JP2022013372A - ガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法 - Google Patents

ガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炉内の構造やサイズに関わらず、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせることができ、生産性が向上するとともに、消費エネルギーを削減することが可能なガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法を提供する。【解決手段】少なくとも、炉内に予熱空気G1を噴出させる第1ポート3と、第1ポート3の内部又は炉壁12Aに設けられ、炉内に燃料流体G2を噴出させる燃料噴出口4と、第1ポート3及び燃料噴出口4よりも下方であって、且つ、炉底13側に投入されるガラス原料Mよりも上方に配置され、炉内に支燃性流体G3を噴出させるランス2とを備え、炉内において、予熱空気G1、燃料流体G2及び支燃性流体G3を混合・燃焼させることでガラス原料Mを熔解させるガラス熔解炉1であり、ランス2は、支燃性流体G3の噴射方向が、ガラス原料Mの溶融面Lに対して水平方向で周期的に変化する自励振動型ランスである。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法に関するものである。
一般に、瓶ガラス等のガラス製品を製造するプロセスにおける、原料ガラスの熔解には、所謂エンド噴出ポート炉 (以下、EP炉と略称する場合がある。) と呼ばれるガラス熔解炉が用いられる(例えば、特許文献1を参照)。このEP炉は、例えば、熔解室、原料投入口 (ドッグハウス) 、一対の蓄熱室、及び、熔解室と蓄熱室とを接続する一対で横並びに配置された噴出ポート等を備えて構成される。このような構成を有するEP炉は、噴出ポート内に設置された燃料管から熔解室内に向けて燃料を噴出するとともに、蓄熱室で予熱された空気を熔解室内に噴出することで、空気と燃料とを混合・燃焼させ、その輻射熱によって熔解室内のガラス原料を熔解させる。この際、排ガスは他方の噴出ポートを介して蓄熱室を通過し、その熱が、蓄熱室内のチェッカー煉瓦に蓄熱される。そして、EP炉では、例えば、10分~30分程度の所定の周期で、各噴出ポートの機能が入れ替わることで、所謂交番燃焼が行われる。
ガラス熔解炉のライフサイクルは、概ね10年程度と、熔解炉としては比較的長めであるが、この長いライフサイクルの間に、ガラス揮発分がチェッカー煉瓦に次第に蓄積することで目詰まりを起こす場合がある。このため、ガラス熔解炉のライフサイクルの後期においては、炉内に送ることのできる予熱空気量が減少するため、燃料の流量を絞らざるをえないため、ガラス生産量が低下するという問題がある。そこで、熔解炉の延命措置として、所謂アンダーショットと呼ばれる処理が広く行われている。このアンダーショットとは、炉内にランスを追加設置し、酸素を炉内に直接吹き込むことで燃焼量を増加させ、蓄熱室の性能が劣化する分の熱補償を行う処理である(例えば、特許文献2を参照)。
特開2016-161216号公報 特開平09-315823号公報
上記のようなアンダーショットをEP炉に適用する場合、予熱空気による火炎煽りの影響や、構造上の制約等により、一般的に、噴出ポート内や噴出ポートの下方にランスが設置される。
しかしながら、生産性の向上や消費エネルギーの削減等の観点から、より効率的に、火炎の熱をガラス原料に伝えることが可能な技術が求められている。さらに、従来から用いられているような単管型のランスでは、炉内の広範囲に渡って熱補償を行う場合、複数の単管型ランスを設置する必要があり、炉の構造が煩雑になってしまうという問題がある。従って、炉壁のスペースが限られる場合には、複数の単管型ランスを設置することすら困難となり、生産性向上や消費エネルギーの削減を図ることができないという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、炉内の構造やサイズに関わらず、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせることができ、生産性が向上するとともに、消費エネルギーを削減することが可能なガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、少なくとも、炉内に予熱空気を噴出させるポートと、前記ポートの内部又は炉壁に設けられ、前記炉内に燃料を噴出させる燃料噴出口と、前記ポート及び前記燃料噴出口よりも下方であって、且つ、炉底側に投入されるガラス原料よりも上方に配置され、炉内に支燃性流体を噴出させるランスとを備え、前記炉内において、前記予熱空気、前記燃料及び前記支燃性流体を混合・燃焼させることで前記ガラス原料を熔解させるガラス熔解炉であって、前記ランスは、前記支燃性流体の噴射方向が、前記ガラス原料の溶融面に対して水平方向で周期的に変化する、自励振動型ランスであることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のガラス熔解炉であって、前記ランスが、前記炉内に露出した下流側に、前記支燃性流体を噴出する流体噴出口が設けられ、前記流体噴出口の上流側における流体噴出流路の側壁には、それぞれ対向する位置で一対の開口部が設けられているとともに、該一対の開口部同士が連通部で連通されており、前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面形状とされていることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のガラス熔解炉であって、前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状とされていることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項4に係る発明は、請求項1~請求項3の何れか一項に記載のガラス熔解炉であって、前記ポートが、それぞれ、炉内に予熱空気を噴出させる第1ポートと第2ポートとからなり、前記炉壁を平面視したとき、前記流体噴出口の拡開方向Xに沿った方向で並べて配置されていることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のガラス熔解炉であって、前記第1ポート及び前記第2ポートは、それぞれ内部に前記燃料噴出口が配置されていることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項6に係る発明が、請求項4又は請求項5に記載のガラス熔解炉であって、前記第1ポート及び前記第2ポートが、一方が前記予熱空気を噴出しているときは、他方が前記炉内の排ガスを炉内から排出することで、前記予熱空気を交互且つ周期的に前記炉内に噴出させる交番燃焼を行うことを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項7に係る発明は、請求項4~請求項6の何れか一項に記載のガラス熔解炉であって、前記炉壁を平面視したとき、前記拡開方向Xに沿った方向における、前記ランスの設置位置{Wlance}が、前記第1ポートの第1噴出口における相当径の中心線と、前記第2ポートの第2噴出口における相当径の中心線との間隔{Wmax}の範囲内であることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のガラス熔解炉であって、前記炉壁を平面視したとき、前記第1ポートと前記ランスとの間隔、及び、前記第2ポートと前記ランスとの間隔が等間隔であることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項9に係る発明は、請求項1~請求項8の何れか一項に記載のガラス熔解炉であって、前記ランスが、前記支燃性流体として酸化剤を前記炉内に噴出させることを特徴とするガラス熔解炉である。
