JP2022020335A - 復元性ブリスター容器 - Google Patents

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篤史 安田
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Abstract

【課題】ポケット部を押し潰しても、元の形に戻ることができる復元性のあるPTPシートを提供する。【解決手段】本発明の復元性ブリスター容器は、ポケット部を有するブリスター容器であって、ブリスター容器を構成する積層体が、外基材層及び可復元層を具備しており、可復元層が、ブロックポリプロピレンを含有しており、かつ図1(a)に示すように、ポケット部12aに内容物14を入れ、ブリスター容器12と蓋材16とを接着させて、内容物14を封入したときに、図1(b)に示すように、ポケット部12aの中央部を押して内容物14により蓋材16を突き破って、内容物14を取り出した後に、図1(c)に示すように、ポケット部12aの形状が復元する、復元性ブリスター容器である。【選択図】図1

Description

本発明は、復元性ブリスター容器に関する。
従来、例えば錠剤等の固形製剤や薬剤の入ったカプセルのための包装容器として、ブリスターパックが用いられている。このブリスターパックは、樹脂シート等で構成されているブリスター容器用シートに、ポケットとよばれる凹部を形成してブリスター容器を形成し、ポケット内に内容物を入れ、そして蓋材をヒートシール等によって接合させることにより形成することができる。
ブリスター容器は、ポケットの内側に製剤等を収容した状態で、その周囲に拡がった裾の部分に蓋材をヒートシールすることにより、製剤等が封入された内容物入りブリスターパックとなる。かかるブリスターパックの一態様として、ポケット部を指等で押し潰すことにより、蓋材を突き破って内容物を取り出すPTP(プレス・スルー・パッケージ)が知られている。
特許文献1では、所与の引張弾性率を有する、医療用固形薬剤のブリスター包装用樹脂シートが開示されている。
特許文献2では、少なくとも1層以上のポリアミド層、接着層、及びシール層となるポリエチレン層からなる多層フィルム又はシートであり、水蒸気透過度が10g/m・24hrs以下、曇度が30%以下、かつ厚みが0.15mm~0.45mmのフィルムまたはシートを底材として用い、該底材の成形部に薬品を入れ、アルミ箔を主体とする蓋材によって密閉したことを特徴とする薬品包装体が開示されている。
特開2000-281130号公報 特開平9-175558号公報
従来のPTPはポケット部が硬く、ポケット部を押し潰すと、折れが生じ、潰れた形のままになることがある。これによると、輸送時に荷重が掛かり凹んだ場合、及び内容物を取り出した後等に、外観が不良になるという問題があった。また、内容物を取り出す際に、ポケットが潰れた形のままとなると、ポケット部の外側に角が形成された状態となり、この角によって手指を傷つけられることがあった。
そこで、本発明では、このような問題を解消するPTPシート及び内容物入りブリスターパックを提供する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
《態様1》ポケット部を有するブリスター容器であって、
前記ブリスター容器を構成する積層体が、外基材層及び可復元層を具備しており、
前記外基材層が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、無延伸ポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1つを含有しており、
前記可復元層が、ブロックポリプロピレンを含有しており、かつ
前記ポケット部に内容物を入れ、前記ブリスター容器と蓋材とを接着させて、前記内容物を封入したときに、ポケット部の中央部を押して前記内容物により前記蓋材を突き破って、前記内容物を取り出した後に、前記ポケット部の形状が復元する、
復元性ブリスター容器。
《態様2》前記可復元層が、吸収剤を含有している、態様1に記載の復元性ブリスター容器。
《態様3》外基材層、可復元層、内基材層、及びシーラント層をこの順で有するようにして、内基材層及びシーラント層を更に有する、態様1又は2に記載の復元性ブリスター容器。
《態様4》前記可復元層が、スキン層、中間層、及びスキン層をこの順で有する、態様1~3のいずれか一項に記載の復元性ブリスター容器。
《態様5》前記スキン層が、ブロックポリプロピレンを含有している、態様4に記載の復元性ブリスター容器。
《態様6》前記外基材層のJIS K 7161-1に準拠する引張弾性率が前記可復元層の引張弾性率よりも大きく、かつ前記外基材層の引張弾性率と、前記可復元層の引張弾性率との差が、430N/mm以下である、態様5に記載の復元性ブリスター容器。
《態様7》前記可復元層のJIS K 7161-1に準拠する引張弾性率が、300~600N/mmである、態様5又は6に記載の復元性ブリスター容器。
《態様8》前記中間層が、ブロックポリプロピレンを含有している、態様4に記載の復元性ブリスター容器。
