JP2009212374A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Koji Nakayama
浩二 中山
Yoshitaka Sugawara
良孝 菅原
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勝則 浅野
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Abstract

【課題】複数のワイドギャップ半導体素子を並列接続した構成において、簡単な製造プロセスで複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることができ、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】pn接合ダイオード毎に電圧電流特性を測定し(特性測定工程S5,S9)、測定されたpn接合ダイオードの電圧電流特性に基づいて、電子線を照射することにより目標電圧電流特性に近づけることが可能なpn接合ダイオードについて、目標電圧電流特性にするための電子線量を算出する(電子線量算出工程S6)。上記電子線を照射することにより目標電圧電流特性に近づけることが可能なpn接合ダイオードに対して、算出された電子線量の電子線を照射する(電子線照射工程S8)。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、詳しくは、シリコンカーバイド(SiC)などを母材とするワイドギャップ半導体素子を備えた半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
従来、大電流を流すことができるバイポーラ半導体素子としては、Siを母材とする半導体素子の面積を大型化したものがある。
しかしながら、上記Siを母材とする半導体素子では十分な絶縁が得られないような高耐圧が要求される用途には、シリコンカーバイド(SiC)を母材とするワイドギャップ半導体素子が有利である。このSiCを母材とするワイドギャップ半導体素子において、SiCがSiと比べて結晶欠陥が多く存在するため、大電流を流すために素子面積を大型化すると、図8に示すように、電気的特性のばらつきが大きくなって歩留まりが急激に低下する。このため、大電流を流すことができる素子面積を大型化したワイドギャップ半導体素子の製作することは容易でない。図8では、横軸は素子サイズ[mm□]を表し、縦軸は歩留まり[%]を表している。
これに対して、小面積のワイドギャップ半導体素子を並列接続することが考えられるが、電気的特性のばらつきにより、特定の素子に電流集中が起きて熱暴走により破損または劣化する恐れがある。ワイドギャップ半導体素子の一例として2つのダイオードを並列接続した場合、一方のダイオードD1が図9に示す電圧電流特性であり、他方のダイオードD2が図10に示す電圧電流特性であるとすると、2つの電気時特性のばらつきにより図11に示すように、一方のダイオードに電流集中が起こる。
また、従来のワイドギャップ半導体素子を備えた半導体装置としては、イオン注入法により少数キャリアライフタイムを制御するものがあるが(例えば、特開2005−276953号公報(特許文献1)参照)、このようなイオン注入法を用いた半導体装置では、製造プロセスが複雑で複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることが容易にできないという問題がある。
特開2005−276953号公報
そこで、この発明の課題は、複数のワイドギャップ半導体素子を並列接続した構成において、簡単な製造プロセスで複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることができ、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の半導体装置の製造方法は、
複数のワイドギャップ半導体素子が並列接続された半導体装置の製造方法であって、
上記複数のワイドギャップ半導体素子をウエハ上に形成する素子形成工程と、
上記ワイドギャップ半導体素子毎に電極を形成する電極形成工程と、
上記ワイドギャップ半導体素子毎に上記ウエハを分割する分割工程と、
上記分割されたワイドギャップ半導体素子毎に電気的特性を測定する特性測定工程と、
上記特性測定工程により測定された上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性に基づいて、電子線を照射することにより目標電気的特性に近づけることが可能な上記ワイドギャップ半導体素子について、上記目標電気的特性にするための電子線量を算出する電子線量算出工程と、
上記電子線を照射することにより目標電気的特性に近づけることが可能な上記ワイドギャップ半導体素子に対して、上記電子線量算出工程で求められた電子線量の電子線を照射する電子線照射工程と、
上記電子線照射工程において上記電子線が照射された上記ワイドギャップ半導体素子を加熱するアニール工程と
を有することを特徴とする。