請求項10に係る発明は、請求項1~請求項9の何れかに記載のガラス熔解炉を用い、前記炉内において、前記予熱空気、前記燃料及び前記支燃性流体を混合・燃焼させることで前記ガラス原料を熔解することを特徴とするガラス熔解炉の運転方法である。
本発明に係るガラス熔解炉によれば、上記のように、予熱空気を噴出させるポートと、炉内に燃料を噴出させる燃料噴出口と、ポート及び燃料噴出口よりも下方且つ炉底側に投入されるガラス原料よりも上方に配置され、炉内に支燃性流体を噴出させるランスとを備え、該ランスが、支燃性流体の噴射方向が、ガラス原料の溶融面に対して水平方向で周期的に変化する自励振動型ランスである構成を採用している。
このように、ガラス熔解炉に設けるランスを自動励振型とすることにより、炉内の構造やサイズに関わらず、簡便な構成で、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせて原料を加熱・熔解させることができ、さらに、炉の伝熱効率が高められる。
従って、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
また、本発明に係るガラス熔解炉の運転方法によれば、上記構成を備えた本発明に係るガラス熔解炉を用いた運転方法なので、上記同様、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせて原料を加熱・熔解することができ、さらに、炉の伝熱効率が高められる。従って、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
本発明の一実施形態であるガラス熔解炉を模式的に説明する図であり、図1(a)は、ランスの拡開方向Xに沿った水平方向における噴出方向の変動状態を示す破断図、図1(b)は、図1(a)中に示す破断線A-Aから見た図で、第1ポート及び燃料噴出口、ランス、並びに第2ポートが設けられた炉壁を示す平面図、図1(c)は、図1(a)中に示す破断線B-Bから見た図で、ガラス熔解炉の側方から見たランスの噴出方向を示す図である。 本発明の一実施形態であるガラス熔解炉を模式的に説明する図であり、図1(a)中に示したランスの構造を詳細に示す概略図である。 本発明の一実施形態であるガラス熔解炉を模式的に説明する図であり、図2に示すランスをC方向から見た平面図である。 本発明の一実施形態であるガラス熔解炉を模式的に説明する図であり、図4(a),(b)は、図2及び図3に示すランスの噴出方向の変動状態を示す断面図である。 本発明のガラス熔解炉及びその運転方法の実施例について説明する図であり、図5(a)は、ランスの拡開方向Xに沿った水平方向における噴出方向の変動状態を示す破断図、図5(b)は、図5(a)中に示す破断線D-Dから見た図で、第1ポート及び燃料噴出口、ランス、並びに第2ポートが設けられた炉壁を示す平面図、図5(c)は、図5(a)中に示す破断線E-Eから見た図で、ガラス熔解炉の側方から見たランスの噴出方向を示す図である。 本発明のガラス熔解炉及びその運転方法の実施例について説明する図であり、実施例及び比較例における、ランスの拡開方向Xに沿った方向での炉底の温度分布を示すグラフである。 本発明のガラス熔解炉及びその運転方法の実施例について説明する図であり、実施例及び比較例における、熔解室の奥行き方向での距離と炉底の温度分布との関係を示すグラフである。 本発明のガラス熔解炉及びその運転方法の実施例について説明する図であり、実施例及び比較例における、熔解室の奥行き方向での距離と炉底の伝熱量分布との関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した一実施形態であるガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法について、主に図1~図4を適宜参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明のガラス熔解炉及びその運転方法の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係るガラス熔解炉及びその運転方法は、例えば、瓶ガラス等のガラス製品を製造するプロセスにおいて、原料ガラスの熔解に用いることができ、特に、所謂エンド噴出ポート炉 (EP炉) と呼ばれる熔解炉に好適なものである。
<ガラス熔解炉の構成>
以下に、本実施形態のガラス熔解炉の構成について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス熔解炉1の構成を示す概略図であり、図1(a)は、ランス2の拡開方向Xに沿った水平方向における噴出方向の変動状態を示す破断図、図1(b)は、図1(a)中に示す破断線A-Aから見た図で、第1ポート3及び燃料噴出口4、ランス2、並びに第2ポートが設けられた炉壁12Aを示す平面図、図1(c)は、図1(a)中に示す破断線B-Bから見た図で、ガラス熔解炉1の側方から見たランス2の噴出方向を示す図である。また、図2は、図1(a)中に示したランス2の構造を模式的に示す概略図であり、図3は、図2に示すランス2をC方向、即ち正面側(先端の噴出口側)から見た平面図、図4(a),(b)は、図2及び図3に示すランス2の噴出方向の変動状態を示す断面図である。
なお、図1~図4は、各流路や噴出口等の配置関係等を示すための模式図であることから、ガラス熔解炉を構成する詳細な部分の図示を一部省略している。
本実施形態のガラス熔解炉1は、図1(a)~(c)に示すように、少なくとも、熔解室(炉内)11の内部に予熱空気G1を噴出させる第1ポート(ポート)3及び第2ポート(ポート)5と、第1ポート3及び第2ポート5の内部又は炉壁12Aに設けられ、熔解室11内に燃料流体(燃料)G2を噴出させる燃料噴出口4と、第1ポート3及び第2ポート5、並びに燃料噴出口4よりも下方であって、且つ、炉底13側に投入されるガラス原料Mよりも上方に配置され、熔解室11内に支燃性流体G3を噴出させるランス2とを備え、概略構成される。ガラス熔解炉1は、上記構成により、熔解室11内において、予熱空気G1、燃料流体G2及び支燃性流体G3を混合・燃焼させることでガラス原料Mを加熱し、熔解させる。
