JP2022159076A - 研磨パッド、研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨能率を維持しつつ、目詰まりの発生が抑制された研磨パッドを提供する。【解決手段】研磨パッド110は、研磨面130に溝部131が形成された研磨層140を備え、研磨面130に対して垂直方向から見た場合に、研磨面130の全面積Sk(cm2)に対する溝部131の全面積Sm(cm2)の比(Sm/Sk)が0.30以上0.80以下であり、且つ研磨面130の全面積Sk(cm2)に対する溝部131の全容積Vm(cm3)の比(Vm/Sk)が0.07以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨パッドおよびこれを用いた研磨方法に関する。
例えば、車両の車体は、複雑な3次元形状を有しており、意匠性の向上などの目的でその表面を滑らかに研磨する場合がある。車体の表面研磨は、従来、作業者の人手により研磨されていた。しかしながら、作業者の作業負担が大きいうえ、磨きむらや磨き残しが生じること、また作業者の経験や勘に基づく部分が大きいため作業者によって仕上がりが異なることがある。
この課題を解決するために、研磨ロボットを使用して自動で研磨する方法等も提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、より良好な表面仕上げを実現するために、砥粒を含む研磨スラリーを用いて被研磨面を研磨するための研磨パッドであって、研磨面に溝を形成したものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。研磨面を形成する部分の材質は、ポリウレタン発泡体や不織布である。溝を形成することにより、研磨面が被研磨物の曲面により追従しやすく、研磨能率が向上する。
特開2018-020414号公報 特開2018-111164号公報 特開2016-047566号公報
このような研磨パッドに関しては、研磨の際に、研磨面の細孔、或いは溝に、粒子状物質の目詰まりが生じ、その結果、研磨時間の経過にともない研磨能率が低下することがあった。そのため、研磨の処理工程中にこまめにブラシをかけて、目詰まりを解消する必要がある。これにより、手間がかかり、処理工程の延長につながる懸念がある。
本発明は、このような従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、経時的な研磨能率の低下を抑制することの可能な研磨パッド及び研磨方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である研磨パッドは、研磨面に溝部が形成された研磨層を備え、前記研磨面に対して垂直方向から見た場合に、前記研磨面の全面積Sk(cm2)に対する前記溝部の全面積Sm(cm2)の比(Sm/Sk)が0.30以上0.80以下であり、且つ前記研磨面の全面積Sk(cm2)に対する前記溝部の全容積Vm(cm3)の比(Vm/Sk)が0.07以上であることを特徴とする。つまり、前記溝部は、当該溝部の全面積cm2を前記研磨面の全面積cm2で割った商が0.30以上0.80以下であり、且つ前記溝部の全容積cm3を前記研磨面の全面積cm2で割った商が0.07以上である。
また、本発明の別の態様である研磨方法は、上記研磨パッドを用い、前記研磨面を研磨対象物の被研磨面に押し当てて前記研磨パッドを動かすことにより、前記被研磨面を研磨することを特徴としている。
本発明によれば、経時的な研磨能率の低下を抑制することができる研磨パッド及び研磨方法を実現することができる。
本発明を適用した研磨ロボットの一例を示す概略構成図である。 実施形態の研磨パッドを示す図であって、(a)は研磨面側を示す斜視図、(b)は研磨面側から見た平面図、(c)は(a)及び(b)のA-A断面図であり、(a)では(b)に示す溝が省略されている。 実施形態の研磨パッドの溝の配置形状について、図2(b)以外の例を示す平面図である。 研磨面に設ける面取り形状を示す側面図である。 手動用ポリッシャーの斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
本実施形態の研磨パッドは、研磨ロボット及び手動用ポリッシャー等に取り付けられて研磨対象の研磨に適用される。以下、研磨ロボットに適用される場合の一例を説明する。
<研磨ロボット>
図1に、研磨ロボットの一例として6軸多関節ロボットの構成を示す。なお、本発明で使用できる研磨ロボットは6軸多関節ロボットに限定されるものではない。
研磨ロボット11は、ベース部12、下腕部14、上腕部16、及び手首部18を有する。ベース部12は例えば円盤形状を有し、ベース部12と下腕部14との間には、ベース部12に対して垂直方向に回転軸を有し、ベース部12より上方を旋回させるS軸モータ13Sと、S軸モータ13Sの回転軸と直交する方向に回転軸を有し、ベース部12に対して下腕部14を前後に傾斜させるL軸モータ13Lと、を有する。
下腕部14と上腕部16との間には、L軸モータ13Lの回転軸と平行な方向に回転軸を有し、下腕部14に対して上腕部16を旋回させるU軸モータ15Uと、U軸モータ15Uの回転軸に対して垂直方向に回転軸を有し、上腕部16を下腕部14に対して回転させるR軸モータ15Rと、が設けられている。
また、上腕部16と手首部18との間には、R軸モータ15Rの回転軸と直交する方向に回転軸を有し、上腕部16に対して手首部18を旋回させるB軸モータ17Bが、設けられている。さらに、手首部18には、B軸モータ17Bの回転軸と直交する方向に回転軸を有し、手首部18よりも先を回転させるT軸モータ17Tが設けられている。研磨ロボット11は、これら6つの回転軸モータを有するので、先端の手首部18は、如何なる3次元曲面の表面をもトレースすることができる。なお、ここで3次元曲面とは、平坦な面だけで構成されていない面(少なくとも一部は平坦でない面となっている面)をいう。以後各モータの回転軸をそれぞれS軸13Sa、L軸13La、U軸15Ua、R軸15Ra、B軸17Ba、T軸17Taとよぶ。
手首部18には、T軸モータ17Tを介して圧力制御部20が設けられ、圧力制御部20にはポリッシャー30が設置されている。
圧力制御部20は箱形であり、圧力を認識する機構と、圧力を調整するための加圧力を指示する機構とを備えている。ここで、圧力制御部20の圧力を作用させる方向を圧力制御部中心軸20cとする。ポリッシャー30を研磨ロボット11に取り付けると、圧力制御部中心軸20cは、手首部18のT軸17Taに対して垂直に配置されるようになっている。
圧力制御部20に備わる圧力認識機構は、例えば力覚センサやロードセルを用いても良い。また、例えば協働ロボットのようにロボット本体と一体型であっても良い。
圧力制御部20に備わる加圧力指示機構は、例えばエアーでの加圧やサーボモータでの加圧であっても良い。また、例えば協働ロボットのようにロボット本体と一体型であっても良い。なお、加圧力の制御指令値は、力の値(ニュートン;N)で指令される場合もある。
