JP2022015790A - プレーナコイル部品、およびプレーナトランス - Google Patents

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Takahiro Yokoyama
俊英 奥村
Shunei Okumura
由希 水溪
Yuki Mizutani
惠哉 青山
Shigeya Aoyama
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Abstract

【課題】 プレーナコイル部品において、熱伝導性を向上させる技術を提供する。【解決手段】 少なくとも1つのセラミック製のセラミック絶縁層を含む複数の絶縁層と、導電性の巻線部を有する複数の配線層と、が交互に積層されたプレーナコイル部品は、セラミック絶縁層と、セラミック絶縁層に隣り合う配線層との間に、セラミック絶縁層と配線層とに密着して配置される樹脂製の樹脂部を備える。【選択図】 図4

Description

本発明は、プレーナコイル部品に関する。
従来から、導電性の複数の配線層と、複数の絶縁層とが交互に積層されているプレーナコイル部品が知られている。このような積層型プレーナコイル部品において、配線層が絶縁層と固定されない非固定領域を備え、非固定領域において配線層と絶縁層との間に間隙が形成される構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-21879号公報
特許文献1に記載の技術によれば、非固定領域を備えるため、温度変化による配線層と絶縁層との変形量の差を吸収することができ、クラックや破損等の欠陥が抑制される。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、配線層と絶縁層との間に空隙があり、その空隙に熱伝導率が低い空気が存在するため、配線層と絶縁層との間の熱伝導性が十分に得られない虞がある。
本発明は、プレーナコイル部品において、熱伝導性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、少なくとも1つのセラミック製のセラミック絶縁層を含む複数の絶縁層と、導電性の巻線部を有する複数の配線層と、が交互に積層されたプレーナコイル部品が提供される。このプレーナコイル部品は、前記セラミック絶縁層と、前記セラミック絶縁層に隣り合う前記配線層との間に、前記セラミック絶縁層と前記配線層とに密着して配置される樹脂製の樹脂部を備える。
この構成によれば、セラミック絶縁層と配線層とに密着して配置される樹脂製の樹脂部を備えるため、セラミック絶縁層と配線層との間の空隙を減少させることができ、セラミック層と配線層との間に存在する空気を低減することができる。樹脂は、空気に対して熱伝導率が高いため、セラミック絶縁層と配線層との間の熱伝導性を向上させることができる。その結果、放熱性が高いプレーナコイル部品を提供することができる。
(2)上記形態のプレーナコイル部品において、前記配線層に隣り合い、前記配線層を挟む2つの前記セラミック絶縁層と、前記配線層との間に配置される前記樹脂部は、前記配線層を跨いで一体的に繋がっていてもよい。このようにすると、配線層の表面に配置された樹脂層と配線層の裏面に配置された樹脂層とが一体的に繋がり、配線層を被覆するため、プレーナコイル部品の絶縁性を向上させることができ、他の配線層や、他の部品の導体との短絡を抑制することができる。
(3)上記形態のプレーナコイル部品において、前記セラミック絶縁層に隣り合い、前記セラミック絶縁層を挟む2つの前記配線層と、前記セラミック絶縁層との間に配置される前記樹脂部は、前記セラミック絶縁層を跨いで一体的に繋がっていてもよい。このようにすると、セラミック絶縁層の表面に配置された樹脂層とセラミック絶縁層の裏面に配置された樹脂層とが一体的に繋がり、セラミック絶縁層を被覆する。その結果、セラミック絶縁層と配線層とが一体的に樹脂層に被覆されるため、さらに絶縁性を向上させることができる。
(4)上記形態のプレーナコイル部品において、前記樹脂部は、前記セラミック絶縁層と、前記セラミック絶縁層に隣り合う前記配線層との間に配置される部分と繋がって、前記プレーナコイル部品の表面に一体的に形成されていてもよい。この構成によれば、プレーナコイル部品の表面と、配線層と絶縁層との間と、に一体的に樹脂部が形成されているため、さらに絶縁性を向上させることができる。
