JP2022014903A - 有機パターニング層、及びそれを用いた金属パターニング方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022014903000001
【課題】有機光電変換素子や有機EL等の有機半導体素子における、透明又は半透明電極の配線抵抗は大きく、電気ノイズや輝度ムラが発生して品質が損なわれる問題がある。
【解決手段】本発明は、有機半導体素子における透明電極の外側に配置する有機パターニング層であり、前記有機パターニング層を構成する有機化合物が以下の特性を有することを特徴とする有機パターニング層、及び該有機パターニング層を有機半導体素子における透明電極の外側に配し、非透光部の配線エリアに選択的に金属膜を形成することを特徴とする、金属パターニング方法に関する。
a.製膜した際の1μLの純水に対する静的接触角(温湿度:23℃、50%)が85°以上であり、
b.ガラス転移温度(Tg)が100℃以下であり、
c.分子量が1000以下の低分子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体素子における金属パターニングを作製する際に使用する有機パターニング層、及び該有機パターニング層を用いた金属パターニング方法に関するものである。
近年の携帯型情報端末等の普及に伴い、これらの端末に搭載されるディスプレイやセンサ等には省エネルギー、薄型化、及び軽量化が強く求められている。これに伴い、軽量、優れた成型加工性、柔軟性、分子設計の容易さなどの利点を持つ有機半導体が注目されている。現在まで、有機半導体素子の実用化のために多くの改良がなされ、機能分離した有機半導体薄膜の積層構造を有することで、飛躍的に素子特性を向上させている。
有機半導体素子の典型例である有機エレクトロルミネッセンス素子(以後、有機EL素子と略称する。)は、有機化合物の電界発光を利用した発光素子である。基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を設けた有機EL素子において、底部から光を取り出し発光するボトムエミッション構造の発光素子によって、高効率と耐久性が達成されるようになってきた(例えば、非特許文献1参照)。
さらに近年では、透明電極として、銀・マグネシウム合金等からなる金属薄膜を陰極に用い、上部から発光するトップエミッション構造の有機EL素子が用いられるようになってきた。画素回路を有する底部から光を取り出すボトムエミッション構造では、光を取り出す発光部の面積が制限されてしまう。それに対して、トップエミッション構造の有機EL素子では、上部から光を取り出すことで、画素回路に遮られることがないため光を取り出す発光部の面積を広くとれる利点がある。
しかしながら、トップエミッション構造における陰極配線の膜厚は薄く、抵抗値が大きい。配線抵抗が大きくなると、輝度がディスプレイ面内で均一でなくなる輝度ムラや、ディスプレイの表示内容によっては明るさが縞状に変化するクロストークが見られ、著しく表示品質が損なわれる。また発光表示部の発光画素のドット数が大きくなるほど配線数が増加し、配線一本あたりの配線幅が細くなる事で配線抵抗が大きくなる。これに伴い信号遅延や電圧降下が大きくなり、高フレームレート駆動が困難となる。
この問題点を改善するため、特許文献1、2では、配線部のうち透光部でない非発光エリアに電気抵抗率の低い金属を成膜することで、配線抵抗を低減することを提案している。しかし、この提案された方法では、配線に合わせた微細な開口パターンを有したマスクが必要であるため、交換時のマスク位置ズレや、蒸着源からの輻射熱によるマスクの熱変形によって成膜位置のズレが発生するため、精度の確保が問題となる。
最近では、光応答性化合物やポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる有機薄膜を利用した、金属をマスクレスでパターニング可能にする方法が提案されている(例えば、非特許文献2、3参照)。しかし、現在の有機半導体の生産は真空蒸着法が主流であり、これらの方法ではUV照射や湿式成膜装置が必要となるため、生産工程の複雑化が問題となる。そのため、真空蒸着法で成膜でき、選択的に金属を弾く有機薄膜を利用した金属パターニング方法が求められている。
日本国特開2000―91083号公報 日本国特開2001―148292号公報 日本国特開2017―163075号公報
応用物理学会第9回講習会予稿集55~61ページ(2001) J.Mater.Chem.C.,2014, 2,221 Mater.Horiz.,2020, 7, 143~148 Appl.Phys.Express 2012,5,041603
本発明の目的は、特殊な有機化合物から構成する、金属蒸気を弾くことができる有機パターニング層、及びこれらの有機パターニング層を用いた、選択的に金属膜を成膜する事が可能な金属パターニング方法を提供することにある。
そこで上記目的を達成するために鋭意に研究を行った結果、本発明者らは、有機パターニング層に適した有機薄膜の特性としては、(1)表面エネルギーが小さいこと、(2)分子運動性が高いこと、(3)真空蒸着法で成膜可能であること、(4)膜質の安定性が高いこと、が重要であると見出した。
すなわち、上記特性の有機薄膜を形成するために、本発明者らは以下の特性を有する化合物が、真空蒸着法で安定な薄膜を形成でき、かつ表面エネルギーが低い、金属蒸気を弾くことができる有機薄膜を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)製膜した際の1μLの純水に対する静的接触角(温湿度:23℃、50%)が85°以上であること、
(2)ガラス転移温度が100℃以下であること、
(3)分子量1000以下であること。
即ち、本発明は以下の有機パターニング層及びそれを用いた金属パターニング方法を含む。
1)本発明の一側面は、有機半導体素子における透明電極の外側に配置する有機パターニング層であり、前記有機パターニング層を構成する有機化合物は以下の特性を有することを特徴とする有機パターニング層である。
a)製膜した際の1μLの純水に対する静的接触角(温湿度:23℃、50%)が85°以上であり、
b)ガラス転移温度(Tg)が100℃以下であり、
c)分子量が1000以下である。
2)前記有機化合物は、下記式(1)又は下記式(2)で表される含窒素複素環を少なくとも一つ含む化合物であることが好ましい。
Figure 2022014903000002
Figure 2022014903000003
