JP2022008829A - フッ素系炭化水素化合物の脱水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】フッ素系炭化水素化合物を含む組成物をゼオライトに接触させる工程を含む、脱水方法。
【選択図】なし

Description

本開示は、フッ素系炭化水素化合物の脱水方法に関する。
ジフルオロメタン(HFC-32)等のフッ素系炭化水素化合物は、半導体製造プロセスにおけるエッチングガスとして、広く用いられている。
従来、HFC-32等のフッ素系炭化水素化合物は、A型ゼオライトを用いて、水分を吸着さ
せて、脱水されている(例えば、特許文献1)。
特許第5446710号
本開示は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の構成を包含する。
項1.
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法であって、
前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む、脱水方法。
項2.
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法であって、
前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される
少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程を含む、脱水方法。
項3.
前記工程は、脱水後の組成物において、水分量を3ppmwt未満とする、前記項1又は2に記載の脱水方法。
項4.
更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、1,
1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)を除去する工程を含む、前記項1~3のいずれか
に記載の脱水方法。
前記工程は、好ましくは、脱水後の組成物において、HFC-134の含有量を3ppmwt)未満
とする、脱水方法である。
また、HFC-134の含有量(ppm)は、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、次いで、NMRを用いて
、NMRスペクトルによる構造解析を行うことにより測定する場合、フッ素系炭化水素化合
物を含む組成物に含まれるHFC-134の含有量(体積)を、フッ素系炭化水素化合物を含む
組成物の体積で除した体積分率、即ちppmvol(体積/体積)となる。
HFC-134の含有量(ppm)を、例えば、3ppmvol未満と言い換えることができる。
項5.
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法であって、
前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む、製造方法。
項6.
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法であって、
前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される
少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程を含む、製造方法。
項7.
前記ゼオライトに接触させた後の組成物は、水分量が3ppmwt未満である、前記項5又は6に記載の製造方法。
項8.
更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)を除去する工程を含む、前記項5~7のいずれか
に記載の製造方法。
前記ゼオライトに接触させた後の組成物は、好ましくは、HFC-134の含有量が3ppmwt未
満である、製造方法である。
項9.
シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択さ
れる少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を接触させて、該フッ素系炭
化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法。
項10.
チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに、1,1,1,2-テト
ラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフル
オロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を接触させて、該フッ素系炭化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法。
項11.
前記不純物は、水、及び、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)からなる群から
選択される少なくとも一種の成分である、前記項9又は10に記載の脱水方法。
項12.
前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれる水分濃度は、水分量が3ppmwt未満である、前記項9~11のいずれかに記載の製造方法。
前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれるHFC-134濃度は、好ましくは、HFC-134の含有量が3ppmwt未満である、製造方法である。
項13.
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物であって、
前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含み、
水分量が3ppmwt未満である、又は/及び、HFC-134の含有量が3ppmwt未満である組成物
項14.
エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、デポジットガス、有機合成用ビルディングブロック、又は、クリーニングガスとして用いられる、前記項13に記載の組成物。
本開示によれば、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する方法を提供することができる。
半導体製造プロセスにおけるエッチングガスは水分の除去が重要である。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する際に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比(モル比)が5以上のゼオライトに接触させることや、チャバザイト型ゼオライトに接触させることによって、ゼオライトに吸着された水分は、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が抑制されており、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から良好に水分が除去されること(脱水されること)を見出した。
本開示は、かかる知見に基づき、更に研究を重ねた結果完成されたものである。
本開示は、以下の実施形態を含む。
(1)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに
接触させる工程を含む。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、好ましくは、更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)を除去する工程を含む。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む。
本開示では、前記工程は、脱水後の組成物において、水分量の最大値は10ppmwt(質量
/質量)程度であり、水分量を、好ましくは3ppmwt未満とする。本開示では、脱水後の組成物において、水分量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示では、前記工程は、脱水後の組成物において、HFC-134の含有量の最大値は10ppmwt(質量/質量)程度であり、HFC-134の含有量を、好ましくは3ppmwt未満とする。本開
示では、脱水後の組成物において、HFC-134の含有量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示では、前記工程は、脱水後の組成物において、より好ましくは、水分量は3ppmwt未満であり、HFC-134の含有量は3ppmwt未満である。
本開示では、また、HFC-134の含有量(ppm)は、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、次いで、NMRを用いて、NMRスペクトルによる構造解析を行うことにより測定する場合、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物に含まれるHFC-134の含有量(体積)を、フッ素系炭化水素化
合物を含む組成物の体積で除した体積分率、即ちppmvol(体積/体積)となる。
