以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、折り込み広告を支援する広告システムに、本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.広告システムの構成]
先ず、本実施形態に係る広告システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、広告システムSは、Rサイトサーバ1と、担当者端末2と、複数の広告主端末3と、少なくとも一の広告主サイトサーバ4と、複数のPOSレジ5と、カードサーバ6と、複数のユーザ端末7と、を備える。Rサイトサーバ1と、担当者端末2と、各広告主端末3と、各広告主サイトサーバ4と、カードサーバ6と、各ユーザ端末7とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
Rサイトサーバ1は、所定のウェブサイトに関する処理を実行するサーバ装置である。例えば、Rサイトサーバ1は、ユーザ端末7へウェブページを送信したり、ログインの制御を行ったりする。所定のウェブサイトの名称を、「サイトR」と仮定する。サイトRは、会員登録したユーザ(すなわち、アカウントを取得したユーザ)に対して所定のサービスを提供する。会員登録可能なサービスであれば、サイトRで提供されるサービスの種類は限定されないが、そのようなサイト又はサービスの例として、オンラインショッピング、オンラインショッピングモール、フリーマーケット、ホテルの予約、美容サロンの予約、ゴルフ場の予約、出前の予約、ネット銀行、ソーシャルネットワーキングサービス、住宅情報の提供、ブログ、天気予報、ニュース等が挙げられる。サイトRは、複数のサイトの集合であってもよい。すなわち、サイトRでは、複数のサービスが提供されてもよい。会員登録する際に又は会員登録後に、ユーザは、サイトRにそのユーザの氏名、郵便番号、住所等を登録することができる。そこで、サイトRは、アカウントを有するユーザに、そのユーザの住所を利用したサービスを提供してもよい。サイトRは、例えば所定の事業者により運営されている。この事業者の名称を、「R社」と仮定する。
Rサイトサーバ1は、ユーザがサイトRを閲覧するためにRサイトサーバ1にアクセスしてきたユーザ端末7に対してクッキーを送信する。クッキーによりユーザ端末7へ送信される情報の一つとして、RクッキーIDがある。RクッキーIDは、サイトRにおいてユーザ又はユーザ端末7を識別するための識別情報である。RクッキーIDは、サイトRにおけるユーザのアカウントに紐付けられる。RクッキーIDは、例えばユーザIDであってもよい。ユーザIDは、サイトRのアカウントを有するユーザを識別する情報である。或いは、RクッキーIDは、端末IDであってもよい。端末IDは、ユーザ端末7を識別する情報である。RクッキーIDが端末IDである場合、Rサイトサーバ1は、ユーザIDと端末IDとを関連付けて管理する。
また、Rサイトサーバ1は、複数の区域の中から、折り込み広告を配布する区域の決定を支援するための処理を実行する。これらの区域は、複数の新聞販売店が新聞の配達をそれぞれ担当する区域である。Rサイトサーバ1は、折り込み広告を配布する区域として推奨される区域を示す広告推奨区域情報を提供する。これに先立ち、広告主は、ターゲットとするセグメントの属性を指定する。セグメントは、共通する属性を有するユーザのグループである。指定可能な属性としては、年齢、性別等の一般的な属性の他に、オンライン上でとられる会員の行動も、セグメントの属性として指定可能である。オンライン上でとられる行動を、オンライン行動ともいう。オンライン行動は、例えばユーザ端末7が、ネットワークNWを介してRサイトサーバ1又は広告主サイトサーバ4等のセーバ装置と接続された状態で、ユーザがユーザ端末7を操作することにより示される行動であって、Rサイトサーバ1又は広告主サイトサーバ4等のセーバ装置等により処理される行動であってもよい。例えば、オンライン行動は、サイトRや広告主のウェブサイト上での行動であってもよい。オンライン行動の一般的な例としては、ウェブサイトの訪問や特定のウェブページの閲覧が挙げられる。その他、オンライン行動としては、商品又サービスの購入又は予約等、ウェブサイトにより提供されるサービスに応じて様々存在する。また、オンライン行動は、ユーザがウェブブラウザを利用してとる行動に限定されず、特定のサービス専用のアプリケーションを利用してとる行動が含まれてもよい。広告主に指定されたセグメントの人口の割合が相対的に大きいと推定される区域に折り込み広告が配布されると、広告効果が高い。そこで、Rサイトサーバ1は、サイトRの会員に関する情報を用いる。或る区域に住所を有する会員のうち、指定された属性を有する会員の割合を、その区域のターゲットセグメント割合という。Rサイトサーバ1は、複数の区域のうち、ターゲットセグメント割合が相対的に大きい区域を、広告の配布が推奨される区域に決定する。これは、各区域の住人を母集団とすると、それらの住人のうちサイトRの会員を標本として行われる統計に対応するかもしれない。サイトRの会員の中には、新聞を購読しているユーザが一定数存在するものと考えられる。サイトRには、会員の住所等の情報が登録されているので、Rサイトサーバ1は、住所を登録した各会員が何れの区域に住んでいるかを特定することができる。また、Rサイトサーバ1は、各会員により行われたオンライン上での行動を特定することができる。そのため、従来では特定が難しかったセグメントの割合、すなわちオンライン行動として観測される特定の行動をとるユーザの割合が相対的に大きい蓋然性がある区域に、折り込み広告を配布することができる。
広告推奨区域情報を参照することにより、広告主及びR社の担当が、広告を配布する区域を最終的に決定すると、例えばR社は、スケジュールに従って、広告となるチラシを印刷し、そのチラシを、決定された区域の新聞販売店へ配送する。この印刷及び配送は、R社から委託された所定の広告代理店が行ってもよい。新聞販売店において、新聞にチラシが折り込まれて、その新聞が、決定された各区域に配達される。
Rサイトサーバ1は、折り込み広告を行ったことによる結果としてどれだけの効果があったかを示す広告効果情報を提供する。広告効果情報は、例えば担当者端末2又は広告主端末3により表示される。ユーザの行動として広告主が目標とする行動を、目標行動という。これは、折り込み広告を見たユーザが行うことを、広告主が望む行動である。折り込み広告を読んだ上でユーザが目標行動をとった場合、その目標行動は、反応やコンバージョンに相当する。これが広告の成果である。目標行動は、広告主や広告の案件によって様々である。例えば、広告主がウェブサイトを運営する場合、広告主は、目標行動として、広告主がウェブサイトにおける所定の行動を指定することができる。そのような行動の例として、広告主のウェブサイトの訪問、特定のウェブページの閲覧、広告主のウェブサイトでの商品又はサービスの購入、広告主のウェブサイトの会員登録、その他様々な行動が挙げられる。広告主が、サイトRにおいて商品又はサービスを提供する場合、広告主は、目標行動として、サイトRにおける広告主のウェブページの閲覧、サイトRにおける広告主の商品又はサービスの購入等が挙げられる。広告主の商品又サービスが実店舗で提供される場合、広告主は、目標行動として、実店舗における広告主の商品又サービスの購入を指定することができる。また例えば、広告主は、目標行動として、広告主とユーザとの対面、電話、FAX又は電子メール等を通じた所定の行動を指定することができる。そのような行動の例として、広告主の営業所へ来店しての連絡先やアンケート等の記入、商品若しくはサービスの注文、資料請求、アポイントメントの申し込み、広告主が運営する会への会員登録の申し込み等が挙げられる。これらの行動の中には、ユーザが広告主の顧客になる行動が含まれる。顧客になることとは、例えばユーザが、広告主の顧客リストに登録されることである。顧客リストに登録されることとは、ユーザの氏名、住所、電話番号等の個人情報が顧客リストに登録されることであってもよい。なお、Rサイトサーバ1は、例えばサイトRに関する処理を実行するサーバ装置と、折り込み広告に関する処理を実行するサーバ装置と、で構成されてもよい。
担当者端末2は、R社の広告部門における担当者が利用する端末装置である。例えば、担当者は、担当者端末2を用いて、広告主により指定された条件を、Rサイトサーバ1に登録する。広告主により指定される条件の例として、広告予算、ターゲットとなるセグメントの属性、折り込み広告の配布を予定する一以上の地域等が挙げられる。本実施形態における地域は、例えば都道府県又は市区郡である。各地域は、複数の区域を含む。これらの条件は、広告主と担当者との話し合いにより決められてもよい。担当者端末2の例として、パーソナルコンピュータ、タブレット式コンピュータ等が挙げられる。
各広告主端末3は、折り込み広告の広告主により利用される端末装置である。例えば、広告主端末3を操作してRサイトサーバ1にアクセスすることにより、広告主は、折り込み広告の配布状況や成果達成状況等を確認可能であってもよい。広告主端末3の例として、パーソナルコンピュータ、タブレット式コンピュータ等が挙げられる。
広告主サイトサーバ4は、複数の広告主のうち少なくとも一の広告主により運営されるウェブサイトに関する処理を実行するサーバ装置である。例えば、広告主サイトサーバ4は、ユーザ端末7へウェブページを送信したり、広告主により提供される商品若しくはサービスの取引に関する処理を行ったりする。広告主のサイトは、広告される対象である商品又はサービスに関する情報を含んでもよい。広告主のサイトは、例えばEC(Electronic Commerce)サイトであってもよい。ECサイトにおいて、ユーザ側から見た取引の例として、商品の購入、サービスの予約、商品若しくはサービスの資料請求、商品若しくはサービスの説明を受けるためのアポイントメント、広告主が運営する会若しくはサイトへの会員登録等が挙げられる。広告主の中には、ウェブサイトを有さない広告主が存在してもよい。
