JP2022016168A - 半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化珪素を半導体材料として用いた半導体装置の歩留まりを向上させることができる半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置を提供すること。【解決手段】SiC-MOSFETのMOSゲート構造および層間絶縁膜10のみが形成された半導体ウェハ24に光40を照射して積層欠陥を成長させる。このとき、光40の照射後に製品仕様範囲内で加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより積層欠陥の成長が促進されない状態まで、積層欠陥の成長を完全に促進させる。次に、フォトルミネッセンス法によりSiCの発光特性をスキャニングして積層欠陥を検出する。次に、半導体ウェハ24の両主面に、SiC-MOSFETの表面電極を形成する。次に、半導体ウェハ24をダイシングして半導体チップ24aにする。その後の信頼性評価試験で所定の電気的特性が得られれば、積層欠陥27が検出された半導体チップ24aも良品となる。【選択図】図7

Description

この発明は、半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置に関する。
炭化珪素(SiC)は、高い絶縁破壊電界強度を有しており、低損失なパワーデバイスに最適な半導体材料として近年注目されている。また、SiCを半導体材料として用いた半導体チップ(半導体基板)の表面には熱酸化により酸化シリコン(SiO2)膜を形成することができるため、SiO2膜を用いたパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の開発が進められている。
SiCを半導体材料として用いたSiC-MOSFETの製造方法について説明する。図14は、従来のSiC-MOSFETの製造方法の概要を示すフローチャートである。図15,16は、従来のSiC-MOSFETの構造の一例を示す断面図である。図15,16には、それぞれ、プレーナゲート構造およびトレンチゲート構造の縦型のSiC-MOSFET120,120aを示す。半導体チップ124a上に平板状にMOSゲートを設けたプレーナゲート構造と、半導体チップ124aに形成したトレンチ107a内にMOSゲートを埋め込んだトレンチゲート構造と、は対応する各部が同じ機能を有するため、図15,16には同じ機能を有する各部に同じ符号を付している。
図15に示すプレーナゲート構造のSiC-MOSFET120を作製(製造)するにあたって、まず、SiCを半導体材料として用いたn+型出発ウェハ(下地ウェハ)121上に、n-型ドリフト領域102となるn-型エピタキシャル層(SiC層)122をエピタキシャル成長させる(ステップS101)。n+型出発ウェハ121は、n+型ドレイン領域101となる。次に、イオン注入により、n-型エピタキシャル層122の表面領域にp型低濃度領域103を選択的に形成する(ステップS102)。次に、n-型エピタキシャル層122の表面上に、p型ベース領域104となるp型エピタキシャル層(SiC層)123をエピタキシャル成長させる(ステップS103)。
ここまでの工程で、n+型出発ウェハ121上にn-型エピタキシャル層122およびp型エピタキシャル層123を順に積層した半導体ウェハ124が作製される。次に、異なる条件でイオン注入を繰り返し行い、p型エピタキシャル層123の内部に残りの拡散領域をそれぞれ選択的に形成する(ステップS104)。p型エピタキシャル層123の、ステップS104の処理で形成される拡散領域を除く部分がp型ベース領域104となる。ステップS104の処理で形成される拡散領域は、n+型ソース領域105となるn+型領域と、p++型コンタクト領域106となるp++型領域と、JFET(Junction FET)領域107となるn型領域と、である。
次に、半導体ウェハ124の内部にイオン注入した不純物を活性化させる熱処理を行う(ステップS105)。次に、一般的な方法により、半導体ウェハ124のおもて面(p型エピタキシャル層123側の主面)上に、ゲート絶縁膜108、ゲート電極109および層間絶縁膜110を形成する(ステップS106)。次に、層間絶縁膜110のコンタクトホール110aにおいてn+型ソース領域105およびp++型コンタクト領域106に電気的に接続されたおもて面電極111,112を形成する(ステップS107)。おもて面電極111,112は、それぞれオーミック電極および電極配線層であり、ソース電極として機能する。
次に、半導体ウェハ124のおもて面に、パッシベーション膜114となるポリイミド膜を形成し硬化(キュア)する(ステップS108)。次に、半導体ウェハ124の裏面(n+型出発ウェハ121側の主面)に、裏面電極115を形成する(ステップS109)。その後、半導体ウェハ124をダイシング(切断)して個々の半導体チップ124a状に個片化することで、SiC-MOSFET120が完成する。上述した従来の半導体装置の製造方法のステップS102,S104,S106の処理において、トレンチゲート構造となるように各部を形成することで、図16に示すトレンチゲート構造の縦型のSiC-MOSFET120aが作製される。
具体的には、トレンチゲート構造のSiC-MOSFET120aを作製するには、上述した従来の半導体装置の製造方法(図14参照)において、ステップS2の処理で、n-型エピタキシャル層122の表面よりも深い位置にp型低濃度領域103aを形成する。ステップS104の処理で、p型エピタキシャル層123の表面領域に、n+型ソース領域105およびp++型コンタクト領域106のみを形成する。そして、ステップS106の処理で、n+型ソース領域105およびp型ベース領域104を貫通してp型低濃度領域103aに達するトレンチ107aを形成し、トレンチ107a内部にゲート絶縁膜108を介してゲート電極109を形成すればよい。
このようなSiC-MOSFET120には、駆動時にp型ベース領域104およびp型低濃度領域103とn-型ドリフト領域102とのpn接合による寄生ダイオード(ボディダイオード)130が形成される。SiC-MOSFET120aには、駆動時にp型ベース領域104とn-型ドリフト領域102とのpn接合によるボディダイオード130aが形成される。ボディダイオード130,130aに電流が流れると、n+型出発基板121aの内部の基底面転位やn+型出発基板121aとn-型エピタキシャル層122との界面の基底面転位でホールと電子との再結合が起こり、基底面転位を起点としてn-型エピタキシャル層122中に積層欠陥(不図示)が成長する。
-型エピタキシャル層122に積層欠陥が成長すると、SiC-MOSFET120,120aのオン抵抗が増大することが報告されている。SiC-MOSFET120,120aのオン抵抗の増大は、ボディダイオード130,130aの順方向電圧Vfの増大としてもあらわれる。図17は、従来のSiC-MOSFETのボディダイオードのダイオード特性を示す特性図である。図17には、ボディダイオード130,130aの通電前のダイオード特性(実線)および通電後のダイオード特性(破線)を示す。図17に示すように、ボディダイオード130,130aの順方向電圧Vfは、通電前と比べて、通電後に上昇していることがわかる。
上述したように、ボディダイオード130,130aの順方向特性の劣化は、ボディダイオード130,130aの通電により積層欠陥が成長することで生じる。例えば、ボディダイオード130,130aに電流密度100A/cm2以上の順方向電流Ifが1時間以上流れると、基底面転位から積層欠陥が成長することが知られている。このようにボディダイオード130,130aの順方向電圧Vfが上昇すると、SiC-MOSFET120,120aのオン抵抗も増大する。積層欠陥が検出された半導体チップ124aは、製品出荷後にボディダイオード130,130aの通電による積層欠陥の成長促進により電気的特性が劣化する虞があるため、不良品とし除去する。