HFC-134の含有量(ppm)を、例えば、3ppmvol未満と言い換えることができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を脱水する際に、特定のゼオライトを用いることで、ゼオライトに吸着された水分は、時間が経過しても、ゼオライトらの放出が抑制されており、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から良好に水分が除去されるという利点、更に、好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から良好にHFC-134が除去され
るという利点がある。
(1-1)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物
HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物は、半導体の製造において酸化ケイ素及び関連材料の為のエッチングガス等として使用される。半導体産業で使用されるHFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物は、極めて高純度であることが要求される。半導体製造プロセスにおけるエッチングガスは、特に水分の除去が重要である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記フッ素系炭化水素化合物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、及び、HFO-1234yfからなる群から選択される少
なくとも一種の化合物を含む。
HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物には、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物の製造時に混入される不純物が含まれる。その不純物としては、中間体、異性体、副生成物(例えば、フッ化水素、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、クロロフルオロカーボン類、フルオロアルケン類等)等がある。
また、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物には、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物の使用時に混入される不純物が含まれる。HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を、半導体製造用エッチングガスとして使用する場合、不純物として、水、HF等の酸分、フルオロカーボン、非凝縮ガス(N2、CO2、CO、CH4、O2)等がある。冷凍機冷媒用として使用する場合、不純物として、水がある。
HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物には、水以外の不純物として、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)がある。
HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物に、不純物として、水、フッ化水素等が存在すると、特に含フッ素化合物が二重結合等の反応性部位を持っている等の理由で化学的に不安定な場合、含フッ素化合物の変質(分解や重合、異性化等)を引き起こし、更なる純度の低下を招くという悪循環に陥るおそれがある。
本開示では、ゼオライトにより吸着除去される不純物としては、特に水を含むものや、フッ化水素を含むもの、炭化水素を含むもの、ハロゲン化炭素化合物を含むもの、ハロゲン化炭化水素化合物(HFC-134等)を含むもの、当該ゼオライトに接触させる含フッ素化
合物の異性体、例えば炭素-炭素二重結合の位置異性体、環状異性体等を含むものがある。
前記不純物として、具体的には、ヘプタフルオロブテン、クロロヘプタフルオロブテン、ヨウ化メチル、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。
半導体産業では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、特に水分の除去が重要である。
(1-2)ゼオライト
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、特定のゼオライトに接触させる工程を含む。
ゼオライト(Zeolite)は、粘土鉱物の一種であり、規則的なチャンネル(管状細孔)と
キャビティ(空洞)を有する剛直な陰イオン性の骨格からなるアルカリ又はアルカリ土類金属を含む含水アルミノケイ酸塩である。
ゼオライトは、一般に、
(MI,MII 1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O, (n≧m)
(MI:Li+、Na+、K+等、MII:Ca2+、Mg2+、Ba2+等)
の組成で表され、陽イオンが、アルミノケイ酸塩の骨格の負電荷を補償する。
ゼオライト中の陽イオンの種類に特に制限はなく、通常、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、Ba2+等が用いられる。
構造の基本的な単位は、SiO4或はAlO4の四面体構造(合わせてTO4四面体)であり、これ
らが3次元方向に無限に連なり、結晶を形成する。ゼオライトでは、その結晶は、多孔質
で、細孔の直径は、通常、0.2nm~1.0nm(2Å~10Å)程度である。ゼオライトでは、ゼ
オライトの細孔径よりも大きな分子は、進入することはできないという分子篩作用(molecular sieve)を有する。ゼオライトは、その骨格構造に由来する細孔による分子篩効果に
加え、固体酸性、イオン交換能、触媒能、吸着能等の特性を有している。
本開示でHFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、特定のゼオライトに接触させることとは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を、ゼオライトを充填したカラム等に通過させることや、ゼオライトを充填した容器に充填することを意味する。
本開示では、使用するゼオライトの使用形態は、特に制限はない。ゼオライトを充填した装置に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を流通させても良く、また、ゼオライトを充填した容器に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を充填し、所定時間経過後に、脱水処理されたHFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を抜き出しても良い。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、下記のシリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程や、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに接触
させる工程を含む。
シリカアルミナ比(SiO 2 /Al 2 O 3 比)が5以上のゼオライト
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、シリカアルミナ比(SiO2/Al2O3比)(モル比)が5以上のゼオライトを用いる。本開示では、用いるゼオライト
のSiO2/Al2O3比は、好ましくは5.5以上であり、より好ましくは6以上である。
本開示では、用いるゼオライトのSiO2/Al2O3比は、好ましくは50以下であり、より好
ましくは45以下であり、更に好ましくは40以下である。
本開示では、SiO2/Al2O3比が、5より小さいと、ゼオライトの極性が高くなり、また、50より大きいと、ゼオライトの極性が低くなるので、SiO2/Al2O3比が5~50のゼオライトを用いることが好ましい。
本開示では、SiO2/Al2O3比が、5より小さいと、ゼオライトの極性が高くなり、また、SiO2/Al2O3比が、50より大きいと、ゼオライトの極性が低くなるので、SiO2/Al2O3比は5~50のゼオライトを用いることが好ましい。
(i)チャバザイト型ゼオライト
チャバザイト型(CHA型)構造は、3次元の細孔構造を有し、細孔径は約0.38nm(3.8Å
)あり、内部に大きなケージを有している。
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、チャバザイト(Chabazite)型(CHA型)ゼオライトを用いる。本開示では、市販されているものの内、特定のチ
ャバザイト型ゼオライトを用いることができる。
チャバサイト属には、グリメナイト型、エリオナイト型、ルビーナイト型、チャバサイト型等が有る。
本開示では、チャバザイト型ゼオライトとはチャバサイト属に含まれることを意味し、好ましくは、チャバサイト型、グリメナイト型、エリオナイト型、及びルビーナイト型からなる群から選択される少なくとも1つの型を有するゼオライトを好ましく用いる。本開
