JP2022008022A - ロボットを用いた表面の超平滑鏡面研磨方法 - Google Patents

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Shota Hishida
恭祐 天▲高▼
Kyosuke Tenko
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Susumu Kamata
英治 長谷
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Abstract

【課題】研磨対象物の表面、特に複雑な3次元形状の研磨対象物の表面を、作業者の作業負担を抑え、かつ安定して研磨することが可能な研磨方法を提供することを課題とする。【解決手段】研磨対象物に遊離砥粒を含有する研磨用組成物を接触させながら、産業用ロボットに配置されたポリッシャーに装着された研磨パッドを前記研磨対象物に押し当てて、産業用ロボットの動作により研磨対象物を研磨する研磨方法において、研磨パッドは、研磨面を有する研磨層と、弾性体からなり且つ前記研磨層を支持する支持層と、を備える積層体で構成され、研磨層は表面に疎密構造を有し、疎部の面積率は52%以上96%以下であり、かつ研磨層はJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であるシート素材で構成されており、研磨パッドを1000N/m2以上6000N/m2以下の範囲内で前記研磨対象物に定圧押し込みすることを特徴とする研磨方法。【選択図】図2

Description

本発明は、ロボットを用いて表面を安定して超平滑鏡面に研磨する研磨方法に関する。
例えば、乗用車の車体は、複雑な3次元形状を有しており、意匠性の向上などの目的でその表面を滑らかに研磨する場合がある。乗用車の車体の表面研磨は、従来、作業者の人手により研磨されていた。しかしながら、作業者の作業負担が大きいうえ、磨きむらや磨き残しが生じること、また作業者の経験や勘に基づく部分が大きいため作業者によって仕上がりが異なることが課題であった。
この課題を解決するために、研磨ロボットを使用して自動で研磨する方法が考えられる。しかし、これまでのロボット研磨技術は砥石、研磨ブラシやサンドペーパーなどをロボットに取り付けて研磨するものであり、意匠性の向上を目的として表面を超平滑な鏡面に研磨できるものではなかった(例えば下記特許文献1、2参照)。
特開2018-20414号公報 特開2018-111164号公報
本発明は研磨対象物の表面、特に複雑な3次元形状の研磨対象物の表面を、作業者の作業負担を抑え、かつ安定して高い表面精度で仕上げることが可能な研磨方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は、研磨対象物に遊離砥粒を含有する研磨用組成物を接触させながら、産業用ロボットに配置されたポリッシャーに装着された研磨パッドを前記研磨対象物に押し当てて、前記産業用ロボットの動作により前記研磨対象物を研磨する研磨方法において、前記研磨パッドは、研磨面を有する研磨層と、弾性体からなり且つ前記研磨層を支持する支持層と、を備える積層体で構成され、前記研磨層は表面に疎密構造を有し、前記疎部の面積率は52%以上96%以下であり、かつ前記研磨層はJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であるシート素材で構成されており、前記研磨パッドを1000N/m以上6600N/m以下の範囲内で前記研磨対象物に定圧押し込みすることを特徴とする研磨方法である。
本発明によれば、作業者の作業負担を抑えながら、安定して高い表面精度の研磨対象物の仕上がり面を得ることが可能である。
本発明に係る研磨装置の構成図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る研磨パッドの斜視図であり、(b)は図1の(a)に示す研磨パッドのA-A断面図である。 (a)は表面に格子状の溝が形成された研磨パッドの上面図であり、(b)は表面にストライプ状の溝が形成された研磨パッドの上面図であり、(c)は表面にスパイラル状の溝が形成された研磨パッドの上面図であり、(d)は表面に放射線状の溝が形成された研磨パッドの上面図であり、(e)は表面に三角形状の溝が形成された研磨パッドの上面図であり、(f)は表面に六角形状の溝が形成された研磨パッドの上面図である。 (a)は研磨層の外縁よりも内側の領域に、該研磨層を厚さ方向に貫通する環状の貫通部が形成されている研磨パッドの上面図であり、(b)は研磨層の外縁よりも内側の領域に、該研磨層を厚さ方向に貫通する円形の貫通部が形成されている研磨パッドの上面図であり、(c)は研磨層の外縁よりも内側の領域に、該研磨層を厚さ方向に貫通する繭形の貫通部が形成されている硬質の層の上面図である。 (a)は研磨面の端部に斜面状の面取り部が形成された研磨パッドの断面図であり、(b)は研磨面の端部に曲面状の面取り部が形成された研磨パッドの断面図であり、(c)は研磨面の端部に複数段の斜面状の面取り部が形成された研磨パッドの断面図であり、(d)は研磨面の端部に斜面状と曲面状の組み合わせた形状の面取り部が形成された研磨パッドの断面図であり、(e)は研磨面の端部に斜面状と曲面状の組み合わせた別の形状の面取り部が形成された研磨パッドの断面図である。 手動用ポリッシャーの斜視図である。 ポリッシャーに装着されたパッドの研磨の進行方向側が研磨対象物から離れる方向に傾けて研磨する例を示した図である。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
<研磨ロボット>
図1に、研磨ロボットの一例として6軸多関節ロボットの構成を示す。なお、本発明で使用できるロボットは6軸多関節ロボットに限定されるものではない。
ロボット11は、ベース部12、下腕部14、上腕部16、手首部18を有する。ベース部12と下腕部14の間には、旋回中心を垂直方向に有し、ベース部12より上方を旋回させるS軸モータ13Sと、旋回中心を水平方向に有し、ベース部12に対して下腕部14を前後に傾斜させるL軸モータ13Lを有する。
下腕部14と上腕部16の間には、旋回中心を水平方向に有し、下腕部14に対して上腕部16を旋回させるU軸モータ15Uと、U軸モータ15Uに対して垂直方向に回転軸を有し、上腕部16を下腕部14に対して回転させるR軸モータ15Rが設けられている。
また、上腕部16と手首部18の間には、上腕部16に対して垂直方向に旋回中心を有するB軸モータ17Bと、手首部18に対して平行な回転軸であるT軸モータ17Tが配置されている。ロボット11は、これら6つの回転軸モータを有するので、先端の手首部18は、如何なる3次元曲面の表面をもトレースすることができる。なお、ここで3次元曲面とは、平坦な面だけで構成されていない面をいう。以後各モータの回転軸をそれぞれS軸13Sa、L軸13La、U軸15Ua、R軸15Ra、B軸17Ba、T軸17Taとよぶ。
手首部18には圧力制御部20を介してポリッシャー30が設置されている。
圧力制御部20は箱形であり、圧力を認識する機構と、圧力を調整するための加圧力を指示する機構を備えている。圧力制御部20の中心軸を圧力制御部中心軸20cとする。ポリッシャー30をロボット11に取り付けると、圧力制御部中心軸20cは、手首部18のT軸17Taと垂直に配置されている。
