JP2022011975A - 疎水性シリカ粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子表面が高い電位を有しつつ、高い疎水性を併せ持つシリカ粒子を提供する。【解決手段】pH4におけるゼータ電位が20mV以上、HH疎水化度が60%以上であり、29Si-固体NMRスペクトルがMのピークを有し、さらにシリカ粒子により構成されるコア部を有することを特徴とする、疎水性シリカ粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、疎水性シリカ粒子及びその製造方法に関する。
多様な無機酸化物微粒子が多様な用途に使用されている。中でも、シリカ粒子は、化粧品、医薬品、フィラー、及び研磨剤等といった様々な用途で、強度向上、粉体の流動性向上、及び帯電性付与等の目的で使用される。
中でもトナーの外添剤として使用されるシリカ粒子は、トナー表面に付着し、トナーの帯電性や流動性、アンチブロック性等を制御するための重要な役割を果たす。
トナーの外添剤として使用されるシリカ粒子は、トナーを構成する樹脂への付着性を向上させ、且つ、シリカ粒子同士の凝集を抑制するために、疎水性の高いシリカ粒子が使用される。この場合、シリカ粒子に疎水性を付与するために、外表面にトリメチルシリル基等の疎水性官能基を導入することが一般的である。
また、トナーの外添剤として使用されるシリカ粒子には、帯電量の変動が少ない特性も要求される。例えば、特許文献1では、アミノ基をシリカ粒子表面に導入し、シリカ粒子表面の電位を向上することにより、シリカ粒子の帯電性を制御可能であることが、示唆されている。
しかしながら、シリカ粒子表面にアミノ基(アミノシラン)を導入することにより、シリカ粒子表面の電位を向上させた場合、これと引き換えにシリカ粒子表面上に充分量の疎水性基を導入することができなくなるという問題がある。
また、疎水性が不充分であることから、シリカ粒子同士が乾燥工程において結着しやすくなり、解砕が困難であるという問題がある。さらに、このように単純にアミノシランをシリカ粒子表面に修飾するというだけでは、アミノシランがシリカ粒子表面から脱離しやすく、トナーへの外添が不均一となってしまうおそれもある。
また、特許文献2では、テトラメチルアンモニウム(TMA)イオンをシリカ粒子表面に吸着させた疎水性シリカ粒子が記載されている。
しかしながら、やはりTMAイオンをシリカ粒子の外表面に吸着させただけでは、TMAイオンがシリカ粒子表面から脱離しやすく、シリカ粒子表面の高い電位を長期間維持することは困難である。
特許文献3には、4級アンモニウム塩を内包させたシリカ粉末が記載されているが、これについても、4級アンモニウム塩を添加することによりシリカ粒子表面の高い電位を維持することが可能である一方で、疎水性に関しては不充分であり、外添剤としてのシリカ粒子がトナーから脱離しやすいと予想される。
このように、高い疎水性と粒子表面の高い電位とを併せ持つシリカ粒子及びその製造方法が求められている。
特開2006-096641号公報 特開平05-100471号公報 特開2017-039618号公報
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、粒子表面の高い電位を有しつつ、高い疎水性を併せ持つシリカ粒子を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定のゼータ電位及びHH疎水化度を有するシリカ粒子することで、粒子表面の高い電位を有しつつ、高い疎水性をも併せ持つシリカ粒子を提供できることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の疎水性シリカ粒子及びその製造方法を提供する。
項1.
pH4におけるゼータ電位が20mV以上、HH疎水化度が60%以上であることを特徴とする、疎水性シリカ粒子。
項2.
29Si-固体NMRスペクトルがMのピークを有する、項1に記載の疎水性シリカ粒子。
項3.
シリカ粒子により構成されるコア部を有する、項1又は2に記載の疎水性シリカ粒子。
項4.
項1~3の何れかに記載の疎水性シリカ粒子からなる、トナー用外添剤。
項5.
項1~3の何れかに記載の疎水性シリカ粒子を含む樹脂粒子。
項6.
項4に記載のトナー用外添剤を含むトナー。
項7.
シリカ粒子を原料として製造される疎水性シリカ粒子の製造方法であって、
前記シリカ粒子を含む塩基性の母液中で下記一般式(1)で表される化合物A及び下記一般式(2)で表される化合物Bを加水分解することにより、疎水性シリカ粒子前駆体を得る工程1を有する、方法。
Si(OR (1)
Si(OR(R-NH (2)
(式中、Rはアルキル基であり、Rは炭素数1~6のアルキル基であり、Rは炭素数1~3の炭化水素基であり、Rは非置換又はアミノ基により置換された炭素数1~4の炭化水素基である。mは0~2の整数であり、pは1又は2であり、nは1~3の整数であり、且つ、m+n+p=4である。)
項8.
