JP2018151575A - 製造システム及び組立体の製造方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】部品を加工する際の加工パラメータを統計的に制御することで、製品規格を満たす光学製品を効率良く製造する。【解決手段】製造システム100は、複数の部品の加工パラメータと、複数の部品に関する特性の統計情報と、複数の部品が組み立てられてなる組立体に関する特性の統計情報と、の関係を表すモデルを構築するモデル構築部52、及び組立体に関する特性が予め定められた基準を満たすように、モデルに基づいて加工パラメータを決定する加工パラメータ決定部53を備える。ここで、複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は光学素子である。構築されたモデルに基づいて加工パラメータを決定し、決定された加工パラメータに従って複数の部品を加工し、加工された複数の部品より組立体を組み立てることにより、統計的に特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。【選択図】図1
Description
本発明は、製造システム及び組立体の製造方法並びにプログラムに関する。
光学製品、例えば特許文献1に記載されているようなカメラ用光学系は、複数のレンズ素子及びこれらを固定するホルダを含んで構成される。そのような多くの部品から構成される光学製品の特性は個々の部品の特性に敏感であるため、例えば、複数のレンズ素子のそれぞれの規格が製造公差(単に公差とも呼ぶ)内に収められていても、複数のレンズ素子を組み合わせてなる組立体(総組品と呼ぶ)の収差等の性能が製品規格(単に規格とも呼ぶ)を満たさないことがある。
特許文献1 特開2016−75900号公報
特許文献1 特開2016−75900号公報
本発明の第1の態様においては、複数の部品の加工パラメータと、複数の部品に関する特性の統計情報と、複数の部品が組み立てられてなる組立体に関する特性の統計情報と、の関係を表すモデルを構築するモデル構築部と、組立体に関する特性が予め定められた基準を満たすように、モデルに基づいて加工パラメータを決定する加工パラメータ決定部と、を備え、複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は光学素子である、製造システムが提供される。
本発明の第2の態様においては、第1の態様の光学製品の製造システムを用いて組立体を組み立てる工程を含む、組立体の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様においては、複数の部品の加工パラメータと、複数の部品に関する特性の統計情報と、複数の部品が組み立てられてなる組立体に関する特性の統計情報と、の関係を表すモデルを構築する段階と、組立体に関する特性が予め定められた基準を満たすように、モデルに基づいて加工パラメータを決定する段階と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る光学製品の製造システム100の構成を示す。光学製品は、複数種類の部品から構成される製品であり、複数種類の部品のうちの少なくとも1つの部品は光学素子である。本実施形態では一例として複数のレンズ素子及びこれらを保持するホルダから構成されるカメラ用光学系とする。製造システム100は、加工パラメータを制御して部品の特性のばらつきを公差内でシフトすることで、統計的に特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することができる。製造システム100は、加工装置群10、部品測定器群20、組立装置群30、総組測定器群40、及び制御装置50を備える。なお、これらの装置群及び装置は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
加工装置群10は、加工パラメータに従って光学製品を構成する複数の部品をそれぞれ加工する複数の加工装置を含み、本実施形態では一例としてレンズ加工装置11及びホルダ加工装置12を含む。
レンズ加工装置11は、複数のレンズ素子を加工する装置である。レンズ加工装置11は、例えば、レンズ素材を金型内に挿入し、加熱し、押圧することでレンズ素子を成形し、さらに表面を研磨することでレンズ素子を加工する。レンズ加工装置11を制御するための加工パラメータには、例えば、金型の摩耗の程度、加熱温度、押圧力、研磨時間等が含まれる。レンズ素子が満たすべき特性には、例えば、波面収差が含まれる。なお、レンズ加工装置11は、複数のレンズ素子又は異なる種類のレンズ素子をそれぞれ加工する複数の加工装置を含んでもよい。また、加工パラメータ及び満たすべき特性は、複数のレンズ素子毎に定めてよい。
ホルダ加工装置12は、ホルダを加工する装置である。ホルダ加工装置12は、例えば、ホルダ素材を金型内に圧入することでホルダを成形し、加工歯によりレンズ素子を固定するための溝等を内側に形成することでホルダを加工する。ホルダ加工装置12が従う加工パラメータには、例えば、加工歯の摩耗の程度、レンズ素子の固定位置等が含まれる。ホルダが満たすべき特性には、例えば、内径寸法が含まれる。
部品測定器群20は、光学製品を構成する複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する特性を測定する測定器を含み、本実施形態では一例としてレンズ測定器21及びホルダ測定器22を含む。
レンズ測定器21は、レンズ加工装置11により加工パラメータに従って加工されたレンズ素子の特性、例えば波面収差を測定する。レンズ測定器21は、波面収差を、レンズ加工装置11により加工されたレンズ素子の全数について測定してもよいし、全数のうちの幾つかについてのみ測定してもよい。その測定結果は、レンズ素子(又は単位数量のレンズ素子)のシリアル番号と対応付けて記憶装置(不図示)内に記憶され、制御装置50により収集される。
ホルダ測定器22は、ホルダ加工装置12により加工パラメータに従って加工されたホルダの特性、例えば内径寸法を測定する。ホルダ測定器22は、内径寸法を、ホルダ加工装置12により加工されたホルダの全数について測定してもよいし、全数のうちの幾つかについてのみ測定してもよい。その測定結果は、ホルダ(又は単位数量のホルダ)のシリアル番号と対応付けて記憶装置(不図示)内に記憶され、制御装置50により収集される。
組立装置群30は、組立パラメータに従って組立体(以下では、総組品とも呼ぶ)を組み立てる装置及び組立を調整する装置を含み、本実施形態では一例として組立装置31及び調整装置32を含む。
