図3に示すように、第1接続部14の一端は、容器本体部11の内部に位置する。以下、第1接続部14のうち容器本体部11の内部に位置する部位を、第1内側接続部141と称する。また、第1接続部14の他端は、容器本体部11の外部に位置する。以下、第1接続部14のうち容器本体部11の外部に位置する部位を、第1外側接続部142と称する。
また、第2接続部15の一端は、容器本体部11の内部に位置する。以下、第2接続部15のうち容器本体部11の内部に位置する部位を、第2内側接続部151と称する。また、第2接続部15の他端は、容器本体部11の外部に位置する。以下、第2接続部15のうち容器本体部11の外部に位置する部位を、第2外側接続部152と称する。
また、第3接続部16の一端は、容器本体部11の内部に位置する。以下、第3接続部16のうち容器本体部11の内部に位置する部位を、第3内側接続部161と称する。また、第3接続部16の他端は、容器本体部11の外部に位置する。以下、第3接続部16のうち容器本体部11の外部に位置する部位を、第3外側接続部162と称する。
また、第4接続部17の一端は、容器本体部11の内部に位置する。以下、第4接続部17のうち容器本体部11の内部に位置する部位を、第4内側接続部171と称する。また、第4接続部17の他端は、容器本体部11の外部に位置する。以下、第4接続部17のうち容器本体部11の外部に位置する部位を、第4外側接続部172と称する。
臓器保持部20は、臓器収容器10内の臓器収容空間18において、臓器9を保持する部位である。図2に示すように、臓器保持部20は、柔軟に変形可能な保持シート21を有する。保持シート21の端部は、容器本体部11の底面部111に固定された支持部材22に接続される。これにより、保持シート21が略水平に開かれた状態に維持される。
臓器9は、保持シート21の上面に載置される。臓器9が載置されると、保持シート21は、臓器9の表面形状に沿って変形する。これにより、臓器9の変形を抑制して、臓器9への負担を軽減しつつ、臓器9を保持することができる。
保持シート21の材料には、生体適応性および滅菌保持性を有し、かつ、柔軟性を有する樹脂が用いられる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エラストマー樹脂、シリコン、ゴム、ゲル材料、またはポリアミドを、保持シート21の材料として用いることができる。
図1に示すように、臓器収容器10の底部には、水または保存液が貯留される。これにより、臓器収容器10内の臓器9が乾燥することが抑制される。特に、後述のように、臓器収容器10内の臓器収容空間18が減圧されると、臓器9から水分が気化しやすくなるが、臓器収容器10の底部に水または保存液を貯留しておくことで、臓器9の乾燥を抑制することができる。なお、保持シート21に水または保存液を含浸させることによって、臓器9の乾燥を抑制してもよい。また、臓器9の上部を、水または保存液を含浸させたシートで覆うことによって、臓器9の乾燥をより抑制してもよい。
液体保持部30は、臓器9への供給前の保存液を保持するための部位である。本実施形態の液体保持部30は、臓器保持部20に保持される臓器9よりも高い位置に、保存液が貯留されたパウチバッグB(いわゆる点滴バッグ)と、パウチバッグBを保持するバッグ保持部31を有する。ただし、液体保持部30は、パウチバッグBに代えて、保存液が貯留されたボトルを保持するものであってもよい。また、液体保持部30は、保存液を貯留可能なタンクであってもよい。
給液管40は、液体保持部30から、臓器保持部20に保持された臓器9へ、保存液を供給するための管である。給液管40の上流側の端部は、液体保持部30に保持されたパウチバッグBに接続される。給液管40の下流側の端部は、容器本体部11に固定された第1接続部14の第1外側接続部142に着脱可能に接続される。また、第1接続部14の第1内側接続部141には、一端が臓器9の動脈に接続された第1カテーテル91の他端が、着脱可能に接続される。これにより、パウチバッグBから、給液管40、第1接続部14、および第1カテーテル91を介して臓器9へ流入する保存液の流路が形成される。
ここで、上記のとおり、第1接続部14は、臓器9の移植手術の開始時点において既に、第1貫通孔101に隙間無く固定されている。このため、移植手術時には、第1接続部14の両端に給液管40および第1カテーテル91を接続するだけで、臓器9への保存液の流入経路を容易に形成することができる。これにより、これらの接続作業を迅速に行うことができる。また、臓器収容空間18の密閉性を維持しながら、給液管40および第1カテーテル91を接続することができるため、臓器収容空間18の滅菌性もより担保できる。
