JP2022016369A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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寛人 林
Hiroto Hayashi
安啓 日高
Yasuhiro Hidaka
邦泰 加納
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Abstract

【課題】耐ホットオフセット性及び耐久性に優れる静電荷像現像用トナーに関する。【解決手段】酸性基を有する非晶性樹脂Aと、ポリオレフィン骨格、並びにアミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、ジアゾ基、及びアジ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性窒素含有基を有する化合物Bと、離型剤Cとを含有し、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有する、静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が求められている。
特許文献1では、耐久性及び着色力に優れる静電荷像現像用トナーの提供を目的として、酸性基を有する非晶性樹脂と、着色剤と、ワックスと、炭素数12以上30以下の脂肪族炭化水素基、並びにアミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、ジアゾ基、及びアジ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性窒素含有基を有する化合物Bと、を含有する、静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許文献2では、低温定着性及び耐久性に優れる静電荷像現像用トナーの提供を目的として、結着樹脂(A)、ワックス(B)、及びワックス分散剤(C)を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記ワックス(B)の融点が70~105℃であり、前記トナーの示差走査熱量計によるワックス(B)由来の吸熱ピークの吸熱量ΔH1が4~15J/gであり、前記トナーをヘキサンで洗浄した後のトナーの示差走査熱量計によるワックス(B)由来の吸熱ピークの吸熱量ΔH2がΔH2/ΔH1>0.4の関係式を満たす、静電荷像現像用トナーが開示されている。
特開2019-174672号公報 特開2019-184931号公報
特許文献1や2のトナーにおいて化合物Bを用いて離型剤(ワックス)を微分散化させる場合、耐久性には優れるものの、離型剤のトナー表面への移行が阻害されるため、耐ホットオフセット性に関して更なる改良が求められていた。
本発明は、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れる静電荷像現像用トナーに関する。
本発明は、酸性基を有する非晶性樹脂Aと、ポリオレフィン骨格、並びにアミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、ジアゾ基、及びアジ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性窒素含有基を有する化合物Bと、離型剤Cとを含有し、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有する、静電荷像現像用トナーに関する。
本発明によれば、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
[静電荷像現像用トナー]
本発明に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、酸性基を有する非晶性樹脂A(以下、単に「非晶性樹脂A」ともいう)と、ポリオレフィン骨格、並びにアミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、ジアゾ基、及びアジ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性窒素含有基を有する化合物B(以下、単に「化合物B」ともいう)と、離型剤Cとを含有し、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有する。
以上の構成によれば、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーが提供される。
本発明の静電荷像現像用トナーが、耐久性及び耐ホットオフセット性に優れる理由は定かではないが、次のように考えられる。
非晶性樹脂Aの酸性基と化合物Bの塩基性窒素含有基との酸塩基相互作用により、非晶性樹脂A中に化合物Bが微分散化される。それに伴い、化合物Bに化学的に結合されているポリオレフィンが非晶性樹脂A中に微分散化された状態が形成される。疎水性が高い離型剤がポリオレフィンにより微分散化される結果、トナー表面中の離型剤量が低減されるためか、耐久性に優れると考えられる。
更に、驚くべきことに、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有することで、耐ホットオフセット性にも優れることが分かった。一般的に、離型剤は、トナー定着時に溶融しトナー表面に移行することで耐ホットオフセット性を発現する。化合物Bを用いて離型剤を微分散化させる場合、離型剤の分散安定化に伴ってトナー表面への移行が阻害されやすくなる。ここで、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有することにより樹脂の親水性が向上し、局所的に疎水的な離型剤との相性が悪くなるためか、定着時に速やかにトナー表面に移行し、耐ホットオフセット性に優れるものと考えられる。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂が結晶性であるか非晶性であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、後述する実施例に記載の測定方法における、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピーク温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下の樹脂である。非晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6未満又は1.4超の樹脂である。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
本明細書において、「結着樹脂」とは、非晶性樹脂Aを含むトナー中に含まれる樹脂成分を意味する。
明細書中、ポリエステル樹脂のカルボン酸成分には、その例示の化合物のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