上記構成の半導体装置の製造方法によれば、素子形成工程において上記複数のワイドギャップ半導体素子をウエハ上に形成した後、電極形成工程でワイドギャップ半導体素子毎に電極を形成する。次に、分割工程においてワイドギャップ半導体素子毎にウエハを分割する。そして、特性測定工程でワイドギャップ半導体素子毎に電気的特性を測定して、測定されたワイドギャップ半導体素子の電気的特性に基づいて、電子線量算出工程において、電子線を照射することにより目標電気的特性に近づけることが可能な上記ワイドギャップ半導体素子について、上記目標電気的特性にするための電子線量を算出する。上記算出された電子線量の電子線を、電子線照射工程において、目標電気的特性に近づけることが可能なワイドギャップ半導体素子に対して照射する。その後、電子線が照射されたワイドギャップ半導体素子をアニール工程で加熱する。ここで、ワイドギャップ半導体素子は、電子線照射により結晶欠陥が増えて、例えば、ダイオードではオン抵抗が増加し、スイッチング素子ではスイッチング時間が短くなる。そうすることによって、分割された複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることが可能となる。このように、複数のワイドギャップ半導体素子を並列接続した構成において、簡単な製造プロセスで複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることができ、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことができる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記アニール後の上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性を測定するアニール後の特性測定工程と、
上記アニール後の測定工程で測定された上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性が上記目標電気的特性と略一致したか否かを判定する判定工程と
を有し、
上記判定工程で上記目標電気的特性に略一致するまで、上記電子線量算出工程と上記電子線照射工程と上記アニール工程と上記アニール後の特性測定工程および上記判定工程を繰り返す。
上記実施形態によれば、上記判定工程で目標電気的特性に略一致するまで、電子線量算出工程と電子線照射工程とアニール工程とアニール後の特性測定工程および判定工程を繰り返すことによって、電子線量算出工程により算出された電子線量が適正な値でなく1回の電子線照射で電気的特性が略一致しない場合であっても、電子線照射を複数回繰り返すことで目標電気的特性により近づけることができる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記判定工程において上記目標電気的特性に略一致した上記複数のワイドギャップ半導体素子をパッケージ化するパッケージ工程を有する。
上記実施形態によれば、上記判定工程において目標電気的特性に略一致した複数のワイドギャップ半導体素子をパッケージ化することによって、電気的特性の揃った複数のワイドギャップ半導体素子を備えた半導体装置を提供できる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、上記電気的特性および上記目標電気的特性は、オン電圧、ターンオン時間、立ち上がり時間、蓄積時間、下降時間、テイル時間のうちの少なくとも1つの特性を含む。
ここで、「オン電圧」とは、半導体素子がオン状態にあるときに端子間に現れる電圧値であり、「ターンオン時間」とは、サイリスタがオフ状態からオン状態に切り換わるのに要する時間であり、「立ち上がり時間」とは、ステップ関数状の電圧が入力したときに出力が10%から90%まで達するのに要する時間である。また、「蓄積時間」とは、ダイオードの順方向電流がゼロになってからダイオードに逆方向電圧がかかるようになるまでの時間、または、トランジスタやサイリスタをオン状態からオフ状態にするとき、オフ信号を加えたときから電流が減少し始めるまでの時間であり、「下降時間」とは、ステップ関数状の電圧がゼロになったときに出力が90%から10%まで達するのに要する時間であり、「テイル時間」とは、サイリスタがターンオフ後に完全にアノード・カソード間の電圧が安定するまでの時間である。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記電気的特性および上記目標電気的特性は、オン電圧の温度依存性を含み、
上記電子線を照射することにより電子線を照射することにより、上記ワイドギャップ半導体素子の上記オン電圧の温度依存性を負の温度依存性から正の温度依存性にする。
上記実施形態によれば、上記電子線を照射することにより電子線を照射することにより、ワイドギャップ半導体素子のオン電圧の温度依存性を負の温度依存性から正の温度依存性にすることによって、熱暴走を効果的に防ぐことができる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記ワイドギャップ半導体素子は、シリコンカーバイド(SiC)または窒化ガリウム(GaN)またはダイヤモンドのいずれか1つを母材とするバイポーラ半導体素子である。
