JP2022016668A - 固体冷凍装置 - Google Patents

固体冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022016668A
JP2022016668A JP2021192213A JP2021192213A JP2022016668A JP 2022016668 A JP2022016668 A JP 2022016668A JP 2021192213 A JP2021192213 A JP 2021192213A JP 2021192213 A JP2021192213 A JP 2021192213A JP 2022016668 A JP2022016668 A JP 2022016668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic refrigeration
flow path
heat medium
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021192213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7436875B2 (ja
JP2022016668A5 (ja
Inventor
允妙 川端
Nobuyo KAWABATA
昭雄 吉本
Akio Yoshimoto
道雄 森脇
Michio Moriwaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2022016668A publication Critical patent/JP2022016668A/ja
Publication of JP2022016668A5 publication Critical patent/JP2022016668A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7436875B2 publication Critical patent/JP7436875B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2321/00Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B2321/002Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects
    • F25B2321/0023Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects with modulation, influencing or enhancing an existing magnetic field
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/04Refrigeration circuit bypassing means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/24Storage receiver heat
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

Figure 2022016668000001
【課題】搬送される熱媒体と、バイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することに起因する、熱媒体の熱ロスを抑制する。
【解決手段】熱媒体回路(C)は、複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)と、第1流路(40)及び第2流路(50)の少なくとも一方に接続されるとともに、熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる動作と、熱媒体が磁気冷凍部(M)をバイパスする動作とを切り換える少なくとも1つのバイパス機構(B)とを有する。
【選択図】図1

Description

本開示は、固体冷凍装置に関する。
特許文献1の磁気冷凍装置は、熱媒体が搬送される主流路に複数の磁気冷凍部が直列に接続される。主流路には、1つの磁気冷凍部をバイパスするバイパス流路が接続される。バイパス流路には、弁が設けられる。磁気冷凍装置では、主流路の熱媒体が搬送機構によって往復流動する。弁がバイパス流路を閉じる状態では、熱媒体が複数の磁気冷凍部を順に流れる動作が行われる。弁がバイパス流路を開ける状態では、熱媒体が1つの磁気冷凍部を流れ、他の1つの磁気冷凍部をバイパスする動作が行われる。
特開2012-255642号公報
特許文献1に記載の磁気冷凍装置では、バイパス流路に熱媒体が溜まり込む。主流路において熱媒体が往復流動する際、バイパス流路に溜まった熱媒体と、搬送された熱媒体とが混合すると、熱媒体の熱ロスが生じてしまう。
本開示の目的は、固体冷凍装置、特に磁気冷凍装置において、搬送される熱媒体と、バイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することに起因する、熱媒体の熱ロスを抑制することである。
第1の態様は、
外部エネルギーに対する熱量効果を発揮する固体冷媒物質(11)と、該固体冷媒物質(11)に熱量効果を誘発させる誘発部(12)とを有する複数の固体冷凍部(M)と、
前記複数の固体冷凍部(M)が接続される熱媒体回路(C)と、
前記熱媒体回路(C)の熱媒体を搬送する搬送機構(20)とを備えた固体冷凍装置であって、
前記熱媒体回路(C)は、
前記複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、
前記複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)と、
前記第1流路(40)及び第2流路(50)の少なくとも一方に接続されるとともに、前記熱媒体が前記固体冷凍部(M)を流れる動作と、該熱媒体が該固体冷凍部(M)をバイパスする動作とを切り換える少なくとも1つのバイパス機構(B)とを有する
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
第1の態様では、バイパス機構(B)により、熱媒体が固体冷凍部(M)を流れる流路と、熱媒体が固体冷凍部(M)をバイパスする流路とを切り換えることができる。バイパス機構(B)を設けると、熱媒体がバイパス流路に溜まり込む。第1の態様では、熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)とを設けている。このため、例えば第1流路(40)のバイパス流路に熱媒体が溜まった場合において、第2熱交換部(32,33,34)に供給される熱媒体と、第1流路(40)のバイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することはない。同様に、例えば第2流路(50)のバイパス流路に熱媒体が溜まった場合において、第1熱交換部(31,33,34)に供給される熱媒体と、第2流路(50)のバイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することがない。したがって、搬送される熱媒体と、バイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することに起因する、熱媒体の熱ロスを抑制できる。
第2の態様は、第1の態様において、
前記バイパス機構(B)は、前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)の双方に接続されるとともに前記複数の固体冷凍部(M)の全てに対応して設けられる。
第2の態様では、全ての固体冷凍部(M)にバイパス機構(B)がそれぞれ設けられる。このため、各バイパス機構(B)において、熱媒体が固体冷凍部(M)を流れる流路と、該熱媒体が固体冷凍部(M)をバイパスする流路とをそれぞれ切り換えることができる。したがって、固体冷凍装置(1)の能力を細かく調節できる。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記複数の固体冷凍部は、前記固体冷媒物質としての磁気作業物質(11)と、該磁気作業物質(11)に磁場変動を付与する前記誘発部としての磁場変調部(12)とをそれぞれ有する複数の磁気冷凍部(M)である
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
換言すると、第3の態様は、
磁気作業物質(11)と、該磁気作業物質(11)に磁場変動を付与する磁場変調部(12)とを有する複数の磁気冷凍部(M)と、
前記磁気冷凍部(M)が接続される熱媒体回路(C)と、
前記熱媒体回路(C)の熱媒体を搬送する搬送機構(20)とを備えた磁気冷凍装置であって、
前記熱媒体回路(C)は、
前記複数の磁気冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、
前記複数の磁気冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)と、
前記第1流路(40)及び第2流路(50)の少なくとも一方に接続されるとともに、前記熱媒体が前記磁気冷凍部(M)を流れる動作と、該熱媒体が該磁気冷凍部(M)をバイパスする動作とを切り換える少なくとも1つのバイパス機構(B)とを有する。
第3の態様では、バイパス機構(B)により、熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる流路と、熱媒体が磁気冷凍部(M)をバイパスする流路とを切り換えることができる。バイパス機構(B)を設けると、熱媒体がバイパス流路に溜まり込む。第1の態様では、熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)とを設けている。このため、例えば第1流路(40)のバイパス流路に熱媒体が溜まった場合において、第2熱交換部(32,33,34)に供給される熱媒体と、第1流路(40)のバイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することはない。同様に、例えば第2流路(50)のバイパス流路に熱媒体が溜まった場合において、第1熱交換部(31,33,34)に供給される熱媒体と、第2流路(50)のバイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することがない。したがって、搬送される熱媒体と、バイパス流路に溜まった熱媒体とが混合することに起因する、熱媒体の熱ロスを抑制できる。
第4の態様は、第3の態様において、
前記複数の磁気冷凍部(M)の各々は、それらの低温端から高温端に向かって、キュリー温度が順に高くなる複数種の磁気作業物質(11)を有するカスケード式である。
第4の態様では、熱媒体を、カスケード式の磁気冷凍部(M)の低温端から高温端に向かって流しながら、この磁気冷凍部(M)で熱媒体を加熱できる。この場合、磁気冷凍部(M)の各磁気作業物質(11)における磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の加熱能力を増大できる。あるいは、熱媒体を、カスケード式の磁気冷凍部(M)の高温端から低温端に向かって流しながら、この磁気冷凍部(M)で熱媒体を冷却できる。この場合、磁気冷凍部(M)の各磁気作業物質(11)における磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の冷却能力を増大できる。
第5の態様は、第4の態様において、
前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)には、前記複数の磁気冷凍部(M)のそれぞれのキュリー温度の平均値が順に高くなるように、該複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される。
第5の態様では、熱媒体を、キュリー温度の平均値が低い磁気冷凍部(M)から高い磁気冷凍部(M)の順に流しながら、これらの磁気冷凍部(M)で熱媒体を加熱できる。この場合、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の加熱能力を増大できる。あるいは、熱媒体を、キュリー温度の平均値が高い磁気冷凍部(M)から低い磁気冷凍部(M)の順に流しながら、これらの磁気冷凍部(M)で熱媒体を冷却できる。この場合、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の冷却能力を増大できる。
第6の態様は、第3の態様において、
前記複数の磁気冷凍部(M)は、1つの磁気作業物質(11)を有する単層式であり、
前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)には、前記複数の磁気冷凍部(M)の各々の磁気作業物質(11)のキュリー温度が順に高くなるように、該複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される。
第6の態様では、熱媒体を、キュリー温度が低い単層式の磁気冷凍部(M)、該キュリー温度が高い単層式の磁気冷凍部(M)の順に流しながら、これらの磁気冷凍部(M)で熱媒体を加熱できる。この場合、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の加熱能力を増大できる。あるいは、熱媒体を、キュリー温度が高い単層式の磁気冷凍部(M)、該キュリー温度が低い単層式の磁気冷凍部(M)の順に流しながら、これらの磁気冷凍部(M)で熱媒体を冷却できる。この場合、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を向上でき、熱媒体の冷却能力を増大できる。
第7の態様は、第3の態様において、
隣り合う2つの磁気冷凍部(M)の動作温度域の一部が重なる。
なお、ここでいう動作温度域は、磁気冷凍部(M)の磁気作業物質(11)の全体において、磁気熱量効果を少しでも得られる温度範囲をいう。したがって、この動作温度域は、単層式、カスケード式などの磁気冷凍部の方式に依らない。
熱媒体が磁気冷凍部(M)をバイパスすることに起因して、この磁気冷凍部(M)に隣接する磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が大きく変化する可能性がある。加えて、磁気冷凍部(M)をバイパスしていた熱媒体がこの磁気冷凍部(M)を流れることに起因して、この磁気冷凍部(M)に隣接する磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が大きく変化する可能性がある。第7の態様では、隣り合う2つの磁気冷凍部(M)の動作温度域の一部が重なるため、バイパス動作の切換に伴い熱媒体の温度が変化することに起因して、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
第8の態様は、第7の態様において、
前記複数の磁気冷凍部(M)の各々は、それらの低温端から高温端に向かって、キュリー温度が順に高くなる複数種の磁気作業物質(11)を有するカスケード式であり、
隣り合う磁気冷凍部(M)は、各々の端部側の磁気作業物質(11)の動作温度域の一部又は全部が重なる領域を有するように構成され、
前記重なる領域の磁気熱量効果の最大値が、隣り合う磁気冷凍部(M)の前記端部側の磁気作業物質(11)における磁気熱量効果の最大値の平均値の1/2以上である。
第8の態様では、隣り合うカスケード式の磁気冷凍部(M)の端部側の磁気作業物質(11)において、これらの動作温度域の重なる領域が比較的大きくなる。このため、バイパス動作の切換に伴い熱媒体の温度が変化することに起因して、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
第9の態様は、第7の態様において、
前記複数の磁気冷凍部(M)は、1種の磁気作業物質(11)を有する単層式であり、
隣り合う磁気冷凍部(M)は、各々の磁気作業物質(11)の動作温度域の一部が重なる領域を有するように構成され、
前記重なる領域の磁気熱量効果の最大値が、前記隣り合う磁気冷凍部(M)の各々の磁気作業物質(11)における磁気熱量効果の最大値の平均値の1/2以上である。
第9の態様では、隣り合う単層式の磁気冷凍部(M)の各磁気作業物質(11)において、これらの動作温度域が重なる領域が比較的大きくなる。このため、バイパス動作の切換に伴い熱媒体の温度が変化することに起因して、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
第10の態様は、
第4又は第5の態様において、
前記複数種の磁気作業物質(11)は、それらの端部に対応する端部側磁気作業物質(11c,11d)と、それらの両端の間の中間部に対応する中間側磁気作業物質(11b,11e)とを含み、
前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の幅が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の動作温度域の幅よりも広い。
第10の態様では、各磁気冷凍部(M)の端部側磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の幅が、中間側磁気作業物質(11b,11e)の動作温度域の幅よりも広い。このため、バイパス動作の切換に伴い熱媒体の温度が変化することに起因して、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の端部側磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
第11の態様は、第4又は第5の態様において、
前記複数種の磁気作業物質(11)は、それらの端部に対応する端部側磁気作業物質(11c,11d)と、それらの両端の間の中間部に対応する中間側磁気作業物質(11b,11e)とを含み、
前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きい。
第11の態様では、各磁気作業物質(11)の端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値が、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値より大きい。このため、バイパス動作の切換に伴い熱媒体の温度が変化しても、この熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域を外れないように、該熱媒体を端部側磁気作業物質(11c,11d)によって十分に加熱または冷却できる。
第12の態様は、第11の態様において、
前記磁場変調部(12)は、前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁束密度の変化量を、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁束密度の変化量よりも大きくする。
第12の態様では、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁束密度の変化量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁束密度の変化量よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。
第13の態様は、第11又は第12の態様において、
前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の断熱温度変化、又はエントロピー変化が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の断熱温度変化、又はエントロピー変化よりも大きい。
第13の態様では、端部側磁気作業物質(11c,11d)の断熱温度変化を中間側磁気作業物質(11b,11e)の断熱温度変化よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。あるいは、端部側磁気作業物質(11c,11d)のエントロピー変化を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の断熱温度変化よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。
第14の態様は、第11~13のいずれか1つの態様において、
前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きい。
第14の態様では、端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。
第15の態様は、第14の態様において、端部側磁気作業物質(11c,11d)の充填率、又は容積が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の充填率、又は容積よりも大きい。
第15の態様では、端部側磁気作業物質(11c,11d)の充填率を中間側磁気作業物質(11b,11e)の充填率よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量が大きくなり、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。あるいは、端部側磁気作業物質(11c,11d)の容積を中間側磁気作業物質(11b,11e)の容積よりも大きくすることにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量が大きくなり、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果が大きくなる。
