JP2022014746A - 膜監視機能付き処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理液を連続的に濾過するクロスフロー方式のフィルター装置において膜間差圧を維持し、かつ、膜の状態を監視することができる膜監視機能付き処理システムを提供する。【解決手段】フィルター装置5と、コントロールバルブ4と、フィルター装置5の膜間差圧が所定圧力となるように設定値を計算し、当該設定値でコントロールバルブ4を動作させる制御装置10と、を備え、制御装置10は、フィルター6が正常であるときの設定値を基準設定値とし、現在設定値と基準設定値との差が所定値以内であるならばフィルター6は正常であると判定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理液を濾過するフィルター装置における膜の状態を監視する膜監視機能付き処理システムに関する。
従来、フィルター装置により被処理液を濾過し、濃縮や精製を行う処理システムが用いられている(特許文献1参照)。このような処理システムでは、フィルター装置の二次側の圧力を制御することにより膜間差圧を維持している。
一般的に、フィルター装置は、濾過対象の被処理液に含まれる粒子で目詰まりすることがある。また、フィルターは粒子によって目が粗くなり、補足率が低下することがある。そして、フィルターが目詰まりすれば膜間差圧は大きくなり、補足率の低下が生じれば膜間差圧は小さくなる。
しかしながら、特許文献1の処理システムでは、膜間差圧を低減すべくフィルターの二次側の圧力を制御しているため、フィルターの目詰まり及び補足率の低下を起因とする圧力変化に気付きにくい。換言すれば、フィルターが目詰まりしたり補足率が低下しても圧力制御により膜間差圧は正常に保たれることから、フィルターが正常であると判断されてしまう。この結果、フィルターの劣化が進行し、圧力を制御しても膜間差圧を所定値に制御できない程度になって、フィルターの目詰まりや補足率の低下に気付くことになる。
特開平3-89908号公報
本発明は、このような事情に鑑み、被処理液を濾過するフィルター装置において膜間差圧を維持し、かつ、膜の状態を監視することができる膜監視機能付き処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1の態様は、設定値に基づいて動作し、フィルター装置及び前記フィルター装置の二次側に配置されたコントロールバルブを含む装置群と、前記フィルター装置の膜間差圧が所定圧力となるように前記設定値を計算し、前記設定値で前記装置群を動作させる制御装置と、を備え、前記制御装置は、任意の時点における前記設定値である基準設定値と、現在の前記設定値である現在設定値との差に基づいて前記フィルター装置のフィルターの状態を判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、前記基準設定値は、前記フィルターが正常であるときの前記設定値であり、前記制御装置は、前記基準設定値と前記現在設定値との差が所定値以内であるならば前記フィルターは正常であると判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、前記基準設定値は、前記制御装置は、過去に実際に使用した前記設定値である実績設定値を前記基準設定値として記録するとともに、その使用をしたとき時に前記フィルターが異常又は正常の何れかの状態であったかを前記実績設定値に関連付けて記録し、前記現在設定値と前記実績設定値との差がない又は当該差が所定値以内であるならば、前記フィルターの現在の状態は前記実績設定値に関連づけられた前記フィルターの状態と同じであると判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、前記制御装置は、前記実績設定値のうち前記現在設定値に該当するものがないならば、前記現在設定値を前記実績設定値として記録するとともに、前記フィルターが異常又は正常の何れかの状態であったかを前記実績設定値に関連づけて記録することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明の第5の態様は、第1から第4の何れか一つの態様に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、前記基準設定値は、前記フィルター装置を洗浄する前における前記設定値であり、前記現在設定値は、前記フィルター装置を洗浄したあとにおける現在の前記設定値であり、前記制御装置は、前記基準設定値と前記現在設定値との差の変化に基づいて前記フィルターの状態を判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明によれば、被処理液を濾過するフィルター装置において膜間差圧を維持し、かつ、膜の状態を監視することができる膜監視機能付き処理システムが提供される。
実施形態1に係る膜監視機能付き処理システムの概略構成図である。 現在値と設定値を示すグラフ及び制御値を示すグラフである。 制御システムの動作を示すフローチャートである。 制御システムの動作を示すフローチャートである。 制御システムの動作を示すフローチャートである。 フィルターの状態を判定するための工程を示すフローである。 設定値の変化を示すグラフである。
〈実施形態1〉
