JP2022017895A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で小型な回転電機を提供する。【解決手段】モータ30は、巻線33の一端部または他端部を保持する複数の巻線保持部83と、巻線33に接続された巻線接続部84を有する複数のコイルターミナル81と、コイルターミナル81に接続された複数のモータターミナル91とを備える。巻線33は、一端部から他端部までの間に2つ以上のコイル71を有する。巻線保持部83および巻線接続部84は、コイル71よりも径方向内側に配置されている。モータターミナル91は、外部電源端子18に接続可能なコネクタ部92と、コイルターミナル81の当接部85に軸方向に当接された被当接部93と、コネクタ部92と被当接部93とをつなぐ繋ぎ部94とを有する。繋ぎ部94は、コネクタ部92から、少なくとも一部が金属プレート24に対してステータコア32とは反対側を通って、被当接部93まで延びている。【選択図】図2

Description

本発明は、インナーロータ型の回転電機に関する。
従来、特許文献1に開示されているようなインナーロータ型回転電機のステータにおいて、低コスト化のために巻線をノズル巻きで製造する場合、ステータコア最外径よりも外側に配置された治具に電線の端部を巻き付けてから巻回作業を行う。そのため、接点用のコイルターミナルはステータ外周部に配置され、コイルターミナルと巻線との接続点はステータコア最外径よりも外側の位置となる。
特許第6520739号公報
巻線をノズル巻きで製造する場合、コイルターミナルがステータコアから径方向外側に突き出すように設けられるため、回転電機の径方向体格が大きくなる。したがって、低コスト化と小型化の両立が困難であった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で小型な回転電機を提供することである。
本発明は、インナーロータ型の回転電機(30)であって、環状のヨーク(55)および複数のティース(56)を有するステータコア(32)と、ティースの周りに巻かれてなるコイル(71)を有する複数の巻線(33)と、巻線の一端部(72)または他端部(73)を保持する複数の巻線保持部(83)と、巻線に接続された巻線接続部(84)を有する複数のコイルターミナル(81)と、コイルターミナルに接続され、外部電源端子(18)に接続可能な複数のモータターミナル(91)と、を備える。
巻線は、当該巻線の一端部から他端部までの間に2つ以上のコイルを有する。回転電機の回転軸心(AX1)に直交する方向を径方向と定義すると、巻線保持部および巻線接続部は、コイルよりも径方向内側に配置されている。
モータターミナルは、外部電源端子に接続可能なコネクタ部(92)と、コイルターミナルの当接部(85)に軸方向に当接された被当接部(93)と、コネクタ部と被当接部とをつなぐ繋ぎ部(94)とを有する。繋ぎ部は、コネクタ部から、少なくとも一部が金属プレートに対してステータコアとは反対側を通って、被当接部まで延びている。
これにより、ステータの内周部に位置する巻線保持部および巻線接続部を用いて、巻線の巻き始めから巻き終わりまでの間に2つ以上のティースに連続して巻回するノズル巻きを実施できる。そのため、低コストで製造可能なノズル巻きを採用しつつ、コイルターミナルが径方向外側に突き出すように設けられるのを回避できる。したがって、安価で小型な回転電機を得ることができる。
また、コイルターミナルとモータターミナルとを直接接続することで、バスバー等の結線部品が不要となり、部品点数を削減できる。そして、結線部品が無い分、ステータをモータターミナル側に寄せて配置して、回転電機を小型化できる。
ここで、バスバー等の結線部品を廃止することで、プレートの存在に起因してモータターミナルをコイルターミナルまでどのように配線するかが課題となる。これに対して、本発明では繋ぎ部の少なくとも一部が金属プレートに対してステータコアとは反対側(以下、金属プレートの外側)を通ることにより、上記課題を解消している。一例として、金属プレートのうち各コイルターミナルに対応する箇所にそれぞれ貫通孔を設け、コネクタ部から金属プレートの外側を通り、上記貫通孔を経由して被当接部まで延びるようにモータターミナルを形成する。これにより、周方向の比較的長い範囲内に点在する各コイルターミナルに向けて、プレートを周方向に連続して大きく切り欠くことなくモータターミナルを配線できる。
