JP2022017869A - 燃料電池 - Google Patents

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順朗 野々山
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Abstract

【課題】燃料電池の非発電領域において液水の滞留による電解質膜の膨潤を抑制する。【解決手段】アノード側の非発電領域を、膜電極接合体を挟んでカソード側の非発電領域と対向させる一方で、カソード側ガス流路(発電領域)と対向させないように構成することで、カソード側の発電領域からアノード側の非発電領域への液水の侵入を抑制する。【選択図】図2

Description

本願は燃料電池を開示する。
特許文献1には、燃料電池において、樹脂シートの開口領域の内周壁面とガス拡散層の外周壁面との間の所定の位置に、吸水によって膨潤する吸水部材を設ける技術が開示されている。特許文献1においては、所定の位置に設けられた吸水部材が液水を吸収して膨潤した際、膜電極接合体に面圧が加えられ、これにより膜電極接合体の電解質膜の膨潤が抑制される。また、特許文献1においては、吸水部材による吸水が過多となった場合は、吸水部材からカソード側ガス流路へと液水が排出され得る。
特許文献2には、燃料電池のセパレータの表面において、流体流路の外側(流体流路とシール部との間)の非発電領域にセパレータ変形抑制部を設ける技術が開示されている。
特開2017-111870号公報 特開2015-153614号公報
燃料電池において、上記の非発電領域にある空間にはガスが実質的に流れない。そのため、非発電領域に液水が侵入した場合、当該液水が非発電領域内に滞留し易い。また、樹脂シートの開口領域の内側端面とガス拡散層の外側端面との間の空間(カソード側空間部70、図2参照)においては、電解質膜が物理的に押さえつけられていない。そのため、当該空間が上記の非発電領域にある場合、当該空間内に滞留した液水によって電解質膜が膨潤し易い。特許文献1に開示された技術を応用して、非発電領域にある空間内に吸水部材を配置することよって電解質膜の膨潤を抑制することも考えられるが、この場合、部品点数が増加し構造も複雑化する。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
燃料電池であって、膜電極接合体と、樹脂シートと、カソード側ガス拡散層と、アノード側ガス拡散層と、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、カソード側ガス流路と、アノード側ガス流路と、カソード側セパレータ補強部と、カソード側空間部と、アノード側セパレータ補強部と、を備え、
前記膜電極接合体は、電解質膜の両面に電極触媒層が接合されてなり、
前記樹脂シートは、中央に開口領域を有し、前記開口領域の周縁部位が前記膜電極接合体の一方側の表面の周縁領域に重なるようにして前記膜電極接合体を保持し、
前記カソード側ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、前記開口領域において前記膜電極接合体の一方側の前記電極触媒層に接合され、
前記アノード側ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、前記開口領域において前記膜電極接合体の他方側の前記電極触媒層に接合され、
前記カソード側セパレータは、前記カソード側ガス拡散層の一方側に積層され、
前記アノード側セパレータは、前記アノード側ガス拡散層の他方側に積層され、
前記カソード側ガス流路は、前記カソード側セパレータの他方側の表面に設けられた凹凸によって形成され、
前記アノード側ガス流路は、前記アノード側セパレータの一方側の表面に設けられた凹凸によって形成され、
前記カソード側セパレータ補強部は、前記カソード側セパレータの前記カソード側ガス流路の外側に設けられた凹凸によって形成され、
前記カソード側空間部は、前記樹脂シートの前記周縁部位の内側端面と、前記カソード側ガス拡散層の外側端面と、前記カソード側セパレータ補強部の他方側の表面と、前記膜電極接合体の一方側の表面と、の間に存在し、
前記アノード側セパレータ補強部は、前記アノード側セパレータの前記アノード側ガス流路の外側に設けられた凹凸によって形成され、
前記膜電極接合体を挟んで前記カソード側空間部と対向する前記アノード側セパレータ補強部は、前記膜電極接合体を挟んで前記カソード側ガス流路と対向していない、
燃料電池
を開示する。
本開示の燃料電池においては、膜電極接合体を挟んで、非発電領域にあるカソード側空間部と対向するアノード側セパレータ補強部が、発電領域にあるカソード側ガス流路とは対向していない。そのため、カソード側ガス流路からアノード側セパレータ補強部へと液水が侵入し難く、カソード側空間部における液水の滞留を低減し易く、カソード側空間部における電解質膜の膨潤を抑制し易い。