《態様9》外基材層、可復元層、内基材層、及びシーラント層をこの順で有するようにして、内基材層及びシーラント層を更に有し、かつ
前記外基材層の引張弾性率a1、前記可復元層の引張弾性率b1、前記内基材層の引張弾性率a2、及び前記シーラント層の引張弾性率b2が、単位N/mmで、以下の関係を満足する、態様8に記載の復元性ブリスター容器、ここで、前記引張弾性率は、JIS K 7161-1に準拠するものである:
(a1+a2)-(b1+b2)≦4500。
《態様10》前記可復元層の引張弾性率が、500~1000N/mmである、態様8又は9に記載の復元性ブリスター容器。
《態様11》態様1~10のいずれか一項に記載の復元性ブリスター容器、
前記復元性ブリスター容器の前記ポケット部に収納されている内容物、及び
前記復元性ブリスター容器に接着されている蓋材
を有する、内容物入りブリスターパック。
本発明によれば、ポケット部を押し潰しても、元の形に戻ることができる復元性のあるPTPシートを提供することができる。
図1は、本発明の復元性ブリスター容器の仕組みを示す図である。
《復元性ブリスター容器》
本発明の復元性ブリスター容器は、ポケット部を有するブリスター容器であって、
ブリスター容器を構成する積層体が、外基材層及び可復元層を具備しており、
外基材層が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、無延伸ポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1つを含有しており、
可復元層が、ブロックポリプロピレンを含有しており、かつ
図1(a)に示すように、ポケット部12aに内容物14を入れ、ブリスター容器12と蓋材16とを接着させて、内容物14を封入したときに、図1(b)に示すように、ポケット部12aの中央部を押して内容物14により蓋材16を突き破って、内容物14を取り出した後に、図1(c)に示すように、ポケット部12aの形状が復元する、
復元性ブリスター容器である。
本発明の第一の態様では、可復元層が、スキン層、中間層、及びスキン層をこの順で有し、かつスキン層が、ブロックポリプロピレンを含有している。
この態様では、外基材層の引張弾性率が可復元層の引張弾性率よりも大きく、かつ外基材層の引張弾性率と、可復元層の引張弾性率との差が、430N/mm以下であることが、復元性の観点から好ましい。この差は、430N/mm以下、420N/mm以下、410N/mm以下、400N/mm以下、390N/mm以下、370N/mm以下、350N/mm以下、330N/mm以下、又は300N/mm以下であってよく、また100N/mm以上、120N/mm以上、150N/mm以上、170N/mm以上、200N/mm以上、230N/mm以上、又は250N/mm以上であってよい。ここで、本発明において、「引張弾性率」は、JIS K 7161-1に準拠して測定したものである。特に、上記の層として、市販のフィルムを用いる場合には、この引張弾性率は、カタログに記載されている値であってもよい。
本発明の第二の態様では、可復元層が、スキン層、中間層、及びスキン層をこの順で有し、かつ中間層が、ブロックポリプロピレンを含有している、
この態様では、外基材層、可復元層、内基材層、及びシーラント層をこの順で有するようにして、内基材層及びシーラント層を更に有し、かつ
前記外基材層の引張弾性率a1、前記可復元層の引張弾性率b1、前記内基材層の引張弾性率a2、及び前記シーラント層の引張弾性率b2が、単位N/mmで、以下の関係を満足することが、復元性の観点からこのましい:
(a1+a2)-(b1+b2)≦4500。
この値は、2000以上、2200以上、2500以上、2700以上、3000以上、3300以上、又は3500以上であってよく、また4500以下、4200以下、又は4000以下であってよい。
本発明の復元性ブリスター容器は、復元性ブリスター容器を構成する積層体にポケット部を形成することにより、製造することができる。
本発明の復元性ブリスター容器を構成する積層体は、積層体を構成する各層を、直接接着させること、例えば互いに融着させること、及び/又は接着層を介して接着させることにより、製造することができる。
以下では、本発明の復元性ブリスター容器を構成する積層体について説明する。
〈外基材層〉
外基材層は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、無延伸ポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している。
本発明の第一の態様においては、外基材層の弾性率は、400N/mm以上、450N/mm以上、500N/mm以上、550N/mm以上、600N/mm以上、650N/mm以上、700N/mm以上、又は750N/mm以上であってよく、また1500N/mm以下、1450N/mm以下、1400N/mm以下、1350N/mm以下、1300N/mm以下、1250N/mm以下、1200N/mm以下、1150N/mm以下、1100N/mm以下、1050N/mm以下、1000N/mm以下、950N/mm以下、又は900N/mm以下であってよい。