第1実施形態のモータを備える回転式アクチュエータが適用されたシフトバイワイヤシステムを説明する模式図。 図1の回転式アクチュエータの断面図。 図2のステータおよび制御基板を矢印III方向から見た図。 図2のステータの要部拡大図。 図4のステータを矢印V方向から見た図。 図3の巻線およびコイルターミナルを模式的に示す図。 図2のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを矢印VII方向から見た図。 第2実施形態のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第3実施形態のステータおよび制御基板を軸方向から見た図。 図9の特定当接部およびその周辺構成を模式的に示す図。 図9のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第4実施形態の特定当接部およびその周辺構成を模式的に示す図。 第5実施形態の特定当接部およびその周辺構成を模式的に示す図。 第6実施形態のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第7実施形態のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第8実施形態の回転式アクチュエータの断面図。 図16のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第9実施形態のステータおよび制御基板を軸方向から見た図。 図18の巻線およびコイルターミナルを模式的に示す図。 図18のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第10実施形態の回転式アクチュエータの断面図。 図21のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。 第11実施形態のステータ、モータターミナルおよびセンサターミナルを軸方向から見た図。
以下、回転電機としてのモータの複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態のインナーロータ型回転電機としてのモータ30は、回転式アクチュエータ(以下、アクチュエータ)10に備えられる。アクチュエータ10は、車両用変速機11のケース12の外壁に固定され、シフトバイワイヤシステム13の動力源として用いられる。シフトバイワイヤシステム13は、制御装置15がシフト操作装置14からの指令信号に応じてアクチュエータ10を制御することにより、変速機11のシフトレンジ切替機構16を作動させてシフトレンジを切り替える。
(アクチュエータ)
先ず、アクチュエータ10の全体構成について図2を参照して説明する。アクチュエータ10は、ハウジング20、モータ30および減速機40を備える。
ハウジング20は、カップ状のフロントハウジング21およびリアハウジング22を有する。フロントハウジング21およびリアハウジング22は、開口部同士が組み合わされてボルト23により互いに締結されている。フロントハウジング21には、有底筒状の金属プレート24がインサートされている。リアハウジング22は、フロントハウジング21とは反対側に突き出す筒状突出部28を有する。リアハウジング22の外壁にはブラケット29が固定されている。アクチュエータ10は、ブラケット29を用いて変速機11のケース12(図1参照)に固定される。
モータ30は、ハウジング20に収容されたステータ31およびロータ34を有する。ステータ31は、金属プレート24に例えば圧入等により固定されたステータコア32と、ステータコア32に設けられた巻線33とを有する。ロータ34は、モータ側軸受35および減速機側軸受36により回転軸心AX1まわりに回転可能に支持された回転軸37と、回転軸37の外側に嵌合して固定されたロータコア38とを有する。モータ側軸受35は、金属プレート24に設けられている。減速機側軸受36は、後述の出力部材44に設けられている。
減速機40は、偏心軸41、リングギア42、偏心ギア43、出力部材44および伝達機構45を備える。偏心軸41は、回転軸心AX1に対して偏心する偏心軸心AX2上に設けられ、回転軸37と一体に形成されている。リングギア42は、回転軸心AX1と同軸上に設けられ、リアハウジング22に固定されている。偏心ギア43は、リングギア42の内歯部46と噛み合う外歯部47を有し、偏心軸41に設けられた軸受48により遊星運動可能に支持されている。遊星運動とは、偏心軸心AX2まわりに自転しつつ回転軸心AX1まわりに公転する運動のことである。遊星運動時の偏心ギア43の自転速度は、回転軸37の回転速度に対して変速させられる。
出力部材44は、回転軸心AX1と同軸上に設けられ、リアハウジング22に設けられた軸受49により回転可能に支持されている。伝達機構45は、偏心ギア43に形成された係合突起51と、出力部材44に形成され、係合突起51が挿入された係合孔52とから構成され、偏心ギア43の偏心軸心AX2まわりの回転を出力部材44に伝達する。
アクチュエータ10では、巻線33の通電相が切り替えられることにより回転磁界が発生し、この回転磁界により生じる磁気的吸引力または反発力を受けてロータ34が回転する。ロータ34と共に偏心軸41が回転軸心AX1まわりに回転すると偏心ギア43が遊星運動し、ロータ34の回転に対して減速させられた偏心ギア43の回転が出力部材44から出力される。