各POSレジは、実店舗に設置されたレジスタ端末である。実店舗の例として、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、その他小売店が挙げられる。各POSレジは、図示せぬPOS(Point of sale system)に接続されている。実店舗においては、取引の対象としての商品又はサービスが提供される。広告主の商品又はサービスが実店舗で提供される場合もある。各POSレジは、例えばキャッシュドロア、レシートプリンタ、カードリーダ、バーコードリーダ、電子マネー決済端末等を備える。実店舗での商品又はサービスの代金の決済時に、顧客は、その顧客が所持するクレジットカード、電子マネーカード又はポイントカードを利用することができる。また、顧客は、電子マネーカード若しくはポイントカードと同等の機能を提供するためのアプリケーションがインストールされたユーザ端末7を利用することができる。クレジットカード、電子マネーカード、ポイントカードを又はこのアプリケーションがインストールされたユーザ端末7には、カードIDが保持されている。具体的には、磁気テープ、ICチップ、フラッシュメモリ等にカードIDが保持される。カードIDは、カードの所有者を識別する識別情報であって、そのカードの発行事業者から付与された識別情報である。例えば、クレジットカードの場合、カードIDはカード番号である。各POSレジは、顧客から提示されたクレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード又はユーザ端末7から、カードリーダ、バーコードリーダ又は電子マネー決済端末でそのカードのカードIDを読み取る。POSレジは、読み取ったカードIDと、購入される商品又はサービスとを示す購買情報をPOSへ送信する。
カードサーバ6は、クレジットカード若しくは電子マネーによる決済、又はポイントシステムにおけるポイントの獲得や消費に関する処理を実行するサーバ装置である。例えば、カードサーバ6は、POSを介してPOSレジ5から送信されてきた購買情報に基づいて、商品又はサービスの代金を決済してもよい。或いは、カードサーバ6は、購買情報に基づいて、購入者に対して付与するポイント数を計算したり、購入者により指定された数のポイントを消費して商品又はサービスを購入にポイントを充当するための処理を実行したりしてもよい。カードサーバ6は、POSレジ5から送信されてきた購買情報をデータベースに記憶させる。
各ユーザ端末7は、サイトRのアカウントを有するユーザにより利用される端末装置である。ユーザ端末7の例として、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス等が挙げられる。各ユーザ端末7には、ウェブブラウザが組み込まれている。また、各ユーザ端末7には、Rサイトサーバ1又は広告主サイトサーバ4から提供されるサービスを利用するための専用のアプリケーションが組み込まれてもよい。各ユーザ端末7は、サイトR、各広告主が運営するサイト、及びその他のサイトのウェブページを受信して表示する。
[2.Rサイトサーバの構成]
次に、Rサイトサーバ1の構成について、図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るRサイトサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、Rサイトサーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インタフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インタフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
入出力インタフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインタフェース処理を行う。
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、会員DB14a、ユーザIDテーブル14b、販売店DB14c、広告単価DB14d、広告条件DB14e、広告主顧客DB14f、一般統計DB14g、サイトR行動履歴DB14h、広告主サイト閲覧履歴DB14i、実店舗購買DB14j、成果DB14k等のデータベース及びテーブルが記憶されている。「DB」は、データベースの略語である。
図3及び図4は、Rサイトサーバ1におけるデータベース及びテーブルに記憶される内容の一例を示す図である。会員DB14aには、サイトRのアカウントを有するユーザに関する会員情報が、ユーザごとに記憶される。具体的に、会員DB14aには、会員情報として、ユーザID、パスワード、氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアレス、会員ランク、カードID等が、互いに関連付けて記憶される。会員ランクは、サイトRにおけるユーザのランクを示す。サイトRにおけるユーザの利用状況又は行動の履歴に応じた会員ランクが、ユーザに与えられる。例えば、ポイントシステムにより、サイトRの利用状況に応じてユーザにポイントが付与されてもよい。例えば、サイトRにおける商品又はサービスの購入代金の所定割合に相当するポイントがユーザに付与されてもよい。そして、例えば過去所定期間内にユーザが獲得したポイント数に応じて、会員ランクが決定されてもよい。サイトRにおいて、会員ランクに応じた特典がユーザに与えられてもよい。カードIDは、ユーザが所持するカードのカードIDである。
ユーザIDテーブル14bは、RクッキーIDが端末IDである場合において、同一のユーザのRクッキーIDとユーザIDとを関連付けるためのテーブルである。具体的に、ユーザIDテーブル14bには、サイトRにログインしたユーザがサイトRにアクセスするために利用したユーザ端末7ごとに、RクッキーIDとユーザIDとが互いに関連付けて記憶される。RクッキーIDがユーザIDそのものである場合には、ユーザIDテーブル14bは不要である。
販売店DB14cには、新聞販売店に関する販売店情報が、販売店ごとに記憶される。具体的に、販売店DB14cには、販売店情報として、販売店コード、県コード、市区郡コード、販売店名、町丁リスト、基本部数及び媒体コード等が、互いに関連付けて記憶される。販売店コードは、新聞販売店を識別する識別情報である。県コードは、その新聞販売店が所在する都道府県を識別する識別情報である。市区郡コードは、その新聞販売店が所在する市区郡を識別する識別情報である。町丁リストは、その新聞販売店が、新聞配達を担当する町丁のリストである。県コードと市区郡コードと町丁リストとの組み合わせにより、新聞販売店が新聞配達を担当する区域が示される。基本部数は、その新聞販売店が配達する新聞の部数である。媒体コードは、その新聞販売店が配達する新聞の発行元である新聞社を識別する識別情報である。
広告単価DB14dには、折り込み広告一部当たりの広告単価が、地域ごとに記憶される。具体的に、広告単価DB14dには、県コード、市区郡コード及び広告単価が、互いに関連付けて記憶される。県コードと市区郡コードとの組み合わせは、その広告単価が適用される地域を示す。
広告条件DB14eには、広告主により指定された折り込み広告の条件を示す広告条件情報が、広告の案件ごとに記憶される。具体的に、広告条件DB14eには、広告条件情報として、広告主ID、広告予算、ターゲットセグメント情報、サイトID、目標行動情報、対象地域情報、広告配布区域リスト及び広告配布日等が、互いに関連付けて記憶される。広告主IDは、広告主を識別する識別情報である。広告予算は、広告に支出される予算である。ターゲットセグメント情報は、広告主が折り込み広告のターゲットとするセグメントの属性を示す。特に、ターゲットセグメント情報は、属性として、オンライン行動を示す情報を含んでもよい。サイトIDは、広告主が運営するウェブサイトを識別する識別情報である。ターゲットとなるセグメントの行動として広告主のウェブサイトの閲覧が指定された場合、広告条件情報はサイトIDを含む。サイトIDは、例えばそのウェブサイトのドメイン名であってもよい。目標行動情報は、ユーザがとる行動として広告主が目標とする行動を示す情報である。対象地域情報は、折り込み広告の配布が予定される少なくとも一の地域を示す情報である。対象地域情報により示される地域に含まれる複数の区域の中から、広告が配布される区域が決定される。広告配布区域リストは、折り込み広告が配布される区域のリストである。例えば、広告配布区域リストは、広告が配布される区域ごとに、その区域の新聞配達を担当する新聞販売店の販売店コードを含んでもよい。広告配布日は、折り込み広告が配布される日付を示す。
広告主顧客DB14fは、広告主の現在の顧客に関する顧客情報が、少なくとも一の広告主について顧客ごとに記憶される。具体的に、広告主顧客DB14fには、顧客情報として、広告主ID、顧客ID、個人情報及びユーザID等が、互いに関連付けて記憶される。顧客IDは、広告主IDにより示される広告主において、顧客を識別するための識別情報である。個人情報は、顧客を特定可能な情報である。例えば、個人情報は、氏名及び住所を含んでもよいし、氏名及び電話番号を含んでもよい。また、個人情報は、その顧客の特定に困難性を伴う態様の情報に変換されていてもよい。この変換は、広告主のサービス側で行われて、変換された個人情報を含む顧客情報がR社に提供される。例えば、個人情報はハッシュ化されていてもよい。ユーザIDは、顧客IDにより示されるユーザがサイトRで付与されているユーザIDである。顧客IDとユーザIDとの関連付け方法については後述する。顧客情報のリストは、各広告主から、定期的に又は必要に応じて、R社へ提供される。例えば、広告主サイトサーバ4がRサイトサーバ1へ顧客情報を送信してもよい。或いは、広告主が顧客情報を登録するためのウェブアプリケーションを、Rサイトサーバ1が提供してもよい。或いは、電子メール、記録媒体又はその他の手段を通じて、広告主からR社へ顧客情報が提供されてもよい。R社の担当者が、担当者端末2を操作して、提供された顧客情報を入力することにより、顧客情報が広告主顧客DB14fに記憶されてもよい。