積層欠陥を検出する方法として、半導体ウェハへの紫外光の照射により炭化珪素エピタキシャル層に積層欠陥を成長させた後に、フォトルミネッセンス(PL:PhotoLuminescence)法によりSiCの発光特性をスキャニングして積層欠陥の位置や大きさを検出する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照。)。下記特許文献1,2では、紫外光の照射により、pn接合ダイオードに順方向電流を長時間通電したときに発生する積層欠陥と同様の積層欠陥を炭化珪素エピタキシャル層に成長させて、当該積層欠陥をPL法により検出し、半導体ウェハ面内における積層欠陥の位置情報に基づいて半導体チップの良品・不良品を判別している。
また、炭化珪素の四層周期六方晶(4H-SiC)を半導体材料として用いた4H-SiCバイポーラデバイスのショックレー型積層欠陥(SSF:Shockley Stacking Fault)の拡大および収縮が温度に依存し、4H-SiCバイポーラデバイスのSSFの拡大に伴う順方向電圧の増加が電気的ストレスによって飽和し、この飽和時の順方向電圧値が熱ストレスに反比例することが開示されている(例えば、下記非特許文献1参照。)。下記非特許文献1には、光照射時に4H-SiCバイポーラデバイスの温度が400℃以上であると、4H-SiCバイポーラデバイス内の積層欠陥が収縮することが報告されている。
特開2014-022503号公報 特開2009-088547号公報
ジェイ・ディ・コールドウェル(J.D.Caldwell)、外3名、インフルエンス オブ テンパーチャー オン ショックレー スタッキング フォルト エクスパンション アンド コントレーション イン SiC PiN ダイオーズ(Influence of Temperature on Shockley Stacking Fault Expansion and Contration in SiC PiN Diodes)、ジャーナル オブ エレクトロニック マテリアルズ(Journal of Electronic Materials)、ザ ミネラルズ メタルズ & マテリアルズ ソサエティ(The Minerals, Metals & Materials Society:TMS)、2008年、第37巻、第5号、p.699-705
従来の半導体装置の製造方法では、製品(SiC-MOSFET120,120aが作製された半導体チップ124a)の電気的特性を評価する信頼性評価試験において、SiC-MOSFET120,120aのボディダイオード130,130aを通電し、積層欠陥が検出された半導体チップ124aを不良品とし除去している。しかしながら、SiC-MOSFET120,120aのボディダイオード130,130aを通電してn-型エピタキシャル層122に積層欠陥を成長させるには、ボディダイオード130,130aに100A/cm2~300A/cm2程度の電流密度の順方向電流Ifを1時間程度流す必要があり、かつ半導体チップ124aに大電流を流すための設備が必要になる。
ボディダイオード130,130aに100A/cm2~300A/cm2程度の電流密度の順方向電流Ifを5分間程度流すことで積層欠陥が発生するが、この程度に短時間でボディダイオード130,130aに順方向電圧Vfを流しただけでは、電気的特性の変動(ボディダイオード130,130aの順方向電圧Vfの上昇や、SiC-MOSFET120、120aのオン抵抗の増大)が小さく、信頼性評価試験における半導体チップ124aの電気的特性の測定で積層欠陥を検出することができない。このため、半導体チップ124aの電気的特性の変動から積層欠陥を検出可能な程度に積層欠陥が成長する長時間の条件でボディダイオード130,130aに順方向電流Ifを流す必要がある。
上記特許文献1,2では、半導体ウェハへの紫外光照射により積層欠陥を成長させることで、半導体ウェハ内のpn接合ダイオードの電気的特性を変動させる程度に当該pn接合ダイオードに順方向電流を流して積層欠陥を成長させる場合に生じるコスト増大(大電流を流すための設備投資)や試験時間(pn接合ダイオードの通電時間)増大を回避している。しかしながら、現状では、半導体ウェハ内の積層欠陥成長の起点となる結晶転位をなくすことができず、pn接合ダイオードの通電により結晶転位から必ず積層欠陥が成長してしまう。このため、信頼性評価試験において積層欠陥が検出された半導体チップを不良品とし除去しているが、歩留まりが悪くなるという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による課題を解消するため、炭化珪素を半導体材料として用いた半導体装置の歩留まりを向上させることができる半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなる半導体ウェハを用いた半導体装置の製造方法であって、次の特徴を有する。前記半導体ウェハの内部に所定導電型の1つ以上の半導体領域を形成して、前記半導体ウェハの内部に少なくともpn接合を形成する第1工程を行う。次に、前記半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させる第2工程を行う。次に、前記半導体ウェハの両主面にそれぞれ、前記pn接合で形成されるダイオードに対して順方向の接続となる表面電極を形成する第3工程を行う。前記第2工程では、前記第2工程の後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態になるまで前記積層欠陥の成長を促進させる。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、100℃以上400℃未満の温度に加熱した前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、150℃以上250℃以下の温度に加熱した前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、前記光の波長を250nm以上450nm以下にすることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、前記光の照射強度を30W/cm2以上100W/cm2以下とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、前記光の照射強度を50W/cm2以上にすることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1工程では、前記エピタキシャル層の内部に第1導電型ドリフト領域を形成する工程を行う。前記エピタキシャル層の内部において前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面と前記第1導電型ドリフト領域との間に第2導電型ベース領域を形成し、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ドリフト領域とで前記pn接合を形成する工程を行う。前記エピタキシャル層の内部に第1導電型不純物を導入して、前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第2導電型ベース領域との間に第1導電型領域を形成する工程を行う。熱処理により前記第1導電型不純物を活性化させる工程を行う。
前記第1工程の後、前記第2工程の前に、前記第2導電型ベース領域の、前記第1導電型領域と前記第1導電型ドリフト領域との間の領域に接してゲート絶縁膜を形成する工程を行う。前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ベース領域の反対側にゲート電極を形成する工程を行う。前記半導体ウェハの前記第1主面に、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程を行う。前記層間絶縁膜を選択的に除去して、前記第2導電型ベース領域および前記第1導電型領域が露出するコンタクトホールを形成する工程を行う。前記第2工程では、前記コンタクトホールから前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1工程では、前記エピタキシャル層の内部に所定導電型の不純物を導入して1つ以上の前記半導体領域を形成する工程を行う。熱処理により前記不純物を活性化させる第5工程を行う。前記第2工程では、前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面の全面に前記光を照射することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1工程では、前記エピタキシャル層の内部に所定導電型の不純物を導入して1つ以上の前記半導体領域を形成する工程を行う。