(5)本発明の他の形態によれば、プレーナトランスが提供される。このプレーナトランスは、上記形態のプレーナコイル部品と、磁性材料から形成され、プレーナコイル部品の前記配線層の前記巻線部を貫通するコアと、を備え、前記プレーナコイル部品は、複数の配線層を含む1次側コイルと、複数の配線層を含む2次側コイルと、を備え、前記セラミック絶縁層は、前記1次側コイルと前記2次側コイルとを区別している。この構成によれば、プレーナトランスが、放熱性が高いプレーナコイルを備えるため、放熱性が高いプレーナトランスを提供することができる。また、1次側コイルと2次側コイルとが、セラミック絶縁層によって区別されているため、1次側コイルと2次側コイルとの絶縁性を、十分に担保することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、プレーナコイル部品を備える電源、プレーナコイル部品の製造方法、プレーナトランスの製造方法などの形態で実現することができる。
プレーナコイル部品を用いたプレーナトランスの外観を示す斜視図である。 プレーナコイル部品を構成する各層の説明図である。 プレーナコイル部品の外観構成を概略的に示す説明図である。 プレーナコイル部品の断面構成を示す説明図である。
<実施形態>
図1は、実施形態のプレーナコイル部品100を用いたプレーナトランス1000の外観を示す斜視図である。図1には、方向を特定するために、互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、Z軸方向を積層方向、Y軸方向を突出方向ともいう。また、本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、プレーナトランス1000は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。XYZ軸は、図2以降の図面についても同様である。実施形態のプレーナトランスは、例えば、パワーエレクトロニクス電源、特にEV用充電ステーションやEV車載充電器、工業用IH等の高周波電源等に用いるスイッチング電源用のトランスに適用される。
図1(a)に示すように、プレーナトランス1000は、コア200と、プレーナコイル部品100と、を備える。
コア200は、磁性材料から形成され、図1(b)に示すように、2つの貫通孔202、204の間に位置するコア芯部206を有する。コア芯部206は、プレーナコイル部品100の巻線部を貫通孔202、204に配置したとき、プレーナコイル部品100に形成されている貫通孔を挿通するように配置される。
プレーナコイル部品100は、図1(c)に示すように、複数の層が積層された積層部品である。具体的には、プレーナコイル部品100は、第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8、および第9層9が積層されている。後述するように、本実施形態のプレーナコイル部品100の表面は、樹脂部により被覆されている。図1では、プレーナコイル部品100の構成を説明するために、樹脂部の記載を省略している。
図2は、プレーナコイル部品100を構成する各層の説明図である。図2では、プレーナコイル部品100を分解して、各層の平面構成を概略的に示している。第1層1~第8層8は、それぞれ、絶縁層と、配線層と、を備える。第9層9は、絶縁層を備え、配線層を備えない。図1に示すように、第1層1~第9層9が、第9層9が一番下になり、第1層1が一番上になるように、順に積層されている。このとき、各層の配線層が下になるように配置されている。すなわち、本実施形態のプレーナコイル部品100は、導電性の複数の配線層と、複数の絶縁層とが交互に積層されている。
本実施形態において、絶縁層は、セラミックを主成分とし、平面形状が長方形環状の平板である。本実施形態における絶縁層を、「セラミック絶縁層」とも呼ぶ。セラミックとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミ等、種々の絶縁性のセラミックを用いることができる。セラミックとしては、放熱性が高い高放熱セラミックを用いるのが好ましい。
本実施形態において、配線層は、金属を主成分とし、平面形状が長方形開放環状の平板である。金属としては、例えば、銅、銅合金等の導電性がよい金属を用いることができる。その他、導電性を有する種々の材料を用いることができる。本実施形態では、配線層は、銅板を打ち抜き加工することにより形成されているが、その他、エッチングなどにより形成されてもよい。