圧力制御部20に備わる圧力認識機構は、例えば力覚センサやロードセルを用いても良い。また、例えば協働ロボットのようにロボット本体と一体型であっても良い。
圧力制御部20に備わる加圧力指示機構は、例えばエアーでの加圧やサーボモータでの加圧であっても良い。また、例えば協働ロボットのようにロボット本体と一体型であっても良い。なお、加圧力の制御指令値は、力の値(ニュートン;N)で指令される場合もある。
圧力制御部20によって制御する加工圧は1000N/m以上6000N/m以下になるように構成されていればよく、2500N/m以上6000N/m以下で構成されているとより好ましい。このような範囲の加工圧で研磨すれば、後述する研磨対象物のゆず肌除去性を効率よく研磨することが可能となる。なお、1000N/m未満の場合は研磨対象物のゆず肌除去の効率性が低下し、6000N/mを超えると配置するポリッシャーの破損に影響する傾向がある。
圧力制御部20によって制御する指令に対する加工圧のばらつきは±20%以内となるようにすることが好ましく、±10%以内であるとより好ましい。このような範囲であれば、後述する研磨対象物の研磨能率における面内のばらつきが抑制され、手研磨に対して均一に研磨を実施することが可能となる。
ポリッシャー30は、一般的に手研磨で使用する電動シングルアクションポリッシャーであり、ポリッシャーの回転軸中心が極力圧力制御部中心軸20cと一致するように、又は並行になるように配置されている。
本形態に係るポリッシャーにおいて例えば圧力制御部20に対して双極に設置しても良い。
本形態に係るポリッシャーにおいてシングル回転の電動ポリッシャーが好ましく、例えば電動駆動、エアー駆動、ギア駆動で構成されていてもよく、又、例えばシングル回転、ダブルアクション回転で構成されていてもよい。
ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40の材質は研磨パッドに加工圧を十分に伝えるために研磨パッドの材質より硬い材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、樹脂、金属、セラミック、繊維強化樹脂、複合材等を使用することができる。繊維強化樹脂としては、例えば、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂が挙げられる。繊維強化樹脂に使用される樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。また、複合材としては、例えば、意図的に無機粒子を含有した金属等の2種類以上の材質を組み合わせた複合材などが挙げられる。
ロボット制御部60は、ロボット11の各軸モータの駆動部に接続されている。また、圧力制御部20、ポリッシャー30、図示しない研磨材供給装置、パッド交換装置、パッドドレッサーなどのパッド洗浄装置といった機器にも接続されている。そして、圧力制御部20で感知する圧力が一定となるように、ロボット制御部60は圧力制御部20、ポリッシャー30の駆動を制御する。また、メモリには、被研磨物の研磨予定面の空間データが蓄積される。そして、研磨材供給装置からは、研磨パッドと研磨対象物との間に研磨用組成物が供給され、研磨対象物が研磨される。
ロボット制御部60に接続される上記の研磨材供給装置、パッド交換装置、パッド洗浄装置といった機器は、研磨作業の前後もしくは途中で動作することで、研磨に関する工程を自動で実施することもできる。例えば、パッド洗浄装置を一定の間隔毎(時間毎や加工バッチ数毎など)に動作させ、パッドの目詰まりを防止させることができる。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドとの接触開始点において、加圧力安定確認に伴うポリッシャーの待機時に発生するポリッシャー起因の痕の発生を抑制するために、研磨対象物にパッドを接触後、加圧開始、ポリッシャーの回転開始の順に動作してもよい。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドとの接触終了点において、加圧解除に伴うポリッシャーの待機時に発生するポリッシャー起因の痕を抑制するために、加圧解除とポリッシャーの回転停止前に、パッドを研磨対象物に接触しない回避位置へ移動した後に加圧解除とポリッシャーの回転を停止してもよい。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドは、水平でもよいし、図7に示すようにパッドの研磨の進行方向側が研磨対象物から離れる方向に傾く角度を制御して研磨パッドを保持する形で研磨してもよい。角度の制御方法は、例えば、ロボットによる位置制御であっても良いし、圧力制御部自体やポリッシャー自体に制御する機構を備えていても良い。パッドの研磨の進行方向側を研磨対象物から離れる方向に傾ける角度(すなわち、研磨方向160aに対する研磨パッドの研磨面の水平方向110aの角度)は、研磨速度向上の観点から0°を超えると好ましく、0.5°以上が好ましく、0.8°以上がより好ましく、1.0°以上がさらに好ましい。また、被研磨面全体の研磨痕を抑制する観点から、5.0°以下が好ましく、4.0°以下がより好ましく、3.0°以下がさらに好ましく、2.0°以下がより好ましく、1.7°以下が一層好ましく、1.5°以下がさらに好ましく、1.5°未満がさらに好ましい。
<研磨パッド>
本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する層を備えており、その研磨面を有する層(研磨層)は疎密構造を有し、その疎の部分の割合が52%以上96%以下である。また、研磨面はJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であるシート素材で構成されている。換言すると、本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する層を備え、その研磨面を有する層は、例えば繊維の集合体からなるシート素材で構成されており、その研磨面の疎の部分の割合が52%以上96%以下であり、且つJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上である。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、例えば、研磨面を有する層は、不織布パッド、又は樹脂繊維を含むシート状物で構成されていてもよい。なお、不織布パッドは、繊維のみ、又は繊維を樹脂で含浸して構成されていてもよい。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、例えば、研磨面を有する層は、合成樹脂からなる繊維を含んでおり、その合成樹脂は、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリエチレン樹脂を含有する素材で構成されていてもよい。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、例えば、研磨面を有する層の研磨面とは反対側の面に、弾性体からなり且つ研磨面を有する層を支持する層をさらに備えている。研磨面を有する層を支持する層は、樹脂製の弾性体で構成されていてもよい。また、2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、例えば、研磨面を有する層よりも研磨面を有する層を支持する層の方が、JIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が低くてもよい。
