JP2022014878A - 製造仕様決定支援装置、製造仕様決定支援方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

製造仕様決定支援装置、製造仕様決定支援方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるような生産を実現する製造仕様の迅速な決定に用いて好適な技術を提案する。【解決手段】各工程の製造実績データを収集する実績収集部と、製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶部と、製造中の所定工程後に、実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理部と、探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、製造仕様決定支援装置、製造仕様決定支援方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるような生産を実現する製造仕様の迅速な決定に用いて好適な技術に関する。
一般に、製造工場において製品を製造する場合には、様々な製造仕様を事前に決定しておく必要ある。特に、複数工程での処理を経て生産される製品に対しては、数多くの製造仕様の決定が必要であることが多い。
たとえば、船舶や海洋構造物、橋梁、建築物、タンク、建産機、ラインパイプなどの各構造物に使用される鋼材では、該構造物の設計に合わせ、たとえば、大型化を目指し、厚肉化や高強度化、高靭性化した金属材料が適用される。一方、鋼材使用重量の低減を目的として、高強度化や薄肉化した長尺材が適用されるなど、様々な用途によって必要な特性が望まれる。このような鋼材を鉄鋼製造工場において製造する場合には、強度や靭性などの機械的性質に加え溶接性に優れていることが共通して求められ、さらに低コスト化されることが望まれる。低コスト化には様々な方法があるが、合金量の低減やランニングコストの低減、疵手入れなどを含む工程の省略などが挙げられる。いずれのコスト削減方法においても少なくとも製鋼工程から厚板工程まで、場合によっては製銑工程や熱処理工程、パイプ製造においては造管工程などが総合的に影響しあっているため、単一のラインで評価をすることが難しく、一貫して評価する必要がある。
ここで、特許文献1では、過去に製造された製品の製造条件とその製造の結果情報とを対応付け、これらの情報を複数記憶する実績データベースと、製造条件を比較し、複数の比較結果からなる類似度を算出する類似度算出手段と、予測対象の製造条件に対応した製造点を基準とする予測式を作成し、製造条件を予測式に入力して得られた結果を出力し製品の品質設計を補助する品質設計支援手段を提案している。また、材料設計を自動的に実施することも提案されている。
また、特許文献2には、非金属材料の設計にかかる作業負荷を軽減するため、予測モデルおよび最適化計算を用いて材料設計を行う手法が提案されている。
特開2008-112288号公報 国際公開第98/06550号
しかしながら、上記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1に記載されている従来技術は、鋼が精錬されるときの成分値と加熱、圧延、冷却の条件を取得し、目的変数として強度と靭性を指定していた。しかしながら、前述の影響のみであると、鋳造工程より前の製造条件の影響や、目的変数では強度と靭性以外の試験や、疵などの不良品が発生する影響が考慮されておらず、総合的な材料設計および製造設計ができなかった。
また特許文献2に記載の方法では、非鉄金属の製造方法と大きく異なり、たとえば、厚鋼板の製造では多くの工程があるため、最適化に対する時間が膨大となり、現実的な方法とは言えなかった。また、入力項目と出力項目には大きな乖離があり、厚鋼板の製造への適応が難しかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるような生産を実現する製造仕様決定支援装置、製造仕様決定支援方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提案することにある。
上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明にかかる製造仕様決定支援装置は、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援装置であって、各工程の製造実績データを収集する実績収集部と、製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶部と、製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理部と、探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力部と、を有するものである。
また、本発明にかかる製造仕様決定支援方法は、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援方法であって、各工程の製造実績データを収集する実績収集ステップと、製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶ステップと、製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた前記予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理ステップと、探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力ステップとからなるものである。
なお、本発明にコンピュータプログラムは、上記製造仕様決定支援方法を実施するために用いる、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援するコンピュータプログラムであって、各工程の製造実績データを収集する実績収集処理と、製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶処理と、製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた前記予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理と、探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力処理と、をコンピュータに実行させるものである。