なお、本発明において、ランス2、第1ポート3及び第2ポート5、並びに燃料噴出口4の、各々の配置関係の既定・説明に用いている「上方」とは、鉛直方向で上側の位置を意味し、また、「下方」とは、延長方向で下側の位置を意味する。即ち、図1(b)中に示す炉壁12Aを平面視したとき、図中における縦長方向が鉛直方向であり、上記の「上方」及び「下方」とは、図中の縦長方向に沿った上下方向における配置関係を示す。
そして、本実施形態のガラス熔解炉1に備えられるランス2は、支燃性流体G3の噴射方向が、ガラス原料Mの溶融面Lに対して水平方向で周期的に変化する、自励振動型ランスとされている。
また、図1(a)~(c)に示す例においては、第1ポート3及び第2ポート5の内部に燃料噴出口4が配置され、それぞれ一体化された構成を示している。
また、図示例のガラス熔解炉1においては、炉壁12Aを平面視したとき、第1ポート3(及び燃料噴出口4)と、第2ポート5(及び燃料噴出口4)とが、流体噴出口21の拡開方向Xに沿った方向で並べて配置されることで、所謂EP炉を構成している。
図1(a)~(c)に示すように、ガラス熔解炉1は、板状で複数の炉壁12及び炉底13により、ガラス原料Mが熔融する空間となる熔解室11全体が囲まれており、概略直方体状の熔解室11が確保された構成を有している。そして、複数の炉壁12のうちの一つである炉壁12Aに、上記の第1ポート3(及び燃料噴出口4)、ランス2、並びに第2ポート5(及び燃料噴出口4)が、それぞれ、同一面となる炉壁12Aを貫通するように設けられている。また、図示例においては、炉壁12Aと直交するように設けられる炉壁12Bに、熔解室11内にガラス原料Mを投入するための原料投入口14が設けられている。
熔解室11を形成する炉壁12及び炉底13の材質としては、特に限定されず、各種の耐火耐熱材料を用いることができるが、例えば、この分野で従来から用いられている耐火煉瓦等を採用することが好ましい。
ランス2は、上述したように、例えば、酸素を含むガス等からなる支燃性流体G3を噴出させるものであり、炉壁12Aを平面視したとき、詳細を後述する第1ポート3、燃料噴出口4、及び第2ポート5よりも下方に配置され、且つ、炉底13側に投入されるガラス原料Mよりも上方に配置される。図1(a)~(c)に示す例では、炉壁12Aにおいて、第1ポート3(及び燃料噴出口4)とランス2との間隔、並びに、第2ポート5(及び燃料噴出口4)とランス2との間隔が、各々の中心間距離で概略等間隔となるように配置されている。
図2及び図3に示すように、ランス2は、熔解室11内に露出した下流側に、支燃性流体G3を噴出する流体噴出口21が設けられている。また、流体噴出口21の上流側における流体噴出流路22の側壁23,23には、それぞれ対向する位置で一対の開口部24a,24bが設けられているとともに、これら一対の開口部24a,24b同士が連通部25で連通されている。
なお、本発明において既定・説明する「上流側」及び「下流側」とは、各流体の流れ方向に基づく位置を表す。例えば、ランス2においては、支燃性流体G3の流れ方向における下流側に流体噴出口21が配置され、支燃性流体G3の流れ方向における流体噴出口21よりも上流側に流体噴出流路22が配置される。
流体噴出口21は、上流側の流体噴出流路22から支燃性流体G3が供給されることで、外部に支燃性流体G3を噴出する開口部(ノズル)として構成される。流体噴出口21は、後述するように、流体噴出流路22における断面形状が略矩形状とされていることに伴い、その平面視形状が、図2中に示すような矩形状とされている。
流体噴出流路22は、導入口22aに図示略の流体供給管路が接続されることで支燃性流体G3が導入され、流体噴出口21から噴出させる。また、流体噴出流路22は、例えば、流体(ガス)流れ方向に直交する方向での断面形状が略矩形状に形成されていることで、上述したような一対の側壁23,23を有している。これにより、上述したように、一対の側壁23,23に、それぞれ対向して配置され、連通部25で連通される一対の開口部24a,24bが配置される。
また、流体噴出流路22は、上記のように、開口部24a,24bよりも下流側における一対の側壁26,26の間隔が、下流側に向かって漸次拡開する断面形状となるように形成されており、図示例では、断面扇形状に形成されている。即ち、流体噴出流路22を構成する一対の側壁26,26は、縦断面が略V字状となる一対の側壁として形成されている。また、流体噴出流路22における開口部24a,24bよりも上流側は、対向した各側壁間が略平行に延在した、断面略矩形状の角筒型流路27として形成されている。
本実施形態のガラス熔解炉1に備えられるランス2は、上記構成のように、流体噴出流路22をなす一対の側壁23,23に、連通部25で連通した一対の開口部24a,24bを対向して配置することで、流体噴出口21から噴出する支燃性流体G3に、図3中に示すR方向で、所謂フリップフロップノズルの自励振動を発生させることができる。即ち、図4(a),(b)に示すように、ランス2においては、流体噴出流路22の角筒型流路27から流れる支燃性流体G3が、一対の開口部24a,24bの間を通り抜けて、断面扇形状とされた一対の側壁26,26間に流入した際、この側壁26の一面26a及び他面26bに交互に付着するように自励振動しながら、流体噴出口21から噴出する。
上記のような自励振動による流体の振幅や周波数は、一対の開口部24a,24b、一対の側壁26,26及び連通部25の各部における寸法や、流体の流速等の各種条件に応じて変化する。そこで、これらの各部における寸法を最適に設定することにより、流体噴出口21から噴出する流体を、一定程度の範囲内で、所望の角度及び周波数で振動させるように調整することが可能になる。
なお、フリップフロップノズルによる自励振動は、上記のように、一対の開口部24a,24b間を連通部25で連通させることで発生させることができる。一方、上記のような自励振動は、例えば、一対の開口部24a,24b間を連通する連通部25の経路上に、図示略の圧力制御機構を設けることで発生させることも可能である。このような圧力制御機構を設けることにより、例えば、一方の開口部24aの圧力が静圧より低い圧力に制御されるときには、他方の開口部24bの圧力が静圧よりも高い圧力になるように制御され、一対の開口部24a,24bの圧力を交互に反転させることができる。このように、一対の開口部24a,24bの圧力を交互に反転させることで、流体噴出口21から噴出する支燃性流体の噴出方向を周期的に変化させ、上記のような自励振動を発生させることが可能になる。
より詳細に説明すると、図示略の圧力制御機構を用いて、一方の開口部24aの圧力を静圧よりも低くし、対向する位置に配置された他方の開口部24bの圧力を静圧よりも高くすると、図4(a)に示すように、支燃性流体G3の流れは、一対の側壁26の一面26a側に傾いて噴出する。一方、一方の開口部24aの圧力を静圧よりも高くし、他方の開口部24bの圧力を静圧よりも低くすると、図4(b)に示すように、支燃性流体G3の流れは、一対の側壁26の他面26b側に傾いて噴出する。本実施形態のガラス熔解炉1に備えられるランス2は、上記のような構成及び動作により、支燃性流体G3の噴出方向を周期的に変化させて流体噴出口21から噴出させることができる。
また、図2中に示した、流体噴出流路22における一対の側壁26の開き角度、即ち、流体噴出口21の開口角度αは、特に限定されず、所望する火炎F(図1(a)を参照)の開き角度を勘案しながら設定すればよい。一方、流体噴出口21の開口角度αは、流体の噴出方向の振動を安定的に発生させ、均一な加熱を実現する観点からは、90°以下とすることが好ましい。