このように、本実施形態に係る研磨パッドにおいて、研磨面を形成する硬質の層と、この硬質の層を支持する軟質の層と、を含む2層構造の研磨パッドに形成することにより、研磨面が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に、曲面に応じて軟質の層が歪むことによって硬質の層が撓み、研磨面が樹脂塗装面の曲面に追従する傾向がある。
以下、研磨パッドの一例として、研磨面を形成する硬質の層と、この硬質の層を支持する軟質の層とを含む2層構造を有する研磨パッドの構成例を説明する。以下の説明では、研磨面を形成する硬質の層を単に「硬質の層」と表記し、硬質の層を支持する軟質の層を単に「軟質の層」と表記する。なお、本実施形態において「硬質の層」と「軟質の層」とは、相対的な層の性質を表すものである。つまり、上記硬質とは、一方の層である「研磨面を形成する層」の硬度が、他方の層である「研磨面を有する層を支持する層」の硬度よりも高いことを意味するものである。これとは逆に、上記軟質とは、他方の層である「研磨面を有する層を支持する層」の硬度が、一方の層である「研磨面を形成する層」の硬度よりも低いことを意味するものである。
研磨パッドの構造を図2の(a)及び図2の(b)に基づいて説明する。研磨パッド110は、硬質の層140と、軟質の層150とを含む2層構造を有する。硬質の層140は、研磨パッド110の研磨面130を有する。軟質の層150は、硬質の層140を支持し、且つ研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に曲面に応じて歪む。このため、硬質の層140が曲面に沿って撓み、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に追従する傾向がある。
(硬質の層について)
硬質の層140は、研磨面130の疎部の面積率が52%以上96%以下であるシート素材で構成されていればよく、疎部の面積率が54%以上96%以下であるシート素材で構成されていれば好ましく、60%以上96%以下であるシート素材で構成されていればより好ましい。このような範囲であれば、後述する研磨用組成物の研磨界面への保持力が向上し、十分な研磨速度を得ることが可能である。なお、疎部の面積率が52%未満では、研磨用組成物の研磨界面への保持力が低下し、研磨レートが低下する傾向がある。なお、シート素材に後述のような溝を形成する場合には、溝の無い研磨接触面の疎部の面積率が52%以上96%以下であればよい
疎部の面積率の調整方法は特に限定させるものではなく、例えば不織布シートの場合、繊維の太さ、繊維の含有量、含浸される樹脂の量、表面のパターニング等によって調整してもよく、細長い材料を交差するように並べた構造であるメッシュ構造の場合、構造材の直径、構造の間隔、積層条件等により調整してもよく、発泡剤等を用いて内部に空隙を発生させる発泡構造体の場合、発泡剤の種類、量等によって調整してもよく、湿式製膜方法により形成されるスウェードの場合、製膜条件、バフィング条件によって調整してもよい。
硬質の層140の疎部の面積率は、例えば、研磨パッドの表面を顕微鏡で測定したものを画像解析することによって求めることができる。具体的には、研磨パッドの表面を形状解析レーザ顕微鏡(例えば、株式会社キーエンス製のVK-X200)を用いて、視野角1.4mm×1.4mm、高さ方向0.1mmの範囲を倍率200倍(対物10倍、接眼20倍)で任意の10点を測定し、得られた画像を画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製のWinROOF2018)を用いて、得られた画像をモノクロ化し、自動での2値化をしたものの全体の面積に対する空白の面積の割合を算出することで求めることができる。つまり、上記「疎部」とは、研磨パッド110の最表面から深さ0.1mmの範囲内に研磨パッド110を構成する繊維等が存在していない部分である。換言すると、研磨面130を有する層は、その最表面から厚さ0.1mmの範囲内における空隙部の面積の割合が52%以上96%以下であってもよい。ここで、上記「面積」とは、研磨面30を有する層を厚さ方向に見た場合の面積をいう。
硬質の層140の硬度は、JIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度で70以上であればよく、80以上であることがより好ましい。このような範囲であれば、研磨パッド110による樹脂塗装面の曲面の研磨がならい研磨になりにくくなり、樹脂塗装面の表面のうねりを取り除くことが可能になる。なお、硬質の層140のA硬度が70未満では、硬質の層140のうねり解消性が低下し美しい表面が得られない傾向がある。また、JIS K 6253に準ずる方法で測定されるA硬度の最大値は、100である。
なお、A硬度は、不織布シートの場合、繊維の材質、繊維の太さ、繊維の含有量、含浸される樹脂の量、含浸される樹脂の硬さ等によって調整することができる。
硬質の層140のA硬度は、JIS K 6253に準ずる方法で測定することができる。例えば、ゴム硬度計(ASKER社製 AL型)を定圧荷重器(ASKER社製 CL-150L)に装着して、定圧荷重器に試験片を平行に維持されるように置き、衝撃を与えないようにゴム硬度計AL型を試験片に接触させる。この時の加圧面に加える質量は1kgとし、接触後15秒後のゴム硬度計AL型の数値を読み取り、3mm間隔で5点測定した中の最も小さい値を採用することにより測定することができる。
硬質の層140の材質は特に限定されず、研磨面130の疎部の面積率が52%以上96%以下であり、且つA硬度70以上を有する材質であればよい。例えば、ポリウレタンタイプ、発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の材質の違いの他、その硬度や厚みなどの物性の違い、さらに砥粒を含むもの、砥粒を含まないものなど種々あるが、これらを制限なく使用することができる。特に、硬質の層140の材質は、例えば、不織布であってもよく、樹脂繊維を含むシート状物が好ましい。換言すると、研磨面の密の部分は繊維と樹脂を含む材質で構成されていてもよい。
また、硬質の層140の材質は、合成樹脂を含んだ材質であってもよい。硬質の層140に含まれる合成樹脂は、例えば、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリエチレン樹脂の少なくとも1種を含有する素材で構成されていてもよい。上記の材質であれば、被研磨面に対し、深いキズ(スクラッチ)を低減させることができる。硬質の層140の樹脂繊維の具体例としては、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂が好ましく、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。また、硬質の層140の合成樹脂の硬化は、硬化剤により行ってもよいし、熱により行ってもよい。
硬質の層140の樹脂繊維の太さは、特に限定されるものではないが、1デニール以上であることが好ましく、10デニール以下であることが好ましい。また、樹脂繊維の太さの種類は1種でもよいし、樹脂繊維の太さの種類が異なるものを2種以上混合させてもよい。