本開示の燃料電池をカソード側から見た場合の構成を概略的に示している。 本開示の燃料電池の内部構成の一例であって、図1におけるII-II矢視断面の構成を概略的に示している。 本開示の燃料電池を構成する部材を概略的に示している。 従来の燃料電池における課題を示している。 本開示の燃料電池における課題解決メカニズムを示している。 本開示の燃料電池の内部構成の他の例を概略的に示している。 比較例及び実施例における評価条件を示している。 比較例及び実施例の各々の構成を概略的に示している。(A)が比較例、(B)が実施例1、(C)が実施例2である。
1.本開示の燃料電池の構成の一例
図1~3に示されるように、本開示の燃料電池100は、膜電極接合体10と、樹脂シート20と、カソード側ガス拡散層31と、アノード側ガス拡散層32と、カソード側セパレータ41と、アノード側セパレータ42と、カソード側ガス流路51と、アノード側ガス流路52と、カソード側セパレータ補強部61と、カソード側空間部70と、アノード側セパレータ補強部62と、を備える。燃料電池100においては、カソード側セパレータ41とアノード側セパレータ42との間に樹脂シート20及びMEGA(膜電極接合体10とガス拡散層31、32とが接合された膜電極ガス拡散層接合体)が配置される。MEGAは樹脂シート20の中央の開口領域20aに配置される。
1.1 膜電極接合体
膜電極接合体10は、電解質膜の両面に電極触媒層が接合されてなる。膜電極接合体10を構成する電解質膜や電極触媒層は従来のものと同様であってもよい。膜電極接合体10は、樹脂シート20の開口領域20aに保持される。例えば、図2及び3に示されるように、膜電極接合体10の外縁は、積層方向視において、樹脂シート20の開口領域20aの内側端面20ayよりも面方向外側に配置されてもよく、図2に示されるように、膜電極接合体10の一方側の表面10aの周縁領域10axを、樹脂シート20の開口領域20aの周縁部位20axに、接着層80を介して接着してもよい。
1.2 樹脂シート
樹脂シート20は、中央に開口領域20aを有し、開口領域20aの周縁部位20axが膜電極接合体10の一方側の表面10aの周縁領域10axに重なるようにして膜電極接合体10を保持する。図2及び3に示されるように、樹脂シート20において、開口領域20aの周縁部位20axと、周縁部位20axよりも面方向外側の部分との間には段差20bがあってもよい。例えば、樹脂シート20の開口領域20aにMEGAが配置された状態で、樹脂シート20の周縁部位20axよりも面方向外側の部分における他方側の表面と、アノード側ガス拡散層32の他方側の表面とが実質的に面一となるように、樹脂シート20の開口領域20aの周縁に没入する段差を設け、当該没入する段差の部分を周縁部位20axとしてもよい。樹脂シート20は、例えば、各種硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなるシートであってよい。樹脂シート20は複層構成を有していてもよい。樹脂シート20の形状は膜電極接合体10を保持可能な形状であればよい。樹脂シート20は従来のものと同様であってよい。
図3に示されるように、樹脂シート20は、その面方向一端20xと開口領域20aとの間に第1マニホールド群(第1開口群)20c~20eを有していてもよく、その面方向他端20yと開口領域20aとの間に第2マニホールド群(第2開口群)20f~20hを有していてもよい。これらマニホールド群は、アノードガス、カソードガス若しくは冷却水を燃料電池の内部に供給する流路、又は、アノードオフガス、カソードオフガス若しくは冷却水を燃料電池から排出する流路として機能し得る。当該マニホールド群は、後述するセパレータ41、42に設けられたマニホールド群に対して、積層方向視で重なる位置にあればよい。
1.3 カソード側ガス拡散層
カソード側ガス拡散層31は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、開口領域20aにおいて膜電極接合体10の一方側の電極触媒層(膜電極接合体10の一方側の表面10a)に接合される。図2に示されるように、カソード側ガス拡散層31の外側端面31aと樹脂シート20の開口領域20aの内側端面20ayとの間には、空間70が設けられる。すなわち、積層方向視において、カソード側ガス拡散層31の外側端面31aは、樹脂シート20の開口領域20aの内側端面20ayよりも面方向内側に配置され、当該内側端面20ayと当該外側端面31aとの間に間隙が設けられる。図2に示されるように、カソード側ガス拡散層31はアノード側ガス拡散層32よりも積層面積が小さくてもよい。カソード側ガス拡散層31は従来のものと同様であってよい。
1.4 アノード側ガス拡散層