示では、チャバザイト型ゼオライトとして、より好ましくは、チャバサイト型ゼオライト、又は、チャバサイト型と、別のチャバサイト属として、グリメナイト型、エリオナイト型、ルビーナイト型等とが含まれる混合ゼオライト(合成ゼオライト)を用い、更に好ましくは、チャバサイト型と、別のチャバサイト属として、エリオナイト型とが含まれる混合ゼオライト(合成ゼオライト)を用いる。
本開示では、具体的には、チャバザイト型ゼオライトとして、結晶系は、天然鉱物のチャバサイトとエリオナイトとの混合物であり、即ち、チャバサイト型の合成ゼオライト(
チャバサイト型ゼオライト)とエリオナイト型の合成ゼオライト(エリオナイト型ゼオライト)との混合物の合成ゼオライトを好ましく用いる。
天然鉱物のチャバサイトのシリカ/アルミナ比(SiO2/Al2O3)は、一般に2程度であるが、合成チャバザイト型ゼオライトのシリカ/アルミナ比(SiO2/Al2O3)は、6.1~6.7
程度である。
(ii)モルデナイト型ゼオライト
モルデナイト(mordenite)は、モルデン沸石とも称され、化学式は、(Ca,K2,Na2)〔AlSi5O122・7H2Oであり、ケイ酸塩鉱物である。モルデナイト型のモルデナイト構造は
、一般に、SiO4とAlO4が酸素を共有して結合した酸素12員環と8員環からなる細孔構造を
有するゼオライトであり、その細孔径は酸素12員環が0.67nm×0.70nm程度であり、酸素8
員環が0.29nm×0.57nm程度である。
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、モルデナイト型ゼオラ
イトを用いる。本開示では、市販されているものの内、特定のモルデナイト型ゼオライトを用いることができる。
(iii)ベータ型ゼオライト
ベータ型ゼオライトは、Si及びAlを含む結晶性アルミノケイ酸塩の1種であって、酸素12員環の細孔を含む3次元の細孔構造を有している。
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好
に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、ベータ型ゼオライトを
用いる。本開示では、市販されているものの内、特定のベータ型ゼオライトを用いることができる。
(iv)Y型ゼオライト
Y型ゼオライトは、直径0.74nm程度の細孔入口を有し、市販のゼオライトの中では最も
大きな細孔をもつゼオライトである。
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、Y型ゼオライトを用いる。本開示では、市販されているものの内、特定のY型ゼオライトを用いることができる。
ゼオライトの細孔径
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、好ましくは3Å~15Åの平均細孔径を有するゼオライトを用いる。本開示では、用いるゼオライトの平均細孔径は、より好ましくは4Å~12Åであり、特に好ましくは5Å~10Åの平均細孔径を有するゼオライトである。
本開示では、ゼオライトは、好ましくは多孔質である。
本開示では、用いるゼオライトの平均細孔径が3Å~15Åであることで、組成物に含ま
れるフッ素系炭化水素化合物が、好ましくは炭素数2化合物(C2化合物)~炭素数8化合物(C8化合物)である時に、より好ましくはC2化合物~C4化合物である時に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができる利点、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる利点がある。
ゼオライトのカチオン種
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、ゼオライトのカチオン
種(陽イオン種)は、好ましくは、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、Ba2+等であり、更に好ましくは、H+、Na+等であるカチオン種のゼオライトを好ましく用いることができる。
本開示では、ゼオライト中の陽イオンは、水との静電相互作用をすることにより脱水処理を効率良く行うことができる。
ゼオライトの比表面積
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、ゼオライトのBET法により測定した比表面積(以下、BET比表面積とも称する。)は、好ましくは50m2/g~3,000m
2/gであり、より好ましくは100m2/g~1,000m2/gであり、更に好ましくは200m2/g~800m2/gであり、特に好ましくは250m2/g~700m2/gである。
本開示では、ゼオライトの触媒のBET比表面積がこのような範囲にある場合、ゼオライ
トの粒子の密度が小さ過ぎることがない為、脱水処理を効率良く行うことができる利点、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる利点がある。
ゼオライトの性状
本開示で使用するゼオライトは、好ましくは多孔質である。
本開示では、使用するゼオライトは、粉末状、顆粒状、又はペレット状で用いても良く、成形体として用いても良い。使用するゼオライトは、工業的には成形体として用いることが好ましい。成形体の形状に特に制限はないが、例えば直径0.5mm~5mm程度、長さ1mm
~15mm程度の円柱状、或は直径0.5mm~10mm程度の球状のものを用いることが好ましい。
本開示では、ゼオライトの成形体の製造方法に特に制限はなく、例えばバインダーとしてカオリン系粘土を用いる従来公知の方法を採用することができる。
本開示で使用するゼオライトは、商業的に入手可能である。
好ましいゼオライト
本開示では、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、上記説明の通り、好ま
しくは、シリカアルミナ比(SiO2/Al2O3比)(モル比)が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトか
らなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトを用いる。
(1-3)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物をゼオライトに接触させる工程
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程、及び/又は、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに
接触させる工程を含む。前記脱水方法は、好ましくは、更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、HFC-134を除去する工程を含む。
本開示では、前記組成物を前記ゼオライトに接触させることとは、前記組成物を、前記ゼオライトを充填したカラム等に通過させること、若しくは、前記組成物を、前記ゼオライトを充填した容器に充填することを意味する。
本開示では、前記ゼオライトを水分の除去材(脱水剤)として用い、これにフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を接触させる(通過させる)ことにより、この組成物に含まれる水分を除去する。前記脱水方法は、好ましくは、更に、前記組成物に含まれるHFC-134
を除去する。
本開示では、水分を効果的に除去する(脱水する)には、更に、好ましくは、HFC-134
を効果的に除去するには、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物と前記ゼオライトとを、質量比(フッ素系炭化水素化合物を含む組成物:ゼオライト)で、好ましくは、100:1~
1:10程度の割合で接触させることであり、より好ましくは、50:1~1:5程度の割合で接触させることであり、更に好ましくは、10:1~1:3程度の割合で接触させることである
。本開示では、前記ゼオライトの使用量は、例えば、ゼオライトの10g充填物(ステンレ
ス製シリンダー等)に、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、10g~100g程度の範囲
で接触させることができる。
本開示では、前記ゼオライトを、その使用前に、活性化処理しても良い。活性化処理の条件として、好ましくは、真空中(10-1mmHg~10-3mmHg)、或は、窒素等の不活性ガス流通下、ゼオライトの結晶構造を維持できる温度範囲として、150℃~300℃の範囲内の温度で一晩加熱する等の乾燥処理が挙げられる。
本開示では、前記活性化処理を施していないゼオライトも、好適に使用できる。
本開示では、使用するゼオライトの使用形態は特に制限はない。前記ゼオライトを充填した装置に、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を流通させても良く、また、前記ゼオライトを充填した容器に、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を充填し、所定時間経過後に前記組成物を抜き出しても良い。
