JP2022007446A - 極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ照射位置調整を行える極端紫外光生成システムを提供する。【解決手段】極端紫外光生成システム110は、チャンバ内の所定領域に向かって進むレーザ光の光路軸に直交し所定領域と交差する平面内でレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整機構と、生成される極端紫外光のエネルギを計測する極端紫外光センサと、ターゲットによるレーザ光の反射光のうちレーザ光路を逆行する戻り光のエネルギを計測する戻り光センサ332と、照射位置調整機構を制御するプロセッサ5とを備える。プロセッサは、平面内の複数の照射位置のそれぞれにレーザ光を照射することにより、極端紫外光エネルギと戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を照射位置と対応付けて記憶し、戻り光エネルギと閾値との比較に基づき照射位置の移動領域を制限し、戻り光エネルギが閾値を超えない領域内で、照射位置と極端紫外光エネルギとの対応関係から目標照射位置を決定する。【選択図】図7

Description

本開示は、極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、10nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、波長約13nmの極端紫外(EUV)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた半導体露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLaser Produced Plasma(LPP)式の装置の開発が進んでいる。
特開2012-104861号公報 米国特許第10303061号 米国特許第10122145号
概要
本開示の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、チャンバと、チャンバ内の所定領域にターゲットを供給するターゲット供給器と、ターゲットに照射されるレーザ光を出力するレーザ装置と、レーザ光を所定領域へと導くレーザ光路を形成する光学系と、所定領域に向かって進むレーザ光の光路軸に直交し所定領域と交差する平面内でターゲットに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整機構と、ターゲットにレーザ光が照射されることによって生成される極端紫外光のエネルギを計測する極端紫外光センサと、ターゲットによるレーザ光の反射光のうちレーザ光路を逆行する戻り光のエネルギを計測する戻り光センサと、照射位置調整機構を制御するプロセッサと、を備え、プロセッサは、平面内で照射位置を移動させ、複数の照射位置のそれぞれにレーザ光を照射することにより、極端紫外光センサで計測される極端紫外光エネルギと戻り光センサで計測される戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を照射位置と対応付けて記憶し、戻り光エネルギと閾値との比較に基づき照射位置の移動領域を制限し、戻り光エネルギが閾値を超えない領域内で、記憶された照射位置と極端紫外光エネルギとの対応関係から目標照射位置を決定し、目標照射位置に応じて照射位置調整機構を制御する。
本開示の他の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、チャンバと、チャンバ内の所定領域にターゲットを供給するターゲット供給器と、ターゲットに照射されるレーザ光を出力するレーザ装置と、レーザ光を所定領域へと導くレーザ光路を形成する光学系と、所定領域に向かって進むレーザ光の光路軸に直交し所定領域と交差する平面内でターゲットに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整機構と、ターゲットにレーザ光が照射されることによって生成される極端紫外光のエネルギを計測する極端紫外光センサと、ターゲットによるレーザ光の反射光のうちレーザ光路を逆行する戻り光のエネルギを計測する戻り光センサと、照射位置調整機構を制御するプロセッサと、を備え、プロセッサは、平面内で照射位置を移動させ、複数の照射位置のそれぞれにレーザ光を照射することにより、極端紫外光センサで計測される極端紫外光エネルギと戻り光センサで計測される戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を照射位置と対応付けて記憶し、戻り光エネルギと閾値との比較に基づき照射位置の移動領域を制限し、戻り光エネルギが閾値を超えない領域内で、記憶された照射位置と極端紫外光エネルギとの対応関係から目標照射位置を決定し、目標照射位置に応じて照射位置調整機構を制御する、極端紫外光生成システムを用いて極端紫外光を生成し、極端紫外光を露光装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板上に極端紫外光を露光することを含む。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図2は、比較例に係るEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図3は、照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。 図4は、図3に示された照射位置調整処理に適用される照射位置水準群を例示する図表である。 図5は、図4に示された照射位置水準群に基づいて作成されたEUVエネルギ分布図を例示的に示す図表である。 図6は、図5に示されたEUVエネルギ分布図から求められた近似曲線を例示する図である。 図7は、実施形態1に係るEUV光生成システムの構成例を概略的に示す。 図8は、EUV光生成システムにおけるレーザ光の照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。 図9は、低出力のレーザ照射によるEUVエネルギ分布図の例を示す。 図10は、低出力のレーザ照射による戻り光出力分布図の例を示す。 図11は、第1戻り光閾値に基づいて水準の走査領域を制限した場合の例を示す。 図12は、高出力のレーザ照射によるEUVエネルギ分布図の例を示す。 図13は、高出力のレーザ照射による戻り光出力分布図の例を示す。 図14は、実施形態2に係るEUV光生成システムにおけるレーザ光の照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。 図15は、実施形態2に適用される照射位置水準群の走査の例を示す。 図16は、照射位置の走査領域の制限無しでレーザ光の照射を実施した場合に得られるEUVエネルギ分布図の例を示す。 図17は、照射位置の走査領域の制限無しでレーザ光の照射を実施した場合に得られる戻り光出力分布図の例を示す。 図18は、実施形態2により高出力での照射位置調整時に、戻り光出力に第2戻り光閾値を設けて調整範囲を制限した場合に得られるEUVエネルギ分布図の例を示す。 図19は、実施形態2により高出力での照射位置調整時に、戻り光出力に第2戻り光閾値を設けて調整範囲を制限した場合に得られる戻り光出力分布図の例を示す。 図20は、実施形態3に係るEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図21は、照射位置調整処理のメインルーチンの例を示すフローチャートである。 図22は、図21のステップS61及びステップS62に適用されるサブルーチンの例を示すフローチャートである。 図23は、EUV光生成システムと接続された露光装置の構成を概略的に示す。
実施形態
-目次-
1.用語の説明
2.EUV光生成システムの全体説明
2.1 構成
2.2 動作
3.比較例に係るEUV光生成システムの概要
3.1 構成
3.2 動作
3.3 レーザ照射位置調整の概要
3.4 照射位置調整処理の例
3.5 課題
4.実施形態1
4.1 構成
4.2 動作
4.3 EUVエネルギ分布図及び戻り光出力分布図の例
4.4 作用・効果
5.実施形態2
5.1 構成
5.2 動作
5.3 EUVエネルギ分布図及び戻り光出力分布図の例
5.3.1 照射位置の走査領域を制限しない場合の分布図の例
5.3.2 戻り光出力に閾値を設けて走査領域を制限した場合の分布図の例
5.4 作用・効果
6.実施形態3
6.1 構成
6.2 動作
6.3 レーザ照射位置調整の例
6.3.1 プリパルスレーザ照射位置調整
6.3.2 メインパルスレーザ照射位置調整
6.4 作用・効果
7.EUV光生成システムを用いた電子デバイスの製造方法の例
8.その他
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.用語の説明
「ターゲット」は、チャンバ内に導入されたレーザ光の被照射物である。レーザ光が照射されたターゲットは、プラズマ化してEUV光を放射する。
「ドロップレット」は、チャンバ内に供給されたターゲットの一形態である。ドロップレットは、溶融したターゲット物質の表面張力によってほぼ球状となった滴状のターゲットを意味し得る。
「プラズマ生成領域」は、チャンバ内の所定領域である。プラズマ生成領域は、チャンバ内に出力されたターゲットに対してレーザ光が照射され、ターゲットがプラズマ化される領域である。
「パルスレーザ光」は、複数のパルスを含むレーザ光を意味し得る。レーザ光の光路を「レーザ光路」という。レーザ光路について「上流」側とは、レーザ光路においてレーザ光の光源に近い側をいう。
「光路軸」は、レーザ光の進行方向に沿ってレーザ光のビーム断面の中心を通る軸である。「光路」は、レーザ光が通る経路である。光路には、光路軸が含まれてもよい。
「Z軸方向」は、チャンバ内に導入されたレーザ光がプラズマ生成領域25に向かって進行する際の当該レーザ光の進行方向である。Z軸方向は、EUV光生成装置がEUV光を出力する方向と略同一であってもよい。
「Y軸方向」は、ターゲット供給器がチャンバ内にターゲットを出力する方向の逆方向であり、Z軸方向に垂直な方向である。「X軸方向」は、Y軸方向及びZ軸方向に垂直な方向である。