図1は本実施形態に係る膜監視機能付き処理システム(以下、処理システムと称する)の概略構成図である。本実施形態では、被処理液を濾過することにより特定の成分を濃縮し、溶媒を置換する処理システムIについて説明する。なお、被処理液は、特に限定はないが、飲料、医薬又は塗料などの液体や、微生物など様々な溶質を含む溶液である。
処理システムIは、クロスフロー方式のフィルター装置5を備えている。フィルター装置5はフィルター6を備えており、フィルター6の一次側には、被処理液が流通する一次側流路1が接続され、フィルター6の二次側には、濾過された被処理液である透過液が流通する二次側流路2が接続されている。
一次側流路1は、フィルター装置5の一次側に接続された循環流路である。すなわち、被処理液は、一次側流路1を循環しながらフィルター装置5により濾過される。なお、本発明は、循環流路に適用されるだけでなく、循環させずに被処理液をフィルター装置5で濾過する場合にも適用できる。
また、一次側流路1には、フィルター装置5の入口側にポンプ3及び第1の圧力センサー11が設けられ、フィルター装置5の出口側に第2の圧力センサー12が設けられている。
二次側流路2は、フィルター装置5の二次側に接続された流路であり、フィルター6で濾過された透過液が流通する。また、二次側流路2には、コントロールバルブ4及び第3の圧力センサー13が設けられている。
ポンプ3は、被処理液を圧送するために用いられる。コントロールバルブ4は、二次側流路2の開度を調節する。ポンプ3は、制御装置10により動作が制御される。また、コントロールバルブ4は、制御装置10により与えられる設定値に基づいてフィルター装置5の膜間差圧を調整するための装置である。具体的には、制御装置10から設定値として開度が与えられ、当該開度となるように動作する。具体的な膜間差圧の調整については後述する。
第1の圧力センサー11は、フィルター装置5の一次側における入口の被処理液の圧力を測定し、第2の圧力センサー12は、フィルター装置5の一次側における出口の被処理液の圧力を測定し、第3の圧力センサー13は、フィルター装置5の二次側における透過液の圧力を測定する装置である。測定された圧力は、制御装置10により参照される。
また、特に図示しないが、処理システムIは、処理内容に応じて、フィルター装置5以外にも様々な装置、例えば、原料タンク、調合タンク、熱交換器、充填機などの各種装置や、これらを接続する配管、バルブ等を備えている。
上述したような構成の処理システムIでは、一次側流路1においてポンプ3により被処理液がフィルター装置5の一次側に圧送される。
フィルター装置5では、フィルター6で濾過された被処理液が透過液として二次側から二次側流路2に送られる。一方、フィルター装置5で濾過されなかった被処理液は、一次側の出口から一次側流路1に排出される。
一次側流路1に排出された被処理液は、再度、フィルター装置5の一次側に供給される。このようにして、被処理液はフィルター装置5により濾過された後、再度、フィルター装置5に供給され、循環しながら濾過される。このような循環濾過は、制御装置10により制御される。
なお、特に図示しないが、一次側流路1には、フィルター装置5から排出された被処理液を一時的に貯留し、その貯留した被処理液を一次側流路1に供給するタンクを設けてもよい。また、一次側流路1に熱交換器等を設け、被処理液の温度調節を行ってもよい。
制御装置10は、プログラマブルコントローラ又はシーケンサとも称される装置である。制御装置10は、CPU及びメモリを備え、メモリに記憶されたラダープログラムを読み取り実行する。制御装置10により実行されるラダープログラムは、処理システムIにおいて被処理液を濾過させるために必要な各種装置に対する制御を記述したものである。
このような製品を製造するラダープログラムの一部として、以下の機能が実装されている。
・一次側流路1を流通する被処理液の流量を所定量に維持する(流量維持機能)。
・フィルター6の膜間差圧が所定圧力となるようにコントロールバルブ4への設定値を計算し、当該設定値でコントロールバルブ4を動作させる(膜間差圧維持機能)。
・フィルター6の状態を判定する(膜状態監視機能)。
制御装置10による流量維持機能について説明する。特に図示しないが、一次側流路1には、被処理液の流量を測定する流量計や、コントロールバルブが設けられている。制御装置10は、流量計により得られた被処理液の流量が予め設定された目標とする流量となるようにポンプ3や図示しないコントロールバルブを制御する。具体的な制御はPID制御など公知のものであるので詳細な説明は省略する。このような制御により、一次側流路1に目標とする流量で被処理液を流通させることができる。
制御装置10による膜間差圧維持機能について説明する。制御装置10は、膜間差圧が所定圧力になるように制御する。この所定圧力を以後、目標値(記号はTMP(SV))と称する。目標値は、処理システムIの設計時や運用時にオペレータ等によりフィルター装置5のフィルター6の使用条件などに応じて適宜設定される。
また、制御装置10は、膜間差圧を目標値にするために、第1の圧力センサー11、第2の圧力センサー12及び第3の圧力センサー13から得られる圧力値(以後、現在値と称する)を用いる。
これらの3つの現在値のそれぞれをP11(PV)、P12(PV)、P13(PV)とすると、膜間差圧の現在値であるTMP(PV)は、フィルター6の一次側の圧力の二次側の圧力の差であるから、
TMP(PV)=(P11(PV)+P12(PV))/2-P13(PV)
となる。制御装置10は、膜間差圧の現在値TMP(PV)が目標値TMP(SV)となるように、コントロールバルブ4に与える設定値を計算する。この設定値はコントロールバルブ4の開度であり、範囲は0から100(%)である。0%ならばコントロールバルブ4は全閉、100%であればコントロールバルブ4は全開である。