第1層1は、第1絶縁層11と、第1配線層12と、を備える。第1配線層12は、巻線部13と、第1突出部14と、2次側入力端子15と、を備える。第2層2は、第2絶縁層21と、第2配線層22と、を備える。第2配線層22は、巻線部23と、第1突出部24と、第2突出部26と、を備える。第3層3は、第3絶縁層31と、第3配線層32と、を備える。第3配線層32は、巻線部33と、第1突出部34と、1次側入力端子35と、を備える。第4層4は、第4絶縁層41と、第4配線層42と、を備える。第4配線層42は、巻線部43と、第1突出部44と、第2突出部46と、を備える。第5層5は、第5絶縁層51と、第5配線層52と、を備える。第5配線層52は、巻線部53と、第1突出部54と、第2突出部56と、を備える。第6層6は、第6絶縁層61と、第6配線層62と、を備える。第6配線層62は、巻線部63と、第2突出部66と、1次側出力端子65と、を備える。第7層7は、第7絶縁層71と、第7配線層72と、を備える。第7配線層72は、巻線部73と、第1突出部74と、第2突出部76と、を備える。第8層8は、第8絶縁層81と、第8配線層82と、を備える。第8配線層82は、巻線部83と、第2突出部86と、2次側出力端子85と、を備える。第9層9は、第9絶縁層91を備える。
以下、第1突出部14、24、34、44、54、64、および74を区別しないときには、単に「第1突出部」とも呼ぶ。同様に、第2突出部26、36、46、56、76、および86を区別しないときには、単に「第2突出部」とも呼ぶ。図示するように、第1突出部および第2突出部は、絶縁層の外側に突出している。さらに、第1突出部と第2突出部とを区別しないときには、単に「突出部」とも呼ぶ。
第3層3、第4層4、第5層5、および第6層6により1次側コイルが構成され、第1層1、第2層2、第7層7、および第8層8により2次側コイルが構成される。図2に太線で図示するように、1次側において、第3配線層32の第1突出部34と、第4配線層42の第2突出部46とが電気的に接続され、第4配線層42の第1突出部44と第5配線層52の第2突出部56とが電気的に接続され、第5配線層52の第1突出部54と第6配線層62の第2突出部66とが電気的に接続される。2次側において、第1配線層12の第1突出部14と第2配線層22の第2突出部26とが電気的に接続され、第2配線層22の第1突出部24と第8配線層82の2次側出力端子85とが電気的に接続され、第7配線層72の第1突出部74と第8配線層82の第2突出部86とが電気的に接続される。図1では、1次側の端子がY軸プラス(+)側に配置されており、2次側の端子がY軸マイナス(-)側に配置されている。図1において、2次側を構成する突出部の図示を省略している。
本実施形態において、電気的に接続される第1突出部と第2突出部とは、溶加材により接続されている。溶加材としては、半田を用いているが、ろう材等の配線層の融点より低い温度で溶ける溶加材を用いてもよい。図2に示す第1層1~第9層9を積層し、各突出部を溶加材により接続したものを、「積層部」とも呼ぶ。
図3は、プレーナコイル部品100の外観構成を概略的に示す説明図である。図3(a)は上面図を示し、図3(b)は側面図を示す。図示するように、プレーナコイル部品100において、積層部110は、樹脂製の樹脂部10に被覆されている。換言すると、プレーナコイル部品100の表面には、樹脂部10が形成されている。
図4は、プレーナコイル部品100の断面構成を示す説明図である。図4では、図3に一点鎖線で示すA-A断面を図示している。図示するように、プレーナコイル部品100は、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に、樹脂製の樹脂部10を備える。具体的には、第1絶縁層11と第1配線層12との間、第1配線層12と第2絶縁層21との間、第2絶縁層21と第2配線層22との間、第2配線層22と第3絶縁層31との間、第3絶縁層31と第3配線層32との間、第3配線層32と第4絶縁層41との間、第4絶縁層41と第4配線層42との間、第4配線層42と第5絶縁層51との間、第5絶縁層51と第5配線層52との間、第5配線層52と第6絶縁層61との間、第6絶縁層61と第6配線層62との間、第6配線層62と第7絶縁層71との間、第7絶縁層71と第7配線層72との間、第7配線層72と第8絶縁層81との間、第8絶縁層81と第8配線層82との間、および第8配線層82と第9絶縁層91との間、それぞれに、樹脂部10が配置されている。