組立装置31は、複数の部品を用いて総組品を組み立てる装置である。組立装置31は、例えば、レンズ加工装置11により加工された複数のレンズ素子をホルダ加工装置12により加工されたホルダ内にそれぞれの固定位置で保持することで総組品を組み立てる。組立装置31が従う組立パラメータには、例えば、ホルダ内での複数のレンズ素子の相対位置及び相対姿勢が含まれる。総組品が満たすべき特性(すなわち、光学製品が満たすべき製品規格)には、例えば、光学系の伝達関数(MTF)、フォーカス、波面収差等が含まれる。なお、本明細書における「部品」とは、総組品を組み立てるための部組品も含む概念である。
調整装置32は、総組品に組み込まれた複数の部品の組み立てを調整する装置である。調整装置32は、組立装置31により組み立てられた総組品について、例えば、ホルダ内に保持された複数のレンズ素子のうちの一部のレンズ素子の固定位置をシフトする又は姿勢を変更することで、複数のレンズ素子の相対位置及び相対姿勢を調整する。
総組測定器群40は、総組品に関する特性を測定する測定器を含み、本実施形態では一例として総組測定器41及び品質検査器42を含む。
総組測定器41は、組立装置31により複数の部品から組み立てられた総組品に関する特性、例えばMTF、フォーカス、及び波面収差を測定する。総組測定器41は、これらの特性を、組立装置31により組み立てられた総組品の全数について測定する。なお、全数に限らず、特性の統計を評価できる程度の数の総組品に対して特性を測定することとしてもよい。その測定結果は、個々の総組品のシリアル番号と対応付けて記憶装置(不図示)内に記憶され、制御装置50により収集される。
品質検査器42は、組立装置31により組み立てられた総組品又は調整装置32により組立を調整された総組品、すなわち最終製品に関する特性を測定する。最終製品の特性として、例えば、上述の総組品に関する特性(MTF、フォーカス、及び波面収差)が含まれる。品質検査器42は、これらの特性を総組品の全数について測定する。なお、総組測定器41により測定される総組品に関する特性が品質検査器42により測定される最終製品に関する特性と同じである場合、品質検査器42を総組測定器41として兼用してもよい。
制御装置50は、製造システム100を構成する装置及び測定器を制御する装置である。制御装置50は、データ収集部51、モデル構築部52、加工パラメータ決定部53、及び組立パラメータ決定部54を含む。制御装置50は、コンピュータ、マイクロコントローラ等を含む情報処理装置に、例えば不揮発性メモリ等の記憶装置或いはCD−ROM等の記録媒体に記憶された制御用プログラムを実行させることによって各機能部を発現し、制御装置として機能する。
データ収集部51は、部品測定器群20(すなわち、レンズ測定器21及びホルダ測定器22)から部品に関する特性の測定結果を収集し、総組測定器群40、特に総組測定器41から総組品に関する特性の測定結果を収集し、品質検査器42から最終製品に関する特性の測定結果を収集するユニットである。データ収集部51は、例えば1日、1週間、1カ月等の一定期間置きにその期間内に各測定器において得られた測定結果を収集する。収集された測定結果は、加工パラメータ決定部53及び組立パラメータ決定部54に送信される。
モデル構築部52は、複数の部品の加工パラメータ、加工装置群10により加工パラメータに従って加工される複数の部品に関する特性の統計情報、及び組立装置群30により複数の部品より組み立てられる総組品に関する特性の統計情報の関係を表すモデルを構築するユニットである。ここで、統計情報は、例えば統計データから得られる統計分布であり、特に本実施形態では特性の測定結果より得られる特性に対する確率密度分布を意味する。先述のとおり、多数の光学製品の特性及びこれに組み込まれる多数の部品の特性を個々に管理することは多くの工数を要するため現実的ではない。それに対して、光学製品の特性を統計的に管理するのが現実的であり、光学製品の特性に対する統計分布はこれを構成する複数の部品のそれぞれの特性の統計分布の組み合わせにより決まる。そこで、本実施形態では、加工パラメータ、複数の部品の特性、及び総組品の特性の統計的関係を表すモデルを構築し、これを用いて総組品の特性を統計的に制御する。モデルは、例えば、第1モデル及び第2モデルの2つのモデルから構成することができる。
第1モデルは、複数の部品に関する加工パラメータと加工装置群10により加工パラメータに従って加工される複数の部品に関する特性の統計分布との関係を表す。ここで、統計分布は例えば正規分布の場合、平均及び分散よりその全体的な振る舞いを表現できることから、第1モデルにより、加工パラメータと特性の統計分布との関係として加工パラメータと特性の統計分布の平均及び分散との関係を表してよい。また、第1モデルとして、例えば、線形モデル、カーネルモデル、ニューラルネットワークモデル、物理モデル等の数理モデルを採用してよい。第1モデルにより、加工パラメータに対して得られるレンズ素子及びホルダのそれぞれに関する特性の統計分布を予測することができる。
なお、複数の部品に関する特性のうち、総組品に関する特性に支配的に寄与する特性は一部のみであることもある。従って、第1モデルは、複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する加工パラメータとこの加工パラメータに従って加工される少なくとも1つの部品に関する特性の統計分布との関係を表すこととしてもよい。また、第1モデルは、複数の部品のうちの2以上の部品のそれぞれに関する加工パラメータとこの加工パラメータに従って加工される2以上の部品に関する特性の統計分布との関係をそれぞれ表す2以上の副モデルを含んでもよい。
第2モデルは、複数の部品に関する特性の統計分布と組立装置群30により複数の部品より組み立てられる総組品に関する特性の統計分布との関係を表す。ここで、統計分布は例えば正規分布の場合、平均及び分散よりその全体的な振る舞いを表現できることから、第2モデルにより、加工パラメータと特性の統計分布との関係として加工パラメータと特性の統計分布の平均及び分散との関係を表してよい。また、第2モデルとして、例えば、線形モデル、カーネルモデル、ニューラルネットワークモデル、物理モデル等の数理モデルを採用してよい。第2モデルにより、レンズ素子及びホルダのそれぞれに関する特性の統計分布に対して総組品に関する特性の統計分布を予測することができる。