本開示では、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物と前記ゼオライトとを接触させる温度は特に制限はない。フッ素系炭化水素化合物を含む組成物に含まれるHFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物の沸点等を勘案して決めれば良い。一般には低温で接触させることが、接触時、フッ素系炭化水素化合物の異性化等の副反応が抑制される点で好ましい。好ましくは-50℃~100℃程度の範囲である。
本開示では、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物と前記ゼオライトとを接触させる時間は特に制限はない。
好ましい接触工程
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記接触工程は、前記HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、(i)シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程、及び(ii)チャバザイト型ゼオライト、
モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から
選択される少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程のうち、いずれか1つの工程であっても良いし、(iii)シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触
させる工程と、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに接
触させる工程と、を組み合わせた方法であっても良い。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記接触工程は、前記HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、(iv)シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオラ
イトに接触させる工程であっても良い。
(1-4)気相での接触工程
本開示では、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、上記の通り、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライ
トに接触させる工程、及び/又は、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上の、チャバ
ザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオ
ライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程の際に、当該工程を気相で行うことが好ましい。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記接触工程を気相で行い、特に、固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。
気相での接触工程の温度
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる温度は特に制限はない。
本開示における前記接触工程は、気相での接触させる温度の下限値は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、好ましくは-30℃であり、より好ましくは-20℃である
本開示における前記接触工程は、気相での接触させる温度の上限値は、100℃程度であ
る。
本開示における前記接触工程は、気相での接触させる温度は、吸着力が強いという理由から、低温が好ましい。本開示における前記接触工程は、気相での接触させる温度は、設備の運転、設備の取り扱いを考慮する場合、常温が最も好ましい。
気相での接触工程の時間
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる時間は特に制限はない。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で行う際に、前記接触させる反応温度と反応時間(接触時間)とを適宜調整することで、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される利点、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を
除去することができる利点がある。
気相での接触工程の圧力
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる圧力は特に制限はない。
本開示における塩素化反応する工程では、その接触させる圧力は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を
除去することができる点から、好ましくは-0.05MPa~2MPaであり、より好ましくは-0.01MPa~1MPaであり、更に好ましくは常圧~0.5MPaである。
本開示において、圧力については表記が無い場合はゲージ圧とする。
気相での接触工程の容器
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる為の反応器としては、上記温度及び圧力に耐え得るものであれば、形状及び構造は特に限定されない。前記反応器としては、例えば、縦型反応器、横型反応器、多管型反応器等が挙げられる。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金等が挙げられる。
気相での接触工程の例示
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記反応器において、特定のゼオライトに、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を連続的に接触させて、当該反応器から、脱水処理後のフッ素系炭化水素化合物を連続的に抜き出す流通式及びバッチ式のいずれの方式によっても実施することができる。脱水処理後のフッ素系炭化水素化合物が反応器に留まらないように、流通式で実施することが好ましい。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる工程を、気相で行い、特に固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できると共に、経済的に有利である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、脱水処理を行う際の雰囲気については、ゼオライトの劣化を抑制する点から、不活性ガス存在下で行っても良い。当該不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの不活性ガスの中でも、コスト
を抑える点から、窒素がより好ましい。当該不活性ガスの濃度は、反応器に導入される気体成分の0~50mol%とすることが好ましい。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、脱水処理を行う際の雰囲気については、好ましくは、不活性ガスの不存在下で行う。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させた後は、必要に応じて常法に従って、精製処理を行い、脱水されたフッ素系炭化水素化合物を得ることができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、気相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させることで、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される利点、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を
除去することができる利点がある。
(1-5)液相での接触工程
本開示では、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、上記の通り、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程、チャバザイト型ゼオライトに接触させる工程、及び/又は、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のチャバザイト型ゼオライトに接触させる工程の際に、当該工程を液相で行うことが好ましい。
液相での接触工程の溶媒
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で行う時は、フッ
素系炭化水素化合物が液状ではあれば、特に溶媒を必要としない。
液相での接触工程の温度
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる温度は特に制限はない。