なお、本実施形態では、給液管40の経路上に給液ポンプが設けられていない。パウチバッグBと臓器9との間の高低差によって、給液管40内の保存液に、臓器9側へ向かう緩やかな圧力(重力)が加わる。これにより、パウチバッグBから給液管40を通って臓器9の動脈へ、保存液が流入する。このように、給液ポンプを省略することによって、保存液の流入による臓器9への圧力負担を軽減することができる。
排液管50は、臓器保持部20に保持された臓器9から、保存液を排出するための管である。排液管50の下流側の端部は、排液タンク51に接続される。排液管50の上流側の端部は、容器本体部11に固定された第2接続部15の第2外側接続部152に着脱可能に接続される。また、第2接続部15の第2内側接続部151には、一端が臓器9の静脈に接続された第2カテーテル92の他端が、着脱可能に接続される。これにより、臓器9から、第2カテーテル92、第2接続部15、および排液管50を介して排液タンク51へ排出される保存液の流路が形成される。すなわち、臓器9の静脈から排出された保存液は、第2カテーテル92、第2接続部15、および排液管50を通って、排液タンク51へ回収される。なお、液体保持部30が、保存液を貯留するタンクである場合には、排液タンク51に回収された保存液を、液体保持部30へ循環させて、再利用してもよい。
なお、上記のとおり、第2接続部15は、臓器9の移植手術の開始時点において既に、第2貫通孔102に隙間無く固定されている。このため、移植手術時には、第2接続部15の両端に排液管50および第2カテーテル92を接続するだけで、臓器9からの保存液の排出経路を容易に形成することができる。これにより、これらの接続作業を迅速に行うことができる。また、臓器収容空間18の密閉性を維持しながら、排液管50および第2カテーテル92を接続することができるため、臓器収容空間18の滅菌性もより担保できる。
気圧調整部60は、臓器収容器10の外部に配置され、臓器収容器10内の臓器収容空間18の気圧を調整する機構である。図4は、気圧調整部60の構成を示したブロック図である。図4に示すように、本実施形態の気圧調整部60は、吸引管61、減圧ポンプ62、レギュレータ63、および電子制御バルブ64を含む減圧機構を有する。
吸引管61の上流側の端部は、容器カバー部12に固定された第3接続部16の第3外側接続部162に着脱可能に接続される。第3接続部16の内側空間は、臓器収容空間18に連続する。また、吸引管61の下流側の端部は、減圧ポンプ62に接続される。レギュレータ63および電子制御バルブ64は、吸引管61の経路上に設けられる。これにより、減圧ポンプ62を動作させると、臓器収容器10内の臓器収容空間18から吸引管61を介して気体が吸引され、外部空間へ排出される。この結果、臓器収容器10内の臓器収容空間18の気圧が低下する。なお、レギュレータ63は、減圧ポンプ62により発生する負圧を、それよりも高い(ゲージ圧で表す場合、絶対値の小さい)一定の負圧に昇圧させる。電子制御バルブ64は、臓器収容空間18の気圧を精密に調整するためのバルブである。
ただし、気圧調整部60の構成は、これに限定されない。気圧調整部60は、臓器収容空間18を大気圧に戻すために外気を取り込むパージバルブを有していてもよい。また、気圧調整部60は、上記の減圧機構に加え、臓器収容空間18へ気体を供給して加圧する加圧機構と、減圧機構と加圧機構とを切り替える切り替えバルブとを、さらに有していてもよい。
なお、上記のとおり、第3接続部16は、臓器9の移植手術の開始時点において既に、第3貫通孔103に隙間無く固定されている。このため、移植手術時には、第3接続部16の第3外側接続部162に吸引管61を接続するだけで、臓器収容空間18からの気体の吸引経路を容易に形成することができる。また、臓器収容空間18の密閉性を維持しながら、吸引管61を接続することができるため、臓器収容空間18の滅菌性もより担保できる。
気圧計65は、臓器収容器10内の臓器収容空間18の気圧を計測する。気圧計65は、容器カバー部12に固定された第4接続部17の第4外側接続部172に着脱可能に接続される。第4接続部17の内側空間は、臓器収容空間18に連続する。気圧計65による計測結果は、後述する制御部70へ出力される。制御部70は、気圧計65の計測結果に基づいて、電子制御バルブ64の開度を調節する。
なお、上記のとおり、第4接続部17は、臓器9の移植手術の開始時点において既に、第4貫通孔104に隙間無く固定されている。このため、移植手術時には、第4接続部17の第4外側接続部172に気圧計65を接続するだけで、臓器収容空間18の気圧を計測することができる。また、臓器収容空間18の密閉性を維持しながら、気圧計65を接続することができるため、臓器収容空間18の滅菌性もより担保できる。