式(1)または式(2)中、Xは単結合、S、O、Si、CR10、SiR1112、またはNR13であり、R~R19は、相互に同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3ないし9の直鎖状若しくは分岐状のトリアルキルシリル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基又は置換若しくは無置換のアリールオキシ基を表し、R~R19は、互いに独立して存在するか、または隣り合う基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して結合して環を形成していてもよい。なお、式(1)または式(2)中の破線部は結合部位を表す。
3)前記式(1)中のXが単結合であることが好ましい。
4)また、本発明の他の一側面は、前記1)~3)記載のいずれかの有機パターニング層を有機半導体素子における透明電極の外側に配し、非透光部の配線エリアに選択的に金属膜を形成することを特徴とする、金属パターニング方法である。
5)真空蒸着法を用いて前記有機パターニング層を形成することが好ましい。
6)前記金属膜を形成する金属がAg、Al、Cu、Au、Ni、Co、Fe、Mg、Mo、Nb、Pd、Ptのうちの一種の金属あるいは複数種からなる合金であることが好ましい。
本発明の有機パターニング層は効率よく金属蒸気を弾くことができるため、本発明の有機パターニング層を用いた本発明の金属パターニング方法は、マスクレスで金属をパターニングできる。即ち、有機半導体素子を作製する際に本発明の金属パターニング方法を利用することで、素子の配線部に電気抵抗率の低い金属を選択的に成膜することが可能となる。
図1(a)~(c)は、本発明に係るパターニング方法を概略的に示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明では、図1(a)~(c)を参照して実施形態について説明しているが、本発明はそれに限定されることではない。また、説明に参照される図面は単に概略的なものであり非限定的である。
また、詳細な説明と請求の範囲にある「ないし」との用語は範囲を表し、例えば「5ないし10」との記載は、「5以上10以下」を意味し、「ないし」の前後に記載される数値自体も含む範囲を表す。
本発明に係る金属パターニング方法を図1(a)~(c)に概略的に示した。この有機半導体素子は、基板11の表面に下部電極12が形成され、この上にキャリア輸送層、機能層などからなる有機層13が形成され、さらにこの有機層13の上に半透明又は透明の上部電極14が形成されて構成されたものである。下部電極12と上部電極14とは、互いに直交した形でストライプ状に複数本配置されており、この交差部においては、下部電極12、有機層13、上部電極14からなる有機半導体素子が形成されている。上部電極14は、透明導電膜14Aと、金属膜14Bとによって構成されたもので、図1(c)に示すように透光部14aと、非透光部14bとからなる配線方式をとるものである。図1(a)に示すのは、金属蒸気を蒸着する前の様子であり、透明導電膜14Aの透光部14aに対応する部分の上に有機パターニング層15が形成されている状態である。
図1(b)に示すのは、金属蒸気が蒸着された状態である。図1(b)に示すように、透光部14aに対応する部分では、金属蒸気が有機パターニング層15により弾かれて、金属膜が形成されない。一方、非透光部14bに対応する部分では、有機パターニング層15が形成されていないので金属蒸気が弾かれず、金属膜14Bが形成されている。このように有機パターニング層を用いて選択的に金属配線を蒸着することができるため、簡単に効率よく複雑な配線でもマスクレスでパターニングできる。したがって、有機半導体素子を作製する際に、マスクレスで金属配線をパターニングできるため、マスクを用いた従来の金属パターニング方法における、金属蒸着の際に発生する輻射熱と金属蒸気の付着によるマスクのたわみの懸念がなくなり、有機半導体素子の品質と生産性が向上できる。
更に詳細に本発明に係る金属パターニング方法を説明すると、図1(a)に示されている基板11上に設けられる下部電極12を形成する材料は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化スズ(SnO )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、Au、Pt、Ag、Cr、Ni、Al等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、等を用いる事ができる。これらの材料は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、スパッタ法等にて成膜される。基板11を形成する材料は、例えば、ガラス基板、プラスティックフィルム等の樹脂基板、シリコンウェハ等の半導体基板を用いることができる。基板11の材質は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択すれば良く、単層構造のものだけでなく、積層構造の基板等についても適用可能である。
次いで、機能層とする有機層13が下部電極12の上に設けられる。有機層13を形成する材料は、i)有機EL素子と、ii)有機光起電素子/有機光電変換素子において、例えば、下記のようなものが挙げられる。これらの材料の種類、膜厚、構成、色素のドーピング形態等について特に限定されることはない。
i)有機EL素子:
1)正孔注入層(HIL):PEDOT:PSS、F4TCNQ、HATCN、MoO
2)正孔輸送層(HTL):Meo‐TPD、TPD、spiro‐TAD、NPD、TCTA、CBP、TAPC、芳香族アミン誘導体又はカルバゾール誘導体
3)電子輸送層(ETL):TPBI、Bphen、NBphen、BCP、BAlq、TAZ、アジン誘導体
4)電子注入層(EIL):LiF、CsCO、CsF、Yb、Liq
5)ホスト:MCP、TCTA、TATP、CBP、アントラセン誘導体又はカルバゾール誘導体
6)赤色ドーパント:Ir(btp)2(acac)、PtOEP、Ir(MDQ)2acac
7)緑色ドーパント:Ir(PPY)3、Ir(PPY)2acac、Ir(3mppy)3
8)青色ドーパント:BCzVBi、DPAVBi、FIrPic、4P‐NPD、DBZa、ボロン系化合物
ii)有機光起電素子/有機光電変換素子:
1)活性層のドナーは、サブフタロシアニン、チオフェン、セレノフェン、又はそれらの誘導体
2)活性層のアクセプタは、ペリレン、フラーレン、キナクリドン、又はそれらの誘導体
3)第一バッファ層(電子ブロッキング層):カルバゾール、フェニルアミン、又はそれらの誘導体
4)第二バッファ層(正孔ブロッキング層):ピリジン、キノリン、アクリジン、インドール、イミダゾールベンズイミダゾール、フェナントロリン、ベンゾニトリル、又はそれらの誘導体