(ステータ)
次に、ステータ31およびその配線について図2~図7を参照して説明する。以下の説明において、回転軸心AX1に平行な方向のことを単に「軸方向」と記載し、回転軸心AX1まわりの方向のことを単に「周方向」と記載し、回転軸心AX1に直交する方向のことを単に「径方向」と記載する。また、アクチュエータ10の構成要素に対して外側の部分のことを「外部」と記載する。
図2および図3に示すように、ステータ31は、ステータコア32と、複数の巻線33と、ステータコア32と巻線33との間に介在するインシュレータ61と、巻線33に接続された複数のコイルターミナル81とを備える。
ステータコア32は、軸方向に積層された複数枚の金属板から構成されている。ステータコア32は、フロントハウジング21の筒部25の内壁に固定された環状のヨーク55と、ヨーク55から径方向内側に突き出すように形成された複数のティース56とを有する。
図3~図5に示すように、インシュレータ61は、ヨーク55の軸方向両端および径方向内側の内壁に設けられたヨーク絶縁部62と、ティース56の周りの部分(すなわちティース56の先端面以外の部分)に設けられたティース絶縁部63と、ティース絶縁部63のうちティース先端側から軸方向および周方向に突き出すように設けられたフランジ部64とを有し、ステータコア32に組み付けられている。
図3および図6に示すように、複数の巻線33は、U相巻線33u1、33u2、V相巻線33v1、33v2、およびW相巻線33w1、33w2を含む。U相巻線33u1、V相巻線33v1およびW相巻線33w1により第1系統目の巻線組が構成され、また、U相巻線33u2、V相巻線33v2およびW相巻線33w2により第2系統目の巻線組が構成されている。巻線33は2系統設けられることで冗長化されている。以下、各巻線を区別しない場合、単に「巻線33」と記載する。
巻線33は、ティース56の周り、すなわちインシュレータ61のティース絶縁部63に巻かれてなるコイル71を有する。1つの巻線33は、1本の電線からなり、その一端部72から他端部73までの間に2つのコイル71を有する。各コイル71間には渡り線74が設けられている。つまり、1つの巻線33が2つのティース56に渡って設けられている。
U相巻線33u1はコイル71u1、71u4を有し、U相巻線33u2はコイル71u2、71u3を有する。V相巻線33v1はコイル71v1、71v4を有し、V相巻線33v2はコイル71v2、71v3を有する。W相巻線33w1はコイル71w1、71w4を有し、W相巻線33w2はコイル71w2、71w3を有する。第1実施形態では、ティース56が12個設けられており、ティース56毎に1つのコイル71が設けられている。1つの巻線33が1相分のコイル71を持っている。
図2~図4に示すように、ヨーク絶縁部62は、フロントハウジング21の底部26側に突き出す突起状の係止部65を有する。係止部65は、渡り線74を係止している。第1実施形態では、係止部65はインシュレータ61に一体に設けられている。
図2および図3に示すように、アクチュエータ10は、ロータコア38に設けられた磁石57と、ロータ34の回転位置を検出する素子であって、磁石57の磁気を検出する磁気センサ58と、磁気センサ58を実装した制御基板59とを備える。
図2に示すように、フロントハウジング21は、樹脂製の本体部を構成する底部26、筒部25およびコネクタ部27を有する。コネクタ部27は、筒部25の外側に形成されている。コネクタ部27には、外部コネクタ17が着脱可能に接続される。外部コネクタ17は、外部電源端子18および外部信号端子19を保持している。
図2、図4、図5および図7に示すように、フロントハウジング21は、複数のモータターミナル91と、複数のセンサターミナル95とを保持している。モータターミナル91は、コイルターミナル81に接続され、外部電源端子18に直接接続可能である。センサターミナル95は、制御基板59に接続され、外部信号端子19に接続可能である。モータターミナル91およびセンサターミナル95は、フロントハウジング21の本体部にインサートされており、コネクタ部27から筒部25を通って底部26まで延びている。第1実施形態では、モータターミナル91およびセンサターミナル95は、一次成形体99に保持された状態でフロントハウジング21にインサートされる。
図4、図5に示すように、フランジ部64のうちフロントハウジング21の底部26側には、コイルターミナル81を保持するターミナル保持部67が設けられている。第1実施形態では、ターミナル保持部67はインシュレータ61に一体に設けられている。
コイルターミナル81は、ターミナル保持部67に保持された被保持部82と、巻線33の一端部72または他端部73を保持する巻線保持部83と、巻線33に電気的に接続された巻線接続部84と、モータターミナル91に当接して電気的に接続された当接部85とを有する。第1実施形態では、巻線保持部83はコイルターミナル81に一体に設けられている。