第16の態様は、第1~第15のいずれか1つの態様において、前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)の少なくとも一方には、前記固体冷凍部、特に前記磁気冷凍部(M)をバイパスした熱媒体が流れる蓄熱部(81,82,84,85)が設けられる。
第16の態様では、磁気冷凍部(M)をバイパスした熱媒体が、蓄熱部(81,82,84,85)を流れる。蓄熱部(81,82,84,85)では、熱媒体の温熱及び/又は冷熱が蓄えられる。これにより、バイパスの切換に伴い熱媒体の温度が変化をしても、次の磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の急激な温度変化を蓄熱部(81,82,84,85)により抑制できる。磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度変化が小さくなると、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
第17の態様は、複数の磁気冷凍部(M)は、一部の磁気冷凍部である第3磁気冷凍部(ML,MH)と、それ以外の他の磁気冷凍部である第4磁気冷凍部(MM)とを含み、前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の動作温度域が前記第4磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の動作温度域よりも広い
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
第17の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の動作温度域を広くすることで、第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の数を減らすことができる。具体的には、第3磁気冷凍部(ML,MH)を単層式としたり、カスケード式の第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の数を減らしたりできる。これにより、第3磁気冷凍部(ML,MH)の構造の簡素化、低コスト化を図ることができる。
第18の態様は、第17の態様において、
前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の量が、前記第4磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の量よりも大きい
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の動作温度域を広くすると、第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気熱量効果が低下する傾向にある。第18の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の量を大きくすることで、第3磁気冷凍部(ML,MH)の放熱能力や吸熱能力を高めることができる。
第19の態様は、第17又は第18において、
前記バイパス機構(B)は、前記第3磁気冷凍部(ML,MH)に対応して設けられる。
第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の数を減らすと、第3磁気冷凍部(ML,MH)の効率が低下する可能性がある。第19の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)に対応するバイパス機構(B)を設けることで、必要なときに第3磁気冷凍部(ML,MH)を補助的に利用できる。第3磁気冷凍部(ML,MH)を作動させないときには、熱媒体が第3磁気冷凍部(ML,MH)をバイパスすることで、圧力損失を低減できる。
第20の態様は、第17~第19のいずれか1つの態様において、前記固体冷凍装置の運転において、前記熱媒体の温度が前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度が、前記熱媒体の温度が前記第4磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域内に至る頻度よりも少ない
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
第20の態様では、固体冷凍装置の運転において、熱媒体の温度が第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度が比較的少ない。このため、第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の数を減らしたとしても、固体冷凍装置の全運転を考慮した場合には、運転効率の低下の影響は小さくなる。
第21の態様は、第17~20のいずれか1つの態様において、
前記第4磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域は、中温域であり、
前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域は、低温域または高温域である
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
ここで、「低温域」、「中温域」、および「高温域」は、以下のように定義される。複数の磁気冷凍部(M)の全体としての動作温度域を、同じ温度幅において3つに区分する。この場合に、温度が最も低い温度域を「低温域」、温度が最も高い温度域を「高温域」、低温域と高温域との間の温度域を「中温域」とする。
第21の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域が、低温域または高温域である。これにより、熱媒体の温度が第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度は、第4磁気冷凍部(MM)のそれよりも少なくなる。
第22の態様は、第17~第21のいずれか1つの態様において、前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記複数の磁気冷凍部(M)の端部寄りに設けられる。
第22の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)が複数の磁気冷凍部(M)の端部寄りに設けられる。これにより、熱媒体の温度が第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度は少なくなる。
第23の態様は、第22の態様において、
前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記複数の磁気冷凍部(M)の両端にそれぞれ設けられる
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
第23の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)が複数の磁気冷凍部(M)の両端にそれぞれ設けられる。これにより、熱媒体の温度が各々の第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度は少なくなる。
第24の態様は、第17~第23のいずれか1つの態様において、
前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記第1熱交換部(31,33,34)および前記第2熱交換部(32,33,34)の少なくとも一方を構成する室外熱交換器(34)寄りに設けられる
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
室外熱交換器(34)を流れる熱媒体の温度は、外気温度の影響により大きく変化する。第24の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)が室外熱交換器(34)寄りに設けられるので、熱媒体の温度が第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度が少なくなる。
第25の態様は、第24の態様において、前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記室外熱交換器(34)に隣接して設けられる
ことを特徴とする固体冷凍装置である。
室外熱交換器(34)を流れる熱媒体の温度は、外気温度の影響により大きく変化する。第25の態様では、第3磁気冷凍部(ML,MH)が室外熱交換器(34)に隣接して設けられるため、熱媒体の温度が第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度が少なくなる。
図1は、実施形態1の磁気冷凍装置の配管系統図である。 図2は、実施形態1の磁気冷凍装置の制御器と、他の機器との関係を示すブロック図である。 図3は、実施形態1の第1磁気冷凍部及び第2磁気冷凍部のそれぞれの、磁気作業物質の特性を示すグラフである。 図4は、実施形態1の隣り合う磁気作業物質の特性を示すグラフである。 図5は、実施形態1の通常加熱動作の熱媒体の流れを付した、図1に対応する図である。 図6は、実施形態1の通常冷却動作の熱媒体の流れを付した、図1に対応する図である。 図7は、実施形態1の第1バイパス加熱動作の熱媒体の流れを付した、図1に対応する図である。 図8は、実施形態1の第2バイパス加熱動作の熱媒体の流れを付した、図1に対応する図である。 図9は、実施形態1の第1バイパス冷却動作の熱媒体の流れを付した、図1に対応する図である。 図10は、実施形態1の第2バイパス冷却動作の流れを付した、図1に対応する図である。 図11は、実施形態2の第1磁気冷凍部及び第2磁気冷凍部のそれぞれの、磁気作業物質の特性を示すグラフである。 図12は、実施形態3の磁気冷凍装置の配管系統図である。 図13は、実施形態3の変形例1における磁気冷凍装置の配管系統図である。 図14は、実施形態3の変形例2における磁気冷凍装置の配管系統図である。 図15は、実施形態4における磁気冷凍装置の配管系統図である。 図16は、実施形態4の第1動作の熱媒体の流れを付した、図15に対応する図である。 図17は、実施形態4の第2動作の熱媒体の流れを付した、図15に対応する図である。 図18は、実施形態4の第3動作の熱媒体の流れを付した、図15に対応する図である。 図19は、実施形態4の第4動作の熱媒体の流れを付した、図15に対応する図である。 図20は、変形例Aにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図21は、変形例Bにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図22は、変形例Cにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図23は、変形例Dにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図24は、変形例Eにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図25は、変形例Fにおける磁気冷凍装置の図3に相当する図である。 図26は、実施形態5の磁気冷凍装置の配管系統図である。 図27は、実施形態5の第1動作の熱媒体の流れを付した、図26に対応する図である。 図28は、実施形態5の第2動作の熱媒体の流れを付した、図26に対応する図である。 図29は、実施形態5の第3動作の熱媒体の流れを付した、図26に対応する図である。 図30は、実施形態5の第4動作の熱媒体の流れを付した、図26に対応する図である。 図31は、実施形態5に係る磁気冷凍装置の各運転の温度範囲と、複数の磁気冷凍部の特性との関係を示した模式図である。 図32は、実施形態6の磁気冷凍装置の配管系統図である。 図33は、実施形態6の第1動作の熱媒体の流れを付した、図32に対応する図である。 図34は、実施形態6の第2動作の熱媒体の流れを付した、図32に対応する図である。 図35は、実施形態6の第3動作の熱媒体の流れを付した、図32に対応する図である。 図36は、実施形態6の第4動作の熱媒体の流れを付した、図32に対応する図である。 図37は、変形例Gにおける磁気冷凍装置の各運転の温度範囲を示した模式図である。 図38は、変形例Hにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図39は、変形例Hにおける磁気冷凍装置の各運転の温度範囲を示した模式図である。 図40は、変形例Iにおける磁気冷凍装置の配管系統図である。 図41は、変形例Iにおける磁気冷凍装置の各運転の温度範囲を示した模式図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本実施形態の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する。磁気冷凍装置(1)は、例えば空気調和装置に適用される。磁気冷凍装置(1)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置である。
図1に示すように、磁気冷凍装置(1)は、熱媒体が充填される熱媒体回路(C)を備える。熱媒体回路(C)では、充填された熱媒体が搬送される。熱媒体は、例えば冷媒、水、ブラインなどを含む。
磁気冷凍装置(1)は、主として、固体冷凍部としての複数の磁気冷凍部(M)、搬送機構(20)、第1熱交換器(31)、及び第2熱交換器(32)を備える。複数の磁気冷凍部(M)、搬送機構(20)、第1熱交換器(31)、及び第2熱交換器(32)は、熱媒体回路(C)に接続される。
〈磁気冷凍部〉
複数の磁気冷凍部(M)は、第1磁気冷凍部(M1)と第2磁気冷凍部(M2)とで構成される。なお、以下の説明においては、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)を総称して、単に磁気冷凍部(M)と述べる場合もある。
磁気冷凍部(M)は、ベッド(10)と、固体冷媒物質としての磁気作業物質(11)と、磁場変調部(12)とを備える。ベッド(10)は、中空状のケースないしカラムである。ベッド(10)の内部には、磁気作業物質(11)が充填される。ベッド(10)の内部には、熱媒体が往復流動する内部流路(13)が形成される。
磁気作業物質(11)は、磁場が印加される、あるいは印加された磁場が強くなることにより、発熱する。磁気作業物質(11)は、磁場が除去される、あるいは印加された磁場が弱くなると吸熱する。磁気作業物質(11)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.54、La(Fe1-xSix13、La(Fe1-xCoxSiy13、La(Fe1-xSix13y、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
本実施形態の磁気冷凍部(M)は、カスケード式である。磁気冷凍部(M)は、キュリー温度が異なる複数種の磁気作業物質(11)を有する(詳細は後述する)。
磁場変調部(12)は、固体冷媒物質としての磁気作業物質(11)に熱量効果を誘発させる誘発部である。磁場変調部(12)は、磁気作業物質(11)に磁場変動を付与する。磁場変調部(12)は、磁気作業物質(11)に付与される磁場の強さを調節する。磁場変調部(12)は、例えば磁場を変調可能な電磁石で構成される。磁場変調部(12)は、第1変調動作と第2変調動作とを行う。第1変調動作では、磁気作業物質(11)に磁場を印加する、あるいは印加された磁場を強くする。第2変調動作では、磁気作業物質(11)に印加された磁場を取り除く、あるいは印加された磁場を弱くする。
〈搬送機構〉
搬送機構(20)は、熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する。搬送機構(20)は、往復式ポンプ(21)を含む。往復式ポンプ(21)は、ピストンポンプで構成される。往復式ポンプ(21)は、ポンプケース(22)と、ピストン(23)と、駆動機構(図示省略)とを有する。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部に配置される。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部を2つの室に区画する。往復式ポンプ(21)には、第1開口(24)と第2開口(25)とが設けられる。ポンプケース(22)の一方の室が第1開口(24)と連通し、他方の室が第2開口(25)と連通する。
駆動機構は、ピストン(23)に連結するロッドと、該ロッドに連結するクランクと、該クランクを駆動する電動機とを有する。電動機がクランクを回転駆動すると、ロッドが進退する。これにより、ポンプケース(22)内でピストン(23)の往復運動が行われる。
搬送機構(20)は、第1搬送動作と第2搬送動作とを交互に繰り返し行う。図5に示す第1搬送動作では、ピストン(23)が第1開口(24)側に移動する。すると、ポンプケース(22)内の熱媒体が第1開口(24)から吐出される。同時に熱媒体が第2開口(25)からポンプケース(22)内に吸い込まれる。図6に示す第2搬送動作では、ピストン(23)が第2開口(25)側に移動する。すると、ポンプケース(22)内の熱媒体が第2開口(25)から吐出される。同時に熱媒体が第1開口(24)からポンプケース(22)内に吸い込まれる。
〈第1熱交換器及び第2熱交換器〉
第1熱交換器(31)及び第2熱交換器(32)は、熱媒体回路(C)が流れる熱媒体と、対象となる流体とを熱交換せる。本実施形態では、第1熱交換器(31)及び第2熱交換器(32)が、空気熱交換器で構成される。第1熱交換器(31)及び第2熱交換器(32)は、熱媒体回路(C)の熱媒体と空気とを熱交換させる。
第1熱交換器(31)は、低温側熱交換器を構成する。言い換えると、第1熱交換器(31)は、空気から熱媒体に熱を奪う吸熱器である。第2熱交換器(32)は、高温側熱交換器を構成する。言い換えると、第2熱交換器(32)は、熱媒体から熱へ空気を放出する放熱器である。第1熱交換器(31)は、本開示の第1熱交換部に対応する。第2熱交換器(32)は、本開示の第2熱交換部に対応する。
〈熱媒体回路〉
熱媒体回路(C)は、主として、第1流路(40)、第2流路(50)、第1搬送流路(61)、及び第2搬送流路(62)を備える。熱媒体回路(C)は、複数のバイパス機構(B)を備える。
〈第1流路〉
第1流路(40)は、熱媒体を第1熱交換器(31)へ供給する流路である。第1流路(40)の流入端は、第2熱交換器(32)の流出端に接続する。第1流路(40)の流出端は、第1熱交換器(31)の流入端に接続する。第1流路(40)は、第1上流路(41)、第1中間路(42)、及び第1下流路(43)を含む。第1流路(40)は、各磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)を含む。第1流路(40)では、第1上流路(41)、第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)、第1中間路(42)、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)、及び第1下流路(43)が順に接続する。
第1流路(40)では、各磁気冷凍部(M)の上流側に第1逆止弁(CV1)がそれぞれ設けられる。第1流路(40)では、各磁気冷凍部(M)の下流側に第2逆止弁(CV2)がそれぞれ設けられる。第1逆止弁(CV1)及び第2逆止弁(CV2)は、第2熱交換器(32)側から第1熱交換器(31)側の熱媒体の流れを許容し、その逆の流れを禁止する。
〈第2流路〉
第2流路(50)は、熱媒体を第2熱交換器(32)へ供給する流路である。第2流路(50)の流入端は、第1熱交換器(31)の流出端に接続する。第2流路(50)の流出端は、第2熱交換器(32)の流入端に接続する。第2流路(50)は、第2上流路(51)、第2中間路(52)、及び第2下流路(53)を含む。第2流路(50)は、各磁気冷凍部(M)の内部流路(13)を含む。第2流路(50)では、第2上流路(51)、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)、第2中間路(52)、第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)、及び第2下流路(53)が順に接続する。
第2流路(50)では、各磁気冷凍部(M)の上流側に第3逆止弁(CV3)がそれぞれ設けられる。第2流路(50)では、各磁気冷凍部(M)の下流側に第4逆止弁(CV4)がそれぞれ設けられる。第3逆止弁(CV3)及び第4逆止弁(CV4)は、第1熱交換器(31)側から第2熱交換器(32)側の熱媒体の流れを許容し、その逆の流れを禁止する。
第1流路(40)及び第2流路(50)は、互いに逆向きの熱媒体の流れのみが許容されている。
〈第1搬送流路〉
第1搬送流路(61)の流入端は、往復式ポンプ(21)の第1開口(24)に接続する。第1搬送流路(61)の流出端は、第2上流路(51)における第1熱交換器(31)と、第3バイパス流路(67)の流入端との間に接続する。