また、本発明にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、各工程より収集した製造実績データおよび評価指標実績データから、各工程の製造仕様と評価指標の値との関係を表す予測モデルを作成し、この予測モデルを用いて、所定工程後の製造仕様を評価指標が所望の値となるように迅速に決定できるようになる。
また、前記製品が厚鋼板または厚鋼板を用いた鋼管であり、前記評価指標が材料特性であり、前記探索処理部は、材料特性が所望の値に漸近するように製造仕様を探索することが好ましい態様である。かかる厚鋼板の製造中の製銑工程、精錬工程、鋳造工程、加熱工程、圧延工程、冷却工程、再加熱工程および精整工程の2つ以上の工程の製造実績データ、さらには厚鋼板を用いた鋼管の製造にあたっては造管工程、造管後精整工程を含めた2つ以上の工程の製造実績データを取得し、製造仕様および試験・検査工程で得られる評価指標としての材料特性を結びつけた予測モデルと取得した2つ以上の工程の製造実績データとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる製造仕様を探索するように構成することで、厚鋼板や鋼管の製造条件を総合的に評価しながら、製造仕様の決定にかかる時間的負荷を低減可能である。
また、前記製品が厚鋼板または厚鋼板を用いた鋼管であり、前記評価指標が製造コストまたは不良発生率であり、前記探索処理部は、コストが低減するように製造仕様を探索することが好ましい態様である。厚鋼板の製造中の製銑工程、精錬工程、鋳造工程、加熱工程、圧延工程、冷却工程、再加熱工程および精整工程の2つ以上の工程の製造実績データ、さらにはパイプ材の製造にあたっては造管工程、造管後精整工程を含めた2つ以上の工程の製造実績データを取得し、製造仕様ならびに製造コスト、試験・検査工程で得られる材料特性および不良発生率を前記評価指標として予測モデルと結びつけ、取得した2つ以上の工程の製造実績データに基づき逆解析を行い、コストが最小になるように前記所定工程後にかかる製造仕様を探索するように構成することで、厚鋼板や鋼管の製造条件を総合的に評価しながら、製造仕様の決定にかかる時間的負荷を低減可能である。
さらに、前記製造実績データは、精錬工程および鋳造工程のうち少なくともいずれか一方を含む2つ以上の工程の製造実績データであって、成分組成調整の製造実績データを含むことにより、より効率的に製造仕様を決定できるので好ましい。
また、前記予測モデルが、前記製造仕様と前記材料特性の実績データとに基づき学習された深層学習モデルおよび統計学習モデルの少なくとも一方を含む機械学習モデルであると、より精度高く製造仕様を決定できるので好ましい。
本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置を含むシステムの全体概要を示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置のブロック図である。 上記実施形態における予測モデル作成処理のフロー図である。 上記実施形態における予測モデルの処理フロー図の一例である。 上記実施形態における製造仕様の最適化処理を示すフロー図の一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態として、厚鋼板または厚鋼板を用いた鋼管の製造にかかる製造仕様決定支援装置を含むシステム(以下、「本システム」という。)の全体概要を示す模式図である。図1に示すように本実施形態にかかるシステムは、製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、再加熱工程S7、精整工程S8、造管工程S9および造管後精整工程S10のうち2つ以上の工程を管理するプロセスコンピュータまたは分散制御システム(DCS)と、製造仕様決定支援装置とを含む。厚鋼板の製造工程において、まず原料の鉄鉱石は、石灰石およびコークスとともに高炉に装入され、溶融状態の銑鉄が生成される(製銑工程S1)。高炉から出銑された銑鉄に対して転炉精錬により炭素等の成分調整が行われ、二次精錬により溶鋼に最終的な成分調整が施される(精錬工程S2)。鋳造機では、精錬された溶鋼を鋳造して鋳片(スラブ)と呼ばれる中間素材を製造する(鋳造工程S3)。その後、加熱炉における加熱工程によりスラブを加熱(加熱工程S4)し、圧延機による圧延工程S5、加速冷却装置による冷却工程S6、場合によっては再加熱工程S7を経て、製品厚鋼板が製造される。製造された厚鋼板は材料試験や疵検査、所定寸法への鋸断、疵手入れなどを行ったのち出荷される(精整工程S8)。厚鋼板を用いた鋼管(パイプ材)では前述の工程ののち、プレス機によって湾曲させ、円管形状になるように最終的に溶接され製品となる(造管工程S9)。造管後は厚鋼板の精整工程と同様に材料試験や疵検査、所定寸法への鋸断、疵手入れなどを行ったのち出荷される(造管後精整工程S10)。各工程の製造仕様は、プロセスコンピュータまたは分散制御システムによって管理され、各工程の製造実績データが収集される。
概略として、本システムにかかる製造仕様決定支援装置10は、厚鋼板または鋼管の製造中において各工程の製造仕様の最適化を行う。製造仕様の最適化の対象には、製銑工程において使用する原料の種類や配合比、精錬工程(転炉や二次精錬装置)における成分組成の調整、鋳造工程(連続鋳造機や造塊機、分塊装置)におけるスラブ寸法や溶鋼温度、鋳造速度、二次冷却の調整、湯面変動、パウダー成分、加熱工程(加熱炉)における鋳造後スラブ装入までの経過時間もしくは装入時温度やスラブ加熱温度、スラブ在炉時間、スラブ抽出温度の調整、スラブ配置、加熱ガス流量、加熱ガス成分、圧延工程(圧延機)における製品寸法や圧延条件、温度条件の調整、デスケーリング条件、冷却工程(加速冷却装置)における冷却調整、再加熱工程(加熱装置)による再加熱条件や加熱前後温度および昇温速度、精整工程における材料試験項目や試験片採取位置、試験結果、疵発生位置、疵種類(形状)、疵の深さなどの程度、形状寸法、造管工程(造管機)におけるプレス条件や溶接条件、および、造管後精整工程における材料試験項目や試験片採取位置、試験結果、疵発生位置、疵種類(形状)、疵の深さなどの程度、形状寸法を含む。上記最適化の対象は各工程の製造実績データとして、取得し、蓄積される。一方、評価指標として、材料特性や不良発生率を、精整工程や造管後精整工程における材料試験項目や試験片採取位置、試験結果、疵発生位置、疵種類(形状)、疵の深さなどの程度、形状寸法から求め、予め定めた目標値と比較する。また、評価指標のひとつとして、原料コストを含む製造コストを取得する。