また、支燃性流体G3を自動励振作用で噴出するランス2は、図示例のような1箇所のみに設けられた構成には限定されず、複数設置されていてもよい。この場合、例えば、第1ポート3及び第2ポート5の各々に近接させて、ランス2を2箇所に設置してもよい。このように、ランス2を2箇所で設置する場合には、伝熱効率の観点から、第1ポート3と第2ポート5との配置関係と同様、炉壁12Aを平面視したときの横幅方向で対称となるように均等配置されていることが好ましい。
また、本実施形態のガラス熔解炉1に備えられる自動励振型のランス2は、例えば、酸素を含むガス等からなる支燃性流体G3を噴出するものであるが、これには限定されず、燃料流体や酸化剤、及びそれらの混合物等、任意の流体の噴出に用いることも可能である。
第1ポート3は、上述したように、熔解室11内に予熱空気G1を噴出させるものであり、図1(a)~(c)に示す例においては、炉壁12Aを平面視したとき、ランス2の上方であって、且つ、詳細を後述する第2ポート5と水平方向に沿って並べられるように配置されている。即ち、第1ポート3は、ランス2に備えられる流体噴出口21の拡開方向Xと直交する方向の位置(図1中の縦長方向における上側)に配置される。また、上述したように、図示例では、第1ポート3の内部に燃料噴出口4が配置され、一体化されている。
第1ポート3は、ランス2に対し、流体噴出口21から噴出される支燃性流体G3の自動振動方向と直交する方向に離間した位置で配置されている。また、図1(a)~(b)に示す例では、第1ポート3は、詳細を後述する第2ポート5とともに、流体噴出口21の拡開方向Xに沿って並べられて配置され、第1ポート3と第2ポート5とが、流体噴出口21の拡開方向Xに直交する中心線Sを介して均等配置されている。
第1ポート3の平面視形状としては、特に限定されないが、図1(b)に例示するような平面視矩形状の他、例えば、スリット形状や円形状とすることも可能である。
燃料噴出口4は、上述したように、炉内に燃料流体(燃料)G2を噴出させるものであり、図1(a)~(c)では詳細な図示を省略しているが、炉壁12Aにおいて、第1ポート3及び第2ポート5の内部に配置されることで、これら第1ポート3及び第2ポート5と一体化されている。つまり、燃料噴出口4も、図1(a)~(b)に示す例では、炉壁12Aを平面視したとき、ランス2の上方であって、且つ、第1ポート3又は第2ポート5と同様に、水平方向に沿って並べられるように配置されている。即ち、燃料噴出口4は、第1ポート3及び後述の第2ポート5と同様、ランス2に備えられる流体噴出口21の拡開方向Xと直交する方向の位置(図1中の縦長方向における上側)に配置される。
つまり、燃料噴出口4も、ランス2に対して、流体噴出口21から噴出される支燃性流体G3の自動振動方向と直交する方向に離間した位置で配置される。また、第1ポート3及び第2ポート5内に配置された燃料噴出口4は、これら第1ポート3及び第2ポート5と同様、流体噴出口21の拡開方向Xに沿って並べられて配置され、且つ、流体噴出口21の拡開方向Xに直交する中心線Sを介して均等配置されている。
燃料噴出口4の平面視形状としても、特に限定されず、第1ポート3及び第2ポート5と同様、例えば、平面視矩形状の他、スリット形状や円形状とすることも可能である。
燃料噴出口4は、上述したように、第1ポート3及び第2ポート5の内部に配置することで、予熱空気G1及び燃料流体G2を共に噴出させることが可能となる。即ち、第1ポート3及び第2ポート5と燃料噴出口4とが、実質的に同軸上に配置されることになるので、予熱空気G1と燃料流体G2とが効果的に混合され、燃焼効率が向上する効果が得られる。
なお、燃料噴出口4を、例えば、第1ポート3又は第2ポート5の外部に配置することで、予熱空気G1及び燃料流体G2を別々に噴出させる構成とすることも可能である。このような場合には、図示は省略するが、例えば、第1ポート3、燃料噴出口4、及び第2ポート5を、流体噴出口21の拡開方向Xに沿った方向で並べて配置してもよい。
第2ポート5は、第1ポート3と同様、熔解室11内に予熱空気G1を噴出させる機能を有するものであり、図1(a)~(c)に示す例においては、炉壁12Aを平面視したとき、ランス2の上方であって、且つ、第1ポート3と水平方向に沿って並べられるように配置されている。即ち、第2ポート5は、ランス2に備えられる流体噴出口21の拡開方向Xと直交する方向の位置(図1中の縦長方向における上側)に配置される。また、図示例では、第1ポート3と同様、第2ポート5の内部に燃料噴出口4が配置され、一体化されている。
そして、第2ポート5も、第1ポート3と同様、流体噴出口21から噴出される支燃性流体G3の自動振動方向と直交する方向に離間した位置で配置される。図示例においては、第2ポート5は、第1ポート3とともに、流体噴出口21の拡開方向Xに沿って並べられて配置され、且つ、流体噴出口21の拡開方向Xに直交する中心線Sを介して均等配置されている。
第2ポート5の平面視形状としても、特に限定されず、第1ポート3と同様、図1(b)に例示するような平面視矩形状の他、例えば、スリット形状や円形状とすることも可能である。
なお、図1(a)~(c)に示す例においては、第1ポート3と第2ポート5とが、流体噴出口21の拡開方向Xに沿った方向で並べて配置されているが、これには限定されない。例えば、第1ポート3と第2ポート5とが、拡開方向Xと直交する方向にずれた位置で配置されていてもよい。
本実施形態のガラス熔解炉1は、上記構成により、直方体状の熔解室11を確保する炉壁12のうち、同一面となる炉壁12Aに、第1ポート3(及び燃料噴出口4)と、第2ポート5と(及び燃料噴出口4)が、流体噴出口21の拡開方向Xに沿って並べて配置されることで、所謂エンドポート炉(EP炉)として構成されている。
本実施形態においては、自動励振型のランス2と、第1ポート3及び第2ポート5、並びに燃料噴出口4との配置関係を上記のように構成することで、支燃性流体G3、予熱空気G1及び燃料流体G2を効率的に混合して燃焼させる混合・燃焼形態とすることができる。これにより、熔解室11の構造やサイズに関わらず、簡便な構成で、熔解室11内の広範囲に渡って熱補償を行き渡らせてガラス原料Mを加熱・熔解させることができるとともに、熔解室11内の伝熱効率を高めることが可能になる。従って、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
また、本実施形態のガラス熔解炉1によれば、上記のような自動励振型のランス2を用いることで、1本のランス2が、仮想的に複数のランスのように機能する。これにより、従来のような単管型のランスを用いた場合と比較して、熔解室11の内部を均一に加熱することが可能になる。さらに、図1(a)~(c)に示す例においては、特に原料投入口14付近を優先加熱することも可能になる。これにより、熔解室11内の広範囲に渡って熱補償を行き渡らせてガラス原料Mを加熱・熔解させることができるとともに、熔解室11内の伝熱効率が高められるので、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