〈第2搬送流路〉
第2搬送流路(62)の流入端は、往復式ポンプ(21)の第2開口(25)に接続する。第2搬送流路(62)の流出端は、第1上流路(41)における第2熱交換器(32)と、第1バイパス流路(63)の流入端との間に接続する。
〈バイパス機構〉
複数のバイパス機構(B)は、第1バイパス機構(B1)、第2バイパス機構(B2)、第3バイパス機構(B3)、及び第4バイパス機構(B4)で構成される。バイパス機構(B)は、熱媒体回路(C)において、熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる動作と、熱媒体が磁気冷凍部(M)をバイパスする動作とを切り換える。
〈第1バイパス機構〉
第1バイパス機構(B1)は、第1流路(40)に接続される。第1バイパス機構(B1)は、第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)に対応する。第1バイパス機構(B1)は、第1流路(40)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)を流れる流路と、第1流路(40)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)をバイパスする流路とを切り換える。
具体的には、第1バイパス機構(B1)は、第1バイパス流路(63)と第1制御弁(64)とを有する。第1バイパス流路(63)の流入端は、第1上流路(41)における、第2搬送流路(62)の接続端と、第1磁気冷凍部(M1)側の第1逆止弁(CV1)との間に接続する。第1バイパス流路(63)の流出端は、第1中間路(42)における、第1磁気冷凍部(M1)側の第2逆止弁(CV2)と、第2磁気冷凍部(M2)側の第1逆止弁(CV1)との間に接続する。
第1バイパス流路(63)は、第1上流部(63a)と、第1下流部(63b)とを含む。第1バイパス流路(63)の第1下流部(63b)は、第2バイパス流路(65)の第2上流部(65a)を兼用する。第1制御弁(64)は、第1バイパス流路(63)を開閉する開閉弁である。第1制御弁(64)は、第1上流部(63a)に設けられる。
〈第2バイパス機構〉
第2バイパス機構(B2)は、第1流路(40)に接続される。第2バイパス機構(B2)は、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)に対応する。第2バイパス機構(B2)は、第1流路(40)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)を流れる流路と、第1流路(40)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)をバイパスする流路とを切り換える。
具体的には、第2バイパス機構(B2)は、第2バイパス流路(65)と第2制御弁(66)とを有する。第2バイパス流路(65)の流入端は、第1中間路(42)における第1磁気冷凍部(M1)側の第2逆止弁(CV2)と、第2磁気冷凍部(M2)側の第1逆止弁(CV1)との間に接続する。第2バイパス流路(65)の流出端は、第1下流路(43)における第2磁気冷凍部(M2)側の第2逆止弁(CV2)と第1熱交換器(31)との間に接続する。
第2バイパス流路(65)は、第2上流部(65a)と、第2下流部(65b)とを含む。第2制御弁(66)は、第2バイパス流路(65)を開閉する開閉弁である。第2制御弁(66)は、第2下流部(65b)に設けられる。
〈第3バイパス機構〉
第3バイパス機構(B3)は、第2流路(50)に接続される。第3バイパス機構(B3)は、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)に対応する。第3バイパス機構(B3)は、第2流路(50)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)を流れる流路と、熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)をバイパスする流路とを切り換える。
具体的には、第3バイパス機構(B3)は、第3バイパス流路(67)と第3制御弁(68)とを有する。第3バイパス流路(67)の流入端は、第2上流路(51)における、第1搬送流路(61)の接続端と、第2磁気冷凍部(M2)側の第3逆止弁(CV3)との間に接続する。第3バイパス流路(67)の流出端は、第2中間路(52)における第2磁気冷凍部(M2)側の第4逆止弁(CV4)と、第1磁気冷凍部(M1)側の第3逆止弁(CV3)との間に接続する。
第3バイパス流路(67)は、第3上流部(67a)と、第3下流部(67b)とを含む。第3バイパス流路(67)の第3下流部(67b)は、第4バイパス流路(69)の第4上流部(69a)を兼用する。第3制御弁(68)は、第3バイパス流路(67)を開閉する開閉弁である。第3制御弁(68)は、第3上流部(67a)に設けられる。
〈第4バイパス機構〉
第4バイパス機構(B4)は、第2流路(50)に接続される。第4バイパス機構(B4)は、第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)に対応する。第4バイパス機構(B4)は、第2流路(50)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)を流れる流路と、第2流路(50)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)をバイパスする流路とを切り換える。
具体的には、第4バイパス機構(B4)は、第4バイパス流路(69)と第4制御弁(70)とを有する。第4バイパス流路(69)の流入端は、第2中間路(52)における第2磁気冷凍部(M2)の第4逆止弁(CV4)と、第1磁気冷凍部(M1)側の第3逆止弁(CV3)との間に接続する。第4バイパス流路(69)の流出端は、第2下流路(53)における、第1磁気冷凍部(M1)側の第4逆止弁(CV4)と第2熱交換器(32)との間に接続する。
第4バイパス流路(69)は、第4上流部(69a)と、第4下流部(69b)とを含む。第4制御弁(70)は、第4バイパス流路(69)を開閉する開閉弁である。第4制御弁(70)は、第4下流部(69b)に設けられる。
第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)は、流量が調節可能な流量調節弁であってもよい。
〈制御器〉
図2に示すように、磁気冷凍装置(1)は、制御器(100)を備える。制御器(100)は、磁場変調部(12)と、搬送機構(20)と、バイパス機構(B)とを制御する。より詳細には、制御器(100)は、運転指令に応じて、各バイパス機構(B)の各制御弁(64,66,68,70)を制御する。制御器(100)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。
〈磁気作業物質の詳細〉
第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)は、それぞれカスケード式である。第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)は、キュリー温度が異なる複数種(本例では3つ)の磁気作業物質(11)を有する。キュリー温度は、磁気作業物質(11)の磁気熱量効果が最も高くなる温度である。カスケード式の磁気冷凍部(M)における磁気作業物質(11)の数は、2つ又は4つ以上であってもよい。
図3に示すように、第2磁気冷凍部(M2)では、その低温端から高温端に向かって、第1磁気作業物質(11a)、第2磁気作業物質(11b)、及び第3磁気作業物質(11c)が順に並んでいる。第1磁気冷凍部(M1)は、その低温端から高温端に向かって、第4磁気作業物質(11d)、第5磁気作業物質(11e)、及び第6磁気作業物質(11f)が順に並んでいる。図3は、第1磁気作業物質(11a)の動作温度域を曲線a、第2磁気作業物質(11b)の動作温度域を曲線b、第3磁気作業物質(11c)の動作温度域を曲線c、第4磁気作業物質(11d)の動作温度域を曲線d、第5磁気作業物質(11e)の動作温度域を曲線e、第6磁気作業物質(11f)の動作温度域を曲線fとして示している。
第1磁気作業物質(11a)のキュリー温度Tc1、第2磁気作業物質(11b)のキュリー温度Tc2、第3磁気作業物質(11c)のキュリー温度Tc3、第4磁気作業物質(11d)のキュリー温度をTc4、第5磁気作業物質(11e)のキュリー温度Tc5、第6磁気作業物質(11f)のキュリー温度をTc6とすると、Tc1<Tc2<Tc3<Tc4<Tc5<Tc6の関係を満たす。
第1流路(40)及び第2流路(50)では、複数(本例では2つ)の磁気冷凍部(M)のキュリー温度の平均値が順に高くなるように、これらの磁気冷凍部(M)が直列に接続される。具体的には、第1磁気冷凍部(M1)のキュリー温度の平均値T1は、第2磁気冷凍部(M2)のキュリー温度の平均値T2よりも高い。本例において、T1は、T1=(Tc4+Tc5+Tc6)/3の関係式で表される。T2は、T2=(Tc1+Tc2+Tc3)/3の関係式で表される。
熱媒体回路(C)では、隣り合う磁気冷凍部(M)の動作温度域の一部が重なる。具体的には、第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c)の動作温度域と、第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d)の動作温度域の一部が重なる。第3磁気作業物質(11c)は、第2磁気冷凍部(M2)の端部側の磁気作業物質である。第4磁気作業物質(11d)は、第1磁気冷凍部(M1)の端部側の磁気作業物質である。より詳細には、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)は、以下の関係を満たすように構成される。
第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)において、互いに隣り合う端部側の磁気作業物質(第3磁気作業物質(11c)と第4磁気作業物質(11d))に注目する。第3磁気作業物質(11c)のキュリー温度Tc3に対応する磁気熱量効果をEm2、第4磁気作業物質(11d)のキュリー温度Tc4に対応する磁気熱量効果をEm1とする。Em2は、第3磁気作業物質(11c)の磁気熱量効果の最大値である。Em1は、第4磁気作業物質(11d)の磁気熱量効果の最大値である。Em1とEm2の平均値をEaveとする。第3磁気作業物質(11c)の動作温度域と、第4磁気作業物質(11d)の動作温度域との重なる領域Aにおける磁気熱量効果の最大値をEpとする。図4において、この重なる領域Aにハッチングを付している。
本例において、磁気熱量効果Epは、Em1とEm2の平均値Eaveの1/2以上である。言い換えると、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)は、下記の(1)式を満たすように構成される。
Ep≧((Em1+Em2)/2)×(1/2)・・・・(1)
本例では、隣り合う端部側の磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の一部が互いに重なっている。しかしながら、隣り合う端部側の磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の全部が互いに重なってもよい。この場合にも、隣り合う磁気冷凍部(M)は、上記(1)式を満たすことになる。
-運転動作-
磁気冷凍装置(1)の運転動作について図5~図10を参照しながら説明する。なお、図5以降の図面においては、磁場変調部(12)の図示を省略している。磁気冷凍装置(1)は、加熱動作と冷却動作とを交互に繰り返し行う。加熱動作は、通常加熱動作、第1バイパス加熱動作、第2バイパス加熱動作を含む。冷却動作は、通常冷却動作、第1バイパス加熱動作、第2バイパス加熱動作を含む。磁気冷凍装置(1)の通常の運転では、通常加熱動作と、通常冷却動作とが交互に繰り返し行われる。第1バイパス加熱動作、第2バイパス加熱動作、第1バイパス冷却動作、及び第2バイパス冷却動作は、磁気冷凍装置(1)の熱負荷、運転条件、必要能力などに応じて適宜実行される。なお、以下の説明では、第1バイパス加熱動作、第2バイパス加熱動作、第1バイパス冷却動作、及び第2バイパス冷却動作を総称して、バイパス動作と述べる場合もある。
〈通常加熱動作〉
図5に示す通常加熱動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第1変調動作を行う。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
通常加熱動作では、第2流路(50)を流れる熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により加熱される。加熱された熱媒体は、放熱器である第2熱交換器(32)に供給される。第2熱交換器(32)では、熱媒体が空気に放熱する。なお、図面において、放熱器となる熱交換器にはハッチングを付している。
より詳細には、往復式ポンプ(21)の第1開口(24)から吐出された比較的低温の熱媒体は、第1搬送流路(61)、第2上流路(51)、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)を順に流れる。第2磁気冷凍部(M2)では、第1磁気作業物質(11a)、第2磁気作業物質(11b)、及び第3磁気作業物質(11c)の順で、熱媒体が加熱される。第2磁気冷凍部(M2)では、低温端から高温端に向かって順に、磁気作業物質(11a,11b,11c)のキュリー温度が高い。このため、第2磁気冷凍部(M2)では、各磁気作業物質(11a,11b,11c)において、比較的大きな磁気熱量効果を得ることができる。
第2磁気冷凍部(M2)で加熱された熱媒体は、第2中間路(52)、第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)を順に流れる。第1磁気冷凍部(M1)では、第4磁気作業物質(11d)、第5磁気作業物質(11e)、及び第6磁気作業物質(11f)の順で、熱媒体が加熱される。第1磁気冷凍部(M1)では、低温端から高温端に向かって順に、磁気作業物質(11d,11e,11f)のキュリー温度が高い。このため、第1磁気冷凍部(M1)では、各磁気作業物質(11d,11e,11f)において、比較的大きな磁気熱量効果を得ることができる。
第1磁気冷凍部(M1)で加熱された熱媒体は、第2下流路(53)、第2熱交換器(32)を順に流れる。第2熱交換器(32)では、熱媒体が空気へ放熱し、空気が加熱される。第2熱交換器(32)で放熱した熱媒体は、第2搬送流路(62)を流れ、往復式ポンプ(21)の第2開口(25)に吸い込まれる。
〈通常冷却動作〉
図6に示す通常冷却動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第2変調動作を行う。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
通常冷却動作では、第1流路(40)を流れる熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により冷却される。冷却された熱媒体は、吸熱器である第1熱交換器(31)に供給される。第1熱交換器(31)では、熱媒体が空気から吸熱する。なお、図面において、吸熱器となる熱交換器にはドットを付している。
より詳細には、往復式ポンプ(21)の第2開口(25)から吐出された比較的高温の熱媒体は、第2搬送流路(62)、第1上流路(41)、第1磁気冷凍部(M1)を順に流れる。第1磁気冷凍部(M1)では、第6磁気作業物質(11f)、第5磁気作業物質(11e)、及び第4磁気作業物質(11d)の順で、熱媒体が冷却される。第1磁気冷凍部(M1)では、高温端から低温端に向かって順に、磁気作業物質(11d,11e,11f)のキュリー温度が低い。このため、第1磁気冷凍部(M1)では、各磁気作業物質(11d,11e,11f)において、比較的大きな磁気熱量効果を得ることができる。
第1磁気冷凍部(M1)で冷却された熱媒体は、第1中間路(42)、第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)を順に流れる。第2磁気冷凍部(M2)では、第3磁気作業物質(11c)、第2磁気作業物質(11b)、及び第1磁気作業物質(11a)の順で、熱媒体が冷却される。第2磁気冷凍部(M2)では、高温端から低温端に向かって順に、磁気作業物質(11a,11b,11c)のキュリー温度が低い。このため、第2磁気冷凍部(M2)では、各磁気作業物質(11a,11b,11c)において、比較的大きな磁気熱量効果を得ることができる。
第2磁気冷凍部(M2)で冷却された熱媒体は、第1下流路(43)、第1熱交換器(31)を順に流れる。第1熱交換器(31)では、熱媒体が空気から吸熱し、空気が冷却される。第1熱交換器(31)で吸熱した熱媒体は、第1搬送流路(61)を流れ、往復式ポンプ(21)の第1開口(24)に吸い込まれる。
〈第1バイパス加熱動作〉
図7に示す第1バイパス加熱動作では、第1磁気冷凍部(M1)の磁場変調部(12)が、第1変調動作を行う。第2磁気冷凍部(M2)は実質的に機能しない。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第4制御弁(70)を閉じ、第3制御弁(68)を開ける。
第1バイパス加熱動作では、第2流路(50)を流れる熱媒体が、第2磁気冷凍部(M2)をバイパスする。具体的には、第2上流路(51)の熱媒体は、第3バイパス流路(67)、第2中間路(52)、第1磁気冷凍部(M1)を順に流れる。第1磁気冷凍部(M1)で加熱された熱媒体は、第2下流路(53)を流れ、第2熱交換器(32)で空気へ放熱する。
第1バイパス加熱動作において、第3制御弁(68)を開けた状態では、第2上流路(51)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)を流れることはほとんどない。第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)には磁気作業物質(11)が充填されるため、内部流路(13)の流路抵抗が極めて高いからである。
〈第2バイパス加熱動作〉
図8に示す第2バイパス加熱動作では、第2磁気冷凍部(M2)の磁場変調部(12)が、第1変調動作を行う。第1磁気冷凍部(M1)は実質的に機能しない。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)を閉じ、第4制御弁(70)を開ける。
第2バイパス加熱動作では、第2流路(50)を流れる熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)をバイパスする。具体的には、第2上流路(51)の熱媒体は、第2磁気冷凍部(M2)で加熱された後、第2中間路(52)、第4バイパス流路(69)、第2下流路(53)を流れ、第2熱交換器(32)で空気へ放熱する。
第2バイパス加熱動作において、第4制御弁(70)を開けた状態では、第2中間路(52)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)を流れることはほとんどない。第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)には磁気作業物質(11)が充填されるため、内部流路(13)の流路抵抗が極めて高いからである。
〈第1バイパス冷却動作〉
図9に示す第1バイパス冷却動作では、第2磁気冷凍部(M2)の磁場変調部(12)が、第2変調動作を行う。第1磁気冷凍部(M1)は実質的に停止する。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。制御器(100)は、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、第4制御弁(70)を閉じ、第1制御弁(64)を開ける。
第1バイパス冷却動作では、第1流路(40)を流れる熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)をバイパスする。具体的には、第1上流路(41)の熱媒体は、第1バイパス流路(63)、第1中間路(42)、第2磁気冷凍部(M2)を順に流れる。第2磁気冷凍部(M2)で冷却された熱媒体は、第1下流路(43)を流れ、第1熱交換器(31)で空気から吸熱する。
第1バイパス冷却動作において、第1制御弁(64)を開けた状態では、第1上流路(41)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)を流れることはほとんどない。第1磁気冷凍部(M1)の内部流路(13)には磁気作業物質(11)が充填されるため、内部流路(13)の流路抵抗が極めて高いからである。
〈第2バイパス冷却動作〉
図10に示す第2バイパス冷却動作では、第1磁気冷凍部(M1)の磁場変調部(12)が、第2変調動作を行う。第2磁気冷凍部(M2)は実質的に停止する。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。制御器(100)は、第1制御弁(64)、第3制御弁(68)、第4制御弁(70)を閉じ、第2制御弁(66)を開ける。
第2バイパス冷却動作では、第1流路(40)を流れる熱媒体が、第2磁気冷凍部(M2)をバイパスする。具体的には、第1上流路(41)の熱媒体は、第1磁気冷凍部(M1)で冷却された後、第1中間路(42)、第2バイパス流路(65)、第1下流路(43)を流れ、第1熱交換器(31)で空気から吸熱する。