有機層13に用いられるこれらの材料は、蒸着法、スピンコート法およびインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。また、これらの材料は、単独で成膜してもよいが、複数種を混合して成膜することもでき、それぞれを単層として使用できる。また、これらの材料を単独で成膜した層同士の積層構造、混合して成膜した層同士の積層構造、またはこれらの材料を単独で成膜した層と複数種を混合して成膜した層の積層構造としてもよい。有機層13の各層の膜厚の合計は、100nm~700nm程度が好ましく、100nm~300nm程度がより好ましい。
次いで、透明導電膜14Aが有機層13の上に設けられる。透明導電膜14Aは、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)等の半透明又は透明導電材料から形成されている。これらの材料は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、スパッタ法等により形成できるが、有機層13への熱的影響の少ない真空蒸着法がより好ましい。
次いで、有機パターニング層15が透明導電膜14Aの非透光部14b以外の部分の上部に設けられる。前記の有機パターニング層15は金属蒸気を弾く性質を持つため、図1(a)と図1(b)に示されているように、マスクレスで金属のパターニングができる。金属膜14Bが、有機パターニング層15が存在しない部分(すなわち、非透光部14b)に成膜され、図1(c)に示されている配線構造が得られる。
また、図1(b)に示されている有機パターニング層15及び/又は金属膜14Bの上部に、集光特性を持つ光学機能層やSiN, SiOなどの封止層を形成してもよい。これにより光学特性の向上、及び/又は水分や酸素の浸入を抑制することができる。
図1(b)に示されている金属膜14Bの材料としては、2×10- 5 Ωcm以下の低い電気抵抗率を有するAg、Al、Cu、Au、Ni、Co、Fe、Mg、Mo、Nb、Pd、Ptなどが好適に用いられるが、配線抵抗を下げる観点からAgであることがより好ましい。また、これらの材料は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、スパッタ法等により形成できるが、有機層13への熱的影響の少ない真空蒸着法がより好ましい。金属膜14Bの膜厚は、電気抵抗を下げる観点から、15nm以上が好ましいが、特に本発明はこのような膜厚に限定されない。
また、金属膜14Bの材料としては、配線の電気抵抗を下げるため、低い電気抵抗率を有するAg、Al、Cu、Au、Ni、Co、Fe、Mg、Mo、Nb、Pd、Ptなどからなる合金も好ましく、Agを含む合金がより好ましい。
また、単一金属膜または合金膜から構成する複数層の配線は更に低い電気抵抗が得られるため、好ましい。例えば、ガラス基板上に、マグネシウム銀合金(AgMg)を膜厚10nmとなるように形成したものと、その上に銀(Ag)を膜厚15nmになるように形成した2点の金属膜を作製した。低抵抗率計(三菱化学社製 MCP-T610)を用いて、それらの表面抵抗率を計測したところ、AgMg膜の表面抵抗率が44.1Ω/□であったのに対して、AgMg膜/Ag膜の積層の表面抵抗率は2.7Ω/□であった。AgMg単層膜と比べて、AgMg/Ag積層膜の抵抗率が1/20倍程小さいことから、有機半導体素子の回路における配線抵抗も1桁以上小さくなり、消費電力ロスを大幅に改善できることを示している。
図1(a)及び図1(b)に示されている有機パターニング層15の成膜方法は、特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着装置を用いた真空蒸着法や電子ビーム蒸着法により形成される。また、スピンコート法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等のウェットプロセス等によっても形成できる。これらの中でも、生産プロセスの観点から真空蒸着法がより好ましい。また、有機パターニング層15の膜厚は、10nm~300nm程が好ましく、10nm~100nm程度がより好ましい。
本発明の有機パターニング層が金属蒸気を弾く性質を有するためには、有機化合物から形成した有機膜において、1μLの純水に対する静的接触角が85°以上であることが好ましい。また、有機膜を形成する有機化合物はガラス転移温度が100℃以下であることが好ましい。これは金属膜の蒸着に発生する輻射熱によって分子運動性が活発化することができ、より金属蒸気を弾くことができるためである。さらに、真空蒸着法で安定した成膜するためには、有機膜を形成する有機化合物は分子量1000以下の低分子化合物が好ましい。
本発明の有機パターニング層の材料として使用できる有機化合物は、分子式が炭素原子と水素原子を構成元素として含み、酸素原子、窒素原子、フッ素原子、ケイ素原子、塩素原子、臭素原子、ホウ素原子、ヨウ素原子を含んでもよく、置換基を有してもよい化合物である。分子安定性の観点から含窒素複素環を有する化合物が好ましい。
さらに本発明の有機パターニング層の材料として使用できる有機化合物は、前記式(1)又は(2)で表される含窒素複素環を少なくとも一つ含む化合物がより好ましい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子5ないし10のシクロアルキル基」又は「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」又は「炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソへキシル基、ネオへキシル基、n-ヘプチル基、イソへプチル基、ネオへプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、ネオオクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2-ブテニル基等を挙げることができ、これらの基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」又は「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基若しくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、セレノニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基のような基を挙げることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」又は「置換基を有していてもよい炭素原子数3ないし9の直鎖状若しくは分岐状のトリアルキルシリル基」における「炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数3ないし9の直鎖状若しくは分岐状のトリアルキルシリル基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1-アダマンチルオキシ基、2-アダマンチルオキシ基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等を挙げることができ、これらの基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」又は「置換基を有していてもよい炭素原子数3ないし12の直鎖状若しくは分岐状のトリアルキルシリル基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のR~R19で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」又は「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものを挙げることができ、とりうる態様も、同様のものを挙げることができる。