図4において、一般統計DB14gには、例えば世論調査等により得られる統計値が、町丁ごとに記憶される。例えば、一般統計DB14gには、県コード、市区郡コード、町丁コード、統計値等が、互いに関連付けて記憶される。統計値の例として、全体の人口、各年代の人口等が挙げられる。
サイトR行動履歴DB14hは、サイトRの会員によるサイトRでの特定の行動の履歴が記憶される。具体的に、特定の行動が行われるごとに、サイトR行動履歴DB14hには、行動ログとして、行動日時、ユーザID、行動情報等が、関連付けて記憶される。行動日時は、ユーザが行動をとった日時を示す。ユーザIDは、行動をとったユーザを示す。行動情報は、行動内容を示す。履歴が記憶される特定の行動は、サイトRの種類、性質等によって様々である。例えば、特定の行動が、ウェブページの閲覧である場合、行動情報は、閲覧されたウェブページを示す。特定の行動が、商品の注文若しくは購入、又はサービスの予約等である場合、行動情報は、対象となった商品又はサービスを示す。
広告主サイト閲覧履歴DB14iには、サイトRの会員による広告主のウェブサイトの閲覧履歴が記憶される。具体的に、会員が広告主の特定のウェブページを閲覧するごとに、広告主サイト閲覧履歴DB14iには、閲覧ログとして、閲覧日時、RクッキーID、サイトID、ページID等が、互いに関連付けて記憶される。閲覧日時は、広告主のウェブページが閲覧された日時を示す。RクッキーIDは、ウェブページを閲覧したユーザを示す。サイトIDは、閲覧されたウェブページのウェブサイトを示す。ページIDは、閲覧されたウェブページを示す。
実店舗購買DB14jには、実店舗における商品又はサービスの購買情報であって、代金の決済の際にクレジットカード、電子マネー又はポイントカードが利用された購買情報が、商品又はサービスの購買ごとに記憶される。具体的に、実店舗購買DB14jには、購買情報として、購買日時、店舗ID、カードID及び商品コード等が、互いに関連付けて記憶される。購買日時は、商品又はサービスが購入された日時を示す。店舗IDは、購入が行われた店舗を識別する識別情報である。カードIDは、利用されたカードを示す。商品コードは、購入された商品又はサービスを識別する識別情報である。例えば、カードサーバ6が、所定期間が経過するごとに、各POSから収集した購買情報を、Rサイトサーバ1へ送信してもよい。Rサイトサーバ1は、カードサーバ6から送信されてきた購買情報を、実店舗購買DB14jに記憶させてもよい。
成果DB14kには、広告主が目標とする行動をとった顧客に関する成果顧客情報が、目標行動をとった顧客ごとに記憶される。具体的に、成果DB14kには、成果顧客情報として、広告主ID、行動日、顧客ID、個人情報及び購入金額等が、互いに関連付けて記憶される。行動日は、広告主IDにより示される広告主が目標とする行動がとられた日を示す。顧客IDは、目標行動をとった顧客を示す。個人情報は、その顧客を特定可能な情報である。この個人情報も、その顧客の特定に困難性を伴う態様の情報に変換されていてもよい。広告主顧客DB14fに顧客情報が記憶されている広告主の顧客については、顧客ID及び個人情報のうち、顧客IDのみが成果DB14kに記憶されていればよい。購入金額は、商品又はサービスの購入のために顧客が支払った金額である。目標行動が購入を伴う場合に、成果顧客情報は購入金額を含む。顧客情報の場合と同様の方法で、各広告主からR社へ、成果顧客情報のリストが提供されてもよい。
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。サーバプログラムは、サイトRに関する処理や折り込み広告に関する処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部15は、例えばネットワークインタフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して、担当者端末2、広告主端末3、広告主サイトサーバ4、カードサーバ6、ユーザ端末7等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
[3.システム制御部の機能概要]
次に、Rサイトサーバ1におけるシステム制御部11の機能概要について、図5乃至11を用いて説明する。図5は、Rサイトサーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図5に示すように、指定行動情報取得部111、指定行動実行会員情報取得部112、住所情報取得部113、指定行動値得部114、広告推奨区域情報出力部115、目標行動変化情報取得部116、広告効果情報出力部117等として機能する。以下では、広告の配布を推奨する区域の情報の提供と、広告の効果の測定と、に大別して各機能を説明する。
[3-1.広告配布区域の提示]
指定行動情報取得部111は、広告主により指定された行動であって、オンライン行動を示す指定行動情報を取得する。例えば、指定行動情報取得部111は、広告条件DB14eからターゲットセグメント情報を取得することにより、指定行動情報を取得してもよい。
図6は、ターゲットとして広告主が指定可能なセグメントの属性の例を示す図である。図6に示すように、セグメントの属性として、サイトRでの特定の行動を指定可能である。そのような行動の例として、高齢者向けの商品の購入や、ペットを飼っていること等が挙げられる。このような行動は、サイトRがオンラインショッピングサイトを含む場合に指定可能である。ペットを飼っていること自体はオンラインの行動ではないが、例えばペット用品の購入頻度が所定頻度以上であるユーザを、ペットを飼っていると推定されるユーザとして指定可能である。サイトRがホテルの予約を提供している場合であれば、例えば特定の県に旅行に行った等を、セグメントの属性として指定可能である。
また、セグメントの属性として、広告主のウェブサイトでの特定の行動を指定可能である。広告主のウェブサイトでの行動は、基本的にはそのウェブサイトの閲覧行為に基づくものである。そのような行動の例として、広告主のウェブサイトの訪問、特定のウェブページの閲覧等が挙げられる。例えば、広告主のウェブサイトにおいて、ユーザが、商品の注文等の何らかの行動を起こしたとき、注文完了を示すウェブページ等の特定のウェブページがユーザ端末7に表示される。従って、表示されたウェブページにより、ユーザが如何なる行動をとったかを特定することが可能である。
更にセグメントの属性として、サイトRにおける会員ランクが挙げられる。例えば、広告主は、会員ランクが所定ランク以上であることを、指定することができる。会員ランク自体は、オンライン上での行動には相当しないように見える。しかしながら、ユーザが何らかの行動を積み重ねることにより、ユーザには現在の会員ランクが与えられている。例えば、会員ランクが所定ランク以上であることは、過去所定期間内に所定数以上のポイントを獲得する行動をとったことを示す。この行動は、オンライン行動である。従って、会員ランクを指定することは、オンライン行動を指定することであるとみなされてもよい。セグメントの属性として、オンライン行動以外に、一般的なデモグラフィックの指定が可能である。そのような属性の例として、30代男性、広告主の既存顧客等が挙げられる。
指定行動実行会員情報取得部112は、サイトRの複数の会員のうち、指定行動情報取得部111により取得された指定行動情報により示されるオンライン行動をとった会員を示す指定行動実行会員情報を取得する。図6に示すように、指定されたオンライン行動が、サイトRでの行動である場合、指定行動実行会員情報取得部112は、サイトR行動履歴DB14hから、その行動がとられたことを示す行動ログを取得する。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、取得された行動ログから、ユーザIDを、指定行動実行会員情報として取得する。
指定されたオンライン行動が、広告主のウェブサイトでの行動である場合、指定行動実行会員情報取得部112は、ユーザ端末7が広告主のウェブサイトを表示することに応じてそのユーザ端末7又はそのウェブサイトからRサイトサーバ1へ送信される指定行動実行会員情報を取得する。例えば、広告主により指定された行動をとる結果表示されるウェブページに、閲ログ歴記録用のタグが予め埋め込まれている。このタグは、ウェブページを閲覧したユーザのRクッキーIDを取得するためのタグである。具体的に、このタグは、ウェブページのページID及び広告主のウェブサイトのサイトIDをRサイトサーバ1へ送信することを、ユーザ端末7に指示するタグであってもよい。このタグは、所定のスクリプト言語で記述されてもよい。従って、ユーザ端末7が特定のウェブページを表示すると、ユーザ端末7は、そのウェブページのページID及びサイトIDをRサイトサーバ1へ送信する。ユーザ端末7が事前にRクッキーIDを記憶している場合、ユーザ端末7は、ページID及びサイトIDとともにRクッキーIDを送信する。ID取得部111は、こうしてユーザ端末7から取得されたRクッキーID、ページID及びサイトIDを含む閲覧ログを、広告主サイト閲覧履歴DB14iに記憶させる。ここで、ID取得部111は、RクッキーIDを取得した日時を閲覧日時として、閲覧ログに含ませる。指定行動実行会員情報取得部112は、広告主サイト閲覧履歴DB14iから、指定された行動の結果表示されるウェブページの閲覧ログを取得する。指定行動実行会員情報取得部112は、取得された閲覧ログから、RクッキーIDを取得する。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、ユーザIDテーブル14bから、RクッキーIDに関連付けられたユーザIDを、指定行動実行会員情報として取得する。