なお、複数の部品に関する特性のうち、総組品に関する特性に支配的に寄与する特性は一部のみであることもある。従って、第2モデルは、複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する特性の統計分布と複数の部品より組み立てられる総組品に関する特性の統計分布との関係を表すこととしてもよい。また、最終製品の特性が製品規格を満たせばよいので、第2モデルは、複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)に関する特性の統計分布と総組品に組み込まれた複数の部品の組み立てを調整した後における総組品に関する特性の統計分布との関係を表すこととしてもよいし、さらに組立パラメータを含めた関係を表すこととしてもよい。
モデル構築部52は、モデルを機械学習により構築することができる。加工パラメータ、複数の部品に関する特性、及び総組品に関する特性の関係は、これを決める要因が極めて多いため、個々に突き止めるのは現実的でない。そこで、本実施形態では、機械学習を利用することとする。ここで、機械学習として、例えば、スパース学習法、カーネル学習法、深層学習等を使用することができる。また、機械学習の学習データとして、部品測定器群20及び総組測定器群40により実測されたデータ、複数の部品の加工と総組品の組立とを模擬した計算機シミュレーション又は実験のデータ等を使用することができる。また、最終製品の特性を最適化する目的より、総組測定器群40により実測されたデータとして、総組測定器41により測定される総組品に関する特性の測定結果に限らず品質検査器42により測定される最終製品の特性の測定結果を用いてもよい。
上述のように構成されるモデルに対して機械学習を適用することで、モデルを精密に構築することが可能となる。モデル構築部52は、例えば、研磨時間とこの研磨時間に従ってレンズ加工装置11により加工されるレンズ素子の波面収差のデータとを用いて、機械学習により、第1モデルを構築する。また、固定位置とこの固定位置に従ってホルダ加工装置12により加工されるホルダの内径寸法のデータとを用いて、機械学習により、別の第1モデルを構築する。また、レンズ加工装置11により加工されるレンズ素子の波面収差のデータ及びホルダ加工装置12により加工されるホルダの内径寸法のデータと、レンズ加工装置11により加工されるレンズ素子及びホルダ加工装置12により加工されるホルダより組み立てられる総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差のデータと、を用いて、機械学習により、第2モデルを構築する。
加工パラメータ決定部53は、モデル構築部52により構築されたモデルに基づいて、総組品に関する特性が予め定められた基準となる加工パラメータを決定するユニットである。ここで、予め定められた基準は、予め定められた統計情報に基づいて設けられる。総組品に関する特性が予め定められた基準となるとは、例えば、総組品に関する特性の測定結果より得られる統計分布が製品規格内に収まる(すなわち、分布する)ことであり、特に最も規格内に収まる(すなわち、分布する)ことで最終製品の不良を減らすことができる。
加工パラメータ決定部53は、総組測定器群40、特に総組測定器41から収集される総組品に関する特性の測定結果(品質検査器42から収集される最終製品の特性の測定結果でもよい)から総組品の特性の統計分布を算出し、算出された統計分布をモデルに適用することにより加工パラメータを決定する。ここで、特性の統計分布は、例えば正規分布の場合、特性に対する確率密度分布の平均値及び分散により代表することができる。加工装置群10は、決定された加工パラメータに基づいて複数の部品を加工し、組立装置群30が、加工された複数の部品を用いて総組品を組み立てることにより、統計的に特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
なお、総組品に関する特性の統計分布に限らず、さらに複数の部品に関する特性の統計分布を用いて加工パラメータを決定してもよい。加工パラメータ決定部53は、部品測定器群20(すなわち、レンズ測定器21及びホルダ測定器22)から収集される部品に関する特性の測定結果からその特性の統計分布を算出し、算出された統計分布を上で算出された総組品の特性の統計分布とともにモデルに適用することにより加工パラメータを決定する。それにより、統計的に総組品に関する特性を最適化する加工パラメータをより正確に決定することができる。
また、部品測定器群20が加工装置群10により加工された部品の全数のうちの一部についてのみ特性を測定する場合(所謂、抜き取り検査の場合)、加工パラメータ決定部53は一部の測定結果を用いて特性の統計分布を推定することとしてもよい。ここで、統計分布は、例えば、測定結果から、正規分布、カイ二乗分布等の分布関数に対し、分布パラメータを最尤推定することや、カーネル密度推定により分布を直接推定してもよい。複数の部材の適当な組み合わせから製品規格を満たす総組品を組み立てる場合には全数の部品について特性の測定を要するところ、本実施形態に係る製造システム100では複数の部品に関する特性の統計分布を制御することで製品規格を満たす総組品を組み立てることから、特性の統計分布が得られれば、好ましくはより精密な統計分布が得られれば、加工された部品の全数のうちの一部についてのみ特性を測定すれば足りることとなる。
また、部品測定器群20が加工装置群10により加工された部品の特性を測定しない場合など、測定結果が利用できない場合、加工パラメータ決定部53は、総組測定器群40、特に総組測定器41から収集される総組品に関する特性の測定結果(品質検査器42から収集される最終製品の特性の測定結果でもよい)から得られる統計分布を用いて複数の部品に関する特性の統計分布を推定することとしてもよい。ここで、複数の部品に関する特性の統計分布は、総組品に関する特性の統計分布から第2モデルを介して推定することができる。複数の部品に関する特性の統計分布を推定することで、少ない工数で加工パラメータを決定することができる。
加工装置群10が複数の部品を加工するための加工パラメータとして複数の加工パラメータを採用する場合、複数の加工パラメータに対する制約条件に従って少なくとも1つの加工パラメータを決定することとしてもよい。なお、その他の加工パラメータは、先に決定されたパラメータ値を維持する。制約条件は、例えば、加工パラメータの感度、加工パラメータの調整コスト、製造公差等のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む。