図2~図5を用いて、コントロールバルブ4に対する設定値について説明する。図2(a)は現在値と目標値を示すグラフであり、図2(b)は設定値を示すグラフである。図2(a)及び図2(b)の横軸は時間を表している。図2(a)の縦軸は膜間差圧の現在値を表し、図2(b)の縦軸は設定値を表している。また、図3~図5は、処理システムIの動作を示すフローチャートである。
膜間差圧を目標値にするための制御は、初期立上、緊急時、安定時、不安定時の4つに分類される。まず、初期立上について説明する。
初期立上は、製造プラントを始動させてから所定時間(本実施形態では15秒とする)までの間の時間(T0~T1)をいう。具体的には、図2(a)に示すように、現在値が目標値よりも大きく乖離しているときに行われる。
まず、制御装置10は、処理システムIにおける被処理液の処理プロセスの終了時に、そのときの設定値を前回終了時設定値としてメモリに記憶しておく。具体的には、後述する安定時における設定値を前回終了時設定値として記憶する。なお、初めて処理システムIを始動させるときは、まだ一度も製造プロセスを実行し終えていないことから、予め適当な値を前回終了時設定値として設定しておく。
次回に製造プロセスを始動する際には(T0)、制御装置10は、前回終了時設定値を呼出し(図3ステップS1)、前回終了時設定値を所定数(本実施形態では5)で分割した量(以下、増加量)を計算する(図3ステップS2)。次に、制御装置10は、処理システムIを始動してから所定時間(T1)までの間に、前記前回終了時設定値になるまで設定値に増加量を加算する(図3ステップS3)。この例では、増加量を15秒間に5回にわけて加算するので、3秒に一回の割合で増加量を設定値に加算することになる。もちろん、増加量の加算のタイミングは3秒に一回のように均等なタイミングである必要はない。
図2(b)に示すように、初期立上では、15秒の間に段階的に設定値が増加している。この増加量は、前回終了時設定値を5で分割した値となっており、初期立上の終了時では、設定値は前回終了時設定値となっている。
図2(a)に示すように、初期立上では、設定値を段階的に増加させていくため、すなわち、コントロールバルブ4の開度が段階的に開いているため、現在値(膜間差圧TMP(PV))が目標値付近まで早く立ち上げることができる。また、初期立上では、開度を段階的に増加させていくが、その到達点は前回終了時設定値である。前回終了時設定値は、前回の製造プロセスにおいて、現在値が目標値にほぼ等しい時におけるものである。したがって、初期立上が完了したときには、若干のオーバーシュートはあるが、すぐに現在値を目標値に安定させることができる。
また、ある特定の目標値を実現するために必要な設定値は一定とは限らず、例えば、処理システムIの周囲の環境の変化(季節変動など)によって変動する。前回終了時設定値は、製造プロセスのたびに更新されるものであり、初期立上ではその前回終了時設定値となるように段階的に設定値を増加させていく。これにより、初期立上の完了時には、処理システムIの周囲の環境の変化に適応して最適な設定値とすることができる。
次に、緊急時について説明する。緊急時は、現在値が上限値(目標値±Δより大きい値)を超えたときのことをいう(T6~T7)。制御装置10は、処理システムIを始動させてから所定時間を経過した後に(T1以後に)、現在値が所定の上限値よりも大きい場合は(図2のT6のとき、図3ステップS4;Yes)、緊急時と判定し、設定値を減少させる(図3ステップS5)。
現在値が上限値を超えたとき(図2(b)T6)の設定値を90%(図2(a))にする。これにより、コントロールバルブ4の開度が小さくなるので、図2(a)に示すように、現在値は減少し、所定時間経過後(T7)、上限値を下回るようになる。このように、何らかの原因で上限値を超えるような緊急事態が生じても、それを検知して流量を減少させ、緊急事態を解消することができる。
なお、T6からT7の間、コントロールバルブ4の設定値を減少させる方法としては、一度、設定値を減少させるだけでもよいし、一定間隔を空けて複数回に亘って設定値を減少させてもよい。また、現在値が上限値を超えたとき、直ちに、コントロールバルブ4の設定値を減少させてもよいし、一定時間経過後に減少させるようにしてもよい。
次に、安定時について説明する。安定時は、現在値が目標値±Δ(+Δを増加幅、-Δを減少幅と称する)以内であるときをいう(T3~T4、T5~T6)。制御装置10は、処理システムIを始動させてから所定時間を経過した後に、現在値が目標値よりも大きい又は小さい場合は、設定値に第1の所定量を減少又は増加させるラダープログラムを実行する。詳細には次のように処理が行われる。
まず、制御装置10は、緊急時でないとき(図3ステップS4;No)、現在値が目標値より大きいかを判定する(図3ステップS6)。現在値が目標値より大きい場合(図3ステップS6;Yes)、設定値を第1の所定量(例えば、そのときの設定値の0.3%)だけ減少させる(図4ステップS7)。
図2(a)に示すように、安定時において、現在値が目標値を超えたとき(T10)、図2(b)に示すように、設定値から第1の所定量を減じる。これにより、コントロールバルブ4の開度が若干小さくなるので、図2(a)に示すように、設定値を減じてから一定時間経過後(T11)に、現在値は減少し、目標値と等しいまたは近くなっている。