本実施形態のガラス熔解炉1においては、例えば、第1ポート3及び第2ポート5は、一方が予熱空気G1を噴出しているときは、他方が熔解室11内の排ガスG4を熔解室11内から排出することで、予熱空気G1を交互且つ周期的に熔解室11内に噴出させる、所謂交番燃焼を行うことが好ましい。
この場合、燃料噴出口4は、それぞれ配置される第1ポート3又は第2ポート5の噴出形態に合わせ、これらと同様、燃料流体G2を、交互且つ周期的に熔解室11内に噴出させる。図1(a)~(c)においては、第1ポート3及び第1ポート3内に設けられる燃料噴出口4から予熱空気G1又は燃料流体G2が噴出される一方、第2ポート5及び第2ポート5内に設けられる燃料噴出口4からは各流体が噴出されず、第2ポート5から、燃焼によって生じた排ガスG4や残余の各流体を外部に排出させるパターンを示している。
上記のような交番燃焼は、例えば、図視略の流体制御装置や配管切り替え部等を設けることによって実施できる。
本実施形態のガラス熔解炉1は、上記構成により、一体化された第1ポート3及び燃料噴出口4、又は、第2ポート5及び燃料噴出口4から、予熱空気G1又は燃料流体G2が熔解室11内に向けて噴出されることで火炎Fを形成する。
一方、これら各ポートのうち、交番燃焼のパターンによって予熱空気G1を噴出していない側のポート、即ち、図示例における第2ポート5には、熔解室11から排ガス(燃焼ガス)G4が流れ込み、下流側に配置された図視略のチェッカー煉瓦を通過することで、排ガスG4の持ち出し顕熱がチェッカー煉瓦に蓄熱される。そして、本実施形態においては、チェッカー煉瓦に蓄熱された熱により、外部から取り入れた空気を予熱することで、一定の温度まで予熱された予熱空気G1を、第1ポート3から熔解室11内に向けて噴出することが可能になる。
上記のような交番燃焼の周期としては、特に限定されないが、例えば、15~20分程度で各ポートの役割(噴出(火炎形成)又は排気(蓄熱))が入れ替わるように、図視略の流体制御装置において、適宜設定することが可能である。
本実施形態のガラス熔解炉1においては、第1ポート3と第2ポート5との間隔と、ランス2の位置との関係は、特に限定されず、例えば、予熱空気G1、燃料流体G2及び支燃性流体G3の流速や流量等を勘案しながら適宜決定することができる。
一方、本実施形態では、図1(b)~(c)中に示す炉壁12Aを平面視したとき、拡開方向Xに沿った方向における、ランス2の設置位置{Wlance}が、第1ポート3の第1噴出口31における相当径の中心線C1と、第2ポート5の第2噴出口51における相当径の中心線C2との間隔{Wmax}の範囲内であることがより好ましい。
即ち、本実施形態においては、第1噴出口31の中心線C1と、第2噴出口51の中心線C2との間隔{Wmax}に対し、ランス2の設置位置{Wlance}が拡開方向Xで最も外側に寄った場合であっても、第1噴出口31又は第2噴出口51に対応する位置であるか、あるいは、それよりも内側であることがより好ましい。
第1ポート3と第2ポート5との間隔と、ランス2の設置位置との関係を、上記のような範囲に規定することで、ランス2が、図1(b)中における横幅方向で、第1ポート3又は第2ポート5よりも外側に配置されることがない。これにより、交番燃焼によって第1ポート3及び第2ポート5における噴出形態が切り替わった場合でも、ほぼ同じ条件で火炎Fを形成できるので、熔解室11内における伝熱効率が高められる。
上記の第1ポート3における第1噴出口31の中心線C1と、第2ポート5における第2噴出口51の中心線C2との間隔{Wmax}に対するランス2の設置位置{Wlance}が、上記の間隔{Wmax}の範囲内から外れていると、ランス2が、拡開方向Xで、第1ポート3又は第2ポート5よりも外側に配置されることになる。このような配置形態で第1ポート3と第2ポート5とを交番燃焼させた場合、噴出形態が切り替わったときの火炎形成条件が大きく異なるものとなることから、熔解室11内における加熱状態が均一になり難くなるとともに、高い伝熱効率が得られ難くなるおそれがある。
なお、本発明で説明する、「第1ポート3の第1噴出口31の相当径」、並びに、「第2ポート5の第2噴出口51の相当径」とは、図1(b)中に示した噴出口31又は噴出口51における、ランス2の開口方向に沿った方向の開口寸法のことをいう。また、上記の中心線C1,C2とは、上記の各開口寸法における、拡開方向Xに沿った方向での中心線のことをいう。
また、交番燃焼による噴出形態の切り替え時に、可能な限り同じ条件で火炎Fを形成することで、熔解室11内における伝熱効率をさらに高める観点からは、炉壁12Aを平面視したとき、第1ポート3(及び燃料噴出口4)とランス2との間隔、並びに、第2ポート5(及び燃料噴出口4)とランス2との間隔が概略等間隔であることがより好ましい。
一方、炉壁12Aにおけるランス2の位置が低すぎると、熔解室11内に貫通させたランス2の設置用の孔から熔融ガラスが炉外に流出するおそれがある。このため、本実施形態においては、炉壁12Aにおけるランス2の設置位置を、ガラス原料Mの熔融面Lよりも上方とすることが好ましい。
また、第1ポート3及び第2ポート5の周辺は、ランス2を設置できるスペースが大幅に限定されることから、ランス2の設置位置を、第1ポート3と第2ポート5との間の中心に対応する位置とすることが好ましい。
なお、第1ポート3並びに第2ポート5は、図1(a)~(c)に示す例においては、それぞれ1箇所ずつ設けられているが、これらの設置数は、特に限定されず、例えば、予熱空気G1や、燃料噴出口4)から噴出する燃料流体G2の流速や流量等を勘案しながら適宜決定することができる。
また、本実施形態のガラス熔解炉1においては、ランス2から噴出される支燃性流体G3の噴出量、第1ポート3及び第2ポート5から噴出される予熱空気G1の噴出量、並びに燃料噴出口4から噴出される燃料流体G2の噴出量を、それぞれ個別に制御可能に構成されていることが好ましい。このように、各流体の噴出量を個別に制御する方法としては、詳細な図示を省略するが、例えば、ランス2、第1ポート3及び第2ポート5、並びに燃料噴出口4に接続されて各流体を供給する各管路に、それぞれ、流量制御手段を設けること等が挙げられる。
ここで、本実施形態において、第1ポート3に供給する予熱空気G1としては、上述したような、この分野で通常用いられている、上流側に設置された図視略のチェッカー煉瓦によって予熱された空気を何ら制限無く用いることができる。
また、燃料噴出口4に供給する燃料流体G2としては、例えば、天然ガスの他、燃料として、可燃性であること、水に不溶であること、及び単位体積当たりの発熱量が大きいこと等の条件を満たすものを含むガスが挙げられる。具体的には、燃料流体G2として、例えば、液化石油ガス(LPG)、都市ガス、メタン等の炭化水素系のものを含むガスが挙げられる。
また、ランス2に供給する支燃性流体G3としては、例えば、酸素富化空気、酸素、又は酸化剤等が挙げられる。
<ガラス熔解炉の運転方法>
次に、上記構成を備えた本実施形態のガラス熔解炉1を用いた運転方法(以下、「運転方法」と略称する場合がある。)について説明する。