熱処理により前記不純物を活性化させる第5工程を行う。前記第2工程では、前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面の、前記表面電極の形成領域のみに前記光を照射することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1工程では、前記エピタキシャル層の内部に第1導電型ドリフト領域を形成する工程を行う。前記エピタキシャル層の内部において前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第1導電型ドリフト領域との間に第2導電型ベース領域を形成し、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ドリフト領域とで前記pn接合を形成する工程を行う。前記エピタキシャル層の内部に第1導電型の前記不純物を導入して、前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第2導電型ベース領域との間に第1導電型領域を形成する工程を行う。前記第2工程の後、前記第3工程の前に、前記第2導電型ベース領域の、前記第1導電型領域と前記第1導電型ドリフト領域との間の領域に接してゲート絶縁膜を形成する工程を行う。前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ベース領域の反対側にゲート電極を形成する工程を行う。前記半導体ウェハの前記第1主面に、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程では、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁膜および前記エピタキシャル層の3層構造からなる絶縁ゲート構造の仕様範囲内で前記第2工程の後に加わる前記電気的ストレスおよび前記熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第2工程の後、前記第3工程の前に、前記ダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を観測する第4工程をさらに含むことを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の検査方法は、次の特徴を有する。炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなり、かつ内部に少なくともpn接合を有する半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させる第1工程を行う。前記pn接合で形成されるダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を観測する第2工程を行う。前記第1工程では、前記第1工程の後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させる。前記第2工程では、前記出発ウェハのダイシング後に半導体チップとなるチップ領域ごとに前記積層欠陥の位置および大きさを記憶する。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体検査装置は、ステージ、照射手段、検出手段および記憶手段を備え、次の特徴を有する。半導体ウェハは、炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなり、かつ内部に少なくともpn接合を有する。前記ステージは、前記半導体ウェハを、前記出発ウェハ側の第2主面に接触して保持する。前記照射手段は、前記エピタキシャル層側の第1主面から前記半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させ、かつ当該光の照射後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させる。前記検出手段は、前記pn接合で形成されるダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を検出する。前記記憶手段は、前記出発ウェハのダイシング後に半導体チップとなるチップ領域ごとに前記積層欠陥の位置および大きさを記憶する。
上述した発明によれば、半導体装置の駆動時にダイオードが通電しても積層欠陥が再成長しないため、半導体装置の電気的特性が劣化しない。したがって、積層欠陥が検出された半導体チップも、半導体装置の所定の電気的特性を有していれば、良品とすることができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置によれば、炭化珪素を半導体材料として用いた半導体装置の歩留まりを向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体装置が製造された半導体ウェハをおもて面側から見た状態を示す平面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置が製造された半導体チップをおもて面側から見た状態を示す平面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置が製造された半導体チップをおもて面側から見た状態を示す平面図である。 図2の半導体チップに製造された半導体装置の一例を示す断面図である。 図2の半導体チップに製造された半導体装置の一例を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す説明図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す説明図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 従来のSiC-MOSFETの製造方法の概要を示すフローチャートである。 従来のSiC-MOSFETの構造の一例を示す断面図である。 従来のSiC-MOSFETの構造の一例を示す断面図である。 従来のSiC-MOSFETのボディダイオードのダイオード特性を示す特性図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書では、ミラー指数の表記において、“-”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“-”を付けることで負の指数を表している。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置が製造された半導体ウェハをおもて面(第1主面)側から見た状態を示す平面図である。図2,3は、実施の形態1にかかる半導体装置が製造された半導体チップをおもて面側から見た状態を示す平面図である。図2には、半導体チップ24aに検出された積層欠陥27の状態を模式的に示す。図3には、実施の形態1にかかる半導体装置の電極パッド(ソースパッド(表面電極)12およびゲートパッド13)のレイアウトを示す。
図4,5は、図2の半導体チップに製造された半導体装置の一例を示す断面図である。図4,5には、それぞれ、プレーナゲート構造およびトレンチゲート構造の縦型のSiC-MOSFET20,20aを示す。半導体チップ24a上に平板状にMOSゲートを設けたプレーナゲート構造と、半導体チップ24aに形成したトレンチ7a内にMOSゲートを埋め込んだトレンチゲート構造と、は対応する各部が同じ機能を有するため、図4,5には同じ機能を有する各部に同じ符号を付している。
図4,5には、活性領域31に配置される単位セル(素子の機能単位)の1つを示す。図6は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。図7,8は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。図9,10は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す説明図である。図7,8には、それぞれ図6のステップS7の処理時のSiC-MOSFET20,20aの状態を示す。図9,10にはそれぞれ図6のステップS7,S8の状態を示す。