「(メタ)アクリル酸アルキル」とは、アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルを示す。また、アルキル部位について「(イソ)」とは、ノルマルアルキル又はイソアルキルを意味する。
<非晶性樹脂A>
非晶性樹脂Aは、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、酸性基を有する。
酸性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基が挙げられる。これらの中でもカルボキシ基が好ましい。
非晶性樹脂Aは、酸性基を有する限り特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が挙げられる。これらの中でもポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂の場合、樹脂のポリマー鎖末端のカルボキシ基は、少なくとも前述の酸性基に該当する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、変性されたポリエステル系樹脂が挙げられる。変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂がウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂がエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメントとを含む複合樹脂が挙げられる。
〔ポリエステル樹脂〕
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮合物である。
アルコール成分としては、例えば、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらのアルコール成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
本発明における非晶性樹脂Aは、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有する。非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分として含有されるエチレングリコールは、ポリエチレンテレフタレート由来であってもよい。
ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールと、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル等との重縮合により、常法に従って製造されたものを用いることができる。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(以下「IV値」ともいう)は、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れたトナーを得る観点から、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.55以上であり、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.9以下、更に好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.75以下、更に好ましくは0.7以下である。IV値は分子量の指標となる。ポリエチレンテレフタレートのIV値は、重縮合時間等により調整することができる。
IV値の測定は、例えば、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)混合溶媒に0.4g/dLの濃度にて試料を溶解し、ウベローデ型粘度計にて測定を行い、以下の式に従って算出することができる。
Figure 2022016369000001

〔式中、kはハギンズの定数であり、Cは試料溶液の濃度(g/dL)であり、η=(t1/t0)-1であり、t0は溶媒のみの落下秒数であり、t1は試料溶液の落下秒数である。kは0.33とする。〕
ポリエチレンテレフタレートの市販品としては、「RAMAPET L1」(Indorama Ventures社製、IV値:0.60)、「RAMAPET N2G」(Indorama Ventures社製、IV値:0.75)、「TRN-NTJ」(帝人株式会社製、IV値:0.53)、「TRN-RTJC」(帝人株式会社製、IV値:0.64)等が挙げられる。
エチレングリコールの含有量の総量は、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、非晶性樹脂Aを構成する全アルコール成分100モル%に対し、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、更に好ましくは35モル%以上であり、そして、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは45モル%以下である。
エチレングリコール以外の直鎖又は分岐の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数2以上12以下)が挙げられる。
芳香族ジオールは、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物であり、より好ましくは式(I):
Figure 2022016369000002

(式中、OR1及びR2Oはオキシアルキレン基であり、R1及びR2はそれぞれ独立にエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕のプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物又はビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量の総量は、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、非晶性樹脂Aを構成する全アルコール成分100モル%に対し、好ましくは75モル%以下、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%以上である。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
3価以上の多価アルコールを含む場合、3価以上の多価アルコールの量は、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、非晶性樹脂Aを構成する全アルコール成分100モル%に対し、好ましくは2モル%以上、より好ましくは5モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下である。