また、制御装置10は、現在値が目標値以下の場合(図3ステップS6;No)、設定値を第1の所定量(例えば、そのときの設定値の0.2%)だけ増加させる(図5ステップS8)。なお、加算時(図4ステップS7)の第1の所定量と減算時(図5ステップS8)の第1の所定量は異なっていてもよい。
図2(a)に示すように、安定時において、現在値が目標値以下であるとき(例えばT12)、図2(b)に示すように、設定値から第1の所定量を増加する。これにより、コントロールバルブ4の開度が若干大きくなるので、図2(a)に示すように、設定値を増加してから一定時間経過後(例えばT13)に、現在値は増大し、目標値と等しいまたは近くなっている。
このように、コントロールバルブ4を開閉することで、現在値が目標値とほぼ等しい安定な状態を維持することができる。
なお、安定時において、コントロールバルブ4の設定値を増加又は減少させる方法としては、一度、設定値を増加又は減少させるだけでもよいし、一定間隔を空けて複数回に亘って設定値を増加又は減少させてもよい。また、現在値が目標値を超えたとき、直ちに、コントロールバルブ4の設定値を増加又は減少させてもよいし、一定時間経過後に増加又は減少させるようにしてもよい。
次に、不安定時について説明する。不安定時は、現在値が目標値±Δより大きい又は小さいときをいう(T2~T3、T4~T5)。制御装置10は、処理システムIを始動させてから所定時間を経過した後に、現在値が目標値±Δよりも大きい又は小さい場合は、設定値に第2の所定量を減少又は増加させるラダープログラムを実行する。詳細には次のように処理が行われる。なお、第2の所定量は第1の所定量よりも大きい。
まず、制御装置10は、現在値が目標値+Δより大きいかを判定する(図4ステップS9)。現在値が目標値+Δ以下の場合(図4ステップS9;No)、図3ステップS4に処理が戻る。一方、現在値が目標値+Δより大きい場合(図4ステップS9;Yes)、設定値を第2の所定量(例えば、そのときの設定値の3.0%)だけ減少させる(図4ステップS10)。そして、制御装置10は、現在値が目標値+Δ以上であるならば(図4ステップS11;No)、まだ不安定であるので、一定時間待機した後、ステップS10の処理を実行する。また、制御装置10は、現在値が目標値+Δより小さいならば(図4ステップS11;Yes)、安定状態になったので、ステップS4からの処理に戻る。
図2(a)に示すように、不安定時において、現在値が目標値+Δを超えたとき(T4)、図2(b)に示すように、設定値から第2の所定量を減じる。これにより、コントロールバルブ4の開度が小さくなるので、図2(a)に示すように、設定値を減じてから一定時間経過後(T5)に、現在値は大きく減少し、安定状態に向かう。
また、制御装置10は、現在値が目標値-Δより小さいかを判定する(図5ステップS12)。現在値が目標値-Δ以上の場合(図5ステップS12;No)、図3ステップS4に処理が戻る。一方、現在値が目標値-Δより小さい場合(図5ステップS12;Yes)、設定値を第2の所定量(例えば、そのときの設定値の2.0%)だけ増加させる(図5ステップS13)。そして、制御装置10は、現在値が目標値-Δ以下であるならば(図5ステップS14;No)、まだ不安定であるので、一定時間待機した後、ステップS13の処理を実行する。また、制御装置10は、現在値が目標値-Δより大きいならば(図5ステップS14;Yes)、安定状態になったので、ステップS4からの処理に戻る。なお、加算時(図5ステップS13)の第2の所定量と減算時(図4ステップS10)の第2の所定量は異なっていてもよい。
図2(a)に示すように、不安定時において、現在値が目標値-Δより小さいとき(T2)、図2(b)に示すように、設定値から第2の所定量を増加する。これにより、コントロールバルブ4の開度が大きくなるので、図2(a)に示すように、設定値を増加してから一定時間経過後(T3)に、現在値は大きく増大し、安定状態に向かう。
このように、コントロールバルブ4を開閉することで、現在値が不安定な状態となっても、安定状態にすることができる。
なお、不安定時において、コントロールバルブ4の設定値を増加又は減少させる方法としては、一度、設定値を増加又は減少させるだけでもよいし、一定間隔を空けて複数回に亘って設定値を増加又は減少させてもよい。また、現在値が目標値±Δを超えたとき、直ちに、コントロールバルブ4の設定値を増加又は減少させてもよいし、一定時間経過後に増加又は減少させるようにしてもよい。
本実施形態に係る処理システムIでは、安定時、不安定時、緊急時に示したように、処理システムIを始動させてから所定時間を経過した後に、膜間差圧の現在値TMP(PV)が目標値TMP(SV)となるように設定値(コントロールバルブ4の開度)を所定量増減させるラダープログラムを実行する。これにより、ラダープログラムのみで、PID制御と同等の制御を実現して、膜間差圧を目標値に維持することができる。
次に、制御装置10による膜状態監視機能について説明する。上述したように、処理システムIでは、被処理液の流量及び膜間差圧が所望の設定値となるように循環濾過を実行する。そして、循環濾過を実行しながらフィルター6の状態を監視する。フィルター6の状態を監視するとは、フィルター6が目詰まりしたり、補足率が低下したなどの異常が生じているのか、又は正常であるのかを判定し、その結果を警告することをいう。
本実施形態の処理システムIは、フィルター6の状態を監視するために、フィルター装置5やコントロールバルブ4を含む装置群に対する設定値を用いる。