第2バイパス冷却動作において、第2制御弁(66)を開けた状態では、第1中間路(42)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)を流れることはほとんどない。第2磁気冷凍部(M2)の内部流路(13)には磁気作業物質(11)が充填されるため、内部流路(13)の流路抵抗が極めて高いからである。
-実施形態1の効果-
実施形態1においては以下の作用効果を奏する。
〈バイパス機構〉
磁気冷凍装置(1)は、熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる流路と、熱媒体が磁気冷凍部(M)をバイパスする流路とを切り換えるバイパス機構(B)を備える。このため、加熱動作において、ある磁気冷凍部(M)で熱媒体を加熱しないことで、磁気冷凍装置(1)の全体の加熱能力を調節できる。冷却動作において、ある磁気冷凍部(M)で熱媒体を冷却しないことで、磁気冷凍装置(1)の全体の冷却能力を調節できる。
磁気冷凍装置(1)では、第1流路(40)及び第2流路(50)の双方において、全ての磁気冷凍部(M)に対応してバイパス機構(B)を設けている。具体的には、第1流路(40)には、第1磁気冷凍部(M1)に対応する第1バイパス機構(B1)が設けられる。第1流路(40)には、第2磁気冷凍部(M2)に対応する第2バイパス機構(B2)が設けられる。第2流路(50)には、第2磁気冷凍部(M2)に対応する第3バイパス機構(B3)が設けられる。第2流路(50)には、第1磁気冷凍部(M1)に対応する第4バイパス機構(B4)が設けられる。このため、加熱動作においては、上述した通常加熱動作、第1バイパス加熱動作、及び第2バイパス加熱動作を適宜切り換えることができ、磁気冷凍装置(1)の全体の加熱能力を細かく調節できる。冷却動作においては、上述した通常冷却動作、第1バイパス冷却動作、第2バイパス冷却動作を適宜切り換えることができ、磁気冷凍装置(1)の全体の冷却能力を細かく調節できる。
〈第1流路及び第2流路〉
バイパス機構(B)を設けると、バイパス流路(63,65,67,69)に熱媒体が溜まることがある。具体的には、例えば図8に示す第2バイパス加熱動作では、第4バイパス流路(69)に比較的高温の熱媒体が溜まる。この状態から、例えば図6に示す通常冷却動作を行ったとしても、熱媒体は第2流路(50)を流れず、第1流路(40)を流れる。このため、通常冷却動作において、第1熱交換器(31)に供給される熱媒体が、第4バイパス流路(69)に溜まった熱媒体と混合することがない。このため、このような熱媒体の混合に起因して、熱ロスが生じることを抑制できる。
同様に、例えば図10に示す第2バイパス冷却動作では、第2バイパス流路(65)に比較的低温の熱媒体が溜まる。この状態から、例えば図5に示す通常加熱動作を行ったとしても、熱媒体は第1流路(40)を流れず、第2流路(50)を流れる。このため、通常加熱動作において、第2熱交換器(32)に供給される熱媒体が、第2バイパス流路(65)に溜まった熱媒体と混合することがない。このため、このような熱媒体の混合に起因して、熱ロスが生じることを抑制できる。
〈キュリー温度〉
第1流路(40)及び第2流路(50)には、複数(本例では2つ)の磁気冷凍部(M)のキュリー温度の平均値が順に高くなるように、複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される。具体的には、図3に示すように、第2磁気冷凍部(M2)の全ての磁気作業物質(11)のキュリー温度の平均値T2は、第1磁気冷凍部(M1)の全ての磁気作業物質(11)のキュリー温度の平均値T1よりも高い。通常加熱動作では、第2流路(50)の熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)、第1磁気冷凍部(M1)を順に流れるため、各磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度を、それらのキュリー温度の平均値に近づけることができる。このため、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を増大でき、加熱能力を増大できる。
冷却動作では、第1流路(40)の熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)、第2磁気冷凍部(M2)を順に流れるため、各磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度を、それらのキュリー温度の平均値に近づけることができる。このため、各磁気冷凍部(M)の磁気熱量効果を増大でき、冷却能力を増大できる。
各磁気冷凍部(M)の各々は、それらの低温端から高温端に向かって、キュリー温度が順に高くなる複数種の磁気作業物質(11)を有するカスケード式である。このため、加熱動作では、第2流路(50)の熱媒体が各磁気冷凍部(M)の低温端から高温端を順に流れることで、各磁気作業物質(11)を流れる熱媒体の温度を、それらのキュリー温度に近づけることができる。このため、各磁気作業物質(11)の磁気熱量効果を増大でき、加熱能力を増大できる。
冷却動作では、第1流路(40)の熱媒体が各磁気作業物質(11)の高温端から低温端を順に流れることで、各磁気作業物質(11)を流れる熱媒体の温度を、それらのキュリー温度に近づけることができる。このため、各磁気作業物質(11)の磁気熱量効果を増大でき、冷却能力を増大できる。
〈動作温度域〉
図4に示すように、隣り合う第1磁気冷凍部(M1)と第2磁気冷凍部(M2)とでは、それらの動作温度域の一部が重なる。具体的には、隣り合う磁気冷凍部(M)の端部側の磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の重なる領域Aについて、その領域Aの磁気熱量効果の最大値Epが、該隣り合う端部側の磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値の平均値Eave の1/2以上である。このため、通常動作(熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる動作)からバイパス動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
具体的には、例えば図5に示す通常加熱動作の後、所定の冷却動作を介して、図7に示す第1バイパス加熱動作が行われたとする。この場合、第2流路(50)の熱媒体は、第2磁気冷凍部(M2)をバイパスし、第1磁気冷凍部(M1)を流れる。このため、第1バイパス加熱動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度は、通常加熱動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度よりも低くなる。これに対し、第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d))の動作温度域は、第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c)の動作温度域と重なるため、第1バイパス加熱動作中において、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。特に、本実施形態では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)が、Ep≧((Em1+Em2)/2)×(1/2)の関係を満たすように、両者の動作温度域が重なる。これにより、第1バイパス加熱動作中において、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを十分に抑制できる。
同様に、例えば図6に示す通常冷却動作の後、所定の加熱動作を介して、図9に示す第1バイパス冷却動作が行われたとする。この場合、第1流路(40)の熱媒体は、第1磁気冷凍部(M1)をバイパスし、第2磁気冷凍部(M2)を流れる。このため、第1バイパス冷却動作中に第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度は、通常冷却動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度よりも高くなる。これに対し、第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c))の動作温度域は、第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d))の動作温度域と重なるため、第1バイパス冷却動作中において、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。特に、本実施形態では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)が、Ep≧((Em1+Em2)/2)×(1/2)の関係を満たすように、両者の動作温度域が重なる。これにより、第1バイパス冷却動作中において、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを十分に抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
《実施形態2》
実施形態2に係る磁気冷凍装置(1)は、上記実施形態1において、磁気冷凍部(M)の構成が異なる。
図11に示すように、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)は、カスケード式である。実施形態2では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁気作業物質(11)の特性が異なる。各磁気冷凍部(M)では、複数種(本例では3種)の磁気作業物質(11)のうち、磁気作業物質(11a,11c,11d,11f)の動作温度域の幅が、磁気作業物質(11b,11e)の動作温度域の幅よりも広い。
具体的には、第2磁気冷凍部(M2)では、第1磁気作業物質(11a)の動作温度域の幅Waが、第2磁気作業物質(11b)の動作温度域の幅Wbよりも広い。第3磁気作業物質(11c)の動作温度域の幅Wcが、第2磁気作業物質(11b)の動作温度域の幅Wbよりも広い。
第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c)は、隣接する他の磁気冷凍部(第1磁気冷凍部(M1))側の端部に対応する、端部側磁気作業物質である。第2磁気冷凍部(M2)の第2磁気作業物質(11b)は、該第2磁気冷凍部(M2)の両端の間の中間部に対応する、中間側磁気作業物質である。
第1磁気冷凍部(M1)では、第4磁気作業物質(11d)の動作温度域の幅Wdが、第5磁気作業物質(11e)の動作温度域の幅Weよりも広い。第6磁気作業物質(11f)の動作温度域の幅Wfが、第5磁気作業物質(11e)の動作温度域の幅Weよりも広い。
第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d)は、隣接する他の磁気冷凍部(第2磁気冷凍部(M2))側の端部に対応する、端部側磁気作業物質である。第1磁気冷凍部(M1)の第5磁気作業物質(11e)は、該第1磁気冷凍部(M1)の両端の間の中間部に対応する中間側磁気作業物質である。
このように、端部側磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の幅を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の動作温度域の幅よりも広くすることで、バイパス動作において、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
具体的には、例えば図5に示す通常加熱動作の後、所定の冷却動作を介して、図7に示す第1バイパス加熱動作が行われたとする。この場合、上述したように、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度は、通常加熱動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度よりも低くなる。これに対し、第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d)の動作温度域を比較的広くしているため、第1バイパス加熱動作中において、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
同様に、例えば図6に示す通常冷却動作の後、所定の加熱動作を介して、図9に示す第1バイパス冷却動作が行われたとする。この場合、上述したように、第1バイパス冷却動作中に第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度は、通常冷却動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度よりも高くなる。これに対し、第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c)の動作温度域を比較的広くしているため、第1バイパス冷却動作中において、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、その動作温度域から外れてしまうことを十分に抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
なお、本例において、第1磁気作業物質(11a)の動作温度域の幅Waを第2磁気作業物質(11b)の動作温度域の幅Wbと同じ、または狭くしてもよい。第6磁気作業物質(11f)の動作温度域の幅Wfを第5磁気作業物質(11e)の動作温度域の幅Weと同じ、または狭くしてもよい。
なお、本例において、磁気冷凍部(M)は、複数の中間側磁気作業物質を有してもよい。この場合には、端部側磁気作業物質の動作温度域を、複数の中間側磁気作業物質の少なくとも1つの動作温度域よりも広くするとよい。好ましくは、端部側磁気作業物質の動作温度域を、複数の中間側磁気作業物質の全ての動作温度域よりも広くするとよい。
《実施形態2の変形例》
実施形態2の変形例は、実施形態2と磁気冷凍部(M)の構成が異なる。実施形態2の変形例の各磁気冷凍部(M)は、カスケード式である。各磁気冷凍部(M)では、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値が、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値より大きい。具体的には、第3磁気作業物質(11c)の磁気熱量効果の最大値が、第2磁気作業物質(11b)の磁気熱量効果の最大値よりも大きい。第4磁気作業物質(11d)の磁気熱量効果の最大値が、第5磁気作業物質(11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きい。
このように、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きくすることで、バイパス動作において、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
具体的には、例えば図5に示す通常加熱動作の後、所定の冷却動作を介して、図7に示す第1バイパス加熱動作が行われたとする。この場合、上述したように、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度は、通常加熱動作中に第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度よりも低くなる。これに対し、第1磁気冷凍部(M1)の第4磁気作業物質(11d)の磁気熱量効果は、比較的大きいため、第4磁気作業物質(11d)により熱媒体を十分に加熱できる。この結果、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、第1磁気冷凍部(M1)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
例えば図6に示す通常冷却動作の後、所定の加熱動作を介して、図9に示す第1バイパス冷却動作が行われたとする。この場合、上述したように、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度は、通常冷却動作中に第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度よりも高くなる。これに対し、第2磁気冷凍部(M2)の第3磁気作業物質(11c)の磁気熱量効果は、比較的大きいため、第3磁気作業物質(11c)により熱媒体を十分に冷却できる。この結果、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、第2磁気冷凍部(M2)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
各磁気冷凍部(M)において、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値より大きくする具体例として、以下の構成が挙げられる。
1)磁束密度の変化量
端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁束密度の変化量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁束密度の変化量よりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値より大きくできる。
2)磁気作業物質の断熱温度変化ΔTad
端部側磁気作業物質(11c,11d)の断熱温度変化ΔTadを、中間側磁気作業物質(11b,11e)の断熱温度変化ΔTadよりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値より大きくできる。
3)磁気作業物質のエントロピー変化ΔSm
端部側磁気作業物質(11c,11d)のエントロピー変化ΔSmを、中間側磁気作業物質(11b,11e)のエントロピー変化ΔSmよりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きくできる。
4)磁気作業物質の重量
端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きくできる。
端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きくする具体例として、以下の構成がある。
4-1)磁気作業物質の充填率
ベッド(10)内の端部側磁気作業物質(11c,11d)の充填率を、ベッド(10)内の中間側磁気作業物質(11b,11e)の充填率よりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きくできる。
4-2)磁気作業物質の容積
ベッド(10)内の端部側磁気作業物質(11c,11d)の容積を、ベッド(10)内の中間側磁気作業物質(11b,11e)の容積よりも大きくする。これにより、端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量を、中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きくできる。ここでいう容積は、厳密には、磁気作業物質(11)内に形成される空隙を含んだ「かさ容積」である。
《実施形態3》
図12に示す磁気冷凍装置(1)は、2つの蓄熱部(81,82)を備える。2つの蓄熱部(81,82)は、第1流路(40)に接続される第1蓄熱部(81)と、第2流路(50)に接続される第2蓄熱部(82)とで構成される。各蓄熱部(81,82)は、熱媒体を貯留するリザーバ(蓄熱容器)で構成される。
第1蓄熱部(81)は、第1流路(40)の第1中間路(42)に設けられる。第1蓄熱部(81)は、第1中間路(42)における、第1バイパス流路(63)の流出端と第2バイパス流路(65)の流入端との間に設けられる。第1蓄熱部(81)は、第1バイパス流路(63)を流れた熱媒体の熱を蓄える。第2蓄熱部(82)は、第2流路(50)の第2中間路(52)に設けられる。第2蓄熱部(82)は、第2中間路(52)における、第3バイパス流路(67)の流出端と第4バイパス流路(69)の流入端との間に設けられる。
このように蓄熱部(81,82)を設けることで、バイパス動作時において、磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が、磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
通常加熱動作から第1バイパス加熱動作に切り換えると、比較的低温の熱媒体が第3バイパス流路(67)を経由して第2中間路(52)を流れる。第2中間路(52)の熱媒体は、第2蓄熱部(82)に流入する。
第2蓄熱部(82)には、その直前の通常加熱動作において、第2磁気冷凍部(M2)で加熱された熱媒体が溜まっている。このため、第3バイパス流路(67)を経由して第2蓄熱部(82)に流入した熱媒体は、その温度が上昇する。よって、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度は、第2バイパス流路(65)を流れる熱媒体の温度より高くなる。したがって、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、第1磁気冷凍部(M1)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