カルボン酸成分としては、例えば、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、及び、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の量は、非晶性樹脂Aを構成する全カルボン酸成分100モル%に対し、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは100モル%である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。これらの中でも、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸が好ましい。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の量は、非晶性樹脂Aを構成する全カルボン酸成分100モル%に対し、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%以上、より好ましくは0モル%である。
3価以上の多価カルボン酸としては、好ましくは3価のカルボン酸であり、例えば、トリメリット酸が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸を含む場合、3価以上の多価カルボン酸の量は、非晶性樹脂Aを構成する全カルボン酸成分100モル%に対し、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%以上、より好ましくは3モル%以上、更に好ましくは5モル%以上である。
アルコール成分の水酸基に対するカルボン酸成分のカルボキシ基の当量比〔COOH基/OH基〕は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
〔複合樹脂〕
複合樹脂は、ポリエステル樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメントとを含む。ポリエステル樹脂セグメントは、前述のポリエステル樹脂からなることが好ましい。
ビニル系樹脂セグメントは、好ましくは、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であり、より好ましくは、スチレン系化合物及び炭素数3以上22以下の脂肪族炭化水素基を有するビニル系モノマーを含有する原料モノマーの付加重合物である。
ポリエステル樹脂セグメントの量は、複合樹脂中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
ビニル系樹脂セグメントの量は、複合樹脂中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
なお、複合樹脂については、例えば国際公開第2018/216336号、特許第6267579号公報、特許第6496970号公報等に記載された複合樹脂を用いることができる。
〔非晶性樹脂Aの製造方法〕
非晶性樹脂Aは、ポリエステル樹脂である場合、例えば、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合により得られる。
必要に応じて、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)、酸化ジブチル錫、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のエステル化触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下;没食子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸と同じ。)等のエステル化助触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.001質量部以上0.5質量部以下用いて重縮合してもよい。
重縮合反応の温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下である。なお、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行ってもよい。
非晶性樹脂Aは、複合樹脂である場合、例えば、アルコール成分及びカルボン酸成分による重縮合反応を行う工程Aと、ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応を行う工程Bとを含む方法により製造してもよい。
工程Aの後に工程Bを行ってもよいし、工程Bの後に工程Aを行ってもよく、工程Aと工程Bを同時に行ってもよい。
工程Aにおいて、カルボン酸成分の一部を重縮合反応に供し、次いで工程Bを実施した後に、カルボン酸成分の残部を重合系に添加し、工程Aの重縮合反応及び必要に応じて両反応性モノマーとの反応を更に進める方法が好ましい。
工程Aの条件は、前述のポリエステル樹脂の製造方法と同様である。
付加重合反応の重合開始剤としては、例えば、ジブチルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
付加重合反応の温度は、好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。
〔非晶性樹脂Aの物性〕
非晶性樹脂Aの軟化点は、耐ホットオフセット性をより向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
非晶性樹脂Aのガラス転移温度は、耐熱保存性をより向上させる観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
非晶性樹脂Aの酸価は、耐ホットオフセット性及び耐久性をより向上させる観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、更に好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは12mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
非晶性樹脂Aの軟化点、ガラス転移温度、及び酸価は、原料モノマーの種類及びその使用量、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、また、それらの値は、実施例に記載の方法により求められる。
なお、非晶性樹脂Aを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、ガラス転移温度、及び酸価の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
トナーの結着樹脂において、非晶性樹脂Aの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、更に好ましくは88質量%以下である。