上記実施形態によれば、上記ワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)または窒化ガリウム(GaN)またはダイヤモンドのいずれか1つを母材とするバイポーラ半導体素子を用いることによって、絶縁破壊電界強度がシリコン(Si)に比べて高くなり、高耐圧の用途に用いることが可能となる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記電子線照射工程において上記ワイドギャップ半導体素子に照射する上記電子線量は、1×1012[電子/cm]以上である。
上記実施形態によれば、上記電子線照射工程においてワイドギャップ半導体素子に、電子線量1×1012[電子/cm]以上の電子線を照射することによって、シリコンカーバイド(SiC)を母材とするワイドギャップ半導体素子の電気的特性を確実に変化させることができる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記ワイドギャップ半導体素子は、ダイオードまたはトランジスタまたはサイリスタまたは絶縁ゲートトランジスタまたはゲートターンオフサイリスタのいずれか1つのバイポーラ型半導体素子である。
上記実施形態によれば、ダイオードまたはトランジスタまたはサイリスタまたは絶縁ゲートトランジスタまたはゲートターンオフサイリスタのいずれか1つのバイポーラ型半導体素子は、大電流が流れるほどオン抵抗が大きくなって発熱するため、素子のばらつきにより電流集中が起きやすいので、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことができる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、上記アニール工程において、上記ワイドギャップ半導体素子を400℃〜1000℃で加熱する。
上記実施形態によれば、アニール工程において、ワイドギャップ半導体素子を400℃〜1000℃で加熱することによって、電気特性の変化を目的とした結晶欠陥以外の欠陥を除去して、良好な特性のワイドギャップ半導体素子が得られる。
また、この発明の半導体装置では、
シリコンカーバイド(SiC)を母材とする複数のワイドギャップ半導体素子が並列接続された半導体装置であって、
上記複数のワイドギャップ半導体素子のうちの少なくとも1つは、電子線量1×1012[電子/cm]以上の電子線が照射されていることを特徴とする。
上記構成によれば、複数のワイドギャップ半導体素子が並列接続された構成において、上記複数のワイドギャップ半導体素子の少なくとも1つに1×1012[電子/cm]以上の電子線を照射することによって、簡単な製造プロセスで複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることが可能となる。それにより、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことが可能な半導体装置を実現できる。
以上より明らかなように、この発明の半導体装置の製造方法および半導体装置によれば、複数のワイドギャップ半導体素子を並列接続した構成において、簡単な製造プロセスで複数のワイドギャップ半導体素子の電気的特性を揃えることができ、特定の素子に電流集中することなく大電流を流すことが可能な半導体装置を実現することができる。
以下、この発明の半導体装置の製造方法および半導体装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の半導体装置の製造方法の工程を示すフローチャートを示している。ここで、この実施の形態の半導体装置は、複数のワイドギャップ半導体素子の一例としてSiC接合ダイオードが並列接続されたモジュールである。
まず、ステップS1において、SiCウエハにSiC接合ダイオードを形成する(素子形成工程)。
次に、ステップS2に進み、カソード電極とアノード電極を形成する(電極形成工程)。
次に、ステップS3に進み、SiCウエハをダイシングにより複数のチップに分割する(分割工程)。
次に、ステップS4に進み、最初のチップ(SiC接合ダイオード)を選択する。ここで、複数のチップに分割された全ダイオードの電気的特性である電圧電流特性が目標電圧電流特性よりもオン抵抗が小さいものとする。あるいは、電圧電流特性が目標電圧電流特性よりもオン抵抗が大きいものは、電子線を照射して目標電圧電流特性に近づけることができないため、除外する。
次に、ステップS5に進み、選択されたチップの電圧電流特性を測定する(特性測定工程)。
次に、ステップS6に進み、ステップS5において測定された電圧電流特性に基づいて、目標電圧電流特性にするための電子線量を算出する(電子線量算出工程)。
次に、ステップS7に進み、ステップS6で算出された電子線量の電子線をチップに照射する(電子線照射工程)。
次に、ステップS8に進み、上記チップを加熱するアニール処理を行う。
次に、ステップS9に進み、アニール処理されたチップの電圧電流特性を測定する(特性測定工程)。
そして、ステップS10に進み、ステップS9で測定された電圧電流特性が目標電圧電流特性と略一致するか否かを判定して、電圧電流特性が目標電圧電流特性と略一致するとき、ステップS11に進む。一方、ステップS10で電圧電流特性が目標電圧電流特性と略一致しないときは、ステップS6に戻り、ステップS6〜S10の工程を繰り返す。
また、ステップS11では、最後のチップか否かを判定して、最後のチップでないときは、ステップS12に進み、次のチップ(SiC接合ダイオード)を選択して、ステップS5に戻り、ステップS6〜S10の工程を繰り返す。