硬質の層140の厚さは、特に限定されるものではないが0.05cm以上であることが好ましい。また、0.5cm以下であることが好ましい。硬質の層140の厚さはこのような範囲であれば、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に硬質の層140が樹脂塗装面の曲面に沿って撓みやすくなり、被研磨物の曲面に対する研磨面130の追従性が向上する傾向がある。このため、被研磨物の表面形状のうねり成分を取り除くことができ、且つ研磨面130と曲面との接触面積が増えて研磨効率が向上する傾向がある。
(軟質の層について)
軟質の層150は、硬質の層140の研磨面130とは反対側の面に硬質の層140を支持するように設けられた層であって、弾性体で構成された層である。軟質の層150を構成する弾性体は、例えば、樹脂製であってもよい。
軟質の層150の硬度は、硬質の層140の硬度よりも低ければよい。例えばJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度で60未満であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましい。またA硬度が20を下回ると有意な差が出にくくなることから、A硬度が20未満の場合にはF硬度が好ましく用いられる。この場合、F硬度で95以下であると好ましく、90以下であるとより好ましく、80以下であるとさらに好ましく、70以下であるとより好ましく、70未満であるとさらに好ましく、60以下であると一層好ましい。また、30以上であると好ましく、40以上であるとより好ましい。このような範囲であれば、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に軟質の層150が歪みやすくなる。この結果、硬質の層140が樹脂塗装面の曲面に沿って撓みやすくなり、被研磨物の曲面に対する研磨面130の追従性が向上する傾向がある。研磨面130と曲面との接触面積が増えて研磨効率が向上する傾向がある。
軟質の層150のA硬度は、例えば、ゴム硬度計(ASKER社製 A型)を定圧荷重器(ASKER社製 CL-150L)に装着して、JIS K 6253に準ずる方法で、3mm間隔で5点測定した中の最も大きい値を採用することにより測定することができる。
軟質の層150のF硬度は、例えば、ゴム硬度計(高分子計器株式会社製 アスカーゴム硬度計F型)を定圧荷重器(ASKER社製 CL-150L)に装着して、3mm間隔で5点測定した中の最も大きい値を採用することにより測定することができる。なおアスカーゴム硬度計F型は、特に軟らかい試料の硬さ測定で適切な指示値が得られるよう、大きなインデンタと加圧面を持ったデュロメータであり、押針の形状は高さ2.54mm直径25.2mmの円筒形である。
軟質の層150の厚さは、特に限定されるものではないが0.50cm以上であることが好ましい。また、軟質の層150の厚さは、5.0cm以下であることが好ましい。このような範囲であれば、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に、軟質の層150の歪み量と硬質の層140の撓み量を確保することができる。
軟質の層150の材質は、特に限定されず、上記の硬度を有する材質であればよい。軟質の層150の材質は、例えば、ポリウレタン発泡体又はポリエチレン発泡体等の樹脂発泡体であってよい。
(その他の研磨パッドの特徴)
研磨パッド110の研磨面130を有する層(硬質の層140)の径の大きさは特に限定されるものではなく、研磨ロボットのポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40の径と同じでも、研磨パッド取り付け部40の径より大きくても良い。研磨パッド110の径が研磨パッド取り付け部40の径よりも大きい場合は、研磨対象物を研磨する際の圧力分布がより均一となり、また研磨時の取扱いの容易性が向上するため好ましい。例えば、研磨パッド110の径の研磨パッド取り付け部40の径に対する比が1.04倍以上2倍以下であることが好ましく、1.04倍以上1.6倍以下であることがより好ましく、1.1倍以上1.3倍以下であることがさらに好ましい。
研磨パッド110をポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40に固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば、両面接着テープ、接着剤、面ファスナー等を用いる固定方法が挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、直線状、曲線状、又はこれらを組み合わせた形状などが挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の外周形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円形状、多角形状、花弁状、星型などが挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の表面には、溝加工、孔加工、エンボス加工等の加工を施してもよいが、これら以外の加工を施してもよい。
研磨パッド110の研磨面130には、研磨用組成物が研磨面全面に行き渡りやすくするため、また研磨対象物への追従性を向上するため、溝131が形成されていてもよい。溝の形状は特に限定されるものではないが、例えば図3(a)のような格子状131、図3(b)のようなストライプ状132、図3(c)のようなスパイラル状133、図3(d)のような放射線状134、図3(e)のような三角形状135、図3(f)のような六角形状136の溝を形成することができる。
また、溝の深さは特に限定されるものではない。例えば、硬質の層140の厚さと同じでもよく、硬質の層140の厚さよりも浅くてもよく、硬質の層140の厚さよりも深くてもよい。
また、溝の幅は特に限定されるものではないが、例えば0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上がより好ましい。また、5.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以下がより好ましい。
このような範囲であれば、溝の形成による研磨面130と樹脂塗装面との接触面積の減少を抑えながら、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合の硬質の層140の変位量を確保し研磨面130を撓みやすくすることができる。
研磨パッド110の研磨面130の端部には、研磨対象物の特に凹曲面を研磨する際に傷を入りにくくするため、面取り部141~145が形成されていてもよい。面取り部の形状は特に限定されるものではないが、例えば図5(a)のような斜面状141、図5(b)のような曲面状142、図5(c)のような複数段の斜面状143、図5(d)、(e)のような斜面状と曲面状の組み合わせた形状144、145の面取り部を形成することができる。
また、面取り部の角度は特に限定されるものではないが、例えば面取り部が斜面状の場合、面取り部141と研磨面130とでなす角度θが125°以上180°未満であると好ましく、140°以上165°以下であるとより好ましい。この範囲であれば、凹面の研磨をした際に一層傷が入りにくくなる傾向がある。