本発明において、ポリエステル系樹脂は、耐ホットオフセット性及び耐久性の観点から、軟化点が好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上互いに異なる2種以上のポリエステル系樹脂を含有していてもよい。2種以上のポリエステル系樹脂の中で、最も低い軟化点を有するポリエステル系樹脂の軟化点は、耐久性をより向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは135℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは115℃以下である。2種以上のポリエステル系樹脂の中で、最も高い軟化点を有するポリエステル系樹脂の軟化点は、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。2種以上のポリエステル系樹脂を含有する場合、トナーの生産性を向上させる観点から、2種を併用することが好ましい。
高軟化点ポリエステル系樹脂の軟化点と低軟化点ポリエステル系樹脂の軟化点との差は、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上であり、そして、耐久性及び低温定着性の観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下である。
2種のポリエステル系樹脂を用いる場合、高軟化点ポリエステル系樹脂と低軟化点ポリエステル系樹脂との質量比(高軟化点ポリエステル系樹脂/低軟化点ポリエステル系樹脂)は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは30/70以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、更に好ましくは70/30以下である。
<化合物B>
化合物Bは、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、ポリオレフィン骨格及び塩基性窒素含有基を有する。化合物Bは、非晶性樹脂A中に分散していることが好ましい。つまり、化合物Bがトナー粒子内部に分散していることが好ましい。
塩基性窒素含有基は、アミノ基、イミノ基(=NH)、シアノ基(-CN)、アゾ基(-N=N-)、ジアゾ基(=N2)、及びアジ基(-N3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
アミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれであってもよい。
化合物Bの結着樹脂Aへの親和性の観点からは、アミノ基が好ましい。
塩基性窒素含有基以外に含まれる官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、ホルミル基、アセタール基、オキシム基、チオール基が挙げられる。
化合物Bは、耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーを得る観点から、ポリオレフィン骨格を有する。
ポリオレフィン骨格を形成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリテトラデセン、ポリヘキサデセン、ポリオクタデセン、ポリエイコセン、ポリドコセン又はこれらの単量体の共重合体が挙げられる。
ポリオレフィン骨格としては、ポリプロピレン骨格、ポリエチレン骨格、プロピレン/エチレン共重合体骨格が好ましく、ポリエチレン骨格又はポリプロピレン骨格がより好ましく、ポリプロピレン骨格が更に好ましい。
化合物Bは、例えば、塩基性窒素含有基原料とポリオレフィン骨格原料との反応物である。
塩基性窒素含有基原料としては、例えば、ポリアミン化合物が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えば、ポリアルキレンアミン、ポリアリルアミン、ポリアミノアルキルメタクリレートが挙げられる。
ポリアミン化合物としては、酸性基を有する結着樹脂への吸着性の観点から、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ基を有するポリアルキレンアミンが好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、例えば、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンアミン、ポリブチレンアミンが挙げられる。
ポリエチレンアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、数平均分子量300以上15,000以下のポリエチレンイミンが挙げられる。中でも、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、数平均分子量300以上3,000以下のポリエチレンイミンが更に好ましく、テトラエチレンペンタミンが更に好ましい。
ポリエチレンイミンは、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、及び3級アミノ基を含み、分岐構造を有することが好ましい。
ポリエチレンイミンの市販品としては、例えば、「エポミン」シリーズの「SP-003」、「SP-006」、「SP-012」、「SP-018」(以上、純正化学株式会社製)が挙げられる。
ポリアミノアルキルメタクリレートとしては、例えば、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。
塩基性窒素含有基原料のアミン価は、好ましくは1mmol/g以上、より好ましくは3mmol/g以上、更に好ましくは5mmol/g以上であり、そして、好ましくは50mmol/g以下、より好ましくは40mmol/g以下、更に好ましくは30mmol/g以下、更に好ましくは25mmol/g以下である。
塩基性窒素含有基原料のアミン価は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
塩基性窒素含有基原料の数平均分子量は、酸性基の有する樹脂への吸着性の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは140以上、更に好ましくは180以上であり、そして、好ましくは15,000以下、より好ましくは10,000以下、更に好ましくは5,000以下、更に好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下である。
ポリオレフィン骨格原料としては、例えば、反応性の官能基を有するポリオレフィンが挙げられる。反応性の官能基としては、例えば、カルボキシ基、ハロゲノ基、エポキシ基、ホルミル基、イソシアネート基が挙げられる。カルボキシ基は、その無水物であってもよい。ハロゲノ基としては、例えば、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。これらの中では、安全性及び反応性の観点から、カルボキシ基又はその無水物、ハロゲノ基が好ましく、カルボキシ基又はその無水物がより好ましい。
ポリオレフィン骨格原料としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン/ヘキセン共重合体等の無水マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンは、片末端酸変性ポリオレフィンが好ましく、片末端無水マレイン酸変性ポリオレフィンがより好ましい。