本開示における前記接触工程は、液相での接触させる温度の下限値は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる点から、好ましくは-30℃であり、より好ましくは-20℃である
本開示における前記接触工程は、液相での接触させる温度の上限値は、100℃程度であ
る。
本開示における前記接触工程は、液相での接触させる温度は、吸着力が強いという理由から、低温が好ましい。本開示における前記接触工程は、液相での接触させる温度は、設備の運転、設備の取り扱いを考慮する場合、常温が最も好ましい。
液相での接触工程の圧力
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させることができれば、反応器に制限は無い。前記液相の条件は、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物が良好に液化すればよく、フッ素系炭化水素化合物の飽和蒸気圧での反応でも良い。
液相での密閉反応系及び/又は加圧反応系
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させることができれば、反応器において、圧力は特に制限はない。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる工程は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134
を除去することができる点から、好ましくは、密閉反応系及び/又は加圧反応系で行うことができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる反応器としては、反応に耐えうるものであれば、形状及び構造は特に限定されない。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相での密閉反応系としては、バッチ式の耐圧反応容器を用いて反応系を密閉させて反応を行うことが好ましい。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相での加圧反応系としては、液化できる条件として、反応圧力を対象となるフッ素系炭化水素化合物の飽和蒸気圧以上とすることが好ましい。
本開示では、断りが無ければ、反応圧力はゲージ圧とする。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相での密閉反応系及び/又は加圧反応系に、反応器に制限は無いが、例えば、オートクレーブ等の圧力容器に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物等を仕込み、ヒーターにて適切な反応温度まで昇温させ、撹拌下に一定時間反応することが好ましい。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金等が挙げられる。反応雰囲気としては、窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガスの雰囲気中で反応を行うことが好ましい。例えば、バッチ式の耐圧反応容器(オートクレーブ等)を用いて反応系を密閉させて、反応を行うことが好ましい。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金等が挙げられる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相での加圧反応系の反応圧力は、加圧反応系に用いる反応容器内部の圧力である。本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる反応圧力を、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される点から、好ましくは液化できる条件であり、より好ましくは0.5MPa以上、更に好ましくは0.7MPa以上、特に好ましくは1.0MPa以上の圧力下で反応させることが好ましい。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法で、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる反応圧力の上限値は、上記同様の点から、通1.0MPa程度である。加圧には、反応系に、窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガスを送り込むことで、反応系内の圧力を上昇させることができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法で、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させる工程では、また、連続相槽型反応器(CSTR)に背圧弁を接続する等の方法により、液を抜き出しながら、若しくは生成物をガス化させて抜き出しながら、連続且つ加圧での反応形態で行っても良い。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させた後は、必要に応じて常法に従って、精製処理を行い、脱水されたフッ素系炭化水素化合物を得ることができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法では、液相で、密閉反応系及び/又は加圧反応系で、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を特定のゼオライトに接触させることで、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良く脱水処理を行うことができ、脱水処理の時間が経過しても、ゼオライトからの水分の放出が良好に抑制される利点、また、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、効率良くHFC-134を除去することができる利点がある。
(1-6)水分量、又は/及び、HFC-134の含有量を3ppmwt未満とすること
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法によれば、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する際に、前記シリカアルミナ(SiO2/Al2O3
比が5以上のゼオライトや、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベ
ータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼ
オライトを用いることで、時間が経過しても、ゼオライトに吸着された水分の放出が抑制されている。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法によれば、脱水後の組成物において、つまり、前記ゼオライトに接触させた後の組成物において、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中の水分量を、10ppmwt(質量/質量)程度未満とするこ
とが可能であり、好ましくは3ppmwt程度未満とすることが可能である。本開示では、脱水後の組成物において、水分量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法によれば、脱水後の組成物において、つまり、前記ゼオライトに接触させた後の組成物において、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中のHFC-134の含有量を、10ppmwt(質量/質量)程度未満とすることが可能であり、好ましくは3ppmwt程度未満とすることが可能である。本開示では、脱水後の組成物において、HFC-134の含有量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法によれば、より好ましくは、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中に、水分量を3ppmwt程度未満とし、HFC-134の含有量を3ppmwt程度未満とすることが可能である。
本開示によれば、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中の水分量を効果的に脱水(除去)することにより、この水分が脱水(除去)されたHFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を、より好ましくは、HFC-134が除去されたHFC-134a等のフッ素系炭化水
素化合物を、半導体製造用のエッチングガスとして好適に用いることができる。また、装置の腐食や早期劣化を抑えることも可能である。
(2)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法は、前記フッ素系炭化水素化合物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、及び、HFO-1234yfからなる群から選択される少な
