以下、液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
図1に示すように、液体吐出装置11は、媒体12を収容可能な媒体収容部13と、印刷された媒体12を受けるスタッカー14と、液体吐出装置11を操作するための例えばタッチパネルなどの操作部15と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、原稿の画像を読み取る画像読取部16と、画像読取部16に原稿を送る自動給送部17と、を備えてもよい。
液体吐出装置11は、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する制御部19を備える。制御部19は、例えばコンピューター及びメモリーを含む処理回路等から構成され、メモリーに記憶されたプログラムに従って制御を行う。
図2に示すように、液体吐出装置11は、ノズル面21に設けられるノズル22から液体を吐出する液体吐出ヘッド23と、液体収容部24に収容される液体を液体吐出ヘッド23に供給する供給機構25と、供給機構25を駆動する駆動機構26と、を備える。液体吐出装置11は、複数の供給機構25を備えてもよい。複数の供給機構25は、それぞれ異なる種類の液体を液体吐出ヘッド23に供給してもよい。例えば、液体吐出装置11は、複数の供給機構25により供給される複数色のインクを吐出してカラー印刷を行ってもよい。1つの駆動機構26は、複数の供給機構25をまとめて駆動してもよい。液体吐出装置11は、複数の供給機構25を個別に駆動する複数の駆動機構26を備えてもよい。
液体吐出ヘッド23は、液体吐出装置11の本体に対して着脱可能に設けられてもよい。液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平に対して傾斜する傾斜姿勢となるように配置される。液体吐出ヘッド23は、傾斜姿勢で媒体12に対して液体を吐出することで印刷を実行してもよい。本実施形態の液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に亘って設けられるラインタイプである。液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に移動しながら印刷を行うシリアルタイプとして構成されてもよい。
供給機構25は、液体収容部24が着脱可能に装着される装着部28を備えてもよい。液体収容部24は、液体を収容する収容室29と、収容室29に収容される液体を導出するための導出部30と、導出部30に設けられる収容部側バルブ31と、を備えてもよい。本実施形態の収容室29は、大気と非連通の密閉空間である。装着部28に装着される前の液体収容部24は、供給機構25が保持可能な液体の量より多い量の液体を収容してもよい。
供給機構25は、液体収容部24から供給される液体を貯留する第1貯留部33と、第1貯留部33に上流端が接続される連通路34と、連通路34の下流端が接続される第2貯留部35と、を備える。すなわち、第2貯留部35は、第1貯留部33と連通路34を介して連通する。供給機構25は、連通路34を閉鎖可能な第1バルブ36と、第2貯留部35から液体吐出ヘッド23へ液体を供給する供給流路37と、を備える。供給機構25は、第2貯留部35と液体吐出ヘッド23との間の供給流路37に設けられる第2バルブ38と、液体吐出ヘッド23から第1貯留部33に液体を回収する回収流路39と、回収流路39を開閉可能な第3バルブ40と、回収流路39に設けられる液室41と、を備えてもよい。
液室41は、液体吐出ヘッド23と第3バルブ40との間の回収流路39に設けられる。液室41は、一部が可撓性部材42で構成され、可撓性部材42が変形することにより容積が変化する。
液体吐出ヘッド23は、回収流路39が接続される第1接続部44と、供給流路37が接続される第2接続部45と、を有してもよい。回収流路39は、上流端が第1接続部44に接続されると共に、下流端が第1貯留部33に接続される。供給流路37は、上流端が第2貯留部35に接続されると共に、下流端が第2接続部45に接続される。傾斜姿勢において、液体吐出ヘッド23と回収流路39との第1接続部44は、液体吐出ヘッド23と供給流路37との第2接続部45よりも高い位置に配置されてもよい。
駆動機構26は、第2貯留部35内を加圧する加圧部47を備える。駆動機構26は、加圧部47に接続される切替機構48と、圧力を検出する圧力センサー49と、を備えてもよい。駆動機構26は、第1貯留部33に接続される大気開放路50と、第2貯留部35に接続される加圧流路51と、大気開放路50及び加圧流路51を加圧部47に接続する接続流路52と、を備えてもよい。駆動機構26は、液室41と可撓性部材42を介して隔てられた空気室53と、空気室53内に設けられるばね54と、空気室53に接続される空気流路55と、を備えてもよい。ばね54は、可撓性部材42を押すことで、回収流路39及び液体吐出ヘッド23内の液体の圧力変動を低減する。
加圧部47は、例えばローラーがチューブを押し潰しながら回転することで、空気を送り出すチューブポンプである。加圧部47が有する図示しないチューブは、一方の端に空気流路55が接続され、他方の端に接続流路52が接続される。加圧部47は、正転駆動されることにより、空気流路55から取り入れた空気を接続流路52に送り出す。加圧部47は、逆転駆動されることにより、接続流路52から取り入れた空気を空気流路55に送り出す。
本実施形態では、加圧部47と、空気室53と、加圧部47と空気室53とを連通する空気流路55と、を含んで加圧機構57が構成され、加圧機構57に液室41を加えて微加圧部58が構成される。微加圧部58は、液室41と、可撓性部材42を液室41の外側から加圧可能な加圧機構57と、を有する。微加圧部58は、液体吐出ヘッド23と第3バルブ40との間の回収流路39に設けられ、回収流路39内の液体を加圧する。
次に、第1貯留部33について説明する。
第1貯留部33は、装着部28に装着された液体収容部24が収容する液体を導入可能な導入部60を有する。第1貯留部33は、導入部60に設けられる装置側バルブ61と、液体を貯留する第1貯留室62と、第1貯留室62に貯留される液体の量を検出する液量センサー63と、第1貯留室62と大気開放路50とを隔てる第1気液分離膜64と、を有してもよい。第1気液分離膜64は、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。
収容部側バルブ31と装置側バルブ61は、液体収容部24が装着部28に装着されることで開弁すると共に、液体収容部24が装着部28に装着されている間は開弁状態を維持する。液体収容部24が装着部28に装着されるとき、装置側バルブ61が収容部側バルブ31より先に開弁するように構成することで、液体収容部24から液体が漏れる虞を低減できる。
導入部60は、第1貯留部33の上部に設けられる。本実施形態の導入部60は、第1貯留室62の天井65を貫通して設けられる。導入部60の下端は、第1貯留室62の中であって、天井65よりも下方に位置する。導入部60の上端は、第1貯留室62の外であって、天井65よりも上方に位置する。導入部60は、液体収容部24が装着部28に装着されることで、液体収容部24が備える導出部30に接続される。
導入部60の下端は、ノズル面21よりも下方に位置する。これにより、第1貯留部33内に貯留される液体の第1液面66は、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。具体的には、液体収容部24内の液体は、水頭により導出部30及び導入部60を介して第1貯留部33に供給される。液体収容部24には、第1貯留部33に供給した液体の分だけ、導入部60及び導出部30を介して第1貯留部33から空気が導入される。第1液面66は、供給された液体の分だけ上昇する。第1液面66が導入部60の下端に達すると、第1貯留部33から液体収容部24への空気の流入が制限される。収容室29は密閉されているため、空気の流入が制限されると、供給した液体の分だけ収容室29内の圧力は低下する。収容室29内の負圧が、収容室29内の液体の水頭より大きくなると、液体収容部24から第1貯留部33への液体の供給が制限される。
第1液面66は、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給されることで下降する。第1液面66が下降し、導入部60及び導出部30を介して収容室29に空気が流入すると、収容室29内の負圧が小さくなる。収容室29内の負圧が収容室29内の液体の水頭より小さくなると、液体収容部24から第1貯留部33に液体が供給される。したがって、液体収容部24に液体が収容されている間は、第1液面66は、導入部60の下端付近の位置である標準位置に維持される。液体収容部24に収容される液体がなくなると、第1液面66は、標準位置より下方に位置する。