ポリオレフィン骨格原料における反応性の官能基を有するポリオレフィンの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、更に好ましくは100質量%である。
ポリオレフィン骨格原料の融点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
ポリオレフィン骨格原料の数平均分子量は、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは300以上であり、そして、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,500以下である。
ポリオレフィン骨格原料の数平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
ポリプロピレン骨格を有するポリプロピレン骨格原料としては、例えば、「ユーメックス」シリーズの「100Ts」、「110Ts」、「1001」、「1010」(以上、三洋化成工業株式会社製)、「ハードレン」シリーズの「13-LP」、「13-LLP」、「14-LWP」、「15-LP」、「15-LLP」、「16-LP」、「DX-526P」、「CY-9122P」、「CY-9124P」、「HM-21P」、「M-28P」、「F-2P」、「F-6P」(以上、東洋紡株式会社製)、「トーヨータック」シリーズの「M-100」、「M-300」、「M-312」、「PMA H1000P」、「PMA-F2」(以上、東洋紡株式会社製)、「スーパークロン」シリーズの「C」、「L-206」、「813A」、「803M」、「803MW」、「803LT」、「1026」、「803L」、「814H」、「390S」、「814B」、「360T」、「370M」、「2027MB」、「822」、「892L」、「930」、「842LM」、「851L」(以上、日本製紙株式会社製)、「X-10065」、「X-10088」、「X-10082」、「X-10087」、「X-10053」、「X-10052」(以上、Baker Hughes社製)が挙げられる。
〔化合物Bの製造方法〕
化合物Bは、塩基性窒素含有基原料とポリオレフィン骨格原料との反応により得られる。
反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
塩基性窒素含有基原料の塩基性窒素のモル数(N)に対する、ポリオレフィン骨格原料の反応性官能基のモル数(A)の比率(A/N)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下である。
上記比率(A/N)は、以下の通りに算出する。
比率(A/N)=1000×[脂肪族炭化水素基原料1分子あたりの反応性官能基数(A)×(脂肪族炭化水素基原料の仕込量/脂肪族炭化水素基原料の分子量)]/[塩基性窒素含有基原料のアミン価(mmol/g)×塩基性窒素含有基原料の仕込量]
ただし、無水マレイン酸部位を有するポリオレフィン骨格原料において、1分子あたりの反応性官能基数は1とする。
塩基性窒素含有基原料のアミン価は、塩酸滴定法又は過塩素酸滴定によって測定できる。
ポリアミン化合物と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとの反応の場合、反応によりイミド結合が形成されていることが好ましい。イミド結合の形成は、赤外分光法(以下、単に「IR」ともいう)により、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が観測されることで確認できる。
〔化合物Bの物性〕
化合物Bの融点は、耐ホットオフセット性及び耐久性を向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは65℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下である。
融点の測定方法は実施例に記載の方法による。
化合物Bの数平均分子量は、耐ホットオフセット性及び耐久性を向上させる観点から、好ましくは500以上、より好ましくは800以上、更に好ましくは1,000以上であり、そして、好ましくは20,000以下、より好ましくは10,000以下、更に好ましくは7,000以下である。
化合物Bの含有量は、耐ホットオフセット性及び耐久性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましく40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
<離型剤C>
離型剤Cとしては、炭化水素ワックス又はその酸化物、エステルワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、脂肪酸金属塩、高級アルコール類等が挙げられる。これらの中でも、炭化水素ワックスもしくはその酸化物、又はエステルワックスが好ましく、炭化水素ワックス又はその酸化物がより好ましく、炭化水素ワックスが更に好ましい。
炭化水素ワックスとしては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス等のポリオレフィンワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
エステルワックスとしては、カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
離型剤Cの融点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは115℃以下である。離型剤Cの融点は、後述の実施例に記載の方法により求められる。
離型剤Cの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
<荷電制御剤>
トナーは、荷電制御剤を含有していてもよい。荷電制御剤は、正帯電性荷電制御剤、負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリヱント化学工業株式会社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業株式会社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業株式会社製)等;スチレン-アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成株式会社製)等が挙げられる。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業株式会社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット株式会社製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)、「TN-105」(保土谷化学工業株式会社製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