広告主により会員ランクが指定された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、会員DB14aから、指定された会員ランクを含む会員情報を取得する。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、会員情報からユーザIDを、指定行動実行会員情報として取得する。広告主により年齢や性別などの属性が指定された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、指定された属性を含む会員情報からユーザIDを取得する。
広告主により、広告主の既存顧客が指定された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、広告主顧客DB14fから、該当する広告主の顧客IDに関連付けられたユーザIDを取得する。このユーザIDは、広告主の顧客であるサイトRの会員を示す。顧客IDとユーザIDとの関連付けは、例えば次に説明するように行われる。指定行動実行会員情報取得部112は、広告主顧客DB14fから、個人情報を取得する。また、指定行動実行会員情報取得部112は、会員DB14aから、各会員の個人情報を取得する。個人情報は、例えば氏名及び住所を含んでもよい。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、会員DB14aから取得された個人情報と、顧客情報に含まれる個人情報と、を比較することにより、サイトRの会員のうち、広告主の顧客を特定する。具体的に、指定行動実行会員情報取得部112は、会員の個人情報が、目標行動をとった顧客の会員情報と一致する場合、その会員が顧客であると判定してもよい。指定行動実行会員情報取得部112は、その会員のユーザIDを、その顧客の顧客IDに関連付けて、広告主顧客DB14fに記憶させる。
ここで、広告主顧客DB14fには、顧客の特定に困難性を伴う態様に広告主側で変換された個人情報が記憶されてもよい。顧客の特定に困難性を伴う態様の個人情報とは、その個人情報から、顧客の氏名や住所等を特定又は復元することがほとんど不可能な個人情報であってもよい。例えば、個人情報はハッシュ化されていてもよい。この場合、指定行動実行会員情報取得部112は、各会員の個人情報を、広告主側による変換方法と同じ方法で変換してもよい。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、変換された個人情報同士を比較してもよい。広告主の顧客の中には、サイトRの会員ではない顧客も存在する。そこで、顧客の特定に困難性を伴う態様に広告主側で変換された個人情報を取得することで、そのような顧客の個人情報がR者側に提供されることが防止され、セキュリティの向上に繋がる。
図7は、個人情報の比較例を示す図である。広告主は、顧客「山田太郎」の顧客情報に含まれる個人情報510を、所定のハッシュ関数を用いてハッシュ化して、個人情報520を取得する。広告主は、この個人情報520を含む顧客情報をR社へ提供し、顧客情報は広告主顧客DB14fに記憶される。指定行動実行会員情報取得部112は、例えば会員「山田太郎」の会員情報に含まれる個人情報530を、広告主が用いるハッシュ関数と同一のハッシュ関数を用いてハッシュ化し、個人情報540を生成する。個人情報520と個人情報540とは一致するので、指定行動実行会員情報取得部112は、会員「山田太郎」が広告主の顧客であると判定する。
広告主は複数のオンライン行動及び属性を組み合わせて指定することが可能なようにRサイトサーバ1が構成されてもよい。また、広告主により、特定の行動をとっていないセグメントが指定された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、前述したように、先ず特定の行動をとったユーザを特定し、サイトRの会員から、特定の行動をとったユーザを除外することにより、その行動をとっていないユーザのユーザIDを取得する。
住所情報取得部113は、サイトRに住所が登録されている複数の会員それぞれについて、会員DB14aから、会員の住所を示す住所情報を取得する。住所情報は、例えば住所自体であってもよいし、郵便番号であってもよい。
指定行動値得部114は、指定行動実行会員情報取得部112により取得された指定行動実行会員情報及び住所情報取得部113により取得された住所情報に基づいて、所定の複数の区域それぞれについて、その区域内に住所を有するサイトRの会員のうち、指定行動情報により示されるオンライン行動をとった会員の割合に応じた値を取得する。オンライン行動をとった会員の割合を、ターゲットセグメント割合という。ターゲットセグメント割合に応じた値は、例えばターゲットセグメント割合そのものであってもよいし、偏差値又はその他の数値であってもよい。指定行動値得部114は、例えば各会員の住所情報と、販売店DB14cに記憶されている各販売店の県コード、市区群コード及び町丁リストとの組み合わせを比較することにより、各会員が何れの区域に住所を有するかを決定する。そして、指定行動値得部114は、各区域におけるサイトRの会員の人口を計算する。また、指定行動値得部114は、指定行動実行会員情報により示される各会員が住所を有する区域を特定する。そして、指定行動値得部114は、各区域において、指定されたオンライン行動をとった会員の人口を計算する。指定行動値得部114は、区域ごとに、オンライン行動をとった会員の人口を、その区域の全会員の人口で除算することにより、ターゲットセグメント割合を計算する。偏差値を計算する場合、指定行動値得部114は、全区域のターゲットセグメント割合の平均値を計算し、この平均値と各区域のターゲットセグメント割合を用いて、標準偏差を計算する。そして、指定行動値得部114は、各区域について、平均値、偏差値及びその区域のターゲットセグメント割合を用いて、その区域の偏差値を計算する。
図8は、或る区域におけるターゲットセグメント割合の一例を示す図である。図8に示す区域R1は、例えば東京都世田谷区玉川及びその周辺を含む区域である。人々110及び120は、それぞれ千人の人々を示している。区域R1の人口は1万人である。人々110は、サイトRの非会員である。人々120は、サイトRの会員である。区域R1におけるサイトRの会員の人口は5千人である。広告主は、ターゲットとするセグメントのオンライン行動として、高齢者向けの商品の購入を指定した。図8において、商品200は、高齢者向けの商品である。商品200を持っている人々120は、商品200の購入経験がある会員である。商品200の購入経験がある会員の人口は3千人である。従って、ターゲットセグメント割合は60パーセントとなる。ターゲットセグメント割合は、サイトRの会員の中での数値であり、人々120の中に、商品200の購入経験がある人々が何人いるかは不明であるものの、区域R1の人口に対するサイトRの会員の人口の割合が高いほど、ターゲットセグメント割合の信頼性は高くなる。
広告推奨区域情報出力部115は、指定行動値取得部114により取得された値に基づいて、複数の区域のうち、広告主の広告が配られる区域として推奨される区域を示す広告推奨区域情報を出力する。広告推奨区域情報出力部115は、例えば広告推奨区域情報を担当者端末2又は広告主端末3に送信してもよいし、図示せぬディスプレイに広告推奨区域情報を表示させてもよい。
広告推奨区域情報出力部115は、例えば、推奨される区域を一覧で示す広告推奨区域表を出力してもよい。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、ターゲットセグメント割合に応じた偏差値等の値が所定値以上である区域を示す広告推奨区域表を生成してもよい。或いは、広告推奨区域情報出力部115は、ターゲットセグメント割合(またはターゲットセグメント割合に応じた値)の降順に各区域にランキングを付けてもよい。そして、広告推奨区域情報出力部115は、ランキングが所定のランキングより上位である区域を示す広告推奨区域表を生成してもよい。或いは、広告推奨区域情報出力部115は、最上位のランキングの区域から、広告料の累計が広告予算に達するランキングの区域までを示す広告推奨区域表を生成してもよい。図8において、区域R1のターゲットセグメント割合60パーセントに対応する偏差値は72.3である。この偏差値は高い数値であるので、区域R1は、ターゲットセグメント割合が相対的に高い区域である。従って、区域R1が、広告の配布が推奨される区域の一つとして抽出される可能性は高い。広告推奨区域表は、区域ごとに、その区域又は販売店を示す情報を少なくとも含む。広告推奨区域情報出力部115は、更に折り込み広告の配布部数、ターゲットセグメント割合に応じた値、広告料、広告料の累計等を、広告推奨区域表に含めてもよい。
図9は、広告推奨区域表の表示例を示す図である。図9に示す広告推奨区域表300は、複数の行310を含む。各行310には、折り込み広告の配布が推奨される区域の情報が表示される。例えば、各行310は、都道府県名、市区郡名、販売店名、基本部数、偏差値、配布部数、累計部数、新聞社名等を含む。複数の行310が偏差値の降順でソートされている。都道府県名と市区郡名と販売店名との組み合わせにより、区域が示される。販売店名は、一般的に地名を含むので、販売店名から区域の把握が可能である。配布部数は基本部数と基本的に同一である。