液量センサー63は、第1液面66が標準位置に位置すること、第1液面66が標準位置より下方に位置すること、第1液面66が標準位置より上方の満杯位置に位置すること、を検知してもよい。第1液面66が満杯位置に位置するとき、第1貯留部33は、最大量の液体を貯留している。制御部19は、第1液面66が標準位置より下方に位置することを液量センサー63が検出した場合に、液体収容部24が空になったと判断し、液体収容部24の交換をユーザーに指示してもよい。
本実施形態の標準位置は、第1貯留室62において、回収流路39の下流端が接続される位置より上方に位置する。したがって、第1液面66が標準位置にあるとき、第1貯留部33内の液体は、回収流路39を介して液体吐出ヘッド23に供給可能である。
次に、第2貯留部35について説明する。
第2貯留部35は、液体を貯留する第2貯留室68と、第2貯留室68と加圧流路51とを隔てる第2気液分離膜69と、を有してもよい。第2気液分離膜69は、第1気液分離膜64と同様、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。
第2貯留部35は、水頭差によって第1貯留部33から液体が供給される。第1バルブ36は、第1貯留部33から第2貯留部35への液体の流れを許容し、第2貯留部35から第1貯留部33への液体の流れを制限する逆止弁を有して構成されてもよい。第1貯留室62内、及び第2貯留室68内が大気圧とされる場合、第2貯留部35内の液体の第2液面70は、第1液面66と同じ高さになる。換言すると、第2液面70は、導入部60の下端とほぼ同じ高さである標準位置に維持され、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。液体吐出ヘッド23内の液体は、第1貯留部33及び第2貯留部35内の液体との水頭差によって負圧に維持される。液体吐出ヘッド23で液体が消費されると、第2貯留部35に貯留される液体が液体吐出ヘッド23に供給される。
第1バルブ36は、第2貯留部35内の圧力が第1貯留部33内の圧力より大きい場合に連通路34を閉鎖する。そのため、第1バルブ36は、加圧部47による第2貯留部35内の加圧時に、連通路34を閉塞する。
第2バルブ38及び第3バルブ40は、制御部19により開閉が制御される。第2バルブ38は、加圧部47による加圧時に供給流路37を開閉可能に設けられる。第3バルブ40は、回収流路39を開閉可能に設けられる。
次に、切替機構48について説明する。
切替機構48は、接続流路52に設けられる細管部72と、流路を開閉可能な第1選択弁73a~第11選択弁73kと、を備える。細管部72は、空気の流動に対し、液体の流動が大きく制限される程度に細く、且つ蛇行した管である。
第1選択弁73aは、開弁することで空気流路55を大気に連通させる。第2選択弁73bは、開弁することで空気流路55と圧力センサー49とを連通させる。第3選択弁73cは、開弁することで空気流路55を開放し、加圧部47と空気室53とを連通させる。
第4選択弁73dは、開弁することで加圧部47と第8選択弁73hとの間の接続流路52を大気に連通させる。第5選択弁73eは、開弁することで接続流路52と圧力センサー49とを連通させる。第6選択弁73f及び第7選択弁73gは、開弁することで接続流路52を大気に連通させる。第8選択弁73hは、開弁することで接続流路52を開放する。第9選択弁73iは、開弁することで細管部72を大気に連通させる。第10選択弁73jは、開弁することで大気開放路50を開放し、第1貯留部33と接続流路52とを連通させる。第11選択弁73kは、開弁することで加圧流路51を開放し、第2貯留部35と接続流路52とを連通させる。
空気室53内の圧力を変更する場合、切替機構48は、第2選択弁73b~第4選択弁73dを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空気室53内の空気は、空気流路55及び接続流路52を介して排出され、空気室53内の圧力が低下する。この状態で加圧部47が逆転駆動すると、接続流路52及び空気流路55を介して空気室53に空気が送り込まれ、空気室53内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー49は、空気流路55及び空気室53内の圧力を検出してもよい。制御部19は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
第1貯留部33を大気開放する場合、切替機構48は、第6選択弁73f及び第10選択弁73jを開弁する。第1貯留室62は、大気開放路50及び接続流路52を介して大気に連通する。
第2貯留部35を大気開放する場合、切替機構48は、第7選択弁73g及び第11選択弁73kを開弁する。第2貯留室68は、加圧流路51及び接続流路52を介して大気に連通する。
第2貯留部35内を加圧する場合、切替機構48は、第1選択弁73a、第5選択弁73e、第8選択弁73h、及び第11選択弁73kを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空気流路55、接続流路52、及び加圧流路51を介して第2貯留室68に空気が流入し、第2貯留室68内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー49は、接続流路52、加圧流路51、及び第2貯留室68内の圧力を検出してもよい。制御部19は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
次に、図3~図9に示すフローチャートを参照し、液体吐出装置11の制御方法について説明する。ここで、各制御方法のステップ順は、各制御方法の目的から逸脱しない範囲で任意に入れ替え可能である。
図3に示す液体充填ルーチンは、液体収容部24が最初に装着部28に装着されたタイミングで実行されてもよい。液体充填ルーチンは、液体吐出ヘッド23が交換された後、液体収容部24が装着部28に装着されたタイミングで実行されてもよい。初期状態では、第2バルブ38、第3バルブ40、及び切替機構48が有する全ての選択弁は閉弁している。
ステップS101において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS102において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS103において、制御部19は、第1液面66が標準位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が標準位置に位置しない場合、ステップS103がNOになり、制御部19は、第1液面66が標準位置に位置するまで待機する。第1液面66が標準位置に位置すると、ステップS103がYESになり、制御部19は、処理をステップS104に移行する。
ステップS104において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS105において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。ステップS106において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
ステップS107において、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が満杯位置に位置しない場合、ステップS107がNOになり、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するまで待機する。第1液面66が満杯位置に位置すると、ステップS107がYESになり、制御部19は、処理をステップS108に移行する。
ステップS108において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁する。ステップS109において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁してから充填時間が経過したか否かを判断する。充填時間とは、供給流路37からノズル22まで液体を充填するために必要な時間である。充填時間が経過していない場合、ステップS109がNOになり、制御部19は、充填時間が経過するまで待機する。充填時間が経過すると、ステップS109がYESになり、制御部19は、処理をステップS110に移行する。ステップS110において、制御部19は、加圧部47の駆動を停止させる。ステップS111において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、液体充填ルーチンを終了する。
ここで、ステップS104およびステップS105はそれぞれ、ステップS106と同時、またはステップS106の後に行ってもよい。また、ステップS110はステップS111と同時、またはステップS111の後に行ってもよい。
次に、液体充填を行う場合の作用について説明する。