加工パラメータの感度の制約条件においては、加工パラメータ決定部53は、複数の加工パラメータのうち、それぞれの調整に対して複数の部品に関する特性の統計分布の変化の程度及び総組品に関する特性の統計分布の変化の程度のうちの少なくとも一方が大きいパラメータを優先して決定する。たとえば、複数の部品に関する特性のうち、レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法が総組品に関する特性(MTF、フォーカス、及び波面収差)に支配的に寄与する場合、レンズ素子の波面収差に関わる加工パラメータ及びホルダの内径寸法に関わる加工パラメータのみが決定される。さらに、これらの加工パラメータのうち、レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法に特に支配的に寄与するパラメータのみ、例えばレンズ素子の波面収差に対して研磨時間及びホルダの内径寸法に対して内径寸法のみが決定される。以上のように、少ない数の加工パラメータのみを調整することで、統計的に総組品に関する特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
加工パラメータの調整コストの制約条件においては、加工パラメータ決定部53は、複数の加工パラメータのうち、それぞれの調整に要するコストが小さいパラメータ、或いは総コストが小さくなるパラメータの組合せを優先して決定する。レンズ加工装置11が従う加工パラメータ、例えば金型の摩耗の程度、加熱温度、押圧力、及び研磨時間に対して、金型の摩耗を調整するには金型の交換を要することから、その他の加熱温度、押圧力、及び研磨時間が優先して決定される。また、ホルダ加工装置12が従う加工パラメータ、例えば加工歯の摩耗の程度及びレンズ素子の固定位置に対して、加工歯の摩耗を調整するには加工歯の交換を要することから、その他のレンズ素子の固定位置が優先して決定される。以上の手順により、低コストで、統計的に総組品に関する特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
なお、複数の加工パラメータのそれぞれの調整に要するコスト(又はコストに相当するファクターでもよい)は、予め、ユーザにより入力部(不図示)を介して設定することができる。
製造公差の制約条件においては、複数の部品に関する特性の統計分布がそれぞれ定められた公差内に収まることを条件とする。それにより、複数の加工パラメータに従ってそれぞれ独立に加工された複数の部品を用いて、統計的に総組品に関する特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
なお、制約条件は、その他の任意の条件をさらに含んでもよく、複数の条件をそれぞれ重みづけして組み合わせて使用してもよい。また、1つの加工パラメータの調整を他の加工パラメータ又は他の複数のパラメータの組み合わせの調整に代えてもよい。
加工パラメータ決定部53により決定された加工パラメータは、加工装置群10に送信されてレンズ加工装置11及びホルダ加工装置12において設定される。
組立パラメータ決定部54は、モデル構築部52により構築されたモデルに基づいて、総組品に関する特性が予め定められた基準となる組立パラメータを決定するユニットである。ここで、予め定められた基準は、予め定められた統計情報に基づいて設けられる。総組品に関する特性が予め定められた基準となるとは、例えば、総組品に関する特性の測定結果より得られる統計分布が製品規格内に収まることであり、特に最も規格内に収まることで最終製品の不良を減らすことができる。
組立パラメータ決定部54は、総組測定器群40、特に総組測定器41から収集される総組品に関する特性の測定結果(品質検査器42から収集される最終製品の特性の測定結果でもよい)からその特性の統計分布を算出し、算出された統計分布をモデルに適用することにより組立パラメータを決定する。組立装置群30が、決定された組立パラメータに基づき、複数の部品を用いて総組品を組み立てることで、統計的に特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
組立パラメータ決定部54により決定された組立パラメータは、組立装置31に送信されて設定される。
図2に、光学製品の製造工程S10のフローを示す。なお、加工装置群10のレンズ加工装置11及びホルダ加工装置12が従う加工パラメータは、予め決定され、それぞれの装置において設定されているものとする。また、組立装置31が従う組立パラメータも、予め決定され、その装置において設定されているものとする。
ステップS11では、加工装置群10により、加工パラメータに基づいて複数の部品を加工する。レンズ加工装置11は、設定された加工パラメータ、例えば研磨時間に従って表面を研磨することで、レンズ素子を加工する。また、ホルダ加工装置12は、設定された加工パラメータ、例えば固定位置に従ってレンズ素子を固定するための溝を内側に形成することで、ホルダを加工する。
ステップS12では、部品測定器群20により、加工装置群10により加工された複数の部品に関する特性を測定する。レンズ測定器21は、レンズ加工装置11により加工されたレンズ素子の全数又は一部についてレンズ素子に関する特性、例えば波面収差を測定する。また、ホルダ測定器22は、ホルダ加工装置12により加工されたホルダの全数又は一部についてホルダに関する特性、例えば内径寸法を測定する。
図3に、ステップS12の複数の部品の特性の測定結果より得られる統計分布の一例を示す。図3左はレンズ素子の波面収差に対する分布、図3右はホルダの内径寸法に対する分布を示す。それぞれの図において、2つの一点鎖線によりそれぞれの特性に対する公差の範囲を示す。レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法のいずれも、それぞれの公差に対して十分に小さい拡がりで、公差内の十分に狭い範囲に分布している。
ステップS13では、組立装置31により、組立パラメータに従って、加工装置群10により加工された複数の部品より総組品が組み立てられる。組立装置31は、設定された組立パラメータ、例えばホルダ内での複数のレンズ素子の相対位置及び相対姿勢に従って、レンズ加工装置11により加工された複数のレンズ素子をホルダ加工装置12により加工されたホルダ内にそれぞれの固定位置で保持することで、総組品を組み立てる。
ステップS14では、総組測定器41により、組立装置31により組み立てられた総組品に関する特性を測定する。総組品に関する特性として、例えば、MTF、フォーカス、及び波面収差が挙げられる。総組測定器41は、これらの特性を、組立装置31により組み立てられた総組品の全数又は一部について測定する。その測定結果より、総組品のそれぞれについて製品規格を満たすか否か判断される。