アノード側ガス拡散層32は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、開口領域20aにおいて膜電極接合体10の他方側の電極触媒層(膜電極接合体10の他方側の表面10b)に接合される。図2に示されるように、アノード側ガス拡散層32の外側端面は、積層方向視において、樹脂シート20の開口領域20aの内側端面20ayよりも外側に配置されてもよい。アノード側ガス拡散層32はカソード側ガス拡散層31よりも積層面積が大きくてもよい。すなわち、積層方向視において、アノード側ガス拡散層32の外縁は、カソード側ガス拡散層31の外縁よりも面方向外側に突出していてもよい。アノード側ガス拡散層32は従来のものと同様であってよい。
1.5 カソード側セパレータ
カソード側セパレータ41は、カソード側ガス拡散層31の一方側に積層される。図1~3に示されるように、カソード側セパレータ41は、表面にガス流路用の凹凸41aや補強用の凹凸41bを有していてよい。補強用の凹凸41bは、ガス流路用の凹凸41aよりも面方向外側に形成され得る。凹凸41a、41bの形状は特に限定されるものではない。
図3に示されるように、カソード側セパレータ41は、その面方向一端41xとガス流路用の凹凸41aとの間に第1マニホールド群(第1開口群)41c~41eを有していてもよく、その面方向他端41yとガス流路用の凹凸41aとの間に第2マニホールド群(第2開口群)41f~41hを有していてもよい。これらマニホールド群は、アノードガス、カソードガス若しくは冷却水を燃料電池の内部に供給する流路、又は、アノードオフガス、カソードオフガス若しくは冷却水を燃料電池から排出する流路として機能し得る。当該マニホールド群は、樹脂シート20やセパレータ42に設けられたマニホールド群に対して、積層方向視で重なる位置にあればよい。
1.6 アノード側セパレータ
アノード側セパレータ42は、アノード側ガス拡散層32の他方側に積層される。図2及び3に示されるように、アノード側セパレータ42は、表面にガス流路用の凹凸42aや補強用の凹凸42bx、42byを有していてよい。補強用の凹凸42bx、42byは、ガス流路用の凹凸42aよりも面方向外側に形成され得る。凹凸42a、42bx、42byの形状は特に限定されるものではない。ただし、本開示の燃料電池100においては、後述するように、カソード側セパレータ41の凹凸41a、41bと、アノード側セパレータ42の補強用の凹凸41bxとが、所定の位置関係を満たしている必要がある。
図3に示されるように、アノード側セパレータ42は、その面方向一端42xとガス流路用の凹凸42aとの間に第1マニホールド群(第1開口群)42c~42eを有していてもよく、その面方向他端42yとガス流路用の凹凸42aとの間に第2マニホールド群(第2開口群)42f~42hを有していてもよい。これらマニホールド群は、アノードガス、カソードガス若しくは冷却水を燃料電池の内部に供給する流路、又は、アノードオフガス、カソードオフガス若しくは冷却水を燃料電池から排出する流路として機能し得る。当該マニホールド群は、樹脂シート20やセパレータ41に設けられたマニホールド群に対して、積層方向視で重なる位置にあればよい。
1.7 カソード側ガス流路
カソード側ガス流路51は、カソード側セパレータ41の他方側の表面に設けられた凹凸41aによって形成される。図3に示されるように、カソード側ガス流路51は、カソード側セパレータ41の他方側において、上記の第1マニホールド群41c~41eの一つと、上記の第2マニホールド群41f~41hの一つとの間でカソードガスを流通させるための流路である。カソードガスとしては空気等を用い得る。カソード側ガス流路51の凹凸41aの形状は特に限定されるものではなく、従来と同様であってよい。
1.8 アノード側ガス流路
アノード側ガス流路52は、アノード側セパレータ42の一方側の表面に設けられた凹凸42aによって形成される。図3に示されるように、アノード側ガス流路52は、アノード側セパレータ42の一方側において、上記の第1マニホールド群42c~42eの一つと、上記の第2マニホールド群42f~42hの一つとの間でアノードガスを流通させるための流路である。アノードガスとしては水素等を用い得る。アノード側ガス流路52の凹凸42aの形状は特に限定されるものではなく、従来と同様であってよい。
1.9 カソード側セパレータ補強部
カソード側セパレータ補強部61は、カソード側セパレータ41のカソード側ガス流路51の外側(面方向外側)に設けられた凹凸41bによって形成される。カソード側ガス流路51の面方向外側は、実質的にガスが流通せず、非発電領域とされる。カソード側セパレータ41における凹凸41bの位置や形状は、特に限定されるものではなく、従来と同様であってよい。凹凸41bの形状は、上記のカソード側ガス流路51の凹凸41aと異なる形状であってよく、また、面方向における凹凸41bの向きは、上記のカソード側ガス流路51の凹凸41aの向きと異なる向きであってよい。図3に示されるように、カソード側セパレータ補強部61の凹凸41bは、カソード側ガス流路51の外側において、カソード側ガス流路51の外縁に沿って、すなわち流路の延在方向に沿って、連続的又は断続的に設けられていてもよい。