図2に示すように、装着部28に液体収容部24が装着され、第1貯留部33が大気開放されると、液体収容部24から第1貯留部33に液体が供給される。このとき第2貯留部35も大気開放されているため、第1貯留部33に供給された液体は、第2貯留部35にも流入する。第1液面66と第2液面70は、標準位置まで上昇する。
液量センサー63により第1液面66が標準位置に位置することが検出されると、制御部19は第2バルブ38及び第3バルブ40を開弁させると共に、加圧部47を駆動する。第1バルブ36は、第2貯留部35の圧力が第1貯留部33の圧力より高い場合は閉弁し、連通路34を閉鎖する。そのため、第2貯留部35内の液体は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、及び回収流路39を介して第1貯留部33に流入する。
液量センサー63により第1液面66が満杯位置に位置することが検出されると、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。これにより、第1貯留部33への液体の流入が止まる。第2貯留部35内の液体は、液体吐出ヘッド23内に充填されると共に、ノズル22から排出される。
液体吐出ヘッド23に液体が充填されると、制御部19は、第2貯留部35を大気開放する。これにより、第1バルブ36は開弁し、連通路34を開放する。第1貯留部33内の液体は、連通路34を介して第2貯留部35に供給される。制御部19は、第2バルブ38を閉弁させてもよい。
図4に示す液体循環ルーチンは、液体循環の実行が指示されたタイミングで実行されてもよい。液体循環は、例えば、液体充填が実行された後であって、印刷などが行われない待機中に実行が指示される。制御部19は、液体循環ルーチンを定期的に実行してもよい。
ステップS201において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS202において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。ステップS203において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS204において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
ステップS205において、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が満杯位置に位置しない場合、ステップS205がNOになり、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するまで待機する。第1液面66が満杯位置に位置すると、ステップS205がYESになり、制御部19は、処理をステップS206に移行する。ステップS206において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS207において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、液体循環ルーチンを終了する。
ここで、ステップS201およびステップS202はそれぞれ、ステップS203と同時、またはステップS203の後に行ってもよいし、ステップS204と同時、またはステップS204の後に行ってもよい。また、ステップS206はステップS207と同時、またはステップS207の後に行ってもよい。
次に、液体循環を行う場合の作用について説明する。
図2に示すように、制御部19は、第2バルブ38を開弁させ、第2バルブ38により供給流路37を開放する。制御部19は、第3バルブ40を開弁させ、第3バルブ40により回収流路39を開放する。
液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35から第1貯留部33まで液体吐出ヘッド23を介して液体を流動させる。このとき、第2貯留部35の圧力は、第1貯留部33の圧力より高くなる。そのため、第1バルブ36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35内を加圧することで、第1バルブ36により連通路34を閉鎖する。
図5に示す印刷ルーチンは、印刷が指示されたタイミングで実行されてもよい。
ステップS301において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS302において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS303において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。
ステップS304において、制御部19は、印刷に伴ってノズル22から液体を吐出させることにより生じる液体の吐出流量が閾値以上であるか否かを判断する。制御部19は、吐出流量を印刷データから算出してもよい。吐出流量が閾値以上の場合、ステップS304がYESになり、制御部19は、処理をステップS305に移行する。ステップS305において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。
ステップS304において、吐出流量が閾値よりも少ない場合、ステップS304がNOになり、制御部19は、処理をステップS306に移行する。ステップS306において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS307において、制御部19は、印刷を実行させ、印刷ルーチンを終了する。
ここで、ステップS301とステップS302はそれぞれ、ステップS303と同時またはステップS303の後に行ってもよいし、ステップS305と同時またはステップS305の後に行ってもよいし、ステップS306と同時またはステップS306の後に行ってもよい。
次に、印刷ルーチンを実行する場合の作用について説明する。
図2に示すように、液体吐出ヘッド23が媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値よりも少ない場合には、制御部19は、第2バルブ38を開弁させると共に、第3バルブ40を閉弁させる。すなわち、制御部19は、第2バルブ38により供給流路37を開放するとともに第3バルブ40により回収流路39を閉鎖した状態で印刷を実行する。そのため、液体吐出ヘッド23には、第2貯留部35から供給流路37を介して液体が供給される。
液体吐出ヘッド23が媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値以上である場合には、制御部19は、第2バルブ38及び第3バルブ40を開弁させる。すなわち、制御部19は、第2バルブ38により供給流路37を開放するとともに第3バルブ40により回収流路39を開放した状態で印刷を実行する。そのため、液体吐出ヘッド23には、第2貯留部35から供給流路37を介して液体が供給されると共に、第1貯留部33からも回収流路39を介して液体が供給される。
図6に示す加圧排出ルーチンは、加圧排出の実行が指示された場合、ノズル22から液体を正常に吐出することができない吐出不良が生じた場合などに実行される。
ステップS401において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS402において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS403において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS404において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧してから加圧排出時間が経過したか否かを判断する。加圧排出時間は、第2貯留部35を加圧する圧力が供給流路37を介してノズル22まで伝わり、ノズル22から液体を排出させてノズル22の状態を回復させるために必要な時間である。
加圧排出時間が経過するまでは、ステップS404がNOになり、制御部19は、加圧排出時間が経過するまで待機する。加圧排出時間が経過すると、ステップS404がYESになり、制御部19は、処理をステップS405に移行する。ステップS405において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS406において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、加圧排出ルーチンを終了する。
ここで、ステップS401およびステップS402はそれぞれ、ステップS403と同時、またはステップS403の後に行ってもよい。また、ステップS405は、ステップS406と同時、またはステップS406の後に行ってもよい。
次に、加圧排出を行う場合の作用について説明する。
図2に示すように、液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧してノズル22から液体を排出する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、第1バルブ36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、第1バルブ36により連通路34を閉鎖する。