図4に、ステップS14の総組品の特性の測定結果より得られる統計分布の一例を示す。図4左は総組品のMTFに対する分布、図4中は総組品のフォーカスに対する分布、図4右は総組品の波面収差に対する分布を示す。それぞれの図において、2つの一点鎖線によりそれぞれの特性に対する規格の範囲を示す。レンズ加工装置11により加工された複数のレンズ素子の波面収差及びホルダ加工装置12により加工されたホルダの内径寸法のいずれもそれぞれの公差内で十分狭い範囲に分布しているにも関わらず(図3参照)、それらの中から任意のレンズ素子及びホルダを選択して総組品に組み込んだことで、総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差は広い範囲に分布する。ここで、総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差の分布の拡がりはそれぞれの規格に対して幾分小さい程度であり、それぞれの分布の中心が規格内で一側にシフトしていることで、分布の一部(図中、ハッチングされた部分)が規格から外れている。これは、組立装置31により組み立てられた総組品の一部が製品規格を満足していないことを意味する。
ステップS15では、調整装置32により、ステップS14の測定により製品規格を満たしていないと判断された総組品に対して、総組品に含まれた複数の部品の組み立てが調整される。調整装置32は、例えば、ホルダ内に保持された複数のレンズ素子の相対位置及び相対姿勢を調整する。
ステップS16では、品質検査器42により、組み立てられたすべての総組品に対して最終製品に関する特性が測定される。最終製品の特性として、MTF、フォーカス、及び波面収差が挙げられる。その測定結果より、総組品のそれぞれについて製品規格を満たすか否か判断される。すべての特性について規格を満たしている場合にその総組品は製品規格を満足すると判断され、最終製品として出荷可能となる。
なお、調整装置32により組立を調整された総組品に対しては、特性が再度測定されることとなる。例えば図4に示すように、調整前に規格から外れていたMTF、フォーカス、及び波面収差(図中、黒塗り丸により示す)が調整により規格内に収まる(図中、白抜き丸により示す)のを確認することで、その総組品は製品規格を満足すると判断され、最終製品として出荷可能となる。しかし、調整前に規格から外れていた1つの特性が調整により規格内に収まっても、逆に、他の特性が規格から外れることになることも少なくない。特性のいずれかについて規格を満たさない場合、その総組品は製品規格を満足しないと判断され、不良として処理されることとなる。
図5に総組品の特性の経時的変化の一例を示す。図中、2つの一点鎖線により特性に対する規格の範囲を示す。複数の部品の特性がそれぞれの公差を満たし、総組品が製品規格を満足していたとしても、例えば加工装置が使用する金型、加工歯等が使用に伴い摩耗又は変形して装置の加工性能が経時的に変わることで、加工パラメータ及び組立パラメータが一定であっても複数の部品の特性の分布がそれぞれの公差内でシフトし、それらの組み合わせにより総組品の特性がトレンドで変化して製品規格を外すことがある。図に示した例では、総組品の特性の分布が経時的に変化することで、矢印で示す期間において多くの総組品の特性が規格を外し、多くの不良が生じることとなる。そこで、本実施形態に係る製造方法により、総組品の特性の統計的変化をフィードバックすることで、斯かる経時的変化を抑制する。
図6に、本実施形態に係る光学製品の製造方法のフローを示す。なお、光学製品の製造工程S10により光学製品が製造され、複数の部品及び総組品に関する特性の測定結果が蓄積されているものとする。
ステップS22では、モデル構築部52により、複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)の加工パラメータ、加工装置群10により加工パラメータに従って加工される複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)に関する特性の統計分布、及び組立装置群30により複数の部品を用いて組み立てられる総組品に関する特性の統計分布の関係を表すモデルを構築する。モデルは、先述のとおり、複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)に関する加工パラメータと加工装置群10により加工パラメータに従って加工される複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)に関する特性の統計分布との関係を表す第1モデル、及び複数の部品(少なくとも1つの部品でもよい)に関する特性の統計分布と組立装置群30により複数の部品より組み立てられる総組品に関する特性の統計分布との関係を表す第2モデルから構成される。
なお、第1モデルは、複数の部品のうちの2以上の部品のそれぞれに関する加工パラメータとこの加工パラメータに従って加工される2以上の部品に関する特性の統計分布との関係をそれぞれ表す2以上の副モデルを含んでもよい。また、第2モデルは、複数の部品に関する特性の統計分布と総組品に組み込まれた複数の部品の組み立てを調整した後における総組品に関する特性の統計分布との関係を表すこととしてもよいし、さらに組立パラメータを含めた関係を表すこととしてもよい。
モデル構築部52は、上述のように構成されるモデルに対して、部品測定器群20及び総組測定器群40により実測されたデータ、複数の部品の加工と総組品の組立とを模擬した計算機シミュレーション又は実験のデータ等を機械学習の学習データとして使用して、モデルを構築する。モデル構築部52は、例えば、研磨時間とこの研磨時間に従ってレンズ加工装置11により加工されるレンズ素子の波面収差のデータとを用いて、第1モデルを機械学習により構築する。第1モデルは、1入力1出力モデルとして構築される。また、固定位置とこの固定位置に従ってホルダ加工装置12により加工されるホルダの内径寸法のデータとを用いて、別の第1モデルを機械学習により構築する。別の第1モデルは、1入力1出力モデルとして構築される。また、レンズ加工装置11で加工されるレンズ素子の波面収差のデータと、ホルダ加工装置12で加工されるホルダの内径寸法のデータと、レンズ加工装置11で加工されるレンズ素子及びホルダ加工装置12で加工されるホルダから組み立てられる総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差のデータと、を用いて、第2モデルを機械学習により構築する。第2モデルは、2入力3出力モデルとして構築される。