通常冷却動作から第1バイパス冷却動作に切り換えると、比較的高温の熱媒体が第1バイパス流路(63)を経由して第1中間路(42)を流れる。第1中間路(42)の熱媒体は、第1蓄熱部(81)に流入する。
第1蓄熱部(81)には、その直前の通常冷却動作において、第1磁気冷凍部(M1)で冷却された熱媒体が溜まっている。このため、第1バイパス流路(63)を経由して第1蓄熱部(81)に流入した熱媒体は、その温度が低下する。よって、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度は、第1バイパス流路(63)を流れる熱媒体の温度より低くなる。したがって、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、第2磁気冷凍部(M2)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
《実施形態3の変形例1》
図13に示す実施形態3の変形例1の磁気冷凍装置(1)は、実施形態3の磁気冷凍装置(1)と、蓄熱部(81,82)、及びその周辺の構成が異なる。
熱媒体回路(C)には、第1三方弁(91)、第2三方弁(92)、第3三方弁(93)、及び第4三方弁(94)が接続される。各三方弁(91,92,93,94)のそれぞれは、3つのポートを有する。3つのポートのそれぞれは、開閉可能に構成される。
第1三方弁(91)には、第1上流部(63a)、第1下流部(63b)、及び第1蓄熱流路(75)が接続される。第2三方弁(92)には、第2上流部(65a)、第2下流部(65b)、及び第1蓄熱流路(75)が接続される。第3三方弁(93)には、第3上流部(67a)、第3下流部(67b)、及び第2蓄熱流路(76)が接続される。第4三方弁(94)には、第4上流部(69a)、第4下流部(69b)、及び第2蓄熱流路(76)が接続される。
通常加熱動作では、第3三方弁(93)が、第3上流部(67a)側のポート、及び第3下流部(67b)側のポートを閉じる。第4三方弁(94)が、第4上流部(69a)側のポートを閉じる。第2流路(50)の熱媒体は、第2磁気冷凍部(M2)、第1磁気冷凍部(M1)を順に流れる。この熱媒体は、第2蓄熱部(82)を流れない。したがって、例えば通常加熱動作の開始時において、第2蓄熱部(82)の熱容量の影響により、第2熱交換器(32)の放熱能力がなかなか増大しないことを抑制できる。
第1バイパス加熱動作では、第3三方弁(93)が、第3上流部(67a)側のポート、及び第2蓄熱流路(76)側のポートを開け、第3下流部(67b)側のポートを閉じる。第4三方弁(94)が、第2蓄熱流路(76)側のポート、及び第4上流部(69a)側のポートを開け、第4下流部(69b)側のポートを閉じる。第2流路(50)の比較的低温の熱媒体は、第3上流部(67a)、第2蓄熱流路(76)の第2蓄熱部(82)、第4上流部(69a)を順に流れた後、第1磁気冷凍部(M1)を流れる。第2蓄熱部(82)の熱容量の影響により、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が急激に低下することを抑制できる。したがって、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、第1磁気冷凍部(M1)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
通常冷却動作では、第1三方弁(91)が、第1上流部(63a)側のポート、及び第1下流部(63b)側のポートを閉じる。第2三方弁(92)が、第2上流部(65a)側のポートを閉じる。第1流路(40)の熱媒体は、第1磁気冷凍部(M1)、第2磁気冷凍部(M2)を順に流れる。この熱媒体は、第1蓄熱部(81)を流れない。したがって、例えば通常冷却動作の開始時において、第1蓄熱部(81)の熱容量の影響により、第1熱交換器(31)の冷却能力がなかなか増大しないことを抑制できる。
第1バイパス冷却動作では、第1三方弁(91)が、第1上流部(63a)側のポート、及び第1蓄熱流路(75)側のポートを開け、第1下流部(63b)側のポートを閉じる。第2三方弁(92)が、第1蓄熱流路(75)側のポート、及び第2上流部(65a)側のポートを開け、第2下流部(65b)側のポートを閉じる。第1流路(40)の比較的高温の熱媒体は、第1上流部(63a)、第1蓄熱流路(75)の第1蓄熱部(81)、第2上流部(65a)を順に流れた後、第2磁気冷凍部(M2)を流れる。第1蓄熱部(81)の熱容量の影響により、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が急激に上昇することを抑制できる。したがって、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、第1磁気冷凍部(M1)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
《実施形態3の変形例2》
図14に示す実施形態3の変形例2は、実施形態3の磁気冷凍装置(1)と、蓄熱部及びその周辺の構成が異なる。
第1磁気冷凍部(M1)には、第1蓄熱ユニット(83)と第2蓄熱ユニット(84)とが設けられる。第1蓄熱ユニット(83)及び第2蓄熱ユニット(84)は、リザーバで構成される。第1蓄熱ユニット(83)は、第1磁気冷凍部(M1)の第1流路(40)側の流入部に設けられる。第2蓄熱ユニット(84)は、第1磁気冷凍部(M1)の第2流路(50)側の流入部に設けられる。
第2磁気冷凍部(M2)には、第3蓄熱ユニット(85)と第4蓄熱ユニット(86)とが設けられる。第3蓄熱ユニット(85)及び第4蓄熱ユニット(86)は、リザーバで構成される。第3蓄熱ユニット(85)は、第2磁気冷凍部(M2)の第1流路(40)側の流入部に設けられる。第4蓄熱ユニット(86)は、第2磁気冷凍部(M2)の第2流路(50)側の流入部に設けられる。
第2蓄熱ユニット(84)及び第3蓄熱ユニット(85)は、蓄熱部に対応する。なお、第1蓄熱ユニット(83)及び第4蓄熱ユニット(86)を省略した構成としてもよい。
通常加熱動作から第1バイパス加熱動作に切り換えると、比較的低温の熱媒体が第3バイパス流路(67)を経由して第2中間路(52)を流れる。第2中間路(52)の熱媒体は、第2蓄熱ユニット(84)を通過後に、第1磁気冷凍部(M1)を流れる。このため、第1磁気冷凍部(M1)を流れる熱媒体の温度が、第1磁気冷凍部(M1)の動作温度域から外れることを抑制できる。
通常冷却動作から第1バイパス冷却動作に切り換えると、比較的高温の熱媒体が第1バイパス流路(63)を経由して第1中間路(42)を流れる。第1中間路(42)の熱媒体は、第3蓄熱ユニット(85)を通過後に、第2磁気冷凍部(M2)を流れる。このため、第2磁気冷凍部(M2)を流れる熱媒体の温度が、第2磁気冷凍部(M2)の動作温度域から外れることを抑制できる。
加えて、本構成により、バイパス動作から通常動作(熱媒体が磁気冷凍部(M)を流れる動作)への切換に起因して、ある磁気冷凍部(M)を流れる熱媒体の温度が変化した場合にも、熱媒体の温度が磁気冷凍部(M)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
なお、上述した実施形態3、及びその変形例に係る蓄熱部は、蓄熱材料であってもよい。蓄熱材料は、熱容量の大きい金属材料や、相変化材料で構成される。蓄熱材料には、熱媒体が流れる流路が形成される。この流路を流れる熱媒体と蓄熱材料とが熱交換する。
蓄熱部は、熱媒体が貯留されるリザーバに上述した蓄熱材料を設けた蓄熱ユニットであってもよい。
《実施形態4》
実施形態4に係る磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。図15に示すように、磁気冷凍装置(1)の熱媒体回路(C)は、室内熱交換器(33)、室外熱交換器(34)、第1四方切換弁(35)、及び第2四方切換弁(36)を有する。室内熱交換器(33)は、室内に設置される。室外熱交換器(34)は、室外に設置される。
第1四方切換弁(35)及び第2四方切換弁(36)は、それぞれ4つのポート(P1,P2,P3,P4)を有する。第1四方切換弁(35)の第1ポート(P1)は、第1中継路(71)を介して第1搬送流路(61)と繋がる。第1四方切換弁(35)の第2ポート(P2)は、室外熱交換器(34)の一端と繋がる。第1四方切換弁(35)の第3ポート(P3)は、第2中継路(72)を介して第2搬送流路(62)と繋がる。第1四方切換弁(35)の第4ポート(P4)は、室内熱交換器(33)の一端と繋がる。第2搬送流路(62)の流出端は、第1上流路(41)と繋がる。
第2四方切換弁(36)の第1ポート(P1)は、第1流路(40)の第1下流路(43)と繋がる。第2四方切換弁(36)の第2ポート(P2)は、室外熱交換器(34)の他端と繋がる。第2四方切換弁(36)の第3ポート(P3)は、第3中継路(73)を介して第2流路(50)の第2下流路(53)と繋がる。第2四方切換弁(36)の第4ポート(P4)は、室内熱交換器(33)の他端と繋がる。
第1四方切換弁(35)及び第2四方切換弁(36)は、第1状態(図15の実線で示す状態)と第2状態(図16の破線で示す状態)とにそれぞれ切り換わる。第1状態の各四方切換弁(35,36)では、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する。第2状態の各四方切換弁(35,36)では、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する。
-運転動作-
磁気冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転では、第1四方切換弁(35)及び第2四方切換弁(36)がそれぞれ第2状態となる。冷房運転では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
図16に示す第1動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第1変調動作を行う。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。通常の第1動作では、制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
第1動作では、第2流路(50)において、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により加熱された熱媒体が、第2熱交換部に対応する室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。
第1動作において第3制御弁(68)を開けることで、熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)をバイパスし、第1磁気冷凍部(M1)で加熱されるバイパス動作が行われる。第1動作において第4制御弁(70)を開けることで、熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)で加熱され、第1磁気冷凍部(M1)をバイパスするバイパス動作が行われる。
図17に示す第2動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第2変調動作を行う。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。通常の第2動作では、制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
第2動作では、第1流路(40)において、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により冷却された熱媒体が、第1熱交換部に対応する室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、室内空気が熱媒体によって冷却される。
第2動作において第1制御弁(64)を開けることで、熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)をバイパスし、第2磁気冷凍部(M2)で冷却されるバイパス動作が行われる。第2動作において第2制御弁(66)を開けることで、熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)で冷却され、第2磁気冷凍部(M2)をバイパスするバイパス動作が行われる。
〈暖房運転〉
暖房運転では、第1四方切換弁(35)及び第2四方切換弁(36)がそれぞれ第1状態となる。暖房運転では、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。
図18に示す第3動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第1変調動作を行う。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。通常の第3動作では、制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
第3動作では、第2流路(50)において、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により加熱された熱媒体が、第2熱交換部に対応する室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、室内空気が熱媒体によって加熱される。
第3動作において第3制御弁(68)を開けることで、熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)をバイパスし、第1磁気冷凍部(M1)で加熱されるバイパス動作が行われる。第3動作において第4制御弁(70)を開けることで、熱媒体が第2磁気冷凍部(M2)で加熱され、第1磁気冷凍部(M1)をバイパスするバイパス動作が行われる。
図19に示す第4動作では、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)の各磁場変調部(12)が、第2変調動作を行う。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。通常の第4動作では、制御器(100)は、第1制御弁(64)、第2制御弁(66)、第3制御弁(68)、及び第4制御弁(70)を閉じる。
第4動作では、第1流路(40)において、第1磁気冷凍部(M1)及び第2磁気冷凍部(M2)により冷却された熱媒体が、第1熱交換部に対応する室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。
第4動作において第1制御弁(64)を開けることで、熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)をバイパスし、第2磁気冷凍部(M2)で冷却されるバイパス動作が行われる。第4動作において第2制御弁(66)を開けることで、熱媒体が第1磁気冷凍部(M1)で冷却され、第2磁気冷凍部(M2)をバイパスするバイパス動作が行われる。
《他の変形例》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において、以下の構成を採用してもよい。
〈変形例A-バイパス機構(1)〉
図20に示すように、変形例Aに係るバイパス機構(B)は、上述した実施形態において、制御弁が付加される。第1バイパス機構(B1)は、第5制御弁(95)を有する。第5制御弁(95)は、第1流路(40)における第1磁気冷凍部(M1)の流入側に設けられる。第2バイパス機構(B2)は、第6制御弁(96)を有する。第6制御弁(96)は、第1流路(40)における第2磁気冷凍部(M2)の流入側に設けられる。第3バイパス機構(B3)は、第7制御弁(97)を有する。第7制御弁(97)は、第2流路(50)における第2磁気冷凍部(M2)の流入側に設けられる。第4バイパス機構(B4)は、第8制御弁(98)を有する。第8制御弁(98)は、第2流路(50)における第1磁気冷凍部(M1)の流入側に設けられる。
第1バイパス機構(B1)によりバイパス動作を行う際には、第1制御弁(64)を開け、第5制御弁(95)を閉じる。これにより、第1流路(40)の熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)を確実にバイパスする。
第2バイパス機構(B2)によりバイパス動作を行う際には、第2制御弁(66)を開け、第6制御弁(96)を閉じる。これにより、第1流路(40)の熱媒体が、第2磁気冷凍部(M2)を確実にバイパスする。
第3バイパス機構(B3)によりバイパス動作を行う際には、第3制御弁(68)を開け、第7制御弁(97)を閉じる。これにより、第2流路(50)の熱媒体が、第2磁気冷凍部(M2)を確実にバイパスする。
第4バイパス機構(B4)によりバイパス動作を行う際には、第4制御弁(70)を開け、第8制御弁(98)を閉じる。これにより、第2流路(50)の熱媒体が、第1磁気冷凍部(M1)を確実にバイパスする。
第5制御弁(95)、第6制御弁(96)、第7制御弁(97)、及び第8制御弁(98)は、開閉弁であってもよいし、流量調節弁であってもよい。
〈変形例B-バイパス機構(2)〉
図21に示すように、変形例Bに係るバイパス機構(B)は、制御弁に代わって、三方弁を有する。第1バイパス機構(B1)は、第5三方弁(55)を有する。第5三方弁(55)は、第1上流路(41)の熱媒体を、第1磁気冷凍部(M1)側のみに供給する状態と、第1バイパス流路(63)側のみに供給する状態とに切り換わる。第2バイパス機構(B2)は、第6三方弁(56)を有する。第6三方弁(56)は、第1中間路(42)の熱媒体を、第2磁気冷凍部(M2)側のみに供給する状態と、第2バイパス流路(65)側のみに供給する状態とに切り換わる。第3バイパス機構(B3)は、第7三方弁(57)を有する。第7三方弁(57)は、第2上流路(51)の熱媒体を、第2磁気冷凍部(M2)側のみに供給する状態と、第3バイパス流路(67)側のみに供給する状態とに切り換わる。第4バイパス機構(B4)は、第8三方弁(58)を有する。第8三方弁(58)は、第2中間路(52)の熱媒体を、第1磁気冷凍部(M1)側のみに供給する状態と、第4バイパス流路(69)側のみに供給する状態とに切り換わる。
なお、これらの三方弁(55,56,57,58)は、磁気冷凍部(M)側への流量と、バイパス流路(63,65,67,69)側への流量の比率を調節できる構成であってもよい。
〈変形例C-搬送機構〉
図22に示すように、変形例Cに係る搬送機構(20)は、一過式のポンプ(26)と、切換部である四方切換弁(27)とを有する。四方切換弁(27)は、第1状態(図22の実線で示す状態)と、第2状態(図22の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(27)は、ポンプ(26)の吐出部と第1搬送流路(61)とを連通させ且つポンプ(26)の吸入部と第2搬送流路(62)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(27)は、ポンプ(26)の吐出部と第2搬送流路(62)とを連通させ且つポンプ(26)の吸入部と第1搬送流路(61)とを連通させる。
第1搬送動作では、ポンプ(26)が運転状態となり且つ四方切換弁(27)が第1状態となる。第2搬送動作では、ポンプ(26)が運転状態となり且つ四方切換弁(27)が第2状態となる。搬送機構(20)は、第1搬送動作と第2搬送動作とを交互に繰り返し行う。
〈変形例D-3つ以上の磁気冷凍部〉
第1流路(40)及び第2流路(50)に3つ以上の磁気冷凍部(M)を直列に接続してもよい。図23に示す例では、第1流路(40)及び第2流路(50)に3つの磁気冷凍部(M)が設けられる。第1流路(40)には、3つの磁気冷凍部(M)にそれぞれ対応するように、3つのバイパス機構(B)が設けられる。第2流路(50)には、3つの磁気冷凍部(M)に対応するようにバイパス機構(B)が設けられる。
〈変形例E-並列回路〉
図24に示すように、変形例Eに係る熱媒体回路(C)には、複数の回路が並列に接続される。複数の回路は、第1回路(C1)と第2回路(C2)とで構成される。熱媒体回路(C)に3つ以上の回路を並列に接続してもよい。第1回路(C1)には、上述した実施形態と同様、第1流路(40)、第2流路(50)、複数の磁気冷凍部(M)、及び複数のバイパス機構(B)が設けられる。同様に、第2回路(C2)には、第1流路(40)、第2流路(50)、複数の磁気冷凍部(M)、及び複数のバイパス機構(B)が設けられる。第1回路(C1)と第2回路(C2)とには、第1熱交換器(31)、第2熱交換器(32)、第1搬送流路(61)、及び第2搬送流路(62)がそれぞれ接続される。
通常加熱動作では、第1搬送流路(61)の熱媒体が、第1回路(C1)と第2回路(C2)とに分流する。第1回路(C1)及び第2回路(C2)では、熱媒体が第2流路(50)を流れ、複数の磁気冷凍部(M)によって加熱される。第1回路(C1)及び第2回路(C2)で加熱された熱媒体は、合流した後、第2熱交換器(32)へ供給される。