「EUV光」という表記は、「極端紫外光」の略語表記である。「極端紫外光生成システム」は「EUV光生成システム」と表記される。
本明細書における「平行」という用語には、技術的意義において実質的に平行と同等の範囲と見做しうる略平行の概念が含まれてよい。また、本明細書における「垂直」又は「直交」という用語には、技術的意義において実質的に垂直又は実質的に直交と同等の範囲と見做しうる略垂直又は略直交の概念が含まれてよい。
2.EUV光生成システムの全体説明
2.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システム11の構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、レーザ装置3と共に用いられる。本開示においては、EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。EUV光生成装置1は、チャンバ2と、ターゲット供給器26とを含む。チャンバ2は、密閉可能な容器である。ターゲット供給器26は、ターゲット物質をチャンバ2内部に供給する。ターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよい。
チャンバ2の壁には、貫通孔が備えられている。その貫通孔は、ウインドウ21によって塞がれ、ウインドウ21をレーザ装置3から出力されるパルスレーザ光32が透過する。チャンバ2の内部には、回転楕円面形状の反射面を備えたEUV集光ミラー23が配置される。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を備える。EUV集光ミラー23の表面には、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成される。EUV集光ミラー23は、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間集光点292に位置するように配置されてもよい。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が備えられ、貫通孔24をパルスレーザ光33が通過する。
EUV光生成装置1は、プロセッサ5、ターゲットセンサ4等を含む。ターゲットセンサ4は、ターゲット27の存在、軌跡、位置、速度のうち少なくとも1つを検出する。ターゲットセンサ4は、撮像機能を備えてもよい。
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含む。接続部29内部には、アパーチャ293が形成された壁291が備えられる。壁291は、そのアパーチャ293がEUV集光ミラー23の第2の焦点に位置するように配置される。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光伝送装置34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収器28等を含む。レーザ光伝送装置34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備える。
2.2 動作
図1を参照して、例示的なLPP式のEUV光生成システム11の動作を説明する。レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光伝送装置34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射する。パルスレーザ光32は、レーザ光経路に沿ってチャンバ2内を進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33としてターゲット27に照射される。
ターゲット供給器26は、ターゲット物質によって形成されたターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力する。ターゲット27には、パルスレーザ光33が照射される。パルスレーザ光33が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射される。放射光251に含まれるEUV光252は、EUV集光ミラー23によって選択的に反射される。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力される。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
プロセッサ5は、EUV光生成システム11全体を制御する。プロセッサ5は、ターゲットセンサ4の検出結果を処理する。ターゲットセンサ4の検出結果に基づいて、プロセッサ5は、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御してもよい。さらに、プロセッサ5は、レーザ装置3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
3.比較例に係るEUV光生成システムの概要
3.1 構成
図2は、比較例に係るEUV光生成システム11の構成を概略的に示す。本開示の比較例とは、出願人のみによって知られていると出願人が認識している形態であって、出願人が自認している公知例ではない。
EUV光生成システム11は、チャンバ2と、メインパルスレーザシステム301と、ビームステアリングシステム34Aと、プロセッサ5とを含む。メインパルスレーザシステム301は、発振器310と、アイソレータ312と、増幅器314と、エネルギセンサ316とを含む。
メインパルスレーザシステム301はさらに、レーザ光路上に高反射ミラー321、ビームスプリッタ322、高反射ミラー323及びその他の図示しない光学素子を含む。これらのミラー等の光学素子は、レーザ光を伝送及び/又は整形するように構成される。発振器310と増幅器314とは主発振器出力増幅器(Master Oscillator Power Amplifier:MOPA)を構成する。メインパルスレーザシステム301はレーザ装置3の一例である。
アイソレータ312は、発振器310から増幅器314までのレーザ光路に配置され、プロセッサ5からの指示によってレーザ光の透過(開)と遮断(閉)とを行うように構成される。アイソレータ312は、例えば電気光学(Electro-optic:EO)素子や音響光学(Acousto-optic:AO)素子を含んだポッケルスセルでもよい。
ビームスプリッタ322は、増幅器314から出力されたパルスレーザ光の一部を高反射ミラー323に向けて反射させ、増幅器314から出力されたパルスレーザ光の他の一部をエネルギセンサ316に向けて透過させる。エネルギセンサ316は、ビームスプリッタ322を透過したパルスレーザ光の光路上に配置される。エネルギセンサ316は、ビームスプリッタ322を透過したパルスレーザ光のエネルギを計測し、その計測値をプロセッサ5に送信する。
ビームステアリングシステム34Aは、増幅器314から出力されたレーザ光をチャンバ2内のターゲット27に照射するように構成される。ビームステアリングシステム34Aは、アクチュエータ付き高反射ミラー341と、高反射ミラー342、343、344とを含む。ビームステアリングシステム34Aは、図示しないレーザ集光光学系を含む。レーザ集光光学系は、凸面ミラーとレーザ光集光ミラーとを含んでよい。凸面ミラーは、楕円ミラーであってもよい。レーザ光集光ミラーは軸外放物面ミラーであってもよい。レーザ集光光学系の一部又は全部はチャンバ2の内部に配置されてもよい。
アクチュエータ付き高反射ミラー341は、プロセッサ5からの指示によってアクチュエータ341Aを駆動し、高反射ミラー341Bの位置及び/又は姿勢を制御可能に構成される。高反射ミラー341Bは、メインパルスレーザシステム302から出力されるメインパルスレーザ光の波長を高反射するミラーである。アクチュエータ付き高反射ミラー341は、レーザ集光光学系内に配置されてもよく、レーザ光集光ミラーを兼ねてもよい。
チャンバ2は、ターゲット供給器26と、ターゲットセンサ4と、EUVセンサ8と、図示しないEUV光集光ミラーとを含む。EUVセンサ8は、EUV光のエネルギを計測するエネルギセンサであってよい。
プロセッサ5は、ターゲット供給器26と、ターゲットセンサ4と、EUVセンサ8と、発振器310と、アイソレータ312と、エネルギセンサ316と、アクチュエータ341Aとに接続される。
本開示のプロセッサ5とは、制御プログラムが記憶された記憶装置と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)とを含む処理装置である。プロセッサ5は本開示に含まれる各種処理を実行するために特別に構成又はプログラムされている。
3.2 動作
EUV光を出力する場合、露光装置6からのEUV光出力指令によって、プロセッサ5はターゲット供給器26にターゲット27を出力させる。このときプロセッサ5は露光装置6から目標EUVエネルギを受信してもよい。
ターゲット供給器26は、ターゲット物質によって形成されたターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するように構成される。ターゲット供給器26は、例えば、コンティニュアスジェット方式によりターゲット27としてドロップレットを生成する。
ターゲットセンサ4はターゲット27を検出し、通過タイミング信号をプロセッサ5に出力する。
プロセッサ5は、通過タイミング信号に対して所定の遅延時間を付加して生成する発光トリガ信号をメインパルスレーザシステム301の発振器310とアイソレータ312とに出力する。
発振器310は発光トリガ信号が入力されるとレーザ光を出力し、アイソレータ312は発振器310から出力されたレーザ光の到達タイミングに同期してレーザ光を透過させる。これに先立ってプロセッサ5は、増幅器314をレーザ光増幅可能な状態としておく。
アイソレータ312を透過したレーザ光は、増幅器314によって増幅され、ビームステアリングシステム34Aを経由してチャンバ2内のターゲット27に照射される。メインパルスレーザシステム301から出力されるレーザ光のエネルギは数kW~数十kWに達する。
レーザ光を集光照射されたターゲット27は、プラズマ化してEUV光を放射する。このとき、ターゲット27に照射されるレーザ光の照射径(スポット直径)はターゲット27の径より大きくてもよい。