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換若しくは無置換の芳香族複素環基」又は「置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基」における、「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」又は「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、セレノニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、及びカルボリニル基等を挙げることができ、これらの基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」又は「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基若しくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、セレノニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基のような基を挙げることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(1)及び(2)中のR~R19で表される「置換若しくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基等を挙げることができ、これらの基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。また、これらの基は置換基を有していてよく、置換基として、前記式(1)中のR~R19で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」又は「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものを挙げることができ、とりうる態様も、同様のものを挙げることができる。
前記式(1)中のXとしては、熱安定性の観点から、単結合が特に好ましい。
前記式(1)中のR~Rとしては、水素原子、フッ素原子又はトリメチルシリル基が好ましく、合成上の観点から、水素原子がより好ましい。
前記式(1)中のR~R12としては、メチル基又はフェニル基が好ましく、合成上の観点から、メチル基がより好ましい。
前記式(1)中のR13としては、メチル基又はフェニル基が好ましく、分子の熱安定性の観点から、フェニル基が好ましい。
前記式(2)中のR14~R19としては、水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、合成上の観点から、水素原子がより好ましい。
本発明の有機パターニング層に好適に用いられる、前記式(1)又は(2)で表される窒素含複素環を少なくとも一つ含む化合物としては、以下の式(3)で表される化合物が例示できる。
Figure 2022014903000004
式(3)中、X、R~R、及びR14~R19は、式(1)又は式(2)中で規定されるものと同様である。nおよびmはそれぞれ0以上の整数を表す。ただし、n+mは1以上である。n+mの上限値は特に限定されないが、例えば5以下であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。Aは、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルカン、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルケン、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素、置換若しくは無置換の芳香族複素環、又は置換若しくは無置換の縮合多環芳香族から誘導される基、或いは-SiR1112-O-SiR1112-を表す。R11およびR12は、式(1)又は式(2)中で規定されるものと同様であり、複数のR11およびR12は、それぞれ同一でも異なってもよい。
式(3)のAが誘導される「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルカン」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルケン」、「置換若しくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換若しくは無置換の芳香族複素環」、又は「置換若しくは無置換の縮合多環芳香族」における「炭素原子数5ないし10のシクロアルカン」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルケン」、「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」、又は「縮合多環芳香族」としては、具体的に、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、インデン、ピレン、ペリレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、フラン、ピロール、チオフェン、セレノン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフチリジン、フェナントロリン、アクリジン、及びカルボリン等を挙げることができ、これらの基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