本発明の第二の態様においては、外基材層の弾性率は、1300N/mm以上、1500N/mm以上、1800N/mm以上、2000N/mm以上、2200N/mm以上、2500N/mm以上、2600N/mm以上、2700N/mm以上、2800N/mm以上、2900N/mm以上、3000N/mm以上、3100N/mm以上、3200N/mm以上、又は3300N/mm以上であってよく、また5000N/mm以下、4800N/mm以下、4500N/mm以下、4300N/mm以下、4000N/mm以下、3800N/mm以下、3500N/mm以下、又は3400N/mm以下であってよい。
外基材層は、随意のバリア層を有していてもよい。バリア層としては、例えば透明バリア層又は不透明バリア層を用いることができ、中でも透明バリア層を用いることが、復元性及び成形性の観点から好ましい。
透明バリア層としては、透明であり、かつ外部からの水分がポケットの内部へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。かかる透明バリア層としては、例えばシリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリクロロトリフルオロエチレンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。また、環状オレフィンポリマー、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等のバリア性樹脂層を、透明バリア層として用いることもできる。
透明バリア層として無機物蒸着膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、包装体としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
透明バリア層としてバリア性樹脂層又は有機物コーティング膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、包装体としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
不透明バリア層としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等の金属箔層を用いることができる。
外基材層の厚さは、一態様においては、100μm以上、120μm以上、150μm以上、又は170μm以上であってよく、また300μm以下、280μm以下、250μm以下、230μm以下、又は210μm以下であってよい。
外基材層の厚さは、別の態様においては、10μm以上、15μm以上、17μm以上、20μm以上、又は22μm以上であってよく、また50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、又は30μm以下であってよい。
〈可復元層〉
可復元層は、ブロックポリプロピレンを含有している。すなわち、可復元層は、ブロックポリプロピレンを含有している単層であってもよく、又はブロックポリプロピレンを含有している少なくとも1つの層を有する積層体であってもよい。
本発明の第一の態様においては、可復元層の弾性率は、300N/mm以上、320N/mm以上、350N/mm以上、370N/mm以上、400N/mm以上、420N/mm以上、450N/mm以上、470N/mm以上、又は500N/mm以上であってよく、また600N/mm以下、570N/mm以下、550N/mm以下、又は530N/mm以下であってよい。
本発明の第二の態様においては、可復元層の弾性率は、500N/mm以上、520N/mm以上、530N/mm以上、540N/mm以上、550N/mm以上、570N/mm以上、600N/mm以上、620N/mm以上、650N/mm以上、670N/mm以上、又は700N/mm以上であってよく、また1000N/mm以下、990N/mm以下、980N/mm以下、970N/mm以下、950N/mm以下、又は930N/mm以下であってよい。
可復元層の厚さは、一態様においては、30μm以上、35μm以上、40μm以上、又は45μm以上であってよく、また120μm以下、110μm以下、100μm以下、95μm以下、90μm以下、又は85μm以下であってよい。
可復元層の厚さは、別の態様においては、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は35μm以上であってよく、また120μm以下、110μm以下、100μm以下、95μm以下、90μm以下、85μm以下、80μm以下、75μm以下、70μm以下、65μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であってよい。
可復元層は、可復元層を構成する樹脂組成物を、例えばニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて混錬し、次いで混練した樹脂を、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法によりフィルム状に成型することにより製造することができる。可復元層が積層体である場合には、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により、製膜と共に各層の積層をしてもよい。