1.10 カソード側空間部
カソード側空間部70は、樹脂シート20の周縁部位20axの内側端面20ayと、カソード側ガス拡散層31の外側端面31aと、カソード側セパレータ補強部61の他方側の表面と、膜電極接合体10の一方側の表面と、の間に存在する。言い換えれば、カソード側空間部70は、樹脂シート20の周縁部位20axの内側端面20ayと、カソード側ガス拡散層31の外側端面31aと、カソード側セパレータ補強部61の他方側の表面と、膜電極接合体10の一方側の表面と、によって画定される空間の少なくとも一部である。カソード側空間部70においては、実質的にガスが流通しない。そのため、カソード側空間部70に液水が侵入した場合、当該液水がカソード側空間部70に滞留し易い。また、図2に示されるように、カソード側空間部70においては、膜電極接合体10が物理的に押さえつけられていない。そのため、カソード側空間部70に液水が滞留した場合、膜電極接合体10の電解質膜の膨潤が生じ易く、膜電極接合体10の強度の低下等を引き起こし易い。これを防ぐために、本開示の燃料電池100においては、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62の形状を工夫している。
1.11 アノード側セパレータ補強部
アノード側セパレータ補強部62、63は、アノード側セパレータ42のアノード側ガス流路52の外側(面方向外側)に設けられた凹凸42bx、42byによって形成される。アノード側ガス流路52の面方向外側は、実質的にガスが流通せず、非発電領域とされる。アノード側セパレータ42における凹凸42bx、42byの位置や形状は、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62が膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向しないような位置や形状であればよい。図3に示されるように、アノード側セパレータ補強部62、63の凹凸42bx、42byは、アノード側ガス流路52の外側において、アノード側ガス流路52の外縁に沿って(流路延在方向に沿って)、連続的又は断続的に設けられていてもよい。
図2に示されるように、燃料電池100は、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62と、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63とを備えていてもよい。言い換えれば、カソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62と、カソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63とが、隔壁部64によって分断されていてもよい。ここで、燃料電池100においては、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62が、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向していない点に特徴がある。例えば、図2に示されるように、積層方向視において、アノード側セパレータ補強部62の凹凸42bxの面方向内側端部(ガス流路側の端部)の位置P1と、カソード側ガス流路51の凹凸41aの面方向外側端部(補強部側の端部)の位置P2との間に、0mm以上の距離Dが設けられてもよい。距離Dは、0mm超、0.2mm以上、0.4mm以上、0.6mm以上、0.8mm以上、1.0mm以上、1.2mm以上又は1.4mm以上であってもよい。距離Dの上限は特に限定されるものではない。膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62が、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向していない場合、後述するように、カソード側ガス流路51からアノード側セパレータ補強部62へと液水が侵入し難くなり、アノード側セパレータ補強部62からカソード側空間部70への液水の侵入も抑制され、結果として、カソード側空間部70における電解質膜の膨潤も抑制され易くなる。
図2に示されるように、燃料電池100は、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63を有していてもよい。言うまでもないが、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63は、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70とは対向していない。
2.従来の燃料電池における課題