式(3)のAが誘導される「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルカン」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルケン」、「置換芳香族炭化水素」、「置換芳香族複素環」、又は「置換縮合多環芳香族」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基若しくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、セレノニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;炭素数1~10のアルキルシリル基;炭素数1~10のアルコキシシリル基のような基を挙げることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基(特にフッ素原子等のハロゲン原子)が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
本発明の有機パターニング層に好適に用いられる、前記式(1)又は(2)で表される窒素含複素環を少なくとも一つ含む化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2022014903000005
Figure 2022014903000006
Figure 2022014903000007
Figure 2022014903000008
Figure 2022014903000009
Figure 2022014903000010
Figure 2022014903000011
本発明においては、表面エネルギーの観点から、上記化合物(1-4)又は化合物(1-9)が特に好ましい。
前記式(1)又は(2)で表される含窒素複素環を少なくとも一つ含む化合物は、それ自体公知の方法に準じて合成することができる(例えば特許文献3)。
前記式(1)及び(2)で表される含窒素複素環を少なくとも一つ含む化合物の精製はカラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土等による吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法、昇華精製法などによって行える。化合物の同定は、NMR分析によって行える。重要な物性値として、ガラス転移点(Tg)及び接触角が挙げられる。ガラス転移点(Tg)は薄膜状態における熱に対する分子運動の指標となり、接触角は薄膜の表面エネルギーの指標となる。また、金属膜厚測定は金属蒸気を弾いた割合の指標となるものである。
本発明の有機半導体素子に用いられる化合物は、カラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土等による吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法などによって精製を行った後、最後に昇華精製法によって精製されたものを用いることが好ましい。
ガラス転移点(Tg)は、粉体を用いて高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100S)によって測定することができる。
接触角は、シリコン基板の上に50nmの有機薄膜を作製して、温度23℃、湿度50%の条件で1μLの純水に対する静的接触角を接触角測定装置(協和界面科学株式会社製、PCA-1)によって測定することができる。
化合物の分子量はH-NMR(CDCl)でのNMR分析によって化合物の構造を同定した後、算定する。
膜厚の測定は触針式膜厚測定器 (KLA-Tencor社製、Alpha-step)を用いて、金属膜の膜厚を計測し、有機パターニング層が金属蒸気を弾いた割合を算出した。
本発明の金属パターニング方法では、透明又は半透明電極の透光部が、表面エネルギーが小さい有機パターニング層とする有機薄膜を有するため、金属蒸気を弾くことができ、配線部に電気抵抗率の低い金属を選択的に成膜することが可能となる。
本発明の金属パターニング方法の1つの利点は、マスクレスで金属をパターニングできることである。マスクを用いた従来のパターニングにおける、金属蒸着の際に発生する輻射熱と、金属蒸気の付着による、マスクのたわみの懸念がなくなり、有機半導体素子の品質と生産性が向上できる。
本発明の金属パターニング方法のもう1つの利点は、本方法は従来の半導体工程ラインと互換可能ということである。そのため、生産工程において複雑化の問題が生じることがない。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<9,9’―(1,4-フェニレン)ビス-9H-カルバゾール(化合物1-1)の合成>
窒素置換した反応容器に、p-ジブロモビフェニル6.01g、カルバゾール9.38g、ヨウ化銅499mg、1,10-フェナントロリン479mg、炭酸カリウム8.85g、及びドデシルベンゼン10mLを加え、加熱し、175℃で16時間攪拌した。放冷し、トルエン20mLを加えてろ過を行った。ろ別した固体からトルエン150mLを用いて、有機物を溶出させた後、有機層を合わせ、シリカ15g及び活性白土15gを加えて、撹拌した。ろ過により無機物を除去し、濃縮し、析出した固体をメタノール100mLで洗浄した。固体をろ過により集めることで、9,9’―(1,4-フェニレン)ビス-9H-カルバゾールの白色粉体9.0g(収率86%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の20個の水素のシグナルを検出した。δ(ppm)=8.18(4H)、7.81(4H)、7.57(4H)、7.48(4H)、7.34(4H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-1)であり、その分子量は408.49であると推算した。
Figure 2022014903000012
(実施例2)
<3,5‐ビス(カルバゾール-9-イル)-1-トリフルオロメチルベンゼン(化合物1-4)の合成>
窒素置換した反応容器に、3,5‐ジブロモベンゾトリフルオリド5.07g、カルバゾール6.15g、銅粉108mg、1,10-フェナントロリン304mg、炭酸カリウム5.77g、及びドデシルベンゼン10mLを加え、加熱し、190℃で7時間攪拌した。放冷し、トルエン20mLを加えてろ過を行った。ろ別した固体にクロロホルム60mLを加え、撹拌した後、ろ過を行い、無機物を除去した。有機層を合わせたところに、シリカ9gを加えて、撹拌した。ろ過によりシリカを除去し、濃縮し、析出した固体をメタノール100mLで洗浄した。得られた固体をトルエン20mLに溶解し、そこへメタノール60mLを添加し、析出した固体を集めることで、3,5‐ビス(カルバゾール-9-イル)-1-トリフルオロメチルベンゼンの白色粉体4.5g(収率57%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の19個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.17(4H)、8.05(1H)、7.98(2H)、7.54(4H)、7.47(4H)、7.36(4H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-4)であり、その分子量は476.49であると推算した。