(スキン層)
スキン層は、熱可塑性樹脂で構成されていてよい。
熱可塑性樹脂は、ブロックポリプロピレンであってもよく、又はブロックポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂であってもよいが、中間層がブロックポリプロピレンを含有していない場合には、スキン層を構成する熱可塑性樹脂は、ブロックポリプロピレンを含有している。
ブロックポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂としては、ブロックポリプロピレン以外のポリオレフィン系樹脂、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。
ブロックポリプロピレン以外のポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ブロックポリプロピレン以外のポリプロピレン系樹脂等を用いることができる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ブロックポリプロピレン以外のポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
(中間層)
中間層は、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂中に分散している吸収剤を含有していてよい。
熱可塑性樹脂は、ブロックポリプロピレンであってもよく、又はブロックポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂であってもよいが、スキン層がブロックポリプロピレンを含有していない場合には、中間層を構成する熱可塑性樹脂は、ブロックポリプロピレンを含有している。
吸収剤としては、物理吸収剤、及び化学吸収剤を用いることができる。
物理吸収剤としては、例えば親水性ゼオライト、疎水性ゼオライト、シリカゲル、疎水処理したシリカゲル、メソポーラス物質、活性炭、植物殻粉体等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
親水性ゼオライトとしては、例えばA型、X型、又はLSX型のゼオライトを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
疎水性ゼオライトとしては、例えばベータ型、ZSM-5型、フェリエナイト型、モルデナイト型、L型、又はY型のゼオライトを使用することができる。また、ZSM-5型ゼオライトの類縁体であるZSM-11、シリカライト、シリカライト-2、ペンタシル型メタロケイ酸塩を使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
メソポーラス物質は、細孔径がミクロ孔(2nm以下)とマクロ孔(50nm以上)の中間の細孔径を有する物質であり、たとえばメソポーラスシリカなどが挙げられる。植物殻粉体としては、多孔質な落花生殻を細かく粉砕したものを用いることができる。これらの物理吸着剤は、単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
化学吸収剤としては、鉄系酸素吸収剤、ハロゲン化金属、酸化金属、硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
鉄系酸素吸収剤としては、鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
ハロゲン化金属としては、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
酸化金属としては、例えば酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸素欠損を有する酸化セリウム、酸素欠損を有する酸化チタン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
吸収剤の含有率は、中間層の質量全体を基準として、5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であってよく、また50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、又は25質量%以下であってよい。
〈内基材層〉
内基材層としては、例えば二軸延伸ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルム等を用いることができる。
内基材層の弾性率は、1500N/mm以上、1600N/mm以上、1700N/mm以上、1800N/mm以上、又は1900N/mm以上であってよく、また3000N/mm以下、2800N/mm以下、2500N/mm以下、2300N/mm以下、又は2000N/mm以下であってよい。