制御部70は、気圧調整部60を動作制御するための手段である。制御部70は、例えば、CPU等のプロセッサおよびRAM等のメモリを備えた電子回路基板またはコンピュータにより構成される。また、制御部70は、上述した減圧ポンプ62、レギュレータ63、および電子制御バルブ64と、それぞれ電気的に接続されている。制御部70は、予め設定されたプログラムに基づいて、これらの各部を動作制御する。これにより、臓器収容空間18の気圧が調整される。
<2.臓器保存の手順>
続いて、上記の臓器保存装置1を用いて臓器9を保存する手順について、説明する。図5は、臓器保存装置1による臓器9の保存手順を示したフローチャートである。なお、上記のとおり、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17は、臓器9の移植手術の開始時点において既に、貫通孔101~104に隙間無く固定されており、それぞれの開閉レバーは閉塞されている。
図5に示すように、まず、ドナーから臓器9を摘出する(ステップS1)。具体的には、まず、執刀者は、臓器9の動脈を切断して、動脈の切断部に、第1カテーテル91の一端を接続する。また、執刀者は、臓器9の静脈を切断して、静脈の切断部に、第2カテーテル92の一端を接続する。そして、ドナーの体内から、臓器9を取り出す。
次に、臓器収容器10内に臓器9を収容する(ステップS2)。具体的には、まず、臓器収容器10の容器カバー部12を取り外すことによって、容器本体部11の上部を開放する。そして、臓器保持部20の保持シート21の上面に、臓器9を載置する。そして、第1カテーテル91の他端を第1接続部14の第1内側接続部141に接続する。また、第2カテーテル92の他端を第2接続部15の第2内側接続部151に接続する。
その後、容器本体部11の上部を容器カバー部12により閉鎖し、フック123で固定する。これにより、臓器収容器10内に、閉鎖された空間である臓器収容空間18が形成される。そして、臓器収容空間18に、臓器9が配置された状態となる。そして、給液管40の下流側の端部を、第1接続部14の第1外側接続部142に接続する。また、排液管50の上流側の端部を、第2接続部15の第2外側接続部152に接続する。また、吸引管61の上流側の端部を、第3接続部16の第3外側接続部162に接続する。また、気圧計65を、第4接続部17の第4外側接続部172に接続する。その後、例えば、第1接続部14の開閉レバーおよび第2接続部15の開閉レバーをそれぞれ開放し、給液管40の図示を省略したクランプを解除することにより、臓器9内への保存液の流入を開始する。
続いて、第3接続部16の開閉レバーおよび第4接続部17の開閉レバーをそれぞれ開放し、臓器収容器10内の臓器収容空間18の気圧を調整する(ステップS3)。具体的には、制御部70が、気圧計65の計測結果に基づいて、気圧調整部60を動作制御する。これにより、臓器収容空間18からの気体の吸引および排出が行われる。その結果、臓器収容空間18の気圧が低下する。なお、このとき、気圧調整部60を断続的に動作させることによって、臓器収容空間18の気圧を生体の呼吸の周期に合わせて、例えば、3~6秒で周期的に変化させてもよい。ただし、当該周期は、必ずしも生体の呼吸の周期に合わせなくてもよく、状況に応じて適切な値に設定すればよい。また、気圧調整部60を連続的に動作させることによって、臓器収容空間18の気圧を、大気圧よりも低い一定の負圧に維持してもよい。
臓器収容空間18の気圧を負圧にすると、臓器9の膨張に伴い、臓器9内の血管の流路面積が大きくなる。したがって、臓器9内の血管の流路抵抗が小さくなる。これにより、給液管40から臓器9内の血管へ、保存液が流入しやすくなる。そして、保存液の流入に伴う臓器9への圧力負担を低減できる。すなわち、臓器収容空間18の気圧を負圧にすることで、保存液の圧力を高めることなく、臓器9内における保存液の流量を確保することができる。
レシピエントへの臓器9の移植の準備が整うと、臓器収容器10から臓器9を取り出す(ステップS4)。具体的には、まず、気圧調整部60による減圧を解除して、臓器収容空間18の気圧を大気圧に戻す。また、臓器収容器10の容器カバー部12を取り外して、容器本体部11の上部を開放する。そして、第1接続部14から第1カテーテル91を取り外し、第2接続部15から第2カテーテル92を取り外して、臓器保持部20の保持シート21の上面から、臓器9を取り出す。
その後、レシピエントへ臓器9を移植する(ステップS5)。具体的には、レシピエントの体腔内に臓器9を配置する。そして、執刀者は、臓器9の動脈から第1カテーテル91を取り外して、臓器9の動脈と、レシピエントの動脈とを吻合する。また、執刀者は、臓器9の静脈から第2カテーテル92を取り外して、臓器9の静脈と、レシピエントの静脈とを吻合する。
<3.気圧調整に関する実験結果>