Figure 2022014903000013
(実施例3)
<α,α'-ビス(カルバゾール-9-イル)-m-キシレン(化合物1-5)の合成>
窒素置換した反応容器に、α,α'-ジクロロ-m-キシレン4.38g、カルバゾール8.48g、ナトリウム tert-ブトキシド5.85g、及びテトラヒドロフラン100mLを加え、加熱し、還流下、4時間攪拌した。放冷し、水100mLを加えて、ろ過を行った。得られた固体を反応容器に移し、メタノール100mL及びテトラヒドロフラン20mLを加え、還流させた後、放冷し、ろ過を行った。得られた白色粉をトルエン50mLに加熱溶解後、放冷し、メタノール50mLを加え析出した固体を集めることでα,α'-ビス(カルバゾール-9-イル)-m-キシレンの白色粉体9.1g(収率83%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の24個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.13(4H)、7.40(4H)、7.28-7.24(8H)、7.11(1H)、7.01(1H)、6.94(2H)、5.40(4H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-5)であり、その分子量は436.54であると推算した。
Figure 2022014903000014
(実施例4)
<9-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル-9H-カルバゾール(化合物1-8)の合成>
窒素置換した反応容器に、1-ブロモ-3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)ベンゼン10.0g、カルバゾール 5.0g、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、1,10-フェナントロリン0.5g、炭酸カリウム5.2g、及びドデシルベンゼン15mlを加え、190℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、1,10-フェナントロリン0.5g、及び炭酸カリウム5.2gを加え、さらに190℃で4時間攪拌した。100℃まで冷却し、トルエン100mlを加え、100℃で30分間撹拌した。熱時濾過を行い、得られたろ液を乾固させた。得られた固体をエタノール50mlで洗浄し、50℃で15h減圧乾燥を行うことで、9-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル-9H-カルバゾールの白色粉体11.5g(収率99.4%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の24個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.41(1H)、8.18(3H)、8.93(1H)、7.83(2H)、7.80(2H)、7.65-7.43(12H)、7.31(3H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-8)であり、その分子量は484.59であると推算した。
Figure 2022014903000015
(実施例5)
<3,5‐ビス(カルバゾール-9-イル)-1-へキシルベンゼン(化合1-9)の合成>
窒素置換した反応容器に、3,5‐ジブロモ-1-へキシルベンゼン7.00g、カルバゾール8.08g、銅粉141mg、1,10-フェナントロリン394mg、炭酸カリウム7.64g、及びドデシルベンゼン20mLを加え、加熱し、200℃16時間攪拌した。放冷し、トルエン20mLを加えてろ過を行った。濃縮後、トルエン100mL、シリカ12g、及び活性白土13gを加え、80℃で30分撹拌した。ろ過により無機物を除去した後、濃縮し、粗生成物をシリカゲルを用いたクロマトグラフィ-(溶離液 :ヘキサン/トルエン)により精製する事で、目的の3,5‐ビス(カルバゾール-9-イル)-1-へキシルベンゼンの白色粉体8.18g(収率76%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の32個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.15(4H)、7.63(1H)、7.55-7.51(6H)、7.42(4H)、7.30(4H)、2.83(2H)、1.76(2H)、1.50-1.30(6H)、0.92(3H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-9)であり、その分子量は492.65であると推算した。
Figure 2022014903000016
(実施例6)
<1,4-ジへキシル―2,5-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(化合物1-11)の合成>
窒素置換した反応容器に、1,4-ジブロモ―2,5-ジヘキシルベンゼン5.12g、カルバゾール4.47g、銅粉82.2mg、1,10-フェナントロリン241mg、炭酸カリウム4.41g、及びドデシルベンゼン14mLを加え、加熱し、190℃で42時間攪拌した。放冷し、トルエン20mLを加えてろ過を行った。ろ別した固体にクロロホルム100mLを加え、撹拌した後、ろ過により無機物を除去し、有機層を合わせ、濃縮した。得られた粗生成物にトルエン100mL、シリカ12g、及び活性白土12gを加えて、撹拌した。ろ過により無機物を除去し、濃縮た。析出した固体にヘキサン30mLを加え、撹拌し、ろ過により得られた固体を集めることで、1,4-ジへキシル―2,5-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼンの茶白色粉体3.0g(収率41%)を得た。
得られた茶白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の44個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.20(4H)、7.48-7.45(6H)、7.33(4H)、7.20(4H)、2.35(4H)、1.30(4H)、1.01-0.90(12H)、0.68(6H)。
したがって、得られた上記茶白色粉体は化合物(1-11)であり、その分子量は576.81であると推算した。
Figure 2022014903000017