圧力制御部20によって制御する加工圧は1000N/m2以上6000N/m2以下になるように構成されていればよく、2500N/m2以上6000N/m2以下で構成されているとより好ましい。このような範囲の加工圧で研磨すれば、後述する研磨対象物のゆず肌除去性を効率よく研磨することが可能となる。なお、1000N/m2未満の場合は研磨対象物のゆず肌除去の効率性が低下し、6000N/m2を超えると配置するポリッシャー30の破損に影響する傾向がある。
圧力制御部20によって制御する指令に対する加工圧のばらつきは±20%以内となるようにすることが好ましく、±10%以内であるとより好ましい。このような範囲であれば、後述する研磨対象物の研磨能率における面内のばらつきが抑制され、手研磨に対して均一に研磨を実施することが可能となる。
ポリッシャー30は、一般的に手研磨で使用する電動シングルアクションポリッシャーであり、ポリッシャー30の回転軸が極力圧力制御部中心軸20cと一致するように、又は並行となるように配置されている。
本実施形態に係るポリッシャー30は、例えば圧力制御部20に対して双極に設置しても良い。
本実施形態に係るポリッシャー30においてシングル回転の電動ポリッシャーが好ましく、例えば電動駆動、エアー駆動、ギア駆動で構成されていてもよく、又、例えばシングル回転、ダブルアクション回転で構成されていてもよい。
ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40の材質は研磨パッドに加工圧を十分に伝えるために研磨パッドの材質より硬い材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、樹脂、金属、セラミック、繊維強化樹脂、複合材等を使用することができる。繊維強化樹脂としては、例えば、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂が挙げられる。繊維強化樹脂に使用される樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。また、複合材としては、例えば、意図的に無機粒子を含有した金属等の2種類以上の材質を組み合わせた複合材などが挙げられる。
ロボット制御部60は、研磨ロボット11の各軸モータの駆動部に接続されている。また、圧力制御部20、ポリッシャー30、パッドドレッサーなどのパッド洗浄装置65、図示しない研磨材供給装置、パッド交換装置といった機器にも接続されている。そして、圧力制御部20で感知する圧力が一定となるように、ロボット制御部60は圧力制御部20、ポリッシャー30の駆動を制御する。また、ロボット制御部60の図示しないメモリには、被研磨物の研磨予定面の空間データが蓄積される。そして、研磨材供給装置からは、研磨パッドと研磨対象物との間に研磨用組成物が供給され、研磨対象物が研磨される。
ロボット制御部60に接続される上記の研磨材供給装置、パッド交換装置、パッド洗浄装置65といった機器は、研磨作業の前後もしくは途中で動作することで、研磨に関する工程を自動で実施することもできる。例えば、パッド洗浄装置65を一定の間隔毎(時間毎や加工バッチ数毎など)に動作させ、パッドの目詰まりを防止させることができる。パッド洗浄装置65は、例えば、ブラシを有し、研磨パッドの研磨面にブラシをかけることによって、研磨面に形成された溝や研磨面を構成する不織布等に詰まった、研磨により生じた部材等を除去する。
<研磨パッド>
本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する層を備えており、その研磨面を有する層(研磨層)は疎密構造を有していてもよく、その疎の部分の割合が52%以上96%以下であってもよい。また、研磨面はJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であるシート状物で構成してもよい。換言すると、本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する層を備え、その研磨面を有する層は、例えば、繊維の集合体からなるシート状物で構成されており、その研磨面の疎の部分の割合が52%以上96%以下であり、且つJIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上である。研磨パッドが、繊維の集合体からなるシート状物で構成されている場合、疎の部分とは、繊維と繊維との間の空隙(細孔)部分である。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、研磨面を有する層は、不織布パッド、又は樹脂繊維を含むシート状物で構成されていてもよい。なお、不織布パッドは、繊維のみ、又は繊維を樹脂で含浸して構成されていてもよい。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、研磨面を有する層は、例えば、合成樹脂からなる繊維を含んでおり、その合成樹脂は、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリエチレン樹脂を含有する素材で構成されていてもよい。
本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する層の研磨面とは反対側の面に、研磨面を有する層を支持する支持層をさらに備えていてもよい。研磨面を有する層を支持する支持層は、樹脂製の弾性体で構成されていてもよい。また、2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
本実施形態に係る研磨パッドにおいて、例えば、研磨面を有する層よりも、研磨面を有する層を支持する層の方が、JIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が低くてもよい。
このように、本実施形態に係る研磨パッドにおいて、研磨面を形成する硬質の層と、この硬質の層を支持する軟質の層と、を含む2層構造の研磨パッドに形成することにより、研磨面が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に、曲面に応じて軟質の層が歪むことによって硬質の層が撓み、研磨面が樹脂塗装面の曲面に追従する傾向がある。
以下、研磨パッドの一例として、研磨面を形成する硬質の層と、この硬質の層を支持する軟質の層とを含む2層構造を有する研磨パッドの構成例を説明する。以下の説明では、研磨面を形成する硬質の層を単に「硬質の層」と表記し、硬質の層を支持する軟質の層を単に「軟質の層」と表記する。
なお、本実施形態において「硬質の層」と「軟質の層」とは、相対的な層の性質を表すものである。つまり、上記硬質とは、一方の層である「研磨面を形成する層」の硬度が、他方の層である「研磨面を有する層を支持する層」の硬度よりも高いことを意味するものである。これとは逆に、上記軟質とは、他方の層である「研磨面を有する層を支持する層」の硬度が、一方の層である「研磨面を形成する層」の硬度よりも低いことを意味するものである。
本実施形態の研磨パッド(研磨面に溝部を有する研磨パッド)を、図2(a)、図2(b)、図2(c)に基づいて説明する。図2(a)は、本実施形態の研磨パッド110の研磨面側を示す斜視図、図2(b)は研磨パッド110を研磨面側から見た平面図である。図2(c)は、これらの図のA-A断面図である。なお、図2(a)では、研磨面の溝部が省略されている。