一方、ステップS11で最後のチップであると判定すると、この処理を終了する。
この実施の形態では、チップ毎に電気的特性の測定と電子線の照射を行ったが、先にチップ全数の電気的特性を測定して、電気的特性の同じ様な2以上のチップ(SiC接合ダイオード)のグループ毎に、同時に同一電子線量の照射を行って、電圧電流特性を調整するようにしてもよい。
図2は上記半導体装置の製造方法により製造されたpn(pin)接合ダイオードの断面図である。
図2に示すように、n型(第1の導電型)の4H型SiCを用いた基板21上に、不純物濃度が1×1013cm−3のn型4H−SiC、p型(第2の導電型)4H−SiCを順次エピタキシャル成長させ、エピタキシャルpin接合ダイオードを作製する。ここで、4H型の”H”は六方晶、”4”は原子積層が4層周期となる結晶構造を意味する。
n型の基板21は、改良レーリー法によって成長したインゴットをオフ角θを8度にしてスライスし、鏡面研磨することによって作製した。ホール効果測定法によって求めた基板21のキャリヤ密度は5×1018cm−3、厚さは400μmである。カソード側となる基板21の上に、CVD法によって窒素ドープn型SiC層(n型成長層)とアルミニウムドープp型SiC層(p型成長層)を順次エピタキシャル成長で形成する。n型成長層により、図1に示すn型のバッファ層22とn型のドリフト層23を形成する。バッファ層22はドナー密度7×1017cm−3、膜厚は10μmである。バッファ層22は必ずしも必要ではなくこれを形成しない場合もある。ドリフト層23はドナー密度約1×1013cm−3、膜厚は200μmである。また、p型成長層により、アノードとなるp型接合層24とp+型コンタクト層25を形成する。p型接合層24はアクセプタ密度5×1017cm−3、膜厚は1.5μmである。p+型コンタクト層25はアクセプタ密度約1×1018cm−3、膜厚は0.5μmである。
上記基板21上に、バッファ層22、ドリフト層23、p型接合層24およびp+型コンタクト層25を順次の処理条件で形成した。
次に、pinダイオードを作製するときの処理条件について説明する。
材料ガスとして、シラン(SiH)およびプロパン(C)を用い、ドーパントガスとして窒素(N)およびトリメチルアルミニウム(Al(CH))を用いる。また、キャリアガスとして水素(H)を用いる。このときの各ガスの流量は、sccm(standard cc per minute)または、slm(standard liter minute)で表す。圧力は、kPa(kilo pascal)で表す。以下の説明において、各ガスの名称の後に付したかっこ内の数値は流量を表す。基板21の温度は1550℃に保たれており、処理チャンバー内の圧力は5.6kPaに保たれている。
基板21のC面にバッファ層22を形成する工程では、シラン(30sccm)、プロパン(9sccm)、窒素(30sccm)および水素(10slm)を供給する(処理時間は40分)。
ドリフト層23の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(9sccm)、窒素(0.0005sccm)および水素(10slm)を供給する(処理時間は800分)。
P型接合層24の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(9sccm)、トリメチルアルミニウム(15sccm)および水素(10slm)を供給する(処理時間は6分)。
p+型コンタクト層25の形成工程では、シラン(30sccm)、プロパン(9sccm)、トリメチルアルミニウム(30sccm)および水素(10slm)を供給する(処理時間は2分)。
上記の処理工程により、この実施の形態のpin接合ダイオード用のSiCエピタキシャルウエハが形成される。
次に、基板21の下面にNi(厚さ350nm)を形成してカソード電極28とする。P+型コンタクト層25上に、Ti(チタン:厚さ350nm)とAl(アルミニウム:厚さ100nm)の膜をそれぞれ蒸着して、アノード電極29とする。このアノード電極29は、Ti層29aとAl層29bから構成されている。最後に1000℃で20分間の熱処理を行って、カソード電極28およびアノード電極29をそれぞれオーミック電極にする。
図3は上記半導体装置の製造方法の電子線照射を説明するための図であり、図3に示すように、pn接合ダイオードのチップの主面に対して略垂直方向に電子線を照射する。
それにより、図4に示すように、電子線照射されたpn接合ダイオードの電圧電流特性の傾き(電流/電圧)が小さくなる(オン抵抗増大)。
また、図5は上記pn接合ダイオードにおいて電子線量と順方向電圧差△Vfの関係を示している。図5に示すように、電子線量が1×1013[電子/cm]を越えると、順方向電圧差△Vfが大きくなる。
例えば、pn接合ダイオードのチップサイズを6mm×6mm、電子線のエネルギーを4.6MeV、電子線量を3×1013[電子/cm]とした場合、電子線照射後にアニール温度450℃でアニール処理されたpn接合ダイオードのオン電圧は、約1V上昇する。
このように、チップサイズや電子線量などの条件により、半導体素子の電圧電流特性の変化は定まる。したがって、所定条件で予め測定された特性を利用して、上記電子線量算出工程(S6)において、目標電圧電流特性にするための電子線量を算出することが可能となる。