図6は、臓器9の一例として肝臓を臓器収容空間18に配置して、臓器9に液体を灌流させつつ、臓器収容空間18の圧力を変化させた場合の、臓器9内に流れる液体の流量変化を示すグラフである。図7は、臓器9の一例として肝臓を臓器収容空間18に配置して、臓器9に液体を灌流させつつ、臓器収容空間18の圧力を変化させた場合の、臓器9内の血管の圧力変化を示すグラフである。
なお、生体内の肝臓においては、通常、血液は門脈と肝動脈とから供給される。門脈は太い静脈であり、腸や脾臓を循環した後の栄養分を多く含んだ静脈血を肝臓へ供給する。肝動脈は、大動脈から酸素を多く含んだ動脈血を肝臓へ供給する。これらの血液は、肝臓内で合流し、肝臓内の毛細血管を流れた後、肝上部下大静脈(SH-IVC)または肝下部下大静脈(IH-IVC)を介して心臓へ戻る。本実験では、生体の肝臓の肝動脈を含む動脈および門脈を含む静脈を切断して取り出し、門脈および肝動脈のそれぞれに、「第1カテーテル91」を接続した。図6および図7において、PVは、門脈における流量や圧力を計測した結果であり、HAは、肝動脈における流量や圧力を計測した結果である。ただし、本実験以外の灌流処理時には、肝臓の門脈および肝動脈のいずれか一方に「第1カテーテル91」が接続されていればよい。
図6および図7に示すように、臓器収容空間18の圧力が低いほど、臓器9内に流れる液体の流量は上昇し、かつ、臓器9内の血管の圧力が低下することが分かる。したがって、液体の流入に伴う臓器9への圧力負担を低減しつつ、臓器9内における液体の流量を確保することができる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
<4-1.第1変形例>
図8は、第1変形例に係る臓器保存装置1の構成を示した図である。図8の例では、液体保持部30は、供給前の保存液を貯留するタンク32である。給液管40の上流側の端部は、タンク32に接続されている。また、給液管40の経路上には、給液ポンプ41が設けられている。臓器9の保存時には、制御部70からの指令により、給液ポンプ41が動作する。これにより、臓器9内の血管に、保存液が送り込まれる。このように、給液ポンプ41を用いる場合でも、気圧調整部60で臓器収容空間18の気圧を低下させれば、臓器9内の血管を流れる保存液の圧力を低下させることができる。したがって、保存液の流入に伴う臓器9への圧力負担を軽減できる。
<4-2.第2変形例>
図9は、第2変形例に係る臓器保存装置1の構成を示した図である。図9の例では、排液管50の経路上に、排液ポンプ52が設けられている。臓器9の保存時には、制御部70からの指令により、排液ポンプ52が動作する。これにより、臓器9内の血管に、保存液の流れが形成される。このように、排液ポンプ52を用いる場合、排液ポンプ52の吸引力で、臓器9内の血管が狭くなる場合がある。しかしながら、気圧調整部60で臓器収容空間18の気圧を低下させれば、臓器9内の血管を広げることができる。したがって、臓器9内における保存液の流量を確保することができる。
<4-3.第3変形例>
図10は、第3変形例に係る容器本体部11および容器カバー部12の構成を示した部分拡大図である。図10の例では、容器本体部11の側面部112の上端部には、上記の実施形態のような内側突出部81や外側突出部82は設けられていない。ただし、側面部112の上端部には、内側部分と外側部分との間の中間部分において、上側突出部86が設けられている。上側突出部86は、筒状の側面部112の上端部において全周に亘って上側へ突出する。
容器カバー部12は、上記の実施形態に開示された容器カバー部12と同等の構成を有する。容器カバー部12の板状部121の下面には、外側筒部83と内側筒部84との間において環状に拡がる環状面85が形成されている。すなわち、外側筒部83と、内側筒部84と、環状面85とによって、上方へ凹む溝部80が形成されている。ただし、本変形例では、外側筒部83の下端部と内側筒部84の下端部とは、鉛直方向に略同一の位置にある。
容器本体部11に容器カバー部12を組み合わせる際には、容器本体部11の上側突出部86の上面に、シール部13(パッキン)を配置する。シール部13は、上側突出部86の上面、すなわち、容器本体部11の開口の周囲の全周に亘って配置される。容器本体部11の開口を覆うように容器カバー部12を組み合わせると、上側突出部86が容器カバー部12の溝部80に嵌まり、上側突出部86の上面と容器カバー部12の環状面85とが、シール部13を介して互いに接触する。
また、シール部13は、上側突出部86の上面と容器カバー部12の環状面85とに接触して押圧変形される。これにより、臓器収容空間18の密閉性を高めることができる。また、容器カバー部12の内側筒部84は、上側突出部86の上端部よりも内側かつ下側へ延び、側面部112の上端部のうち上側突出部86より内側に位置する部位の上面に接触する。また、容器カバー部12の外側筒部83は、上側突出部86の上端部よりも外側かつ下側へ延び、側面部112の上端部のうち上側突出部86より外側に位置する部位の上面に接触する。これにより、臓器収容空間18の密閉性をさらに高めることができる。