本実施形態の研磨パッド110は、硬質の層(研磨層)140と、軟質の層(支持層)150とを含む2層構造を備える。硬質の層140は、研磨パッド110の研磨面130を有する。研磨面130は、研磨時に研磨対象物に対向する面であり、後述の疎密構造の疎部及び密部や、溝部が形成された部分も含む。研磨パッド110は、硬質の層140側からみて、少なくとも硬質の層140は円形に形成される。
(硬質の層について)
硬質の層140は、疎密構造を有し、研磨面130側において疎部の面積率が52%以上96%以下であるシート状物で構成されてもよく、疎部の面積率が54%以上96%以下であるシート状物で構成されていれば好ましく、60%以上96%以下であるシート状物で構成されていればより好ましい。このような範囲であれば、研磨パッドの研磨面及び研磨対象物の被研磨面の界面への、後述する研磨用組成物の保持力が向上し、十分な研磨速度を得ることが可能である。以降、研磨パッドの研磨面及び研磨対象物の被研磨面の界面を、研磨界面と記す場合がある。
なお、疎部の面積率が52%未満では、研磨用組成物の研磨界面への保持力が低下し、研磨能率が低下する傾向がある。本実施形態では、図2(b)に示すように、硬質の層140の研磨面130に溝部131が形成されており、この場合、研磨接触面(研磨面130の溝部131が無い部分)における疎部の面積率が52%以上96%以下であればよい。
疎部の面積率の調整方法は特に限定されるものではなく、例えば不織布シートの場合、繊維の太さ、繊維の含有量、樹脂で含浸させる場合の樹脂の量、表面のパターニング等によって調整してもよく、細長い材料を交差するように並べた構造であるメッシュ構造の場合、構造材の直径、構造の間隔、積層条件等により調整してもよく、発泡剤等を用いて内部に空隙を発生させる発泡構造体の場合、発泡剤の種類、量等によって調整してもよく、湿式製膜方法により形成されるスエードの場合、製膜条件、バフィング条件によって調整してもよい。
硬質の層140の疎部の面積率は、例えば、研磨パッドの表面を顕微鏡で測定したものを画像解析することによって求めることができる。具体的には、研磨パッドの表面を形状解析レーザ顕微鏡(例えば、株式会社キーエンス製のVK-X200)を用いて観察し、視野角1.4mm×1.4mm、高さ方向0.1mmの範囲を倍率200倍(対物10倍、接眼20倍)で任意の10点を測定し、画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製のWinROOF2018)を用いてモノクロ化し、自動での2値化をしたものの全体の面積に対する空白の面積の割合を算出することで求めることができる。
つまり、上記「疎部」とは、研磨パッド110の最表面から深さ0.1mmの範囲内に研磨パッド110を構成する繊維等が存在していない部分である。換言すると、研磨面130を有する層は、その最表面から厚さ0.1mmの範囲内における空隙部の面積の割合が52%以上96%以下であってもよい。ここで、上記「面積」とは、研磨面130を有する層を厚さ方向に見た場合の面積をいう。
硬質の層140の硬度は、JIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度で70以上であればよく、80以上であることがより好ましい。このような範囲であれば、研磨パッド110による樹脂塗装面の曲面の研磨が、樹脂塗装面の微細な凹凸形状にまで追従するならい研磨になりにくくなり、樹脂塗装面の表面のうねりを取り除くことが可能になる。なお、硬質の層140のA硬度が70未満では、硬質の層140のうねり解消性が低下し良好な表面仕上げとならない傾向がある。また、JIS K 6253に準ずる方法で測定されるA硬度の最大値は、100である。
なお、A硬度は、不織布シートの場合、繊維の材質、繊維の太さ、繊維の含有量、含浸される樹脂の量、含浸される樹脂の硬さ等によって調整することができる。
硬質の層140のA硬度は、JIS K 6253に準ずる方法で測定することができる。例えば、ゴム硬度計(ASKER社製 AL型)を定圧荷重器(ASKER社製 CL-150L)に装着して、定圧荷重器に試験片を平行に維持されるように置き、衝撃を与えないようにゴム硬度計AL型を試験片に接触させる。この時の加圧面に加える質量は1kgとし、接触後15秒後のゴム硬度計AL型の数値を読み取り、3mm間隔で5点測定した中の最も小さい値を採用することにより測定することができる。
硬質の層140の材質は特に限定されず、研磨面130の疎部の面積率が52%以上96%以下であり、且つA硬度70以上を有する材質であってもよい。硬質の層140としては、例えば、ポリウレタンタイプ、発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スエードタイプ等の材質の違いの他、その硬度や厚みなどの物性の違い、さらに砥粒を含むもの、砥粒を含まないものなど種々あるが、これらを制限なく使用することができる。特に、硬質の層140の材質は、例えば、不織布であってもよく、樹脂繊維を含むシート状物が好ましい。換言すると、研磨面の密の部分は繊維と樹脂を含む材質で構成されていてもよい。
また、硬質の層140の材質は、合成樹脂を含んだ材質であってもよい。硬質の層140に含まれる合成樹脂は、例えば、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリエチレン樹脂の少なくとも1種を含有する素材で構成されていてもよい。上記の材質であれば、研磨対象物の被研磨面に対し、深いキズ(スクラッチ)が発生することを抑制できる。
硬質の層140の樹脂繊維の具体例としては、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂が好ましく、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。また、硬質の層140の合成樹脂の硬化は、硬化剤により行ってもよいし、熱により行ってもよい。
硬質の層140の樹脂繊維の太さは、特に限定されるものではないが、1デニール以上であることが好ましく、10デニール以下であることが好ましい。また、樹脂繊維の太さの種類は1種でもよいし、樹脂繊維の太さの種類が異なるものを2種以上混合させてもよい。
硬質の層140の厚さは、特に限定されるものではないが0.05cm以上であることが好ましい。また、0.5cm以下であることが好ましい。硬質の層140の厚さはこのような範囲であれば、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に硬質の層140が樹脂塗装面の曲面に沿って撓みやすくなり、研磨対象物の曲面に対する研磨面130の追従性が向上する傾向がある。このため、研磨対象物の表面形状のうねり成分を取り除くことができ、且つ研磨面130の径方向全域が曲面に接触し易くなり研磨効率が向上する傾向がある。
(軟質の層について)
軟質の層150は、硬質の層140の研磨面130とは反対側の面に硬質の層140を支持するように設けられた層である。軟質の層150は、弾性体であってもよく、樹脂製の弾性体であることが好ましい。