本実施形態の運転方法は、例えば、上記構成とされた本実施形態のガラス熔解炉1を用いる方法であり、炉内において、予熱空気G1、燃料流体(燃料)G2及び支燃性流体G3を混合・燃焼させることでガラス原料Mを溶解する方法である。
具体的には、先ず、原料となるガラス原料Mを、原料投入口14から熔解室11内に投入する。
次いで、例えば、熔解室11内に向けて、第1ポート3から予熱空気G1を噴出するとともに、第1ポート3内に設けられた燃料噴出口4から燃料流体G2を噴出し、さらに、ランス2から支燃性流体G3を噴出することで、熔解室11内に火炎Fを形成する。これにより、ガラス原料Mを熔解させ、外部に取り出すことでガラス製品の材料に供する。
この際の予熱空気G1、燃料流体G2及び支燃性流体G3の流速は、特に限定されず、例えば、ガラス原料Mを熔解させる各種条件を勘案しながら、任意に設定・変更することが可能である。
この際、本実施形態の運転方法においては、上述したように、第1ポート3及び第2ポート5のうち、一方が予熱空気G1を噴出しているときは、他方が熔解室11内の排ガスG4を熔解室11内から排出することで、予熱空気G1を交互且つ周期的に熔解室11内に噴出させる、所謂交番燃焼を行うことができる。
本実施形態の運転方法は、上記構成とされた本実施形態のガラス熔解炉1を用いてガラス原料Mを熔解させる方法なので、第1ポート3及び第2ポート5に対する配置位置が最適化された自動励振型のランス2の作用により、ランス2の中心軸Jから離れた位置であっても、広範囲に渡って熱補償を均一に行き渡らせてガラス原料Mを加熱・熔解できる。さらに、本実施形態の運転方法によれば、熔解室11内の伝熱効率もより高められる作用が得られる。
なお、本実施形態のガラス熔解炉1の運転方法における加熱対象(被加熱物)としては、上記のようなガラス製品の製造プロセスで用いられる中間製品(熔融ガラス)等には限定されず、例えば、高熱で均一な加熱を必要とする各種の被加熱物を加熱するプロセスにおいて、何ら制限無く適用することが可能である。
<本発明の他の形態>
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は上記のような特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、図1(a)~(b)に示すガラス熔解炉1においては、炉壁12のうちの同一の面(炉壁12A)に、第1ポート3及び第2ポート5が一対となるように並べて配置された、所謂エンド噴出ポート炉を例に挙げて説明しているが、本発明のガラス熔解炉は、これには限定されない。例えば、本発明のような自動励振型のランスを用いた構成は、第1ポートと第2ポートとが、それぞれ対向する炉壁に配置された、所謂サイド噴出ポート炉(例えば、特開2002-284532号公報等を参照)に適用することも可能であり、この場合においても、エンド噴出ポート炉の場合と同様の効果が得られる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態のガラス熔解炉1によれば、予熱空気G1を噴出させる第1ポート3及び第2ポート5と、熔解室11内に燃料流体G2を噴出させる燃料噴出口4と、第1ポート3及び第2ポート5、並びに燃料噴出口4よりも下方且つ炉底13側に投入されるガラス原料よりも上方に配置され、熔解室11内に支燃性流体G3を噴出させるランス2とを備え、このランス2が、支燃性流体G3の噴射方向が、ガラス原料Mの溶融面Lに対して水平方向で周期的に変化する自励振動型ランスである構成を採用している。
このように、ガラス熔解炉1に設けるランス2を自動励振型とすることにより、熔解室11内の構造やサイズに関わらず、簡便な構成で、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせてガラス原料Mを加熱・熔解させることができ、さらに、熔解室11の伝熱効率が高められる。
従って、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
また、本実施形態のガラス熔解炉1の運転方法によれば、上記構成を備えたガラス熔解炉1を用いた運転方法なので、上記同様、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせてガラス原料Mを加熱・熔解することができ、さらに、熔解室11の伝熱効率が高められる。従って、生産性が向上するとともに、ガラス製品を製造する際の消費エネルギーを削減することが可能になる。
以下、本発明のガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法について、実施例を示してより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<ガラス熔解炉の仕様及び評価方法>
本実施例においては、図5(a)~(c)に示すような構成とされたガラス熔解炉の模擬試験炉を準備し、以下に示す各条件で燃焼・加熱試験を行った。
図5(a)~(c)に示した模擬試験炉は、図1(a)~(c)に示したガラス熔解炉1と同様、図2~図4に示すような、自動励振型のランス2を備える。ここで、図5(a)は、ランス2の拡開方向Xに沿った水平方向における噴出方向の変動状態を示す破断図であり、図5(b)は、図5(a)中に示す破断線D-Dから見た図で、第1ポート3及び燃料噴出口4、ランス2、並びに第2ポート5が取り付けられた炉壁12Aを示す平面図、図5(c)は、図5(a)中に示すE-E断面図で、ガラス熔解炉1の側方から見たランス2の噴出方向を示す図である。
なお、図5(a)~(c)中に示す模擬試験炉において、図1(a)~(c)に示した本発明に係るガラス熔解炉1と同じ構成については、同じ符号を付与するとともに、本実施例においても同じ名称を使用するものとする。
図5に示す模擬試験炉は、熔解室11に設置した抜熱体Hをガラス原料に見立てて、実際の熔解炉における伝熱状況を模擬するものである。従って、図5に示す模擬試験炉は、図1に示した本発明に係るガラス熔解炉1とほぼ同等の構成を有している一方、実験データ取得用の試験炉のため、熔解室11内にはガラス原料の投入が不要であることから、原料投入口が設けられていない。
本実施例で用いた模擬試験炉においては、ガラス原料の熔融面に対する伝熱量の評価を行うことを目的として、熔解室11の炉底13上に抜熱体Hを設置している。本実施例では、この抜熱体Hへの伝熱量を測定する模擬的な方法により、上記の伝熱量を測定した。
ここで、一般に、熔解室11内において原料投入口付近に配置されるガラス原料は、火炎Fとの温度差が大きいことから、火炎Fの熱を効果的に吸収する。一方、熔融したガラス」原料を取り出すための出口付近に配置されたガラス原料は、火炎Fとの温度が小さいことから、火炎Fの熱を吸収し難くなる。そこで、本実施例においては、ガラス原料が熔解室11内に投入された状態を模擬するために、熔解室11の前方側(炉壁12A側)に抜熱体Hを密集させて配置した。
また、本実施例においては、熔解室11を形成する天板面及び炉底13に熱電対Sを設置して温度を測定し、温度分布評価を実施した。