くとも一種の化合物を含み、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法は、前記フッ素系炭化水素化合物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、及び、HFO-1234yfからなる群から選択される少な
くとも一種の化合物を含み、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライト
からなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程を含む。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法は、好ましくは、更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、HFC-134を除去
する工程を含む。
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、各種ゼオライトに接触させる工程は、前記説明の脱水方法での工程を採用できる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法では、前記ゼオライトに接触させた後の組成物では、水分量は、10ppmwt程度未満であり、好ましくは3ppmwt程度未満
である。本開示では、前記組成物において、水分量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法では、前記ゼオライトに接触させた後の組成物では、HFC-134の含有量は、10ppmwt程度未満であり、好ましくは3ppmwt程度未満である。本開示では、前記組成物において、HFC-134の含有量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法では、前記ゼオライトに接触させた後の組成物では、より好ましくは、水分量は3ppmwt程度未満であり、HFC-134の含
有量は3ppmwt程度未満である。
本開示の製造方法は、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)
、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を接触させて、該フッ素系炭化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法である。
本開示の製造方法は、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオラ
イトに、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を接触
させて、該フッ素系炭化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法である。
前記不純物は、好ましくは、水、及び、HFC-134からなる群から選択される少なくとも
一種の成分である。
前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、各種ゼオライトに接触させる工程は、前記説明の脱水方法での工程を採用できる。
本開示の製造方法において、前記除去される不純物は、例えば、前記説明の水である。前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれる水分濃度は、水分量が、10ppmwt
程度未満であり、好ましくは3ppmwt程度未満である。本開示では、水分量の最小値は0.1ppmwt程度である。
本開示の製造方法において、前記除去される不純物は、例えば、前記説明のHFC-134で
ある。前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれるHFC-134濃度は、HFC-134の含有量が、10ppmwt程度未満であり、好ましくは3ppmwt程度未満である。本開示では、HFC-134の含有量の最小値は0.1ppmwt程度である。
前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれる水分濃度及びHFC-134濃度は、
より好ましくは、水分量が3ppmwt程度未満であり、HFC-134の含有量が3ppmwt程度未満で
ある。
本開示では、前記工程は、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、水分を前記ゼオライトに吸着させて、脱水し、前記ゼオライトに接触させる前の組成物から水分を除去することが好ましい。本開示では、前記工程は、また、より好ましくは、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物から、HFC-134を除去する。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法は、前記接触工程は、前記HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比
が5以上のゼオライトに接触させる工程とチャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼ
オライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なく
とも一種のゼオライトに接触させる工程とのいずれか1つの工程であっても良いし、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程とチャバザイト型ゼ
オライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトから
なる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程との組み合わせの工程であっても良い。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法では、前記接触工程は、前記HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3
比が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼ
オライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライト
に接触させる工程であっても良い。
本開示では、前記ゼオライトに接触させた後の組成物中、特に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中の水分量は、好ましくは、3ppmwt未満とすることが可能である。
本開示では、前記ゼオライトに接触させた後の組成物中、特に、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中のHFC-134の含有量は、好ましくは、3ppmwt未満とするこ
とが可能である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法において、脱水処理する対象のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物、使用するゼオライト、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物をゼオライトに接触させる工程、気相での接触工程、液相での接触工程、水分量を3ppmwt未満とすること、HFC-134の含有量を3ppmwt未満とすること等は、前記本開
示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法で説明した通りである。
(3)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、前記フッ素系炭化水素化合物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、及び、HFO-1234yfからなる群から選択される少なくとも一種
の化合物を含み、水分量が3ppmwt未満である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、前記フッ素系炭化水素化合物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、及び、HFO-1234yfからなる群から選択される少なくとも一種
の化合物を含み、HFC-134の含有量が3ppmwt未満である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、より好ましくは、水分量が3ppmwt未満であり、HFC-134の含有量が3ppmwt未満である。
水分量の測定
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の水分量は、カールフィッシャー水分計を用いて測定した水分量であり、カールフィッシャー法に基づく水分量とする。具体的には、カールフィッシャー水分計に、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物(液化ガス)を1g投入し、水分を溶媒に捕集し、滴定法で測定した値をいう。