また例えば、広告推奨区域情報出力部115は、偏差値等の値に応じた色彩又は輝度で各区域を示すヒートマップを出力してもよい。複数の新聞社で発行されるそれぞれの新聞に広告を折り込む場合、新聞社間で区域が重複することが考えられる。この場合、広告推奨区域情報出力部115は、重複する区域については、それらの区域の偏差値の平均値等を用いて、色彩又は輝度を決定してもよい。図10は、ヒートマップの表示例を示す図である。図10に示すヒートマップ400は、東京都の一部のヒートマップである。ヒートマップ400において、各区域410は、ターゲットセグメント割合に応じた偏差値に対応する色彩で塗りつぶされている。
広告推奨区域情報出力部115は、住所情報取得部113により取得された住所情報に基づいて、複数の区域それぞれについて、その区域に住所を有する人のうち、その区域内に住所を有するサイトRの会員の割合を取得してもよい。この割合を、サイトR会員占有率という。そして、広告推奨区域情報出力部115は、広告主の広告が配られる区域として推奨される区域から、サイトRの会員占有率が所定値未満である区域を除外してもよい。或る区域の人口に対するサイトRの会員の人口の割合が小さいほど、それらの会員行動が、その区域の住民の行動を反映している可能性は低くなる。従って、取得されたターゲットセグメント割合の信頼性が低くなる。そこで、会員占有率が所定値未満である区域を除外することで、信頼性が低い情報が広告主に提供されることを抑止することができる。例えば、図8に示される区域R1における会員占有率は50パーセントである。この会員占有率は特段小さくはないので、広告の配布が推奨される区域からは除外されない。
[3-2.広告効果の測定]
目標行動変化情報取得部116は、広告が配られる前の目標行動の実行状況のから、広告が配られた後の目標行動の実行状況のへの変化を示す目標行動変化情報を取得する。広告が配られたとは、基本的には、或る案件の広告について広告推奨区域情報出力部115により広告推奨区域情報が出力された後、広告主により選定された区域にその案件の広告が配布されたことをいう。具体的に、目標行動変化情報取得部116は、複数の区域のうち、広告が配られなかった区域に住所を有するサイトRの会員による目標行動の実行状況の変化を示す第1の目標行動変化情報と、広告が配られた区域に住所を有するサイトRの会員による目標行動の実行状況の変化を示す第2の目標行動変化情報と、を取得する。目標行動の実行状況は、例えば目標行動が実行された度合いで示される。目標行動が実行された度合いは、例えば目標行動率であってもよい。目標行動率は、例えば、広告が配布されなかった区域又は配布された区域に住所を有するサイトRの会員のうち、目標行動をとった会員の割合であってもよい。或いは、目標行動率は、広告が配布されなかった区域又は配布された区域に住所を有するサイトRの会員の中で、広告主により指定されたセグメントに属する会員のうち、目標行動をとった会員の割合であってもよい。例えば、ターゲットとなるセグメントとして、広告主の既存の顧客が指定された場合、目標行動率は、サイトRの会員の中で広告主の顧客のうち、目標行動をとった顧客の割合であってもよい。この場合、広告主の既存顧客に対する広告の効果を提示することができる。
目標行動をとった会員を示す情報の取得方法は、目標行動の種類に応じて変わる。例えば、目標行動が、サイトRにおける行動である場合、目標行動変化情報取得部116は、サイトR行動履歴DB14hから、目標行動をとったことを示す行動ログを取得する。
目標行動が、広告主のウェブサイトでの行動である場合、目標行動変化情報取得部116は、会員が目標行動をとることに応じてその会員のユーザ端末7により表示されるウェブページに含まれる指示に基づきユーザ端末7から送信されるRクッキーIDを取得する。前述したことと同様に、目標行動をとった結果表示されるウェブページに、閲ログ歴記録用のタグが予め埋め込まれる。ユーザ端末7は、このウェブページを表示すると、ページID及びサイトIDとともにRクッキーIDを、Rサイトサーバ1へ送信する。そして、目標行動変化情報取得部116は、これらページID、サイトID及びRクッキーIDを含む閲覧ログを、広告主サイト閲覧履歴DB14iに記憶させる。
目標行動が、実店舗における商品又はサービスの購入である場合、目標行動変化情報取得部116は、実店舗購買DB14jから、該当する商品又はサービスの購買情報を取得する。
目標行動が、広告主とユーザとの対面、電話、FAX又は電子メール等を通じた行動である場合、目標行動変化情報取得部116は、成果DB14kから、該当する成果顧客情報を取得する。目標行動変化情報取得部116は、成果顧客情報から顧客IDを取得する。目標行動変化情報取得部116は、取得された顧客IDに関連付けられたユーザIDを、広告主顧客DB14fから取得することにより、目標行動をとったサイトRの会員を特定する。なお、目標行動変化情報取得部116は、成果顧客情報に含まれる個人情報と、会員情報に含まれる個人情報と、を比較することにより、目標行動をとった会員を特定してもよい。成果顧客情報に含まれる個人情報がハッシュ化されている場合、目標行動変化情報取得部116は、会員情報に含まれる個人情報をハッシュ化し、ハッシュ化された個人情報同士を比較してもよい。
目標行動変化情報取得部116は、目標行動をとったユーザを示す行動ログ、閲覧ログ、購買情報又は成果顧客情報に基づいて、第1及び第2の目標行動変化情報を取得する。具体的に、目標行動変化情報取得部116は、折り込み広告の配布日から所定日までの期間に目標行動をとった会員を特定する。例えば、広告主により、この期間の終日が指定されてもよい。目標行動変化情報取得部116は、期間内に目標行動をとった会員の人口を、対象の区域の会員の人口で除算することにより、広告配布後の目標行動率を計算する。ここで、折り込み広告の配布日から所定日までの期間の長さをN日とする。目標行動変化情報取得部116は、折り込み広告の配布日のN日前から配布日の前日までの期間に目標行動をとった会員の人口をカウントして、広告配布前の目標行動率を計算する。目標行動変化情報取得部116は、例えば、広告配布後の目標行動率から広告配布前の目標行動率を減算することにより、目標行動変化情報として、目標行動率の変化量(または増分若しく減分)を計算してもよい。
広告効果情報出力部117は、目標行動変化情報取得部116により取得された第1の目標行動変化情報により示される変化と、目標行動変化情報取得部116により記取得された第2の目標行動変化情報により示される変化と、の違いを示す広告効果情報を出力する。例えば、広告効果情報出力部117は、広告が配布された区域における目標行動率の変化量から、広告が配布されなかった区域における目標行動率の変化量を減算することにより、目標行動率の変化量の違いを、広告効果情報として計算してもよい。広告効果情報出力部117は、広告が配布された区域及び配布されなかった区域それぞれについての広告配布前後における目標行動率及び目標行動率の変化も、広告効果情報に含めてもよい。広告効果情報出力部117は、例えば広告効果情報を担当者端末2又は広告主端末3に送信してもよいし、図示せぬディスプレイに広告推奨区域情報を表示させてもよい。
図11は、広告効果情報の一例を示す図である。図11において、区域群R2は、折り込み広告が配布されなかった一又は複数の区域である。区域群R3は、折り込み広告が配布された一又は複数の区域である。目標行動は、広告主の商品を購入することであるとする。区域群R2において、サイトRの会員のうち、広告の配布前に広告主の商品を購入した会員の割合は3パーセントである。広告の配布後に広告主の商品を購入した会員の割合は5パーセントである。従って、区域群R2における目標行動率の変化はプラス2パーセントである。一方、区域群R3において、サイトRの会員のうち、広告の配布前に広告主の商品を購入した会員の割合は5パーセントである。広告の配布後に広告主の商品を購入した会員の割合は15パーセントである。従って、区域群R3における目標行動率の変化はプラス10パーセントである。従って、目標行動率の変化の違いは、プラス7パーセントである。この7パーセントの差が、広告の効果と考えられる。
折り込み広告の成果として、反応率(またはコンバージョンレート)を調べるために、広告が折り込まれた新聞の配布部数と、その新聞の購読者のうち、目標行動をとった購読者の人数とを特定することが考えられる。しかしながら、広告システムSでは、サイトRの会員の情報を利用している。サイトRの全会員が新聞を購読しているとは限らず、また、どの会員が新聞を購読しているかを特定することも難しい場合がある。また、目標行動をとったユーザ全員が、新聞を購読しているとも限らない。折り込み広告に、その広告を読んだユーザのみが得られる情報、例えば二次元コードやパスコードを印刷しておき、その情報に基づいて、目標行動をとったユーザが折り込み広告を読んだか否かを判定することが考えられる。或いは、ユーザが目標行動をとった際に、折り込み広告を読んだか否かを広告主がユーザに確認することも考えられる。しかしながら、そのような手段をとるには、広告主側に相応の負担が掛かる。また、そのような手段とることが難しい状況も存在する。例えば、折り込み広告が配布された区域について、広告配布後の目標行動率と広告配布前の目標行動率との差を、反応率の代用として用いることが考えられる。しかしながら、何らかの事情若しくは事象の発生、或いは状況の変化等の不測の要因により、折り込み広告の配布以外の要因で、目標行動率が変化する場合がある。そこで、広告が配布された区域と配布されなかった区域との間における目標行動率の変化の違いを取得することで、そのような不測の要因を排除して、広告の効果を特定することができる。この広告の効果は、広告の配布自体に加えて、広告を配布する区域の選定によっても、もたらされる。