装置群に対する設定値としては、上述したコントロールバルブ4の設定値(開度)の他に、本実施形態ではポンプ3に対する設定値を含む。ポンプ3に対する設定値は、例えば、ポンプ3の出力である。
図6は、フィルター6の状態を監視するための工程を示すフローである。まず、制御装置10に基準設定値を設定する(ステップS1)。
基準設定値とは、フィルター6が正常であるときの設定値である。本実施形態では、フィルター6が正常であるときのポンプ3の設定値(出力)及びコントロールバルブ4の設定値(開度)が基準設定値となる。
フィルター6が正常であるときの基準設定値としては、初期の基準設定値、水運転時の基準設定値、原液運転時の基準設定値を挙げることができる。表1にこれらの例を示す。表1の各数値の単位は膜間差圧についてはMPaであり、流量についてはL/hである。ポンプ3の設定値及びコントロールバルブ4の設定値の単位は%である。
Figure 2022014746000002
処理システムIの設計時や運用開始時などに、制御装置10に初期設定として与えたポンプ3及びコントロールバルブ4の設定値を初期の基準設定値と称する。表1には、ポンプ3及びコントロールバルブ4の初期の基準設定値の具体例として何れも60%が例示されている。
水運転とは、処理システムIを構築後に被処理液として水を一次側流路1に流通させた運転である。この水運転は、当然、フィルター装置5のフィルター6は目詰まりもなく、補足率の低下もおきていない正常な状態である。
水運転を行って定常状態になったとき、制御装置10にそのときの設定値を記憶させておく。この値を水運転時の基準設定値と称する。表1には、ポンプ3及びコントロールバルブ4の水運転時の基準設定値の具体例として62%、58%が例示されている。
原液運転とは、処理システムIを構築後に被処理液として原液を一次側流路1に流通させた運転である。この原液運転では、フィルター6に目詰まりや補足率の低下が生じないような短い時間だけ実施する。つまり、フィルター装置5のフィルター6は目詰まりもなく、補足率の低下もおきていない正常な状態である。
原液運転を行って定常状態になったとき、制御装置10にそのときの設定値を記憶させておく。この値を原液運転時の基準設定値と称する。表1には、ポンプ3及びコントロールバルブ4の原液運転時の基準設定値の具体例として65%、61%が例示されている。
なお、処理システムIでは、膜間差圧は所定圧力(TMP(SV))に、一次側流路1の流量も所定の流量になるようにポンプ3、コントロールバルブ4を制御する。したがって、表1に示すように膜間差圧及び被処理液の流量はそれらの所定圧力所望の膜間差圧に維持されている。
次に、制御装置10は、実際に被処理液の循環濾過を行いながら、現在の設定値を取得する(ステップS2)。現在の設定値を現在設定値と称する。表2に現在設定値を例示する。各数値の意味は表1と同様である。
Figure 2022014746000003
次に、制御装置10は、現在設定値と基準設定値との差が所定値以内であるか比較を行う(ステップS3)。現在設定値と基準設定値との差は、現在設定値に含まれる各種の設定値と、基準設定値に含まれる各種の設定値とのそれぞれの差の絶対値をとり、当該絶対値の合計値とする。例えば、初期の基準設定値と表2の現在設定値との差は、|60-58|+|60-61|=3となる。また、所定値は、現在設定値と基準設定値とが同等と見なせる範囲で適宜定めればよい。
現在設定値と基準設定値との差が所定値以内であれば(ステップS3;Yes)、制御装置10はフィルター6は正常であると判定する(ステップS4)。つまり、現在設定値は、フィルター6が正常であるときの基準運転時と同じであるから、フィルター6は正常であると判定するのである。
なお、比較に用いる基準設定値は、上述した初期の基準設定値、水運転時の基準設定値、原液運転時の基準設定値を適宜選択して比較すれば良い。また、現在設定値がそれらの基準設定値の何れかに該当するならば、フィルター6は正常であると判断してもよい。
現在設定値と基準設定値との差が所定値以内でないならば(ステップS3;No)、制御装置10は、現在設定値と、実績設定値との比較を行う(ステップS5)。
実績設定値とは、過去に実際に使用した設定値であり、その使用をしたときにフィルター6が異常又は正常の何れの状態であったかが関連付けられている。実績設定値は、例えば、所定時間ごとに現在設定値を記録することにより作成する。他にも、循環濾過が終了するときの現在設定値を実績設定値として記録することにより作成する。図2で言えば、安定時、不安定時における設定値をフィルター6が正常であるときの実績設定値として記憶する。また、図2における緊急時の原因がフィルター6にあることが判明したのであれば、その緊急時における設定値をフィルター6が異常であるときの実績設定値として記憶する。
表3に実績設定値を例示する。表3の○はフィルター6が正常であることを意味し、×はフィルター6が異常であることを示す。
Figure 2022014746000004
制御装置10は、実績設定値に対して、フィルター6に異常が生じたときのものであるか否かの記録を行う。フィルター6の異常とは、フィルター6に目詰まりが生じた状態や、補足率の低下が生じた状態をいう。
フィルター6に異常が生じたか否かの判定は、CIP、SIPの前後で現在設定値が変化するか否かにより行う。仮に、CIP、SIPの前にフィルター6が目詰まりして性能が低下した場合は、それに応じて現在設定値は、基準設定値と異なる可能性が高い。しかしながら、CIP、SIPを実施して目詰まりが解消し、フィルター6の性能が回復すれば、CIP、SIP後の現在設定値は基準設定値とほぼ同じになるはずである。