前記母液はシリカ粒子分散体を含む、項7に記載の方法。
項9.
前記疎水性シリカ粒子前駆体を、オルガノシラザンで処理する工程2をさらに有する、項7又は8に記載の方法。
本発明のシリカ粒子は、粒子表面の高い電位を有しつつも、高い疎水性を有する。
疎水性シリカ粒子
本発明の疎水性シリカ粒子は、pH4におけるゼータ電位が20mV以上である。好ましくは、pHにおけるゼータ電位が60mV以上であり、より好ましくは80mV以上であり、さらに好ましくは100mV以上である。pH4におけるゼータ電位が20mV未満であると、樹脂粒子に十分な帯電性能を付与することができない。pH4におけるゼータ電位の上限値としては特に制限されないが、例えば200mVであることが好ましい。
尚、本明細書において、pH4におけるゼータ電位とは、1質量%の(疎水性)シリカ粒子分散液のpHを4に調製した後に測定して得られるゼータ電位であると、定義される。
より具体的には、メタノール中に(疎水性)シリカ粒子を1質量%の量で加え、5分間超音波処理を行って充分に分散させて(疎水性)シリカ分散液を得る。その後、得られた(疎水性)シリカ分散液を、1質量%硝酸溶液を使用してpH4に調製し、AcoustoSizer IIx(Colloidal dynamics社製)によりゼータ電位を測定する態様を例示することができる。
本発明のシリカ粒子のHH疎水化度は、60%以上である。HH疎水化度が60%未満であると、樹脂粒子に十分な帯電性能を付与することができない。さらに、HH疎水化度は、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。HH疎水化度の上限値としては特に制限されないが、例えば100%とすることが好ましい。
本明細書において、HH疎水化度とは高温高湿疎水化度のことを意味する。具体的には、以下の手順に沿って測定することができる。
工程a)
疎水性シリカ粒子を、60℃、80%RHの環境下に48時間静置する。
工程b)
300mLのビーカーに純水50mLを入れ、a)で吸湿させた疎水性シリカ粒子0.2gを加え、マグネットスターラーを使用して攪拌する。
工程c)
上記攪拌下でさらにメタノールを滴下し、疎水性シリカ粒子が完全に水中に分散するまでに要するメタノールの添加量XmLから、以下の計算式に基づき、HH疎水化度を算出する。

HH疎水化度(容積%)={(X)/(50+X)}×100
本発明の疎水性シリカ粒子は、BET比表面積が、25~300m/gであることが好ましく、30~150m/gであることがより好ましい。かかる構成を有することにより、樹脂粒子への接着性と、樹脂粒子に十分な帯電性能を付与することができる。
疎水性シリカ粒子は、29Si-固体NMRスペクトルがMのピークを有することが好ましい。かかる構成を有することにより、高度な疎水化度を得ることができる。
29Si-固体NMRスペクトルにおけるMのピークの確認は、4mm HXMASプローブを備えるJNM-ECX400(日本電子株式会社製)を使用し、固体NMR試料管 4mm、サンプル量 70μL、測定核種 29Si(79.4MHz)、回転速度 8kHz、温度 21℃、測定モード CPMAX、繰り返し時間 3.10sec、積算回数 2000回、外部標準 シリコンゴム(-22.333ppm)の条件により測定することに得られるスペクトルデータから行うことが可能である。
疎水性シリカ粒子は略球形を有することが好ましく、そのサイズは、樹脂粒子への接着性と、樹脂粒子に十分な帯電性能を付与するために、平均粒子径0.01~10μmであることが好ましく、0.05~5μmであることがより好ましい。同様の理由から、疎水性シリカ粒子のメディアン粒子径は、0.01~10μmであることが好ましく、0.05~5μmであることがより好ましい。また、疎水性シリカ粒子の粒度分布標準偏差は、0.1~5μmであることが好ましく、0.2~1μmであることがより好ましい。
本明細書において、疎水性シリカ粒子の平均粒子径、メディアン粒子径、及び粒度分布標準偏差は、レーザー回折法により得られる値であると定義される。より具体的には、レーザー回折法粒度分布系(例えば、株式会社堀場製作所製、LA-950V2)を使用し、レーザー透過率93.0~95.0%となるように疎水性シリカ粒子をエタノールに添加し、強度3で1分間超音波照射を行い、得られる分散液をシリカの屈折率1.45、エタノールの屈折率1.36の条件で測定して得られる値である。
疎水性シリカ粒子表面に設けられる、疎水性シリカ粒子表面の電位を向上するための官能基としては、公知のアミノ基を含む官能基を広く採用することが可能であり、特に限定はない。具体的には、アミノメチレン基、アミノエチレン基、アミノプロピレン基、アミノイソプロイレン基、アミノブチレン基、アミノイソブチレン基等が挙げられる。