所定工程後に、製造仕様決定支援装置10は、確定した少なくとも2つ以上の工程の製造実績データと、予測モデルとに基づき逆解析を行い、冷却後の製品厚鋼板の精整工程S8、もしくは造管工程後の造管後精整工程S10で評価する複数の材料特性の推定値を導出する。そして、製造仕様決定支援装置10は、かかる推定値が要求される材料特性(所望の値もしくは条件へ)と漸近するように、必要な制御量をフィードフォワードもしくはフィードバック演算し、製銑工程S1や精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、再加熱工程S7、造管工程S9に指示値を与える。ここでいうフィードフォワードとはたとえば製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5まで進んだ鋼板に対して、それまでの工程の実績を基に要求される材料特性へ漸近させるように、その先の工程にあたる冷却工程S6以降の単数もしくは複数の工程に対して指示値を与えることを指す。また、フィードバックとは既に製造が完了した鋼板の製造条件および材料特性を基に予測モデルを作製または更新し、次回の製造の際に要求される材料特性となるように製造条件を変化させることを指す。つまり本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置10は、厚鋼板の製造中の所定工程後に、確定した少なくとも2つ以上の工程の製造実績データを取得し、かかる2つ以上の製造実績データと予測モデルとに基づき逆解析を行い、評価指標としての材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、もしくは評価指標としてのかかるコストが低減されるように所定工程後にかかる製造仕様を最適化するものである。たとえば、当該所定工程は、精錬工程S2であってもよく、少なくとも2つ以上の工程の製造実績データは、精錬工程S2による成分組成調整の実績データと冷却工程S6であってもよい。また、たとえば、評価指標は、所望の厚鋼板規格を満たすように降伏応力や引張応力TS、伸びEl、靱性値、表面硬度、断面硬度、水素脆化特性評価値、疲労特性評価値、疵発生量、製造コストおよび寸法精度の群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。なお、所定工程が厚鋼板製造の最終工程となる精整工程S8や鋼管製造の最終工程となる造管後精整工程S10の場合には、その後の工程とは、同一規格の製品を製造する次回の各工程の製造仕様として決定することとする。
図2に、本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置10のブロック図を示す。製造仕様決定支援装置10は、図1の実施形態の場合、たとえば、厚鋼板の材料特性推定処理を行うことにより各工程の製造仕様を最適化する。製造仕様決定支援装置10は、装置本体200、入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600を含む。装置本体200は、入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600とバス205を介して通信することで必要な情報の送受信を行い、情報処理を行う。なお、図2では、装置本体200と入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600とは、バス205を介した有線により接続されているが接続の態様はこれに限られず、無線により接続されていてもよく、あるいは有線と無線とを組み合わせた接続態様であってもよい。装置本体200の詳細な各構成については後述する。
入力部300は、たとえば、キーボードやペンタブレット、タッチパッド、マウス等、本システムの管理者の操作を検出可能な任意の入力インターフェースを含む。入力部300は、装置本体200への各種処理の指示にかかる操作を受け付ける。
記憶部400は、たとえば、ハードディスクドライブや半導体ドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、磁気テープ等であり、本システムにおいて必要な情報を記憶する装置である。たとえば、記憶部400は、過去に製造した厚鋼板にかかる製造仕様の実績値(以下、「製造仕様実績」という。)を記憶する。また、記憶部400は、製造仕様実績に対応する冷却後の厚鋼板や造管後のパイプ材の材料特性を評価指標として、その実績値(以下、「材料特性実績」という。)を記憶する。材料特性実績は評価指標実績となる。
出力部500は、たとえば、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ等、任意のディスプレイを含む。出力部500は、出力データおよび信号に基づく画面を表示可能である。また、出力部500は、印字出力や印刷機、プロッターであってもよい。
通信部600は、製銑工程S1や精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、再加熱工程S7、精整工程S8、造管工程S9、造管後精整工程S10を制御するプロセスコンピュータや分散制御システム等から送信された各工程の製造実績データを受信し、装置本体200に送信することで実績収集部として機能する。また、通信部600は、装置本体200で処理された、最適化された製造仕様にかかるデータを製銑工程S1や精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、再加熱工程S7、精整工程S8、造管工程S9、造管後精整工程S10を制御するそれぞれの指令センターに送信する。なお、各工程の製造実績データは、データを取得するセンサ等から直接通信部600に送信されたものでもよい。
図2に示すように装置本体200は、演算処理部201と、ROM202と、RAM204とを備える。ROM202はプログラム203を記憶している。また、演算処理部201と、ROM202と、RAM204とは、バス205によりそれぞれ接続されている。