上記構成の半導体装置の製造方法によれば、複数のワイドギャップ半導体素子としてのpn接合ダイオードを並列接続した構成において、簡単な製造プロセスで複数のpn接合ダイオードの電圧電流特性を揃えることができ、特定のpn接合ダイオードに電流集中することなく大電流を流すことができる。
また、上記判定工程(S10)で目標電圧電流特性に略一致するまで、電子線量算出工程(S6)と電子線照射工程(S7)とアニール工程(S8)とアニール後の特性測定工程(S9)および判定工程(S10)を繰り返すことによって、電子線量算出工程(S6)により算出された電子線量が適正な値でなく1回の電子線照射で電圧電流特性が略一致しない場合であっても、電子線照射を複数回繰り返すことで目標電圧電流特性により近づけることができ、素子間の特性ばらつきを低減できる。
また、上記判定工程(S10)において目標電圧電流特性に略一致した複数のpn接合ダイオードをパッケージ化することによって、電圧電流特性の揃ったpn接合ダイオードを備えた半導体装置を提供できる。
また、上記pn接合ダイオードにシリコンカーバイド(SiC)を用いることによって、絶縁破壊電界強度がシリコン(Si)に比べて高くなり、高耐圧の用途に用いることが可能となる。
また、上記電子線照射工程(S7)においてpn接合ダイオードに、1×1013[電子/cm]以上の電子線を照射することによって、シリコンカーバイド(SiC)を母材とするpn接合ダイオードの電圧電流特性を確実に変化させることができる。
また、上記実施の形態では、ワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)を母材とするpn接合ダイオードについて説明したが、ワイドギャップ半導体素子は、ダイオードに限らず、トランジスタまたはサイリスタまたは絶縁ゲートトランジスタまたはゲートターンオフサイリスタのいずれか1つのバイポーラ型半導体素子が並列接続された半導体装置にこの発明を適用してもよい。バイポーラ型半導体素子では、大電流が流れるほどオン抵抗が大きくなって発熱するために素子のばらつきにより電流集中が起きやすいので、この発明を適用することにより特に効果を発揮する。
例えば、図6はワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)を母材とするトランジスタに照射する電子線量とスイッチング時間変化率(照射後/照射前)の関係を示している。図6に示すように、電子線量が1×1012[電子/cm]を越えると、スイッチング時間変化率が小さくなる。すなわち、電子線照射によりスイッチング時間を短くすることができる。
また、上記実施の形態では、アニール工程におけるアニール温度を450℃としたが、これに限らず、400℃〜1000℃で加熱してもよく、これにより、電気特性の変化を目的とした結晶欠陥以外の欠陥を除去して、良好な特性のワイドギャップ半導体素子を得ることができる。
また、上記実施の形態では、ワイドギャップ半導体としてSiCを用いたpn接合ダイオードの例について説明したが、他のワイドギャップ半導体として窒化ガリウム(GaN)やダイヤモンドなどを用いたものでも同様の効果を得ることができる。
また、この発明の半導体装置の製造方法において、電子線照射により調整する半導体素子の電気的特性は、pn接合ダイオードの順方向電圧差やトランジスタのスイッチング時間に限らず、オン電圧、ターンオン時間、立ち上がり時間、蓄積時間、下降時間、テイル時間のうちの少なくとも1つを含む特性でもよい。このような電気的特性を有する半導体素子にこの発明の半導体装置の製造方法を適用することにより、所望の目標電気的特性に調整することが可能となる。
また、この発明の半導体装置の製造方法によれば、電子線を照射することにより、ワイドギャップ半導体素子のオン電圧の温度依存性を負の温度依存性から正の温度依存性にすることによって、熱暴走を効果的に防ぐことができる。
例えば、図7はワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)を母材とするダイオードの順方向電圧VFの温度依存性を示している。図7に示すように、電子線照射がない場合は、VF(T)/VF(室温)が0〜300℃の範囲でグラフが右下がりの負の温度依存性を示してる。これに対して、電子線量が1×1012[電子/cm]では、VF(T)/VF(室温)が0〜300℃の範囲で略1となり、さらに、6×1012[電子/cm]から1×1013[電子/cm]に電子線量が増えるほど、VF(T)/VF(室温)のグラフが右上がりの正の温度依存性を示している。すなわち、電子線照射によりダイオードの順方向電圧の温度依存性を負の温度依存性から正の温度依存性することができる。