EUVセンサ8は、生成されたEUV光のエネルギを検出してプロセッサ5に送信する。プロセッサ5は検出したEUVエネルギが目標EUVエネルギとなるように発振器310及び/又は増幅器314によってレーザ光のエネルギを調整してもよい。
3.3 レーザ照射位置調整の概要
EUV光生成システム11は、高い変換効率でEUV光を生成するために、ターゲット27に対するレーザ光の照射位置を調整する。この調整動作は、EUV光を露光装置6に出力する前に行われてもよい。プロセッサ5は、アクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動してレーザ光の照射位置を、XY平面内で走査(スキャン)しながらEUVエネルギを記録する。以下、照射位置の調整に関して「XY平面」という記載は、プラズマ生成領域25と交差するXY平面を意味する。
例えば、後述する図4のように、XY平面における照射位置の水準をX軸方向に関して7水準、Y軸方向に関して7水準の合計で7×7のマトリクス状に規定された照射位置水準が用いられてもよい。この水準は、過去に設定したレーザ照射位置を原点(中心)として規定されてもよいし、あるいは設計上の最適位置を原点として規定されてもよい。X軸方向及びY軸方向のそれぞれの方向についての照射位置を走査する範囲(領域)、水準の刻み幅及び水準の個数などは、図4に示す例に限らない。X軸方向とY軸方向とで水準の刻み幅や水準の個数を異ならせてもよい。なお、図4に例示されるような、照射位置の走査範囲を定めた水準の集まりを「照射位置水準群」と呼ぶ。また、XY平面上の位置を座標(x,y)で表す。
プロセッサ5は、レーザ光の照射位置を調整する場合、レーザ光の照射位置がプラズマ生成領域25と交差するXY平面上で走査されるように、アクチュエータ付き高反射ミラー341を制御する。そして、プロセッサ5は、照射位置毎にEUVセンサ8の計測結果を取得する。
すなわち、プロセッサ5は、照射位置水準で定められた各照射位置にレーザ光を照射して、検出されるEUVエネルギを照射位置と対応付けて記録する。照射位置ごとに記録されるEUVエネルギは、複数パルスあるいは複数バーストの平均値でもよい。プロセッサ5は、ある照射位置でレーザ光を照射後、次の照射位置にレーザ光が照射されるようにアクチュエータ341Aを駆動してEUVエネルギの計測値を取得する動作を繰り返す。プロセッサ5は、照射位置水準群のマトリクスの各位置(各水準)について順次、EUVエネルギの計測値を取得し、計測結果をマッピングしてゆく。ここでの「マッピング」はEUVエネルギの分布図を作成することを含む。EUVエネルギ分布図は、照射位置とEUVエネルギとの対応関係をマップ画像化したものである。
こうして得られたEUVエネルギ分布図の中から、高いEUVエネルギを実現できる照射位置を選択してレーザ照射位置とする。このとき、プロセッサ5は、カーブフィッティング等により、最も高いEUVエネルギを実現できる照射位置を特定してもよい。
3.4 照射位置調整処理の例
図3から図6を用いて、照射位置調整処理の例について説明する。図3は、照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。図4は、図3に示された照射位置調整処理に適用される照射位置水準群を例示する図表である。図5は、図4に示された照射位置水準群に基づいて作成されたEUVエネルギ分布図を例示的に示す図表である。図6は、図5に示されたEUVエネルギ分布図から求められた近似曲線を例示する図である。
図3のステップS11において、プロセッサ5は照射位置の水準を読み込む。具体的には、プロセッサ5は、例えばレーザ光の照射位置Sm(x,y)を走査させる場合、図4に例示されるような照射位置水準群に基づいて走査させる。図4中の矢印は、走査によりレーザ光を照射する位置の移動順序、つまり、走査による水準の進行順番を示している。プロセッサ5は、例えば、図4のような2次元配列による照射位置水準に従ってX軸方向に照射位置を移動させた後、Y軸方向に照射位置を移動させて、照射位置の調整を実施する。
照射位置水準群は、図4に例示されるように、調整前のSm(0,0)を中心としてマトリックス状に配列されたテーブルを用いて作成されてもよい。図4では、Sm(0,0)を中心にして、X軸方向とY軸方向の各方向について「-60μm」から「+60μm」まで「20μm」の刻み幅で7段階に照射位置の水準が規定され、7×7のマトリクス状に並ぶ49箇所の照射位置水準の範囲内で照射位置を変更する例が示されている。
プロセッサ5は、予め複数の照射位置水準群を保持し、レーザ光の出力条件及びスポット直径Dに応じて、適用する照射位置水準を読み込んでもよい。プロセッサ5は、レーザ光の出力条件及びスポット直径Dに応じて複数の照射位置水準群を保持して適用してもよい。
ステップS12において、プロセッサ5は読み込んだ照射位置水準に基づいて、アクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動させる。すなわち、プロセッサ5は、照射位置Sm(x,y)が走査されるように、アクチュエータ付き高反射ミラー341のアクチュエータ341Aを駆動させる。
ステップS13において、プロセッサ5は通過タイミング信号に同期してトリガ信号をメインパルスレーザシステム301に送信することで、EUV光252を生成させる。
ステップS14において、プロセッサ5はEUVセンサ8の計測結果を取得する。
プロセッサ5は、複数のEUVセンサ8から送信された複数の計測値に統計処理を施し、EUV光252のエネルギ及び必要に応じてそのばらつきを取得してもよい。EUV光252のエネルギは、複数のEUVセンサ8から送信された複数の計測値の平均値であってもよい。EUV光252のエネルギのばらつきは、例えば3σであってもよい(σは標準偏差である)。
プロセッサ5は、EUV光252のエネルギ及びそのばらつきを、EUVセンサ8の計測結果として取得し、各照射位置水準に対応付けて記憶する。
なお、プロセッサ5は、1つの照射位置水準においてEUVセンサ8の計測結果を取得するために、100パルス以上100,000パルス以下のパルス数のEUV光252を生成させてもよい。100,000パルスのEUV光252を生成させる場合のEUV光生成装置1の運転条件は、デューティサイクルを50%、1バースト当たりのEUV光252のパルス数を10,000パルスとし、10バーストだけ運転させるような条件であってもよい。なお、バーストとは、所定時間の間、EUV光252を所定繰り返し周波数で生成させるようなEUV光生成装置1の運転動作であってもよい。デューティサイクルは、EUV光252が所定繰り返し周波数で生成される上記所定時間と単位時間との比であってもよい。
ステップS15において、プロセッサ5は読み込まれた照射位置水準群に含まれる全ての照射位置水準が走査されたか否かを判定する。
ステップS15の判定結果がNO判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準の走査を完了していなければ、プロセッサ5はステップS12に戻る。
ステップS12からステップS15を繰り返すことにより、照射位置水準ごとのEUVエネルギ計測値(EUVセンサ8の計測結果)のデータが蓄積されていく。プロセッサ5は、各照射位置水準に対応付けて記憶されたEUVセンサ8の計測結果に基づいて、EUV光252のエネルギの分布図を作成する。
一方、ステップS15の判定結果がYES判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準が走査されたならば、プロセッサ5はステップS16に進む。
ステップS16に進む場合、各照射位置水準に対応付けて記憶されたEUVセンサ8の計測結果に基づいて、図5に例示されるようなEUV光252のエネルギの分布図が得られている。プロセッサ5は、ステップS12からステップS15を繰り返す過程で、順次に分布図の作成を進めてもよいし、ステップS15の判定結果がYES判定となった段階で分布図を作成してもよい。
図5は、照射位置Sm(x,y)のセルにEUV平均エネルギの値が入力された分布図の例である。ここで、EUV平均エネルギの単位は[mJ]である。図5の各照射位置のセルに示された数値は、複数のEUVセンサ8の計測結果から算出されるエネルギ重心位置における平均エネルギを表す。図5のような分布図を「EUVエネルギ分布図」という。
図3のステップS16において、プロセッサ5は得られたEUVエネルギ分布図に基づいて、レーザ光の照射位置Sm(x,y)の最適位置Smopt(x,y)を計算し、最適位置を記憶する。例えば、プロセッサ5は、作成されたEUVエネルギ分布図のデータを用いた数値解析によって最適位置Smopt(x,y)を決定してもよい。例えば、プロセッサ5は、図6に例示されるように、EUV光252のエネルギが最大である照射位置水準及びその付近の照射位置水準と、これらの照射位置水準に対応付けられたEUV光252のエネルギとを、解析対象として特定してもよい。
そして、プロセッサ5は、EUV光252のエネルギ分布を、例えば最小二乗法を用いてガウス分布曲線又は2次曲線に近似してもよい。プロセッサ5は、近似曲線の最大値に対応するX座標及びY座標を、最適位置Smopt(x,y)に決定してもよい。最適位置Smopt(x,y)は、目標照射位置として設定され、プロセッサ5内のメモリに記憶される。
なお、図6のような最適位置の計算方法の代わりに、プロセッサ5は、作成されたEUVエネルギ分布図のうちでEUV光252のエネルギが最大である照射位置水準の照射位置Sm(x,y)を、最適位置Smopt(x,y)に決定してもよい。
ステップS17において、プロセッサ5は、最適位置Smopt(x,y)にレーザ光が照射されるように、アクチュエータ付き高反射ミラー341のミラー角度を調整する。具体的には、プロセッサ5は、レーザ照射位置が最適位置Smopt(x,y)になるように、アクチュエータ341Aを駆動させる。これにより、レーザ光の照射位置Smは、最適位置Smoptに調整される。
ステップS18において、プロセッサ5はアクチュエータ付き高反射ミラー341の調整量が許容値Rm以下であるか否かを判定する。