演算処理部201は、たとえば、汎用プロセッサや特定の処理に特化した専用プロセッサ等、1つ以上のプロセッサを含む。演算処理部201は、ROM202からプログラム203を読み込んで、一時記憶部であるRAM204を用いて特定の機能を実現する。演算処理部201は、装置本体200全体の動作を制御する。
演算処理部201は、第1情報読取部206と、前処理部207と、予測モデル作成部208と、結果保存部209と、第2情報読取部210と、特性推定部211と、最適化処理部212と、表示・伝達部213とを備える。演算処理部201は、入力部300の操作に基づき予測モデル作成処理の指示を受けた場合は、第1情報読取部206と、前処理部207と、予測モデル作成部208と、結果保存部209とを機能させて、予測モデルを作成する。また、演算処理部201は、入力部300の操作に基づき製造仕様の最適化処理の指示を受けた場合は、第2情報読取部210と、特性推定部211と、最適化処理部212と、表示・伝達部213とを機能させて、製造仕様の最適化処理を実行する。ここで、最適化処理部は最適化処理により解を探索する探索処理部とも称することとする。
次に上記実施形態に係る製造仕様決定支援装置10によって実行される情報処理について説明する。本システムでは厚鋼板の製造仕様を最適化するために、まず、厚鋼板の製造仕様および材料特性を結びつける予測モデルを作成する。ここで、本実施形態では記憶部400に記憶されている、過去に製造された厚鋼板についての製造実績と材料特性実績に基づき予測モデルとして、局所回帰やサポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等の統計手法および機械学習モデルを作成するものとする。演算処理部201は、入力部300の操作に基づき予測モデル作成処理の指示を受けた場合、図3に示すフローチャートに係る処理を実行する。
予測モデル作成指示を受けた場合、演算処理部201の第1情報読取部206は、製造仕様実績を記憶部400から読み込む。また、第1情報読取部206は、読み込んだ製造仕様実績に対応する材料特性実績を記憶部400から読み込む。具体的には第1情報読取部206は、圧延材のID(識別情報)に基づき、対象の厚鋼板にかかる各種情報を特定する(ステップS201)。
次に、前処理部207は、ステップS201で読み込んだ製造仕様実績および材料特性実績を、予測モデル作成部208で用いる評価用データに加工する(ステップS202)。具体的には前処理部207は、製造仕様実績を正規化すると共に欠損データおよび異常データのノイズ除去を行い、評価用データとする。たとえば、下記数式1のように、各データを各々の項目の平均値で引き、分散で割って正規化する。さらにたとえば、これから製造しようとする製品と同一鋼種および同一寸法の少なくとも一方のものを抽出する。そして、抽出されたものの中から、製造仕様実績あるいは、材料特性実績のデータに欠損や異常値が入っているものを除外し、対象製品についての製造仕様と材料特性との関係をモデル化する上での評価用データとする。ここで、数式1中のYは正規化後の値、xは採取した各データの値、xaveはその平均値、σは分散である。
Figure 2022014878000002
続いて、予測モデル作成部208は、予測モデルを作成する。具体的には予測モデル作成部208は、局所回帰やサポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等の統計手法および機械学習モデルのうち複数もしくは単数のモデルを用い最も精度の良い組み合わせもしくは最も精度の良いモデルを選択し、加えて、ニューラルネットワークなどのハイパーパラメータの調整が必要なものは最適化し、学習を行う(ステップS203)。
図4に、本システムにおける予測モデルの処理フロー図を示す。本実施の形態に係る予測モデルは、入力側から順番に、入力層ILと、モデルMと、出力層OLとを含む。
入力層ILには、評価用データとして正規化された製造仕様実績が格納される。格納される製造仕様実績の説明変数は厚鋼板の材料特性に関わる変数が選択されることが望ましいが、その数および材料特性との相関の高さは任意である。
出力層OLは数理モデルもしくは機械学習モデルによって、最終的な材料特性の推定値、疵発生確率として出力される。かかる処理により出力された推定値と、実測値である材料特性実績とに基づき、モデルMの選択や最適化が徐々に行われる。予測モデル作成部208は、ステップS202で作成した評価用データをモデルに入力して、評価用データに対する推定結果を得る。
続いて、結果保存部209は、学習用データ、評価用データ、数理もしくは機械学習モデルの種類およびモデル内のパラメータ、ならびに学習用データおよび評価用データに対するモデルの出力結果を、記憶部400に記憶させる。また、結果保存部209は、学習用データ、評価用データ、数理もしくは機械学習モデルの種類およびモデル内のパラメータ、ならびに学習用データおよび評価用データに対するモデルの出力結果を出力部500に伝達し、出力部500により表示させる(ステップS204)。出力部500は、たとえば、推定結果を表形式により出力する。
演算処理部201は、入力部300の操作に基づき製造仕様の最適化処理の指示を受けた場合、製造仕様の最適化処理を実行する。なお演算処理部201が最適化処理を行うためのトリガーは入力部300の操作に限られない。たとえば、確定した少なくとも2つ以上の工程の製造実績データを通信部600が受信したことをトリガーに、最適化処理を行ってもよい。図5は、製造仕様の最適化処理を示すフローチャートである。
はじめに、第2情報読取部210は、推定の対象となる厚鋼板について、最適化処理前に予め定めた製造仕様、および製造仕様の固定値として用いる確定した少なくとも2つ以上の工程の製造実績データを読み取る(ステップS601)。なお、推定対象の鋼板についての予め定めた製造仕様、確定した製造実績データは、記憶部400に蓄積させておき、ここから読み取りを行う。また、第2情報読取部210は、記憶部400に記憶されている当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた予測モデルに係る各種データを取得する。