<4-4.第4変形例>
図11は、第4変形例に係る容器本体部11および容器カバー部12の構成を示した部分拡大図である。図11の例では、容器本体部11の側面部112の上端部には、上記の実施形態または第3変形例のような内側突出部81、外側突出部82、および上側突出部86は設けられていない。本変形例の側面部112の上面は、鉛直方向に略水平となっている。容器カバー部12は、上記の第3変形例に開示された容器カバー部12と同等の構成を有する。
容器本体部11に容器カバー部12を組み合わせる際には、容器本体部11の側面部112の上面に、シール部13(パッキン)を配置する。シール部13は、側面部112の上面、すなわち、容器本体部11の開口の周囲の全周に亘って配置される。容器本体部11の開口を覆うように容器カバー部12を組み合わせると、シール部13が容器カバー部12の溝部80に嵌まり、側面部112の上面と容器カバー部12の環状面85とが、シール部13を介して互いに接触する。
また、シール部13は、側面部112の上面と容器カバー部12の環状面85とに接触して押圧変形される。これにより、臓器収容空間18の密閉性を高めることができる。また、容器カバー部12の内側筒部84と外側筒部83は、側面部112の上面に接触する。これにより、臓器収容空間18の密閉性をさらに高めることができる。
<4-5.他の変形例>
上記の実施形態では、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17として、管やカテーテルを繋ぐための継手が用いられていた。しかしながら、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17は、管やカテーテルを繋ぐことを可能にするものであれば、継手以外であってもよい。例えば、第1接続部14、第2接続部15、第3接続部16、および第4接続部17は、容器本体部11または容器カバー部12を貫通する貫通孔101~104に隙間無く固定される配管であってもよく、貫通孔101~104の周縁部から筒状に突出する突起であってもよい。
また、上記実施形態の臓器保存装置1は、1本の給液管40および1本の第1カテーテル91と、1本の排液管50および1本の第2カテーテル92とを備えていた。しかしながら、臓器保存装置1は、臓器9の動脈の数に応じて、複数の給液管40および複数の第1カテーテル91を備えていてもよい。また、臓器保存装置1は、臓器9の静脈の数に応じて、複数の排液管50および複数の第2カテーテル92を備えていてもよい。
また、臓器収容器を含む臓器保存装置の細部の構造については、本願の各図に示された構造と、完全に一致していなくてもよい。また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 臓器保存装置
9 臓器
10 臓器収容器
11 容器本体部
12 容器カバー部
13 シール部
14 第1接続部
15 第2接続部
16 第3接続部
17 第4接続部
18 臓器収容空間
20 臓器保持部
30 液体保持部
40 給液管
41 給液ポンプ
50 排液管
51 排液タンク
52 排液ポンプ
60 気圧調整部
61 吸引管
65 気圧計
70 制御部
80 溝部
83 外側筒部
84 内側筒部
85 環状面
91 第1カテーテル
92 第2カテーテル
101 第1貫通孔
102 第2貫通孔
103 第3貫通孔
104 第4貫通孔
111 底面部
112 側面部
121 板状部
122 筒状部
123 フック
141 第1内側接続部
142 第1外側接続部
151 第2内側接続部
152 第2外側接続部
161 第3内側接続部
162 第3外側接続部
171 第4内側接続部
172 第4外側接続部

Claims (13)

  1. 体外において臓器に液体を灌流させつつ前記臓器を保存する臓器保存装置であって、
    内部に閉鎖された臓器収容空間を形成可能な臓器収容器と、
    前記臓器収容空間において前記臓器を保持する臓器保持部と、
    前記臓器保持部に保持された前記臓器に対して液体を供給する給液管と、
    前記臓器保持部に保持された前記臓器から液体を排出する排液管と、
    前記臓器収容空間の気圧を調整する気圧調整部と、
    を有し、
    前記気圧調整部は、
    前記臓器収容器の外部に配置され、前記臓器収容空間から吸引管を介して気体を吸引する減圧機構
    を有し、
    前記臓器収容器は、