プロセッサ5は、調整後のレーザ光の照射位置Smaと、調整前のレーザ光の照射位置Smbとの差分の絶対値|Sma-Smb|を、アクチュエータ付き高反射ミラー341の調整量としてもよい。
プロセッサ5は、アクチュエータ付き高反射ミラー341の調整量が許容値Rm以下であれば、本処理を終了してよい。許容値Rmは、例えばスポット直径Dに相関して決定されてもよい。一方、プロセッサ5は、アクチュエータ付き高反射ミラー341の調整量が許容値Rmを超えるのであれば、ステップS19に進む。
ステップS19において、プロセッサ5は現在の照射位置水準群を、最適位置Smoptを中心とした照射位置水準群に更新し、ステップS11に戻る。
3.5 課題
レーザ照射位置調整は、XY平面における原点位置からの距離がRm以下の範囲内でEUV性能(EUVエネルギ)が高まるように行われる。調整中の照射位置水準走査は、戻り光が増加する方向へも制限なく行うため、戻り光出力が過大となる水準でレーザ光を照射し、素子損傷が発生するリスクがある。戻り光は、ターゲット27によるレーザ光の反射光であり、レーザ光路を発振器310側に向けて逆行する。多くの場合、戻り光は、伝搬中に減衰するので問題となることはないが、条件によっては増幅器314を逆行して増幅され、アイソレータ312などにダメージを及ぼすことがある。
4.実施形態1
4.1 構成
図7は、実施形態1に係るEUV光生成システム110の構成例を概略的に示す。図7に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。実施形態1に係るEUV光生成システム110は、図2に示すメインパルスレーザシステム301に代えて、メインパルスレーザシステム302を備える。メインパルスレーザシステム302は、発振器310と、アイソレータ312と、ビームスプリッタ330と、戻り光センサ332と、増幅器314と、エネルギセンサ316と、ビームスプリッタ322と、高反射ミラー324とを備える。
ビームスプリッタ330は、アイソレータ312から増幅器314の間のいずれかの高反射ミラーの代わりに配置される。例えば、図2に示す高反射ミラー321に代えて、ビームスプリッタ330が配置される。ビームスプリッタ330は、レーザ光路を逆行した光の一部を透過するように構成され、入射したレーザ光の一部を透過し、他の一部を反射するように構成される。
戻り光センサ332は、レーザ光路を逆行してビームスプリッタ330を透過した光を受光する位置に配置される。ビームスプリッタ330と戻り光センサ332との間に、図示しない光学系が配置されてもよい。光学系はコリメート光学系や集光光学系であってもよい。戻り光センサ332は、例えば、エネルギ計測を行うエネルギセンサである。なお、戻り光センサ332として、パワー計測を行うパワーセンサを用いてもよい。戻り光のエネルギあるいはパワーを「戻り光出力」という。戻り光出力は「戻り光量」と言い換えてもよい。戻り光センサ332は、プロセッサ5に戻り光出力の検出値を送信する。
4.2 動作
実施形態1に係るEUV光生成システム110の場合、レーザ光の照射位置を調整する際に、ターゲット27に照射するレーザ光のパルスエネルギを相対的に低いエネルギ(低出力)に設定し、この低出力のレーザ光を用いて照射位置の水準を走査し、戻り光出力の分布図を生成する。こうして得られた低出力の戻り光出力分布図を基にして、高エネルギ(高出力)のレーザ光を用いる照射位置調整の際の走査領域を制限する。走査領域とは、照射位置の移動領域である。
図8は、EUV光生成システム110におけるレーザ光の照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。ステップS30において、プロセッサ5はレーザ光のエネルギを、戻り光によるリスクの低いレーザエネルギの値に設定する。プロセッサ5は、レーザ光のエネルギを低い値に設定する信号を発振器310に送信する。このときの低エネルギ設定値は、露光装置6での露光時に必要なレーザエネルギ値(露光時出力)よりも低くする。また、低エネルギ設定値は、想定される最大の戻り光出力の場合でも増幅器314より上流の光学素子のレーザ耐力(レーザ耐性強度)を超えないようなレーザエネルギ値とする。例えば、定格出力に対して25%~30%程度の出力に設定することが好ましく、露光時出力が20kWのレーザ装置3であれば、低エネルギ設定値は5kW程度とするとよい。ステップS30にて設定されるレーザエネルギは本開示における「第1レーザエネルギ」の一例である。
ステップS31からステップS33は、図3のステップS11からステップS13と同様の処理である。
ステップS31において、プロセッサ5は照射位置の水準を読み込む。照射位置の水準の設定に関しては、図4で説明した例と同様であってよい。
ステップS32において、プロセッサ5は水準の1つに照射位置を合わせるようにアクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動させる。
ステップS33において、プロセッサ5は通過タイミング信号に同期してトリガ信号をメインパルスレーザシステム302に送信することで、EUV光252を生成させる。
ステップS34において、プロセッサ5はEUVセンサ8の計測値(EUVエネルギ)と、戻り光センサ332の計測値(戻り光出力)とを取得して、それぞれの計測値を水準位置に関連付けてマッピングする。つまり、プロセッサ5は、EUVエネルギの計測結果をマッピングする際に、各照射位置におけるEUVエネルギと共に戻り光出力も記録する。戻り光出力は複数バーストの平均値でもよい。このとき、レーザ光は低エネルギ値に設定されており、各照射位置で同一のレーザエネルギ条件である。
ステップS35において、プロセッサ5は読み込まれた照射位置水準群に含まれる全ての照射位置水準が走査されたか否かを判定する。ステップS35の判定結果がNO判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準が走査されていなければ、プロセッサ5はステップS32に戻り、照射位置を変更してステップS32~S35を繰り返す。こうして、XY面内の照射位置に対するEUVエネルギ分布図(図9参照)と戻り光出力分布図(図10参照)とが得られる。これらはいずれも低出力のレーザ照射によるマッピングである。
ステップS35の判定結果がYES判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準が走査されると、プロセッサ5はステップS36に進む。全ての照射位置水準の走査が完了すると、図9に示すようなEUVエネルギ分布図と、図10に示すような戻り光出力分布図が得られる。戻り光出力分布図は、照射位置と戻り光出力との対応関係をマップ画像化したものである。
図8のステップS36において、プロセッサ5は第1戻り光閾値に基づいて高出力の走査範囲を決定する。プロセッサ5は戻り光出力に関して、第1戻り光閾値を設定し、戻り光出力分布図の中から戻り光出力が第1戻り光閾値を超えない領域を、高出力マッピング領域として設定する。高出力マッピング領域とは、ステップS30にて設定した低エネルギ値よりも高いレーザエネルギのレーザ照射によって照射位置を変えながらEUVエネルギを計測する照射位置の走査範囲を意味する。つまり、高出力マッピング領域は、高出力のレーザ照射による照射位置調整の水準走査を実施する際の走査領域であり、「高出力スキャン領域」、あるいは「高出力のレーザ照射によるレーザ照射位置の調整範囲」などと言い換えてもよい。
高出力のレーザ照射による走査領域を決定することは、高出力のレーザ照射による走査を禁止する(非実施とする、制限する)領域を決定すること、つまり、高出力のレーザ照射の非照射領域(非走査範囲)を決定することの概念を含む。
第1戻り光閾値は、増幅器314よりも上流の光学素子のレーザ耐力に基づいて決定してもよい。例えば、第1戻り光閾値は以下の式から決定してもよい。
第1戻り光閾値=(増幅器上流光学素子のレーザ耐力)×(安全率)×(ビームサイズ)×(低エネルギ値)/(露光時レーザエネルギ値)
ここで、第1戻り光閾値の単位は[J]、増幅器上流光学素子のレーザ耐力の単位は[J/cm]、安全率は無単位で0から1の間の数値、ビームサイズの単位は[cm]、低エネルギ値及び露光時レーザエネルギ値の単位は[mJ]であってよい。ビームサイズは、増幅器上流光学素子におけるビームサイズとしてもよい。「増幅器上流光学素子」とは、増幅器314よりも上流に配置される光学素子をいう。増幅器上流素子は、例えばアイソレータ312である。増幅器上流光学素子はポッケルスセルのEO結晶であってもよい。
図10に示す戻り光出力分布図に対して、第1戻り光閾値として例えば、0.05[mJ]が設定された場合、戻り光出力が0.05[mJ]を超える照射位置水準に対して、プロセッサ5は、高出力のレーザ照射による走査を制限する。図10に示す戻り光出力分布図は本開示における「第1分布データ」の一例である。
図11は、第1戻り光閾値に基づいて水準の走査領域を制限した場合の例を示す。図11は、図10に示す戻り光出力分布図に対して、第1戻り光閾値0.05[mJ]を設定した場合の高出力による走査領域と非走査領域とを塗り分けした図表である。
図10において、第1戻り光閾値0.05[mJ]を超える戻り光出力が計測された照射位置は高出力によるレーザ照射の走査を禁止する非走査領域に設定され、第1戻り光閾値0.05を超えない戻り光出力が観測された照射位置は、高出力によるレーザ照射を実施する走査領域に設定される。第1戻り光閾値は本開示における「閾値」、「第1閾値」の一例である。図11に示す高出力マッピング領域は本開示における「第1領域」の一例である。
図8のステップS40において、プロセッサ5はレーザ光のエネルギを、露光時に必要なレーザエネルギの値に設定する。すなわち、プロセッサ5はレーザ光のエネルギを露光時に必要なレーザエネルギの値に設定する信号を発振器310に送信する。露光時に必要なレーザエネルギの値は、ステップS30にて設定した低エネルギ値よりも高いエネルギ値である。ステップS40にて設定されるレーザエネルギは本開示における「第2レーザエネルギ」の一例である。
ステップS41において、プロセッサ5は照射位置水準の読み込みを行う。プロセッサ5は、ステップS36にて決定された走査領域、つまり第1戻り光閾値によって制限された高出力マッピング領域内の照射位置水準を読み込む。