疎水性シリカ粒子表面に設けられる、疎水性シリカ粒子に疎水性を付与するための官能基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、及びトリプロピルシリル基などのアルキルシリル基を例示することができる。
また、本発明の疎水性シリカ粒子は、均一な粒子、あるいはコアシェル構造を問わず、テトラアルコキシシラン加水分解物と、アミノ基を含むアルコキシシラン加水分解物が含まれた構造を持つ。しかし、経済的理由から、アミノ基を含むアルコキシシラン使用量を減らすことのできる、シリカ粒子により構成されるコア部を備えるコアシェル型の構造であることが好ましい。
上記コア部の構成材料としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、Stoeber法、水ガラス法など従来公知の方法により調製されたシリカ粒子が挙げられる。
上記コア部の平均粒子径は特に限定されないが、5~100nm程度が好ましく、10~50nm程度がより好ましい。
疎水性シリカ粒子がコアシェル型の構造である場合、シェル部には、テトラアルコキシシラン加水分解物及びアミノ基を含んだアルコキシシラン加水分解物が含まれることが好ましい。かかる構成を採用することにより、シェル部の外表面、換言すると、疎水性シリカ粒子表面の電位を向上させるためのアミノ基が配されることとなる。
シェル部の厚みは特に限定されないが、十分なゼータ電位が付与されることを考慮し、粒子径の10~90%であることが好ましく、30~90%であることがより好ましい。
本発明の疎水性シリカ粒子は、粒子表面が高い電位を有することに加えて、高い疎水性を有することから、トナーの外添剤、樹脂フィラー、表面処理剤、塗料などの添加剤として使用可能である。特に、その高い表面電位及び疎水性という特性に鑑み、トナー外添剤として好適に使用することができる。
本発明の疎水性シリカ粒子は、特許文献1に記載されるシリカ粒子とは異なり、粒子表面の電位の向上に寄与する官能基が、粒子の外表面のみならず、外表面の内側にまで組み込まれている(シェル部を構成するシェル全体に含まれる)ため、長期間の使用又は保存を経ても、粒子表面の電位の低下が少なく、トナーの外添剤等に極めて好適に使用可能である。
疎水性シリカ粒子の製造方法
本発明は、疎水性シリカ粒子の製造方法に関する発明を包含する。
本発明の疎水性シリカ粒子の製造方法は、シリカ粒子を原料として製造される。
原料として使用されるシリカ粒子は、市販品を使用してもよいし、常法にしたがい製造してもよい。製造する場合には、例えば、塩基性の溶媒中で、トラメチルオルトシリケート(TMOS)に水を反応させるなどして得ることができる。
また、シリカ粒子は、動的光散乱式(DLS)粒子径分布測定による平均二次粒子径が、5~150nmであることが好ましく、10~120nmであることがより好ましい。かかる構成を有することにより、樹脂粒子に十分な帯電性能を付与することができる。
本明細書において、DLS粒子径分布測定による平均二次粒子径は、測定用サンプルとしてシリカ粒子を0.3質量%クエン酸水溶液に加えて均一化したものを調製し、当該測定サンプルを用いて、DLS法(大塚電子株式会社製、ELSZ-2000Sを使用)により平均二次粒子径を測定するものとする。
シリカ粒子を製造するための好ましい態様としては、水(純水)に、3-エトキシプロピルアミン、アンモニア、尿素、エタノールアミン、又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアルカリ触媒を加えてこれを加熱した後、更にTMOSを添加してシリカ粒子を得ることができる。特に、かかる方法により得られるシリカ分散体を含む母液を使用することが好ましい。
工程1において、シリカ粒子を含んだ状態の塩基性母液中で、下記一般式(1)で表される化合物A及び下記一般式(2)で表される化合物Bを加水分解することにより、疎水性シリカ粒子前駆体を得る。
Si(OR (1)
Si(OR(R-NH (2)
(式中、Rはアルキル基であり、Rは炭素数1~6のアルキル基であり、Rは炭素数1~3の炭化水素基であり、Rは非置換又はアミノ基により置換された炭素数1~4の炭化水素基である。mは0~2の整数であり、pは1又は2であり、nは1~3の整数であり、且つ、m+n+p=4である。)
化合物Aにおいて、Rは炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。換言すれば、化合物Aは、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)及び/又はテトラエチルオルトシリケート(TEOS)であることが特に好ましい。