ステップS24では、データ収集部51により、部品測定器群20(すなわち、レンズ測定器21及びホルダ測定器22)から部品に関する特性(すなわち、レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法)の測定結果を収集し、総組測定器群40、特に総組測定器41から総組品に関する特性(すなわち、総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差)の測定結果を収集し、品質検査器42から最終製品に関する特性(すなわち、総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差)の測定結果を収集する。データ収集部51は、例えば1日、1週間、1カ月等の一定期間置きにその期間内に各測定器において得られた測定結果を収集する。収集された測定結果は、加工パラメータ決定部53及び組立パラメータ決定部54に送信される。
ステップS26では、加工パラメータ決定部53により、組立装置31により組み立てられた総組品に関する特性が変化したかどうかを判断する。加工パラメータ決定部53は、データ収集部51から受信した一定期間における総組品に関する特性の測定結果よりその統計分布を算出し、先の期間において算出された特性の統計分布と比較して変化したか否かを判断する。算出された統計分布が先に算出された統計分布に対して変化している場合、ステップS28に進み、変化していない又は変化の程度が小さい場合、ステップS30に進む。
なお、算出された統計分布を先の期間において算出された特性の統計分布と比較して変化したか否かを判断するに限らず、算出された統計分布が製品規格から外れる程度が増大したか否かを判断してもよい。
ステップS28では、加工パラメータ決定部53により、モデル構築部52により構築されたモデルに基づいて、総組品に関する特性が予め定められた統計分布となる加工パラメータを決定する。加工パラメータ決定部53は、ステップS26において算出した総組品の特性の統計分布をモデルに適用して、どの加工パラメータをどの程度変更することで総組品に関する特性が予め定められた統計分布となるか予測する。ここで、総組品の特性の統計分布が製品規格内に収まるように、好ましくは最も規格内に収まるように加工パラメータを決定する。なお、加工パラメータ決定部53は、ステップS26において算出した総組品の特性の統計分布より先の期間において算出された分布からの変化を算出し、これをモデルに適用することで、加工パラメータの変量を決定してもよい。
加工パラメータの決定において、加工パラメータ決定部53は、加工パラメータを第1モデルに適用して複数の部品に関する特性の統計分布を導出し、導出された複数の部品に関する特性の統計分布を第2モデルに適用して総組品の特性に関する統計分布を導出し、この総組品の特性に関する統計分布が予め定められた統計分布となるように加工パラメータを決定する。ここで、ステップS26において算出した総組品の特性の統計分布の規格内となる確率が最大化する加工パラメータを決定する。それにより、それぞれが製品規格内に収まる、好ましくは最も規格内に収まる総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差の統計分布を与えるレンズ素子の研磨時間及びホルダの固定位置が決定される。
加工パラメータの決定において、複数の部品に関する特性の測定結果を利用してもよい。加工パラメータ決定部53は、まず、ステップS24において収集した複数の部品に関する特性の測定結果より統計分布を算出又は推定する。それにより、レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法のそれぞれの統計分布(これらを測定分布と呼ぶ)が得られる。次に、加工パラメータ決定部53は、測定分布を基にして、複数の部品に関する特性の統計分布を第2モデルに適用して総組品に関する特性の統計分布を導出し、これが予め定められた統計分布となるように部品の特性の統計分布を決定する。ここで、ステップS26において算出した総組品の特性の統計分布の規格内となる確率が最大化するように部品の特性の統計分布を決定する。最後に、加工パラメータ決定部53は、加工パラメータを第1モデルに適用して複数の部品に関する特性の統計分布を導出し、これが第2モデルを用いて決定された統計分布に一致するように加工パラメータを決定する。以上の手順により、それぞれが製品規格内に収まる、好ましくは最も規格内に収まる総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差の統計分布を与えるレンズ素子の研磨時間及びホルダの固定位置が決定される。
なお、複数の部品に関する特性の測定結果が利用できない場合、ステップS26において算出した総組品の特性の測定結果から得られる統計分布から第2モデルを介して部品の特性の統計分布を推定し、これを基にして、複数の部品に関する特性の統計分布を第2モデルに適用して総組品に関する特性の統計分布を導出し、これが予め定められた統計分布となるように部品の特性の統計分布を決定してもよい。それにより、統計的に総組品に関する特性を最適化する加工パラメータをより正確に決定することができる。
加工装置群10が複数の部品を加工するための加工パラメータとして複数の加工パラメータを採用する場合、加工パラメータ決定部53は、複数の加工パラメータに対する制約条件に従って少なくとも1つの加工パラメータを決定してもよい。なお、その他の加工パラメータは、先に決定されたパラメータ値を維持する。制約条件は、例えば、加工パラメータの感度、加工パラメータの調整コスト、製造公差等のうちの1つ又は任意の組み合わせを含む。制約条件に従った加工パラメータの決定の詳細は先述のとおりである。
加工パラメータ決定部53は、決定した加工パラメータを加工装置群10に送信する。それにより、レンズ加工装置11及びホルダ加工装置12において加工パラメータが設定される(すなわち、更新される)。
ステップS30では、組立パラメータ決定部54により、組立装置31により組み立てられた総組品に関する特性が製品規格内に収まっているかどうかを判断する。組立パラメータ決定部54は、データ収集部51から受信した一定期間における総組品に関する特性の測定結果よりその統計分布を算出し、統計分布が製品規格から外れる程度が所与の範囲内か、その範囲を超えて増大しているかを判断する。外れる程度が所与の範囲内である場合、ステップS10に進み、所与の範囲を超えて増大している場合、ステップS32に進む。