第2貯留部35内を加圧してから加圧排出時間が経過すると、制御部19は、第2バルブ38を閉弁する。これによりノズル22からの液体の排出が停止される。第2貯留部35が大気開放されると、第1バルブ36は開弁し、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給される。
図7に示す蓄圧排出ルーチンは、蓄圧排出の実行が指示された場合、加圧排出を実行しても吐出不良が改善しない場合などに実行されてもよい。
ステップS501において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS502において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS503において、制御部19は、蓄圧排出のうち、第1蓄圧排出の実行が指示されたか、第1蓄圧排出より蓄える圧力が小さい第2蓄圧排出の実行が指示されたかを判断する。第1蓄圧排出を実行する場合、ステップS503がYESになり、制御部19は、処理をステップS504に移行する。ステップS504において、制御部19は、蓄圧時間を第1の時間に設定する。
ステップS503において、第2蓄圧排出を実行する場合、ステップS503がNOになり、制御部19は、処理をステップS505に移行する。ステップS505において、制御部19は、蓄圧時間を第1の時間よりも短い第2の時間に設定する。
ステップS506において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS507において、制御部19は、第2貯留部35内の加圧を開始させてから蓄圧時間が経過したか否かを判断する。蓄圧時間が経過していない場合、ステップS507がNOになり、制御部19は、蓄圧時間が経過するまで待機する。蓄圧時間が経過すると、ステップS507がYESになり、制御部19は、処理をステップS508に移行する。
ステップS508において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS509において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させてから蓄圧排出時間が経過したか否かを判断する。蓄圧排出時間は、第2貯留部35に蓄えた圧力が供給流路37を介してノズル22まで伝わり、ノズル22から液体を排出させるために必要な時間である。
蓄圧排出時間が経過するまでは、ステップS509がNOになり、制御部19は、蓄圧排出時間が経過するまで待機する。蓄圧排出時間が経過すると、ステップS509がYESになり、制御部19は、処理をステップS510に移行する。ステップS510において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS511において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、蓄圧排出ルーチンを終了する。
ここで、ステップS501およびステップS502はそれぞれ、ステップS506の加圧開始と同時、またはステップS506の加圧を開始した直後に行ってもよい。また、ステップS510は、ステップS511と同時、またはステップS511の後に行ってもよい。また、ステップS510は行わなくてもよい。
次に、蓄圧排出を行う場合の作用について説明する。
図2に示すように、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させ、第2バルブ38により供給流路37を閉鎖する。液体吐出装置11は、加圧部47により、第2貯留部35内を加圧する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、第1バルブ36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、第1バルブ36により連通路34を閉鎖する。
液体吐出装置11は、加圧部47により、第2貯留部35内を加圧した後に第2バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2貯留部35に蓄えられる圧力の大きさは、連通路34及び供給流路37を閉塞した状態で第2貯留部35内を加圧する時間に比例する。第1蓄圧排出は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する時間が第1の時間である。第2蓄圧排出は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する時間が第1の時間よりも短い第2の時間である。第1蓄圧排出で蓄えられる圧力は、第2蓄圧排出で蓄えられる圧力より大きい。すなわち、第1蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力で加圧されているときに第2バルブ38により供給流路37を開放する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力よりも低い第2の圧力で加圧されているときに第2バルブ38により供給流路37を開放する。
第2貯留部35内を加圧してから蓄圧排出時間が経過すると、制御部19は、第2バルブ38を閉弁する。これによりノズル22からの液体の排出が停止される。第2貯留部35が大気開放されると、第1バルブ36は開弁し、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給される。
図8に示す微加圧排出ルーチンは、微加圧排出の実行が指示された場合に実行されてもよい。
ステップS601において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS602において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。ステップS603において、制御部19は、空気室53を減圧させる。ステップS604において、制御部19は、空気室53を減圧させてから減圧時間が経過したか否かを判断する。減圧時間は、可撓性部材42を変形させ、液室41の容積を最大にするために必要な時間である。
減圧時間が経過するまでは、ステップS604がNOになり、制御部19は、減圧時間が経過するまで待機する。減圧時間が経過すると、ステップS604がYESになり、制御部19は、処理をステップS605に移行する。ステップS605において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS606において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS607において、制御部19は、空気室53を加圧させる。
ステップS608において、制御部19は、空気室53を加圧させてから微加圧時間が経過したか否かを判断する。微加圧時間は、空気室53を加圧する圧力が液室41及び回収流路39を介してノズル22まで伝わるために必要な時間である。
微加圧時間が経過するまでは、ステップS608がNOになり、制御部19は、微加圧時間が経過するまで待機する。微加圧時間が経過すると、ステップS608がYESになり、制御部19は、処理をステップS609に移行する。ステップS609において、制御部19は、空気室53を大気開放させ、微加圧排出ルーチンを終了する。
ここで、ステップS601およびステップS602はそれぞれ、ステップS603と同時、またはステップS603の後に行ってもよい。また、ステップS605およびステップS606はそれぞれ、ステップS603の最中に行ってもよいし、ステップS603の終了と同時に行ってもよいし、ステップS603を終了した後に行ってもよい。また、ステップS605およびステップS606はそれぞれ、ステップS607と同時、またはステップS607の後に行ってもよい。
次に、微加圧排出を行う場合の作用について説明する。
図2に示すように、制御部19は、第2バルブ38及び第3バルブ40を開弁することにより、供給流路37及び回収流路39を開放する。制御部19は、空気室53を減圧し、可撓性部材42を変形させて液室41の容積を大きくする。液室41には、第1貯留部33から回収流路39を介して液体が流入すると共に、第2貯留部35から供給流路37及び回収流路39を介して液体が流入する。
液室41の容積が最大になると、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させ、第2バルブ38により供給流路37を閉鎖する。制御部19は、第3バルブ40を閉弁させ、第3バルブ40により回収流路39を閉鎖する。この状態で、液体吐出装置11は、加圧部47で空気室53に加圧空気を送ることにより可撓性部材42を加圧する。すなわち、液体吐出装置11は、加圧機構57により、可撓性部材42を加圧してノズル22から液体を排出する。加圧機構57は、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す圧力で液室41を加圧する。微加圧排出により液体吐出ヘッド23から排出される液体の量は、加圧排出により液体吐出ヘッド23から排出される液体の量より少ない。