ティース56毎に1つのコイルターミナル81が設けられている。図3、図6に示すように、12個のコイルターミナル81のうち、6個のコイルターミナル81には一端部72が接続され、他の6個のコイルターミナル81には他端部73が接続されている。
図2~図6に示すように、コイルターミナル81は、巻線33の両端部にそれぞれ設けられており、巻線1相あたり2つ設けられている。巻線33の巻始め部分である一端部72は、巻線保持部83から巻線接続部84を通ってティース56まで延びている。巻線33の巻終わり部分である他端部73は、ティース56から巻線接続部84を通って巻線保持部83まで延びている。
モータターミナル91は、外部電源端子18に接続可能なコネクタ部92と、軸方向に垂直な方向に延びつつコイルターミナル81の当接部85に軸方向に当接された被当接部93と、コネクタ部92と被当接部93とをつなぐ繋ぎ部94とを有する。コイルターミナル81は、バスバー等の結線部品を介すことなくモータターミナル91に直接結合している。第1実施形態では、当接部85と被当接部93とは溶接により結合されている。以下、当接部85と被当接部93との結合部のことを、適宜「溶接部」と記載する。
巻線保持部83および巻線接続部84はコイル71よりも径方向内側に配置されており、溶接部はステータコア32のティース先端よりも径方向内側に配置されている。具体的には、図4および図5に示すように、巻線保持部83および巻線接続部84は、被保持部82から軸方向において底部26側に延びるように形成されている。当接部85は、巻線保持部83の先端から径方向内側に延びるように形成されている。第1実施形態では、巻線保持部83と巻線接続部84は、被保持部82からそれぞれ分岐して設けられている。
巻線33はノズル巻きで製造されている。具体的には、電線を巻線保持部83に絡げて巻線接続部84に通した後、1つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。続いて、1つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を係止部65に係止させた後、2つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。最後、2つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を最初のものとは別の巻線接続部84に通した後、巻線保持部83に絡げる。巻線接続部84と巻線33は、例えばヒュージング等により接続される。
上述のように複数のスロット間を跨いで巻回作業が行われる。ステータ31の外周部に配置された係止部65と、内周部に配置された巻線保持部83および巻線接続部84とを用いる場合、ティース絶縁部63への電線の巻き層数を奇数にすることで、完全整列巻きが実現する。巻線33の一層目と三層目は径方向内側から外側に向かって巻き付けられ、二層目は径方向外側から内側に向かって巻き付けられる。
図2、図7に示すように、繋ぎ部94は、コネクタ部92から、少なくとも一部が金属プレート24に対してステータコア32とは反対側(以下、金属プレート24の外側)を通って、被当接部93まで延びている。具体的には、金属プレート24のうち各コイルターミナル81に対応する箇所にそれぞれ貫通孔98が設けられており、繋ぎ部94は、コネクタ部92から金属プレート24の外側を通り、貫通孔98を経由して被当接部93まで延びている。
6つの繋ぎ部94のうち、5つの繋ぎ部94は、金属プレート24の外側でコネクタ部92から離れるように周方向へ延びる周方向延出部を有する。他の1つの繋ぎ部94は、金属プレート24の外側で径方向へ延びる径方向延出部を有する。モータターミナル91は略全周にわたって配置されているが、貫通孔98は、被当接部93およびその周りを覆う一次成形体99の一部だけが通る大きさであればよい。複数の貫通孔98は、周方向において間隔を空けて設けられている。
モータターミナル91およびセンサターミナル95は、ヨーク55よりも径方向内側の領域で他のモータターミナル91およびセンサターミナル95と軸方向に重ならないように配置されている。各モータターミナル91の繋ぎ部94の周方向延出部は、互いに径方向に間隔を空けて配置されている。第1実施形態では、コネクタ部92から周方向の一方へ5つのGND線が延出し、コネクタ部92から周方向の他方へ1つの電源線が延出している。センサターミナル95は、各モータターミナル91の間を通ってコネクタ部92から制御基板59まで延出している。
(効果)