<着色剤>
トナーは、着色剤を含有していてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾイエローが挙げられる。本発明のトナーは、黒トナー、黒以外のカラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
トナーは、その他、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含んでいてもよい。
トナーは、例えば、トナー粒子を含む。トナー粒子は、好ましくは非晶性樹脂A、化合物B及び離型剤Cを含有する。荷電制御剤、着色剤、その他の添加剤は、トナー粒子に含まれることが好ましい。
トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述の外添剤をトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
トナーは、好ましくは乾式トナーとして用いられる。
[トナーの製造方法]
トナーは、溶融混練法、乳化転相法、乳化重合法、乳化凝集法等の公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。
粉砕トナーである場合、トナーの製造方法は、例えば、
工程1:非晶性樹脂A、化合物B、及び離型剤Cを含有する混合物を溶融混練する工程、及び
工程2:工程1で得られた溶融混練物を粉砕、分級しトナー粒子を得る工程
を含む。
工程1では、混合物中に、荷電制御剤、及び着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらのトナー原料は、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
工程1の溶融混練には、密閉式ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。これらの中でも混練温度を広く設定することのできる二軸押出機が好ましい。
溶融混練する温度は、好ましくは80℃以上160℃以下である。
工程1で得られた溶融混練物を、粉砕が可能な程度に冷却した後、続く工程2に供する。
工程2の粉砕は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を1mm以上5mm以下に粗粉砕した後、更に所望の粒径に微粉砕してもよい。
粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックスが挙げられる。微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、例えば、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミル、回転型機械式ミルが挙げられる。これらの中でも、粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミルが好ましく、衝突板式ジェットミルがより好ましい。
分級に用いられる分級機としては、例えば、ロータ式分級機、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程を繰り返してもよい。
トナー粒子の体積中位粒径(D50)は、高画質の画像を得る観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下である。
トナーは、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理されていることが好ましい。
外添剤としては、例えば、疎水性シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、カーボンブラック等の無機材料微粒子、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子が挙げられる。これらの中でも、疎水性シリカが好ましい。
外添剤を用いる場合、外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。
トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる。トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
[測定]
[樹脂の酸価]
樹脂の酸価は、JIS K 0070の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070に規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
[樹脂の軟化点、ガラス転移温度等]
(1)軟化点
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)吸熱の最大ピーク温度
示差走査熱量計「Q-100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、室温(20℃)から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した試料をそのまま1分間保持させ、その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温しながら測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。
(3)ガラス転移温度
示差走査熱量計「Q-100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温しながら測定した。吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
[ポリエステル樹脂の数平均分子量、重量平均分子量]
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、樹脂の数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを求めた。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、樹脂をクロロホルムに溶解させた。ついで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、商品名:FP-200)を用いて濾過して不溶成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量測定
下記装置を用いて、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させた。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の分子量が既知の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製;2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス株式会社製;2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いた。