通常冷却動作では、第2搬送流路(62)の熱媒体が、第1回路(C1)と第2回路(C2)とに分流する。第1回路(C1)及び第2回路(C2)では、熱媒体が第1流路(40)を流れ、複数の磁気冷凍部(M)によって冷却される。第1回路(C1)及び第2回路(C2)で冷却された熱媒体は、合流した後、第1熱交換器(31)へ供給される。
加熱動作及び冷却動作では、バイパス機構(B)の切換により、バイパス動作が適宜行われる。
〈変形例F-単層式〉
図25に示すように、磁気冷凍部(M)は、1つの磁気作業物質(11)を有する単層式であってもよい。
第1流路(40)及び第2流路(50)には、複数の磁気冷凍部(M)の磁気作業物質(11)のキュリー温度が順に高くなるように、複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される。これにより、各磁気冷凍部(M)における磁気熱量効果を向上できる。
隣り合う磁気冷凍部(M)は、それぞれの磁気作業物質(11)の動作温度域の一部が重なる。こうすると、バイパス動作の切り換えに伴い磁気冷凍部(M)に流入する熱媒体の温度が変化しても、熱媒体の温度が磁気作業物質(11)の動作温度域から外れてしまうことを抑制できる。
重なる領域の磁気熱量効果の最大値は、隣り合う磁気冷凍部(M)の各々の磁気作業物質(11)における磁気熱量効果の最大値の平均値の1/2以上である。これにより、隣り合う磁気冷凍部の動作温度域の重なる領域が増大する。この結果、通常動作からバイパス動作への切り換え、及びバイパス動作から通常動作への切り換えに伴い熱媒体の温度が磁気作業物質(11)の動作温度域から外れてしまうことを確実に抑制できる。
《実施形態5》
図26に示すように、実施形態5に係る磁気冷凍装置(1)は、冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置である。
磁気冷凍装置(1)は、室内ファン(14)および室外ファン(15)を有する。室内ファン(14)は、室内熱交換器(33)の近傍に配置される。室内ファン(14)は、室内熱交換器(33)を通過する室内空気を搬送する。室外ファン(15)は、室外熱交換器(34)の近傍に配置される。室外ファン(15)は、室外熱交換器(34)を通過する室外空気を搬送する。
熱媒体回路(C)は、複数の磁気冷凍部(M)を有する。複数の磁気冷凍部(M)は、低温磁気冷凍部(ML)と、中温磁気冷凍部(MM)と、高温磁気冷凍部(MH)とを含む。低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部(MH)は、第3磁気冷凍部を構成する。中温磁気冷凍部(MM)は、第4磁気冷凍部を構成する。複数の磁気冷凍部(M)は、第1流路(40)と第2流路(50)とに跨がるように、熱媒体回路(C)に直列に接続される。
熱媒体回路(C)は、第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)を有する。第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)のそれぞれは、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、第3ポート(P3)、および第4ポート(P4)を有する。第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)は、図26の実線で示す第1状態と、図26の破線で示す第2状態とに切り替われる。第1状態の第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)のそれぞれは、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とを連通させると同時に第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)のそれぞれは、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させると同時に第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
第3四方切換弁(37)の第1ポート(P1)は、第2流路(50)の流出端に連通する。第3四方切換弁(37)の第2ポート(P2)は、室外熱交換器(34)の一端に連通する。第3四方切換弁(37)の第3ポート(P3)は、第2流路(50)の流入端に連通する。第3四方切換弁(37)の第4ポート(P4)は、室内熱交換器(33)の一端に連通する。
第4四方切換弁(38)の第1ポート(P1)は、第1流路(40)の流入端に連通する。第4四方切換弁(38)の第2ポート(P2)は、室外熱交換器(34)の他端に連通する。第4四方切換弁(38)の第3ポート(P3)は、第1流路(40)の流出端に連通する。第4四方切換弁(38)の第4ポート(P4)は、室内熱交換器(33)の他端に連通する。
第1流路(40)には、各磁気冷凍部(M)に対応するように第5バイパス機構(B5)が1つずつ設けられる。第2流路(50)には、各磁気冷凍部(M)に対応するように第6バイパス機構(B6)が1つずつ設けられる。第5バイパス機構(B5)および第6バイパス機構(B6)のそれぞれは、バイパス流路(60)と、バイパス流路(60)を開閉する弁(制御弁(90))とを有する。
-運転動作-
実施形態5に係る磁気冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転では、第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)がそれぞれ第1状態となる。室外ファン(15)および室内ファン(14)が運転する。冷房運転では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。なお、以下では、全ての磁気冷凍部(M)を作動させる冷房運転を例に説明する。
図27に示す第1動作では、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。全ての制御弁(90)が閉状態となる。
第1動作では、第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)により加熱された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。
図28に示す第2動作では、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。全ての制御弁(90)が閉状態となる。
第2動作では、第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)により冷却された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、室内空気が熱媒体によって冷却される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)がそれぞれ第2状態となる。室外ファン(15)および室内ファン(14)が運転する。暖房運転では、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。なお、以下では、全ての磁気冷凍部(M)を作動させる第暖房運転を例に説明する。
図29に示す第3動作では、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。搬送機構(20)が第1搬送動作を行う。全ての制御弁(90)が閉状態となる。
第3動作では、第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)により加熱された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。
図30に示す第4動作では、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)が第2搬送動作を行う。全ての制御弁(90)が閉状態となる。
第4動作では、第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)により冷却された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、室外空気が熱媒体から吸熱する。
(1)磁気冷凍部の特徴
本実施形態の磁気冷凍装置(1)では、冷房運転および暖房運転の運転条件を考慮して、複数の磁気冷凍部(M)の構成が決定されている。この点について図31を参照しながら詳細に説明する。
(1-1)温度範囲について
磁気冷凍装置(1)の冷房運転では、室外温度および冷房負荷に応じて、熱媒体の最低温度および最高温度が決定される。冷房運転の定格運転時には、最低温度がT1minとなり、最高温度がT1maxとなる。ここで最低温度T1minは冷房運転の定格運転時の室内温度および設定温度に基づく。最高温度T1maxは冷房運転の定格運転時の外気温度に基づく。
冷房運転では、定格運転を越える最大範囲において、最低温度がT2minとなり、最高温度がT2maxとなる。ここで最低温度T2minは冷房負荷が極端に高い運転条件に対応する熱媒体の温度である。最高温度T2maxは外気温度が極端に高い運転条件に対応する熱媒体の温度である。
磁気冷凍装置(1)の暖房運転では、室外温度および暖房負荷に応じて、熱媒体の最低温度および最高温度が決定される。暖房運転の定格運転時には、最低温度がT3minとなり、最高温度がT3maxとなる。ここで最低温度T3minは暖房運転の定格運転時の外気温度に基づく。最高温度T3maxは暖房運転の定格運転時の室内温度および設定温度に基づく。
暖房運転では、定格運転を越える最大範囲において、最低温度がT4minとなり、最高温度がT4maxとなる。ここで最低温度T4minは外気温度が極端に低い運転条件に対応する熱媒体の温度である。最高温度T4maxは暖房負荷が極端に高い運転条件に対応する温度である。本実施形態では、最高温度T4maxと最高温度T2maxとが同じ温度となる。
同図に示すように、熱媒体回路(C)の熱媒体の出現頻度に応じて、熱媒体の3つの温度範囲が決定される。第1温度範囲は、最低温度T4minから最低温度T3minまでの範囲である。第2温度範囲は、最低温度T3minから最高温度T1maxまでの範囲である。第3温度範囲は、最高温度T1maxから最高温度T2max(T4max)までの範囲である。第2温度範囲は、冷房運転の定格運転の温度範囲と、暖房運転の定格運転の温度範囲の双方に跨る、最低温度(すなわち、T3min)から最高温度(すなわち、T1max)までの範囲である。第1温度範囲は、第2温度範囲よりも低温側の温度範囲である。第3温度範囲は、第2範囲よりも高温側の温度範囲である。
第2温度範囲は、磁気冷凍装置(1)の全ての運転を考慮した場合に、熱媒体の温度が高頻度に出現する温度範囲である。第1温度範囲および第3温度範囲は、磁気気冷凍装置(1)の全ての運転を考慮した場合に、熱媒体の温度が低頻度に出現する温度範囲である。
(1-2)低温磁気冷凍部の特性
第3磁気冷凍部である低温磁気冷凍部(ML)は、複数の磁気冷凍部(M)のうち最も端(厳密には低温端)に位置する。低温磁気冷凍部(ML)は、冷房運転において、吸熱器となる室内熱交換器(33)に隣接する。高温磁気冷凍部(MH)は、暖房運転において、吸熱器となる室外熱交換器(34)に隣接する。
図31に示すように、本例の低温磁気冷凍部(ML)は、2つの磁気作業物質(11)(低温磁気作業物質(11L))を有する。低温磁気冷凍部(ML)の全体の動作温度域は、第1温度範囲を含んでいる。言い換えると、低温磁気冷凍部(ML)は、熱媒体の温度が第1温度範囲にあるときに磁気熱量効果を発揮するように構成されている。なお、「磁気冷凍部(M)の全体の動作温度域」とは、磁気作業物質(11)単体の動作温度域ではなく、磁気冷凍部(M)が磁気熱量効果を発揮する最低温度から最高温度までの温度範囲を意味する。
暖房運転において外気温度が極端に低い条件下では、熱媒体の低温側の温度が、第1温度範囲に至ることがある。低温磁気冷凍部(ML)は、このような第1温度範囲の熱媒体に対し、磁気熱量効果を発揮する。
(1-3)高温磁気冷凍部の特性
第3磁気冷凍部である高温磁気冷凍部(MH)は、複数の磁気冷凍部(M)のうち最も端(厳密には高温端)に位置する。高温磁気冷凍部(MH)は、冷房運転において、放熱器となる室外熱交換器(34)に隣接する。高温磁気冷凍部(MH)は、暖房運転において、放熱器となる室内熱交換器(33)に隣接する。
図31に示すように、本例の高温磁気冷凍部(MH)は、単層式であり、1つの磁気作業物質(11)(高温磁気作業物質(11H))を有する。高温磁気冷凍部(MH)の全体の動作温度域は、第3温度範囲を含んでいる。言い換えると、高温磁気冷凍部(MH)は、熱媒体の温度が第3温度範囲にあるときに磁気熱量効果を発揮するように構成されている。
冷房運転において外気温度が極端に高い条件や、暖房運転において暖房負荷が極端に低い条件下では、熱媒体の高温側の温度が、第3温度範囲に至ることがある。高温磁気冷凍部(MH)は、このような第3温度範囲の熱媒体に対し、磁気熱量効果を発揮する。
(1-4)中温磁気冷凍部の特性
第2磁気冷凍部である中温磁気冷凍部(MM)は、両端の磁気冷凍部(M)の間の中間に位置する。図31に示すように、本例の中温磁気冷凍部(MM)は、6つの層の磁気作業物質(11)(中温磁気作業物質(11M))を有する。
中温磁気冷凍部(MH)の全体の動作温度域は、第2温度範囲を含んでいる。言い換えると、中温磁気冷凍部(MM)は、熱媒体の温度が第2温度範囲にあるときに磁気熱量効果を発揮するように構成されている。
冷房運転の定格運転や、暖房運転の定格運転では、熱媒体の温度が第2温度範囲に至ることがある。中温磁気冷凍部(MH)は、このような第2温度範囲の熱媒体に対し、磁気熱量効果を発揮する。
(1-4)熱媒体の出現頻度
磁気冷凍装置(1)の全体の運転を考慮すると、熱媒体の温度が低温磁気冷凍部(ML)の全体の動作温度域に至る頻度は、熱媒体の温度が中温磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域に至る頻度よりも少ない。同様に、熱媒体の温度が高温磁気冷凍部(MH)の全体の動作温度域に至る頻度は、熱媒体の温度が中温磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域に至る頻度よりも少ない。
(1-5)磁気作業物質の動作温度域の関係
図31に示すように、低温磁気冷凍部(ML)の1つの低温磁気作業物質(11L)の動作温度域Aは、中温磁気冷凍部(MM)の1つの中温磁気作業物質(11M)の動作温度域Bよりも広い。この構成により、低温磁気冷凍部(ML)の磁気作業物質(11)の層数を減らしつつ、所定の温度範囲(第1温度範囲)において磁気熱量効果を得ることができる。本例では、低温磁気冷凍部(ML)の層数が2つであり、中温磁気冷凍部(MM)の層数(6つ)よりも少ない。したがって、低温磁気冷凍部(ML)の構造を簡素化でき、低温磁気冷凍部(ML)の生産コストを削減できる。
一方、低温磁気冷凍部(ML)の低温磁気作業物質(11)の動作温度域Aを広げ、低温磁気冷凍部(ML)の低温磁気作業物質(11L)の層数を減らすと、磁気熱量効果が全体的に低くなり、効率が低下する傾向にある。しかしながら、低温磁気冷凍部(ML)は、出現頻度が低い第1温度範囲に対応するため、磁気冷凍装置(1)の全体の運転を考慮すると、効率の低下の影響は小さい。
同図に示すように、高温磁気冷凍部(MH)の1つの高温側磁気作業物質(11)の動作温度域Cは、中温磁気冷凍部(MM)の1つの中温側磁気作業物質(11)の動作温度域Bよりも広い。本例では、高温磁気作業物質(11H)の動作温度域Cと、低温磁気作業物質(11L)の動作温度域Aとが概ね同じ広さである。この構成により、高温磁気冷凍部(MH)の磁気作業物質(11)の層数を減らしつつ、所定の温度範囲(第3温度範囲)において磁気熱量効果を得ることができる。本例では、高温磁気冷凍部(MH)の層数が1つであり、中温磁気冷凍部(MM)の層数(6つ)および低温磁気冷凍部(ML)の層数(2つ)よりも少ない。したがって、高温磁気冷凍部(MH)の構造を簡素化でき、高温磁気冷凍部(MH)の生産コストを削減できる。
一方、高温磁気冷凍部(MH)の高温磁気作業物質(11H)の動作温度域Cを広げ、高温磁気冷凍部(MH)の磁気作業物質(11)の層数を減らすと、磁気熱量効果が全体的に低くなり、効率が低下する傾向にある。しかしながら、高温磁気冷凍部(MH)は、出現頻度が低い第3温度範囲でしか作動しないため、磁気冷凍装置(1)全体の運転を考慮すると、効率の低下の影響は小さい。
(1-6)磁気作業物質の量の関係
低温磁気冷凍部(ML)の磁気作業物質(11)の量は、中温磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の量よりも多い。厳密には、各々の低温磁気作業物質(11L)の量が、各々の中温磁気作業物質(11M)の量よりも多い。上述したように、低温磁気冷凍部(ML)は、層数が少ないため、磁気熱量効果が低下する傾向にある。しかしながら、低温磁気冷凍部(ML)の磁気作業物質(11)の量を多くすることで、低温磁気冷凍部(ML)における加熱能力(放熱能力)および冷却能力(吸熱能力)を増大できる。
高温磁気冷凍部(MH)の磁気作業物質(11)の量は、中温磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の量よりも多い。厳密には、高温磁気作業物質(11H)の量が、各々の中温磁気作業物質(11M)の量よりも多い。上述したように、高温磁気冷凍部(MH)は、層数が1つであるため磁気熱量効果が低下する傾向にある。しかしながら、高温磁気冷凍部(MH)の磁気作業物質(11)の量を多くすることで、高温磁気冷凍部(MH)における加熱能力(放熱能力)および冷却能力(加熱能力)を増大できる。
(1-7)バイパス動作
本実施形態では、制御器(100)が、運転条件に応じて、熱媒体が第3磁気冷凍部(ML,MH)をバイパスする動作を実行させる。
(1-7-1)暖房運転および冷房運転の定格運転
暖房運転および冷房運転の定格運転時には、制御器(100)は、低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部(MH)において第1変調動作および第2変調動作のいずれも実行させず、中温磁気冷凍部(MM)のみ第1変調動作および第2変調動作を実行させる。これらの運転では、熱媒体の温度が第1温度範囲や第3温度範囲に至らないため、低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部(MH)を作動させる必要がないからである。
加えて、暖房運転および冷房運転の定格運転時には、制御器(100)は、熱媒体が、低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部(MH)をバイパスするバイパス動作を実行させる。具体的には、低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部(MH)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を開け、中温磁気冷凍部(MM)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を閉じる。これにより、熱媒体は、作動状態である中温磁気冷凍部(MM)のみを流れる。このようにすると、熱媒体が低温磁気冷凍部(ML)や高温磁気冷凍部(MH)を流れることに起因して圧力損失が増大することを抑制できる。
暖房運転や冷房運転が定格運転である第1条件は、外気温度、室内温度、熱媒体の温度の少なくとも1つに基づいて判断できる。制御器(100)は、定格運転であることを示す第1条件が成立すると、第4磁気冷凍部である中温磁気冷凍部(MM)のみを作動させる。加えて、制御器(100)は、第1条件が成立すると、熱媒体が、低温磁気冷凍部(ML)および高温磁気冷凍部をバイパスし、中温磁気冷凍部(MM)を流れる動作を実行させる。
(1-7-2)第1温度範囲を含む暖房運転
外気温度が極端に低い条件下での暖房運転では、低温側の熱媒体が第1温度範囲に至る第2条件が成立する。この場合、制御器(100)は、高温磁気冷凍部(MH)において第1変調動作および第2変調動作のいずれも実行させず、低温側磁気冷凍部(M)および中温磁気冷凍部(MM)において第1変調動作および第2変調動作を実行させる。
加えて、この運転時には、制御器(100)は、熱媒体が高温磁気冷凍部(MH)をバイパスするバイパス動作を実行させる。具体的には、高温磁気冷凍部(MH)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を開け、低温磁気冷凍部(ML)および中温磁気冷凍部(MM)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を閉じる。これにより、熱媒体は、作動状態である低温磁気冷凍部(ML)および中温磁気冷凍部(MM)を流れる。このようにすると、熱媒体が高温磁気冷凍部(MH)を流れることに起因して圧力損失が増大することを抑制できる。
低温側の熱媒体が第1温度範囲に至る第2条件は、外気温度および熱媒体の温度の少なくとも1つに基づいて判断できる。制御器(100)は、第2条件が成立すると、低温磁気冷凍部(ML)および中温磁気冷凍部(MM)を作動させる。加えて、制御器(100)は、第2条件が成立すると、熱媒体が高温磁気冷凍部(MH)をバイパスし、熱媒体が低温磁気冷凍部(ML)および中温磁気冷凍部(MM)を流れる動作を実行させる。
(1-7-3)第3温度範囲を含む冷房運転および暖房運転