図9に示すヘッド交換ルーチンは、液体吐出ヘッド23の交換を行う場合に実行されてもよい。
ステップS701において、制御部19は、液体収容部24が装着部28から取り外されたか否かを判断する。液体収容部24が装着部28に装着されている場合、ステップS701がNOになり、制御部19は、液体収容部24が取り外されるまで待機する。液体収容部24が取り外されると、ステップS701がYESになり、制御部19は、処理をステップS702に移行する。
ステップS702において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS703において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS704において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS705において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させてから第1排出時間が経過したか否かを判断する。第1排出時間は、第2貯留部35に貯留される液体を供給流路37及び液体吐出ヘッド23を介して排出させるために必要な時間である。
第1排出時間が経過するまでは、ステップS705がNOになり、制御部19は、第1排出時間が経過するまで待機する。第1排出時間が経過すると、ステップS705がYESになり、制御部19は、処理をステップS706に移行する。ステップS706において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。
ステップS707において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させてから第2排出時間が経過したか否かを判断する。第2排出時間は、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収するために必要な時間である。
第2排出時間が経過するまでは、ステップS707がNOになり、制御部19は、第2排出時間が経過するまで待機する。第2排出時間が経過すると、ステップS707がYESになり、制御部19は、処理をステップS708に移行する。ステップS708において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS709において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。
ステップS710において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS711において、制御部19は、液体吐出ヘッド23が交換されたか否かを判断する。液体吐出ヘッド23が交換されていない場合は、ステップS711がNOになり、制御部19は、液体吐出ヘッド23が交換されるまで待機する。液体吐出ヘッド23が交換されると、ステップS711がYESになり、制御部19は、ヘッド交換ルーチンを終了する。
ここで、ステップS702およびステップS703はそれぞれ、ステップS704の加圧開始と同時、またはステップS704の加圧を開始した直後に行ってもよい。また、ステップS708およびステップS709はそれぞれ、ステップS710と同時、またはステップS710の後に行ってもよい。
次に、ヘッド交換ルーチンについて説明する。
図2に示すように、液体吐出ヘッド23の交換を行う場合、作業者は、ヘッド交換ルーチンを実行させると共に、装着部28から液体収容部24を取り外す。続いて、制御部19は、第2バルブ38を開弁させ、第2バルブ38により供給流路37を開放する。制御部19は、第3バルブ40を閉弁させ、第3バルブ40により回収流路39を閉鎖する。この状態で制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
具体的には、液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧して、第2貯留部35から液体吐出ヘッド23までの液体をノズル22から排出する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、第1バルブ36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、第1バルブ36により連通路34を閉鎖する。
第2貯留部35、供給流路37、及び液体吐出ヘッド23内の液体が排出されると、制御部19は、第3バルブ40を開弁させ、第3バルブ40により回収流路39を開放する。すなわち、液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧して、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収する。作業者は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、回収流路39から液体が抜かれた状態で、液体吐出ヘッド23を交換する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)第2貯留部35には、第1貯留部33に連通する連通路34と、液体吐出ヘッド23に連通する供給流路37と、が接続される。連通路34は、加圧部47が第2貯留部35内を加圧するとき、第1バルブ36により閉鎖可能である。そのため、加圧された第2貯留部35内の液体は、供給流路37を介して液体吐出ヘッド23に供給される。したがって、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内の液体を加圧することでノズル22から液体を排出することができ、液体吐出ヘッド23がノズル22から液体を引き込む虞を低減できる。
(2)第1バルブ36が連通路34を閉鎖すると共に、第2バルブ38が供給流路37を閉鎖した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、第2貯留部35に加圧力が蓄えられる。そのため、第2貯留部35内の圧力が高まった状態で第2バルブ38を開くことで、高い圧力を液体吐出ヘッド23に伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくできる。
(3)第3バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッド23から排出される。第3バルブ40が回収流路39を開放した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、液体吐出ヘッド23内の液体は回収流路39を通って第1貯留部33に回収される。したがって、例えば供給流路37内の気泡の状態、及びノズル22の状態などに合わせてメンテナンスを選択して行うことができる。
(4)第3バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧機構57が液室41を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッド23から排出される。このとき排出される液体の量は、液室41の大きさによって決まる。そのため、加圧部47で第2貯留部35内を加圧する場合に比べ、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッド23に精度よく加えることができる。
(5)加圧機構57は、第2貯留部35内を加圧する加圧部47を含む。加圧部47は、空気流路55を介して空気室53を加圧することで可撓性部材42を押し、液室41を加圧する。そのため、加圧部47により第2貯留部35内の液体と、液室41内の液体と、を加圧することができる。
(6)回収流路39が接続される第1接続部44は、供給流路37が接続される第2接続部45より高い位置に配置される。液体吐出ヘッド23内の気泡は、浮力により高い位置に集まりやすいため、第2接続部45よりも第1接続部44に集まりやすい。そのため、液体吐出ヘッド23内の液体を回収流路39を介して第1貯留部33に回収することで、液体吐出ヘッド23から容易に気泡を排出できる。
(7)例えば、第1バルブ36を駆動して連通路34を閉鎖させる場合、第1バルブ36を駆動するための駆動源が必要になる。その点、第1バルブ36は、逆止弁を有する。具体的には、第1バルブ36は、水頭差によって第1貯留部33から第2貯留部35に供給される液体の流れは許容するのに対し、第2貯留部35内が加圧された場合に、第2貯留部35から第1貯留部33への液体の流れを制限する。そのため、第1バルブ36は、駆動が不要であり、駆動源を削減することができる。