実施の形態1にかかる半導体装置は、SiC-MOSFET20,20a(図4,5参照)であり、後述する実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法(図6~10参照)により、炭化珪素(SiC)を半導体材料として用いた半導体ウェハ24の中央部の各チップ領域25(図1参照)に作製(製造)される。チップ領域25とは、半導体ウェハ24のダイシング(切断)により個片化されて個々の半導体チップ24a(図2,3参照)となる部分であり、例えば略矩形状の平面形状を有する。
半導体ウェハ24の複数のチップ領域25は、例えばマトリクス状に配置され、チップ領域25の周囲を格子状に囲むダイシングライン26に沿って半導体ウェハ24が切断されることで個片化される。半導体ウェハ24の複数のチップ領域25には、後述する実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法のステップS7の処理により内部に積層欠陥27(図2参照)が帯状(符号27aで示す)や三角形状(符号27bで示す)に成長したチップ領域25a(図1のハッチング部分)も存在する。
積層欠陥27は、ステップS7の処理により完全に成長しきっている。このため、ステップS7の処理後に製品(SiC-MOSFET20,20aが作製された半導体チップ24a)仕様範囲内で加わる電気的ストレス(電圧や電流)および熱ストレス(気温や接合温度)によりSiC-MOSFET20,20aのボディダイオード30,30aに順方向電流Ifが流れたとしても、積層欠陥27は再成長しない。ステップS7の処理後とは、少なくともステップS7の処理後の残りの工程時を含み、更に製品駆動時も含むのがよい。
積層欠陥27が検出された半導体チップ24aも所定の電気的特性を有していれば、良品となる。積層欠陥27は、互いに隣り合うチップ領域25間に跨っていてもよい。SiC-MOSFET20のボディダイオード30は、p型ベース領域(第2導電型ベース領域)4およびp型低濃度領域3とn-型ドリフト領域(第1導電型ドリフト領域)2とのpn接合で形成される寄生ダイオードである。SiC-MOSFET20aのボディダイオード30aは、p型ベース領域4とn-型ドリフト領域2とのpn接合で形成される寄生ダイオードである。
上述したように、半導体チップ24aは、半導体ウェハ24のチップ領域25をダイシングにより個片化したものであり、チップ領域25と同じ大きさの略矩形状の平面形状を有する。図2,3に示すように、半導体チップ24aの中央部に活性領域31が配置され、活性領域31と半導体チップ24aの端部との間にエッジ終端領域32が配置される。活性領域31は、実施の形態1にかかる半導体装置がオン状態のときに電流が流れる領域であり、実施の形態1にかかる半導体装置の単位セルが配置される。
活性領域31において、半導体チップ24aのおもて面上には、ソースパッド12およびゲートパッド13が互いに離れて設けられている。ソースパッド12は、活性領域31のほぼ全体に設けられ、例えば一部が内側に凹んだ略矩形状の平面形状を有する。ゲートパッド13は、例えば、ソースパッド12の凹部に配置され、ソースパッド12に3辺を囲まれた略矩形状の平面形状を有する。ソースパッド12およびゲートパッド13は、例えば、アルミニウム(Al)膜またはアルミニウム合金膜である。
ソースパッド12およびゲートパッド13は、半導体チップ24aのおもて面上に設けられた後述するパッシベーション膜14(図4,5参照)に覆われている。ソースパッド12およびゲートパッド13は、それぞれ一部がパッシベーション膜14の開口部14a,14b(破線で囲む部分)に露出されている。ソースパッド12およびゲートパッド13の、パッシベーション膜14の開口部14a,14bにそれぞれ露出する部分には、それぞれ端子ピンやリード等の金属配線(不図示)が電気的に接続される。
エッジ終端領域32は、活性領域31の周囲を囲み、半導体チップ24aのおもて面側の電界を緩和し耐圧を保持する領域である。エッジ終端領域32には、フィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)、メサ構造、接合終端拡張(JTE:Junction Termination Extension)構造、フィールドプレート(FP:Field Plate)などの耐圧構造が配置される。耐圧とは、素子が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。
図4,5に示すように、半導体チップ24aは、SiCを半導体材料として用いたn+型出発基板(下地基板)21aのおもて面上にn-型ドリフト領域2となるn-型エピタキシャル層22およびp型ベース領域4となるp型エピタキシャル層23を積層したエピタキシャル基板である。n+型出発基板21aは、n+型ドレイン領域1となる。半導体チップ24aのp型エピタキシャル層23側の主面をおもて面(第1主面)とし、n+型出発基板21a側の主面(n+型出発基板21aの裏面)を裏面(第2主面)とする。
実施の形態1にかかる半導体装置がプレーナゲート構造のSiC-MOSFET20である場合の断面構造について、図4を参照して説明する。プレーナゲート構造は、半導体チップ24aのおもて面上に平板状にMOSゲートが配置され、半導体チップ24aのおもて面に沿ってチャネル(n型の反転層)が形成される。半導体チップ24aのおもて面は、例えば(000-1)面、いわゆるC面が用いられたが、(0001)面、いわゆるSi面であってもよいし、(11-20)面や(03-38)面であってもよい。
SiC-MOSFET20の各単位セルは、それぞれ、p型ベース領域4、n+型ソース領域(第1導電型領域)5、p++型コンタクト領域6、JFET領域7、ゲート絶縁膜8およびゲート電極9で構成されたプレーナゲート構造を有する。n-型エピタキシャル層22の内部に、p型低濃度領域3が選択的に設けられている。p型低濃度領域3は、深さ方向(縦方向)にp型ベース領域4に隣接する。p型低濃度領域3は、イオン注入により形成された、p型ベース領域4よりも低不純物濃度の拡散領域である。
-型エピタキシャル層22の、p型低濃度領域3を除く部分がn-型ドリフト領域2である。n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6およびJFET領域7は、それぞれイオン注入によりp型エピタキシャル層23に選択的に形成された拡散領域である。p型エピタキシャル層23の、n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6およびJFET領域7を除く部分がp型ベース領域4である。n+型ソース領域5は、半導体チップ24aのおもて面の表面領域に選択的に設けられている。
+型ソース領域5は、深さ方向にp型ベース領域4を介してp型低濃度領域3に対向する。p++型コンタクト領域6は、深さ方向にp型エピタキシャル層23を貫通してp型低濃度領域3に達する。p++型コンタクト領域6は、n+型ソース領域5よりもゲート電極9から離れて配置されている。JFET領域7は、ゲート電極9の直下において深さ方向にp型エピタキシャル層23を貫通して、n-型ドリフト領域2の、半導体チップ24aのおもて面に平行な方向(横方向)に隣り合うp型低濃度領域3間の部分に達する。
JFET領域7は、半導体チップ24aのおもて面に平行な方向にp型ベース領域4を介してn+型ソース領域5に対向する。ゲート絶縁膜8は、半導体チップ24aのおもて面において、JFET領域7、p型ベース領域4およびn+型ソース領域5の表面にわたって設けられている。ゲート電極9は、半導体チップ24aのおもて面にゲート絶縁膜8を介して設けられてMOSゲートを構成する。すべてのゲート電極9は、ゲートパッド13(図2,3参照)に電気的に接続されている。
層間絶縁膜10は、半導体チップ24aのおもて面に設けられ、ゲート電極9を覆う。深さ方向に層間絶縁膜10を貫通して半導体チップ24aに達するコンタクトホール10aが設けられている。コンタクトホール10aには、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6が露出されている。p++型コンタクト領域6は設けられていなくてもよく、p++型コンタクト領域6が設けられていない場合、p++型コンタクト領域6に代えて、コンタクトホール10aにp型ベース領域4が露出する。