例えば、実績設定値1については次のようにフィルター6の異常を判定する。制御装置10は、実績設定値1を記録し、循環濾過を終えた後に、処理システムIに対してCIP、SIPを行う。
そのCIP、SIPを終え、次の循環濾過を行ったときの現在設定値と、表1に示した基準設定値、例えば、原液運転の基準設定値とを比較する。現在設定値が原液運転の基準設定値と一致するのであればフィルター6は正常であり、一致しなければ異常であると判定する。なお、運転傾向と基準設定値が一致するとは、厳密に数値が一致する場合に限らず、適当な幅を持たせてもよい。
そして、制御装置10は、実績設定値1に対して比較の結果であるフィルター6の正常又は異常を記録する。実績設定値2、実績設定値3についても同様にフィルター6の正常又は異常を記録する。表3に示す例では、実績設定値1及び実績設定値2はフィルター6が正常であるときのものであり、実績設定値3はフィルター6が異常であるときのものである。
なお、実績設定値に対して、フィルター6の正常又は異常を記録する方法としては上述したようなものに限らない。例えば、制御装置10は、各実績設定値に対してフィルター6が正常であるか異常であるかを管理者から入力装置を介して得るようにしてもよい。
上述したように、処理システムIでは、膜間差圧が所定圧力(TMP(SV))に、一次側流路1の流量が所望の流量になるようにポンプ3、コントロールバルブ4を制御する。このため、表3の実績設定値3に示すように、フィルター6が異常であるにも関わらず、膜間差圧は所望の膜間差圧に維持される。したがって、単に、膜間差圧及び流量が所望の設定値に維持されていることをもって、フィルター6に異常が生じていることを判定することができない。
そこで、制御装置10は、表3の示したようなフィルター6の正常又は異常が記録された実績設定値を相当数蓄積する。そして、その蓄積された実績設定値と、現在設定値とを比較することで、フィルター6に異常が生じているかを判定する。
制御装置10は、比較の結果、現在設定値と実績設定値とが一致する場合(ステップS5;Yes)、その実績設定値に基づいてフィルター6の状態を判定する(ステップS6)。具体的には、その実績設定値に関連付けられたフィルター6の状態と同じであると判定する。すなわち、実績設定値にフィルター6が異常であると関連付けて記録されているならば、現在設定値で動作している処理システムIにおいてもフィルター6が異常と判定する。同様に、実績設定値にフィルター6が正常であると関連付けて記録されているならば、現在設定値で動作している処理システムIにおいてもフィルター6が正常と判定する。
表4に現在設定値を示す。各数値の意味は表1~表3と同様である。
Figure 2022014746000005
表4に示した現在設定値の例では、実績設定値2と一致することから、実績設定値2と同様にフィルター6が正常であると判定する。
また、制御装置10は、現在設定値が実績設定値と一致しない場合(ステップS5;No)、現在設定値と近い実績設定値を検索する(ステップS7)。具体的には、実績設定値に含まれる各種設定値と、現在設定値に含まれる各種設定値との差の絶対値を合計し、その合計値が最も小さく、かつその合計値が所定値以下であるものを近い実績設定値とする。当該所定値は、現在設定値が実績設定値に近いと見なせる値を適宜設定すればよい。表5に表4とは別の現在設定値の例を示す。
Figure 2022014746000006
表5に示す現在設定値は、表3に示す実績設定値3に最も近いと判定される(ステップS7;Yes)。制御装置10は、実績設定値に基づくフィルター6の状態を判定する(ステップS8)。具体的には、実績設定値3にはフィルター6が異常であると関連付けられているから、制御装置10は、現在設定値で動作している現在の処理システムIでは、フィルター6が異常である、又は正常ではあるが異常に近づいていると判定する。仮に表5に示す現在設定値が実績設定値1に近い場合は、フィルター6が正常であると判定する。
現在設定値に近い実績設定値がない場合(ステップS7;No)、その現在設定値を新たな実績設定値として追加する(ステップS9)。このとき、上述したようにフィルター6が異常又は正常であるかを関連付けて記録する。つまり、新たな実績設定値を追加することになり、フィルター6が異常又は正常であるかを判定するための基準を拡充することになる。
また、制御装置10は、ステップS4、ステップS6、ステップS8における判定結果を警告してもよい。警告は、例えば、制御装置10に接続されたディスプレイなどの表示手段に文字、図形、記号などで表示することにより行ってもよい。他にも、警告は、スピーカーなどの音声出力手段に音として出力したり、警告灯などの光学的装置を点灯・点滅させることにより行ってもよい。さらには、警告は、ネットワークを介して制御装置10に接続された情報処理端末に送信することにより行ってもよい。
このような警告を行うことにより、フィルター6の状態を管理者に知らしめることができる。特に、処理システムIとしては正常に動作している場合であっても、フィルター6の異常を知らしめることができるので、フィルター6の交換時期を早期に判断することができる。
以上に説明した処理システムIでは、膜間差圧が所定圧力(TMP(SV))に、一次側流路1における被処理液の流量が所望の流量となるように循環濾過を行いながら、フィルター6の状態を判定する。そして、処理システムIでは、フィルター6の状態は、現在設定値と基準設定値との比較に基づいて行う(図6のステップS3、S4)。