また、燃料噴出口4から噴出させる燃料流体G2には都市ガスを用い、各条件において所定の発熱量となるように都市ガスの流量を調整した。この都市ガスは、炉壁12Aにおいて、第1ポート3及び第2ポート5よりも下方に設置した燃料噴出口4から熔解室11内に向けて噴出させた。即ち、図1(a)~(c)に示したガラス熔解炉1においては、燃料噴出口4が第1ポート3及び第2ポート5の内部に配置されているのに対し、図5(a)~(c)に示した模擬試験炉は、燃料噴出口4を炉壁12Aに設置し、予熱空気G1と燃料流体G2とを別個に噴出できる構成とされている。
ここで、燃料噴出口4から噴出させる燃料流体G2は、流速が80m/sとなるように調整した。
また、第1ポート3又は第2ポート5から噴出させる予熱空気G1は、予め所定の温度まで予熱したうえで、流速が6m/sとなるように調整した。
即ち、本実施例においては、熔解室11内の温度が一定となるように、それぞれの条件を調整した。具体的には、熔解室11を形成する天板面の平面方向で中心付近に7つの熱電対Sを設置し、その平均温度が1400℃になるように、それぞれの実施例及び比較例において、燃料流体G2及び予熱空気G1の噴出量を調整した。
また、図5(a)~(c)に示す模擬試験炉においては、炉壁12Aにおける第1ポート3及び第2ポート5よりも下方にランスを設置し、このランスから熔解室11内に向けて酸素ガスからなる支燃性流体G3を噴出した。
ランスとしては、比較例1~3には従来型の単管型ランスを用い、実施例1~3には、図2~図4に示すような自励振動型のランス2を用いた。
また、ランスから噴出させる支燃性流体G3の流速は180m/sとなるように調整した。
また、実施例1~3における自励振動型のランス2の仕様及び運転条件としては、流体噴出口21の開口角度αが20°のものを用い、自励振動数が20Hzとなるように調整した。
そして、本実施例では、ランス2から噴出される支燃性流体G3、第1ポート3から噴出される予熱空気G1、及び燃料噴出口4から噴出される燃料流体G2を混合・燃焼させ、下記表1中に示した条件で評価を実施した。
なお、本実施例においては、後述するように、伝熱量分布(η)及び伝熱効率(η)の詳細な評価を実施した。
これら伝熱量分布(η)及び伝熱効率(η)については、下記式(1)、(2)によって導出した。
η=(Q/Qtotal)×100 ・・・・・(1)
η=Σ(η) ・・・・・(2)
但し、上記式(1)、(2)において、「Q」は各抜熱体Hへの伝熱量であり、「Qtotal」は、熔解室11内に投入された総熱量 (燃料流体G2によって生じた熱量+予熱空気G1によって生じた熱量)である。
本実施例においては、上記のような方法により、運転条件が、炉内温度分布、伝熱効率、及び、その他の炉内状況に対して与える影響について、評価を行った。
下記表1に、実施例1~3及び比較例1~3における運転条件及び評価結果の一覧を示す。
また、図6のグラフに、実施例1~3及び比較例1~3における、ランスの拡開方向Xに沿った方向(熔解室の奥行き方向における位置:Ly=0.17Dmax(図5参照))での炉底の温度分布を示す。
また、図7のグラフに、実施例1~3及び比較例1~3における、第1ポート及び第2ポート、燃料噴出口、並びにランスの噴出口からの距離(熔解室の奥行き方向での距離)と炉底の温度分布との関係を示す(熔解室の横幅方向における位置:Lx=0(図1(b)及び図5(b)中に示したWmaxにおける横幅方向の右側を参照))。
また、図8のグラフに、実施例1~3及び比較例1~3における、第1ポート及び第2ポート、燃料噴出口、並びにランスの噴出口からの距離(熔解室の奥行き方向での距離)と伝熱量分布との関係を示す。
Figure 2022013372000002
<評価結果>
実施例1~3においては、自励振動型のランス2の設置位置を、Lx=-0.23からLx=0.5Wmaxの間で変化させ、評価を行った。
なお、本実施例で用いた模擬試験炉は、炉形状(熔解室の形状)が左右対称であることから、Lx=0.5WmaxからLx=Wmaxの範囲においては、Lx=-0.23からLx=0.5Wmaxの間で変化させた場合と同様の結果が得られることが想定されるため、試験を実施していない。
また、比較例1~3においては、実施例1~3で用いたランス2と同じ位置に、従来型の単管型ランスを設置し、実施例1~3の場合と同様に設置を変化させ、同様の評価を行った。
表1及び図6のグラフに示すように、実施例1~3において、自動励振型のランス2の設置を、「実施例1」→「実施例2」→「実施例3」の順で、炉壁12Aと直交する炉壁12B側に近づけてゆくと、この炉壁12Bの壁面付近の温度が上昇した。これは、ランス2から噴出した支燃性流体G3(酸素)と燃料流体G2とから形成された火炎Fが、ランス2の位置を炉壁12B側に近づけることで、火炎Fがより壁面付近に寄った位置で形成され、壁面が優先的に加熱されたためと考えられる。
ここで、実施例3においては、ランス2の設置位置が第1ポート3又は第2ポート5よりも外側であることから、炉壁12Bの壁面の温度が1500℃付近まで上昇しており、実施例1及び実施例2が1400℃付近までの上昇であったのに対して、温度上昇幅が若干大きめとなっている。一般に、炉壁面の温度が上昇し過ぎる運転条件は、炉壁の損傷の進行を招き、炉寿命を縮める原因となるため、この観点からは、実施例1及び実施例2の運転条件が最適と考えられる。しかしながら、実施例3における評価結果も、実施例1及び実施例2に対して温度上昇率で比較した場合、その差は、ガラス製品の製造プロセスにおける炉寿命の観点からは特に問題無い範囲であり、また、本発明によって得られる、広範囲に渡って熱補償を均一に行き渡らせることができる効果も十分に確認できるものであった。
ここで、EP炉(エンド噴出ポート炉)の場合、互いに隣り合って並べられるポート同士で交番燃焼が行われるが、上述したように、噴出ポートが切り替わった場合でも、同様の条件で火炎を形成できることが望まれる。表1及び図6のグラフに示す結果より、互いに隣り合って配置されたポートに対し、炉幅方向で中央にランス2が配置された実施例1は、噴出ポートが切り替わった場合でも、同様の条件で火炎を形成できていることがわかる。従って、実施例1のように、自励振動型のランス2を、隣り合って配置されたポートに対して、炉幅方向で中央に配置することが、伝熱効率を向上させる観点から最適であることが明らかである。
また、図6のグラフに示す結果から、自励振動型のランス2は、単管型のランス(比較例1~3を参照)よりも広範囲にわたって温度を上昇させられることがわかる。これは、従来の単管型ランスは、炉内(熔解室内)の奥行き方向で直線的に支燃性流体G3を噴出するのに対し、自励振動型のランス2は、水平方向で噴出方向を変化させながら支燃性流体G3を噴出するためと考えられる。
上記のような評価結果より、ガラス熔解炉に自動励振型のランスを適用することで、炉内(熔解室内)の広範囲に熱補償を行き渡らせる場合であっても、その構造が煩雑にならず、また、限らせたスペースにおいても広範囲の熱補償が可能となることが確認できた。
また、本実施例において、実施例1~3で用いたランス2と同じ位置に従来型の単管型ランスを設置することで、比較検討実験として実施した比較例1~3では、炉壁12B付近の温度が大きく上昇することは無かった。これは、比較例1~3で用いた単管型のランスは、自動励振型のランスとは異なり、炉内の奥行き方向で直線的に支燃性流体G3を噴出することから、炉壁12Bに近い位置では火炎が形成されなかったためと考えられる。