ステップS42において、プロセッサ5はステップS41にて読み込んだ走査領域の中の水準の1つに照射位置を合わせるようにアクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動させる。
ステップS43において、プロセッサ5は通過タイミング信号に同期してトリガ信号をメインパルスレーザシステム302に送信することで、EUV光252を生成させる。
ステップS44において、プロセッサ5はEUVセンサ8の計測値と、戻り光センサ332の計測値とを取得して、それぞれの計測値を照射位置(水準)に対応付けてマッピングする。すなわち、プロセッサ5は、露光時レーザエネルギ値のレーザ照射によるEUVエネルギ分布図と戻り光出力分布図とを作成する。使用される照射位置水準は、高出力マッピング領域(図11参照)に限定されるため、この制限された領域内のEUVエネルギ分布図と戻り光出力分布図が作成される。なお、ステップS44において、各照射位置における戻り光出力を記録しているが、戻り光出力分布図の作成を省略してもよい。
ステップS45において、プロセッサ5は読み込んだ照射位置水準群に含まれる全ての照射位置水準が走査されたか否かを判定する。ステップS45の判定結果がNO判定である場合、すなわち、読み込んだ全ての照射位置水準が走査されていなければ、プロセッサ5はステップS42に戻り、照射位置を変更してステップS42~S44を繰り返す。こうして、高出力マッピング領域に限定されたEUVエネルギ分布図と、戻り光出力分布図とが得られる(図12及び図13参照)。
ステップS45の判定結果がYES判定である場合、すなわち、読み込んだ全ての照射位置水準が走査されたならば、プロセッサ5はステップS46に進む。
ステップS46において、プロセッサ5は得られたEUVエネルギ分布図の中から、高いEUVエネルギを実現できる照射位置(最適位置)を選択してレーザ照射位置とする。このとき、カーブフィッティング等により高いEUVエネルギを実現できる照射位置を照射位置水準間隔によらず特定してもよい。例えば、EUVエネルギが最大となる照射位置を最適位置として決定してもよい。照射位置水準の間隔が5μm程度で細かい場合は、EUVエネルギ分布図の中から、より高いエネルギとなった照射位置水準を最適位置として選択してもよい。
さらに、露光に十分なEUVエネルギを得られる照射位置が複数ある場合は、それらの中で戻り光出力が最も低い照射位置をレーザ照射位置として設定してもよい。このレーザ照射位置は本開示における「目標照射位置」の一例である。プロセッサ5は、決定した最適位置にレーザ光を照射するようにアクチュエータ付き高反射ミラー341を制御して、アクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動させる。
ステップS46の後、プロセッサ5は図8のフローチャートを終了する。
戻り光はレーザエネルギに相関して増加するので、上記のように低出力マッピングによって戻り光出力が危険なレベルに達する照射位置の領域を特定して高出力マッピング時には当該領域を避けるようにする。
アクチュエータ付き高反射ミラー341は本開示における「照射位置調整機構」、「アクチュエータ付きミラー」の一例である。ビームステアリングシステム34Aの高反射ミラー342、343、344等は本開示における「光学系」の一例である。XY平面の平面内は本開示における「平面内」の一例である。EUVセンサ8は本開示における「極端紫外光センサ」の一例である。
図8のステップS30からステップS36の処理は本開示における「第1計測処理」の一例である。ステップS40からステップS45の処理は本開示における「第2計測処理」の一例である。X軸とY軸とは本開示における「第1軸」と「第2軸」との一例であり、X軸方向とY軸方向とは本開示における「第1方向」と「第2方向」の一例である。
4.3 EUVエネルギ分布図及び戻り光出力分布図の例
図12は、高出力のレーザ照射によるEUVエネルギ分布図の例を示す。図12に示すEUVエネルギ分布図は本開示における「第2分布データ」の一例である。図13は、高出力のレーザ照射による戻り光出力分布図の例を示す。図12及び図13において数値が記録されていないセル(「-」表示のセル)は、高出力のレーザ照射が禁止された走査領域の照射位置を示している。
4.4 作用・効果
実施形態1に係るEUV光生成システム110によれば、戻り光出力が過大となる照射位置を特定し、これを避けて照射位置調整を行うことができる。これにより照射位置調整中に戻り光による素子損傷のリスクを低減できる。
5.実施形態2
5.1 構成
実施形態2に係るEUV光生成システム110の構成は、図7に示した実施形態1の構成と同様であってよい。
5.2 動作
図14は、実施形態2に係るEUV光生成システム110におけるレーザ光の照射位置調整処理の例を示すフローチャートである。図8で説明したフローチャートは、低出力のレーザ照射による戻り光出力分布を基にして、高出力のレーザ照射による走査領域を制限して照射位置の調整を行うという方法であった。
これに対し、実施形態2では、低出力のレーザ照射による走査を実施することなく、高出力のレーザ照射による走査を行い、その際に戻り光出力をモニタして第2戻り光閾値との比較によって走査領域を制限しながら照射位置を調整する方法が採用される。
実施形態2においては、図4と同様に、照射位置水準の2次元配列に従ってX軸方向とY軸方向とのそれぞれに照射位置を移動させる走査を実施してもよいが、このような走査方法の代わりに、原点から放射方向に照射位置を移動させる走査を実施してもよい。
プロセッサ5は、例えばレーザ光の照射位置Sm(x,y)を走査させる場合、例えば図15に例示されるような照射位置水準群に基づいて走査させる。図15中の序数及び矢印は、走査によりレーザ光を照射する位置の移動順序を示す。プロセッサ5は、例えば、最初に原点である[1]の水準から近接する矢印方向に走査して矢印の終点まで走査し、次に[2]の水準から近接する矢印方向に走査するようにする。このように走査することで、原点から次第に遠ざかるように照射位置を走査するようにしてもよい。あるいは、原点から徐々に遠くなるように渦巻き状に水準を走査するようにしてもよい。
図14に示すレーザ照射位置調整の処理が開始されると、ステップS50において、プロセッサ5はレーザ光のエネルギを、露光時に必要なレーザエネルギに設定する。
プロセッサ5は、レーザ光のエネルギを露光時に必要なレーザエネルギ値に設定する信号を発振器310に送信する。さらに、プロセッサ5は、戻り光出力に関する第2戻り光閾値を設定する。第2戻り光閾値は、増幅器上流光学素子のレーザ耐力に基づいて決定してもよい。第2戻り光閾値は、例えば以下の式によって決定してもよい。
第2戻り光閾値=(増幅器上流光学素子のレーザ耐力)×(安全率)×(ビームサイズ)
ここで、第2戻り光閾値の単位は[J]、増幅器上流光学素子のレーザ耐力の単位は[J/cm]、安全率は無単位で0から1の間の数値、ビームサイズの単位は[cm]であってよい。ビームサイズは、増幅器上流光学素子におけるビームサイズとしてもよい。「増幅器上流光学素子」とは、増幅器314よりも上流に配置される光学素子をいう。増幅器上流光学素子は、例えばアイソレータ312である。増幅器上流光学素子はポッケルスセルのEO結晶であってもよい。
ステップS51において、プロセッサ5は照射位置水準を読み込む。
ステップS52において、プロセッサ5は読み込んだ水準の1つにレーザ光の照射位置を合わせるようにアクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動させる。
ステップS53において、プロセッサ5は通過タイミング信号に同期してトリガ信号をメインパルスレーザシステム302に送信することで、EUV光252を生成させる。
ステップS54において、プロセッサ5はEUVセンサ8の計測値と、戻り光センサ332の計測値とを取得して、それぞれの計測値を水準位置に関連付けてマッピングする。プロセッサ5は、EUVエネルギの計測結果をマッピングする際に、各照射位置における戻り光出力を記録すると同時に、戻り光出力と第2戻り光閾値とを比較する。なお、ここでの「戻り光出力」は複数バーストの平均値でもよい。
ステップS55において、プロセッサ5は戻り光出力が第2戻り光閾値未満であるか否かを判定する。ステップS55の判定結果がYES判定である場合、すなわち、戻り光出力が第2戻り光閾値未満である場合、プロセッサ5はステップS57に進む。
その一方で、ステップS55の判定結果がNO判定である場合、すなわち、戻り光出力が第2戻り光閾値以上である場合、プロセッサ5はステップS56に進む。
ステップS56において、プロセッサ5は現在の照射位置水準と同じ走査ラインにおける走査方向と同方向の先にある未照射水準に対するレーザ照射を伴う走査を打ち切る。つまり、戻り光出力>第2戻り光閾値の場合、原点に対してその水準より先の照射位置についてはマッピングを実施せず、レーザ光を出力しないことにする。その水準より先の照射位置とは、同一走査ライン上であって次に照射が予定された水準の照射位置と言い換えてもよい。
これにより、第2戻り光閾値を超えた戻り光エネルギが計測された照射位置よりも原点に対して遠い、同一の走査方向におけるその先の照射位置水準に対するレーザ光の照射が禁止される。
ステップS56の後、プロセッサ5はステップS57に進む。
ステップS57において、プロセッサ5は読み込まれた照射位置水準群に含まれる全ての照射位置水準が終了したか否かを判定する。ステップS57の判定結果がNO判定である場合、プロセッサ5はステップS52に戻り、照射位置を変更してステップS52~S57を繰り返す。
こうして、結果として、戻り光出力が第2戻り光閾値を大幅に超えない照射位置範囲のみでのEUVエネルギ分布図が得られる。この時のレーザエネルギは、露光時相当のものとなる。
ステップS57の判定結果がYES判定である場合、プロセッサ5はステップS58に進む。ステップS58において、プロセッサ5は得られたEUVエネルギ分布図の中から、高いEUVエネルギを実現できる照射位置(最適位置)を選択してレーザ照射位置とする。このとき、カーブフィッティング等により高いEUVエネルギを実現できる照射位置を照射水準間隔によらず特定してもよい。照射位置水準の間隔が5μm程度で細かい場合は、より高いエネルギとなった照射位置水準を最適位置として選択してもよい。