測定装置:CO-8010(商品名、東ソー株式会社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(いずれも商品名、東ソー株式会社製)
[ワックス及び化合物Bの融点]
示差走査熱量計「Q-100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
[塩基性窒素含有基原料のアミン価]
塩基性窒素含有基原料のアミン価は、JIS K2501:2003の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K2501:2003に規定のクロロベンゼンからクロロホルムに変更した。
[トナーの体積中位粒径(D50)]
トナーの体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIII バージョン3.51(商品名、ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(商品名、ベックマンコールター社製)
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、商品名:エマルゲン109P、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
[アルケニル無水コハク酸の製造]
(アルキレン化合物Aの製造)
プロピレンテトラマー(新日本石油株式会社製、商品名:「ライトテトラマー」)を用いて、183~208℃の加熱条件で分留してアルキレン化合物(a)を得た。得られたアルキレン化合物(a)は、後述するガスクロマトグラフィー質量分析において、40個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、特開2014-013384号公報のアルキレン化合物Aの質量分析ガスクロマトグラフィーによる分析に従って測定し、C918:0.5質量%、C1020:4質量%、C1122:20質量%、C1224:66質量%、C1326:9質量%、C1428:0.5質量%(炭素数9~14のアルキレン化合物に相当するピーク数6)であった。
(アルケニル無水コハク酸の製造)
1Lの日東高圧株式会社製オートクレーブにアルキレン化合物A 542.4g、無水マレイン酸157.2g、抗酸化剤チェレックス-O(SC有機化学株式会社製、Triisooctyl phosphite)0.4g、重合禁止剤としてブチルハイドロキノン0.1gを仕込み、加圧窒素置換(0.2MPaG)を3回繰り返した。60℃で撹拌開始後、230℃まで1時間かけて昇温して6時間反応を行った。反応温度到達時の圧力は、0.3MPaGであった。反応終了後、80℃まで冷却し、常圧(101.3kPa)に戻して1Lの4つ口フラスコに移しかえた。180℃まで撹拌しながら昇温し、1.3kPaにて残存アルキレン化合物を1時間で留去した。ひきつづき、室温(25℃)まで冷却後、常圧(101.3kPa)に戻して目的物のアルケニル無水コハク酸406.1gを得た。酸価より求めたアルケニル無水コハク酸の平均分子量は268であった。
[樹脂H、樹脂Lの製造]
製造例H1~H3、H6、H10、L1~L3、L6、L9
(樹脂H-1~H-3、H-6、H-10、L-1~L-3、L-6、L-9の製造)
表1及び2に示す、ポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び没食子酸を、窒素導入管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で5時間重縮合させた。更に230℃で10kPaの減圧下にて表1及び2に記載の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂を得た。
製造例H4、H5、H12、L4、L5、L11
(樹脂H-4、H-5、H-12、L-4、L-5、L-11の製造)
表1及び2に示す、ポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び没食子酸を、窒素導入管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃まで昇温し、その後235℃で6時間重縮合させた。その後、210℃まで降温し10kPaの減圧下にて表1及び2に記載の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂を得た。
製造例H7、H8、H11、L7、L8、L10
(樹脂H-7、H-8、H-11、L-7、L-8、L-10の製造)
表1及び2に示す、ポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び没食子酸を、窒素導入管、98℃の熱水を通した分留管を装着した脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で5時間重縮合させた。更に230℃で10kPaの減圧下にて表1及び2に記載の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂を得た。
製造例H9
(樹脂H-9の製造)
表1に示す、無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び没食子酸を、窒素導入管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で5時間重縮合させた。その後、210℃まで降温し無水トリメリット酸を添加し、210℃で1時間反応させた後、更に210℃で10kPaの減圧下にて表1に記載の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂を得た。
Figure 2022016369000003
Figure 2022016369000004
Figure 2022016369000005
Figure 2022016369000006
[化合物Bの製造]
製造例B1
(化合物B-1の製造)
冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに、塩基性窒素含有基原料としてテトラエチレンペンタミン28g(アミン価23mmol/g)、ワックス親和性基原料として片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPSA1000)(Baker Hughes社製「X-10065」、融点108℃、数平均分子量1,000)300g、及びキシレン(富士フイルム和光純薬株式会社製)328gを入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持し、更に、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaに減圧して溶剤を留去しながら反応を行った。IR分析から、PPSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じたことを確認して、化合物B-1を得た。融点を表3に示す。