本実施形態の研磨方法において使用される研磨パッド110は、研磨面130の外縁よりも内側(中心側)の領域に、硬質の層140を厚さ方向に貫通する孔である貫通部101aが形成されていてもよい。すなわち、貫通部101aの開口部は硬質の層140の外縁において開放しておらず、閉鎖した開口部となっている。なお、貫通部101aは、研磨面130の外縁よりも内側の領域に形成されていれば、硬質の層140の厚さ方向に平行に延びる孔でもよいし、硬質の層140の厚さ方向に対して傾斜する方向に延びる孔でもよい。
また、詳細は後述するが、貫通部101aは、図4(a)に示すように、研磨面130の周方向に沿って連続して環状をなしており、貫通部1aによって研磨面130が貫通部1aの外側の環状の研磨面130cと、貫通部1aの内側の円形状の研磨面130dとに分断されるような形状をなしていてもよい。あるいは、貫通部101aは、図4(b)や図4(c)に示すように、研磨面130の周方向に沿って連続しておらず、貫通部1aによって研磨面130が複数に分断されないような形状(以下「非環状」と記すこともある)をなしていてもよい。
貫通部101aの開口部の平面形状、すなわち、研磨面130に対して垂直をなす位置の視点から貫通部101aの開口部を見た場合の垂直投影図における貫通部101aの開口部の形状は、特に限定されない。貫通部101aの開口部の平面形状としては、例えば、環状(図4(a)を参照)、非環状が挙げられる。非環状としては、円形(図4(b)を参照)、繭形(図4(c)を参照)、楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等)、直線形(帯形)、曲線形(円弧形、C字形、U字形、S字形等)、不定形等が挙げられる。貫通部1aの開口部が角部を有すると、その部分に欠け等の破損が生じやすくなるので、環状、円形等の角部を有しない形状が好ましい。複数の貫通部101aの開口部の形状は、全て同一でもよいし、その一部又は全部が異なっていてもよい。
貫通部101aの開口部の大きさ及び貫通部101aの個数は、研磨面130の面積(貫通部101aの開口部も含めた、研磨面130の外縁よりも内側の領域の全面積)に対する貫通部101aの開口部の総面積の割合が3%以上35%以下となるように設定することが好ましい。すなわち、研磨面130に対して垂直をなす位置の視点から研磨面130を見た場合の垂直投影図において、研磨面130の面積と貫通部101aの開口部の面積を測定する。そして、全ての貫通部101aの開口部の面積を合計し、この合計した貫通部101aの開口部の総面積を研磨面130の面積で除して、研磨面130の面積に対する貫通部101aの開口部の総面積の割合を算出する。
研磨面130の面積に対する貫通部101aの開口部の総面積の割合が3%以上であれば、硬質の層140の柔軟性が良好となるため、研磨対象物の表面に追従しやすくなる。一方、研磨面30の面積に対する貫通部101aの開口部の総面積の割合が35%以下であれば、硬質の層140の研磨性能が良好となり、研磨対象物の表面のうねりが除去されやすい。なお、研磨面130の面積に対する貫通部101aの開口部の総面積の割合は、6%以上20%となるように設定することがより好ましい。
研磨面130における貫通部101aの開口部の配置の態様は、特に限定されるものではないが、硬質の層140の柔軟性及び研磨性能が好適となるように、研磨面130の外縁からの距離、研磨面130の中心からの距離、貫通部101aの開口部同士の間の間隔等を適宜設定することが好ましい。
貫通部101aの開口部の平面形状が環状である場合は、研磨面130は、貫通部101aの外側の環状の研磨面130cと貫通部101aの内側の円形状の研磨面130dとに分かれる。このときの貫通部101aの形状は特に限定されるものではなく、正円形状でもよいし、楕円形状でもよい。
また、研磨面130の直径に対する環状の貫通部101aの幅の割合が2.5%以上15%以下となるように設定することが好ましく、8%以上13%以下であることがより好ましい。この範囲内であれば、研磨面130が研磨対象物の表面に追従しやすい上に、研磨対象物の表面のうねりが除去されやすい。
研磨面130における環状の貫通部101aの位置は、研磨面130の外縁よりも内側(中心側)の領域であれば特に限定されるものではないが、貫通部101aの外側の環状の研磨面130cの中心と貫通部101aの内側の円形状の研磨面130dの中心とが共通となる位置に、環状の貫通部101aを配置することが好ましい。
貫通部101aの外側の環状の研磨面130cを有する硬質の層140と、貫通部101aの内側の円形状の研磨面130dを有する硬質の層140は、同一の素材で形成されていてもよいし、異なる素材で形成されていてもよい。
貫通部101aの外側の環状の研磨面130cを有する硬質の層140のA硬度に比べて、貫通部101aの内側の円形状の研磨面130dを有する硬質の層140のA硬度が大きいと、より効率的に研磨対象物の表面のうねりを除去できるので好ましい。
貫通部101aの開口部の平面形状が非環状である場合は、貫通部101aの開口部の大きさや貫通部101aの個数は特に限定されるものではないが、貫通部101aの個数は3個以上16個以下であることが好ましく、5個以上10個以下であることがより好ましい。貫通部101aの個数が3個以上であれば硬質の層140の柔軟性が良好となるため、研磨対象物の表面に追従しやすくなる。一方、貫通部101aの個数が16個以下であれば、硬質の層140の研磨性能が良好となり、研磨対象物の表面のうねりが除去されやすい。複数の貫通部101aの開口部の大きさは、全て同一でもよいし、その一部又は全部が異なっていてもよい。
非環状の貫通部101aの配置の態様は特に限定されるものではなく、例えば、複数の非環状の貫通部101aの開口部を、研磨面130に直線状に並べてもよいし、曲線状に並べてもよいし、環状に並べてもよい。複数の非環状の貫通部101aが環状に並んでいる場合は、研磨面130が、環状の貫通部101aによって分断された貫通部101aの外側の環状の研磨面130cと、貫通部101aの内側の円形状の研磨面130dとを、複数箇所で連結して繋いだ形状をなしているともみなすことができ、研磨面130が研磨対象物の表面に追従しやすい上に、研磨対象物の表面のうねりが除去されやすい。
また、複数の非環状の貫通部101aの開口部が直線状、曲線状、又は環状に並んでなる開口部群を、研磨面130に規則的に又は不規則的に複数群設けてもよい。例えば、複数の非環状の貫通部101aの開口部が直線状又は曲線状に並んでなる開口部群を、研磨面130に平行に複数並べてもよい。また、複数の非環状の貫通部101aの開口部が環状に並んでなる開口部群を、研磨面130に同心円状又は列状に複数並べてもよい。
隣り合う二つの非環状の貫通部101aの開口部の互いに対向する端部から研磨面130の中心へそれぞれ仮想直線(図4(b)における点線)を引いた場合に、これら2つの仮想直線のなす角度θは、20度以上85度以下であることが好ましく、20度以上40度以下であることがより好ましい。この範囲内であれば、研磨面130が研磨対象物の表面に追従しやすい上に、研磨対象物の表面のうねりが除去されやすい。
これら複数の非環状の貫通部101aの開口部は、全体として、線対称、点対称等の対称性を有するように研磨面130に配置されていることが好ましい。例えば、隣接する非環状の貫通部101aの開口部の中心を順次結んだ仮想直線が、正方形、正六角形、正八角形等の正多角形をなすように、非環状の貫通部101aの開口部が配置されていることが好ましい。換言すれば、研磨面130に仮想的に配置した正多角形の頂点に相当する位置に、複数の非環状の貫通部101aの開口部の中心がそれぞれ配置されていることが好ましい。この場合、研磨面130の中心と上記正多角形の中心とが一致することが好ましい。