本実施形態のプレーナコイル部品100では、樹脂部10は、上述の絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に充填されており、絶縁層の表面と裏面の全面、および配線層の表面と裏面の全面に密着して、絶縁層と配線層とを、接着している。すなわち、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に空隙がない。そのため、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に、空気の断熱層が存在せず、積層方向(図面のZ軸方向)の熱伝導性を向上させることができる。
また、配線層に隣り合い、配線層を挟む2つの絶縁層と、配線層との間に配置される樹脂部10は、配線層を跨いで一体的に繋がっている。例えば、第2配線層22と隣り合う第2絶縁層21および第3絶縁層31と、第2配線層22との間に配置される樹脂部10は、第2配線層22を跨いで一体的に繋がっている。図4に示すように、第2配線層22は、樹脂部10によって、全体が被覆されている。第4配線層42、第5配線層52、および第7配線層72も同様に、樹脂部10によって全体が被覆されている、第1配線層12の2次側入力端子15の一部と、第3配線層32の1次側入力端子35(図3)の一部と、第6配線層62の1次側出力端子65の一部と、第8配線層82の2次側出力端子85(図3)の一部と、が樹脂部10によって被覆されていないものの、第1配線層12、第3配線層32、第6配線層62、および第8配線層82も、その一部が樹脂部10によって被覆されている。
また、絶縁層に隣り合い、絶縁層を挟む2つの配線層と、絶縁層との間に配置される樹脂部は、絶縁層を跨いで一体的に繋がっている。例えば、第2絶縁層21に隣り合い、第2絶縁層21を挟む第1配線層12と第2配線層22と、第2絶縁層21との間に配置される樹脂部10は、第2絶縁層21を跨いで一体的に繋がっている。また、第3絶縁層31に隣り合い、第3絶縁層31を挟む第2配線層22と第3配線層32と、第3絶縁層31との間に配置される樹脂部10は、第3絶縁層31を跨いで一体的に繋がっている。すなわち、第2絶縁層21および第3絶縁層31も樹脂部10によって被覆されている。上述の通り、第2配線層22も樹脂部10によって被覆されているため、第2絶縁層21、第2配線層22、および第3絶縁層31が樹脂部10によって一体的に被覆されると共に、各層の間にも、樹脂部10が配置される。他の配線層および絶縁層についても、同様である。
さらに、樹脂部10は、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に配置される部分と繋がって、プレーナコイル部品100の表面に一体的に形成されている。このように本実施形態のプレーナコイル部品100では、樹脂部10が配線層と絶縁層を被覆すると共に、プレーナコイル部品の表面にも一体的に繋がって形成されているため、プレーナコイル部品の絶縁性を向上させることができる。
樹脂部10は、例えば、シリコンゴムを用いて形成することができる。樹脂部10は、絶縁層と配線層とに密着して配置されており、絶縁層と配線層とを接着している。樹脂10の形成材料は、シリコンゴムに限定されず、種々の樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ系、フェノール系、尿素系、メラミン系等、種々の樹脂を用いることができる。
プレーナコイル部品100は、例えば、以下の方法により製造することができる。9枚の絶縁層11~91(図2)と、8枚の配線層12~82(図2)が交互に積層され、積層状態が仮固定された積層体を準備する。準備された積層体の外側に突出する第1突出部および第2突出部を、溶融された溶加材(半田材)が貯留された浸漬層に浸漬した後乾燥させて、第1突出部と第2突出部とを電気的に接続し、仮固定を解除する。これにより、積層部110が形成される。その後、真空含浸法を用いて、積層部110の絶縁層と配線層との間の間隙にシリコンゴムの液体を含浸させると共に、積層体の表面をシリコンゴムの液体で被覆し、乾燥させて、樹脂部10を形成する。これにより、プレーナコイル部品100が完成する。なお、シリコンゴムの液体に積層体を浸漬する際に、2次側入力端子15、1次側入力端子35、1次側出力端子65、および2次側出力端子85の先端がシリコンゴムの液体に浸漬しないようにすることにより、入出力端子の導通を確保する。