(実施例7)
<9-(2-ビフェニル)-9H-カルバゾール(化合物1-29)の合成>
カルバゾール5.7gと、2-ブロモビフェニル8.0g、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.5g、1,10-フェナントロリン0.6g、炭酸カリウム7.1g、及びドデシルベンゼン20mlを、窒素置換した反応容器に加えて加熱し、190℃で8.5時間攪拌した。室温まで冷却後、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、1,10-フェナントロリン0.5g、及び炭酸カリウム3.5gを加え、さらに190℃で9時間攪拌した。室温まで冷却後、2-ブロモビフェニル0.8g、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、1,10-フェナントロリン0.5g、及び炭酸カリウム3.5gを加え、さらに190℃で9時間攪拌した。室温まで冷却後、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、1,10-フェナントロリン0.5g、炭酸カリウム3.5gを加え、さらに190℃で4時間攪拌した。100℃まで冷却し、トルエン100mlを加え、100℃で30分間撹拌した。熱時濾過を行い、得られたろ液を乾固させた。得られた固体を、トルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。2つ目のフラクションを回収し、得られた固体をトルエン/ヘキサン=2:3(v/v)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーでさらに精製した。3つ目のフラクションを回収し、得られた固体をヘキサン10mlで洗浄し、50℃で15h減圧乾燥を行うことで、(9-(2-ビフェニル)-9H-カルバゾールの白色粉体3.2g(収率28.4%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の17個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.03(2H)、7.67(1H)、7.60(1H)、7.54(1H)、7.49(1H)、7.27(2H)、7.18(2H)、7.07(2H)、7.04-6.96(5H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-29)であり、その分子量は319.40であると推算した。
Figure 2022014903000018
(実施例8)
<9-(3-ビフェニル)-9H-カルバゾール(化合物1-30)の合成>
カルバゾール5.7g、3-ブロモビフェニル8.0g、銅粉0.2g、亜硫酸水素ナトリウム0.5g、1,10-フェナントロリン0.6g、炭酸カリウム7.1g、及びドデシルベンゼン20mlを、窒素置換した反応容器に加えて加熱し、190℃で6時間攪拌した。100℃まで冷却し、トルエン100mlを加え、100℃で30分間撹拌した。熱時濾過を行い、得られたろ液を乾固させた。得られた固体をヘキサン50mlで洗浄し、60℃で6h減圧乾燥を行うことで、9-(3-ビフェニル)-9H-カルバゾールの白色粉体11.0g(収率100%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の17個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.14(2H)、7.79(1H)、7.68-7.62(4H)、7.53(1H)、7.48-7.36(7H)、7.29(2H)。
したがって、得られた上記白色粉体は化合物(1-30)であり、その分子量は319.40であると推算した。
Figure 2022014903000019
(実施例9)
<5,7-ジヒドロ―7,7-ジメチル-5-フェニル-インデノ[2,1-b]カルバゾール(化合物1-32)の合成>
窒素置換した反応容器に、5,7-ジヒドロ―7,7-ジメチル-インデノ[2,1-b]カルバゾール4.95g、カルバゾール4.47g、ヨードベンゼン7.20g、ヨウ化銅352mg、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸445mg、炭酸カリウム3.94g、及びドデシルベンゼン10mLを加え、加熱し、175℃で6時間攪拌した。放冷し、トルエン20mLを加えてろ過を行った。ろ過により無機物を除去した後、濃縮し、黄色液体を得た。ここへメタノール50mLを加え、析出した固体を集めることで、5,7-ジヒドロ―7,7-ジメチル-5-フェニル-インデノ[2,1-b]カルバゾールの黄色粉体5.36g(収率85%)を得た。
得られた黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の21個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.44(1H)、8.19(1H)、7.85(1H)、7.66-7.59(4H)、7.50(1H)、7.42(1H)、7.38-7.35(4H)、7.31-7.23(2H)、1.51(6H)。
したがって、得られた上記黄色粉体は化合物(1-32)であり、その分子量は359.46であると推算した。
Figure 2022014903000020
(実施例10)
<3,5‐ビス(インドール-1-イル)-ベンゼン(化合物2-1)の合成>
窒素置換した反応容器に、1,3-ジフルオロベンゼン4.04g、インドール9.12g、ナトリウム-t-ブトキシド8.62g、及びDMF110mLを加え、加熱し、95℃~110℃で30時間攪拌した。放冷し、水200mLを加えてろ過を行った。得られた固体にクロロホルム200mL、硫酸マグネシウム、及びシリカ10を添加し、撹拌後、ろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮液にヘキサンを加え、析出した固体をろ過により集めた。得られた橙色粉にメタノール100mLを添加し、還流下撹拌した。ろ過を行い固体を集めることで、目的の3,5‐ビス(インドール-1-イル)-ベンゼンのベージュ色粉体5.59g(収率51%)を得た。
得られたベージュ色粉体についてNMRを使用して構造を同定し、分子量を推定した。
H-NMR(CDCl)で以下の16個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=7.70(2H)、7.67-7.62(4H)、7.51(2H)、7.39(2H)、7.26(2H)、7.20(2H)、6.72(2H)。
したがって、得られた上記ベージュ色粉体は化合物(2-1)であり、その分子量は308.38であると推算した。