以上説明したように第1実施形態では、モータ30は、環状のヨーク55および複数のティース56を有するステータコア32と、ティース56の周りに巻かれてなるコイル71を有する複数の巻線33と、巻線33の一端部72または他端部73を保持する複数の巻線保持部83と、巻線33に接続された巻線接続部84を有する複数のコイルターミナル81と、コイルターミナル81に接続され、外部電源端子18に接続可能な複数のモータターミナル91と、を備える。
巻線33は、当該巻線33の一端部72から他端部73までの間に2つ以上のコイル71を有する。巻線保持部83および巻線接続部84は、コイル71よりも径方向内側に配置されている。
モータターミナル91は、外部電源端子18に接続可能なコネクタ部92と、コイルターミナル81の当接部85に軸方向に当接された被当接部93と、コネクタ部92と被当接部93とをつなぐ繋ぎ部94とを有する。繋ぎ部94は、コネクタ部92から、少なくとも一部が金属プレート24に対してステータコア32とは反対側を通って、被当接部93まで延びている。
これにより、ステータ31の内周部に位置する巻線保持部83および巻線接続部84を用いて、巻線33の巻き始めから巻き終わりまでの間に2つ以上のティース56に連続して巻回するノズル巻きを実施できる。そのため、低コストで製造可能なノズル巻きを採用しつつ、コイルターミナル81が径方向外側に突き出すように設けられるのを回避できる。したがって、安価で小型なモータ30を得ることができる。
また、コイルターミナル81とモータターミナル91とを直接接続することで、バスバー等の結線部品が不要となり、部品点数を削減できる。そして、結線部品が無い分、ステータ31をモータターミナル91側に寄せて配置して、モータ30を小型化できる。
ここで、バスバー等の結線部品を廃止することで、金属プレート24の存在に起因してモータターミナル91をコイルターミナル81までどのように配線するかが課題となる。これに対して、第1実施形態では繋ぎ部94の一部が金属プレート24に対してステータコア32とは反対側(すなわち、金属プレート24の外側)を通ることにより、上記課題を解消している。具体的には、金属プレート24のうち各コイルターミナル81に対応する箇所にそれぞれ貫通孔98を設け、コネクタ部92から金属プレート24の外側を通り、貫通孔98を経由して被当接部93まで延びるようにモータターミナル91を形成する。これにより、周方向の比較的長い範囲内に点在する各コイルターミナル81に向けて、金属プレート24を周方向に連続して大きく切り欠くことなくモータターミナル91を配線できる。
また、第1実施形態では、モータターミナル91およびセンサターミナル95は、ヨーク55よりも径方向内側の領域で他のモータターミナル91およびセンサターミナル95と軸方向に重ならないように配置されている。これによりモータターミナル91およびセンサターミナル95の軸方向の配置スペースが小さくなり、モータ30の軸方向長さを短縮できる。
また、第1実施形態では、一端部72は巻線保持部83から巻線接続部84を通ってティース56まで延びている。他端部73はティース56から巻線接続部84を通って巻線保持部83まで延びている。そのため、巻線33の巻回工程において電線を巻線接続部84に通すことにより、巻線接続部84と巻線33との接続工程において巻線33の操作が不要になり、圧着だけを行えば良いので、接続工程を簡素化できる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、図8に示すようにモータターミナル91に関し、コネクタ部92から周方向の一方へ3つのGND線が延出し、コネクタ部92から周方向の他方へ2つのGND線および1つの電源線が延出している。このようにモータターミナル91を配置することにより、繋ぎ部94の周方向延出部の径方向の重なりを最小とすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、図9~図11に示すように、周方向に隣り合う2つの当接部85の間隔を当接部ピッチPcと定義し、周方向に隣り合う2つのティース56の間隔をティースピッチPtと定義する。2つの特定の当接部85(以下、特定当接部855)は、当接部ピッチPcがティースピッチPtよりも大きくなるように設けられている。センサターミナル95は、軸方向視において2つの特定当接部855の間を通るように配置されている。
2つの特定当接部855の間隔を広げるには、少なくとも一方の当接部855の中心O2をティース56の中心O1に対してずらす方法が採られる。第3実施形態では、第1の特定当接部855の中心O2を、中心O1に対して第2の特定当接部855とは反対側に配置している。また、第2の特定当接部855の中心O2を、中心O1に対して第1の特定当接部855とは反対側に配置している。第2の特定当接部855をもつ第2のコイルターミナル815は、第1の特定当接部855をもつ第1のコイルターミナル81をミラーコピーした形状になっている。