    前記臓器収容空間と前記臓器収容器の外部空間とを連通させ、かつ、前記給液管が着脱可能に接続される第1接続部と、
    前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記排液管が着脱可能に接続される第2接続部と、
    前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記吸引管が着脱可能に接続される第3接続部と、
    を有する、臓器保存装置。
  2. 請求項1に記載の臓器保存装置であって、
    前記臓器収容器は、
    上方へ開口する凹部を有し、前記凹部が前記臓器収容空間を形成する容器本体部と、
    前記開口を覆う容器カバー部と、
    を有し、
    前記第1接続部、前記第2接続部、前記第3接続部はそれぞれ、前記容器本体部または前記容器カバー部において設けられる、臓器保存装置。
  3. 請求項2に記載の臓器保存装置であって、
    前記臓器収容器は、
    前記開口の周囲に配置され、前記容器本体部の上面および前記容器カバー部の下面に接触するシール部
    をさらに有する、臓器保存装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の臓器保存装置であって、
    前記第1接続部は、前記容器本体部を貫通する第1貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器本体部における前記第1貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、
    前記給液管は、前記第1接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第1外側接続部に接続され、
    一端が前記臓器の動脈または静脈に接続される第1カテーテルの他端が、前記第1接続部のうち前記容器本体部の内部に位置する第1内側接続部に接続される、臓器保存装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記第2接続部は、前記容器本体部を貫通する第2貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器本体部における前記第2貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、
    前記排液管は、前記第2接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第2外側接続部に接続され、
    一端が前記臓器の静脈に接続され、または一端が前記容器本体部の内部に設置される第2カテーテルの他端が、前記第2接続部のうち前記容器本体部の内部に位置する第2内側接続部に接続される、臓器保存装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記第3接続部は、前記容器カバー部を貫通する第3貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器カバー部における前記第3貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起であり、
    前記吸引管は、前記第3接続部のうち前記容器本体部の外部に位置する第3外側接続部に接続され、
    前記臓器収容空間は、前記第3接続部の内側空間に連続する、臓器保存装置。
  7. 請求項3に記載の臓器保存装置であって、
    前記容器カバー部は、
    水平かつ板状に拡がる板状部と、
    前記板状部の下面の外周部から下方へ筒状に突出する筒状部と、
    を有し、
    前記筒状部の下端部は、
    外側筒部と、
    前記外側筒部よりも内側に位置する内側筒部と、
    前記外側筒部と前記内側筒部との間において環状に拡がる環状面と、
    を有し、
    前記シール部は、前記容器本体部の上面と前記環状面とに接触して押圧変形される、臓器保存装置。
  8. 請求項7に記載の臓器保存装置であって、
    前記内側筒部は、前記容器本体部の上端部よりも内側かつ下側へ延びる、臓器保存装置。
  9. 請求項7に記載の臓器保存装置であって、
    前記内側筒部の下面は、前記容器本体部の上面に接触する、臓器保存装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記臓器保持部に保持される前記臓器よりも高い位置において、供給前の液体を保持する液体保持部
    をさらに備え、
    前記給液管の上流側の端部が、前記液体保持部に接続される、臓器保存装置。