次に特性推定部211は、ステップS601で読み取った製造仕様、推定対象の鋼板についての確定した少なくとも1つ以上の工程の製造実績データ、製造実績データを取得できない工程については、予め定めた製造仕様、および予測モデルを用いて逆解析を実施し、製造仕様の最適化を行う。具体的には特性推定部211は、当該厚鋼板に係る圧延後の材料特性を推定する(ステップS602)。
続いて、最適化処理部212は、予測モデルにより推定された当該厚鋼板に係る圧延後の材料特性もしくはコストが所定の範囲になるようにする。
まず、材料特性に対する最適化については下記数式2で最適化する。数式2において、xはベクトルとして表わされる設計条件、kは特性の種類、f(x)は特性の予測値、αは予め設定される重み係数である。評価関数における特性の予測値の関数f(x)は、予測モデル作成部208によって構築された予測モデルに基づく。Fは、制約条件を満たす設計条件xの集合である。したがって、制約条件を満たす範囲内で、最適な設計条件を探索することになる。L、Uはそれぞれ特性値の下限値および上限値である。最適化処理部212は、メタヒューリスティクスや遺伝的アルゴリズム、数理計画法、群知能等を用いた方法により、このような最適化問題を解く。ここで、設計条件xのうち、製造実績データとして取得されている条件は、変更できないので実績データを固定値として与えておく。
Figure 2022014878000003
最適化処理部212は、数式2における評価関数を最大化する問題として最適な設計条件を探索するが、問題の設定方法はこれに限定されない。最適化処理部212は、たとえば、重み係数αの符号をマイナスにして、数式2における評価関数の絶対値を最小化する問題として最適な設計条件を探索してもよい。たとえば、最大化が望ましい特性は、降伏強度、引張強度および靭性を含む。たとえば、最小化が望ましい特性は、降伏比を含む。
最適化処理部212は、数式2で得られた設計条件xを最適解として算出するが、これに限定されない。最適化処理部212は、計算時間に所定の条件を定めて、対応する時間内で得られる最も優れた解として設計条件xを算出してもよい。
製造仕様決定支援装置10は、所望の特性に対応する最適な設計条件が数式2に示すような制約条件を満たすことで、仮に製造コストの観点から鉄鋼材料への添加物の量および製造設備の能力に限界があるような場合であっても、逆解析により得られた設計条件を有効に利用できる。製造仕様決定支援装置10は、制約条件を定めることで、闇雲に探索するのではなく、制約条件の範囲内で効率よく探索できる。
数式2では、評価関数は各特性の最大値または最小値の荷重和として表わされているが、数式2の内容はこれに限定されない。数式2は、各特性kの目標値refに基づいて、以下の数式3により置き換えられてもよい。
Figure 2022014878000004
数式3により、最適化処理部212は、各特性kの目標値refに近いほど評価が高い設計条件を探索することも可能となる。
次にコストの最適化については下記数式4で最適化する。数式4において、xはベクトルとして表わされる設計条件、kは材料特性試験の種類、fPk(x)は材料特性の規格上下限を外れたときに発生する不良品発生率予測値、dは予め設定される重み係数であり、不良が発生したときの損失を表す。不良品発生率予測値の関数fPk(x)は、実績部に保管されている材料特性の実績値と予測モデルによって予測されたf(x)との差から計算されたばらつきの予測値から計算される。fPn(x)はへげやすり疵などの表面欠陥、ザクやポロシティ残存などの内部欠陥、反りや曲がりから出る形状不良および板厚不足などの寸法不良などのそれぞれの発生確率を指す。eは予め設定される重み係数であり、不良が発生したときの材料をスクラップにしたときの損失、または、不良を正常に戻すための費用を表す。cは入力値側のコストであり、たとえば、添加元素にかかる原料コストや加熱炉の均熱時間によって変化する操業コストを指す。Fは制約条件を満たす設計条件xの集合である。したがって、最適化処理部212は、制約条件を満たす範囲内で、最適な設計条件を探索することになる。L、Uはそれぞれ材料特性値の下限値および上限値である。最適化処理部212は、メタヒューリスティクスや遺伝的アルゴリズム、数理計画法、群知能等を用いた方法により、このような最適化問題を解く。数式4における評価関数の絶対値を最小化する問題として最適な設計条件を探索する。これまでの手法は厚鋼板製造仕様を検討段階に行ってもよいし、たとえば、確定した少なくとも2つ以上の工程の製造実績データを用いて逆解析を再度実施し最適化することで、当初の製造仕様を再調整した、より適切な製造仕様が得られることになる。
Figure 2022014878000005
このように総合的にコストを含む製造仕様を判断するためには、1つの工程だけでは判断ができず、複数の工程のコストを評価し、さらに、複数の工程の各々もしくは複数の製造条件が最終的な特性もしくは疵を含む不良品発生確率へ影響するものを含めて判断する必要がある。
最適化処理部212では、推定値と所望の値との差の絶対値がある一定の閾値以内あるいは、ある一定の収束回数に達したかどうかを比較する(ステップ603)。否定される(N)場合には、ステップ601に戻り、繰り返す。肯定される(Y)場合は、ステップS603を抜け、最適化された製造仕様が出力部500により表示される(ステップS604)。最適化された製造仕様は通信部600を介して製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、再加熱工程S7および精整工程S8のうち、さらに、パイプ材では、造管工程S9や造管後精整工程S10を加えて、上記の所定工程後の各工程に対して伝送が行われる。そして最適化された製造仕様により、厚鋼板やパイプ材が製造される。
特にパイプ材の工程は長く、一方で、製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6、造管工程S9のすべてが造管後精整工程S10で明らかになる材料特性もしくは疵や寸法精度を含む不良品発生率へ影響する。より不良品発生率を低下させるためには、造管工程S9の前に製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6の実績を用いて、パイプ材の材料特性へ影響を与える造管前の材料(鋼材)の降伏応力、引張応力、伸び、降伏比などの材料特性を予測し、それらを中間変数とする。そして、製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、加熱工程S4、圧延工程S5、冷却工程S6の実績に加えて、造管後精整工程S10で明らかになる材料特性もしくは疵や寸法精度を予測し、造管工程S9の条件の最適化を行う。そうすることで、より精度の高い予測および最適化が可能となり、結果的に不良品発生率の低下や製造コストの低減が図れる。また、上記では、造管工程S9前の材料特性を中間変数の例として挙げたが、造管工程S9前の金属組織の予測など、他の変数を用いても構わない。また中間変数の導出にはフェーズフィールドや第一原理計算、熱力学予測手法などを用いて、造管工程S9前の材料特性を導出してもよいし、機械学習手法や統計学手法を用いて、導出してもよい。