このように間隔が広げられた2つの特定当接部85の間にセンサターミナル95を配置することで、モータターミナル91とセンサターミナル95とを軸方向に重ならないように配置できる。これによりモータターミナル91およびセンサターミナル95の軸方向の配置スペースが小さくなり、モータ30の軸方向長さを短縮できる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、図12に示すように、第2の特定当接部855の中心O2を中心O1と一致するように配置し、第1の特定当接部855の中心O2を、中心O1に対して第2の特定当接部855とは反対側に配置している。同一のコイルターミナル816を用いてコイルターミナル816の保持位置を変えることにより、2つの特定当接部855の間隔を広げている。これによりコイルターミナル816のバリエーションを増やすことなく第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態では、図13に示すように、第2の特定当接部855をもつコイルターミナル817が、第1の特定当接部855をもつコイルターミナル816をミラーコピーした形状になっている。
[第6実施形態]
第6実施形態では、図14に示すように、センサターミナル95に対して一方に第1系統のコネクタ部92が配置され、他方に第2系統のコネクタ部92が配置されている。第1系統および第2系統のコネクタ部92の延出方向は同じである。これにより、フロントハウジング21のコネクタ部27(図2参照)を1つ設けるか、或いは系統毎に分けて2つ設けるかにかかわらず、周方向の一箇所に間口向きが揃うようにコネクタ部27を設けることができる。そのため、コネクタ部27と外部コネクタ17との接続作業性が向上する。また、フロントハウジング21以外の部品を冗長化しない形態と共通化することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態では、図15に示すように、センサターミナル95に隣接して第1系統のコネクタ部92が配置されている。第2系統のコネクタ部92は、回転軸心AX1を中心として第1系統のコネクタ部92に対して90°離れた部分に配置されている。これにより、モータターミナル91の周方向延出部の径方向の重なりを抑えてモータ30の径方向体格を小さくしつつ、コネクタ部27と外部コネクタ17との接続作業性の低下を抑制している。また、フロントハウジング21以外の部品を冗長化しない形態と共通化することができる。
[第8実施形態]
第8実施形態では、図16および図17に示すように、1つのモータターミナル91の繋ぎ部94の周方向延出部が、コイルターミナル81よりも径方向外側の領域で複数のセンサターミナル95と軸方向に重なるように配置されている。このようにコイルターミナル81よりも径方向外側のデッドスペース内でターミナル同士を重ねることで、モータ30の軸方向体格を大きくすることなく複雑な電気回路を実現できる。
[第9実施形態]
第9実施形態では、図18および図19に示すように、巻線33は一端部72から他端部73までの間に4つのコイル71を有する。U相巻線33uはコイル71u11、71u12、71u21、71u22を有し、V相巻線33vはコイル71v11、71v12、71v21、71v22を有し、W相巻線33wはコイル71w11、71w12、71w21、71w22を有する。U相巻線33uにおいて、一端部72から中間部74cまでのコイル71u11、71u12と、中間部74cから他端部73までの71u21、71u22とが並列に配置されている。V相巻線33vおよびW相巻線33wにおいても同様に、第1コイル郡と第2コイル郡とが並列に配置されている。
複数のコイルターミナルは、一端部72および他端部73に接続された第1巻線接続部841を有する第1コイルターミナル811と、1つの巻線33に含まれる2つのコイル71間の中間部74cに接続された第2巻線接続部842を有する第2コイルターミナル812とを含む。第1コイルターミナル811および第2コイルターミナル812の形状は、第1実施形態におけるコイルターミナル81の形状と同様である。第1コイルターミナル811の第1巻線接続部841および第2コイルターミナル812の第2巻線接続部842は、コイル71よりも径方向内側に配置されている。1つの巻線33に含まれる一端部72および他端部73は、同一の第1巻線接続部841に接続されている。