本発明者による新たな知見によると、膜電極接合体を挟んでカソード側セパレータ補強部と対向するアノード側セパレータ補強部が、膜電極接合体を挟んでカソード側ガス流路にも対向している場合、図4に示されるように、カソード側ガス流路の水蒸気が、MEGAを透過してアノード側セパレータ補強部内に流入し、アノード側セパレータ補強部内に結露が生じ、アノード側セパレータ補強部内で液水の滞留が生じ易くなる。アノード側セパレータ補強部内の液水はMEGAを透過してカソード側空間部にも侵入し、カソード側空間部における電解質膜の膨潤を招き易い。
3.本開示の燃料電池による課題解決メカニズム
これに対して、本開示の燃料電池100においては、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62が、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向していない。そのため、図5に示されるように、カソード側ガス流路51の水蒸気は、MEGAを透過して、カソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63には流入するものの、カソード側ガス流路51と対向していないアノード側セパレータ補強部62には流入し難い。そのため、アノード側セパレータ補強部62における液水の滞留も抑制され易く、アノード側セパレータ補強部62と対向するカソード側空間部70における液水の侵入も抑制され易く、カソード側空間部70における電解質膜の膨潤も抑制され易い。電解質膜の膨潤が抑制されることにより、燃料電池の耐久性や信頼性が向上する。
4.本開示の燃料電池の構成の他の例
図1~3においては、膜電極接合体10を挟んでカソード側空間部70と対向するアノード側セパレータ補強部62と、膜電極接合体10を挟んでカソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63とを備える燃料電池100を例示したが、本開示の燃料電池の構成はこれに限定されるものではない。図6に示される燃料電池200のように、カソード側ガス流路51と対向するアノード側セパレータ補強部63を省略することも可能である。この場合も、上記したメカニズムによって、カソード側ガス流路51からアノード側セパレータ補強部62へと液水が侵入し難くなり、アノード側セパレータ補強部62と対向するカソード側空間部70における液水の侵入及び滞留を抑制し易くなる。
本開示の燃料電池100、200は、複数積層された燃料電池スタックとされていてもよい。燃料電池をスタック化する手段は特に限定されるものではなく、従来と同様とすればよい。また、本開示の燃料電池100、200は、端子等のその他の必要な構成を備え得る。
5.補足
特許文献1に開示された技術は、燃料電池の発電領域の所定の位置に吸水部材を設けるもので、発電領域における電解質膜の膨潤を抑制するものである。これに対し、本開示の技術は、燃料電池の非発電領域にあるセパレータ補強部における電解質膜の膨潤を抑制するものである。燃料電池の非発電領域においては、上記の通り、実質的にガスの流れが無いことから、液水の滞留の問題が生じ易い。
特許文献1に開示された技術においては、追加部材として吸水部材が必要となることから、部品点数が増加し構造も複雑化する。これに対し、本開示の燃料電池においては、アノード側セパレータの形状を工夫するだけで、電解質膜の膨潤の原因となるカソード側空間部への液水の侵入を抑制することができる。ただし、本開示の燃料電池において吸水部材の存在は排除されない。必要に応じて、吸水部材を配置することも可能である。
特許文献1に開示された技術においては、燃料電池の運転停止時においては、排水先のカソード側ガス流路のガスが止まるため、カソード側空間部からの排水性が弱まる虞がある。これに対し、本開示の技術は、カソード側空間部70にそもそも液水を侵入させ難くするものであることから、排水性に係る問題も生じ難い。
1.課題発生メカニズムの究明
本発明者は、セパレータの流路部の外側に位置する補強部内の液水を可視化する治具を作成し、当該治具を用いて種々の実験を行った。その結果、カソード側ガス流路に加湿ガスを流した場合に、アノード側セパレータ補強部に液水が流入することが分かった。アノード側セパレータ補強部に流入した液水は、カソード側空間部に到達し、当該空間部において膜電極接合体の電解質膜を膨潤させ、膜電極接合体の強度を低下させることが判明した(図4参照)。本発明者は、カソード側空間部における液水の侵入及び電解質膜の膨潤を抑制する技術について種々の検討を行った結果、カソード側空間部と対向するアノード側セパレータ補強部を、カソード側ガス流路に対向させないようにすることが有効であることを見出した。以下、実施例を示しつつ本開示の技術による効果について詳述するが、本開示の技術は以下に示す形態に限定されるものではない。
2.実験条件
図7に示されるように、燃料電池のカソード側ガス流路に加湿空気を20分間流した場合に、アノード側セパレータ補強部において結露が生じるか否かを確認した。アノード側セパレータ補強部の凹凸の位置及び大きさを変更することで、アノード側セパレータ補強部における結露が発生し難い条件を確認した。