さらに、EUVエネルギ分布図において、露光に十分なEUVエネルギを得られる照射位置が複数ある場合は、それらの中で戻り光出力が最も低い照射位置をレーザ照射位置として設定してもよい。
以上のように、実施形態2においては、戻り光出力をモニタしながら第2戻り光閾値によって走査領域を制限して高出力マッピングを実施する。実施形態2の場合、実施形態1で実施した低出力マッピングは実施しなくともよい。
5.3 EUVエネルギ分布図及び戻り光出力分布図の例
5.3.1 照射位置の走査領域を制限しない場合の分布図の例
図16及び図17は、後述する図18及び図19との比較のために示す。図16は、照射位置の走査領域の制限無しでレーザ光の照射を実施した場合に得られるEUVエネルギ分布図の例である。図17は、照射位置の走査領域の制限無しでレーザ光の照射を実施した場合に得られる戻り光出力分布図の例である。実施形態2で説明した戻り光出力と第2戻り光閾値との比較に基づく走査領域の制限を実施せずに、高出力のレーザ照射で照射位置の水準振りを実施した場合、図16に示すようなEUVエネルギ分布図と図17に示すような戻り光出力分布図が得られる。
5.3.2 戻り光出力に閾値を設けて走査領域を制限した場合の分布図の例
図18及び図19は、実施形態2により高出力での照射位置調整時に、戻り光出力に閾値(第2戻り光閾値)を設けて調整範囲を制限した場合に得られるEUVエネルギ分布図及び戻り光出力分布図の例である。図18及び図19は、第2戻り光閾値が0.24[mJ]に設定された場合の例を示す。例えば、図4と同様の走査のときに図19に示す7×7のマトリクス状の照射位置水準群における第1行目(Y=60μm)の水準をX軸のプラス方向に順次走査する場合、照射位置(20,60)での戻り光出力が0.25mJになると、この値は第2戻り光閾値0.24mJを超えているため、この照射位置(20,60)から先の同方向の照射位置(40,60)、(60,60)への移動が打ち切りとなる。
よって、次は、第2行目(Y=40μm)の左端の水準である照射位置(-60,40)に移動する。そして、第2行目の水準をX軸のプラス方向に順次走査することになる。第2行目の照射位置(40,40)での戻り光出力が0.32mJになると、この値は第2戻り光閾値0.24mJを超えているため、この照射位置(40,40)から先の同方向(プラスX軸方向)の照射位置(60,40)への移動が打ち切りとなる。以下、第3行目以降についても同様の処理が行われ、図18及び図19に示すように走査領域が制限された高出力マッピングが行われる。第2戻り光閾値は本開示における「閾値」、「第2閾値」の一例である。
5.4 作用・効果
実施形態2によれば、戻り光出力が過大となる照射位置を避けながら高出力で照射位置調整を行うことができる。これにより照射位置調整時間を短縮できる。
6.実施形態3
6.1 構成
図20は、実施形態3に係るEUV光生成システム113の構成を概略的に示す。図20に示す構成について、図7と異なる点を説明する。
図20に示すEUV光生成システム113は、メインパルスレーザシステム302の他に、プリパルスレーザ300と、アクチュエータ付き高反射ミラー351と、ビームコンバイナ352とを備える。
プリパルスレーザ300は、ピコ秒[ps]オーダ又はナノ秒[ns]オーダのパルス幅のプリパルスレーザ光を出力するレーザ装置である。プリパルスレーザ光は、メインパルスレーザシステム302から出力されるメインパルスレーザ光と異なる波長のレーザ光であってよく、メインパルスレーザ光が照射される前のターゲット27に照射される。
アクチュエータ付き高反射ミラー351は、ビームステアリングシステム34Bに含まれる。ビームステアリングシステム34Bは、図7で説明したビームステアリングシステム34Aの構成の他に、アクチュエータ付き高反射ミラー351とビームコンバイナ352とを含む。
アクチュエータ付き高反射ミラー351は、プリパルスレーザ300とビームコンバイナ352との間のプリパルスレーザ光の光路上に配置される。アクチュエータ付き高反射ミラー351は、プリパルスレーザ光をビームコンバイナ352に向けて反射する。アクチュエータ付き高反射ミラー351は、アクチュエータ付き高反射ミラー341と同様に、アクチュエータ351Aと高反射ミラー351Bとを含む。
高反射ミラー351Bは、プリパルスレーザ光の波長を高反射するミラーである。アクチュエータ付き高反射ミラー351は、プロセッサ5からの指示によってアクチュエータ351Aを駆動し、高反射ミラー351Bの位置及び/又は姿勢を制御可能に構成される。
ビームコンバイナ352は、アクチュエータ付き高反射ミラー341の反射光の光路と、アクチュエータ付き高反射ミラー351の反射光の光路との交点に配置される。ビームコンバイナ352は、例えば、プリパルスレーザ光の波長を高反射し、メインパルスレーザ光の波長を高透過するダイクロイックミラーであってよい。
またEUV光生成システム113は、ターゲットセンサ4及びEUVセンサ8の他に、ミストサイズセンサ370を備える。ミストサイズセンサ370は、ミストターゲットを撮像するよう構成されたカメラである。ミストターゲットはターゲット27が微粒子化して空間に拡散した状態の2次ターゲットである。ミストサイズセンサ370はプロセッサ5に接続され、プロセッサ5はミストサイズセンサ370が出力する画像からミストターゲットの大きさを算出する。
メインパルスレーザシステム302は本開示における「メインパルスレーザ」の一例である。アクチュエータ付き高反射ミラー351は本開示における「プリパルスレーザ照射位置調整機構」の一例である。アクチュエータ付き高反射ミラー341は本開示における「メインパルスレーザ照射位置調整機構」の一例である。
6.2 動作
ターゲットセンサ4は、ターゲット27を検出し通過タイミング信号をプロセッサ5に出力する。
プロセッサ5は、通過タイミング信号に対して第1遅延時間を付加してプリパルス発光トリガ信号をプリパルスレーザ300に出力する。さらに、第1遅延時間より長い第2遅延時間を通過タイミング信号に付加してメインパルス発光トリガ信号をメインパルスレーザシステム302の発振器310とアイソレータ312とに出力する。
プリパルスレーザ300は、プリパルス発光トリガ信号が入力されるとプリパルスレーザ光を出力する。
発振器310はメインパルス発光トリガ信号が入力されるとメインパルスレーザ光を出力し、アイソレータ312は出力されたメインパルスレーザ光の到達タイミングに同期してメインパルスレーザ光を透過させる。これに先立ってプロセッサ5は、増幅器314をレーザ光増幅可能な状態としておく。
プリパルスレーザ光は、アクチュエータ付き高反射ミラー351を経てビームコンバイナ352及び高反射ミラー342、343、344で順次反射され、チャンバ2内のターゲット27に照射され、ミストターゲットを形成する。ミストターゲットはミストサイズセンサ370によって撮像され、プロセッサ5はミストサイズを算出する。ミストサイズは「ミストターゲットサイズ」と同義である。
一方、アイソレータ312を透過したメインパルスレーザ光は増幅器314によって増幅され、ビームステアリングシステム34Bを経由してチャンバ2内のミストターゲットに照射される。
メインパルスレーザ光を集光照射されたミストターゲットはプラズマ化してEUV光を放射する。このとき放射されるEUVエネルギは、プリパルスレーザ300がない場合よりも高いエネルギとなる。
6.3 レーザ照射位置調整の例
図21及び図22を用いて、照射位置調整処理の例について説明する。図21は、照射位置調整処理のメインルーチンの例を示すフローチャートである。
図21のステップS61において、プロセッサ5はプリパルスレーザ照射位置調整を行う。プリパルスレーザ照射位置調整は、プリパルスレーザ光の照射位置を調整する処理である。その後、ステップS62において、プロセッサ5はメインパルスレーザ照射位置調整を行う。メインパルスレーザ照射位置調整は、メインパルスレーザ光の照射位置を調整する処理である。
ステップS62の後、プロセッサ5は図21のフローチャートを終了する。
図22は、図21のステップS61及びステップS62に適用されるサブルーチンの例を示すフローチャートである。
プリパルスレーザ照射位置調整(ステップS61)とメインパルスレーザ照射位置調整(ステップS62)とのそれぞれに適用されるサブルーチンに関して、調整アルゴリズムは共通しており、同様のサブルーチンが適用される。戻り光センサ332は、メインパルスレーザ光の戻り光を検出する点は、プリパルスレーザ照射位置調整とメインパルスレーザ照射位置調整とにおいて共通する。
プリパルスレーザ照射位置調整とメインパルスレーザ照射位置調整とで異なる点は、分布図を作成する調整指標と、水準リスト(照射位置水準群)と、駆動ミラーとである。プリパルスレーザ照射位置調整における調整指標はミストターゲットのミストサイズであるのに対し、メインパルスレーザ照射位置調整における調整指標はEUVエネルギである点で相違する。
プリパルスレーザ照射位置調整とメインパルスレーザ照射位置調整とでは調整の範囲や調整の刻み幅は異なるものであってよい。つまり、プリパルスレーザ照射位置調整に適用される照射位置水準群とメインパルスレーザ照射位置調整に適用される照射位置水準群とでは異なる水準群が採用されてよい。
プリパルスレーザ照射位置調整にて調整対象として動かすミラーは高反射ミラー351Bであるのに対し、メインパルスレーザ照射位置調整にて調整対象として動かすミラーは高反射ミラー341Bである。プリパルスレーザ照射位置調整とメインパルスレーザ照射位置調整とのそれぞれにおいて調整対象のみを独立して動かす。
例えば、プリパルスレーザ光の照射位置の調整中は、メインパルスレーザ光の照射位置は固定とし、メインパルスレーザ光の照射位置の調整中は、プリパルスレーザ光の照射位置は固定とする。
図22には、レーザ照射位置調整アルゴリズムの例として、実施形態2と同様の方法を示しているが、実施形態1で説明した方法を適用してもよい。また、図22に示すフローチャートを複数回繰り返しても良く、プリパルスレーザ照射位置調整の処理と、メインパルスレーザ照射位置調整の処理とを適宜の順番で、適宜の組み合わせで実施してもよい。
6.3.1 プリパルスレーザ照射位置調整
プロセッサ5は、プリパルスレーザ照射位置を調整する際に、図22に示すサブルーチンを適用して、次のように動作する。