巻線33はノズル巻きで製造されている。具体的には、電線を第1巻線保持部831に絡げて第1巻線接続部841に通した後、1つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。続いて、1つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を係止部65に係止させた後、2つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。続いて、2つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を第2巻線接続部842に通し、係止部65に係止させた後、3つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。続いて、3つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を係止部65に係止させた後、4つ目のティース絶縁部63に巻き付ける。最後、4つ目のティース絶縁部63から引き出した電線を最初の第1巻線接続部841に通した後、最初の第1巻線保持部831に絡げる。第1巻線接続部841と一端部72および他端部73は、例えばヒュージング等により接続される。第2巻線接続部842と中間部74cも同様に、例えばヒュージング等により接続される。
図20に示すように、モータターミナル91に関し、コネクタ部92から周方向の一方へ2つのGND線および1つの電源線が延出している。
(効果)
第9実施形態のステータ31によれば、第1コイルターミナル811と第2コイルターミナル812との間において、1つの巻線33の一端部72から中間部74cまでのコイル71と、中間部74cから他端部73までのコイル71とが並列に配置される。そのため、巻線を直列に巻回する場合と同様に、巻線33の巻き始めから巻き終わりまでの間に2つ以上のティース56に連続して巻回するノズル巻きを実施しつつ、その途中で巻線33を第2コイルターミナル812に通すことで、並列回路を構築できる。また、従来のように直列に巻回された2つの巻線の両端にコイルターミナルを設ける形態に対して、2つのコイルターミナルを1つの第2コイルターミナル812に置き代えることができるとともに、巻線33の端末処理の回数を少なくできる。そのため、部品点数および製造工数を低減できる。
また、第9実施形態では、1つの巻線33に含まれる一端部72および他端部73は、同一の第1巻線接続部841に接続されている。これにより中間部74c側のみならず、端部側においても2つのコイルターミナルを1つの第1コイルターミナル811に置き代えることができるとともに、巻線33の端末処理の回数を少なくできる。そのため、部品点数および製造工数をさらに低減できる。
また、第9実施形態では、第1巻線接続部841および第2巻線接続部842は、コイル71よりも径方向内側に配置されている。そのため、第1実施形態と同様に、ステータ31の内周部に位置する巻線接続部841、842を用いて、巻線33の巻き始めから巻き終わりまでの間に2つ以上のティース56に連続して巻回するノズル巻きを実施できる。そのため、低コストで製造可能なノズル巻きを採用しつつ、コイルターミナル811、812が径方向外側に突き出すように設けられるのを回避できる。したがって、安価で小型なステータ31を得ることができる。
また、第9実施形態では、繋ぎ部94は、コネクタ部92から、少なくとも一部が金属プレート24に対してステータコア32とは反対側を通って、被当接部93まで延びている。そのため第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第10実施形態]
第10実施形態では、図21および図22に示すように、1つのモータターミナル91の繋ぎ部94の周方向延出部が、コイルターミナル81よりも径方向外側の領域で他の1つのモータターミナル91の繋ぎ部94の周方向延出部と軸方向に重なるように配置されている。このようにコイルターミナル81よりも径方向外側のデッドスペース内でターミナル同士を重ねることで、モータ30の軸方向体格を大きくすることなく複雑な電気回路を実現できる。
[第11実施形態]
第11実施形態では、図23に示すように、モータターミナル91は、被当接部93から外部電源端子18(図2参照)までの間で冗長化されている。具体的には、モータターミナル91は、繋ぎ部94に接続された、コネクタ部92とは別のコネクタ部921を有する。これにより、巻線33を二重化せずに、モータターミナル91のみを二重化することで、バッテリからモータターミナル91の間の電気系故障時に、冗長化された電気回路によってモータ30を駆動させることができる。また、フロントハウジング21以外の部品を冗長化しない形態と共通化することができる。
図23では、モータターミナル91の電源線とGND線とが共に二重化されているが、他の実施形態では電源線およびGND線のどちらかが二重化されてもよい。
図23では、コネクタ部921がモータターミナル91の他の部位と軸方向に重ならないように配置されているが、他の実施形態ではコネクタ部921がモータターミナル91の他の部位と軸方向に重なっていてもよい。
[他の実施形態]
他の実施形態では、巻線保持部は、コイルターミナルの一部に限らず、例えばインシュレータまたはその他の部材の一部であってもよい。また、巻線保持部の延出方向は、軸方向に限らず、径方向、周方向、またはそれ以外の方向であってもよい。