化合物Bにおいて、Rは炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。nは1~3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
は、非置換又はアミノ基により置換された、炭素数1~4の炭化水素基であり、当該炭素数は、2~3であることが好ましく、3であることがより好ましい。pは、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
化合物Bとして、具体的には3-アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、又はアミノブチルトリエトキシシランを使用することが好ましく、中でも3-アミノプロピルトリメトキシシランを使用することが特に好ましい。
工程1における化合物Aの使用量は、単一分散粒子を作製するという点を考慮し、シリカ粒子100質量部に対して97~99.95質量部とすることが好ましく、97~99.5質量部とすることがより好ましい。
また、工程1における化合物Bの使用量は、樹脂粒子に十分なゼータ電位を付与するという点を考慮し、シリカ粒子100質量部に対して0.05~3質量部とすることが好ましく、0.5~3質量部とすることがより好ましい。
工程1の加水分解反応温度は特に限定されず、室温からコロイダルシリカを分散する分散倍の温度であればよい。具体的には、0~100℃の温度条件で実施することが好ましく、70~90℃がより好ましい。反応温度が低すぎると、溶媒によっては凝固する恐れがあり、また化合物Bの反応性が低下して、粒子を形成できない恐れがある。反応温度が高すぎると、溶媒によっては当該溶媒の沸点を超えるおそれがある。
上記の工程1を実施することにより、原料のシリカ粒子のコア部に対するシェル部が形成され、コアシェル型構造を有する疎水性シリカ粒子前駆体が得られる。
本発明の疎水性シリカ粒子の製造方法は、さらに、上記疎水性シリカ粒子前駆体を、オルガノシラザンにより処理する工程2を有することが好ましい。
使用するオルガノシラザンとしては特に限定はなく、公知のオルガノシラザンを広く採用することが可能である。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザンが挙げられる。但し、一般的で安価に入手が可能という理由から、ヘキサメチルジシラザンを使用することが好ましい。上記オルガノシラザンは、単独で用いても良いし、2種以上を混合してもよい。
工程2におけるオルガノシラザンの添加量特に限定されず、疎水性シリカ粒子前駆体100質量部に対して、5~15質量部とすることが好ましく、7~13質量部とすることがより好ましい。
工程2における温度条件としては、特に限定されず、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。また、温度条件の上限は特に限定されず、90℃とすることが好ましい。
工程2を経て、疎水性シリカ粒子前駆体の外表面にトリメチルシリル基が付着し、疎水性シリカ粒子の疎水性をより向上させることができる。
コアシェル構造ではなく均一な粒子を合成する場合には、工程1を母液にシリカ粒子を含まない状態で実施し、その後工程2を実施すればよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
工程A
フラスコに、水に分散したコロイダルシリカ(3.3質量%、BET比表面積 136.4m/g)6770質量部、及び、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン10.83質量部を入れた。これを80℃まで加熱した後、テトラメチルオルトシリケート1598質量部及び3-アミノプロピルトリメトキシシラン13.9質量部及びメタノール1208.5質量部の混合液を、内温変動しないよう温調しつつ、180分かけて定速滴下して、コアシェル型構造を有する疎水性シリカ粒子前駆体の分散液を得た。
工程B
得られた分散液を常圧下にて。8634質量部まで加熱濃縮した。さらに、反応時に副生したメタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちつつ、純水5785質量部にて分散媒を置換した。
工程C
得られた分散液1000質量部に対し、酢酸0.3質量部及びヘキサメチルジシラザン100質量部を加えて攪拌し、その後2時間かけて室温から80℃にまで昇温し、そのまま80℃で3時間維持することで、疎水性シリカ反応液を得た。その後、分散液における分散媒を加熱留去し、水分含量が1%以下になるまで真空乾燥させた。これをジェットミル(徳寿工作所製:MJ-50)により、プッシャーノズル圧力1.40MPa、粉砕圧力0.20MPaの条件にて1回解砕処理し、疎水性シリカ粒子を得た。
(実施例2)
工程A