内基材層の厚さは、例えば1μm以上、3μm以上、5μm以上、7μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、また100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、又は50μm以下であってよい。
〈シーラント層〉
シーラント層としては、接着させるべき蓋材の材質等に応じて選択することができる。
シーラント層としては、例えば、スキン層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂を、単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
シーラント層の厚さは、例えば1μm以上、3μm以上、5μm以上、7μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、また100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、又は50μm以下であってよい。
〈接着層〉
接着層としては、例えばドライラミネート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等であってよい。
《内容物入りブリスターパック》
本発明の内容物入りブリスターパックは、
上記の復元性ブリスター容器、
復元性ブリスター容器のポケット部に収納されている内容物、及び
復元性ブリスター容器に接着されている蓋材
を有する。
復元性ブリスター容器と蓋材との接着は、接着層を介してされていてもよく、又は直接、すなわち接着層を介さずに接着されていてもよく、例えば融着されていてもよい。
内容物は、ブリスター容器のポケット部に収納されている内容物である。かかる内容物としては、ポケット部を押して取り出すことができる物、特に固体であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、衛生用品、医療機器、医療器具、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬、試薬等を含む。
〈蓋材〉
蓋材としては、随意の蓋材を用いることができ、中でも、単層の金属箔層及びシーラント層の積層体で構成されていることが、内容物の取り出しを容易にする観点から好ましい。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《本発明の第一の態様》
〈ブリスター容器の作製〉
(実施例1-1)
多層インフレーション製膜機を用い、多層製膜機にて、スキン層、中間層、及びスキン層がこの順で配置されるようにして、空冷方式多層インフレーション法による共押出成形により、2種3層の可復元層を作製した。スキン層としては、60質量%のブロックポリプロピレン(PP)1(ノバテックPP BC6DRF、日本ポリプロ社)及び40質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(エボリュー SP2520、プライムポリマー社)を溶融混錬して作製した樹脂組成物を用いた。中間層としては、80質量部の低密度ポリエチレン及び20質量部のゼオライトを含有しているゼオライト組成物を用いた。
作製した可復元層の一方に、押出ラミネートにより、外基材層としての無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(スーパーホイル、三菱ケミカル社)を貼合させて、ブリスター容器を構成する積層体を作製した。
CKD-300E成形機を用い、作製した積層体のもう一方のスキン層側から押圧してプラグ成形することにより、φ10mm、深さ4.4mm前後のポケット部を成形して、実施例1-1のブリスター容器を作製した。以下の評価のため、同様にして、ポケット部を計10個成形した。
(実施例1-2~1-8及び比較例1-1~1-8)
各層の構成を表1に示すように変更したことを除き、実施例1-1と同様にして、実施例1-2~1-8及び比較例1-1~1-8のブリスター容器を作製した。なお、表1~2で特定している材料の詳細は以下のとおりである:
PVC:ビニホイル、三菱ケミカル社
PVC/PVDC:ビニホイル、三菱ケミカル社
ランダムPP:ウィンテック WFX4M、日本ポリプロ社
〈評価〉
(引張弾性率)
JIS K 7161-1に準拠して、ブリスター容器を構成する各層の引張弾性率を測定した。
(復元性)
作製したブリスター容器のポケット部を10個指で押しつぶし、ポケットの形が戻るものの数を官能評価した。評価基準は以下のとおりである:
◎:ポケットの形が戻ったものが8~10個であった。
〇:ポケットの形が戻ったものが4~7個であった。
△:ポケットの形が戻ったものが1~3個であった。
×:ポケットの形が戻ったものが0個であった。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1~2に示す。
Figure 2022020335000002
Figure 2022020335000003
《本発明の第二の態様》
〈ブリスター容器の作製〉
(実施例2-1)