ステップS70において、プロセッサ5はメインパルスレーザ光のエネルギを露光時に必要なメインパルスレーザエネルギ値に設定する信号を発振器310に送信する。また、プロセッサ5は、戻り光出力の閾値としての第2戻り光閾値を設定する。第2戻り光閾値は、実施形態2と同様に決定してもよい。
ステップS71において、プロセッサ5はプリパルスレーザ光の照射位置の水準を読み込む。
ステップS72において、プロセッサ5は読み込んだ水準の1つにプリパルスレーザ光の照射位置を合わせるようにアクチュエータ付き高反射ミラー351を駆動させる。
ステップS73において、プロセッサ5は通過タイミング信号に同期してプリパルスレーザ300とメインパルスレーザシステム302とにそれぞれトリガ信号を送信することで、EUV光252を生成させる。
ステップS74において、プロセッサ5は調整指標の計測値と、戻り光センサ332の計測値(戻り光出力)とを取得して、それぞれの計測値を水準位置に関連付けてマッピングする。プリパルスレーザ照射位置調整における「調整指標」はミストサイズであり、プロセッサ5は、ミストサイズの計測結果をマッピングする際に、各照射位置における戻り光出力を記録すると同時に、戻り光出力と第2戻り光閾値とを比較する。なお、ここでの「戻り光出力」は複数バーストの平均値でもよい。
ステップS75において、プロセッサ5は戻り光出力が第2戻り光閾値未満であるか否かを判定する。ステップS75の判定結果がYES判定である場合、すなわち、戻り光出力が第2戻り光閾値未満である場合、プロセッサ5はステップS77に進む。
その一方で、ステップS75の判定結果がNO判定である場合、すなわち、戻り光出力が第2戻り光閾値以上に大きくなった場合、プロセッサ5はステップS76に進む。
ステップS76において、プロセッサ5は現在の照射位置水準と同じ走査ラインにおける走査方向と同方向の先にある未照射の水準に対する走査を打ち切る。つまり、戻り光出力>第2戻り光閾値の場合、原点に対してその水準より先の(原点から遠い)照射位置についてはマッピングを実施せず、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を出力しないことにする。
ステップS76の後、プロセッサ5はステップS77に進む。
ステップS77において、プロセッサ5は読み込んだ照射位置水準群に含まれる全ての照射位置水準が終了したか否かを判定する。ステップS77の判定結果がNO判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準を終了していない場合、プロセッサ5はステップS72に戻り、照射位置を変更してステップS72~S77を繰り返す。
こうして、結果として、戻り光出力が第2戻り光閾値を大幅に超えない照射位置範囲のみでのミストサイズ分布図が得られる。この時のメインパルスレーザ光のエネルギは、露光時相当のものとなる。
ステップS77の判定結果がYES判定である場合、すなわち、全ての照射位置水準を終了した場合、プロセッサ5はステップS78に進む。ステップS78において、プロセッサ5は得られたミストサイズ分布図の中から、大きいミストサイズを実現できるプリパルス照射位置(最適位置)を選択してプリパルスレーザ照射位置とする。このとき、カーブフィッティング等により大きいミストサイズを実現できる照射位置を照射水準間隔によらず特定してもよい。例えば、ミストサイズが最大となる照射位置をプリパルス照射位置として決定してもよい。照射位置水準の間隔が5μm程度で細かい場合は、より大きいミストサイズとなった照射位置水準をプリパルス照射位置として設定してもよい。
さらに、ミストサイズ分布図において、十分なミストサイズを得られる照射位置が複数ある場合は、それらの中で戻り光出力が最も低い照射位置をプリパルスレーザ照射位置として設定してもよい。プリパルス照射位置として設定される照射位置(最適位置)は本開示における「第1目標照射位置」の一例である。
6.3.2 メインパルスレーザ照射位置調整
プロセッサ5は、メインパルスレーザ照射位置を調整する際に、図22に示すサブルーチンを適用して、ステップS70~S78と同様の工程を実施する。
プリパルスレーザ照射位置調整と異なる点は、メインパルスレーザ照射位置調整の場合、ステップS72において駆動させるミラーがアクチュエータ付き高反射ミラー341となり、そのためステップS71の水準の読み込みもメインパルスレーザ光の照射位置水準となる。また、ステップS74における調整指標はEUVエネルギとなる。
つまり、プリパルスレーザ照射位置調整におけるミストサイズマッピングの代わりに、実施形態2の場合と同様に、メインパルスレーザ光についてEUVエネルギマッピングを実施して、メインパルスレーザ照射位置を決定する。このメインパルスレーザ光によるEUVエネルギマッピングの過程では、アクチュエータ付き高反射ミラー341を駆動してメインパルスレーザ光のみ照射位置をスキャンする。プリパルスレーザ光の光路上に配置されたアクチュエータ付き高反射ミラー351は駆動させず、プリパルスレーザ光の照射位置は、プリパルスレーザ照射位置調整の工程で得た最適位置(プリパルスレーザ照射位置)に保持される。
メインパルスレーザ照射位置調整の処理によって、メインパルス照射位置として設定される照射位置(最適位置)は本開示における「第2目標照射位置」の一例である。
以上のように、1つのターゲット27に複数のレーザ光を照射する場合、各レーザ光の照射位置を順次調整するようにする。このとき、各レーザ光の照射位置を個別に調整するアクチュエータを備えるのが望ましい。しかし、照射位置又は照射タイミングが近い複数のレーザ光の調整は1つのアクチュエータで兼用してもよい。
6.4 作用・効果
実施形態3によれば1つのターゲット27に複数のレーザ光を照射するEUV光生成システム113において、照射位置調整中に戻り光による素子損傷のリスクを低減できる。
7.EUV光生成システムを用いた電子デバイスの製造方法の例
図23は、EUV光生成システム110と接続された露光装置6の構成を概略的に示す。図23において、露光装置6は、マスク照射部602とワークピース照射部604とを含む。マスク照射部602は、EUV光生成システム110から入射したEUV光252によって、反射光学系603を介してマスクテーブルMT上に配置された図示しないマスクのマスクパターンを照明する。ワークピース照射部604は、マスクテーブルMTによって反射されたEUV光を、反射光学系605を介してワークピーステーブルWT上に配置された図示しないワークピース上に結像させる。ワークピースはフォトレジストが塗布された半導体ウエハ等の感光基板である。露光装置6は、マスクテーブルMTとワークピーステーブルWTとを同期して平行移動させることにより、マスクパターンを反映したEUV光をワークピースに露光する。以上のような露光工程によって半導体ウエハにマスクパターンを転写後、複数の工程を経ることで半導体デバイスを製造できる。半導体デバイスは本開示における「電子デバイス」の一例である。EUV光生成システム110に限らず、EUV光生成システム113などを用いてもよい。
8.その他
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。したがって、特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。また、本開示の実施形態を組み合わせて使用することも当業者には明らかである。
本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、明記が無い限り「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」、「有する」、「備える」、「具備する」などの用語は、「記載されたもの以外の構成要素の存在を除外しない」と解釈されるべきである。また、修飾語「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。また、「A、B及びCの少なくとも1つ」という用語は、「A」「B」「C」「A+B」「A+C」「B+C」又は「A+B+C」と解釈されるべきである。さらに、それらと「A」「B」「C」以外のものとの組み合わせも含むと解釈されるべきである。

Claims (20)

  1. チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域にターゲットを供給するターゲット供給器と、
    前記ターゲットに照射されるレーザ光を出力するレーザ装置と、
    前記レーザ光を前記所定領域へと導くレーザ光路を形成する光学系と、
    前記所定領域に向かって進む前記レーザ光の光路軸に直交し前記所定領域と交差する平面内で前記ターゲットに対する前記レーザ光の照射位置を調整する照射位置調整機構と、
    前記ターゲットに前記レーザ光が照射されることによって生成される極端紫外光のエネルギを計測する極端紫外光センサと、
    前記ターゲットによる前記レーザ光の反射光のうち前記レーザ光路を逆行する戻り光のエネルギを計測する戻り光センサと、
    前記照射位置調整機構を制御するプロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記平面内で前記照射位置を移動させ、複数の前記照射位置のそれぞれに前記レーザ光を照射することにより、前記極端紫外光センサで計測される極端紫外光エネルギと前記戻り光センサで計測される戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を前記照射位置と対応付けて記憶し、
    前記戻り光エネルギと閾値との比較に基づき前記照射位置の移動領域を制限し、
    前記戻り光エネルギが前記閾値を超えない領域内で、前記記憶された前記照射位置と前記極端紫外光エネルギとの対応関係から目標照射位置を決定し、
    前記目標照射位置に応じて前記照射位置調整機構を制御する、
    極端紫外光生成システム。
  2. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記記憶された前記戻り光エネルギと前記照射位置との対応関係から前記戻り光エネルギが前記閾値を超えない領域を特定し、
    前記戻り光エネルギが前記閾値を超える領域への前記照射位置の移動を制限する、
    極端紫外光生成システム。