図4(b)に示す研磨パッド110が、8個の非環状の貫通部101aの開口部が正八角形の頂点に相当する位置にそれぞれ配置されている例であり、図4(c)に示す研磨パッド110が、6個の非環状の貫通部101aの開口部が正六角形の頂点に相当する位置にそれぞれ配置されている例である。
また、硬質の層140の柔軟性をさらに向上させるために、軟質の層150に凹部を設けてもよい。軟質の層150の凹部は、軟質の層150を厚さ方向に貫通する貫通部であってもよいし、軟質の層150の硬質の層140に接する側の表面に形成された有底穴であってもよい。
軟質の層150の凹部が有底穴である場合は、その断面形状(研磨面130に直交する平面で切断した場合の断面形状)は特に限定されるものではなく、V字状でもよいが、矩形等の多角形状や円弧形状でもよい。
軟質の層150の凹部は、硬質の層140の環状又は非環状の貫通部101aと連続して形成されていてもよいし(すなわち、研磨面130上の同位置に配置されていてもよい)、不連続に形成されていてもよい。
軟質の層150の側面は、軟質の層150が円柱状又は円錐台状である場合は円柱面又は円錐面となり、角柱状又は角錐台状である場合は平面となるが、これら側面は平坦な面に限定されず、軟質の層150の外部側に向かって突出した凸面又は軟質の層150の内部側に向かって窪んだ凹面としてもよい。軟質の層150の形状が錐台状である場合は、錐台の中心軸線に対する軟質の層150の側面の傾斜角度は特に限定されるものではないが、この傾斜角度によって硬質の層140の柔軟性を調整することができる。
このような構成の研磨パッド110を用いて、研磨対象物が有する曲面状の表面の研磨を行えば、研磨パッド110の研磨面130が三次元的に変形し、研磨対象物の表面に追従するので、研磨対象物の表面のうねりを十分に除去することが可能であり、また研磨パッド110に欠け等の破損が生じにくいため好ましい。
<研磨用組成物>
上記の研磨方法において使用される研磨用組成物の例について説明する。研磨用組成物は、砥粒と、油剤、乳化安定剤、及び増粘剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、を含むエマルションで構成されていることが好ましい。以下、研磨用組成物の詳細について説明する。
研磨用組成物は、特に限定されるものではない。研磨用組成物としては、例えば、炭化ケイ素等のケイ素の炭化物からなる粒子や、二酸化ケイ素即ちシリカ、酸化アルミニウム即ちアルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、酸化鉄及び酸化マンガン等のケイ素または金属元素の酸化物からなる粒子や、ジルコンなどのケイ酸塩化合物、熱可塑性樹脂からなる有機粒子、又は有機無機複合粒子などから選ばれる砥粒、特に酸化アルミニウム、酸化セリウム、及び酸化ジルコニウムの少なくとも一種で構成される砥粒を含むスラリーを用いることができる。
例えば研磨用組成物には、高研磨速度を可能にし、且つ容易に入手が可能であるアルミナスラリーを用いることがさらに好ましい。
アルミナには、例えば、α-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナ、θ-アルミナなどの結晶形態が異なるものがあり、また水和アルミナと呼ばれるアルミニウム化合物も存在する。研磨速度の観点からは、α-アルミナを主成分とするものが砥粒としてより好ましい。
また、アルミナとジルコンとの混合物なども砥粒として好ましく使用できる。
α-アルミナを用いる場合、そのα化率は特に制限はないが、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。この範囲であれば、良好な表面形状を保ちながら高い研磨速度を有することができる。なお、α化率は例えばX線回折測定による(113)面回折線の積分強度比から求めることができる。
砥粒の平均二次粒子径は、特に限定されるものではないが、15.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以下である。平均二次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物の分散安定性は向上し、被研磨面のスクラッチ発生が抑制される。
砥粒の平均二次粒子径は、細孔電気抵抗法(測定機:ベックマン・コールター株式会社製 マルチサイザーIII型)により測定することができる。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨速度は向上する傾向がある。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
また、砥粒の含有量は、特に限定されるものではないが、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、研磨用組成物のコストを抑えることができる。また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じることをより抑えることができる。なお、研磨対象物は、樹脂材料、合金材料、金属、半金属、金属の酸化物材料、半金属の酸化物材料及びガラス材料からなる群より選択される少なくとも1種を含むものであればよい。
本実施形態に係る研磨用組成物は、添加剤を含む。該添加剤の具体的な例としては、たとえば、油剤、乳化安定剤、増粘剤が挙げられる。該添加剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。該添加剤を添加することで、エマルションの安定性が向上する傾向がある。なお、添加剤として、後述する表面改質剤及びアルカリ等を用いてもよい。
油剤の例としては、流動パラフィン、ポリブテン、α-オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、リン酸エステル、シリコーン油などの合成油、スピンドル油、ニュートラル油、ブライトストックなどの鉱物油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、亜麻仁油、綿実油、ナタネ油、キリ油、オリーブ油などの植物性油脂、牛脂、スクワラン、ラノリンなどの動物性油脂等が挙げられる。
乳化安定剤の例としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
増粘剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム(例えば、完全中和物、部分中和物、会合型のアルカリ可溶性のポリアクリル酸(アクリルポリマー)など)等の合成系増粘剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤(半合成系増粘剤)、寒天、カラギーナン、層状ケイ酸塩化合物、キサンタンガム、アラビアゴム等の天然系増粘剤等が挙げられる。会合型のアルカリ可溶性のポリアクリル酸を用いる場合には、ポリアクリル酸とアルカリとが併用される。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機アルカリ、トリエタノールアミン等の有機アルカリなどが挙げられる。アルカリを添加することにより、ポリアクリル酸が増粘作用を発揮する。また、増粘剤は、ニュートン流体であってもよいし、非ニュートン流体であってもよい。