  11. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記給液管に設けられた給液ポンプと、
    供給前の液体が貯留されたタンクと、
    をさらに備え、
    前記給液管の上流側の端部が、前記タンクに接続される、臓器保存装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記排液管に設けられた排液ポンプ
    をさらに備える、臓器保存装置。
  13. 請求項2から請求項9までのいずれか1項に記載の臓器保存装置であって、
    前記臓器収容空間の気圧を計測する気圧計
    をさらに有し、
    前記臓器収容器は、
    前記臓器収容空間と前記外部空間とを連通させ、かつ、前記容器カバー部を貫通する第4貫通孔に固定される継手もしくは配管、または前記容器カバー部における前記第4貫通孔の周縁部から筒状に突出する突起である第4接続部
    をさらに有し、
    前記気圧計は、前記第4接続部に接続される、臓器保存装置。

JP2020124161A 2020-07-21 2020-07-21 臓器保存装置 Active JP7527146B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020124161A JP7527146B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 臓器保存装置
EP21185868.3A EP3942930A1 (en) 2020-07-21 2021-07-15 Organ preservation system
US17/378,060 US11992006B2 (en) 2020-07-21 2021-07-16 Organ preservation system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020124161A JP7527146B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 臓器保存装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022020909A true JP2022020909A (ja) 2022-02-02
JP7527146B2 JP7527146B2 (ja) 2024-08-02

Family

ID=76942909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020124161A Active JP7527146B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 臓器保存装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11992006B2 (ja)
EP (1) EP3942930A1 (ja)
JP (1) JP7527146B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224876A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 株式会社Screenホールディングス 蓋装置および容器減圧方法
WO2023037836A1 (ja) * 2021-09-08 2023-03-16 株式会社Screenホールディングス 臓器保存容器、臓器保存装置、および、臓器保存容器の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6967434B2 (ja) * 2017-11-28 2021-11-17 株式会社Screenホールディングス 臓器収容器
JP2020083785A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 株式会社Screenホールディングス 臓器保存装置および臓器保存方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4242883A (en) * 1979-04-02 1981-01-06 Henry Ford Hospital Liver preservation
NL8401663A (nl) * 1984-05-24 1985-12-16 Tom Mostert Inrichting voor het behandelen van het lichaam van een patient, een lichaamsdeel of een levend orgaan.