水分量(ppm)は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物に含まれる水分量(質量)を
、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の質量で除した質量分率、即ちppmwt(質量/質
量)である。
HFC-134の含有量の測定
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物のHFC-134の含有量は、質量分析及び構
造解析に基づき、測定することが可能である。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物のHFC-134の含有量は、例えば、ガスク
ロマトグラフィー(例えば、島津製作所社製、商品名「GC-2014」)を用いて、ガスクロ
マトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、次いで、NMR(例えば、JEOL社製、商品名「400YH」)を用いて、NMRスペクトルによる構造解析を行うことにより
、測定することが出来る。
本開示では、これらに機器を用いた場合のHFC-134の含有量の含有量(ppm)は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物に含まれるHFC-134の含有量(体積)を、フッ素系炭化水
素化合物を含む組成物の体積で除した体積分率、即ちppmvol(体積/体積)である。
HFC-134の含有量(ppm)を、例えば、3ppmvol未満と言い換えることができる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、HFC-134a、HFC-125、HFC-32、HFO-1234yf等と同様に、半導体、液晶等の最先端の微細構造を形成する為のエッチングガスの
他、冷媒、又は熱移動媒体として用いられることが好ましい。本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、また、エッチングガスの他、デポジットガス、有機合成用ビルディングブロック、クリーニングガス等の各種用途に有効利用できる。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物は、好ましくは、エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、デポジットガス、有機合成用ビルディングブロック、又は、クリーニングガスとして用いられる。
前記デポジットガスとは、エッチング耐性ポリマー層を堆積させるガスである。
前記有機合成用ビルディングブロックとは、反応性が高い骨格を有する化合物の前駆体となり得る物質を意味する。例えば、本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物とCF3Si(CH3)3等の含フッ素有機ケイ素化合物とを反応させると、CF3基等のフルオロアルキル基を導入して洗浄剤や含フッ素医薬中間体と成り得る物質に変換することが可能である。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。
以下に実施例を挙げ、本開示を具体的に説明するが、本開示は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物中の水分量の測定
下記の測定の装置、条件及び方法により、水分量を測定した。
測定装置:カールフィッシャー水分計
測定条件:電量滴定法
フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の水分量は、カールフィッシャー水分計を用いて測定した水分量であり、カールフィッシャー法の電量滴定法に基づく水分量とした。具体的には、カールフィッシャー水分計に、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を1g投入し、水分を溶媒に捕集し、滴定法で測定した値を使用した。
水分量(ppm)は、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物に含まれる水分量(質量)を
、フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の質量で除した質量分率、即ちppmwt(質量/質
量)とした。
(1)実施例のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法(液相)
フッ素系炭化水素化合物:HFC-134a
HFC-134aを含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト(実施例1)、モルデナイト型ゼオライト(実施例2)、ベータ型ゼオライト(実施例3)、又は、Y型ゼオライト(実施例4)に接触させた。
表1に示す、容量75mLのステンレス製シリンダーに各ゼオライト(脱水剤)1gを充填し
た。そのシリンダーに、規定量(10g)のHFC-134aを含む組成物を充填した。適宜撹拌し
、脱水開始(0hr)から、24時間後(24hr)、48時間後(48hr)、72時間後(72hr)、96
時間後(96hr)に、液相の水分量をカールフィッシャーにて測定した。
Figure 2022008829000001
実施例の各ゼオライトに接触させた後の組成物では、水分量は3ppmwt未満であった。シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上であり、チャバザイト型のゼオライトを脱水剤として用いた場合、時間が経過しても、ゼオライトから水分は脱離せず、HFC-134aを含む組成物中の水分量の増加は見られなかった。
(2)比較例のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法(液相)
HFC-134aを含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5未満であり、チャバザイト型ではないA型ゼオライトに接触させた。
表2に示す、容量75mLのステンレス製シリンダーに各ゼオライト(脱水剤)1gを充填し
た。そのシリンダーに、規定量(10g)のHFC-134aを含む組成物を充填した。適宜撹拌し
、脱水開始(0hr)から、24時間後(24hr)、48時間後(48hr)、72時間後(72hr)、96
時間後(96hr)に、液相の水分量をカールフィッシャーにて測定した。
Figure 2022008829000002
比較例の各ゼオライトに接触させた後の組成物では、水分量は3ppmwtを超えた。シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が2程度のゼオライトを脱水剤として用いた場合、時間が経過
すると、ゼオライトから、吸着した水分が脱離し、HFC-134aを含む組成物中の水分量の増加が見られた。
(3)気相でのフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法
フッ素系炭化水素化合物:HFC-134a
このHFC-134aは、5ppmwt(質量/質量)の水を含む試料である。
使用するゼオライト(molecular sieves(MS))を、その使用前に、真空中(10-1mmHg~10-3mmHg)で、180℃の温度で加熱し、ゼオライトから水を除去することにより、活性化
処理(前処理)した。
HFC-134aを含む組成物(ガス)を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト(実施例8)、また、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5未
満であり、チャバザイト型ではないA型ゼオライト(比較例9及び10)に接触させた。気相での脱水方法は、HFC-134aを含むガスを、ゼオライトの層に、W/F=0.2~0.6g/(cc/sec)、HFC-134aのフローレイト:1.7cm/secの条件で、通過させた。
Figure 2022008829000003
実施例8のゼオライトは、HFC-134aを含む組成物(ガス)から、効率良く、短時間で、
水を除去することができた。また、使用するゼオライトを、その使用前に、活性化処理(前処理)することにより、HFC-134aを含む組成物(ガス)から、より効率良く、短時間で、水を除去することができた。
一方、比較例9及び10の各ゼオライトは、HFC-134aを含む組成物(ガス)から、効率良
く、水を除去することができなかった。
(4)気相でのフッ素系炭化水素化合物を含む組成物のHFC-134の除去方法
フッ素系炭化水素化合物:HFC-134a
このHFC-134aは、5ppmwt(質量/質量)の水とHFC-134を500ppmvol(体積/体積)含む試料である。
使用するゼオライト(molecular sieves(MS))を、その使用前に、真空中(10-1mmHg~10-3mmHg)で、180℃の温度で加熱し、ゼオライトから水を除去することにより、活性化
処理(前処理)した。