2.1 比較例
図8(A)に示されるように、燃料電池において、積層方向視におけるアノード側セパレータ補強部の位置が、カソード側空間部と重なり、且つ、カソード側ガス流路にも0.7mmだけ重なるようにした。
2.2 実施例1
図8(B)に示されるように、燃料電池において、積層方向視におけるアノード側セパレータ補強部の位置が、カソード側空間部と重なる一方で、カソード側ガス流路には重ならず、カソード側ガス流路に対して0.4mmだけ離隔するようにした。すなわち、図2に示される距離Dを0.4mmとした。
2.3 実施例2
図8(C)に示されるように、燃料電池において、積層方向視におけるアノード側セパレータ補強部の位置が、カソード側空間部と重なる一方で、カソード側ガス流路には重ならず、カソード側ガス流路に対して1.4mmだけ離隔するようにした。すなわち、図2に示される距離Dを1.4mmとした。
2.4 評価結果
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2022017869000002
表1に示される結果から明らかなように、膜電極接合体を挟んでカソード側空間部と対向するアノード側セパレータ補強部を、カソード側ガス流路に対向させないようにした場合、カソード側ガス流路に加湿空気を流したとしてもアノード側セパレータ補強部に結露が生じない。そのため、アノード側セパレータ補強部と対向するカソード側空間部にも液水が侵入し難くなり、カソード側空間部における液水の滞留及び電解質膜の膨潤を抑制し易くなる。
10 膜電極接合体
10a 一方側の表面
10ax 周縁領域
10b 他方側の表面
20 樹脂シート
20a 開口領域
20ax 周縁部位
20ay 内側端面
20b 段差
20c~20e 第1マニホールド群
20f~20h 第2マニホールド群
20x 一端
20y 他端
31 カソード側ガス拡散層
31a 外側端面
32 アノード側ガス拡散層
41 カソード側セパレータ
41a 流路用の凹凸
41b 補強用の凹凸
41c~41e 第1マニホールド群
41f~41h 第2マニホールド群
41x 一端
41y 他端
42 アノード側セパレータ
42a 流路用の凹凸
42bx、42by 補強用の凹凸
42c~42e 第1マニホールド群
42f~42h 第2マニホールド群
42x 一端
42y 他端
51 カソード側ガス流路
52 アノード側ガス流路
61 カソード側セパレータ補強部
62、63 アノード側セパレータ補強部
70 カソード側空間部
80 接着層
100、200 燃料電池

Claims (1)

  1. 燃料電池であって、膜電極接合体と、樹脂シートと、カソード側ガス拡散層と、アノード側ガス拡散層と、カソード側セパレータと、アノード側セパレータと、カソード側ガス流路と、アノード側ガス流路と、カソード側セパレータ補強部と、カソード側空間部と、アノード側セパレータ補強部と、を備え、
    前記膜電極接合体は、電解質膜の両面に電極触媒層が接合されてなり、
    前記樹脂シートは、中央に開口領域を有し、前記開口領域の周縁部位が前記膜電極接合体の一方側の表面の周縁領域に重なるようにして前記膜電極接合体を保持し、
    前記カソード側ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、前記開口領域において前記膜電極接合体の一方側の前記電極触媒層に接合され、
    前記アノード側ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材からなり、前記開口領域において前記膜電極接合体の他方側の前記電極触媒層に接合され、
    前記カソード側セパレータは、前記カソード側ガス拡散層の一方側に積層され、
    前記アノード側セパレータは、前記アノード側ガス拡散層の他方側に積層され、
    前記カソード側ガス流路は、前記カソード側セパレータの他方側の表面に設けられた凹凸によって形成され、
    前記アノード側ガス流路は、前記アノード側セパレータの一方側の表面に設けられた凹凸によって形成され、
    前記カソード側セパレータ補強部は、前記カソード側セパレータの前記カソード側ガス流路の外側に設けられた凹凸によって形成され、
    前記カソード側空間部は、前記樹脂シートの前記周縁部位の内側端面と、前記カソード側ガス拡散層の外側端面と、前記カソード側セパレータ補強部の他方側の表面と、前記膜電極接合体の一方側の表面と、の間に存在し、
    前記アノード側セパレータ補強部は、前記アノード側セパレータの前記アノード側ガス流路の外側に設けられた凹凸によって形成され、
    前記膜電極接合体を挟んで前記カソード側空間部と対向する前記アノード側セパレータ補強部は、前記膜電極接合体を挟んで前記カソード側ガス流路と対向していない、
    燃料電池。
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