コンタクトホール10aの内部において半導体チップ24aのおもて面上に、半導体チップ24aにオーミック接触するオーミック電極11が設けられている。オーミック電極11は、例えばニッケルシリサイド(NixSiy、ここでx,yは整数)膜である。オーミック電極11は、コンタクトホール10aの内部においてn+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6(p++型コンタクト領域6が設けられていない場合はp型ベース領域4)に接する。
ソースパッド12は、層間絶縁膜10上に設けられ、コンタクトホール10aの内部においてオーミック電極11を介してn+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6に電気的に接続されている。ソースパッド12は、金属配線(不図示)の接続箇所(図3の開口部14a)を除いて、パッシベーション膜14で覆われている。ソースパッド12およびオーミック電極11は、ソース電極として機能するおもて面電極である。半導体チップ24aの裏面の全面に、ドレイン電極として機能する裏面電極(表面電極)15が設けられている。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置がトレンチゲート構造のSiC-MOSFET20aである場合の断面構造について、図5を参照して説明する。トレンチゲート構造は、半導体チップ24aに形成したトレンチ7a内にMOSゲートが埋め込まれ、トレンチ7aの側壁に沿ってチャネル(n型の反転層)が形成される。例えば、半導体チップ24aのおもて面を(000-1)面や(0001)面とし、トレンチ7aの側壁を(11-20)面や(03-38)面としてもよい。
SiC-MOSFET20aの各単位セルは、それぞれ、p型ベース領域4、n+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6、トレンチ7a、ゲート絶縁膜8およびゲート電極9で構成されたトレンチゲート構造を有する。n-型エピタキシャル層22の内部に、p型低濃度領域3aが選択的に設けられている。p型低濃度領域3aは、イオン注入により形成された、p型ベース領域4よりも高不純物濃度の拡散領域である。n-型エピタキシャル層22の、p型低濃度領域3aを除く部分がn-型ドリフト領域2である。
p型低濃度領域3aは、深さ方向(縦方向)にn-型ドリフト領域2を介してp型ベース領域4に対向する。n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、それぞれイオン注入によりp型エピタキシャル層23に選択的に形成された拡散領域である。p型エピタキシャル層23の、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6を除く部分がp型ベース領域4である。n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6は、半導体チップ24aのおもて面の表面領域にそれぞれ選択的に設けられている。
トレンチ7aは、n+型ソース領域5およびp型ベース領域4を貫通してp型低濃度領域3aに達する。トレンチ7aの底面は、例えばp型低濃度領域3aに囲まれている。トレンチ7aの内部にゲート絶縁膜8を介してゲート電極9が設けられ、MOSゲートが構成されている。層間絶縁膜10、オーミック電極11、ソースパッド12、ゲートパッド13(図2,3参照)および裏面電極15の構成は、プレーナゲート構造のSiC-MOSFET20と同様である。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について、図6~10を参照して説明する。図4に示すプレーナゲート構造のSiC-MOSFET20を作製(製造)するにあたって、まず、図7に示すように、SiCを半導体材料として用いたn+型出発ウェハ(下地ウェハ)21上に、窒素(N)等のn型不純物をドープしたn-型エピタキシャル層(SiC層)22をエピタキシャル成長させる(ステップS1)。
+型出発ウェハ21は、半導体ウェハ24のダイシング後に、半導体チップ24a (図4参照)を構成するn+型出発基板21aである。n-型エピタキシャル層22の不純物濃度は、例えば5×1015/cm3以上6×1015/cm3以下程度である。n-型エピタキシャル層22の厚さは、例えば、耐圧1200Vクラスで10μm以上12μm以下程度であり、耐圧3300Vクラスで31μm程度である。
次に、イオン注入により、n-型エピタキシャル層22の表面領域にp型低濃度領域3を選択的に形成する(ステップS2)。n-型エピタキシャル層22の、p型低濃度領域3を除く部分がn-型ドリフト領域2となる。次に、n-型エピタキシャル層22の表面上に、p型ベース領域4となるアルミニウム(Al)等のp型不純物をドープしたp型エピタキシャル層(SiC層)23をエピタキシャル成長させる(ステップS3)。
p型エピタキシャル層23の不純物濃度は、例えば5×1015/cm3以上6×1015/cm3以下程度である。p型エピタキシャル層23の厚さは、例えば0.3μm以上0.7μm以下程度である。ここまでの工程で、n+型出発ウェハ21上にn-型エピタキシャル層22およびp型エピタキシャル層23を順に積層した半導体ウェハ24が作製される。
次に、異なる条件でイオン注入を繰り返し行い、p型エピタキシャル層23の内部に残りの拡散領域をそれぞれ選択的に形成する(ステップS4)。p型エピタキシャル層23の、ステップS4の処理で形成される拡散領域を除く部分がp型ベース領域4となる。ステップS4の処理で形成される拡散領域は、n+型ソース領域5となるn+型領域と、p++型コンタクト領域6となるp++型領域と、JFET領域7となるn型領域と、である。
+型ソース領域5、p++型コンタクト領域6およびJFET領域7を形成するための各イオン注入のドーパントは、例えば、それぞれリン(P)、アルミニウムおよび窒素である。次に、半導体ウェハ24の内部にイオン注入した不純物を活性化させる熱処理(活性化アニール)を行う(ステップS5)。活性化アニールは、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気中において1600℃程度の温度で行う。
次に、一般的な方法により、半導体ウェハ24のおもて面(p型エピタキシャル層23側の主面)上に、ゲート絶縁膜8、ゲート電極9および層間絶縁膜10を形成する(ステップS6)。ゲート絶縁膜8は、例えば亜酸化窒素(N2O)雰囲気での熱酸化により70nm程度の厚さで形成する。層間絶縁膜10には、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6を露出するコンタクトホール10aを形成する。
次に、図7に示すように、半導体ウェハ24のおもて面側から半導体ウェハ24に光40を照射し、半導体ウェハ24の内部に積層欠陥27(図2参照)を成長させる(ステップS7)。このとき、ステップS7の処理後に製品仕様範囲内で加わる電気的ストレスや熱ストレスによりSiC-MOSFET20,20aのボディダイオード30,30aに順方向電流Ifが流れても積層欠陥27の成長が促進しない状態まで、光40の照射により積層欠陥27の成長を完全に促進させる。
製品駆動時のSiC-MOSFET20の電気的特性の劣化は、特に帯状の積層欠陥27aの成長に起因する。帯状の積層欠陥27aが完全に成長しきっていれば、三角形状の積層欠陥27bも完全に成長しきっているに等しい状態となる。このため、ステップS7の処理において、少なくとも、ステップS7の処理後に帯状の積層欠陥27aの成長が促進しない状態まで、帯状の積層欠陥27aの成長を完全に促進させる。
光40の照射時の半導体ウェハ24の温度は、例えば室温(23℃程度)以上400℃未満程度の範囲で制御する。光40の照射により半導体ウェハ24内に積層欠陥27が成長し、半導体ウェハ24の温度を高くするほど積層欠陥27の成長が促進され、半導体ウェハ24への光40の照射時間を短くすることができる。光40の照射時の半導体ウェハ24の温度が400℃以上であると、積層欠陥27が収縮してしまう。