研磨用組成物は、上記の成分の他、必要に応じて潤滑油、有機溶剤、界面活性剤などの他の成分を適宜含んでもよい。
潤滑油は、例えば、合成油、鉱物油、植物性油脂又はそれらの組み合わせであってよい。
有機溶剤は、例えば、炭化水素系溶剤の他、アルコール、エーテル、グリコール類やグリセリン等であってよい。
界面活性剤は、例えば、いわゆるアニオン、カチオン、ノニオン、両性界面活性剤であってよい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1は、産業用ロボット(安川電機株式会社製「MOTOMAN-GP25」)のアームの先端に定圧機構及びポリッシャー(リョービ株式会社製「PE-201」)を取り付けた研磨ロボット(トライエンジニアリング株式会社製「ロボットポリッシングシステム」)を用いて、研磨の圧力が一定となるように制御して、研磨を行った。
研磨対象物は、合成樹脂塗料で塗装された平板の800mm×600mmの金属板であり、クリア塗膜層の厚さは30μmである。つまり、被研磨面は、合成樹脂からなる塗装面である。
直径15cm、厚さ0.5cmの円板状の不織布からなる硬質の層と、直径15cm、厚さ2cmの円板状の発泡ポリウレタンからなる軟質の層と、を備える。硬質の層の一方の円板面が研磨面をなしており、他方の円板面に軟質の層が接合されている。硬質の層の疎部の面積率は95%である。また、硬質の層のA硬度は70であり、軟質の層のF硬度は90である。なお、本実施例において硬質の層のA硬度は、JIS K 6253に準ずる方法で、3mm間隔で5点測定した中の最も小さい値である。軟質の層のF硬度は、ゴム硬度計(高分子計器株式会社製 アスカーゴム硬度計F型)を定圧荷重器(ASKER社製 CL-150L)に装着して、3mm間隔で5点測定した中の最も大きい値を採用する。また、研磨パッド取り付け部の径に対する研磨面を有する層の径の比は1:1.2である。
使用した研磨用組成物は、水に、砥粒としてアルミナ12質量%、イソパラフィン系炭化水素16質量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル2質量%、ポリアクリル酸系高分子1質量%を加えて室温(25℃)で撹拌し、分散液(O/W型エマルション)としたものに、水酸化ナトリウムを加えて粘度を8,000mPa・sとしたものである。
アルミナの平均二次粒子径は1.3μm、α化率は65%である。平均二次粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製 マルチサイザーIII)を用い、細孔電気抵抗法により測定したD50の値である。α化率は、X線解析装置(株式会社リガク製 Ultima-IV)を使用し、X線回折測定による(113)面回折線の積分強度比より算出した。
具体的な研磨条件は、以下の通りである。
圧力:4500N/m
ポリッシャーの回転数:1000rpm
送り速度:183mm/秒
研磨用組成物の流量:2ml/分
研磨時間:20分間
なお、圧力の制御は、力の値による制御指令によってなされる。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドとの接触開始点において、研磨対象物にパッドを接近後、加圧開始、ポリッシャーの回転開始の順に動作した。研磨開始点接近とは、圧力を印加する方向に沿って延びる軸線を「加圧軸」としたとき、研磨開始点に対して加圧軸上の位置へ研磨パッドを移動させる動作である。なお、接近後に研磨パッドが研磨対象物に接触することもあるし、接触していないこともある。接触していない場合は、加圧開始の動作によって研磨パッドが研磨対象物に接触する。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドとの接触終了点において、加圧解除とポリッシャーの回転停止前に研磨対象物に接触しない回避位置へ移動した後に加圧解除とポリッシャーの回転を停止した。
研磨対象物とポリッシャーに装着されたパッドは水平(すなわち研磨パッドの研磨の進行方向側が研磨対象物から離れる方向の角度が0°)で研磨した。
研磨後に、被研磨面のゆず肌の除去性を目視により確認した。ゆず肌が除去されている場合はA、ゆず肌が除去されていない場合はDとして、表1に記した。
研磨後に、被研磨面の樹脂塗膜の剥がれの有無を目視により確認した。樹脂塗膜の剥がれが無い場合はA、樹脂塗膜の剥がれが9か所以下存在する場合はD、樹脂塗膜の剥がれが10か所以上存在する場合はEとして、表1に記した。
被研磨面の取り代を、研磨前後の膜厚をそれぞれ電磁誘導式膜厚測定装置で測定した差から算出し、取り代とした。取り代を研磨時間で除して研磨速度を求めた。被研磨面の9箇所で研磨速度を測定した。この試験を5回実施し、9箇所×5回=45点の平均研磨速度と標準偏差を算出した。前記9箇所は被研磨面の一部である600mm×800mmの外周部分より150mm以上内側の部分の9箇所とした。標準偏差を平均研磨速度で除して100を乗じた値を、研磨速度のばらつき(%)として評価した。
研磨速度が0.35μm/分以上の場合はA+、0.28μm/分以上0.35μm/分未満の場合はA、0.21μm/分以上0.28μm/分未満の場合はB、0.10μm/分以上0.21μm/分未満の場合はC、0.10μm/分未満の場合はDとして、表1に記した。
研磨速度の標準偏差が0.05μm/分以下の場合はA、0.05μm/分を超え0.08μm/分以下の場合はD、0.08μm/分を超える場合はEとして、表1に記した。
研磨速度のばらつきが20%未満の場合はA、20%以上30%未満の場合はD、30%以上の場合はEとして、表1に記した。
研磨後に、ポリッシャー起因の痕が暗室で点光源のスポットライトでも確認されない場合はA、快晴時の太陽光下で確認される場合はB、蛍光灯下で確認されるCとして、表1に記した。
(比較例1)
比較例1は、研磨ロボットとしてファナック株式会社製の産業用ロボット「M-20iA」のアームの先端にポリッシャーを取り付けた装置を用いて、定圧制御を行わず定寸加工となるように制御して研磨を行った。すなわち、経路の最初と最後の点のみの研磨後の位置に該当する加圧力が指定され、途中の経路は前記の方法で指示した最初と最後の位置を直線で結んだ位置になるような加圧力で研磨される機構で行った。
具体的な研磨条件は、研磨開始前の動作が表1に記載した順序である点を除いては、実施例1と同様にして試験を行った。
(比較例2)
比較例2は、ロボットを使わず、人が図6に示される手動用ポリッシャーを使用して、ハンド部70、80を手でつかみながら研磨を行った。手動用ポリッシャーとしては、トライエンジニアリング株式会社製の「MOTOMAN-GP25」のアームの先端に取り付けたと同じポリッシャーであるリョービ株式会社製「PE-201」を使用した。
具体的な研磨条件は、以下の通りである。
ポリッシャーの回転数:1000rpm
研磨用組成物の流量:2ml/分
研磨時間:15分間
上記の点及び研磨開始前の動作が表1に記載した順序である点を除いては、実施例1と同様にして試験を行った。
(実施例2、比較例3、比較例4)