多層インフレーション製膜機を用い、多層製膜機にて、スキン層、中間層、及びスキン層がこの順で配置されるようにして、空冷方式多層インフレーション法による共押出成形により、2種3層の可復元層を作製した。スキン層としては、上記の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた。中間層としては、ブロックポリプロピレン(PP)2(ノバテックPP BC6CB、日本ポリプロ社)を用いた。
作製した可復元層の一方のスキン層に、ドライラミネートにより、外基材層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(エンブレット、ユニチカ社)を貼合させ、もう一方のスキン層に、ドライラミネートにより、内基材層としての二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム(エンブレム、ユニチカ社)を貼合させた。
次いで、内基材層に、ドライラミネートにより、シーラント層としてポリプロピレン(PP)フィルム(CMPS 013C、三井化学東セロ社)を貼合させて、ブリスター容器を構成する積層体を作製した。
CKD-300E成形機を用い、作製した積層体のシーラント層側から押圧してプラグ成形することにより、φ15mm、深さ3mmのポケット部を成形して、実施例2-1のブリスター容器を作製した。
(実施例2-2~2-4)
各層の構成を表2に示すように変更したことを除き、実施例2-1と同様にして、実施例2-2~2-4のブリスター容器を作製した。なお、表3で特定している「ホモPP」は、サンアロマー PC412A(サンアロマー社)である。
〈評価〉
評価については、第一の態様と同様に行った。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表3に示す。
Figure 2022020335000004
10 内容物入りブリスターパック
12 ブリスター容器
12a ポケット部
14 内容物
16 蓋材

Claims (11)

  1. ポケット部を有するブリスター容器であって、
    前記ブリスター容器を構成する積層体が、外基材層及び可復元層を具備しており、
    前記外基材層が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、無延伸ポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1つを含有しており、
    前記可復元層が、ブロックポリプロピレンを含有しており、かつ
    前記ポケット部に内容物を入れ、前記ブリスター容器と蓋材とを接着させて、前記内容物を封入したときに、ポケット部の中央部を押して前記内容物により前記蓋材を突き破って、前記内容物を取り出した後に、前記ポケット部の形状が復元する、
    復元性ブリスター容器。
  2. 前記可復元層が、吸収剤を含有している、請求項1に記載の復元性ブリスター容器。
  3. 外基材層、可復元層、内基材層、及びシーラント層をこの順で有するようにして、内基材層及びシーラント層を更に有する、請求項1又は2に記載の復元性ブリスター容器。
  4. 前記可復元層が、スキン層、中間層、及びスキン層をこの順で有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の復元性ブリスター容器。
  5. 前記スキン層が、ブロックポリプロピレンを含有している、請求項4に記載の復元性ブリスター容器。
  6. 前記外基材層のJIS K 7161-1に準拠する引張弾性率が前記可復元層の引張弾性率よりも大きく、かつ前記外基材層の引張弾性率と、前記可復元層の引張弾性率との差が、430N/mm以下である、請求項5に記載の復元性ブリスター容器。
  7. 前記可復元層のJIS K 7161-1に準拠する引張弾性率が、300~600N/mmである、請求項5又は6に記載の復元性ブリスター容器。
  8. 前記中間層が、ブロックポリプロピレンを含有している、請求項4に記載の復元性ブリスター容器。
  9. 外基材層、可復元層、内基材層、及びシーラント層をこの順で有するようにして、内基材層及びシーラント層を更に有し、かつ
    前記外基材層の引張弾性率a1、前記可復元層の引張弾性率b1、前記内基材層の引張弾性率a2、及び前記シーラント層の引張弾性率b2が、単位N/mmで、以下の関係を満足する、請求項8に記載の復元性ブリスター容器、ここで、前記引張弾性率は、JIS K 7161-1に準拠するものである:
    (a1+a2)-(b1+b2)≦4500。
  10. 前記可復元層の引張弾性率が、500~1000N/mmである、請求項8又は9に記載の復元性ブリスター容器。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の復元性ブリスター容器、
    前記復元性ブリスター容器の前記ポケット部に収納されている内容物、及び
    前記復元性ブリスター容器に接着されている蓋材
    を有する、内容物入りブリスターパック。
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