(8)液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平に対して傾斜する。そのため、液体吐出ヘッド23の配置の自由度を向上することができる。
(9)加圧排出は、第1バルブ36により連通路34を閉鎖し、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する。加圧された第2貯留部35内の液体は、供給流路37を介して液体吐出ヘッド23に供給される。したがって、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内の液体を加圧することでノズル22から液体を排出することができ、液体吐出ヘッド23がノズル22から液体を引き込む虞を低減できる。
(10)蓄圧排出は、第1バルブ36が連通路34を閉鎖すると共に、第2バルブ38が供給流路37を閉鎖した状態で加圧部47により第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35に加圧力を蓄える。蓄圧排出は、第2貯留部35内を加圧した後に、第2バルブ38を開くため、蓄えられた高い圧力を液体吐出ヘッド23に伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくできる。
(11)第1蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力で加圧されているときに第2バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力より低い第2の圧力で加圧されているときに第2バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。そのため、例えば供給流路37の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路37に効率よく液体を充填できる。
(12)連通路34と供給流路37を閉鎖した状態での加圧部47の駆動は、駆動する時間が長いほど蓄えられる圧力が高くなる。その点、第1蓄圧排出は、第2貯留部35内を第1の時間加圧した後に第2バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内を第1の時間より短い第2の時間加圧した後に第2バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。そのため、例えば供給流路37の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路37に効率よく液体を充填できる。
(13)液体循環を行うと、液体は、第2貯留部35から供給流路37、液体吐出ヘッド23、及び回収流路39を経由して第1貯留部33に回収される。供給流路37及び液体吐出ヘッド23内の気泡は、液体と共に移動する。そのため、液体吐出ヘッド23から液体を排出させずに気泡を回収することができる。
(14)微加圧排出は、第2バルブ38が供給流路37を閉鎖すると共に、第3バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧機構57により可撓性部材42を加圧することで、液室41内の液体を加圧し、液体吐出ヘッド23から液体を排出させる。このとき排出される液体の量は、液室41の大きさによって決まる。そのため、加圧部47で第2貯留部35内を加圧する場合に比べ、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッド23に精度よく加えることができる。
(15)微加圧排出は、加圧部47が空気流路55を介して空気室53を加圧し、可撓性部材42を加圧する。そのため、加圧部47により第2貯留部35内の液体と、液室41内の液体と、を加圧することができる。
(16)ヘッド交換ルーチンは、連通路34及び回収流路39を閉鎖し、供給流路37を開放した状態で第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35、供給流路37、及び液体吐出ヘッド23内の液体をノズル22から排出する。その後、連通路34を閉鎖し、回収流路39及び供給流路37を開放した状態で第2貯留部35内を加圧することで、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収する。したがって、液体吐出ヘッド23の交換は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、及び回収流路39から液体が排出された状態で行われるため、供給流路37、液体吐出ヘッド23、及び回収流路39からの液体の垂れを抑制できる。
(17)媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値以上である場合、供給流路37及び回収流路39を開放する。液体吐出ヘッド23には、供給流路37に加え、回収流路39からも液体が供給されるため、要求される量の液体を容易に供給できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・液体吐出装置11は、ノズル面21を払拭する図示しない払拭部材を備えてもよい。液体吐出装置11は、ノズル22から液体を排出させた後、払拭部材によりノズル面21を払拭させてもよい。液体吐出装置11は、作業者に液体吐出ヘッド23を取り外させる前にノズル面21を払拭させてもよい。
・制御部19は、第1バルブ36の開閉を制御してもよい。制御部19は、第2貯留部35内を加圧する前に第1バルブ36により連通路34を閉塞してもよい。
・第2蓄圧排出は、第1バルブ36及び第2バルブ38を閉弁した状態で第2貯留部35内を第1の時間加圧して第2貯留部35内の圧力を第1の圧力にしたあと、第1バルブ36を開放して第2貯留部35内の圧力を第2の圧力にまで下げてから第2バルブ38を開放して行ってもよい。
・微加圧排出は、ばね54により可撓性部材42を押すことで液室41内の液体を加圧してもよい。この場合、制御部19は、空気室53を減圧させて液室41の容積を増大させたあと、空気室53を大気開放させる。空気室53が大気圧になると、ばね54は、液室41内の液体を押し、液体吐出ヘッド23から液体を排出させる。ばね54で可撓性部材42を押す構成の場合には、ばね54が加圧機構57に含まれることになる。
・液体吐出装置11は、吐出流量に関係なく第3バルブ40により回収流路39を開放した状態で印刷を実行してもよい。
・液体吐出ヘッド23は、複数のノズル22と個別に連通する複数の圧力室と、複数の圧力室が連通する共通液室と、フィルターが収容されるフィルター室と、を有してもよい。第1接続部44及び第2接続部45は、圧力室、共通液室、及びフィルター室のうち、少なくとも1つに接続される。例えば、第1接続部44及び第2接続部45をフィルター室に接続する場合、液体吐出装置11は、液体循環を行うことでフィルターに捕捉された気泡を液体と共に第1貯留部33に回収することができる。液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内に気泡が生じた場合に、液体循環を行ってもよい。
・液体吐出装置11の待機時及び電源オフ時には、第2バルブ38及び第3バルブ40は閉弁し、供給流路37及び回収流路39を閉鎖してもよい。供給流路37及び回収流路39を閉鎖することで、例えば液体吐出装置11に振動もしくは衝撃などが加わった場合でも、液体吐出ヘッド23から液体が漏れる虞を低減できる。
・第2貯留部35が貯留可能な液体の量は、加圧排出に必要な液体の量より少なくてもよい。この場合、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させて第2貯留部35から液体吐出ヘッド23への液体の供給と、第2貯留部35を大気開放させて第1貯留部33から第2貯留部35への液体の供給と、を交互に実行してもよい。
・液量センサー63は、第1液面66が標準位置より下方のエンド位置に位置することを検知してもよい。制御部19は、液量センサー63により第1液面66がエンド位置に位置することが検知されると、第1貯留部33が空であることを報知してもよい。エンド位置は、第1液面66と第2液面70がエンド位置に位置するときに第1貯留部33と第2貯留部35が貯留する液体の合計量が、1つの媒体12の印刷に必要な液体の量より多くすると、1つの媒体12への印刷を完了させることができる。
・液体収容部24が収容する液体の量は、供給機構25が保持可能な液体の量より少なくてもよい。この場合は、供給機構25に液体を充填する液体充填を行う途中で液体収容部24を交換してもよい。