また、軟質の層150の硬さは、F硬度(高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計F型」で測定した硬度)で30以上70未満であり、40以上60以下であることが好ましい。アスカーゴム硬度計F型は、特に軟らかい試料の硬さ測定で適切な指示値が得られるよう、大きなインデンタと加圧面を持ったデュロメータであり、押針の形状は高さ2.54mm直径25.2mmの円筒形である。
軟質の層150の厚さは、特に限定されるものではないが0.50cm以上であることが好ましい。また、軟質の層150の厚さは、5.0cm以下であることが好ましい。このような範囲であれば、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合に、軟質の層150の歪み量と硬質の層140の撓み量を確保することができる。
軟質の層150の材質は、特に限定されないが、上記の硬度を有する材質を用いることができる。軟質の層150の材質は、例えば、ポリウレタン発泡体又はポリエチレン発泡体等の樹脂発泡体であってもよい。
(研磨パッドの特徴)
研磨パッド110の研磨面130の直径は、10mm以上200mm以下であることが好ましい(条件a)。また、研磨パッド110の径が研磨パッド取り付け部40の径よりも大きい場合は、研磨対象物を研磨する際の圧力分布がより均一となり、また研磨時の取扱いの容易性が向上するため好ましい。例えば、研磨パッド110の径の研磨パッド取り付け部40の径に対する比が1.1倍以上2.0倍以下であることが好ましく、1.1倍以上1.6倍以下であることがより好ましく、1.1倍以上1.3倍以下であることがさらに好ましい。
また、研磨パッド110の径が研磨パッド取り付け部40の径と同じ、すなわち研磨パッド110の径の研磨パッド取り付け部40の径に対する比が1.0倍とすることもあり得る。この場合、研磨面130の最外周まで圧力を伝達しやすくなり、研磨面130の最外周に圧力がかからないことにより研磨速度が低下することを抑制可能になる。
研磨パッド110をポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40に固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば、両面接着テープ、接着剤、面ファスナー等を用いる固定方法が挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、直線状、曲線状、又はこれらを組み合わせた形状などが挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の外周形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円形状、多角形状、花弁状、星型などが挙げられる。
研磨パッド110のうち、ポリッシャー30の研磨パッド取り付け部40と接触する箇所の表面には、溝加工、孔加工、エンボス加工等の加工を施してもよいが、これら以外の加工を施してもよい。
(溝部の特徴)
図2(c)に示すように、研磨パッド110を構成する研磨層(硬質の層)140の研磨面130に溝部131が形成されている。なお、ここでいう「溝部」とは、硬質な層として用いられる、例えば不織布自体の凹凸(細孔)により形成される凹部(疎部)のことではなく、図2(c)に示すように、硬質な層、つまり不織布自体に、別途凹部を設けることにより形成された溝のことをいう。このような溝部を設けることにより、研磨用組成物が研磨面全面に行き渡りやすくなり、また研磨面が研磨対象物に追従しやすくなる。
溝部131の形状は、次の条件1~5を満足することが好ましい。
条件1:溝部131の幅は0.5mm以上5.0mm以下である。
条件2:溝部131の深さは0.5mm以上2.5mm以下である。
条件3:溝部131の全面積(つまり全ての溝部131の面積の和)を、研磨面130全面積(つまり研磨面130全体の面積)で割り算した商の値(溝部面積率)、すなわち研磨面130の全面積Sk(cm2)に対する溝部131の全面積Sm(cm2)の比(Sm/Sk)が、0.30以上0.80以下である。なお、研磨面130とは、研磨時に被研磨物に対向する面であり、「研磨面130の全面積」には、疎密構造の疎部および密部や、溝部131の面積も含まれる。以降、「研磨面全面積」又は「研磨面の全面積」は、「研磨面130の全面積」と同一の意味を表す。
条件4:溝部131の全容積(つまり全ての溝部131の容積の和)を、研磨面130の全面積で割り算した商の値(溝容積/研磨面全面積)、すなわち、研磨面の全面積Sk(cm2)に対する前記溝部の全容積Vm(cm3)の比(Vm/Sk)が、0.07以上である。
条件5:連続する溝部131毎に、溝部131の少なくとも一部が研磨面130の外縁に達し開放されている。
条件1に関して、溝幅は、研磨能率の向上の観点から、4.0mm以下であることが好ましく、3.0mm以下であることがさらに好ましい。また、溝と溝との距離であるピッチは、溝幅及び/又は研磨面の直径に応じて設定され得る。例えば、ピッチと溝幅の差(「ピッチ(mm)-溝幅(mm)」は、研磨パッドの強度の観点から、1.0mm以上であると好ましく、1.5mm以上であるとさらに好ましく、2.0mm以上であると一層好ましい。この範囲であれば、ピッチに対して溝幅が大き過ぎて、溝と溝との間の部分である凸部(研磨接触面)が細くなり、研磨時に凸部が剥がれることを抑制できる。
条件2に関して、溝深さは、研磨パッドの強度の観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましい。この範囲であれば、溝深さが深すぎるために硬質の層が剥がれることを抑制できる。
条件3に関して、溝部面積率は、研磨能率の低下を抑制する観点から、0.35以上とすることが好ましく、0.40以上とすることがさらに好ましく、0.50以上とすることが一層好ましい。また、溝部面積率は、強度または、研磨に有効な凸部面積の観点から、0.70以下とすることが好ましく、0.60以下とすることがさらに好ましい。
条件4に関して、「溝容積/研磨面全面積」は、研磨能率の低下を抑制する観点から、0.10以上とすることが好ましく、0.13以上とすることがさらに好ましく、0.15以上とすることが一層好ましい。また、「溝容積/研磨面全面積」は、溝容積を過剰に大きくすることによる研磨パッドの強度低下を抑制するため、例えば0.16以下としてもよい。
ここで、研磨パッド110は、研磨面130の溝部131や凸部が目詰まりした場合、研磨能率を維持できないことから、パッド洗浄装置65により、研磨パッド110の研磨面130にブラシをかけてリフレッシュする必要があり、従来の研磨パッドにおいては、研磨能率を維持するためには、例えば5分程度毎にブラシをかける必要があった。
本実施形態では、溝部131の形状を所定の形状とし、研磨能率の低下率を低減することで、ブラシをかける回数の低減を図っている。つまり、溝形状として、ブラシをかけずに使い続けても、研磨能率の低下率がより小さくなる形状を選定しており、この溝形状が、上記条件a及び条件1~5を満足する形状である。さらに、溝部131の一部が研磨面130の外縁に達し、溝部131が開放された形状とすることにより、溝部131に必要以上の研磨用組成物が保持されることを抑制すると共に、不要な研磨くずを排出することで、研磨時間の経過に伴う研磨能率の低下率を抑制するようにしている。