他の実施形態では、コイルターミナルとモータターミナルとの接合は、溶接に限らず、圧接またははんだ等の他の方法で行われてもよい。他の実施形態では、フロントハウジングのコネクタ部は2つ以上に分かれていてもよい。
他の実施形態では、ティースの数は、12個に限らず、それ以外の数であってもよい。他の実施形態では、巻線相数は、3相に限らず、それ以外の相数であってもよい。他の実施形態では、ステータは、モータに限らず、発電機に適用されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
18 外部電源端子、20 ハウジング、24 金属プレート、
30 モータ(回転電機)、32 ステータコア、33 巻線、
55 ヨーク、56 ティース、71 コイル、72 一端部、73 他端部、
81 コイルターミナル、83 巻線保持部、84 巻線接続部、85 当接部、
91 モータターミナル、92 コネクタ部、93 被当接部、94 繋ぎ部
AX1 回転軸心。

Claims (6)

  1. インナーロータ型の回転電機(30)であって、
    樹脂製のハウジング(20)と、
    前記ハウジングにインサートされた金属プレート(24)と、
    前記ハウジングに収容され、環状のヨーク(55)および複数のティース(56)を有するステータコア(32)と、
    前記ティースの周りに巻かれてなるコイル(71)を有する複数の巻線(33)と、
    前記巻線の一端部(72)または他端部(73)を保持する複数の巻線保持部(83)と、
    前記巻線に接続された巻線接続部(84)を有する複数のコイルターミナル(81)と、
    前記コイルターミナルに接続され、外部電源端子(18)に接続可能な複数のモータターミナル(91)と、
    を備え、
    前記巻線は、前記一端部から前記他端部までの間に2つ以上の前記コイルを有し、
    前記回転電機の回転軸心(AX1)に直交する方向を径方向と定義すると、
    前記巻線保持部および前記巻線接続部は、前記コイルよりも径方向内側に配置され、
    前記モータターミナルは、前記外部電源端子に接続可能なコネクタ部(92)と、前記コイルターミナルの当接部(85)に軸方向に当接された被当接部(93)と、前記コネクタ部と前記被当接部とをつなぐ繋ぎ部(94)とを有し、
    前記繋ぎ部は、前記コネクタ部から、少なくとも一部が前記金属プレートに対して前記ステータコアとは反対側を通って、前記被当接部まで延びている、回転電機。
  2. 前記モータターミナルは、前記ヨークよりも径方向内側の領域で他の前記モータターミナルと軸方向に重ならないように配置されている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転電機は、当該回転電機の回転位置を検出する素子(58)を実装し、前記ステータコアよりも径方向内側に配置された制御基板(59)と、当該制御基板に接続され、外部信号端子(19)に接続可能な複数のセンサターミナル(95)と、をさらに備え、
    前記モータターミナルおよび前記センサターミナルは、前記ヨークよりも径方向内側の領域で他の前記モータターミナルおよび他のセンサターミナルと軸方向に重ならないように配置されている、請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記回転軸心周りの方向を周方向と定義し、周方向に隣り合う2つの前記当接部の間隔を当接部ピッチ(Pc)と定義し、周方向に隣り合う2つの前記ティースの間隔をティースピッチ(Pt)と定義すると、
    前記センサターミナルは、軸方向視において、複数の前記当接部のうち、前記当接部ピッチが前記ティースピッチよりも大きくなるように設けられた2つの特定当接部(855)の間を通るように配置されている、請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記回転電機は、当該回転電機の回転位置を検出する素子を実装し、前記ステータコアよりも径方向内側に配置された制御基板と、当該制御基板に接続され、外部信号端子に接続可能な複数のセンサターミナルと、をさらに備え、
    複数の前記モータターミナルおよび複数の前記センサターミナルのうち少なくとも2つは、前記コイルターミナルよりも径方向外側の領域で互いに軸方向に重なるように配置されている、請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記モータターミナルは、前記被当接部から前記外部電源端子までの間で冗長化されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の回転電機。
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