好ましくは、光40の照射時の半導体ウェハ24の温度は、例えば100℃以上程度であることがよく、より好ましくは例えば150℃以上250℃以下程度の範囲で制御することがよく、さらに例えば200℃±10℃程度の範囲で制御することがよい。これにより、光40の他の条件(波長、照射強度)の設定の自由度が上がり、かつ積層欠陥27を収縮させることなく、確実に積層欠陥27の成長を促進させることができる。
光40の波長(光強度)は例えば250nm以上450nm以下程度の範囲で制御し、光40のピーク波長(光強度の最大値)は例えば365nm程度であることがよい。具体的には、光40の光源44(図9参照)は、例えば波長365nmの水銀キセノン(Hg-Xenon)ランプを用いてもよい。光40の照射強度は、例えば、30W/cm2以上100W/cm2以下程度であり、好ましくは50W/cm2以上程度であることがよい。
具体的には、図9に示すように、半導体検査装置46は、ステージ41と、光照射装置(左側)と、フォトルミネッセンス装置(検出手段)45(右側)と、を備える。ステージ41は、例えばステージ41を加熱してステージ41上の対象物を加熱する赤外線ランプやランプヒーター等の加熱手段(不図示)を有する。所定温度に加熱したステージ41に、ステップS6の処理まで行った半導体ウェハ24を、裏面をステージ41側にして載置する。
光照射装置の光源(光発生装置)44から光ファイバ43を介して集光器(照射手段)42に伝達し、集光器42によって集光して所定の照射密度に上げた光40(図7参照)を、ステージ41上の半導体ウェハ24に照射する。そして、光40の集光点断面を半導体ウェハ24の面内で走査して、半導体ウェハ24の全面に光40を照射する。光40は、半導体ウェハ24のおもて面の酸化膜がない部分(すなわち層間絶縁膜10のコンタクトホール10a)から半導体ウェハ24に照射される。
光40の照射により、半導体ウェハ24内に電子・正孔対が生成され、光40の照射箇所(半導体ウェハ24のコンタクトホール10aに露出された部分)から半導体ウェハ24内に放射状に拡散され、エピタキシャル層22,23にキャリア(電子、正孔)として蓄積される。n-型エピタキシャル層22の多数キャリア濃度は、コンタクトホール10aの直下で高く、コンタクトホール10aから放射状に離れるにしたがって低くなり、かつ層間絶縁膜10の直下で最も低くなる。
この電子・正孔対によるキャリア(電子、正孔)が再結合するエネルギーにより、半導体ウェハ24内の基底面転位から積層欠陥27が成長する。例えば200℃の温度で半導体ウェハ24を加熱すると、積層欠陥27の成長速度は20μm/秒~40μm/秒程度であるため、30秒間程度の光40の照射により、積層欠陥27が600μm程度の長さに成長する。n-型エピタキシャル層22およびp型エピタキシャル層23の総厚さによらず、光40の上記照射条件により積層欠陥27を完全に成長させることができる。
半導体ウェハ24の、酸化膜(層間絶縁膜10)で覆われた部分に光40は直接照射されないため、コンタクトホール10a内にだけ光40が照射されるように、光40の集光点断面を走査してもよい。これにより、半導体ウェハ24の全面に光40を照射する場合と比べて、光40の照射時間を短縮することができる。また、ソースパッド12の箇所にだけ光40が照射されることで、互いに隣り合うチップ領域25間に跨って帯状の積層欠陥27aが成長することを抑制することができる。
次に、図10に示すように、半導体ウェハ24が載置されたステージ41を、フォトルミネッセンス装置45の直下に移動する。そして、SiC-MOSFET20のボディダイオード30に順方向電流Ifを流し、フォトルミネッセンス(PL)法により室温で半導体ウェハ24のおもて面からSiCの発光特性をスキャニングし、例えばカメラ(不図示)等で積層欠陥27を観測する(ステップS8)。
そして、ステップS8の処理において検出された積層欠陥27の位置や大きさを記録(マッピング)する(図2参照)。これにより、半導体ウェハ24の面内において、積層欠陥27が検出されたチップ領域25aの位置を把握することができる。このため、半導体チップ24aの製造・流通過程で、積層欠陥27が検出された半導体チップ24aの所在を正確に記録し管理することができる(トレーサビリティの確保)。
半導体検査装置46の各部の制御は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムやチップ領域25aの位置情報を記録は、ハードディスク等の内部ストレージや、ファイルサーバーやクラウド等の外部ストレージなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体(記憶手段)に記録される。
次に、一般的な方法により、半導体ウェハ24のおもて面に、層間絶縁膜10のコンタクトホール10aにおいてn+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6に電気的に接続されたおもて面電極(オーミック電極11およびソースパッド12)を形成する(ステップS9)。ソースパッド12の厚さは、例えば5μm程度である。また、ステップS9の処理において、ソースパッド12と同時に、ゲートパッド13を形成する。
次に、半導体ウェハ24のおもて面に、パッシベーション膜14となるポリイミド膜を形成し、例えば380℃の温度で硬化(キュア)する(ステップS10)。次に、半導体ウェハ24の裏面(n+型出発ウェハ21側の主面)に、裏面電極15を形成する(ステップS11)。次に、半導体ウェハ24をダイシング(切断)して個々の半導体チップ24a状に個片化することで、SiC-MOSFET20が完成する。
その後、製品(SiC-MOSFET20が作製された半導体チップ24a)の電気的特性を評価する信頼性評価試験を行う。この信頼性評価試験において、SiC-MOSFET20の所定の電気的特性が得られない半導体チップ24aを不良品とし除去する。積層欠陥27が検出された半導体チップ24aも信頼性評価試験において所定の電気的特性が得られれば、良品とする。
図8に示すトレンチゲート構造の縦型のSiC-MOSFET20aを作製するには、
上述した実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法(図6参照)のステップS2,S4,S6の処理において、トレンチゲート構造となるように各部を形成すればよい。具体的には、ステップS2の処理で、n-型エピタキシャル層22の表面よりも深い位置にp型低濃度領域3aを形成する。ステップS4の処理で、p型エピタキシャル層23の表面領域に、n+型ソース領域5およびp++型コンタクト領域6のみを形成する。
ステップS6の処理で、n+型ソース領域5およびp型ベース領域4を貫通してp型低濃度領域3aに達するトレンチ7aを形成し、トレンチ7a内部にゲート絶縁膜8を介してゲート電極9を形成する。ステップS7の処理で、上述したように半導体ウェハ24に光40を照射する(図8)。ステップS8の処理で、SiC-MOSFET20aのボディダイオード30aに順方向電流Ifを流し、上述したようにフォトルミネッセンス法により積層欠陥27を検出すればよい。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、SiC-MOSFETの製造途中の半導体ウェハの状態で半導体ウェハに光を照射して、当該光の照射後に製品(SiC-MOSFET)仕様範囲内で加わる電気的ストレスおよび熱ストレスによりSiC-MOSFETのボディダイオードに順方向電流が流れても積層欠陥の成長が促進しない状態まで積層欠陥の成長を完全に促進させる。これにより、製品駆動時に積層欠陥が再成長しない。
また、製品駆動時に積層欠陥が再成長しないことで、電気的特性の劣化(SiC-MOSFETのボディダイオードの順方向特性の上昇、SiC-MOSFETのオン抵抗の増加)も生じないため、信頼性を向上させることができる。したがって、積層欠陥が検出された半導体チップも、SiC-MOSFETの所定の電気的特性を有していれば、良品とすることができるため、歩留まりを向上させることができる。
また、実施の形態1によれば、室温より高温度でかつ400℃未満の温度に加熱した半導体ウェハに光を照射して積層欠陥を成長させることで、積層欠陥の成長速度を速めることができるため、光の照射時間を短縮して積層欠陥を検出することができる。また、フォトルミネッセンス法により積層欠陥を検出することで、非破壊かつ短時間で積層欠陥の位置や大きさを正確に検出することができる。