外気温度が極端に高い条件下での冷房運転、および暖房負荷が極端に高い暖房運転では、高温側の熱媒体が第3温度範囲に至る第3条件が成立する。この場合、制御器(100)は、低温磁気冷凍部(ML)において第1変調動作および第2変調動作のいずれも実行させず、中温磁気冷凍部(MM)および高温磁気冷凍部(MH)において第1変調動作および第2変調動作を実行させる。
加えて、この運転時には、制御器(100)は、熱媒体が低温磁気冷凍部(ML)をバイパスするバイパス動作を実行させる。具体的には、低温磁気冷凍部(ML)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を開け、中温磁気冷凍部(MM)および高温磁気冷凍部(MH)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を閉じる。これにより、熱媒体は、作動状態である中温磁気冷凍部(MM)および高温磁気冷凍部(MH)を流れる。このようにすると、熱媒体が低温磁気冷凍部(ML)を流れることに起因して圧力損失が増大することを抑制できる。
高温側の熱媒体が第3温度範囲に至る第3条件は、外気温度、室内温度、および熱媒体の温度の少なくとも1つに基づいて判断できる。制御器(100)は、第3条件が成立すると、中温磁気冷凍部(MM)および高温磁気冷凍部(MH)を作動させる。加えて、制御器(100)は、第3条件が成立すると、熱媒体が低温磁気冷凍部をバイパスし、熱媒体が中温磁気冷凍部(MM)および高温磁気冷凍部(MH)を流れる動作を実行させる。
《実施形態6》
図32に示すように、実施形態6の熱媒体回路(C)は、実施形態5に係る第1流路(40)および第2流路(50)を含む2つのユニット(U1,U2)を有する。2つのユニット(U1,U2)は、互いに並列に接続される第1ユニット(U1)と第2ユニット(U2)とで構成される。これらにユニット(U1,U2)は、互いに同じ構成である。各ユニット(U1,U2)は、実施形態5と同様、第1流路(40)、第2流路(50)、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、高温磁気冷凍部(MH)、逆止弁(CV)、第5バイパス機構(B5)、第6バイパス機構(B6)を有する。
実施形態6は、実施形態5と搬送機構(20)の構成が異なる。実施形態6の搬送機構(20)は、一過式のポンプ(26)と、第9三方弁(28)と、第10三方弁(29)とを有する。ポンプ(26)は、熱媒体を一方向のみに搬送する。ポンプ(26)は、第3四方切換弁(37)の第2ポート(P2)と、室外熱交換器(34)の間の流路に接続される。ポンプ(26)は、室外熱交換器(34)側へ熱媒体を吐出する。
第9三方弁(28)および第10三方弁(29)は、第1~第3までのポートを有する。第9三方弁(28)および第10三方弁(29)は、図32の実線で示す第1状態と、図32の破線で示す第2状態とに切り換わる。第1状態の第9三方弁(28)および第10三方弁(29)は、第1ポートと第3ポートとを連通させる。第2状態の第9三方弁(28)および第10三方弁(29)は、第1ポートと第2ポートと連通させる。
第9三方弁(28)の第1ポートは、第3四方切換弁(37)の第1ポート(P1)に連通する。第9三方弁(28)の第2ポートは、第1ユニット(U1)の第2流路(50)の流出端に連通する。第9三方弁(28)の第3ポートは、第2ユニット(U2)の第2流路(50)の流出端に連通する。
第10三方弁(29)の第1ポートは、第4四方切換弁(38)の第1ポート(P1)に連通する。第10三方弁(29)の第2ポートは、第1ユニット(U1)の第1流路(40)の流入端に連通する。第10三方弁(29)の第3ポートは、第2ユニット(U2)の第1流路(40)の流入端に連通する。
-運転動作-
実施形態6に係る磁気冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転では、第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)がそれぞれ第1状態となる。室外ファン(15)および室内ファン(14)が運転する。冷房運転では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。なお、以下では、全ての磁気冷凍部(M)を作動させる冷房運転を例に説明する。
図33に示す第1動作では、第1ユニット(U1)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。第2ユニット(U2)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)のポンプ(26)が運転する。第9三方弁(28)が第2状態となり、第10三方弁(29)が第1状態となる。
第1動作では、第1ユニット(U1)の第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)の順で加熱された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第2ユニット(U2)の第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)の順で冷却された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。
図34に示す第2動作では、第2ユニット(U2)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。第1ユニット(U1)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)のポンプ(26)が運転する。第9三方弁(28)が第1状態となり、第10三方弁(29)が第2状態となる。
第2動作では、第2ユニット(U2)の第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)の順で加熱された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第1ユニット(U1)の第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)の順で冷却された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。
〈暖房運転〉
暖房運転では、第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)がそれぞれ第2状態となる。室外ファン(15)および室内ファン(14)が運転する。暖房運転では、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。なお、以下では、全ての磁気冷凍部(M)を作動させる暖房運転を例に説明する。
図35に示す第3動作では、第1ユニット(U1)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。第2ユニット(U2)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)のポンプ(26)が運転する。第9三方弁(28)が第2状態となり、第10三方弁(29)が第1状態となる。
第3動作では、第1ユニット(U1)の第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)の順で加熱された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。第2ユニット(U2)の第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)の順で冷却された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。
図36に示す第4動作では、第2ユニット(U2)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第1変調動作が行われる。第1ユニット(U1)の低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)で第2変調動作が行われる。搬送機構(20)のポンプ(26)が運転する。第9三方弁(28)が第1状態となり、第10三方弁(29)が第2状態となる。
第4動作では、第2ユニット(U2)の第2流路(50)において、低温磁気冷凍部(ML)、中温磁気冷凍部(MM)、および高温磁気冷凍部(MH)の順で加熱された熱媒体が、室内熱交換器(33)へ供給される。室内熱交換器(33)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。第1ユニット(U1)の第1流路(40)において、高温磁気冷凍部(MH)、中温磁気冷凍部(MM)、および低温磁気冷凍部(ML)の順で冷却された熱媒体が、室外熱交換器(34)へ供給される。室外熱交換器(34)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。
〈バイパス動作〉
実施形態6においても、実施形態5と同様に、バイパス動作が行われる。例えば熱媒体の温度が第1温度範囲にあり、低温磁気冷凍部(ML)が作動しない場合には、制御器(100)は、低温磁気冷凍部(ML)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を開ける。熱媒体の温度が第3温度範囲にあり、高温磁気冷凍部(MH)が作動しない場合には、制御器(100)は、高温磁気冷凍部(MH)に対応するバイパス流路(60)の制御弁(90)を開ける。それ以外の作用効果は、実施形態5と同じである。
《実施形態5および6の変形例》
実施形態5および6の変形例について説明する。
〈変形例G-出現頻度が異なる例〉
変形例Gに係る磁気冷凍装置(1)は、実施形態5および6と熱媒体の出現頻度が異なる。図37に示すように、磁気冷凍装置(1)では、その出現頻度の低いものから順に、「希」、「低」、「中」、「高」の4つ段階の温度範囲がある。第1温度範囲は「希」、第2温度範囲および第6温度範囲は「低」、第3温度範囲および第5温度範囲は「中」、第4温度範囲は「高」となる。
この場合、磁気冷凍装置(1)は、これらの温度範囲に対応するように6つの磁気冷凍部(M)を設けるのが好ましい。第1温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A1、第2温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A2、第3温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A3、第4温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A4、第5温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A5、第6温度範囲に対応する磁気冷凍部(M)を磁気冷凍部A6とする。
この例では、複数の磁気冷凍部(M)は、熱媒体の出現頻度が小さくなるほど、その磁気作業物質(11)の動作温度域を広くするのが好ましい。本例では、磁気冷凍部A1の磁気作業物質(11)の動作温度域が最も広くなり、磁気冷凍部A2および磁気冷凍部A6の磁気作業物質(11)の動作温度域が次に広くなり、磁気冷凍部A3および磁気冷凍部A5の磁気作業物質(11)の動作温度域が次に広くなり、磁気冷凍部A4の磁気作業物質(11)の動作温度域が最も小さくなる。
この例では、複数の磁気冷凍部(M)は、熱媒体の出現頻度が小さくなるほど、その磁気作業物質(11)の層数を少なくするのが好ましい。加えて、複数の磁気冷凍部(M)は、熱媒体の出現頻度が小さくなるほど、その磁気作業物質(11)の総量を多くするのが好ましい。これらの理由は、上述の通りである。
〈変形例H-冷房専用機の例〉
変形例Hに係る磁気冷凍装置(1)は、冷房専用の空気調和装置に適用される。図38に示すように、磁気冷凍装置(1)は、実施形態5の第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)が省略されている。変形例Hの冷房運転は、実施形態5と同様である。
図39に示すように、磁気冷凍装置(1)の運転では、出現頻度が「中」の第1温度範囲と、出現頻度が「高」の第2温度範囲と、出現頻度が「低」の第3温度範囲とがある。低温磁気冷凍部(ML)は第1温度範囲に対応し、中温磁気冷凍部(MM)は第2温度範囲に対応し、高温磁気冷凍部(MH)は第3温度範囲に対応する。
この例では、高温磁気作業物質(11H)の動作温度域の広さを最も広くし、低温磁気作業物質(11L)の動作温度域の広さを次に広くし、中温磁気作業物質(11M)の動作温度域の広さを最も小さくする。
この例では、高温磁気冷凍部(MH)の層数を最も少なくし、低温磁気冷凍部(ML)の層数を次に少なくし、中温磁気冷凍部(MM)の層数を最も多くする。
この例では、高温磁気冷凍部(MH)の高温磁気作業物質(11H)の量を最も多くし、低温磁気冷凍部(ML)の低温磁気作業物質(11L)の量を次に多くし、中温磁気冷凍部(MM)の中温磁気作業物質(11M)の量を最も少なくする。これらの理由は、上述の通りである。
〈変形例I-暖房専用機の例〉
変形例Iに係る磁気冷凍装置(1)は、暖房専用の空気調和装置に適用される。図40に示すように、磁気冷凍装置(1)は、実施形態5の第3四方切換弁(37)および第4四方切換弁(38)が省略されている。変形例Iの暖房運転は、実施形態5と同様である。
図41に示すように、磁気冷凍装置(1)の運転では、出現頻度が「低」の第1温度範囲と、出現頻度が「高」の第2温度範囲と、出現頻度が「中」の第3温度範囲とがある。低温磁気冷凍部(ML)は第1温度範囲に対応し、中温磁気冷凍部(MM)は第2温度範囲に対応し、高温磁気冷凍部(MH)は第3温度範囲に対応する。
この例では、低温磁気作業物質(11L)の動作温度域の広さを最も広くし、高温磁気作業物質(11H)の動作温度域の広さを次に広くし、中温磁気作業物質(11M)の動作温度域の広さを最も小さくする。
この例では、低温磁気冷凍部(ML)の層数を最も少なくし、高温磁気冷凍部(MH)の層数を次に少なくし、中温磁気作業物質(MM)の層数を最も多くする。
この例では、低温磁気冷凍部(ML)の低温磁気作業物質(11L)の量を最も多くし、高温磁気冷凍部(MH)の高温磁気作業物質(11H)の量を次に多くし、中温磁気冷凍部(MM)の中温磁気作業物質(11M)の量を最も少なくする。これらの理由は、上述の通りである。
〈変形例J-第3磁気冷凍部および第4磁気冷凍部の他の配置〉
第3磁気冷凍部である低温磁気冷凍部(ML)や高温磁気冷凍部(MH)は、複数の磁気冷凍部のうち最も端に配置されていなくてもよく、複数の磁気冷凍部(M)の端寄りに配置されていればよい。
第3磁気冷凍部である低温磁気冷凍部(ML)や高温磁気冷凍部(MH)は、必ずしも室外熱交換器(34)に隣接してなくてもよく、室外熱交換器(34)寄りに配置されていればよい。
複数の磁気冷凍部(M)の全体としての動作温度域を同じ温度幅で3つに区分し、最も温度が低い温度域を「低温域」、最も温度が高い温度域を「高温域」、低温域と高温域との間を「中温域」とする。この場合に、第3磁気冷凍部を低温域及び高温域のいずれか一方に設け、第4磁気冷凍部を中温域に設けてもよい。言い換えると、第3磁気冷凍部が、低温域や高温域において磁気熱量効果を発揮し、第4磁気冷凍部が中温域において磁気熱量効果を発揮するように、これらを構成してもよい。
《その他の実施形態》
上述した各実施形態や各変形例においては、以下のような構成としてもよい。
磁場変調部(12)は、永久磁石を用いたリニア駆動型、永久磁石を用いた回転駆動型、電磁石を用いた静止型、電磁石と永久磁石を用いた静止型のいずれかであってもよい。
本開示の第1熱交換部及び第2熱交換部は、空気熱交換器以外の構成であってもよい。具体的には、熱媒体回路(C)の熱媒体と、二次側の流路を流れる他の熱媒体(水、ブライン、冷媒など)とを熱交換させる熱交換器であってもよい。
固体冷凍装置は、庫内を冷却する冷却器、空気調和機、ヒートポンプ式のチラー、給湯装置などに適用される。
固体冷凍装置は、磁気作業物質(11)に磁気熱量効果を誘発する磁気冷凍装置以外の他の方式であってもよい。固体冷凍装置は、外部エネルギーに対する熱量効果を発揮する固体冷媒物質と、固体冷媒物質に熱量効果を誘発させる誘発部とを有する。ここでいう固体冷媒物質は、柔軟結晶などの液体と固体の中間の性質を有するものも含む。
他の方式の固体冷凍装置としては、1)固体冷媒物質に電気熱量効果を誘発する方式、2)固体冷媒物質に圧力熱量効果を誘発する方式、3)固体冷媒物質に弾性熱量効果を誘発する方式が挙げられる。
1)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に電場変動を付与する。これにより固体冷媒物質が強誘電体から常誘電体へ相転移するなどして、固体冷媒物質が発熱または吸熱する。
2)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に圧力変動を付与することで、固体冷媒物質が相転移し発熱または吸熱する。
3)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に応力変動を付与することで、固体冷媒物質が相転移し発熱または吸熱する。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、固体冷凍装置、特に磁気冷凍装置について有用である。
1 磁気冷凍装置(固体冷凍装置)
11 磁気作業物質(固体冷媒物質)
11b 第2磁気作業物質(中間側磁気作業物質)
11c 第3磁気作業物質(端部側磁気作業物質)
11d 第4磁気作業物質(端部側磁気作業物質)
11e 第5磁気作業物質(中間側磁気作業物質)
12 磁場変調部(変調部)
20 搬送機構
31 第1熱交換器(第1熱交換部)
32 第2熱交換器(第2熱交換部)
33 室内熱交換器(第1熱交換部、第2熱交換部)
34 室外熱交換器(第2熱交換部、第1熱交換部)
40 第1流路
50 第2流路
81 第1蓄熱部(蓄熱部)
82 第2蓄熱部(蓄熱部)
84 第2蓄熱ユニット(蓄熱部)
85 第4蓄熱ユニット(蓄熱部)
B バイパス機構
M 磁気冷凍部(固体冷凍部)
ML 低温磁気冷凍部(第3磁気冷凍部)
MM 中温磁気冷凍部(第4磁気冷凍部)
MH 高温磁気冷凍部(第5磁気冷凍部)

Claims (25)

  1. 外部エネルギーに対する熱量効果を発揮する固体冷媒物質(11)と、該固体冷媒物質(11)に熱量効果を誘発させる誘発部(12)とを有する複数の固体冷凍部(M)と、
    前記複数の固体冷凍部(M)が接続される熱媒体回路(C)と、
    前記熱媒体回路(C)の熱媒体を搬送する搬送機構(20)とを備えた固体冷凍装置であって、
    前記熱媒体回路(C)は、
    前記複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第1熱交換部(31,33,34)に供給する第1流路(40)と、
    前記複数の固体冷凍部(M)がそれぞれ直列に接続されるとともに前記搬送機構(20)により搬送された熱媒体を第2熱交換部(32,33,34)に供給する第2流路(50)と、
    前記第1流路(40)及び第2流路(50)の少なくとも一方に接続されるとともに、前記熱媒体が前記固体冷凍部(M)を流れる動作と、該熱媒体が該固体冷凍部(M)をバイパスする動作とを切り換える少なくとも1つのバイパス機構(B)とを有する
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    前記バイパス機構(B)は、前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)の双方に接続されるとともに前記複数の固体冷凍部(M)の全てに対応して設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記複数の固体冷凍部は、前記固体冷媒物質としての磁気作業物質(11)と、該磁気作業物質(11)に磁場変動を付与する前記誘発部としての磁場変調部(12)とをそれぞれ有する複数の磁気冷凍部(M)である
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  4. 請求項3において、
    前記複数の磁気冷凍部(M)の各々は、それらの低温端から高温端に向かって、キュリー温度が順に高くなる複数種の磁気作業物質(11)を有するカスケード式である
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)には、前記複数の磁気冷凍部(M)のそれぞれのキュリー温度の平均値が順に高くなるように、該複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  6. 請求項3において、
    前記複数の磁気冷凍部(M)は、1つの磁気作業物質(11)を有する単層式であり、
    前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)には、前記複数の磁気冷凍部(M)の各々の磁気作業物質(11)のキュリー温度が順に高くなるように、該複数の磁気冷凍部(M)が直列に接続される
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  7. 請求項3において、
    隣り合う2つの固体冷凍部(M)の動作温度域の一部が重なる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  8. 請求項7において、