JP3001195B2 (ja) 1997-04-16 2000-01-24 光金属工業株式会社 加熱調理食品の保存法とそれに用いる真空密閉保存容器
DE10141386A1 (de) * 2001-08-16 2003-03-06 Foerderver Inst Fuer Medizinte Vorrichtung zur Kultivierung und Untersuchung von lebenden Zellen oder organischem Gewebe
US20040170950A1 (en) * 2002-09-12 2004-09-02 Prien Samuel D. Organ preservation apparatus and methods
US20110294108A1 (en) * 2010-05-28 2011-12-01 Tyco Healthcare Group Lp System and Method for an Ex Vivo Body Organ Electrosurgical Research Device
DE102010037659A1 (de) 2010-09-20 2012-03-22 Aesculap Ag Sterilbehälter
US10667510B2 (en) * 2013-03-15 2020-06-02 Mallinckrodt Hospital Products IP Limited Administration and monitoring of nitric oxide in ex vivo fluids
WO2015126853A1 (en) * 2014-02-18 2015-08-27 Baylor College Of Medicine Negative pressure ex vivo lung ventilation and perfusion system
CN113287600B (zh) * 2014-06-02 2022-08-19 特兰斯迈迪茨公司 对离体肝脏灌注的灌注回路和系统以及对其保存的系统
WO2019044354A1 (ja) 2017-08-29 2019-03-07 株式会社Screenホールディングス 臓器保存容器および灌流装置
JP2020083785A (ja) 2018-11-19 2020-06-04 株式会社Screenホールディングス 臓器保存装置および臓器保存方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224876A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 株式会社Screenホールディングス 蓋装置および容器減圧方法
WO2023037836A1 (ja) * 2021-09-08 2023-03-16 株式会社Screenホールディングス 臓器保存容器、臓器保存装置、および、臓器保存容器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20220022448A1 (en) 2022-01-27
EP3942930A1 (en) 2022-01-26
JP7527146B2 (ja) 2024-08-02
US11992006B2 (en) 2024-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022020909A (ja) 臓器保存装置
WO2020105322A1 (ja) 臓器保存装置および臓器保存方法
US8685709B2 (en) Fluidics based pulsatile perfusion preservation device and method
JP6967434B2 (ja) 臓器収容器
US20110217689A1 (en) Fluidics based pulsatile perfusion preservation device and method
AU2012231821A1 (en) Apparatus for maintaining a harvested organ viable and transportable
RU2010150973A (ru) Устройство для консервации печеночного трансплантата в условиях нормотермии
CN110312423A (zh) 用于血管组织灌注的装置、系统和方法
WO2013126062A2 (en) Critical point drying systems and methods for in situ tissue preservation
JP2019043939A (ja) 臓器保存容器および灌流装置
WO2019044354A1 (ja) 臓器保存容器および灌流装置
WO2021005988A1 (ja) 灌流装置
WO2023037836A1 (ja) 臓器保存容器、臓器保存装置、および、臓器保存容器の製造方法
JP2022547332A (ja) 酸素化オプションを備えた臓器容器
WO2022270165A1 (ja) リーク弁および保存容器
US20200404903A1 (en) Frame and organ holder
US20230069897A1 (en) Apparatus for storing an organ or body tissue, and corresponding method
WO2023047976A1 (ja) 臓器載置台、臓器保存容器、および臓器載置方法
WO2022195936A1 (ja) 臓器保存容器
WO2023106036A1 (ja) 臓器保存装置および臓器保存方法
JP2023039401A (ja) 臓器保存容器、臓器保存装置、および、臓器保存容器の製造方法
WO2023243399A1 (ja) 臓器保持具および撮影方法
WO2024111377A1 (ja) 液体貯留容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7527146

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150