また、実施の形態1によれば、チップ領域ごとに所定箇所(電極パッドの箇所)にだけ光を照射することで、隣り合うチップ領域間に跨って帯状の積層欠陥が成長することを抑制することができる。これにより、隣り合うチップ領域から成長してきた帯状の積層欠陥により例えば自身の積層欠陥の数が多くなった等の原因により不良品となる(SiC-MOSFETが所定の電気的特性を満たさなくなる)ことを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図11は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。図12,13は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。図12,13には、それぞれ図11のステップS26の処理時のSiC-MOSFET20,20aの状態を示す。実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法により、実施の形態1と同様に、SiC-MOSFET20,20aが作製(製造)される(図1~5参照)。
実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法は、光40の照射(ステップS26)およびフォトルミネッセンス法による積層欠陥27(図2参照)の検出(ステップS27)のタイミングが実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法と異なる。具体的には、実施の形態2においては、活性化アニールのための熱処理(ステップS25)の後、ゲート絶縁膜8(図4,5参照)の形成(ステップS28)の前に、光40の照射(ステップS26)およびフォトルミネッセンス法による積層欠陥27の検出(ステップS27)を行う。
すなわち、半導体ウェハ24にイオン注入により形成するすべての拡散領域を形成し、活性化アニールを行った後、ゲート絶縁膜8の形成前に、半導体ウェハ24に光40を照射する。したがって、ステップS26の処理において、半導体ウェハ24のおもて面が酸化膜で覆われていない状態(全面が露出された状態)で、半導体ウェハ24のおもて面の全面に光40が直接照射される(図12,13)。光40の照射により積層欠陥27が出現するのは、ソースパッド12(図3のハッチング面積の大きい部分)の直下である。このため、ソースパッド12の形成領域に対応する箇所にだけ光40を照射してもよい。
ステップS26の光40の照射条件や照射方法、および、ステップS27のフォトルミネッセンス法による積層欠陥27の検出方法は、それぞれ、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法のステップS7,S8(図6参照)と同様である。実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法のステップS21~S25,S28~S31の処理、その後の信頼性評価試験方法は、それぞれ実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法のステップS1~S5,S6,S9~S11の処理および信頼性評価試験と同様である。
実施の形態2においては、光40がゲート絶縁膜8に照射されないため、光40の照射によるゲート絶縁膜8へのキャリア蓄積がなく、良好なゲート絶縁膜8を得ることができる。ゲート絶縁膜8の形成以降に行う熱処理の温度は1300℃以下程度であるため、光40の照射で成長した積層欠陥27がステップS28の処理以降にさらに成長することはない。また、光40が酸化膜で遮られることなく、半導体ウェハ24の全面に照射されるため、半導体ウェハ24内のすべての積層欠陥27を検出することができる。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態2によれば、半導体ウェハのおもて面にゲート絶縁膜や層間絶縁膜等の酸化膜を形成する前に、半導体ウェハのおもて面から光を照射して積層欠陥を成長させるため、半導体ウェハ内のすべての積層欠陥を検出することができる。
以上において本発明では、SiC-MOSFETを例に説明しているが、SiCを半導体材料としたSiC-IGBTやSiC-pin(p-intrinsic-n)ダイオードに適用した場合においても本発明と同様の効果を有する。また、窒化ガリウム(GaN)についてもpn接合ダイオードに順方向に電流を流すと発光現象が観測されるため、GaNを半導体材料としたGaN-MOSFETやGaN-IGBT、GaN-pinダイオードに適用した場合においても本発明と同様の効果を有する。
本発明をpinダイオードに適用する場合、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法のステップS2,S4の処理と、ステップS6の処理のうちのゲート絶縁膜およびゲート電極の形成と、を省略すればよい。実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法のステップS22,S24の処理と、ステップS28の処理のうちのゲート絶縁膜およびゲート電極の形成と、を省略すればよい。p型ベース領域、n+型出発基板、おもて面電極および裏面電極は、それぞれp型アノード領域、n+型カソード領域、アノード電極およびカソード電極となる。
また、上述した各実施の形態では、p型ベース領域(またはp型アノード領域)をp型エピタキシャル層で形成しているが、p型ベース領域を、n-型ドリフト領域となるn-型エピタキシャル層にイオン注入により形成した拡散領域としてもよい。p型ベース領域をn-型エピタキシャル層にイオン注入により形成する場合、n+型ソース領域、p++型コンタクト領域およびJFET領域もn-型エピタキシャル層にイオン注入により形成される。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置の製造方法、半導体装置の検査方法および半導体検査装置は、SiCやGaNを半導体材料とし、半導体基板(半導体チップ)の内部にpn接合ダイオードを含む半導体装置に有用である。
1 n+型ドレイン領域
2 n-型ドリフト領域
3,3a p型低濃度領域
4 p型ベース領域
5 n+型ソース領域
6 p++型コンタクト領域
7 JFET領域
7a トレンチ
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 層間絶縁膜
10a 層間絶縁膜のコンタクトホール
11 オーミック電極
12 ソースパッド
13 ゲートパッド
14 パッシベーション膜
14a,14b パッシベーション膜の開口部
15 裏面電極
20,20a SiC-MOSFET
21 n+型出発ウェハ
21a n+型出発基板
22 n-型エピタキシャル層
23 p型エピタキシャル層
24 半導体ウェハ
24a 半導体チップ
25 チップ領域
25a 積層欠陥が検出されたチップ領域
26 ダイシングライン
27 積層欠陥
27a 帯状の積層欠陥
27b 三角形状の積層欠陥
30 ボディダイオード
31 活性領域
32 エッジ終端領域
40 光
41 半導体検査装置のステージ
42 光照射装置の集光器
43 光照射装置の光源と集光器とをつなぐ光ファイバ
44 光照射装置の光源
45 フォトルミネッセンス装置
46 半導体検査装置

Claims (14)

  1. 炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなる半導体ウェハを用いた半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体ウェハの内部に所定導電型の1つ以上の半導体領域を形成して、前記半導体ウェハの内部に少なくともpn接合を形成する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させる第2工程と、