ステップS32では、組立パラメータ決定部54により、モデル構築部52により構築されたモデルに基づいて、総組品に関する特性が予め定められた統計分布に従う組立パラメータを決定する。組立パラメータ決定部54は、ステップS26において算出した総組品の特性の測定結果から得られる統計分布をモデルに適用して、どの組立パラメータをどの程度変更することで総組品に関する特性が予め定められた統計分布に従うか予測する。ここで、総組品の特性の統計分布が製品規格内に収まるように、好ましくは最も規格内に収まるように組立パラメータを決定する。
ステップ(光学製品の製造工程)S10では、ステップS28において決定された加工パラメータ及びステップS32において決定された組立パラメータに従って光学製品が製造される。その詳細は先述のとおりである。
図7に、本実施形態に係る光学製品の製造方法による複数の部品の特性の統計的制御の一例を示す。図7左はレンズ素子の波面収差に対する分布、図7右はホルダの内径寸法に対する分布を示す。それぞれの図において、実線により、加工パラメータの適用後における光学製品の製造工程S10(ステップS12)の複数の部品の特性の測定結果より得られる統計分布、点線により、加工パラメータの適用前(先の繰り返しサイクル)における複数の部品の特性の測定結果より得られる統計分布、2つの一点鎖線により、それぞれの特性に対する公差の範囲を示す。レンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法のいずれも、それぞれの公差に対して十分に小さい拡がりで公差内に分布している。ここで、ステップS28において決定された加工パラメータを適用してそれぞれの部品を加工したことで、レンズ素子の波面収差の統計分布及びホルダの内径寸法のそれぞれ統計分布は、白抜き矢印を用いて示すように、点線で示す分布から実線で示す分布にそれぞれの拡がりをほぼ変えることなくシフトしている。
図8に、本実施形態に係る光学製品の製造方法による総組品の特性の統計的制御の一例を示す。図8左は総組品のMTFに対する分布、図8中は総組品のフォーカスに対する分布、図8右は総組品の波面収差に対する分布を示す。それぞれの図において、実線により、加工パラメータ及び組立パラメータの適用後における光学製品の製造工程S10(ステップS14)の総組品の特性の測定結果より得られる統計分布、点線により、加工パラメータの適用前(先の繰り返しサイクル)における総組品の特性の測定結果より得られる統計分布、2つの一点鎖線により、それぞれの特性に対する規格の範囲を示す。上述のとおり複数のレンズ素子の波面収差及びホルダの内径寸法のそれぞれの統計分布がそれぞれの公差内でシフトしたため、先と同様にそれらの中から任意のレンズ素子及びホルダを選択して総組品に組み込んだことで、総組品のMTF、フォーカス、及び波面収差のそれぞれの統計分布は、黒塗り矢印を用いて示すように、点線で示す分布から実線で示す分布にそれぞれの拡がりをほぼ変えることなく製品規格のほぼ中央にシフトしている。規格を満たさない総組品は極少数(図中、ハッチングされた分布の部分に相当)であり、その極少数の総組品についてのみステップS15において調整装置32により組み立てを調整することで、ほぼすべての総組品について製品規格を満足させることができる。
ステップS34では、データ蓄積期間を経過したか否かが判断される。データ蓄積期間は、ステップS24においてデータ収集部51が収集する各種測定結果を蓄積する期間であり、例えば1日、1週間、1カ月等、任意に定めることができる。データ蓄積期間を経過するまで、光学製品の製造工程S10を繰り返す。それにより、データ蓄積期間の間、各種測定結果が蓄積される。データ蓄積期間を経過すると、ステップS24に戻る。従って、データ蓄積期間置きに、各測定器において得られた測定結果を用いて加工パラメータが決定され(ステップS28)、また組立パラメータが決定される(ステップS32)。
図9に、本実施形態に係る光学製品の製造方法による総組品の特性の経時的変化の一例を示す。総組品の特性の測定結果を用いて加工パラメータ及び組立パラメータを決定し、決定されたパラメータを複数の部品を加工する加工装置群10及び総組品を組み立てる組立装置群30に適用して光学製品の製造をフィードバック制御することで、総組品の特性は規格内のほぼ中央に分布し続けることがわかる。従って、本実施形態に係る光学製品の製造方法により、常時、統計的に特性を最適に維持して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
本実施形態に係る製造方法により、複数の部品の加工パラメータと複数の部品に関する特性の統計分布と総組品に関する特性の統計分布との関係を表すモデルに基づいて、総組品に関する特性が予め定められた基準(すなわち、予め定められた統計分布)に従う加工パラメータを決定することで、決定された加工パラメータに従って複数の部品を加工し、加工された複数の部品より総組品を組み立てることにより、統計的に特性を最適化して製品規格を満たす光学製品を効率良く製造することが可能になる。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図10は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、上記実施の形態に変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10…加工装置群、11…レンズ加工装置、12…ホルダ加工装置、20…部品測定器群、21…レンズ測定器、22…ホルダ測定器、30…組立装置群、31…組立装置、32…調整装置、40…総組測定器群、41…総組測定器、42…品質検査器、50…制御装置、51…データ収集部、52…モデル構築部、53…加工パラメータ決定部、54…組立パラメータ決定部、100…製造システム、2200…コンピュータ、2201…ROM、2210…ホストコントローラ、2212…CPU、2214…RAM、2216…グラフィックコントローラ、2218…ディスプレイデバイス、2220…出力コントローラ、2222…通信インタフェース、2224…ハードディスクドライブ、2226…ROMドライブ、2230…ROM、2240…出力チップ、2242…キーボード。
Claims (23)