HFC-134aを含む組成物(ガス)を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上であり、チャバザイト型ゼオライト(実施例11)、また、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5未満であり、チャバザイト型ではないA型ゼオライト(比較例12及び13)に接触させた。気
相でのHFC-134を除去する方法は、HFC-134aを含むガスを、ゼオライトの層に、W/F=100g
/(cc/sec)の条件で、出口でHFC-134濃度が検出されるまで通過させた。
Figure 2022008829000004
実施例11のゼオライトは、W/F=100 g/(cc/sec)の条件で、HFC-134aを含む組成物(ガ
ス)を12時間流しても、破過せず、HFC-134は検出できなかった。実施例11のゼオライト
は、効率良く、短時間で、HFC-134を除去することができている。この時、水は検出され
なかった。また、使用するゼオライトを、その使用前に、活性化処理(前処理)することにより、HFC-134aを含む組成物(ガス)から、より効率良く、短時間で、HFC-134を除去
することができた。
一方、比較例12及び13の各ゼオライトは、6分で破過し、HFC-134が検出され、その検出量は増加し続けた。比較例12及び13の各ゼオライトは、HFC-134aを含む組成物(ガス)から、効率良く、HFC-134を除去することができなかった。
(5)実施例で使用したチャバザイト型(A類似型)ゼオライト(MS)の説明
実施例で使用したチャバザイト型(A類似型)ゼオライトは、合成ゼオライトであるA型ゼオライトの5AのAlO4を、SiO4で置き換え、その結晶構造がチャバサイトと同じ結晶構造を有しているゼオライトである。
実施例で使用したチャバザイト型(A類似型)ゼオライトは、X線回折の結果、結晶系は、天然鉱物のチャバサイトとエリオナイトとの混合物であり、即ち、チャバサイト型の合成ゼオライト(チャバサイト型ゼオライト)とエリオナイト型の合成ゼオライト(エリオナ
イト型ゼオライト)との混合物の合成ゼオライトである。
(6)フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法のまとめ
半導体集積回路デバイスは、その高速化・高集積化に伴い、回路パターンの微細化が進んでいる。HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物は最も微細なコンタクトホールをエッチングするのに必須のガスである。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法やフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法は、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を脱水する際に、前記特定のゼオライトを用いることで、ゼオライトに吸着された水分は、時間が経過しても、ゼオライトらの放出が抑制されており、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物から良好に水分が除去されるという利点がある。
本開示のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法やフッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法によれば、HFC-134a等のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物中、水分量を3ppmwt未満とすることが可能である。水分量が3ppmwt未満であるフッ素系炭化水素化合物(HFC-134a等)を含む組成物は、半導体集積回路デバイスにおいて、微細なコンタクトホールをエッチングし、微細な回路パターンを形成する際に有利である。

Claims (14)

  1. フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法であって、
    前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
    テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む、脱水方法。
  2. フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の脱水方法であって、
    前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
    テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される
    少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程を含む、脱水方法。
  3. 前記工程は、脱水後の組成物において、水分量を3ppmwt未満とする、請求項1又は2に記載の脱水方法。
  4. 更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)を除去する工程を含む、請求項1~3のいずれか
    に記載の脱水方法。
  5. フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法であって、
    前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
    テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに接触させる工程を含む、製造方法。
  6. フッ素系炭化水素化合物を含む組成物の製造方法であって、
    前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
    テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であり、
    前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される
    少なくとも一種のゼオライトに接触させる工程を含む、製造方法。
  7. 前記ゼオライトに接触させた後の組成物は、水分量が3ppmwt未満である、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 更に、前記フッ素系炭化水素化合物を含む組成物を、前記ゼオライトに接触させて、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)を除去する工程を含む、請求項5~7のいずれか
    に記載の製造方法。
  9. シリカアルミナ(SiO2/Al2O3)比が5以上のゼオライトに、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択さ
    れる少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を接触させて、該フッ素系炭化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法。
  10. チャバザイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及び、Y型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種のゼオライトに、1,1,1,2-テト
    ラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフル
    オロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種のフッ素系炭化水素化合物を含む組成物を接触させて、該フッ素系炭化水素化合物に含まれる不純物を除去する工程を有することを特徴とする高純度フッ素系炭化水素化合物の製造方法。
  11. 前記不純物は、水、及び、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)からなる群から
    選択される少なくとも一種の成分である、請求項9又は10に記載の脱水方法。
  12. 前記不純物除去後のフッ素系炭化水素化合物に含まれる水分濃度は、水分量が3ppmwt未満である、請求項9~11のいずれかに記載の製造方法。
  13. フッ素系炭化水素化合物を含む組成物であって、
    前記フッ素系炭化水素化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ジフルオロメタン(HFC-32)、及び、2,3,3,3-
    テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含み、
    水分量が3ppmwt未満である、又は/及び、HFC-134の含有量が3ppmwt未満である組成物
  14. エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、デポジットガス、有機合成用ビルディングブロック、又は、クリーニングガスとして用いられる、請求項13に記載の組成物。
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