また、図8のグラフ中に示すように、比較例1~3では、実施例1~3の結果に対して、特に、炉内の奥行き方向での伝熱量分布に変化が見られる。図8のグラフ中に示す結果からも、実施例1~3は、比較例1~3と比較して伝熱効率に優れていることがわかる。
また、図7のグラフに示すように、比較例1~3では、温度分布で極大となる位置が、実施例1~3の場合と比較して、より奥行き方向で延びる様子が確認された。この理由としては、以下に挙げるような点が考えられる。
まず、自励振動型のランスを用いた実施例1~3では、熔解室11における上流側(炉壁12A側)において、支燃性流体G3と燃料流体G2とが効果的に混合されて火炎が形成され、この位置で高温領域が形成される。一方、単管型のランスを用いた比較例1~3では、自励振動型のランスと比較して混合タイミングが遅くなることから、完全燃焼する位置がより後段側(下流側)になるため、この位置に高温領域が形成される。
ここで、図5(a)~(c)中に示した模擬試験炉においては、抜熱体Hが熔解室11における上流側(炉壁12A側)に密に配置されている。このため、熔解室11における上流側に高温領域を形成する、自励振動型のランス2を用いた実施例1~3では、より効率的に抜熱体Hへ伝熱し、伝熱量が増加し、伝熱効率が向上したと考えられる。
さらに、上記の評価結果について考察する。
まず、比較例1~3においては、火炎の最高温度が、炉(熔解室)の中央から後方側(下流側)に分布している。ここで、炉の中央から後方側では、ガラス原料が既に加熱され、比較的高温になっていると考えられる。これにより、火炎とガラス原料との温度差が小さな状態で、ガラス原料が加熱される。その結果、単管型ランスを用いた比較例1~3においては、火炎の熱がガラス原料に伝わり難くなり、排ガスや炉内に逃げてゆくことから、伝熱ロスが生じると考えられる。
一方、実施例1~3においては、火炎の最高温度が、炉の前方側(上流側)に分布している。ここで、炉の前方側では、ガラス原料が加熱前又は加熱されて間もないため、常温に近い温度になっていると考えられる。これにより、火炎とガラス原料との温度差が大きな状態で、このガラス原料が加熱されるため、火炎の熱が、原料に伝わり易くなり、排ガスや炉内に逃げ難くなる。その結果、自励振動型のランスを用いた実施例1~3においては、効率的にガラス原料に熱を伝えることができると考えられる。このことは、表1及び図8のグラフに示すように、比較例1~3に比べて、実施例1~3の熱効率が高いことからも明らかである。
以上説明したような本実施例の結果より、本発明に係るガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法は、単管型ランスを用いた従来の熔解炉と比較して、特に炉の上流側において効率的な加熱・伝熱を行うことが可能であることが明らかとなった。
本発明のガラス熔解炉は、炉内の構造やサイズに関わらず、広範囲に渡って熱補償を行き渡らせることができ、生産性が向上するとともに、消費エネルギーを削減することが可能なものである。従って、本発明のガラス熔解炉及びガラス熔解炉の運転方法は、例えば、ガラス製品を製造するプロセスにおいて、ガラス原料を熔融させる用途で非常に好適である。
1…ガラス熔解炉
11…熔解室
12,12A,12B…炉壁
13…炉底
14…原料投入口
2…ランス
21…流体噴出口
22…流体噴出流路
23…(一対の)側壁
24a,24b…(一対の)開口部
25…連通部
26…(一対の)側壁
27…角筒型流路
3…第1ポート(ポート)
31…第1噴出口
4…燃料噴出口
5…第2ポート(ポート)
51…第2噴出口
J…中心軸
S…中心線(流体噴出口の拡開方向Xに直交する中心線)
G1…予熱空気
G2…燃料流体(燃料)
G3…支燃性流体
G4…排ガス
M…ガラス原料
L…溶融面(ガラス原料)

Claims (10)

  1. 少なくとも、炉内に予熱空気を噴出させるポートと、
    前記ポートの内部又は炉壁に設けられ、前記炉内に燃料を噴出させる燃料噴出口と、
    前記ポート及び前記燃料噴出口よりも下方であって、且つ、炉底側に投入されるガラス原料よりも上方に配置され、炉内に支燃性流体を噴出させるランスとを備え、
    前記炉内において、前記予熱空気、前記燃料及び前記支燃性流体を混合・燃焼させることで前記ガラス原料を熔解させるガラス熔解炉であって、
    前記ランスは、前記支燃性流体の噴射方向が、前記ガラス原料の溶融面に対して水平方向で周期的に変化する、自励振動型ランスであることを特徴とするガラス熔解炉。
  2. 前記ランスは、前記炉内に露出した下流側に、前記支燃性流体を噴出する流体噴出口が設けられ、
    前記流体噴出口の上流側における流体噴出流路の側壁には、それぞれ対向する位置で一対の開口部が設けられているとともに、該一対の開口部同士が連通部で連通されており、
    前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のガラス熔解炉。
  3. 前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状とされていることを特徴とする請求項2に記載のガラス熔解炉。
  4. 前記ポートは、それぞれ、炉内に予熱空気を噴出させる第1ポートと第2ポートとからなり、前記炉壁を平面視したとき、前記流体噴出口の拡開方向Xに沿った方向で並べて配置されていることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のガラス熔解炉。
  5. 前記第1ポート及び前記第2ポートは、それぞれ内部に前記燃料噴出口が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス熔解炉。
  6. 前記第1ポート及び前記第2ポートは、一方が前記予熱空気を噴出しているときは、他方が前記炉内の排ガスを炉内から排出することで、前記予熱空気を交互且つ周期的に前記炉内に噴出させる交番燃焼を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガラス熔解炉。
  7. 前記炉壁を平面視したとき、前記拡開方向Xに沿った方向における、前記ランスの設置位置{Wlance}が、前記第1ポートの第1噴出口における相当径の中心線と、前記第2ポートの第2噴出口における相当径の中心線との間隔{Wmax}の範囲内であることを特徴とする請求項4~請求項6の何れか一項に記載のガラス熔解炉。
  8. 前記炉壁を平面視したとき、前記第1ポートと前記ランスとの間隔、及び、前記第2ポートと前記ランスとの間隔が等間隔であることを特徴とする請求項7に記載のガラス熔解炉。
  9. 前記ランスは、前記支燃性流体として酸化剤を前記炉内に噴出させることを特徴とする請求項1~請求項8の何れか一項に記載のガラス熔解炉。
  10. 請求項1~請求項9の何れか一項に記載のガラス熔解炉を用い、前記炉内において、前記予熱空気、前記燃料及び前記支燃性流体を混合・燃焼させることで前記ガラス原料を熔解することを特徴とするガラス熔解炉の運転方法。
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