溝部131の配置形状の例としては、図2(b)のような格子状の溝部131の他に、図3(a)のような、スパイラル状の溝部132、図3(b)のような、複数の三角形の凸部の周りを取り囲む線を繋げた形状の溝部133、図3(c)のような、複数の六角形の凸部の周りを取り囲む線を繋げた形状の溝部134が挙げられる。つまり、条件a及び条件1~5を満足すれば、溝部131の配置形状は限定されない。また、条件a及び条件1~5を満足すれば、溝部131の深さが、硬質の層140の厚さよりも浅くてもよい。なお、軟質の層150は、研磨面130側に露出していない。
条件a及び条件1~5を満足する溝部131であれば、一般に用いられる研磨ロボットを用いて研磨を行うことにより、溝部131を形成することによる研磨面130と樹脂塗装面との接触面積の減少を抑えながら、研磨面130が樹脂塗装面の曲面に押し当てられた場合の硬質の層140の変位量を確保し、研磨面130を撓みやすくすることができるため、研磨能率を維持すると共に、溝部131の目詰まりの発生を抑制することができる。
研磨パッド110の研磨面130の端部には、研磨対象物の特に凹曲面を研磨する際に傷を入りにくくするため、面取り部が形成されていてもよい。面取り部の形状は特に限定されるものではないが、例えば図4(a)のような斜面状の面取り部141、図4(b)のような曲面状の面取り部142、図4(c)のような複数段の斜面状の面取り部143、図4(d)、(e)のような、斜面状と曲面状の組み合わせた形状の面取り部144,145を形成することができる。
また、面取り部の角度は特に限定されるものではないが、例えば斜面状の面取り部141の場合、面取り部141と研磨面130とでなす角度θが125°以上180°未満であると好ましく、140°以上165°以下であるとより好ましい。この範囲であれば、凹面の研磨をした際に一層傷が入りにくくなる傾向がある。
<研磨用組成物>
上記の研磨方法において使用される研磨用組成物の例について説明する。研磨用組成物は、砥粒と、油剤、乳化安定剤、及び増粘剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、を含むエマルションで構成されていることが好ましい。このような添加剤を含むことで、粘性の高い研磨用組成物を得やすい。粘性の高い研磨用組成物は、地面に対して垂直または傾斜した被研磨面に塗布した場合に液だれしにくく、三次元形状の研磨対象物の研磨に有利である。
なお、粘性の高い研磨用組成物は、上記液だれしにくい程度の粘性を有するものであれば特に限定されないが、例えば1mPa・s以上であることが好ましく、2000mPa・s以上であることがより好ましく、4000mPa・s以上であることがさらにより好ましく、5000mPa・s以上であることがさらにより好ましい。また40000mPa・s以下であることが好ましく、30000mPa・s以下であることがより好ましく、13000mPa・s以下であることがさらにより好ましく、10000mPa・s以下であることがさらにより好ましい。また、このような特性を示すものであれば、上述の添加剤を含まなくてもよい。
以下、研磨用組成物の詳細について説明する。
研磨用組成物は、特に限定されるものではない。研磨用組成物としては、例えば、炭化ケイ素等のケイ素の炭化物からなる粒子や、二酸化ケイ素即ちシリカ、酸化アルミニウム即ちアルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、酸化鉄及び酸化マンガン等のケイ素または金属元素の酸化物からなる粒子や、ジルコンなどのケイ酸塩化合物、熱可塑性樹脂からなる有機粒子、又は有機無機複合粒子などから選ばれる砥粒、特に酸化アルミニウム、酸化セリウム、及び酸化ジルコニウムの少なくとも一種で構成される砥粒を含むスラリーを用いることができる。
例えば研磨用組成物には、高研磨速度を可能にし、且つ容易に入手が可能であるアルミナスラリーを用いることがさらに好ましい。
アルミナには、例えば、α-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナ、θ-アルミナなどの結晶形態が異なるものがあり、また水和アルミナと呼ばれるアルミニウム化合物も存在する。研磨速度の観点からは、α-アルミナを主成分とするものが砥粒としてより好ましい。
また、アルミナとジルコンとの混合物なども砥粒として好ましく使用できる。
α-アルミナを用いる場合、そのα化率は特に制限はないが、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。この範囲であれば、良好な表面形状を保ちながら高い研磨速度を有することができる。なお、α化率は例えばX線回折測定による(113)面回折線の積分強度比から求めることができる。
砥粒の平均二次粒子径は、特に限定されるものではないが、15.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以下である。平均二次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物の分散安定性は向上し、研磨対象物の被研磨面のスクラッチ発生が抑制される。
砥粒の平均二次粒子径は、細孔電気抵抗法(測定機:ベックマン・コールター株式会社製 マルチサイザーIII型)により測定することができる。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨速度は向上する傾向がある。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
また、砥粒の含有量は、特に限定されるものではないが、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、研磨用組成物のコストを抑えることができる。また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じることをより抑えることができる。
なお、研磨対象物は、樹脂材料、合金材料、金属、半金属、金属の酸化物材料、炭化物材料、窒化物材料、半金属の酸化物材料及びガラス材料からなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
本実施形態に係る研磨用組成物は、添加剤を含む。該添加剤の具体的な例としては、たとえば、油剤、乳化安定剤、増粘剤が挙げられる。該添加剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。該添加剤を添加することで、エマルションの安定性が向上する傾向がある。なお、添加剤として、後述する表面改質剤及びアルカリ等を用いてもよい。
油剤の例としては、流動パラフィン、ポリブテン、α-オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、リン酸エステル、シリコーン油などの合成油、スピンドル油、ニュートラル油、ブライトストックなどの鉱物油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、亜麻仁油、綿実油、ナタネ油、キリ油、オリーブ油などの植物性油脂、牛脂、スクワラン、ラノリンなどの動物性油脂等が挙げられる。