・蓄圧排出は、第1バルブ36により連通路34を閉鎖し、第2バルブ38により供給流路37を閉鎖した状態で第2貯留部35内を加圧した後、圧力センサー49が所定圧力になったことを検出すると、第2バルブ38により供給流路37を開放してもよい。このとき、制御部19は、圧力センサー49が第1の圧力になったことを検出した場合に供給流路37を開放する第1蓄圧排出と、第1の圧力より小さい第2の圧力になったことを検出した場合に供給流路37を開放する第2蓄圧排出と、を行ってもよい。第1の圧力及び第2の圧力は、加圧排出の際に第2貯留部35を加圧する加圧力より大きい。
・制御部19は、回収流路39から第1貯留部33に液体を流入させる際に、第1貯留部33内を減圧させてもよい。例えば大気開放路50は、空気流路55に接続してもよい。加圧部47を正転駆動させることで、第2貯留部35内を加圧すると共に、空気流路55及び大気開放路50を介して第1貯留部33内を減圧してもよい。
・制御部19は、第1貯留部33内を減圧し、第1貯留部33に貯留される液体中に含まれる気泡を膨張させることで、液体から気泡を除去してもよい。
・液体充填、加圧排出、微加圧排出、及び液体循環は、複数回行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。第1貯留部33に貯留可能な液体の量が、供給流路37、回収流路39、及び液体吐出ヘッド23に充填される液体の量より少ない場合は、液体充填を複数回行うことで供給流路37、回収流路39、及び液体吐出ヘッド23に液体を充填してもよい。例えば、液体充填のあとに微加圧排出を行ってもよい。液体充填と微加圧排出とを組み合わせることで、液体充填のみを行う場合に比べ、吐出不良の発生を低減することができる。
・第1貯留部33と第2貯留部35は、一体で構成してもよい。
・可撓性部材42は、ゴム膜、エラストマ膜、フィルムなどによって形成してもよい。
・液室41は、供給流路37に設けてもよい。加圧機構57は、供給流路37に設けられた液室を加圧してもよい。
・加圧部47は、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、及びギアポンプなどを用いてもよい。
・導入部60と導出部30は、複数の流路を有してもよい。例えば、1つの流路が液体収容部24から第1貯留部33に液体を流入させ、他の流路が第1貯留部33から液体収容部24に空気を流入させてもよい。
・液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平になる水平姿勢で液体を吐出して媒体12に印刷してもよい。液体吐出ヘッド23は、水平姿勢と傾斜姿勢とに姿勢を変更可能に設けられてもよい。
・液体吐出装置11は、第2貯留部35を大気開放させる大気開放路を加圧流路51とは別に備えてもよい。
・図9に示すヘッド交換ルーチンにおいて、制御部19は、ステップS710を実行した後、再度ステップS702~ステップS705を実行してもよい。これにより第1貯留部33に回収された液体を液体吐出ヘッド23から排出することができる。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置は、ノズル面に設けられるノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体収容部が収容する前記液体を導入可能な導入部が上部に設けられるとともに、液面が前記ノズル面よりも低い範囲で変動する第1貯留部と、前記第1貯留部と連通路を介して連通するとともに、水頭差によって前記第1貯留部から前記液体が供給される第2貯留部と、前記第2貯留部から前記液体吐出ヘッドへ前記液体を供給する供給流路と、前記第2貯留部内を加圧する加圧部と、前記加圧部による加圧時に前記連通路を閉鎖可能な第1バルブと、を備える。
この構成によれば、第2貯留部には、第1貯留部に連通する連通路と、液体吐出ヘッドに連通する供給流路と、が接続される。連通路は、加圧部が第2貯留部内を加圧するとき、第1バルブにより閉鎖可能である。そのため、加圧された第2貯留部内の液体は、供給流路を介して液体吐出ヘッドに供給される。したがって、液体吐出装置は、液体吐出ヘッド内の液体を加圧することでノズルから液体を排出することができ、液体吐出ヘッドがノズルから液体を引き込む虞を低減できる。
(B)液体吐出装置は、前記第2貯留部と前記液体吐出ヘッドとの間の前記供給流路に設けられ、前記加圧部による加圧時に前記供給流路を開閉可能な第2バルブを更に備えてもよい。
この構成によれば、第1バルブが連通路を閉鎖すると共に、第2バルブが供給流路を閉鎖した状態で加圧部が第2貯留部内を加圧すると、第2貯留部に加圧力が蓄えられる。そのため、第2貯留部内の圧力が高まった状態で第2バルブを開くことで、高い圧力を液体吐出ヘッドに伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくできる。
(C)液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドから前記第1貯留部に前記液体を回収する回収流路と、前記回収流路を開閉可能な第3バルブと、を更に備えてもよい。
この構成によれば、第3バルブが回収流路を閉鎖した状態で加圧部が第2貯留部内を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッドから排出される。第3バルブが回収流路を開放した状態で加圧部が第2貯留部内を加圧すると、液体吐出ヘッド内の液体は回収流路を通って第1貯留部に回収される。したがって、例えば供給流路内の気泡の状態、及びノズルの状態などに合わせてメンテナンスを選択して行うことができる。
(D)液体吐出装置は、一部が可撓性部材で構成される液室と、前記可撓性部材を前記液室の外側から加圧可能な加圧機構と、を有し、前記液体吐出ヘッドと前記第3バルブとの間の前記回収流路に設けられる微加圧部を更に備えてもよい。
この構成によれば、第3バルブが回収流路を閉鎖した状態で加圧機構が液室を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッドから排出される。このとき排出される液体の量は、液室の大きさによって決まる。そのため、加圧部で第2貯留部内を加圧する場合に比べ、ノズルに形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッドに精度よく加えることができる。
(E)液体吐出装置において、前記加圧機構は、前記加圧部と、前記液室と前記可撓性部材を介して隔てられた空気室と、前記加圧部と前記空気室とを連通する空気流路と、を含んでもよい。
この構成によれば、加圧機構は、第2貯留部内を加圧する加圧部を含む。加圧部は、空気流路を介して空気室を加圧することで可撓性部材を押し、液室を加圧する。そのため、加圧部により第2貯留部内の液体と、液室内の液体と、を加圧することができる。
(F)液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドと前記回収流路との第1接続部は、前記液体吐出ヘッドと前記供給流路との第2接続部よりも高い位置に配置されてもよい。
この構成によれば、回収流路が接続される第1接続部は、供給流路が接続される第2接続部より高い位置に配置される。液体吐出ヘッド内の気泡は、浮力により高い位置に集まりやすいため、第2接続部よりも第1接続部に集まりやすい。そのため、液体吐出ヘッド内の液体を回収流路を介して第1貯留部に回収することで、液体吐出ヘッドから容易に気泡を排出できる。
(G)液体吐出装置において、前記第1バルブは、前記第1貯留部から前記第2貯留部への前記液体の流れを許容し、前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記液体の流れを制限する逆止弁を有してもよい。
例えば、第1バルブを駆動して連通路を閉鎖させる場合、第1バルブを駆動するための駆動源が必要になる。その点、この構成によれば、第1バルブは、逆止弁を有する。具体的には、第1バルブは、水頭差によって第1貯留部から第2貯留部に供給される液体の流れは許容するのに対し、第2貯留部内が加圧された場合に、第2貯留部から第1貯留部への液体の流れを制限する。そのため、第1バルブは、駆動が不要であり、駆動源を削減することができる。
(H)液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドは、前記ノズル面が水平に対して傾斜する姿勢となるように配置されてもよい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドは、ノズル面が水平に対して傾斜する。そのため、液体吐出ヘッドの配置の自由度を向上することができる。
(I)液体吐出装置の制御方法は、ノズル面に設けられるノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体収容部が収容する前記液体を導入可能な導入部が上部に設けられる第1貯留部と、前記第1貯留部と連通路を介して連通する第2貯留部と、前記第2貯留部から前記液体吐出ヘッドへ前記液体を供給する供給流路と、前記連通路を開閉可能な第1バルブと、前記第2貯留部内を加圧する加圧部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記第1バルブにより前記連通路を閉鎖することと、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧して前記ノズルから前記液体を排出することと、を含む加圧排出を行う。