実施例2、比較例3、比較例4は、使用した研磨パッドが、硬質の層の疎部の面積率が62%、硬質の層のA硬度が84である点を除いては、それぞれ実施例1、比較例1、比較例2と同様にして試験を行った。
(比較例5~7)
比較例5~7は、使用した研磨パッドが、硬質の層の疎部の面積率が50%、硬質の層のA硬度が74である点を除いては、それぞれ実施例1、比較例1、比較例2と同様にして試験を行った。
(比較例8~10)
比較例8~10は、使用した研磨パッドが、硬質の層の疎部の面積率が94%、硬質の層のA硬度が50未満である点を除いては、それぞれ実施例1、比較例1、比較例2と同様にして試験を行った。
(実施例3~7)
実施例3~7は、定圧に押し込みが可能な加工圧が1000N/m、2000N/m、3500N/m、4000N/m、6000N/mである点を除いては、それぞれ実施例2と同様にして試験を行った。
比較例11、12は、定圧に押し込みが可能な加工圧が500N/m、6500N/mである点を除いては、それぞれ実施例2と同様にして試験を行った。
(実施例8、9)
実施例8、9は、研磨開始前の動作が表3に記載した順序である点を除いては、それぞれ実施例2と同様にして試験を行った。
(実施例10~12)
実施例10~12は研磨終了後の動作が表3に記載した順序である点を除いては、それぞれ実施例2と同様にして試験を行った。
(実施例13~19)
実施例13~19は研磨中のパッドの研磨方向側が研磨対象物から離れる方向に傾いている角度(研磨パッドの研磨面の研磨方向に対する角度)および、研磨パッドの支持層のF硬度が表4に記載される値である点を除いては、それぞれ実施例2と同様の試験を行った。研磨後に、被研磨面全体の研磨痕が暗室で点光源のスポットライトでも確認されない場合はA、快晴時の太陽光下で確認される場合はB、蛍光灯下で確認されるCとして、表4に記した。
Figure 2022008022000002
Figure 2022008022000003
Figure 2022008022000004
Figure 2022008022000005
これらの試験結果から、研磨パッドの硬質の層の疎部の面積率とA硬度が適切な範囲内であるパッドを用い、定圧加工でのロボット研磨を行った場合には、被研磨面の表面をばらつきが小さく安定して鏡面研磨をすることができることが分かる。一方、研磨パッドの硬質の層の疎部の面積率とA硬度が適切な範囲ではない場合や、定寸加工でのロボット研磨、あるいは人が研磨を行った場合には、被研磨面の表面の品質が満足できるものでなかったり、ばらつきが大きく安定性が不十分であったりした。
またこれらの試験結果から、定圧に押し込み可能な機構を備えた産業用ロボットの研磨加工圧が適切な範囲である圧力で研磨対象物の研磨を行った場合には、被研磨面の表面のゆず肌が除去できることが分かる。なお、1000N/m未満の場合は研磨対象物のゆず肌除去の効率性が低下し、6000N/mを超えると配置するポリッシャーが破損した。
またこれらの試験結果から、定圧に押し込み可能な機構を備えた産業用ロボットで研磨する研磨開始点においては、開始点に接近後、加圧開始→加圧安定の為の待機→ポリッシャー回転開始→研磨開始の順に行うことで、研磨開始点での研磨対象物のポリッシャー起因の痕の発生をより抑制できることがわかる。
またこれらの試験結果から、定圧に押し込み可能な機構を備えた産業用ロボットで研磨する研磨終了点においては、終了点に到達後、加圧の範囲が及ばない回避位置へ移動させた後に、加圧解除とポリッシャーの回転停止させることで、研磨終了点での研磨対象物のポリッシャー起因の痕の発生をより抑制できることがわかる。
またこれらの試験結果から、定圧に押し込み可能な機構を備えた産業用ロボットで研磨中に研磨パッドの研磨の進行方向側を研磨対象物から離れる方向に0°を超える角度で傾けて研磨した場合、研磨速度が向上することが分かった。また、5.0°以下の角度で傾けた場合は、被研磨面全体の研磨痕の発生をより抑制できることが分かった。
1 研磨装置
11 ロボット
12 ベース部
14 下腕部
16 上腕部
18 手首部
13S S軸モータ
13L L軸モータ
15U U軸モータ
15R R軸モータ
17B B軸モータ
17T T軸モータ
13Sa S軸
13La L軸
15Ua U軸
15Ra R軸
17Ba B軸
17Ta T軸
20 圧力制御部
20c 圧力制御部中心軸
20d 加圧方向
30 ポリッシャー
50 手動用ポリッシャー
40 パッド取り付け部
60 ロボット制御部
70 ハンド部
80 ハンド部
110 研磨パッド
130 研磨面
131~136 溝
140 硬質の層
141~145 面取り部
150 軟質の層
101a 貫通部
130c 貫通部の外側の研磨面
130d 貫通部の内側の研磨面
160 研磨対象物
160a 研磨方向

Claims (8)

  1. 研磨対象物に砥粒を含有する研磨用組成物を接触させながら、産業用ロボットに配置されたポリッシャーに装着された研磨パッドを前記研磨対象物に押し当てて、前記産業用ロボットの動作により前記研磨対象物を研磨する研磨方法において、
    前記研磨パッドは、研磨面を有する研磨層と、弾性体からなり且つ前記研磨層を支持する支持層と、を備える積層体で構成され、前記研磨層は表面に疎密構造を有し、前記疎密構造の疎部の面積率は52%以上96%以下であり、かつ前記研磨層はJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であるシート素材で構成されており、
    前記研磨パッドを1000N/m以上6000N/m以下の範囲内の加工圧で前記研磨対象物に定圧で押し込むことを特徴とする研磨方法。
  2. 前記研磨方法において、前記研磨対象物に前記加工圧をかけた時のみポリッシャーを回転させて研磨する請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記研磨方法において、研磨を開始する際に、前記研磨対象物を加圧した後に前記ポリッシャーを回転させて研磨を開始し、研磨を終了する際に、前記研磨パッドを前記研磨対象物から離した後に研磨を終了することを特徴とする、請求項1または2に記載の研磨方法。
  4. 前記研磨方法において、研磨中に前記産業用ロボットに配置させたポリッシャーに装着された研磨パッドの研磨する方向側を前記研磨対象物から離れる方向に0°以上5.0°以下傾けて研磨することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨方法。
  5. 前記定圧押し込みは、前記加工圧のばらつきが±20%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨方法。
  6. 前記研磨パッドは、前記研磨層の外縁よりも内側の領域に、該研磨層を厚さ方向に貫通する貫通部が形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨方法。
  7. 前記産業用ロボットのパッド取り付け部の直径よりも、前記研磨層の直径の方が大きいことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨方法。
  8. 前記研磨用組成物は、前記砥粒及び添加剤を含有するエマルションからなり、前記添加剤は、油剤、乳化安定剤、及び増粘剤から選ばれる少なくとも一種である請求項1~7のいずれか一項に記載の研磨方法。
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