乳化安定剤の例としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
増粘剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム(例えば、完全中和物、部分中和物、会合型のアルカリ可溶性のポリアクリル酸(アクリルポリマー)など)等の合成系増粘剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤(半合成系増粘剤)、寒天、カラギーナン、層状ケイ酸塩化合物、キサンタンガム、アラビアゴム等の天然系増粘剤等が挙げられる。会合型のアルカリ可溶性のポリアクリル酸を用いる場合には、ポリアクリル酸とアルカリとが併用される。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機アルカリ、トリエタノールアミン等の有機アルカリなどが挙げられる。アルカリを添加することにより、ポリアクリル酸が増粘作用を発揮する。また、増粘剤は、ニュートン流体であってもよいし、非ニュートン流体であってもよい。
研磨用組成物は、上記の成分の他、必要に応じて潤滑油、有機溶剤、界面活性剤などの他の成分を適宜含んでもよい。
潤滑油は、例えば、合成油、鉱物油、植物性油脂又はそれらの組み合わせであってもよい。
有機溶剤は、例えば、炭化水素系溶剤の他、アルコール、エーテル、グリコール類やグリセリン等であってもよい。
界面活性剤は、例えば、いわゆるアニオン、カチオン、ノニオン、両性界面活性剤であってもよい。
このように、本発明に係る研磨パッドは、ブラシをかけずに使い続けても目詰まり等による研磨能率の低下率がより小さくなる形状を選定している。つまり、研磨能率の低下率がより小さい研磨パッドを実現することができる。
したがって、本発明に係る研磨パッドを用いて研磨を行うことによって、研磨時間の経過に伴い研磨能率が低下することを低減することができる。そのため、研磨能率の低下を解消することを目的として、研磨能率の低下の要因となる目詰まり等を解消するため、研磨作業を一時停止した上でブラシをかける回数を削減することができる。
ちなみに、従来の溝のある研磨パッドを用いて研磨を行う場合には5分に1回程度ブラシを作動させる必要があったが、上記構成の研磨パッドを用いることによって、20分に1回程度ブラシを作動させればよくなった。
溝部131の一部が研磨面130の外縁に達し、開放されているため、研磨用組成物が溝部131を通って研磨面130の外方へ排出されやすく、また、不要な研磨くずを排出しやすい。これによっても、目詰まりの抑制に有利となる。
ここで、粘性の高い研磨用組成物を用いる場合を考える。エマルションからなる粘性の高い研磨用組成物は、粘性の低い研磨用組成物と比較して流動性が低い。そのため、研磨時、研磨パッドに付着した研磨用組成物及び/又は研磨くずが研磨パッドの外に排出されづらい。研磨パッドの外に排出されずに残留した砥粒や研磨くずなどの固形物は、目詰まりの原因となり得る。
また、研磨用組成物が研磨パッド外に排出されないことは、研磨界面における研磨熱の上昇につながる。さらに、粘性の高い研磨用組成物は、油分を含んでいたり、含まれる水分量が少なったりする。また、粘性の高い研磨用組成物は、粘性の低い研磨用組成物と比較して、研磨時に研磨面へ供給される量が少ない。このような粘性の高い研磨用組成物を用いた場合、粘性の低い研磨用組成物と比較して、研磨界面がドライな状態となりやすく、研磨熱の上昇が著しい。
また、被研磨面が研磨パッドの研磨面よりも大きいことで、研磨中、研磨面全域が被研磨面に接触している状態が長く続くために、研磨面からの熱の放出が困難となりやすい。これらの結果、研磨用組成物中の液体成分が蒸発しやすくなり、研磨用組成物中の砥粒や研磨くずなどの固形物の排出がさらに困難になる。また、研磨面が高温となることで、樹脂からなる研磨くずが研磨パッドの固着を発生させる。これらにより、さらに目詰まりが発生しやすい状況になり得る。
このような粘性の高い研磨用組成物を用いる場合であっても、本実施形態の研磨パッドを用いることによって、残留固形物を溝に逃がすことが可能である。また、溝部分の空間により、研磨熱の上昇抑制にも寄与する。したがって、本実施形態の研磨パッドは、粘性の高い研磨用組成物を用いた研磨に適用された場合に、優れた目詰まり抑制効果を奏する。
また、本実施形態の研磨パッドは、揮発性の高い分散媒を使用しておりドライになりやすい研磨用組成物を用いる場合や、砥粒濃度が高く固形物が残留しやすい研磨用組成物を用いる場合にも、好適に用いることができる。
なお、上記実施形態においては、研磨ロボットを用いて研磨を行う場合について説明したが、ロボットを用いず、人が図5に示す手動用ポリッシャー50を使用して研磨を行う場合であっても本実施形態に係る研磨パッドを適用することができる。なお、図5において、符号70及び80は、手動用ポリッシャー50のハンド部、40は研磨パッド取り付け部、110は研磨パッドである。
[第二実施形態]
第二実施形態の研磨パッドは、図2に示す第一実施形態の研磨パッド110とは異なり、軟質の層150を有さず、硬質の層140のみからなる。それ以外の点は第一実施形態の研磨パッドと同じである。
第二実施形態の研磨パッドは、第一実施形態と、研磨面に形成された溝部の構成が同じであるため、経時的な研磨能率の低下を抑制することができる。このような研磨パッドは、研磨対象の表面が平面である場合や、緩やかな曲面である場合などに用いることができる。特に、研磨対象の表面の端部(エッジ)を磨く際には、圧力が当該端部に局所的にかかることを抑制し、端部が過度に研磨されるエッジだれの発生を抑制する。
<研磨パッド>
下記に示す構成のNo.1~No.18の研磨パッドを用意した。
No.1~No.16の研磨パッドは、直径が15cmで、厚さが1.3mm、2.0mm、または3.0mmである円板状の不織布からなる硬質の層(研磨層)と、直径15cm、厚さ20mmの円板状の発泡ポリウレタンからなる軟質の層(支持層)と、を備える。硬質の層の一方の円板面が研磨面をなしており、他方の円板面に軟質の層が接合されている。硬質の層の疎部の面積率は95%である。また、硬質の層のA硬度は70であり、軟質の層のF硬度は90である。なお、硬質の層のA硬度は、JIS K 6253に準ずる方法により、3mm間隔で5点測定した中の、最も小さい値を採用した。また、研磨パッド取り付け部の径に対する研磨面を有する層の径の比は1:1.2である。
No.1の研磨パッドは、研磨層の研磨面に溝部が形成されていない。No.1の研磨パッドの研磨層の厚みは1.3mmである。
No.2~No.16の研磨パッドの研磨層は、図2(b)に示す格子状の溝部を有する。各研磨パッドの溝幅、ピッチ、溝深さ、研磨層の厚み、比Sm/Sk(溝面積率)、比Vm/Sk(溝容積cm3/研磨面の面積cm2)は表1に示す通りである。
No.17,No.18の研磨パッドは、直径が15cmで、厚さが1.3mmまたは3.0mmである円板状の不織布からなる硬質の層(研磨層)のみで形成されている。つまり、No.17,No.18の研磨パッドは、図2に示す研磨パッド110とは異なり、支持層150を有さず、研磨層140のみからなる。また、No.17,No.18の研磨パッドの研磨面に、図2(b)に示す格子状の溝部が形成されている。各研磨パッドの溝幅、ピッチ、溝深さ、研磨層の厚み、比Sm/Sk(溝面積率)、比Vm/Sk(溝容積cm3/研磨面の面積cm2)は表1に示す通りである。