上述した循環濾過では、フィルター6が劣化して目詰まりや補足率の低下がおきたとしても、膜間差圧が所定圧力に維持される。つまり、処理システムIとしては正常に動作しているため、フィルター6の異常に気付きにくい。
しかしながら、処理システムIでは、膜間差圧が所定圧力に維持されていることをもってフィルター6の状態を判定するのではなく、フィルター6が正常であるときの基準設定値と、現在設定値とを比較することによりフィルター6の状態を判定する。したがって、処理システムIが正常に動作しており、かつ、フィルター6も正常であるという判定をすることができる。
また、処理システムIは、現在設定値を基準設定値のみならず、実績設定値とも比較する(ステップS5)。実績設定値との差が一致すれば(表3の実績設定値2と表4の現在設定値に関する説明を参照)、又はその差が所定値以内であれば(表3の実績設定値3と表5の現在設定値の説明を参照)、フィルター6の現在の状態はその実績設定値に関連づけられたフィルターの状態と同じであると判定する。
これにより、現在設定値が基準設定値に一致しない未知のものであっても、過去の実績設定値を有効利用してフィルター6の状態を判定することができる。
さらに、処理システムIは、過去の実績設定値のうち現在設定値に該当するものがないならば、その現在設定値を新たな実績設定値として記録する。そして、フィルター6が異常又は正常の何れかの状態であったかをその実績設定値に関連づけて記録する。
これにより、より多くのパターンの実績設定値が蓄積されるので、現在設定値と実績設定値との比較に基づくフィルター6の状態判定の精度をより向上させることができる。
また、処理システムIによれば、フィルター6が正常であると関連付けられた実績設定値が蓄積されていくことになる。従来であれば、そのような実績設定値はベテラン作業員が自らの経験やノウハウを元に各種装置の状態をみて調整して得られたものであった。
しかしながら、処理システムIによれば、そのような属人的な経験に頼らずに、フィルター6が正常であることを担保し、かつ膜間差圧を所定圧力に維持することができる実績設定値を自動的に獲得することができる。このようにして得られた実績設定値は、同様の構成の処理システムIを別途に構築するときに、初期設定として役立てることができ、構築後の調整に掛ける時間を低減することができる。
〈実施形態2〉
実施形態1では、現在設定値を、初期の基準設定値、水運転時の基準設定値、原液運転時の基準設定値と比較することによりフィルター6の状態を監視していたが、このような態様に限定されない。
本実施形態の処理システムは、実施形態1と同様の構成に加えて、一次側流路1、フィルター装置5及び二次側流路2を洗浄するための装置を備えている。この洗浄するための装置は、CIP、SIPを行うための公知の装置であるので詳細な説明は省略する。
本実施形態の処理システムでは、フィルター装置5を洗浄する前におけるコントロールバルブ4の設定値(開度)を基準設定値とする。また、フィルター装置5を洗浄したあとにおける現在の設定値を現在設定値とする。
処理システムは、制御装置10がフィルター装置5を洗浄する前後における基準設定値と現在設定値との差の変化に基づいてフィルター6の状態を判定する。
図7を用いて、具体的なフィルター6の状態判定について説明する。図7は、本実施形態に係る設定値の変化を示すグラフである。
時刻Tc以前においては、被処理液の濾過が行われており、コントロールバルブ4は基準設定値Aで動作していた。時刻TcにおいてCIP、SIPが行われた結果、フィルター6は目詰まりが解消するため性能が回復する。このため、コントロールバルブ4の現在設定値Bは、基準設定値Aとは異なる可能性が高い。
このように被処理液の濾過プロセスとフィルター装置5等の洗浄プロセスとを繰り返して相当な時間が経過すると、フィルター6は寿命が近くなり、CIP、SIPを行ってもフィルター6の性能が回復しない可能性が高い。
したがって、フィルター6の使用をしてから相当な時間が経過したときに行ったCIP、SIP後の現在の設定値を現在設定値Cとすると、その現在設定値Cは、現在設定値Bほど大きく変化しない可能性が高い。
つまり、基準設定値と現在設定値との差が経時的に変化する度合いが大きいほどフィルター6の残りの寿命が短いという相関があるといえる。例えば、この差と、実際のフィルター6の寿命や性能とをマッピングしておき、実際に得られた差に基づいてフィルター6の寿命や性能がどれだけ低下したかをそのマッピングから選択して警告するようにしてもよい。
このように、本実施形態の処理システムでは、洗浄前後におけるコントロールバルブ4の設定値(開度)の差の変化に基づいてフィルター6の状態を判定することができる。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
上述した実施形態では、基準設定値として、初期の基準設定値、水運転時の基準設定値、原液運転時の基準設定値、フィルター装置を洗浄する前の基準設定値を用いたが、これに限定されない。任意の時点における設定値である基準設定値と、現在設定値とを比較し、その差が一致する、相違する、変化するなどの基準によりフィルターの状態を判定することができる。
また、装置群に対する設定値として、ポンプ3及びコントロールバルブ4の設定値を用いたが、これに限定されない。例えば、複数のフィルター装置5を有し、それぞれの二次側にコントロールバルブ4を設ける場合では、複数のコントロールバルブ4の各設定値を用いてフィルターの状態の判定に用いる。