これらの造管工程S9前の材料特性や金属組織の予測では造管工程S9を通過する鋼管製品の途中、造管工程S9前に試験片を採取し、材料特性を評価してもよいし、造管工程S9を通過しない、鋼管製品以外のデータを収集、学習、解析をすることによって、予測してもよい。
なお、上記の実施形態においては、前処理部207と予測モデル作成部208が推定対象についての予測モデルを作成するようにしているが、本発明はこれに限定されない。予測モデルは予め作成しておき、これを記憶部400に入力しておくようにしてもよい。
(実施例1)
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明する。
図1に示すシステムにて、造船向け厚鋼板を製造するにあたり、材料特性にかかる製造仕様の最適化を実施した。対象とする厚鋼板の製品板厚は6~50mmとした。まず、事前学習として、学習用データに対して、ニューラルネットワークモデルによる学習を実施し、製造仕様実績と材料特性実績とを結びつけた。
製造仕様実績として、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度および冷却停止温度を考慮し、条件No.1ではこれらに加え、鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度を考慮し、条件No.2では鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度を考慮しなかった。材料特性実績として、冷却後厚鋼板の幅中央部から採取した試験片を用いて、NK船級の規格に準拠した引張試験を実施した。その際、試験片は板幅方向が引張方向と一致するように採取した。引張試験では、引張応力(TS[MPa])、全伸び(El[%])および0℃または-20℃を試験温度とするシャルピー試験で靭性[J]を求め、学習に供した。学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計2110のサンプルを用いた。引張応力、全伸びおよび靭性にかかるそれぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索し設定した。条件No.3では条件No.1に示す鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度を考慮した条件でニューラルネットワークを用いずに重回帰法や散布図で人力により解析した。
表1に各材料特性の予測精度を2乗平均平方根誤差(RMSE:root mean squared error)で示す。引張応力TSのRMSEは大きく変化していないが、全伸びElおよび靭性は、鋳造時の溶鋼温度や鋳造速度を考慮した条件No.1が、考慮しなかった条件No.2よりRMSEが小さく、予測精度が向上している結果が得られた。条件No.3では重回帰法や散布図を用いて人力で解析した結果、いずれの材料特性に対しても精度が低く、また、条件No.1およびNo.2に関しては10分以内に解析が終了したのに対して、条件No.3では1日以上の時間を要し、ニューラルネットワークなどの機械学習手法を適用することで解析時間を短縮できることを確認した。
Figure 2022014878000006
(実施例2)
図1に示すシステムにて、過去1年分の製造実績を基に、或る1か月間で製造された厚鋼板の製造における製造仕様のコスト面での最適化を実施した。まず、事前学習として、学習用データに対して、ニューラルネットワークモデルによる学習を実施し、製造仕様実績と材料特性ほかの実績とを結びつけた。
製造仕様実績として、原料品種、高炉ガス送風量、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、溶鋼温度、鋳造速度、二次冷却条件、湯面情報、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉昇温速度、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、スラブ配置、加熱ガス流量、加熱ガス成分、製品寸法(厚、幅および長さ)、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度、デスケーリング条件および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度および冷却停止温度を考慮し、再加熱する場合は再加熱前温度および再加熱後温度を考慮し、造管工程に進む場合は、造管条件および溶接条件を考慮した。
各々の鋼板に応じて必要な材料試験や疵検査を精整工程で実施し、パイプ材の場合は造管後精整工程で必要な材料試験や疵検査を実施する。その実績を用い、前述のとおり、1年間分の学習を行った。それぞれの材料特性予測や材料特性バラつき予測、疵発生確率にかかるそれぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索され設定された。
条件No.4の逆解析は、数式3を用い、コストを評価関数に入れず、材料特性値のみ目標を規格上下限の中間になるように最適化した。条件No.5の逆解析は、数式4を評価関数として取り扱い、コストを低減するよう操業条件最適化を行った。
表2に上記条件No.4および5を基に操業条件を逆解析し、反映した値を用いて1か月間操業した結果を示す。また、全材料の材料特性試験不合格率、全材料の裏直行率(全生産量から手入れをせずに出荷できた量を引いた数字)および造船材に対し数式3を適用したときのコストを1として、数式4を適用したときのコストを併せて記す。全材料の材料特性試験不合格率、全材料の裏直行率およびコストいずれも条件No.4より条件No.5のほうが優れていることがわかる。コストを考慮した数式4の適用によってより効果が得られることを確認した。