  3. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記レーザ装置から出力される前記レーザ光のエネルギを第1レーザエネルギに設定し、前記第1レーザエネルギに設定された前記レーザ光の照射によって前記極端紫外光エネルギと前記戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を前記照射位置と対応付けて記憶する第1計測処理と、
    前記第1計測処理にて記憶された前記戻り光エネルギと前記照射位置との対応関係を示す第1分布データに基づき、前記戻り光エネルギが前記閾値としての第1閾値を超えない領域を第1領域として特定する処理と、
    前記レーザ装置から出力される前記レーザ光のエネルギを前記第1レーザエネルギよりも高エネルギの第2レーザエネルギに設定し、前記第1領域の範囲内で前記レーザ光の照射位置を移動させ、前記第1領域内の複数の前記照射位置のそれぞれに前記第2レーザエネルギに設定された前記レーザ光の照射によって前記極端紫外光エネルギと前記戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を前記照射位置と対応付けて記憶する第2計測処理と、
    前記第2計測処理にて記憶された前記極端紫外光エネルギと前記照射位置との対応関係を示す第2分布データに基づき前記目標照射位置を決定する処理とを行う、
    極端紫外光生成システム。
  4. 請求項3に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第1レーザエネルギは、前記第2レーザエネルギの25%~30%である、
    極端紫外光生成システム。
  5. 請求項3に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第2レーザエネルギは、露光装置での露光に用いる前記極端紫外光を生成する際に設定される前記レーザ光のエネルギと同等である、
    極端紫外光生成システム。
  6. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記平面内で互いに直交する第1軸及び第2軸のそれぞれの軸方向について複数の前記照射位置を定める照射位置水準を設定し、
    前記照射位置水準に従って前記照射位置を移動させるように、前記照射位置調整機構を制御する、
    極端紫外光生成システム。
  7. 請求項6に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記照射位置水準に従って前記第1軸に沿った第1方向に前記照射位置を移動させた後、前記第2軸に沿った第2方向に前記照射位置を移動させるように、前記照射位置調整機構を制御する、
    極端紫外光生成システム。
  8. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザ装置は、発振器と、増幅器と、を含み、
    前記戻り光センサは、前記増幅器を通過した前記戻り光を受光する、
    極端紫外光生成システム。
  9. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記照射位置調整機構は、前記レーザ光路上に配置されたアクチュエータ付きミラーを含む、
    極端紫外光生成システム。
  10. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記極端紫外光エネルギが最大となる照射位置を前記目標照射位置に決定する、
    極端紫外光生成システム。
  11. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記戻り光エネルギが前記閾値を超えた場合に、前記閾値を超えた前記戻り光エネルギが計測された前記照射位置よりも前記平面内の原点に対して遠い照射位置への移動を制限するように、前記照射位置調整機構を制御する、
    極端紫外光生成システム。
  12. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記レーザ装置から出力される前記レーザ光のエネルギを、露光装置での露光に使用する前記極端紫外光を生成する際に設定される前記レーザ光のエネルギと同等の第2レーザエネルギに設定し、
    前記第2レーザエネルギによる前記レーザ光の照射によって前記極端紫外光エネルギと前記戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を前記照射位置と対応付けて記憶し、
    前記戻り光エネルギの計測結果と前記閾値としての第2閾値との比較に基づいて前記移動領域を制限する、
    極端紫外光生成システム。
  13. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第2閾値は、前記第2レーザエネルギの前記レーザ光を照射した際の前記戻り光エネルギについて定められた閾値である、
    極端紫外光生成システム。
  14. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記平面内に定められた原点を中心にして前記平面内において互いに直交する第1軸及び第2軸のそれぞれの軸方向について複数の前記照射位置を定める照射位置水準を設定し、
    前記照射位置水準に従って前記原点から次第に遠ざかるように前記照射位置を走査するように、前記照射位置調整機構を制御する、
    極端紫外光生成システム。
  15. 請求項14に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、前記平面内における前記照射位置水準の2次元配列に従う走査方向に前記照射位置を順次に移動させる走査を行い、
    前記走査の際にそれぞれの前記照射位置で前記戻り光エネルギと前記第2閾値とを比較し、
    前記第2閾値を超えた前記戻り光エネルギが計測された前記照射位置よりも前記原点に対して遠い、同一の走査方向の先の照射位置水準に対する前記レーザ光の照射を禁止する、
    極端紫外光生成システム。
  16. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザ装置は、
    プリパルスレーザ光を出力するプリパルスレーザと、
    メインパルスレーザ光を出力するメインパルスレーザと、を含み、
    前記照射位置調整機構は、
    前記プリパルスレーザ光の照射位置を調整するプリパルスレーザ照射位置調整機構と、
    前記メインパルスレーザ光の照射位置を調整するメインパルスレーザ照射位置調整機構と、を含み、
    前記光学系は、前記プリパルスレーザ光の光路と前記メインパルスレーザ光の光路との交点に配置されるビームコンバイナを含む、
    極端紫外光生成システム。
  17. 請求項16に記載の極端紫外光生成システムであって、さらに、
    前記ターゲットに前記プリパルスレーザ光が照射されることによって生成されるミストターゲットを撮像するミストサイズセンサを含み、
    前記プロセッサは、前記ミストサイズセンサを用いて計測されるミストターゲットサイズを前記照射位置と対応付けて記憶する、
    極端紫外光生成システム。
  18. 請求項16に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記プリパルスレーザ照射位置調整機構を制御して前記プリパルスレーザ光の照射位置を第1目標照射位置に調整するプリパルスレーザ照射位置調整の処理と、
    前記メインパルスレーザ照射位置調整機構を制御して前記メインパルスレーザ光の照射位置を第2目標照射位置に調整するメインパルスレーザ照射位置調整の処理と、を行う、
    極端紫外光生成システム。
  19. 請求項16に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記プリパルスレーザ照射位置調整機構を制御して前記プリパルスレーザ光の照射位置を最適位置に調整した後に、
    前記メインパルスレーザ照射位置調整機構を制御して前記メインパルスレーザ光の照射位置を調整する、
    極端紫外光生成システム。
  20. 電子デバイスの製造方法であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域にターゲットを供給するターゲット供給器と、
    前記ターゲットに照射されるレーザ光を出力するレーザ装置と、
    前記レーザ光を前記所定領域へと導くレーザ光路を形成する光学系と、
    前記所定領域に向かって進む前記レーザ光の光路軸に直交し前記所定領域と交差する平面内で前記ターゲットに対する前記レーザ光の照射位置を調整する照射位置調整機構と、
    前記ターゲットに前記レーザ光が照射されることによって生成される極端紫外光のエネルギを計測する極端紫外光センサと、
    前記ターゲットによる前記レーザ光の反射光のうち前記レーザ光路を逆行する戻り光のエネルギを計測する戻り光センサと、
    前記照射位置調整機構を制御するプロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、
    前記平面内で前記照射位置を移動させ、複数の前記照射位置のそれぞれに前記レーザ光を照射することにより、前記極端紫外光センサで計測される極端紫外光エネルギと前記戻り光センサで計測される戻り光エネルギとのそれぞれの計測結果を前記照射位置と対応付けて記憶し、
    前記戻り光エネルギと閾値との比較に基づき前記照射位置の移動領域を制限し、
    前記戻り光エネルギが前記閾値を超えない領域内で、前記記憶された前記照射位置と前記極端紫外光エネルギとの対応関係から目標照射位置を決定し、
    前記目標照射位置に応じて前記照射位置調整機構を制御する、極端紫外光生成システムを用いて前記極端紫外光を生成し、
    前記極端紫外光を露光装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板上に前記極端紫外光を露光すること
    を含む電子デバイスの製造方法。
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