目標行動の実行状況は、目標行動による広告主の売り上げ、目標行動をとった顧客の人数又は目標行動の数で示されてもよい。ここで、成果DB14kから目標行動の実行状況を特定する場合、これらの売り上げや人数等に織り込まれる顧客は、サイトRの会員に限定されず、目標行動をとった全顧客であってもよい。例えば、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された区域及び配布されなかった区域それぞれについて、成果DB14kから広告の配布前後の成果顧客情報を取得する。目標行動変化情報取得部116は、取得された成果顧客情報に応じて、売り上げ、人数又は回数をカウントする。目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された区域及び配布されなかった区域それぞれについて、売り上げ、人数又は回数の変化を計算する。そして、広告効果情報出力部117は、広告が配布された区域における変化と、広告が配布されなかった区域における変化と、の違いを計算する。
[4.広告システムの動作]
次に、広告システムSの動作について、図12乃至図14を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る広告システムSの処理例を示すシーケンス図である。
図12に示すように、或るユーザがユーザ端末7を操作して、或る広告主のウェブページを表示させる(ステップS1)。ユーザ端末7は、ウェブページのHTML文書を解析して、閲覧ログ記録用のタグを検出する(ステップS2)。ユーザ端末7は、タグに従って、ウェブページに関連付けられたページID及びサイトIDと、ユーザ端末7が記憶しておいたRクッキーIDと、をRサイトサーバ1へ送信する(ステップS3)。Rサイトサーバ1の指定行動実行会員情報取得部112は、ユーザ端末7から受信されたページID、サイトID及びRクッキーIDと、閲覧日時としての現在日時と、を関連付けて、広 広告主サイト閲覧履歴DB14iに記憶させる(ステップS4)。
また或るとき、ユーザ端末7がサイトRを表示しているとき、ユーザは、何らかの行動に相当する操作を行う(ステップS5)。ユーザ端末7は、この操作に応じた要求をRサイトサーバ1へ送信する(ステップS6)。指定行動実行会員情報取得部112は、ユーザ端末7から受信した要求に応じた処理を実行して、ウェブページをユーザ端末7へ送信する(ステップS7)。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、行動ログをサイトR行動履歴DB14hに記憶させる(ステップS8)。
一方、サイトRの担当者は、広告主から提示された広告条件情報を、担当者端末2に入力する(ステップS9)。この広告条件情報は、ターゲットセグメント情報、対象地域情報等を少なくとも含んでもよい。広告予算、目標行動情報及び広告配布日は、このときに入力されてもよいし、後で入力されてもよい。担当者端末2は、入力された広告条件情報を、Rサイトサーバ1へ送信する(ステップS10)。
Rサイトサーバ1の指定行動情報取得部111は、担当者端末2から受信した広告条件情報を、広告条件DB14eに記憶させる。そして、Rサイトサーバ1は、広告推奨区域情報生成処理を実行する(ステップS11)。
図13は、本実施形態に係るRサイトサーバ1のシステム制御部11による広告推奨区域情報生成処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、指定行動実行会員情報取得部112は、広告条件情報に含まれるターゲットセグメント情報に基づいて、ターゲットとなるセグメントの会員の行動として、広告主のウェブサイトにおける何れかの又は特定のウェブページの閲覧が指定されたか否かを判定する(ステップS101)。広告主のウェブサイトの閲覧が指定された場合(ステップS101:YES)、指定行動実行会員情報取得部112は、広告主サイト閲覧履歴DB14iから、該当するウェブページの閲覧を示す閲覧ログを取得する(ステップS102)。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、取得された閲覧ログからRクッキーIDを取得する。指定行動実行会員情報取得部112は、RクッキーIDに関連付けてユーザIDテーブル14bに記憶されたユーザIDを、広告主のウェブサイトを閲覧したユーザのユーザIDとして取得する。なお、ウェブサイトの閲覧頻度や閲覧時期等の条件が広告主により指定されている場合、指定行動実行会員情報取得部112は、指定された条件に応じたユーザIDを取得する。
広告主のウェブサイトの閲覧が指定されなかった場合(ステップS101:NO)、又はステップS102の後、指定行動実行会員情報取得部112は、ターゲットとなるセグメントの会員の行動として、サイトRでの所定の行動が指定されたか否かを判定する(ステップS103)。サイトRでの行動が指定された場合(ステップS103:YES)、指定行動実行会員情報取得部112は、サイトR行動履歴DB14hから、該当する行動を示す行動ログを取得する(ステップS104)。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、取得された行動ログから、サイトRで所定行動をとったユーザのユーザIDを取得する。なお、所定の行動の頻度や時期等の条件が広告主により指定されている場合、指定行動実行会員情報取得部112は、指定された条件に応じたユーザIDを取得する。
サイトRでの行動が指定されなかった場合(ステップS103:NO)、又はステップS104の後、指定行動実行会員情報取得部112は、ターゲットとなるセグメントの会員が、広告主の顧客であることが指定されたか否かを判定する(ステップS105)。広告主の顧客であることが指定された場合(ステップS105:YES)、指定行動実行会員情報取得部112は、広告主顧客DB14fから、その広告主の広告主IDに関連付けられた顧客情報を取得する(ステップS106)。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、取得された顧客情報から、広告主の顧客のユーザIDを取得する。
広告主の顧客であることが指定されなかった場合(ステップS105:NO)、又はステップS106の後、指定行動実行会員情報取得部112は、ターゲットとなるセグメントの会員についてその他の属性が指定されたか否かを判定する(ステップS107)。属性が指定された場合(ステップS107:YES)、指定行動実行会員情報取得部112は、会員DB14aから、指定された属性を含む会員情報を取得する(ステップS108)。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、取得された会員情報から、指定された属性を有する会員のユーザIDを取得する。
なお、広告主により、ターゲットとなるセグメントの会員として、特定の行動をとらなかった会員又は特定の属性を有しない会員が指定された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、先ず前述したように、特定の行動をとった会員又は属性を有する会員のユーザIDを取得する。そして、指定行動実行会員情報取得部112は、サイトRの全会員から、特定の行動をとった会員又は属性を有する会員を除外することにより、特定の行動をとらなかった会員又は特定の属性を有しない会員のユーザIDを取得すればよい。
属性が指定されなかった場合(ステップS107:NO)、又はステップS108の後、指定行動実行会員情報取得部112は、ステップS102、104、106及び108の少なくとも何れか一のステップで取得されたユーザIDに基づいて、広告主により指定されたセグメントの条件を満たす会員のユーザIDを抽出する(ステップS109)。例えば、ステップS102、104、106及び108のうち一のステップのみが実行された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、そのステップで取得されたユーザIDを、条件を満たす会員のユーザIDとして抽出する。2以上のステップが実行された場合、指定行動実行会員情報取得部112は、それらのステップ全部で共通に取得されたユーザIDを、条件を満たす会員のユーザIDとして抽出する。
次いで、住所情報取得部113は、会員DB14aから、サイトRの全会員の住所情報を取得する(ステップS110)。次いで、広告推奨区域情報出力部115は、区域ごとに、サイトRの会員の人口を計算する(ステップS111)。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、広告条件情報に含まれる対象地域情報に示される県コード又は市区郡コードに関連付けられた全販売店情報を、販売店DB14cから取得する。広告推奨区域情報出力部115は、各販売店情報に含まれる県コード、市区群コード及び町丁リストの組み合わせと、各会員の住所情報と、を比較することにより、各区域に住所を有する会員を特定し、その人口をカウントする。なお、Rサイトサーバ1は、定期的に全区域それぞれにおける会員の人口を計算し、その人口の情報を記憶部14に記憶しておいてもよい。そして、広告推奨区域情報生成処理において、広告推奨区域情報出力部115は、記憶しておいた人口を取得してもよい。
次いで、広告推奨区域情報出力部115は、区域ごとに、その区域におけるサイトRの会員占有率を計算する(ステップS112)。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、一般統計DB14gから、各区域の人口を取得する。そして、広告推奨区域情報出力部115は、その区域の会員の人口を、その区域の人口で除算して、会員占有率を計算する。次いで、広告推奨区域情報出力部115は、会員占有率が所定値未満である区域を、広告の配布を推奨する区域から除外する(ステップS113)。