Figure 2022014903000021
(実施例11)
<ガラス転移点(Tg)の測定>
実施例1~10で合成した化合物、比較化合物1(Alq3)及び比較化合物2(NPB)について、高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100SA)によってガラス転移点を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2022014903000022
Figure 2022014903000023
Figure 2022014903000024
実施例1~10で合成した化合物は100℃以下のガラス転移点を有しており、分子の熱運動性が高いことが分かる。
(実施例12)
<接触角の測定>
シリコン基板上に、実施例2の化合物(1-4)、実施例4の化合物(1-8)、実施例5の化合物(1-9)、実施例7の化合物(1-29)、実施例8の化合物(1-30)、実施例9の化合物(1-32)、実施例10の化合物(2-1)、比較化合物1(Alq3)及び比較化合物2(NPB)を厚さ50nmになるよう蒸着し、有機薄膜を作製した。接触角測定装置(協和界面科学株式会社製、PCA-1)を用いて、温度23℃、湿度50%の恒温、恒湿環境下で、接触角計の注射針の先端から有機薄膜表面に純水を1μLの水滴として滴下し、試料表面上に形成された水滴を、側面から観察して接触角を計測した。測定は有機薄膜表面の数箇所で行い、平均値を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2022014903000025
実施例2、4、5、7~10で合成した化合物は85°以上の接触角を有しており、比較化合物であるAlq3及びNPBと比べて、表面エネルギーが低いことが分かる。
(実施例13)
<金属膜厚の測定―有機パターニング層による金属蒸気を弾いた割合の評価>
ガラス基板温度を25℃と設定し、ガラス基板上に、実施例2の化合物(1-4)、実施例5の化合物(1-9)、実施例10の化合物(2-1)、比較化合物1(Alq3)及び比較化合物(NPB)を厚さ50nmになるよう蒸着し、有機パターニング層とする有機層を作製した。その有機層の上に、有機層がないガラス基板上でAgの膜厚が15nmになる条件でAgを蒸着し、有機層/Ag層の積層膜を作製した。また比較のため、有機層がないガラス基板上に同じ条件でAgを蒸着し、Ag層の単膜を作製した。触針式膜厚測定器 (KLA-Tencor社製、Alpha-step)を用いて、Ag層の膜厚を計測し、有機層がAg蒸気を弾いた割合を下記のように算出した。結果を表3に示す。
Ag蒸気を弾いた割合(%)=(15-計測したAg膜厚(nm))/15×100
Figure 2022014903000026
実施例で合成した化合物は、比較化合物及び有機層がないサンプルに比べて、Agを弾いた割合が51.3%~70.0%と高く、特に化合物(1-4)がAg蒸気を効果的に弾いていることが分かる。この結果は、実施例で合成した化合物が、ガラス転移温度が100℃以下と低く、かつ接触角が85°以上と低い表面エネルギーであることに起因している。また非特許文献4では基板温度を24℃から40℃にすることで、低ガラス転移温度の化合物から形成される有機薄膜が金属蒸気を完全弾く結果が得られている。したがって、本実施例における基板温度25℃を40℃以上に設定する場合に、本発明の化合物を用いた有機薄膜でAg蒸気を完全に弾くことが可能となる。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2020年7月7日出願の日本特許出願2020-116851に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の有機パターニング層を用いた本発明の金属パターニング方法は、例えば有機光検出器(OPD)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)又は有機EL素子のような有機半導体系デバイス又は回路を製造する工程で有利に用いることができる。本発明の方法は、例えば有機ELディスプレイの製造工程で用いることができ、従来の配線よりも配線抵抗を低くでき、輝度ムラなどの応答性の向上に用いることができる。例えば、本発明の方法は、有機CMOSセンサの製造工程で用いることができ、電気ノイズの低減に用いることもできる。

Claims (6)

  1. 有機半導体素子における透明電極の外側に配置する有機パターニング層であり、前記有機パターニング層を構成する有機化合物が以下の特性を有することを特徴とする有機パターニング層。
    a.製膜した際の1μLの純水に対する静的接触角(温湿度:23℃、50%)が85°以上であり、
    b.ガラス転移温度(Tg)が100℃以下であり、
    c.分子量が1000以下である。
  2. 前記有機化合物は、下記式(1)又は下記式(2)で表される含窒素複素環を少なくとも一つ含む化合物である、請求項1に記載の有機パターニング層。
    Figure 2022014903000027

    Figure 2022014903000028

    (式(1)または式(2)中、Xは単結合、S、O、Si、CR10、SiR1112、またはNR13であり、R~R19は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし8の直鎖状若しくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3ないし9の直鎖状若しくは分岐状のトリアルキルシリル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換の縮合多環芳香族基又は置換若しくは無置換のアリールオキシ基を表し、R~R19は、互いに独立して存在するか、または隣り合う基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して結合して環を形成していてもよく、式(1)または式(2)中の破線部は結合部位を表す。)
  3. 前記式 (1)中のXが単結合である、請求項2記載の有機パターニング層。
  4. 前記請求項1~3記載のいずれかの有機パターニング層を有機半導体素子における透明電極の外側に配し、非透光部の配線エリアに選択的に金属膜を形成することを特徴とする、金属パターニング方法。
  5. 真空蒸着法を用いて前記有機パターニング層を形成する、請求項4記載の金属パターニング方法。
  6. 前記金属膜を形成する金属がAg、Al、Cu、Au、Ni、Co、Fe、Mg、Mo、Nb、Pd、Ptのうちの一種の金属あるいは複数種からなる合金である、請求項4または請求項5に記載の金属パターニング方法。
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