    前記複数の磁気冷凍部(M)の各々は、それらの低温端から高温端に向かって、キュリー温度が順に高くなる複数種の磁気作業物質(11)を有するカスケード式であり、
    隣り合う磁気冷凍部(M)は、各々の端部側の磁気作業物質(11)の動作温度域の一部又は全部が重なる領域を有するように構成され、
    前記重なる領域の磁気熱量効果の最大値が、隣り合う磁気冷凍部(M)の前記端部側の磁気作業物質(11)における磁気熱量効果の最大値の平均値の1/2以上である
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  9. 請求項7において、
    前記複数の磁気冷凍部(M)は、1種の磁気作業物質(11)を有する単層式であり、
    隣り合う磁気冷凍部(M)は、各々の磁気作業物質(11)の動作温度域の一部が重なる領域を有するように構成され、
    前記重なる領域の磁気熱量効果の最大値が、前記隣り合う磁気冷凍部(M)の各々の磁気作業物質(11)における磁気熱量効果の最大値の平均値の1/2以上である
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  10. 請求項4又は5において、
    前記複数種の磁気作業物質(11)は、それらの端部に対応する端部側磁気作業物質(11c,11d)と、それらの両端の間の中間部に対応する中間側磁気作業物質(11b,11e)とを含み、
    前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の動作温度域の幅が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の動作温度域の幅よりも広い
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  11. 請求項4又は5において、
    前記複数種の磁気作業物質(11)は、それらの端部に対応する端部側磁気作業物質(11c,11d)と、それらの両端の間の中間部に対応する中間側磁気作業物質(11b,11e)とを含み、
    前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁気熱量効果の最大値が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁気熱量効果の最大値よりも大きい
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  12. 請求項11において、
    前記磁場変調部(12)は、前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の磁束密度の変化量を、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の磁束密度の変化量よりも大きくする
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  13. 請求項11又は12において、
    前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の断熱温度変化、又はエントロピー変化が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の断熱温度変化、又はエントロピー変化よりも大きい
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  14. 請求項11~13のいずれか1つにおいて、
    前記端部側磁気作業物質(11c,11d)の重量が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の重量よりも大きい
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  15. 請求項14において、
    端部側磁気作業物質(11c,11d)の充填率、又は容積が、前記中間側磁気作業物質(11b,11e)の充填率、又は容積よりも大きい
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  16. 請求項1~15のいずれか1つにおいて、
    前記第1流路(40)及び前記第2流路(50)の少なくとも一方には、前記固体冷凍部(M)をバイパスした熱媒体が流れる蓄熱部(81,82,84,85)が設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  17. 請求項3~15のいずれか1つにおいて、
    複数の磁気冷凍部(M)は、一部の磁気冷凍部である第3磁気冷凍部(ML,MH)と、それ以外の他の磁気冷凍部である第4磁気冷凍部(MM)とを含み、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の動作温度域が前記第4磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の動作温度域よりも広い
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  18. 請求項17において、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の磁気作業物質(11)の量が、前記第4磁気冷凍部(MM)の磁気作業物質(11)の量よりも大きい
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  19. 請求項17又は18において、
    前記バイパス機構(B)は、前記第3磁気冷凍部(ML,MH)に対応して設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  20. 請求項17~19のいずれか1つにおいて、
    前記固体冷凍装置の運転において、前記熱媒体の温度が前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域に至る頻度が、前記熱媒体の温度が前記第4磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域内に至る頻度よりも少ない
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  21. 請求項17~20のいずれか1つにおいて、
    前記第4磁気冷凍部(MM)の全体の動作温度域は、中温域であり、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)の全体の動作温度域は、低温域および高温域のいずれか一方または両方である
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  22. 請求項17~21のいずれか1つにおいて、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記複数の磁気冷凍部(M)の端部寄りに設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  23. 請求項22において、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記複数の磁気冷凍部(M)の両端にそれぞれ設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  24. 請求項17~23のいずれか1つにおいて、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記第1熱交換部(31,33,34)および前記第2熱交換部(32,33,34)の少なくとも一方を構成する室外熱交換器(34)寄りに設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
  25. 請求項24において、
    前記第3磁気冷凍部(ML,MH)は、前記室外熱交換器(34)に隣接して設けられる
    ことを特徴とする固体冷凍装置。
JP2021192213A 2020-03-30 2021-11-26 固体冷凍装置 Active JP7436875B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020060281 2020-03-30
JP2020060281 2020-03-30
JP2021052543A JP7032684B2 (ja) 2020-03-30 2021-03-26 固体冷凍装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021052543A Division JP7032684B2 (ja) 2020-03-30 2021-03-26 固体冷凍装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2022016668A true JP2022016668A (ja) 2022-01-21
JP2022016668A5 JP2022016668A5 (ja) 2022-06-01
JP7436875B2 JP7436875B2 (ja) 2024-02-22

Family

ID=77928967

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021052543A Active JP7032684B2 (ja) 2020-03-30 2021-03-26 固体冷凍装置
JP2021192213A Active JP7436875B2 (ja) 2020-03-30 2021-11-26 固体冷凍装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021052543A Active JP7032684B2 (ja) 2020-03-30 2021-03-26 固体冷凍装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230019748A1 (ja)
EP (1) EP4116641A4 (ja)
JP (2) JP7032684B2 (ja)
CN (1) CN115398161A (ja)
WO (1) WO2021200666A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7108183B2 (ja) * 2018-09-27 2022-07-28 ダイキン工業株式会社 磁気冷凍システム
CN114353374B (zh) * 2022-01-13 2023-07-25 中国科学院赣江创新研究院 一种热电效应和弹热效应耦合的固态制冷装置
WO2023223462A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 三菱電機株式会社 磁気冷凍装置

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008051412A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Chubu Electric Power Co Inc 磁気冷凍装置
US20080314048A1 (en) * 2007-06-19 2008-12-25 General Electric Company Cooling device and method of operation
JP2012193927A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Nissan Motor Co Ltd 磁気冷凍機及び磁気冷凍方法
JP2013189543A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Toyama Univ 磁気冷凍材料、蓄冷材料及びそれを用いた冷凍システム
JP2014214885A (ja) * 2013-04-22 2014-11-17 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP2016080205A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社デンソー 磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置
JP2016080206A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社デンソー 磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置
JP2016109412A (ja) * 2014-11-28 2016-06-20 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP2016530479A (ja) * 2013-09-11 2016-09-29 アストロノーティクス コーポレイション オブ アメリカAstronautics Corporation Of America エポキシによって構造的に安定化された高い空隙率の粒子のベッド
JP2017172820A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
US20180283740A1 (en) * 2017-03-28 2018-10-04 Battelle Memorial Institute Advanced multi-layer active magnetic regenerator systems and processes for magnetocaloric liquefaction
JP2019143938A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 サンデンホールディングス株式会社 磁気熱量素子及び磁気ヒートポンプ装置
JP2020046079A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 ダイキン工業株式会社 磁場印加装置
JP2020046085A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 ダイキン工業株式会社 磁気冷凍ユニット

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5418616B2 (ja) 2011-05-13 2014-02-19 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
WO2020054470A1 (ja) * 2018-09-11 2020-03-19 ダイキン工業株式会社 磁気冷凍装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008051412A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Chubu Electric Power Co Inc 磁気冷凍装置
US20080314048A1 (en) * 2007-06-19 2008-12-25 General Electric Company Cooling device and method of operation
JP2012193927A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Nissan Motor Co Ltd 磁気冷凍機及び磁気冷凍方法
JP2013189543A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Toyama Univ 磁気冷凍材料、蓄冷材料及びそれを用いた冷凍システム
JP2014214885A (ja) * 2013-04-22 2014-11-17 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP2016530479A (ja) * 2013-09-11 2016-09-29 アストロノーティクス コーポレイション オブ アメリカAstronautics Corporation Of America エポキシによって構造的に安定化された高い空隙率の粒子のベッド
JP2016080206A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社デンソー 磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置
JP2016080205A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社デンソー 磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置
JP2016109412A (ja) * 2014-11-28 2016-06-20 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP2017172820A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
US20180283740A1 (en) * 2017-03-28 2018-10-04 Battelle Memorial Institute Advanced multi-layer active magnetic regenerator systems and processes for magnetocaloric liquefaction
JP2019143938A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 サンデンホールディングス株式会社 磁気熱量素子及び磁気ヒートポンプ装置
JP2020046079A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 ダイキン工業株式会社 磁場印加装置
JP2020046085A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 ダイキン工業株式会社 磁気冷凍ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
EP4116641A1 (en) 2023-01-11
US20230019748A1 (en) 2023-01-19
JP2021162300A (ja) 2021-10-11
WO2021200666A1 (ja) 2021-10-07
CN115398161A (zh) 2022-11-25
EP4116641A4 (en) 2024-03-27
JP7436875B2 (ja) 2024-02-22
JP7032684B2 (ja) 2022-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7032684B2 (ja) 固体冷凍装置
US7980093B2 (en) Combined refrigerant compressor and secondary liquid coolant pump
EP1577621A2 (en) Refrigerating machine
WO2006025427A1 (ja) 冷凍装置
US20220214091A1 (en) Solid-state refrigeration device
JP6832939B2 (ja) 冷凍サイクル装置
KR0166137B1 (ko) 공기 조화기의 운전제어장치
JP2005042943A (ja) 蓄熱式空気調和装置
JPS6231194B2 (ja)
JP6505782B2 (ja) 磁気ヒートポンプ装置
CN105953337B (zh) 冰蓄热空调机组及其控制方法
CN112361642B (zh) 磁蓄冷器、蓄冷床、磁制冷系统和磁制冷控制方法
JP6865902B1 (ja) 磁気温調システム
JP7477805B2 (ja) 固体冷凍装置
JPH01306785A (ja) 空気調和機
JP6505781B2 (ja) 磁気ヒートポンプ装置
JP2876764B2 (ja) 水素吸蔵ヒートポンプ
JP2022150260A (ja) 固体冷凍装置
JP2023142130A (ja) 磁気冷凍装置
CN112129004B (zh) 压缩机和换热系统
CN109489286A (zh) 空调系统及空调器
JPS61225554A (ja) 蓄冷式冷凍装置
JPH11337191A (ja) 蓄熱式冷凍装置
JPS61190257A (ja) ヒ−トポンプ式冷凍装置
JPH0438989B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220524

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230317

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231108

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20231116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7436875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151