なお、ピッチとは、溝部と溝部との間の距離であって、例えば溝部の左端同士の間の距離をいう。また、溝部面積率は、研磨面全体において溝部が占める面積割合を表し、「溝部面積/研磨面面積」で求められる。ここで溝部面積は、「研磨面面積-凸部の面積」で求められる。さらに、「溝容積cm3/研磨面の面積cm2」の「溝容積cm3」は「研磨面面積cm2×溝部面積率%×溝深さcm」である。
<研磨対象物>
研磨対象物は、合成樹脂塗料で塗装された平板の800mm×600mmの金属板であり、クリア塗膜層の厚さは30μmである。つまり、被研磨面は、合成樹脂からなる塗装面である。
<研磨用組成物>
使用した研磨用組成物は、水に、砥粒としてアルミナ12質量%、イソパラフィン系炭化水素16質量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル2質量%、ポリアクリル酸系高分子1質量%を加えて室温(25℃)で撹拌し、分散液(O/W型エマルション)としたものに、水酸化ナトリウムを加えて粘度を8,000mPa・sとしたものである。
アルミナの平均二次粒子径は1.3μm、α化率は約95%である。平均二次粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製 マルチサイザーIII)を用い、細孔電気抵抗法により測定したD50の値である。α化率は、X線解析装置(株式会社リガク製 Ultima-IV)を使用し、X線回折測定による(113)面回折線の積分強度比より算出した。尚、基準物質として、焼成温度が十分に高くα化が十分に進行している市販のαアルミナ単結晶粒子を用いた。
研磨用組成物として、本出願人製造の研磨用組成物で、粘度が8000mPa・sのMIRAFLEX S500を使用した。
<研磨方法>
No.1~No.18の各研磨パッドを用い、以下の条件で研磨試験を行った。
産業用ロボット(安川電機株式会社製「MOTOMAN-GP25」)のアームの先端に定圧機構及びポリッシャー(リョービ株式会社製「PE-201」)を取り付けた研磨ロボット(トライエンジニアリング株式会社製「ロボットポリッシングシステム」)を用いて、研磨の圧力が一定となるように制御して、研磨(ラフ研磨)を行った。
具体的な研磨条件は、以下の通りである。
圧力:4500N/m2
ポリッシャーの回転数:1000rpm
送り速度:183mm/秒
研磨用組成物の流量:2ml/分
研磨時間:15分間
なお、圧力の制御は、力の値による制御指令によってなされる。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着された研磨パッドとの接触開始点において、研磨対象物にパッドを接近後、加圧開始、ポリッシャーの回転開始の順に動作した。研磨開始点接近とは、圧力を印加する方向に沿って延びる軸線を「加圧軸」としたとき、研磨開始点に対して加圧軸上の位置へ研磨パッドを移動させる動作である。なお、接近後に研磨パッドが研磨対象物に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。接触していない場合、加圧開始の動作によって研磨パッドが研磨対象物に接触する。
研磨動作での研磨対象物とポリッシャーに装着された研磨パッドとの接触終了点において、加圧解除とポリッシャーの回転停止前に研磨対象物に接触しない回避位置へ移動した後に加圧解除とポリッシャーの回転を停止した。
研磨対象物とポリッシャーに装着された研磨パッドは研磨の進行方向側が研磨対象物から離れる方向の角度が1°で研磨した。
<研磨性能試験>
上述の研磨試験を行った後のNo.1~No.18の各研磨パッドおよび研磨対象物について、以下に示す方法で研磨性能を調べる試験と評価を行った。
〔研磨能率〕
被研磨面の取り代を、研磨前後の膜厚をそれぞれ電磁誘導式膜厚測定装置で測定した差から算出し、取り代とした。取り代を研磨時間で除して研磨速度を求めた。被研磨面の9箇所で研磨速度を測定した。この試験を5回実施し、9箇所×5回=45点の平均研磨速度を算出した。前記9箇所は被研磨面の一部である600mm×800mmの外周部分より150mm以上内側の部分の9箇所とした。算出した平均研磨速度を研磨能率とした。
研磨能率が0.20μm/min以上の場合はA判定、0.15μm/min以上0.20μm/min未満の場合はB判定、0.10μm/min以上0.15μm/min未満の場合はC判定、0.10μm/min未満の場合はD判定とした。
〔Wd、We〕
ウェーブ-スキャン デュアル(塗装表面性状測定装置)(BYK Gardner社製)により、研磨後の被研磨面において、うねりWd及びWeを測定した。Wdは波長3mm~10mmの成分のうねりの大きさを表し、Weは波長10mm~20mmの成分のうねりの大きさを表す。ここでは、被研磨面である塗膜の中央付近5点について測定を行い、5点におけるWd及びWeそれぞれの平均値を研磨後のWd及びWeとした。
Wdが2.5以下の場合はA判定、2.5より大きく3.5以下の場合はB判定、3.5より大きく4.5以下である場合はC判定、4.5より大きい場合はD判定とした。
Weが3以下の場合はA判定、3より大きく4以下の場合はB判定、4より大きく5以下である場合はC判定、5より大きい場合はD判定とした。
〔研磨能率低下率〕
ブラシを作動させない状態で研磨を行った場合の、研磨開始から0-5分後における研磨能率と、研磨開始から15-20分後における研磨能率とを測定し、[(1-(研磨開始から15-20分後における研磨能率)/(研磨開始から0-5分後における研磨能率)]×100[%]を算出し、これを研磨能率低下率とした。研磨能率低下率が30%以下の場合はA判定、30%より大きく50%以下の場合はB判定、50%より大きく70%以下の場合はC判定、70%より大きい場合はD判定とした。
〔パッド表面目詰まり〕
キーエンス社製のワンショット3D形状測定器VR-3200を用い、測定倍率12倍、測定範囲24mm×18mmで、研磨パッドの研磨面の中央部を原点とし、原点から、0°、90°、180°、270°の4方向にそれぞれ40mm離れた位置における各3点(計12点)で線粗さを測定し、平均値を算出した。つまり、測定画像に対して溝目の間を複数の線粗さで解析し、平均値Raを研磨パッドの目詰まりを表す「研磨後のパッドRa」とした。
研磨後のパッドRaが300μm以上の場合はA判定、200μm以上300μm未満の場合はB判定、100μm以上200μm未満の場合はC判定、100μm未満の場合はD判定とした。
〔研磨後研磨面温度、研磨後被研磨面温度〕
研磨終了時に、研磨パッドの研磨面の温度(研磨後研磨面温度)及び被研磨面の温度を測定した。温度の測定方法は特に限定されるものではないが、例えば赤外線放射温度計を用いて研磨パッドの研磨面及び研磨面の温度を測定した。
研磨後研磨面温度及び被研磨面温度の評価については、それぞれ、28℃以下の場合はA判定、28℃より大きく32℃以下の場合はB判定、32℃より大きく40℃未満の場合はC判定、40℃より大きい場合はD判定とした。
〔追従性〕