図1はこの発明の実施の一形態の半導体装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。 図2は上記半導体装置の製造方法により製造されたダイオードの断面図である。 図3は上記半導体装置の製造方法の電子線照射を説明するための図である。 図4は上記半導体装置の製造方法の電子線照射の作用を説明するための図である。 図5は上記pn接合ダイオードにおいて照射する電子線量とダイオードの順方向電圧差の関係を示す図である。 図6はワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)を母材とするトランジスタに照射する電子線量とスイッチング時間変化率(照射後/照射前)の関係を示す図である。 図7はワイドギャップ半導体素子としてシリコンカーバイド(SiC)を母材とするダイオードの順方向電圧の温度依存性を示す図である。 図8は従来のSiC半導体素子を備えた半導体装置において素子サイズと歩留まりの関係を示す図である。 図9は並列接続された2つのダイオードの一方の電圧電流特性を示す図である。 図10は並列接続された2つのダイオードの他方の電圧電流特性を示す図である。 図11は並列接続された2つのダイオードの電流の偏りを示す図である。
符号の説明
21…n型の基板
22…n型のバッファ層
23…n型のドリフト層
24…p型接合層
25…p+型コンタクト層
28…カソード電極
29…アノード電極

Claims (10)

  1. 複数のワイドギャップ半導体素子が並列接続された半導体装置の製造方法であって、
    上記複数のワイドギャップ半導体素子をウエハ上に形成する素子形成工程と、
    上記ワイドギャップ半導体素子毎に電極を形成する電極形成工程と、
    上記ワイドギャップ半導体素子毎に上記ウエハを分割する分割工程と、
    上記分割されたワイドギャップ半導体素子毎に電気的特性を測定する特性測定工程と、
    上記特性測定工程により測定された上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性に基づいて、電子線を照射することにより目標電気的特性に近づけることが可能な上記ワイドギャップ半導体素子について、上記目標電気的特性にするための電子線量を算出する電子線量算出工程と、
    上記電子線を照射することにより目標電気的特性に近づけることが可能な上記ワイドギャップ半導体素子に対して、上記電子線量算出工程で求められた電子線量の電子線を照射する電子線照射工程と、
    上記電子線照射工程において上記電子線が照射された上記ワイドギャップ半導体素子を加熱するアニール工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記アニール後の上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性を測定するアニール後の特性測定工程と、
    上記アニール後の測定工程で測定された上記ワイドギャップ半導体素子の電気的特性が上記目標電気的特性と略一致したか否かを判定する判定工程と
    を有し、
    上記判定工程で上記目標電気的特性に略一致するまで、上記電子線量算出工程と上記電子線照射工程と上記アニール工程と上記アニール後の特性測定工程および上記判定工程を繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記判定工程において上記目標電気的特性に略一致した上記複数のワイドギャップ半導体素子をパッケージ化するパッケージ工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記電気的特性および上記目標電気的特性は、オン電圧、ターンオン時間、立ち上がり時間、蓄積時間、下降時間、テイル時間のうちの少なくとも1つの特性を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記電気的特性および上記目標電気的特性は、オン電圧の温度依存性を含み、
    上記電子線を照射することにより電子線を照射することにより、上記ワイドギャップ半導体素子の上記オン電圧の温度依存性を負の温度依存性から正の温度依存性にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記ワイドギャップ半導体素子は、シリコンカーバイド(SiC)または窒化ガリウム(GaN)またはダイヤモンドのいずれか1つを母材とするバイポーラ半導体素子であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記電子線照射工程において上記ワイドギャップ半導体素子に照射する上記電子線量は、1×1012[電子/cm]以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記ワイドギャップ半導体素子は、ダイオードまたはトランジスタまたはサイリスタまたは絶縁ゲートトランジスタまたはゲートターンオフサイリスタのいずれか1つのバイポーラ半導体素子であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記アニール工程において、上記ワイドギャップ半導体素子を400℃〜1000℃で加熱することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. シリコンカーバイド(SiC)を母材とする複数のワイドギャップ半導体素子が並列接続された半導体装置であって、
    上記複数のワイドギャップ半導体素子のうちの少なくとも1つは、電子線量1×1012[電子/cm]以上の電子線が照射されていることを特徴とする半導体装置。
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