- 複数の部品の加工パラメータと、前記複数の部品に関する特性の統計情報と、前記複数の部品が組み立てられてなる組立体に関する特性の統計情報と、の関係を表すモデルを構築するモデル構築部と、
前記組立体に関する特性が予め定められた基準を満たすように、前記モデルに基づいて前記加工パラメータを決定する加工パラメータ決定部と、
を備え、
前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品は光学素子である、製造システム。 - 前記組立体に関する特性は、前記組立体の光学特性である、請求項1に記載の製造システム。
- 前記予め定められた基準は、予め定められた統計情報に基づいて設けられている、請求項1又は2に記載の製造システム。
- 前記加工パラメータ決定部で決定された加工パラメータに基づいて、前記複数の部品を加工する加工装置をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造システム。
- 前記モデルは、前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する加工パラメータと、前記少なくとも1つの部品に関する特性の統計情報との関係を表す第1モデル、及び前記少なくとも1つの部品に関する前記特性の統計情報と、前記組立体に関する特性の統計情報との関係を表す第2モデルを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造システム。
- 前記第1モデルは、前記複数の部品のうちの2以上の部品のそれぞれに関する前記加工パラメータと、前記2以上の部品のそれぞれに関する特性の統計情報との関係を表す2以上の第1モデルを含む、請求項5に記載の製造システム。
- 前記第2モデルは、前記少なくとも1つの部品に関する前記特性の統計情報と、前記組立体に関する特性を調整した後の前記組立体に関する前記特性の統計情報と、の関係を表す、請求項5又は6に記載の製造システム。
- 前記モデル構築部は、前記モデルを機械学習により構築する、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造システム。
- 前記組立体に関する特性を測定する組立体測定器をさらに備え、
前記加工パラメータ決定部は、前記組立体測定器による測定結果の統計情報を用いて前記加工パラメータを決定する、請求項1から8のいずれか一項に記載の製造システム。 - 前記加工パラメータ決定部は、前記組立体測定器による測定結果の統計情報が変化した場合に、前記変化の程度に応じて前記加工パラメータを決定する、請求項9に記載の製造システム。
- 前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する特性を測定する部品測定器をさらに備え、
前記加工パラメータ決定部は、前記部品測定器による測定結果の統計情報を用いて前記加工パラメータを決定する、請求項9又は10に記載の製造システム。 - 前記部品測定器は、前記少なくとも1つの部品の全数のうちの幾つかについて前記特性を測定し、
前記加工パラメータ決定部は、前記特性の測定結果を用いて前記特性の統計情報を推定する、請求項11に記載の製造システム。 - 前記加工パラメータ決定部は、前記組立体に関する特性の測定結果より得られる統計情報を用いて前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品に関する特性の統計情報を推定し、推定された統計情報を用いて前記加工パラメータを決定する、請求項9又は10に記載の製造システム。
- 前記加工パラメータ決定部は、前記組立体に関する特性の測定結果より得られる統計情報が予め定められた規格内に収まる前記加工パラメータを決定する、請求項9から13のいずれか一項に記載の製造システム。
- 前記組立体に含まれた前記複数の部品の組み立てを調整する調整装置をさらに備え、
前記組立体測定器は、前記調整装置により調整された前記組立体に関する特性を再度測定し、
前記加工パラメータ決定部は、前記組立体に関する特性の再度の測定の結果より得られる統計情報が規格内に収まる前記加工パラメータを決定する、請求項9から14のいずれか一項に記載の製造システム。 - 組立パラメータに基づき、前記複数の部品を用いて組立体を組み立てる組立装置と、
前記モデルに基づいて、前記組立体に関する特性が前記予め定められた基準を満たすように、前記組立パラメータを決定する組立パラメータ決定部と、
をさらに備える、請求項9から15のいずれか一項に記載の製造システム。 - 前記加工パラメータは、複数の加工パラメータを含み、
前記加工パラメータ決定部は、前記複数の加工パラメータに対する制約条件に従って少なくとも1つの加工パラメータを決定する、請求項1から16のいずれか一項に記載の製造システム。 - 前記制約条件は、前記複数の加工パラメータのそれぞれの調整に対する前記複数の部品に関する特性の統計情報の変化の程度及び前記組立体に関する特性の統計分布の変化の程度のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の製造システム。
- 前記制約条件は、前記複数の加工パラメータのそれぞれの調整に要するコストに関する情報を含む、請求項17又は18に記載の製造システム。
- 前記制約条件は、前記複数の部品に関する特性の統計情報が公差内に収まることを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の製造システム。
- 前記組立体は、カメラ用交換レンズである、請求項1から20のいずれか一項に記載の製造システム。
- 請求項1から21のいずれか一項に記載の製造システムを用いて組立体を組み立てる工程を含む、組立体の製造方法。
- 複数の部品の加工パラメータと、前記複数の部品に関する特性の統計情報と、前記複数の部品が組み立てられてなる組立体に関する特性の統計情報と、の関係を表すモデルを構築する段階と、
前記組立体に関する特性が予め定められた基準を満たすように、前記モデルに基づいて加工パラメータを決定する段階と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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- 2017-03-14 JP JP2017049043A patent/JP2018151575A/ja active Pending
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