以上説明したように、本実施形態のプレーナコイル部品100によれば、絶縁層と配線層とに密着して配置される樹脂部10を備えるため、絶縁層と配線層との間の間隙を減少させることができる。樹脂部10を構成するシリコンゴムは、空気に対して熱伝導率が高いため、絶縁層と配線層との間の熱伝導性を向上させることができる。その結果、放熱性が高いプレーナコイル部品100を得ることができる。
熱伝導率を高くする方法としては、絶縁層にメタライズ層を設け、配線層(銅板)と絶縁層との間にはんだ等を構成することが考えられるが、はんだ、およびメタライズ層の材料費は比較的高額であるため、製品コストが高くなる。これに対し、本実施形態のプレーナコイル部品100では、はんだおよびメタライズ層の材料と比較して低価格の樹脂を用いて熱伝導率を向上させることができるため、コスト低減に資することができる。
また、はんだおよびメタライズ層を用いる方法は工程が複雑であるため、製造コストが比較的高くなる。これに対し、本実施形態のプレーナコイル部品100では、真空含浸により樹脂部10を形成しているため、製造を容易化することができ、製造コストの低減に資することができる。
また、樹脂部10を構成するシリコンゴムは、耐熱性が高いため、はんだおよびメタライズ層を用いる場合と同様に、高い工程熱性を提供することができる。
絶縁層と配線層とが樹脂部10によって接着されているため、はんだおよびメタライズ層を用いて絶縁層と配線層とを接着する場合と比較して、絶縁層と配線層との熱膨張差による応力を緩和することができ、絶縁層の亀裂の発生や、配線層の変形を抑制することができる。
本実施形態では、樹脂部10を真空含浸法により形成しているため、樹脂部10における気泡の発生を抑制することができるため、熱伝導率を適切に向上させることができる。また、樹脂部10を真空含浸法により形成することにより、樹脂部10を比較的薄く、均一に形成することができる。
また、プレーナコイル部品100において、樹脂部10が、絶縁層および配線層を被覆すると共に、プレーナコイル部品100の表面に一体的に形成されているため、プレーナコイル部品100の絶縁性を向上させることができる。そのため、他の部品の導体との短絡を抑制することができ、プレーナコイル部品100を用いた製品の小型化に資することができる。
プレーナコイル部品100において、絶縁層として、セラミック製の絶縁層を用いている。セラミックは、樹脂と比較して放熱性が高いため、高放熱のプレーナコイル部品100を得ることができる。
また、プレーナトランス1000において、第3層3、第4層4、第5層5、および第6層6により、1次側コイルが構成され、第1層1、第2層2、第7層7、および第8層8により、2次側コイルが構成されている。すなわち、1次側コイルと2次側コイルとは、第3絶縁層31および第7絶縁層71によって区別されている。第3絶縁層31および第7絶縁層71は、セラミック製であり、比較的厚いため、絶縁性が高い。そのため、1次側コイルと2次側コイルとの絶縁性を、十分に担保することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・上述の実施形態では、プレーナコイル部品は、プレーナトランスが備える例を示したが、プレーナコイル部品を備えるものはこれに限定されない。チョークコイルや、インダクタなどが備えてもよい。
・上記実施形態では、全ての絶縁層がセラミック製のセラミック絶縁層である例を示したが、少なくとも1つがセラミック製のセラミック絶縁層であり、他の絶縁層は、セラミック以外の絶縁性材料を用いてもよい。セラミック以外の絶縁性材料としては、例えば、ノーメックス紙(ノーメックスは登録商標)、樹脂等を用いることができる。セラミック絶縁層は、プレーナコイル部品の一次側コイルと2次側コイルとを区別するように配置されることが好ましい。樹脂部は、セラミック絶縁層と、セラミック絶縁層に隣り合う配線層との間に、セラミック絶縁層と配線層とに密着して配置される。
・上記実施形態では、樹脂部10が絶縁層と配線層との間に配置され、かつ、絶縁層および配線層を被覆すると共に、それらの部分と繋がって、プレーナコイル部品100の表面に一体的に形成される例を示したが、少なくとも、樹脂部10が絶縁層と配線層との間に配置されていればよい。
・上記実施形態では、真空含浸法により樹脂部10が形成される例を示したが、樹脂部10の形成方法は、上記実施形態に限定されない。例えば、液状、ジェル状等の樹脂を絶縁層または配線層に塗布した後、絶縁層と配線層とを積層してもよい。また、シート状に形成された樹脂部を、絶縁層と配線層との間に配置してもよい。また、樹脂部によって被覆された配線層を用いて、配線層と絶縁層とを積層してもよい。