次いで、広告推奨区域情報出力部115は、区域ごとに、広告主により指定されたセグメントの条件を満たす会員の人口を計算する(ステップS114)。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、ステップS109で抽出された各ユーザIDに関連付けられた住所情報と、ステップS111で取得された各販売店情報に含まれる県コード、市区群コード及び町丁リストの組み合わせと、を比較することにより、各区域に住所を有し且つ条件を満たす会員を特定し、その人口をカウントする。
次いで、広告推奨区域情報出力部115は、区域ごとに、その区域において広告主により指定されたセグメントの条件を満たす会員の人口を、その区域の会員の人口で除算することにより、ターゲットセグメント割合を計算する(ステップS115)。次いで、広告推奨区域情報出力部115は、区域ごとに、ターゲットセグメント割合に応じた偏差値を計算する(ステップS116)。次いで、広告推奨区域情報出力部115は、計算された偏差値の降順で、複数の区域をソートする(ステップS117)。
次いで、広告推奨区域情報出力部115は、広告配布区域表情報を生成する(ステップS118)。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、偏差値が所定値以上である区域を、広告の配布を推奨する区域として抽出してもよい。広告推奨区域情報出力部115は、抽出された区域について、販売店情報から、県コード、市区郡コード、販売店名、基本部数、媒体ID等を取得する。広告推奨区域情報出力部115、県コード、市区郡コード及び媒体IDを、都道府県名、市区郡名及び新聞社名にそれぞれ変換する。また、広告推奨区域情報出力部115は、各区域の基本部数に基づいて、偏差値のランキングが最上位の区域からその区域までの累計部数を計算してもよい。また、広告推奨区域情報出力部115は、広告単価DB14dから、抽出された各区域に対応する広告単価を取得してもよい。広告推奨区域情報出力部115は、広告単価に基本部数を乗算することにより、各区域の広告料を計算してもよい。また、広告推奨区域情報出力部115は、各区域の広告料に基づいて、偏差値のランキングが最上位の区域からその区域までの広告料の累計を計算してもよい。広告推奨区域情報出力部115は、このように取得された情報及び計算された情報を含む広告配布区域表情報を生成してもよい。
次いで、広告推奨区域情報出力部115は、ヒートマップを生成する(ステップS119)。例えば、広告推奨区域情報出力部115は、広告条件情報に含まれる対象地域情報により示される地域の地図の画像のデータを記憶部14から取得する。また、広告推奨区域情報出力部115は、この画像上における各区域の座標を取得する。広告推奨区域情報出力部115は、地図の画像において、各区域の座標に対応する領域を、その区域の偏差値に対応する色彩で塗りつぶして、ヒートマップを生成する。ステップS119が終わると、広告推奨区域情報生成処理が終了する。
図12に戻り、広告推奨区域情報生成処理が終了すると、広告推奨区域情報出力部115は、生成された広告推奨区域表及びヒートマップを、担当者端末2へ送信する(ステップS12)。担当者端末2は、Rサイトサーバ1から受信した広告推奨区域表及びヒートマップを画面に表示する(ステップS13)。表示された情報を参考に、R社の担当者と広告主は、何れの区域に広告を配布するかを決定する。一般的には、目標行動率の偏差値が高い順に、複数の区域が広告予算の範囲内で選択される。しかしながら、ヒートマップにより示されるターゲットとなるセグメントの分布、広告主の希望、又はその他の事情により、区域の変更、追加又は削除が決定される場合もある。担当者は、担当者端末2を操作して、広告を配布する区域として決定された区域を選択する(ステップS14)。また、担当者は、この時点で、広告予算、目標行動情報及び広告配布日等を入力してもよい。これに応じて、担当者端末2は、選択された区域に対応する販売店コードを含む広告配布リスト、及びその他入力された情報を送信する(ステップS15)。指定行動情報取得部111は、担当者端末2から受信した広告配布リスト及びその他の情報を、広告主の広告主IDに関連付けて、広告条件DB14eに記憶させる(ステップS16)。
図14は、本実施形態に係るRサイトサーバ1のシステム制御部11による広告効果情報生成処理の一例を示すフローチャートである。例えば、R社の担当者は、担当者端末2を操作して、広告効果情報を表示させたい広告主を選択する。これに応じて、担当者端末2は、選択された広告主の広告主IDを含む広告効果要求を、Rサイトサーバ1へ送信する。Rサイトサーバ1は、担当者端末2から広告効果要求を受信したときに、広告効果情報生成処理を実行してもよい。
図14に示すように、目標行動変化情報取得部116は、広告効果要求に含まれる広告IDに関連付けて広告条件DB14eに記憶された広告条件情報から、目標行動情報、対象地域情報、広告配布区域リスト及び広告配布日を取得する(ステップS201)。次いで、目標行動変化情報取得部116は、目標行動情報に基づいて、目標行動は、広告主のウェブサイトでの行動であるか否かを判定する(ステップS202)。目標行動が広告主のウェブサイトでの行動である場合(ステップS202:YES)、目標行動変化情報取得部116は、広告主サイト閲覧履歴DB14iから、対象の広告主のウェブサイトのサイトIDと、目標行動をとることにより表示されるウェブページのページIDと、に関連付けられた閲覧ログを取得する(ステップS203)。このとき、目標行動変化情報取得部116は、広告配布日より前の閲覧日時を含む閲覧ログと、広告配布日以後の閲覧日時を含む閲覧ログとを分けて取得する。目標行動変化情報取得部116は、取得された各閲覧ログからRクッキーIDを取得する。そして、目標行動変化情報取得部116は、RクッキーIDに関連付けてユーザIDテーブル14bに記憶されているユーザIDを、目標行動をとったユーザのユーザIDとして取得する。
一方、目標行動が広告主のウェブサイトでの行動ではない場合(ステップS202:NO)、目標行動変化情報取得部116は、目標行動が、サイトRでの行動であるか否かを判定する(ステップS204)。目標行動がサイトRでの行動である場合(ステップS204:YES)、目標行動変化情報取得部116は、サイトR行動履歴DB14hから、目標行動がとられたことを示す行動ログを取得する(ステップS205)。このとき、目標行動変化情報取得部116は、広告配布日より前の行動日時を含む行動ログと、広告配布日以後の行動日時を含む行動ログとを分けて取得する。そして、目標行動変化情報取得部116は、取得された各行動ログから、目標行動をとったユーザのユーザIDを取得する。
一方、目標行動がサイトRでの行動ではない場合(ステップS204:NO)、目標行動変化情報取得部116は、目標行動が、実店舗での商品又はサービスの購入であるか否かを判定する(ステップS206)。目標行動が実店舗での購入である場合(ステップS206:YES)、目標行動変化情報取得部116は、実店舗購買DB14jから、該当する商品又はサービスの購買情報を取得する(ステップS207)。このとき、目標行動変化情報取得部116は、広告配布日より前の購入日時を含む購買情報と、広告配布日以後の購入日時を含む購買情報とを分けて取得する。そして、目標行動変化情報取得部116は、取得された各購買情報から、目標行動をとったユーザのユーザIDを取得する。
一方、目標行動が実店舗での購入ではない場合(ステップS206:NO)、目標行動変化情報取得部116は、成果DB14kから、対象の広告主の広告主IDに関連付けられた成果顧客情報を取得する(ステップS207)。このとき、目標行動変化情報取得部116は、広告配布日より前の行動日を含む成果顧客情報と、広告配布日以後の行動日を含む成果顧客情報とを分けて取得する。目標行動変化情報取得部116は、取得された成果顧客情報から顧客IDを取得する。そして、目標行動変化情報取得部116は、対象の広告主の広告主IDと、取得された顧客IDと、に関連付けて広告主顧客DB14fに記憶されている顧客情報から、目標行動をとったユーザのユーザIDを取得する。
ステップS203、205、S207又はS208の後、目標行動変化情報取得部116は、サイトRの全会員の住所情報を取得する(ステップS209)。次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された区域の会員の人口を計算する(ステップS210)。例えば、目標行動変化情報取得部116は、広告配布区域リストから販売店コードを取得する。目標行動変化情報取得部116は、取得された各販売店コードに関連付けられた販売店情報を、販売店DB14cから取得する。目標行動変化情報取得部116は、各販売店情報に含まれる県コード、市区群コード及び町丁リストの組み合わせと、各会員の住所情報と、を比較することにより、各区域に住所を有する会員を特定し、その人口をカウントする。そして、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された全区域の人口の合計を計算する。