Figure 2022014878000007
(実施例3)
図1に示すシステムにて、板厚40mm超え100mm以下の鋼管を製造するにあたり、材料特性にかかる製造仕様の最適化を実施した。
はじめに、板厚40mm超え100mm以下の鋼管製品の被加工材となる、板製品形状の製品(厚鋼板)の製造仕様実績として、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度、鋳造時冷却条件、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度および冷却停止温度、を考慮し、中間変数として造管工程S9前の材料特性を予測するモデルを構築した。厚鋼板の長手先端部もしくは尾端部の(1/4)幅部、(1/4)厚み位置から採取した試験片を用いて、引張試験を実施し、降伏応力、引張応力、全伸び、降伏比を測定した。学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計3220のサンプルを用いた。降伏応力、引張応力、全伸びにかかるそれぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索し設定し、モデルを構築した。
次に、板厚40mm超え100mm以下の鋼管製品の製造仕様実績として、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度、鋳造時冷却条件、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度および冷却停止温度、プレス圧下量、プレス圧下位置、矯正圧下量、溶接時入熱、拡管圧力とさらに、鋼管製品の被加工材となる板状の鋼板で予測した降伏応力、引張応力、全伸び、降伏比を用いて、造管工程S9後の材料特性を予測するモデルを構築した。製品鋼管の長手先端部もしくは尾端部の1/4幅部相当位置、1/4厚み位置から採取した試験片を用いて、引張試験を実施し、降伏応力、引張応力、全伸び、降伏比を測定し、さらに真円度を加えて測定したデータを用いて、学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計1300のサンプルを用いた。降伏応力、引張応力、全伸び、降伏比、真円度にかかるそれぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索し設定し、モデルを構築した。
造管工程S9前の段階ですでに判明している製造実績を固定値とし、まずは、中間変数である造管工程S9前の降伏応力、引張応力、全伸び、降伏比を予測、これらの値を用いて、数式2に基づいて、それぞれの特性が目標に漸近するように、真円度は真円に漸近するように、プレス圧下量、プレス圧下位置、矯正圧下量、溶接時入熱、拡管圧力を予測し、例えば、プレス圧下量が設備可動域を超えないなどの制約条件を設けたうえで、最適造管工程S9の製造条件を求めて、適用した。
本システムを適用する前は、年間平均4.1%の材料試験および真円度不合格率があったのに対し、本システム適用後は不合格率が1.8%まで改善した。
(実施例4)
図1に示すシステムにて、40mm超え100mm以下のJIS材(SN490)の厚鋼板を製造するにあたり、材料特性にかかる製造仕様の最適化を実施した。まず、事前学習として、学習用データに対して、ニューラルネットワークモデルによる学習を実施し、製造仕様実績と材料特性実績とを結びつけた。
製造仕様実績として、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度、鋳造時冷却条件、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度および冷却停止温度を考慮した。材料特性実績として、製品厚鋼板の長手先端部もしくは尾端部の1/4幅部、1/4厚み位置から採取した試験片を用いて、JIS G 3136建築構造用圧延鋼材に準拠した引張試験、衝撃試験および超音波探傷試験(JIS G 0901)を実施した。学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計2130のサンプルを用いた。降伏応力、引張応力、全伸、靭性、超音波試験結果(Y等級か否か)にかかるそれぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索し設定した。
解析を行った結果、超音波探傷試験はスラブ寸法、圧延寸法、鋳造時の溶鋼温度、鋳造速度、鋳造時冷却条件、スラブ加熱炉抽出温度、制御圧延の圧下率の影響が大きいことが分かった。一方で、超音波探傷試験結果への影響が大きかった項目のうち、スラブ加熱炉抽出温度、制御圧延の圧下率は降伏応力、引張応力、全伸び、靭性へ与える影響も大きいことが分かった。
そこで、連続鋳造において、スラブサイズの鋳片への切断前に、一度、図1に示すシステムに基づき解析を実施する。このとき、鋳造条件は実績値を用い、そのほかの加熱条件や圧延条件は設定値を用いて、切断前鋳片の長手方向に解析を実施し、事前に超音波探傷試験による合否推測を実施する。推測した超音波探傷試験による合格位置より、最終製品が歩留まり高く採取可能な連続鋳造後の鋳片の切断位置を選択し、必要に応じて、推測した超音波探傷による不合格位置を余長として含む形で切断する。推測した超音波探傷による不合格位置は圧延板から製品板へ切断する際に除去することで、超音波探傷不合格と予測された位置を除いた製品板を製造することができる。また、推測した超音波探傷による不合格鋳造位置を余長として鋳片に付与することが難しい場合、圧延寸法を薄い厚鋼板に変更したり、製品規格を超音波探傷が不要な規格の製品に振り替えて充当したりすることで不良品を出さずに、コストの合理化を図ることができた。
本システムを適用する前は、年間平均3%の超音波探傷による不合格率があったのに対し、本システム適用後は超音波探傷による不合格を年間通じて出さないことに成功し、コストを合理化することができた。
本発明を図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易である。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれる。たとえば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段およびステップ等を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