・上記実施形態では、樹脂部10によって絶縁層と配線層とが接着される例を示したが、絶縁層と配線層が樹脂部によって接着されていなくてもよい。樹脂部10は、絶縁層と配線層とに密着して配置されればよい。
・上記実施形態において、絶縁層の表面と裏面の全面、および配線層の表面と裏面の全面に、樹脂部10が密着する例を示したが、これに限定されない。樹脂部10は、絶縁層の表面と裏面の少なくとも一部、配線層の表面と裏面の少なくとも一部に密着すればよい。このようにしても、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間の空隙を減少させることができるため、絶縁層と、絶縁層に隣り合う配線層との間に存在する空気の断熱層を減少させることができ、積層方向(図面のZ軸方向)の熱伝導性を向上させることができる。
上記実施形態において、各配線層が突出部を介して電気的に接続される例を示したが、各配線層の電気的接続は、上記実施形態に限定されず、公知の種々の接続方法により接続することができる。例えば、いわゆるビアシム構造により接続されてもよいし、突出部により接続される配線層と、ビアシム構造により接続される配線層とが混在してもよい。
・上述の実施形態では、巻線部として略矩形環状の部材であり、貫通孔に連通する切欠きが形成されている例を示したが、巻線部の形状は、これに限定されない。例えば、C字形状のように外形が略円形状であってもよいし、外形が多角形状、凹多角形状等であってもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1~9…第1~9層
11、21、31、41、51、61、71、81、91…第1~9絶縁層
12、22、32、42、52、62、72、82…第1~8配線層
13、23、33、43、53、63、73、83…巻線部
14、24、34、44、54、74…第1突出部
15…2次側入力端子
26、46、56、66、76、86…第2突出部
35…1次側入力端子
65…1次側出力端子
85…2次側出力端子
100…プレーナコイル部品
200…コア
202…貫通孔
206…コア芯部
451…第1接続部
452…第2接続部
1000…プレーナトランス

Claims (5)

  1. 少なくとも1つのセラミック製のセラミック絶縁層を含む複数の絶縁層と、導電性の巻線部を有する複数の配線層と、が交互に積層されたプレーナコイル部品であって、
    前記セラミック絶縁層と、前記セラミック絶縁層に隣り合う前記配線層との間に、前記セラミック絶縁層と前記配線層とに密着して配置される樹脂製の樹脂部を備えることを特徴とする、
    プレーナコイル部品。
  2. 請求項1に記載のプレーナコイル部品であって、
    前記配線層に隣り合い、前記配線層を挟む2つの前記セラミック絶縁層と、前記配線層との間に配置される前記樹脂部は、前記配線層を跨いで一体的に繋がっていることを特徴とする、
    プレーナコイル部品。
  3. 請求項2に記載のプレーナコイル部品であって、
    前記セラミック絶縁層に隣り合い、前記セラミック絶縁層を挟む2つの前記配線層と、前記セラミック絶縁層との間に配置される前記樹脂部は、前記セラミック絶縁層を跨いで一体的に繋がっていることを特徴とする、
    プレーナコイル部品。
  4. 請求項3に記載のプレーナコイル部品であって、
    前記樹脂部は、前記セラミック絶縁層と、前記セラミック絶縁層に隣り合う前記配線層との間に配置される部分と繋がって、前記プレーナコイル部品の表面に一体的に形成されていることを特徴とする、
    プレーナコイル部品。
  5. プレーナトランスであって、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプレーナコイル部品と、
    磁性材料から形成され、プレーナコイル部品の前記配線層の前記巻線部を貫通するコアと、を備え、
    前記プレーナコイル部品は、複数の配線層を含む1次側コイルと、複数の配線層を含む2次側コイルと、を備え、
    前記セラミック絶縁層は、前記1次側コイルと前記2次側コイルとを区別していることを特徴とする、
    プレーナトランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102563445B1 (ko) * 2022-11-11 2023-08-07 더가우스 주식회사 중대용량 입체권선 평면 변압기 및 이를 구비한 전력 변환 장치

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