次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された区域での目標行動率を、広告の配布前及び配布後それぞれについて計算する(ステップS211)。例えば、目標行動変化情報取得部116は、目標行動をとったユーザのユーザIDに関連付けられた住所情報と、ステップS210で取得された各販売店情報に含まれる県コード、市区群コード及び町丁リストの組み合わせと、を比較することにより、広告が配布された区域に住所を有し且つ目標行動をとった会員を特定する。目標行動変化情報取得部116は、広告配布前に目標行動をとった会員の人口と、広告配布後に目標行動をとった会員の人口と、をカウントする。そして、目標行動変化情報取得部116は、目標行動をとった会員の人口を、広告が配布された区域の会員の人口で除算することにより、広告の配布前及び配布後それぞれの目標行動率を計算する。次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告配布後の目標行動率から広告配布前の目標行動率を減算することにより、広告が配布された区域における目標行動率の変化量を計算する(ステップS212)。
次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布されなかった区域の会員の人口を計算する(ステップS213)。例えば、目標行動変化情報取得部116は、対象地域情報に示される県コード又は市区郡コードに関連付けられた全販売店の販売店コードを、販売店DB14cから取得する。目標行動変化情報取得部116は、対象地域情報に示される地域内の区域から、ステップS210で特定された広告が配布された区域を除外することにより、広告が配布されなかった区域の販売店コードを抽出する。目標行動変化情報取得部116は、抽出された各販売店コードに関連付けられた販売店情報を、販売店DB14cから取得する。目標行動変化情報取得部116は、各販売店情報に含まれる県コード、市区群コード及び町丁リストの組み合わせと、各会員の住所情報と、を比較することにより、各区域に住所を有する会員を特定し、その人口をカウントする。そして、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布されなかった全区域の人口の合計を計算する。
次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布された区域での目標行動率を、広告の配布前及び配布後それぞれについて計算する(ステップS214)。次いで、目標行動変化情報取得部116は、広告が配布されなかった区域における目標行動率の変化量を計算する(ステップS215)。対象の区域が、広告が配布されなかった区域であることを除き、ステップS214及びS215は、ステップS211及び212と同一である。
次いで、広告効果情報出力部117は、広告が配布された区域における目標行動率の変化量から、広告が配布されなかった区域における目標行動率の変化量を減算することにより、目標行動率の変化量の差を計算する(ステップS216)。次いで、広告効果情報出力部117は、広告が配布された区域及び配布されなかった区域それぞれの広告配布前後における目標行動率、目標行動率の変化量、及び目標行動率の変化量の差を含む広告効果情報を生成する(ステップS217)。次いで、広告効果情報出力部117は、生成された広告効果情報を、担当者端末2へ送信して(ステップS218)。広告効果情報生成処理は終了する。
[5.変形例]
上述した実施形態においては、折り込み広告の配布に本発明が適用されていた。しかしながら、折り込み広告以外の広告に本発明が適用されてもよい。例えば、新聞広告に本発明が適用されてもよい。例えば、広告が地方版又は地方紙に掲載されてもよい。各地方版又は地方紙について広告を掲載するか否かを決定することにより、広告が配布される区域と配布されない区域とが決定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、Rサイトサーバ1が、広告主により指定されたオンライン行動を示す指定行動情報を取得する。また、Rサイトサーバ1が、サイトRの複数の会員のうち、取得された指定行動情報により示される行動をオンライン上でとった会員を示す指定行動実行会員情報を取得する。また、Rサイトサーバ1が、複数の会員それぞれについて、記憶部14から住所情報を取得する。また、Rサイトサーバ1が、取得された指定行動実行会員情報及び取得された住所情報に基づいて、所定の複数の区域それぞれについて、区域内に住所を有する会員のうち、取得された指定行動情報により示される行動をとった会員の割合に応じた値を取得する。また、Rサイトサーバ1が、取得された値に基づいて、複数の区域のうち、広告主の広告が配られる区域として推奨される区域を示す広告推奨区域情報を出力する。従って、従来では特定が難しかった人達の割合、すなわちオンライン上での行動として観測される特定の行動をとる人達の割合が相対的に大きい蓋然性がある区域を、広告を配る区域として提示することができる。
ここで、Rサイトサーバ1が、ユーザ端末7がウェブサイトを表示することに応じてユーザ端末7から送信されるRクッキーIDを、広告主に指定された行動をとった会員のRクッキーIDとして取得してもよい。この場合、過去に広告主のウェブサイトに訪れた会員の割合が相対的に大きい区域を、広告の配布が推奨される区域として提示することができる。
また、Rサイトサーバ1が、オンライン上における会員の行動の履歴を示す行動ログ又は閲覧ログを取得し、取得されたログに基づいて、広告主により指定された行動をとったユーザのユーザIDを取得してもよい。
また、複数の区域は、複数の新聞販売店が配達をそれぞれ担当する区域であり、配られる広告は、配達される新聞に折り込まれる広告であってもよい。この場合、新聞への広告の折り込みが行われる新聞販売店に対応する区域の単位で、広告の配布が推奨される区域を提示することができる。
また、Rサイトサーバ1が、目標行動の実行状況の変化であって、広告が配られる前の実行状況から、広告が配られた後の実行状況への変化を示す変化情報として、複数の区域のうち、広告が配られなかった区域について目標行動の実行状況の変化を示す第1目標行動変化情報と、広告が配られた区域について目標行動の実行状況の変化を示す第2目標行動変化情報と、を取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、得された第1目標行動変化情報により示される変化と、取得された第2第1目標行動変化情報により示される変化と、の違いを示す広告効果情報を出力してもよい。この場合、広告効果情報から、広告の配布及びターゲットセグメント割合以外で、広告主が目標とする行動の実行状況が広告の配布前後で変化する要因を排除することができる。そのため、広告が配られたことによる効果を適切に特定して提示することができる。
ここで、目標行動は、広告主のウェブサイトにおける所定行動であってもよい。また、Rサイトサーバ1が、広告主のウェブサイトに含まれるウェブページであって、会員が目標行動をとることに応じてユーザ端末7により表示されるウェブページに含まれるタグに基づきユーザ端末7から送信されるRクッキーIDを取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、取得されたRクッキーIDに基づいて、第1目標行動変化情報及び第2目標行動変化情報を取得してもよい。従って、広告主が目標とする行動が、広告主のウェブサイトにおける行動である場合、その行動をとった会員を特定して、広告効果情報を提示することができる。
また、Rサイトサーバ1が、広告主の顧客の個人情報を取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、記憶部14に記憶された会員の個人情報と、取得された個人情報と、の比較に基づいて、複数の会員のうち、広告主の顧客を特定してもよい。また、Rサイトサーバ1が、広告主の顧客として特定された会員による目標行動の実行状況の変化を示す第1目標行動変化情報及び第2目標行動変化情報を取得してもよい。従って、広告主が、その広告主の既存顧客をターゲットとする場合において、顧客に対する広告の効果を提示することができる。
ここで、Rサイトサーバ1が、広告主の顧客の特定に困難性を伴う態様に広告主側で変換された個人情報を取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、広告主の顧客の個人情報の変換方法と同じ方法により、記憶部14に記憶された会員の個人情報を、その会員の特定に困難性を伴う態様の個人情報に変換してもよい。また、Rサイトサーバ1が、変換された会員の個人情報と、変換された顧客の個人情報と、を比較してもよい。この場合、顧客を特定可能な情報が、広告主側からRサイトサーバ1へ提供されることが防止される。
また、目標行動は、広告主が提供する所定取引対象を実店舗で購入することであってもよい。また、Rサイトサーバ1が、会員を識別するカードIDを保持するクレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード又はユーザ端末7から実店舗のPOSレジ5で読み取られたカードIDと、会員が実店舗で購入した取引対象を示す商品コードと、を含む購買情報を取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、取得された購買情報に基づいて、所定取引対象の購入状況の変化をそれぞれ示す第1目標行動変化情報及び第2目標行動変化情報を取得してもよい。従って、広告主が目標とする行動が、実店舗における広告主の取引対象である場合に、広告の効果を提示することができる。
また、Rサイトサーバ1が、取得された住所情報に基づいて、複数の区域それぞれについて、その区域に住所を有する人のうち、その区域内に住所を有する会員の割合を示す会員占有率を取得してもよい。また、Rサイトサーバ1が、広告主の広告が配られる区域として推奨される区域から、取得された会員占有率が所定値未満である区域を除外してもよい。この場合、サイトRの会員の人数が少ないことにより、広告主により指定された行動をとった会員の割合の信頼性が低い区域が除外されるので、より信頼性がある広告推奨区域情報を提供することができる。