    前記第2工程の後、前記半導体ウェハの両主面にそれぞれ、前記pn接合で形成されるダイオードに対して順方向の接続となる表面電極を形成する第3工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、前記第2工程の後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態になるまで前記積層欠陥の成長を促進させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2工程では、100℃以上400℃未満の温度に加熱した前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第2工程では、150℃以上250℃以下の温度に加熱した前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2工程では、前記光の波長を250nm以上450nm以下にすることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第2工程では、前記光の照射強度を30W/cm2以上100W/cm2以下とすることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第2工程では、前記光の照射強度を50W/cm2以上にすることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1工程は、
    前記エピタキシャル層の内部に第1導電型ドリフト領域を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の内部において前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面と前記第1導電型ドリフト領域との間に第2導電型ベース領域を形成し、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ドリフト領域とで前記pn接合を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の内部に第1導電型不純物を導入して、前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第2導電型ベース領域との間に第1導電型領域を形成する工程と、
    熱処理により前記第1導電型不純物を活性化させる工程と、を含み、
    前記第1工程の後、前記第2工程の前に、
    前記第2導電型ベース領域の、前記第1導電型領域と前記第1導電型ドリフト領域との間の領域に接してゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ベース領域の反対側にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体ウェハの前記第1主面に、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を選択的に除去して、前記第2導電型ベース領域および前記第1導電型領域が露出するコンタクトホールを形成する工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、前記コンタクトホールから前記半導体ウェハに前記光を照射することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1工程は、
    前記エピタキシャル層の内部に所定導電型の不純物を導入して1つ以上の前記半導体領域を形成する工程と、
    熱処理により前記不純物を活性化させる第5工程と、を含み、
    前記第2工程では、前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面の全面に前記光を照射することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1工程は、
    前記エピタキシャル層の内部に所定導電型の不純物を導入して1つ以上の前記半導体領域を形成する工程と、
    熱処理により前記不純物を活性化させる第5工程と、を含み、
    前記第2工程では、前記半導体ウェハの前記エピタキシャル層側の第1主面の、前記表面電極の形成領域のみに前記光を照射することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1工程は、
    前記エピタキシャル層の内部に第1導電型ドリフト領域を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の内部において前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第1導電型ドリフト領域との間に第2導電型ベース領域を形成し、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ドリフト領域とで前記pn接合を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の内部に第1導電型の前記不純物を導入して、前記半導体ウェハの前記第1主面と前記第2導電型ベース領域との間に第1導電型領域を形成する工程と、を含み、
    前記第2工程の後、前記第3工程の前に、
    前記第2導電型ベース領域の、前記第1導電型領域と前記第1導電型ドリフト領域との間の領域に接してゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ベース領域の反対側にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体ウェハの前記第1主面に、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第2工程では、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁膜および前記エピタキシャル層の3層構造からなる絶縁ゲート構造の仕様範囲内で前記第2工程の後に加わる前記電気的ストレスおよび前記熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させることを特徴とする請求項7または10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第2工程の後、前記第3工程の前に、前記ダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を観測する第4工程をさらに含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなり、かつ内部に少なくともpn接合を有する半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させる第1工程と、
    前記pn接合で形成されるダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を観測する第2工程と、
    を含み、
    前記第1工程では、前記第1工程の後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させ、
    前記第2工程では、前記出発ウェハのダイシング後に半導体チップとなるチップ領域ごとに前記積層欠陥の位置および大きさを記憶することを特徴とする半導体装置の検査方法。
  14. 炭化珪素からなる出発ウェハの上にエピタキシャル層を成長させてなり、かつ内部に少なくともpn接合を有する半導体ウェハを、前記出発ウェハ側の第2主面に接触して保持するステージと、
    前記エピタキシャル層側の第1主面から前記半導体ウェハに光を照射して、前記半導体ウェハの内部に積層欠陥を成長させ、かつ当該光の照射後に加わる電気的ストレスおよび熱ストレスにより前記積層欠陥の成長が促進しない状態まで前記積層欠陥の成長を促進させる照射手段と、
    前記pn接合で形成されるダイオードを順方向に通電して発光させて前記積層欠陥を検出する検出手段と、
    前記出発ウェハのダイシング後に半導体チップとなるチップ領域ごとに前記積層欠陥の位置および大きさを記憶する記憶手段と、
    を備えることを特徴とする半導体検査装置。
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