先ず、曲率半径が250mmである凹曲面および凸曲面を有する半円筒体を用意し、その凹曲面および凸曲面に対する、各サンプル(No.4,No.17,No.18を除く)の研磨パッドの接触面積率を調べる試験を行った。
具体的には、感圧センサシートを備えた面圧分布測定システムを用い、荷重39.2N(9.8×4kgf)の条件で接触面積を測定し、接触面積率を算出した。
使用した面圧分布測定システムは、ニッタ株式会社製のウエハ用面圧分布測定システムであり、その詳細は以下の通りである。
型式:C-SCAN 12S、センサ厚:0.1mm、空間分解能:行d:4.1,列d:4.1、センサ点数:7744点、感圧部サイズ:361×361mm、最大測定圧力:50kPa
凹曲面の測定の際には、開口部を上に向けて半円筒体を置き、研磨パッドを、開口部内の最も低い位置に配置されるように入れて、研磨パッドをなす円板の中心軸に沿う方向に荷重をかけた。凸曲面の測定の際には、開口部を下に向けて半円筒体を置き、頂部に研磨パッドを乗せて研磨パッドをなす円板の中心軸に沿う方向に荷重をかけた。
追従性の評価については、凹曲面の場合は接触面積率が85%以上の場合はA判定、75以上85%未満の場合はB判定、65以上75%未満の場合はC判定、75%未満の場合はD判定とした。凸曲面の場合は接触面積率が80%以上の場合はA判定、70以上80%未満の場合はB判定、60以上70%未満の場合はC判定、70%未満の場合はD判定とした。
〔総合評価〕
上述の9つの評価項目に対する評価結果をもとに、総合評価を行った。
9つの評価項目の評価結果が、全てA判定または一つのみがB判定である場合はA、A判定とB判定のみでB判定が二つ以上の場合はB、C判定が1つでも含まれる場合はC、D判定が1つでも含まれる場合はDとした。
No.1~No.18の各研磨パッドの構成を表1に、各研磨パッドの研磨性能試験の結果と判定および総合評価を表2に示す。
Figure 2022159076000002
Figure 2022159076000003
表1及び表2から、研磨面の直径が条件a(10mm以上200mm以下)を満足する研磨パッドにおいて、溝部の溝部面積率及び溝容積/研磨面の面積が条件3、4を満足する研磨パッドを用いることにより、目詰まりの発生を抑制することができ、研磨能率の低下率を低減できることがわかる。その結果、パッド洗浄用のブラシを作動させる回数を低減できる。
なお、研磨面に溝部を有さないNo.1の研磨パッドについては、研磨能率試験およびパッド表面目詰まりを調べる試験を行わなかったが、溝部を有さないことで目詰まりし易く研磨能率低下率も高いことは明白であるため、これらの性能をD判定とした。No.4の研磨パッドについては、パッド表面目詰まりおよび追従性を調べる試験を行わなかったが、溝部の深さがNo.5の研磨パッドよりも0.2mm浅いだけであるため、目詰まりし易さはNo.5の研磨パッドと同等であると推定できる。No.14では、研磨能率試験の際に研磨層の凸部に剥がれが生じたため、それ以外の試験および評価を行わなかった。
また、研磨面に設けた溝の溝幅が大きいほど研磨用組成物の保持力を高めることができる。また、溝が深いほど、保持力を高めると共に研磨パッドに目詰まりが生じることを低減することができる。しかし、研磨面の面積に占める溝容積の割合が適正値を超えると、研磨面に欠損や、目詰まりが生じたり、ゆず肌除去の効率性が低下したりすることが確認された。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
11 研磨ロボット
12 ベース部
14 下腕部
16 上腕部
18 手首部
13S S軸モータ
13L L軸モータ
15U U軸モータ
15R R軸モータ
17B B軸モータ
17T T軸モータ
20 圧力制御部
30 ポリッシャー
40 研磨パッド取り付け部
50 手動用ポリッシャー
60 ロボット制御部
70 ハンド部
80 ハンド部
110 研磨パッド
130 研磨面
131 溝部
140 硬質の層(研磨層)
150 軟質の層(支持層)

Claims (12)

  1. 研磨面に溝部が形成された研磨層を備え、
    前記研磨面に対して垂直方向から見た場合に、前記研磨面の全面積Sk(cm2)に対する前記溝部の全面積Sm(cm2)の比(Sm/Sk)が0.30以上0.80以下であり、且つ前記研磨面の全面積Sk(cm2)に対する前記溝部の全容積Vm(cm3)の比(Vm/Sk)が0.07以上である研磨パッド。
  2. 前記研磨層の前記研磨面とは反対側の面に、前記研磨層より軟らかい支持層が固定されている請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨面に対して垂直方向から見た場合に、前記研磨層は円形であり、前記研磨面の直径は10mm以上200mm以下であり、前記研磨面は研磨対象物の被研磨面よりも小さい請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記溝部の幅は0.5mm以上5.0mm以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  5. 前記溝部の深さは0.5mm以上2.5mm以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  6. 前記研磨層は、JIS K 6253に準ずる方法で測定されたA硬度が70以上であり、且つ、前記研磨層の表面に疎密構造を有し、当該疎密構造の疎部の面積率は52%以上96%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  7. 砥粒と、油剤、乳化安定剤、及び増粘剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、を含むエマルションからなり粘性の高い研磨用組成物を用いた研磨に使用される請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  8. 塗膜を含む樹脂からなる面を研磨する用途で使用される請求項1~7のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  9. 前記溝部の少なくとも一部は、前記研磨層の外縁に達して、前記溝部の端部が開放された形状を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の研磨パッドを用い、
    前記研磨面を研磨対象物の被研磨面に押し当てて前記研磨パッドを動かすことにより、前記被研磨面を研磨する研磨方法。
  11. 前記被研磨面と前記研磨パッドとの間に、砥粒を含み粘性の高い研磨用組成物を供給し、
    前記研磨パッドを手動で動かすこと、又は産業用ロボットのポリッシャーに前記研磨パッドを装着し前記産業用ロボットの動作により前記研磨パッドを移動させることで、研磨を行う請求項10に記載の研磨方法。
  12. 前記研磨用組成物は、前記砥粒と、油剤、乳化安定剤、及び増粘剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、を含むエマルションからなる請求項11に記載の研磨方法。
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