製造例B2
(化合物B-2の製造)
ワックス親和性基原料を片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPSA2500)(Baker Hughes社製「X-10088」、融点119℃、数平均分子量2,500)に変更し、塩基性窒素含有基原料及びキシレンの量を表3に示すように変更した以外は製造例B1と同様にして、化合物B-2を得た。融点を表3に示す。
Figure 2022016369000007
[トナーの製造]
実施例1
ポリエステル樹脂100質量部(樹脂H-1 60質量部、樹脂L-1 40質量部)に対して、化合物B-1 3質量部、カーボンブラック「MOGUL(登録商標) L」(キャボット社製)4質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン(登録商標) S-34」(オリヱント化学工業株式会社製)1質量部、及び離型剤Cとしてパラフィンワックス「HNP-9」(日本精蝋株式会社製、融点77℃)6質量部を、ヘンシェルミキサーで混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用い、スクリュー回転速度200r/min、バレル設定温度100℃で溶融混練し、溶融混練物を得た。混合物の供給速度は20kg/hr、平均滞留時間は約18秒であった。
得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が7.0μmの粉体(トナー母粒子)を得た。
得られた粉体(トナー母粒子)100質量部と、外添剤として、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:シリコーンオイル、平均粒径40nm)1.5質量部、及び疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:DMDS、平均粒径16nm)1.0質量部とを、ヘンシェルミキサーにて3分間混合して、トナーを得た。得られたトナーの評価結果を表4に示す。
実施例2~13、比較例1~4
実施例1において、用いたポリエステル樹脂、化合物B、離型剤Cの種類及び量を表4に示す樹脂粒子の水系分散液の種類及び量となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの評価結果を表4に示す。
[評価]
[トナーのホットオフセット性]
複写機「AR-505」(シャープ株式会社製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、未定着の状態で印刷物を得た(印字面積:2cm×12cm、付着量:0.5mg/cm2)。その後、総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度300mm/sec)を用い、定着ロールの温度を100℃から200℃へと5℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着状態の印刷物の定着試験を行った。ホットオフセットの発生を目視にて観察し、ホットオフセットが発生する温度を耐ホットオフセット性として確認した。このホットオフセットが発生する温度が高いほど好ましい。
[トナーの耐久性]
印刷機「ページプレスト N-4」(カシオ計算機株式会社製、定着:接触定着方式、現像:非磁性一成分現像方式、現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、温度32℃、湿度85%の環境下にて黒化率5.5%の斜めストライプのパターンを連続して印刷した。途中、500枚ごとに黒ベタ画像を印字し、画像上のスジの有無を確認した。印刷は、画像上にスジが発生した時点で中止し、最高9000枚まで行った。画像上にスジが目視にて観察された時点までの印字枚数を、現像ロールにトナーが融着及び固着したことによりスジが発生した枚数とし、耐久性を評価した。即ち、スジの発生しない枚数が多いほど、トナーの耐久性が高いものと判断できる。
Figure 2022016369000008
以上、実施例及び比較例の結果から、酸性基を有する非晶性樹脂Aと、化合物Bと、離型剤Cとを含有することで耐ホットオフセット性及び耐久性に優れるトナーが得られることがわかる。

Claims (8)

  1. 酸性基を有する非晶性樹脂Aと、ポリオレフィン骨格、並びにアミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、ジアゾ基、及びアジ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基性窒素含有基を有する化合物Bと、離型剤Cとを含有し、非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分としてエチレングリコールを含有する、静電荷像現像用トナー。
  2. 前記化合物Bが、塩基性窒素含有基原料とポリオレフィン骨格原料との反応物である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記ポリオレフィン骨格がポリエチレン骨格又はポリプロピレン骨格である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記塩基性窒素含有基がアミノ基である、請求項1~3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記非晶性樹脂Aの酸価が、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、請求項1~4のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記非晶性樹脂Aを構成する全アルコール成分100モル%に対し、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物又はビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量の総量が50モル%以下である、請求項1~5のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記非晶性樹脂Aを構成する全アルコール成分100モル%に対し、エチレングリコールの含有量が20モル%以上である、請求項1~6のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記非晶性樹脂Aを構成するアルコール成分として含有されるエチレングリコールが、ポリエチレンテレフタレート由来である、請求項1~7のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
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