この方法によれば、加圧排出は、第1バルブにより連通路を閉鎖し、加圧部により第2貯留部内を加圧する。加圧された第2貯留部内の液体は、供給流路を介して液体吐出ヘッドに供給される。したがって、液体吐出装置は、液体吐出ヘッド内の液体を加圧することでノズルから液体を排出することができ、液体吐出ヘッドがノズルから液体を引き込む虞を低減できる。
(J)液体吐出装置の制御方法において、前記液体吐出装置は、前記第2貯留部と前記液体吐出ヘッドとの間の前記供給流路に設けられ、前記供給流路を開閉可能な第2バルブを更に備え、前記第1バルブにより前記連通路を閉鎖することと、前記第2バルブにより前記供給流路を閉鎖することと、前記加圧部により、前記第2貯留部内を加圧した後に前記第2バルブにより前記供給流路を開放して前記ノズルから前記液体を排出することと、を含む蓄圧排出を行ってもよい。
この方法によれば、蓄圧排出は、第1バルブが連通路を閉鎖すると共に、第2バルブが供給流路を閉鎖した状態で加圧部により第2貯留部内を加圧することで、第2貯留部に加圧力を蓄える。蓄圧排出は、第2貯留部内を加圧した後に、第2バルブを開くため、蓄えられた高い圧力を液体吐出ヘッドに伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくできる。
(K)液体吐出装置の制御方法は、前記第2貯留部内が第1の圧力で加圧されているときに前記第2バルブにより前記供給流路を開放する第1蓄圧排出と、前記第2貯留部内が前記第1の圧力よりも低い第2の圧力で加圧されているときに前記第2バルブにより前記供給流路を開放する第2蓄圧排出と、を行ってもよい。
第1蓄圧排出は、第2貯留部内が第1の圧力で加圧されているときに第2バルブにより供給流路を開放してノズルから液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部内が第1の圧力より低い第2の圧力で加圧されているときに第2バルブにより供給流路を開放してノズルから液体を排出する。そのため、例えば供給流路の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路に効率よく液体を充填できる。
(L)液体吐出装置の制御方法は、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧する時間が第1の時間である第1蓄圧排出と、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧する時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間である第2蓄圧排出と、を行ってもよい。
連通路と供給流路を閉鎖した状態での加圧部の駆動は、駆動する時間が長いほど蓄えられる圧力が高くなる。その点、この方法によれば、第1蓄圧排出は、第2貯留部内を第1の時間加圧した後に第2バルブにより供給流路を開放してノズルから液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部内を第1の時間より短い第2の時間加圧した後に第2バルブにより供給流路を開放してノズルから液体を排出する。そのため、例えば供給流路の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路に効率よく液体を充填できる。
(M)液体吐出装置の制御方法において、前記液体吐出装置は、前記第2貯留部と前記液体吐出ヘッドとの間の前記供給流路に設けられ、前記供給流路を開閉可能な第2バルブと、前記液体吐出ヘッドから前記第1貯留部に前記液体を回収する回収流路と、前記回収流路を開閉可能な第3バルブと、を更に備え、前記第1バルブにより前記連通路を閉鎖することと、前記第2バルブにより前記供給流路を開放することと、前記第3バルブにより前記回収流路を開放することと、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧することで、前記第2貯留部から前記第1貯留部まで前記液体吐出ヘッドを介して前記液体を流動させることと、を含む液体循環を行ってもよい。
この方法によれば、液体循環を行うと、液体は、第2貯留部から供給流路、液体吐出ヘッド、及び回収流路を経由して第1貯留部に回収される。供給流路及び液体吐出ヘッド内の気泡は、液体と共に移動する。そのため、液体吐出ヘッドから液体を排出させずに気泡を回収することができる。
(N)液体吐出装置の制御方法において、前記液体吐出装置は、前記第2貯留部と前記液体吐出ヘッドとの間の前記供給流路に設けられ、前記供給流路を開閉可能な第2バルブと、前記液体吐出ヘッドから前記第1貯留部に前記液体を回収する回収流路と、前記回収流路を開閉可能な第3バルブと、前記回収流路内の前記液体を加圧する微加圧部と、を更に備え、前記微加圧部は、前記液体吐出ヘッドと前記第3バルブとの間の前記回収流路に設けられるとともに、一部が可撓性部材で構成される液室と、前記可撓性部材を前記液室の外側から加圧可能な加圧機構と、を有し、前記第2バルブにより前記供給流路を閉鎖することと、前記第3バルブにより前記回収流路を閉鎖することと、前記加圧機構により、前記可撓性部材を加圧して前記ノズルから前記液体を排出することと、を含む微加圧排出を行ってもよい。
この方法によれば、微加圧排出は、第2バルブが供給流路を閉鎖すると共に、第3バルブが回収流路を閉鎖した状態で加圧機構により可撓性部材を加圧することで、液室内の液体を加圧し、液体吐出ヘッドから液体を排出させる。このとき排出される液体の量は、液室の大きさによって決まる。そのため、加圧部で第2貯留部内を加圧する場合に比べ、ノズルに形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッドに精度よく加えることができる。
(O)液体吐出装置の制御方法において、前記加圧機構は、前記加圧部と、前記液室と前記可撓性部材を介して隔てられた空気室と、前記加圧部と前記空気室とを連通する空気流路と、を含み、前記加圧部で前記空気室に加圧空気を送ることにより前記可撓性部材を加圧して前記微加圧排出を行ってもよい。
この方法によれば、微加圧排出は、加圧部が空気流路を介して空気室を加圧し、可撓性部材を加圧する。そのため、加圧部により第2貯留部内の液体と、液室内の液体と、を加圧することができる。
(P)液体吐出装置の制御方法において、前記液体吐出装置は、前記第2貯留部と前記液体吐出ヘッドとの間の前記供給流路に設けられ、前記供給流路を開閉可能な第2バルブと、前記液体吐出ヘッドから前記第1貯留部に前記液体を回収する回収流路と、前記回収流路を開閉可能な第3バルブと、を更に備え、前記第1バルブにより前記連通路を閉鎖することと、前記第2バルブにより前記供給流路を開放することと、前記第3バルブにより前記回収流路を閉鎖することと、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧して、前記第2貯留部から前記液体吐出ヘッドまでの前記液体を前記ノズルから排出することと、前記第3バルブにより前記回収流路を開放することと、前記加圧部により前記第2貯留部内を加圧して、前記回収流路内の前記液体を前記第1貯留部に回収することと、を含むヘッド交換ルーチンを行ってもよい。
この方法によれば、ヘッド交換ルーチンは、連通路及び回収流路を閉鎖し、供給流路を開放した状態で第2貯留部内を加圧することで、第2貯留部、供給流路、及び液体吐出ヘッド内の液体をノズルから排出する。その後、連通路を閉鎖し、回収流路及び供給流路を開放した状態で第2貯留部内を加圧することで、回収流路内の液体を第1貯留部に回収する。したがって、液体吐出ヘッドの交換は、供給流路、液体吐出ヘッド、及び回収流路から液体が排出された状態で行われるため、供給流路、液体吐出ヘッド、及び回収流路からの液体の垂れを抑制できる。
(Q)液体吐出装置の制御方法において、前記液体吐出ヘッドは媒体に対して液体を吐出することで印刷を実行し、前記液体吐出ヘッドが前記媒体に対して前記液体を吐出する際の吐出流量が閾値よりも少ない場合には、前記第2バルブにより前記供給流路を開放するとともに前記第3バルブにより前記回収流路を閉鎖した状態で前記印刷を実行し、前記液体吐出ヘッドが前記媒体に対して前記液体を吐出する際の吐出流量が前記閾値以上である場合には、前記第2バルブにより前記供給流路を開放するとともに前記第3バルブにより前記回収流路を開放した状態で前記印刷を実行してもよい。
この方法によれば、媒体に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値以上である場合、供給流路及び回収流路を開放する。液体吐出ヘッドには、供給流路に加え、回収流路からも液体が供給されるため、要求される量の液体を容易に供給できる。