フラスコに、市販のコロイダルシリカ(BS-1L、20質量%、BET比表面積 498.25m/g)7500質量部、及び、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン11.61質量部を入れた。これを80℃まで加熱した後、テトラメチルオルトシリケート1228質量部及び3-アミノプロピルトリメトキシシラン10.7質量部及びメタノール929.3質量部の混合液を、内温変動しないよう温調しつつ、150分かけて定速滴下して、コアシェル型構造を有する疎水性シリカ粒子前駆体の分散液を得た。
工程B
得られた分散液を、反応時に副生したメタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちつつ、純水7000質量部にて分散媒を置換した。
工程C
得られた分散液に対し実施例1と同様に工程Cを行い、疎水性シリカ粒子を得た。
(比較例1)
工程A及びBを行わずに、工程Cにおけるヘキサメチルジシラザン処理及び解砕処理を、市販のコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製、BS-2)に対して実施し、疎水性シリカ粒子を得た。工程Cは実施例1と同様に行った。
(比較例2)
工程A及びBを行わずに、工程Cにおけるヘキサメチルジシラザン処理及び解砕処理を、次のコロイダルシリカに対して実施し、疎水性シリカ粒子を得た。30℃の条件下で、コロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製、BS-2)2217質量部に対し、3-アミノプロピルトリメトキシシラン5.796質量部、メタノール187.4質量部を用いて希釈した液を添加し、その後容量を一定に保ちつつ、純水900質量部により分散媒を置換した。また、工程Cは実施例1と同様に行った。
(比較例3)
工程A及びBを行わずに、工程Cにおけるヘキサメチルジシラザン処理及び解砕処理を、市販のコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製、BS-1L)に対して実施し、疎水性シリカ粒子を得た。工程Cは実施例1と同様に行った。
疎水性評価試験
実施例1、比較例1及び比較例2の疎水性シリカ粒子を使用し、下記の方法により疎水化度の測定を行った。
工程a)
300mLのビーカーに純水50mLを入れ、実施例及び比較例の疎水性シリカ粒子0.2gを加え、マグネットスターラーを使用して攪拌した。
工程b)
上記攪拌下でさらにメタノールを滴下し、疎水性シリカ粒子が完全に水中に分散するまでに要するメタノールの添加量YmLから、以下の計算式に基づき、疎水化度を算出した。疎水化度については、65容積%以上の場合に合格とした。

疎水化度(容積%)={(Y)/(50+Y)}×100
粉体ゼータ電位評価試験
同様に、各実施例及び比較例の疎水性シリカ粒子を使用し、ゼータ電位及び帯電量の測定を行った。ゼータ電位は上述した方法により測定した。
トナー帯電量評価試験
帯電量については、後述するように、各実施例及び比較例の疎水性シリカ粒子を樹脂粒子に外添してトナーを作製し、当該トナーの帯電量を計測することにより、評価をおこなった。
樹脂粒子:各実施例又は比較例の疎水性シリカ粒子を質量比で100:2と成るように、樹脂粒子に疎水性シリカ粒子を外添し、トナーを得た。トナー10gを、容量100mLのポリプロピレン樹脂製広口瓶に入れ、23℃、53%RHの条件下に24時間静置した。次に、20~25℃、50~60%RHに維持した室内で、吸引式ファラデーゲージ(トレック・ジャパン株式会社:MODEL 212HS)を使用して帯電量を3回測定し、平均値を帯電量とした。帯電量に関しては、25μC/g以下の場合に合格とした。
Figure 2022011975000001
表1に示したとおり、実施例の疎水性シリカ粒子は、各比較例の疎水性シリカ粒子と比較して疎水性及び表面電位の双方において優れることが確認された。

Claims (6)

  1. pH4におけるゼータ電位が20mV以上、HH疎水化度が60%以上であることを特徴とする、疎水性シリカ粒子。
  2. 29Si-固体NMRスペクトルがMのピークを有する、請求項1に記載の疎水性シリカ粒子。
  3. シリカ粒子により構成されるコア部を有する、請求項1又は2に記載の疎水性シリカ粒子。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の疎水性シリカ粒子からなる、トナー用外添剤。
  5. 請求項1~3の何れか1項に記載の疎水性シリカ粒子を含む樹脂粒子。
  6. 請求項4に記載のトナー用外添剤を含むトナー。
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