さらに、本発明は、上述した製造仕様決定支援装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムまたはプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得る。本発明の範囲には、これらも包含される。加えて、本実施の形態に係る製造仕様決定支援装置10において予測モデルを作成する例を示したが、これらを他の情報処理装置により実現してもよい。この場合、かかる情報処理装置が予測モデルを作成するために必要な製造仕様実績と評価指標実績を集約し、予測モデルを作成する。また、情報処理装置が作成した予測モデルを製造仕様決定支援装置10に伝送するものであってもよい。
本発明は、複数工程での処理を経て生産される製品の製造仕様決定に用いて最も有効なものであるが、単一工程での処理を経て生産される製品の製造仕様決定にも適用可能であることは勿論である。上記実施の形態では、厚鋼板および鋼管の製造について説明したが、厚鋼板や鋼管以外の鉄鋼製品、その他の金属製品についても、本発明が適用可能であることは勿論であり、また、複数の製造仕様を同時に決定する場合にも適用可能であることも言うまでもない。
本発明は、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標に関して最適な生産を実現する製造仕様を迅速に決定するのを支援する技術にかかるものであり、複数の工程を経て製造される各種金属製品に適用して好適である。
10 製造仕様決定支援装置
200 装置本体
201 演算処理部
202 ROM
203 プログラム
204 RAM
205 バス
206 第1情報読取部
207 前処理部
208 予測モデル作成部
209 結果保存部
210 第2情報読取部
211 特性推定部
212 最適化処理部(探索処理部)
213 表示・伝達部
300 入力部
400 記憶部
500 出力部
600 通信部

Claims (9)

  1. 複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援装置であって、
    各工程の製造実績データを収集する実績収集部と、
    製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶部と、
    製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理部と、
    探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力部と、
    を有する製造仕様決定支援装置。
  2. 前記製品が厚鋼板または厚鋼板を用いた鋼管であり、前記評価指標が材料特性であり、
    前記探索処理部は、材料特性が所望の値に漸近するように製造仕様を探索することを特徴とする請求項1に記載の製造仕様決定支援装置。
  3. 前記製品が厚鋼板または厚鋼板を用いた鋼管であり、前記評価指標が、製造コストまたは不良発生率であり、
    前記探索処理部は、コストが低減するように製造仕様を探索することを特徴とする請求項1に記載の製造仕様決定支援装置。
  4. 前記製造実績データは、精錬工程および鋳造工程のうち少なくともいずれか一方を含む2つ以上の工程の製造実績データであって、
    成分組成調整の製造実績データを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の製造仕様決定支援装置。
  5. 前記製品が厚鋼板を用いた鋼管であって、評価指標に鋼管製造後の項目を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の製造仕様決定支援装置。
  6. 前記予測モデルは、前記製造仕様実績と前記評価指標実績とに基づき学習された深層学習モデルおよび統計学習モデルのいずれか一方を含む機械学習モデルであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の製造仕様決定支援装置。
  7. 複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援方法であって、
    各工程の製造実績データを収集する実績収集ステップと、
    製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶ステップと、
    製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた前記予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理ステップと、
    探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力ステップとからなる製造仕様決定支援方法。
  8. 請求項7に記載の製造仕様決定支援方法を実施するために用いる、複数の工程での処理を経て生産される製品の、複数の評価指標が所定の範囲になるように生産を行うための、製造仕様の決定を支援するコンピュータプログラムであって、
    各工程の製造実績データを収集する実績収集処理と、
    製造仕様実績および評価指標実績を格納する記憶処理と、
    製造中の所定工程後に、前記実績収集部で収集した製造実績データのうち、確定した少なくとも2つ以上の製造実績データを製造仕様の固定値として用いて、当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた前記予測モデルに基づき逆解析を行い、評価指標の推定値が所望の値に漸近するように前記所定工程後にかかる工程の製造仕様を探索する探索処理と、
    探索された製造仕様の表示および出力の少なくとも一方を行う出力処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
  9. 請求項8に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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