フィルター装置5は一台であったが、これに限定されず、複数台を直列又は並列に並べた構成であってもよい。また、一次側流路1は循環流路を構成しているが、循環させない構成であってもよい。さらに、フィルター装置5は、クロスフロー方式のものを例示したが、デッドエンド方式のものを用いてもよい。
上述した処理システムIでは、膜間差圧を所定圧力に維持し、被処理液の流量を所望の流量とするように制御したが、これに限定されず、膜間差圧のみを所定圧力に維持するように制御してもよい。
現在設定値と実績設定値との比較は、それらの差が無い、又はその差が所定値以内であるかによってフィルター6の状態を判定したが、このような方法に限定されない。例えば、実績設定値を機械学習の入力データ、実績設定値に関連づけられたフィルター6の状態を正解データ(教師データ)として、実績設定値からフィルター6の状態を推定する機械学習を行ってもよい。そして、フィルター6の状態が未知である現在設定値をその学習結果に適用することで、フィルター6の状態を得てもよい。
また、膜間差圧を所定圧力にするための制御として、コントロールバルブ4の設定値を所定量ずつ増減するような制御を行ったがこれに限定されない。例えば、膜間差圧の所定圧力(目標値)と、圧力センサーによる現在値に基づいて、PID制御によりコントロールバルブの設定値を計算してもよい。
I…処理システム、3…ポンプ、4…コントロールバルブ、5…フィルター装置、6…フィルター、10…制御装置

上記目的を達成するための第1の態様は、設定値に基づいて動作し、フィルター装置、前記フィルター装置の一次側に配置されたポンプ及び前記フィルター装置の二次側に配置されたコントロールバルブを含む装置群と、前記フィルター装置の膜間差圧が所定圧力となるように前記設定値を計算し、前記設定値で前記装置群を動作させる制御装置と、を備え、前記設定値は、前記ポンプの出力及び前記コントロールバルブの開度を含み、前記制御装置は、任意の時点における前記設定値である基準設定値と、現在の前記設定値である現在設定値との差に基づいて前記フィルター装置のフィルターの状態を判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、前記制御装置は、過去に実際に使用した前記設定値である実績設定値を前記基準設定値として記録するとともに、その使用をしたときに前記フィルターが異常又は正常の何れかの状態であったかを前記実績設定値に関連付けて記録し、前記現在設定値と前記実績設定値との差がない又は当該差が所定値以内であるならば、前記フィルターの現在の状態は前記実績設定値に関連づけられた前記フィルターの状態と同じであると判定することを特徴とする膜監視機能付き処理システムにある。

Claims (5)

  1. 設定値に基づいて動作し、フィルター装置及び前記フィルター装置の二次側に配置されたコントロールバルブを含む装置群と、
    前記フィルター装置の膜間差圧が所定圧力となるように前記設定値を計算し、前記設定値で前記装置群を動作させる制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    任意の時点における前記設定値である基準設定値と、現在の前記設定値である現在設定値との差に基づいて前記フィルター装置のフィルターの状態を判定する
    ことを特徴とする膜監視機能付き処理システム。
  2. 請求項1に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、
    前記基準設定値は、前記フィルターが正常であるときの前記設定値であり、
    前記制御装置は、前記基準設定値と前記現在設定値との差が所定値以内であるならば前記フィルターは正常であると判定する
    ことを特徴とする膜監視機能付き処理システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、
    前記基準設定値は、
    前記制御装置は、過去に実際に使用した前記設定値である実績設定値を前記基準設定値として記録するとともに、その使用をしたとき時に前記フィルターが異常又は正常の何れかの状態であったかを前記実績設定値に関連付けて記録し、
    前記現在設定値と前記実績設定値との差がない又は当該差が所定値以内であるならば、前記フィルターの現在の状態は前記実績設定値に関連づけられた前記フィルターの状態と同じであると判定する
    ことを特徴とする膜監視機能付き処理システム。
  4. 請求項3に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、
    前記制御装置は、前記実績設定値のうち前記現在設定値に該当するものがないならば、前記現在設定値を前記実績設定値として記録するとともに、前記フィルターが異常又は正常の何れかの状態であったかを前記実績設定値に関連づけて記録する
    ことを特徴とする膜監視機能付き処理システム。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の膜監視機能付き処理システムにおいて、
    前記基準設定値は、前記フィルター装置を洗浄する前における前記設定値であり、
    前記現在設定値は、前記フィルター装置を洗浄したあとにおける現在の前記設定値であり、
    前記制御装置は、前記基準設定値と前記現在設定値との差の変化に基づいて前記フィルターの状態を判定する
    ことを特徴とする膜監視機能付き処理システム。

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