JP2022007403A - ポリエチレンポリアミン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 二酸化炭素の吸収速度、放散速度に優れた二酸化炭素分離化合物を提供する。
【解決手段】 ポリエチレンポリアミン誘導体であって、(i)窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの誘導体であることを特徴とし、(ii)前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、20~100%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体であることを特徴とする、ポリエチレンポリアミン誘導体を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二酸化炭素の吸収放散に優れたポリエチレンポリアミン誘導体及びその用途に関する。
近年、地球温暖化問題のため、二酸化炭素の分離・回収が注目されており、二酸化炭素分離化合物及びそれらを多孔質シリカ等に担持した分離材の開発が盛んに行われている。
二酸化炭素分離化合物として、モノエタノールアミンが最も一般的である。モノエタノールアミンは、安価で工業的に入手しやすいが、低温で吸収した二酸化炭素を100℃以上の高温にしないと放散しないという特性がある(特許文献1)。そして、一般に用いられるモノエタノールアミンの30%水溶液の場合、二酸化炭素放散温度を水の沸点以上にすると、水の高い潜熱、比熱のため、二酸化炭素の回収に多くのエネルギーを要することになる。
そのため、モノエタノールアミンより二酸化炭素放散温度が低く、二酸化炭素回収エネルギーの低いアミンの開発がおこなわれている。例えば、N-メチルジエタノールアミン(特許文献2)が提案されている。
特開平6-343858号公報 特表2006-528062号公報
上記のN-メチルジエタノールアミンについては、二酸化炭素の吸収速度、放散速度が十分高くないという課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、二酸化炭素の吸収放散効率(単位重量当たりの二酸化炭素吸収放散量)に優れたアミン組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討した結果、下記ポリエチレンポリアミン誘導体が、N-メチルジエタノールアミンに比べて、二酸化炭素の吸収・放散速度に優れるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すポリエチレンポリアミン誘導体、及びその用途に係る。
[1] ポリエチレンポリアミン誘導体であって、(i)窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの誘導体であることを特徴とし、(ii)前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、20~100%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体であることを特徴とする、ポリエチレンポリアミン誘導体。
[2] 前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、40~95%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体である、[1]に記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
[3] 窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンが、窒素原子数6以上9以下のポリエチレンポリアミンである、[1]又は[2]に記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
[4] 炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、及び2-ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる基である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載のポリエチレンポリアミン誘導体及び水を含むアミン組成物。
[6] ポリエチレンポリアミン誘導体の含有量が5~70重量%である、[5]に記載のアミン組成物。
[7] [5]又は[6]に記載のアミン組成物からなる二酸化炭素吸収放散剤。
[8] 少なくとも[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリエチレンポリアミン誘導体が担持されたシリカ、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラス、活性炭、ポリメチルメタクリレート系の多孔性樹脂、又は繊維からなる二酸化炭素吸収放散剤。
本願発明のポリエチレンポリアミン誘導体は、二酸化炭素を効率的に吸収し、且つ効率的に放散することができる。このため、本願発明のポリエチレンポリアミン誘導体を用いることによって、省エネルギーで二酸化炭素の分離回収を行うことができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリエチレンポリアミン誘導体であって、(i)窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの誘導体であることを特徴とし、(ii)前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、20~100%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体であることを特徴とする、ポリエチレンポリアミン誘導体に係る。
上記の窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミン(ポリエチレンポリアミン誘導体の前駆体を指す)としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチレンテトラミン(以下、TETAとも称す)、テトラエチレンペンタミン(以下、TEPAとも称す)、ペンタエチレンヘキサミン(以下、PEHAとも称す)、ヘキサエチレンヘプタミン(以下、HEHAとも称す)、又は8以上のアミノ基を有するポリエチレンポリアミン等が挙げられる。
上記の窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンについては、上記のTETA、TEPA、PEHA、又はHEHA等を単独で用いることもできるし、複数混合した混合物として用いることもできる。なお、TETA以上のポリエチレンポリアミン類については、一般に、複数のアミン化合物の混合物として流通しているため、本発明のポリエチレンポリアミンについても混合物であることが好ましい。
なお、TETAは、直鎖状のトリエチレンテトラミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、N,N’-ビス(2-アミノエチル)ピペラジン、及びN-(3,6-ジアザヘキシル)ピペラジンで示される窒素原子数4のポリエチレンポリアミン化合物の混合物として、一般的に流通している。
TEPAは、直鎖状のテトラエチレンペンタミン、N,N-ビス(2-アミノエチル)ジエチレントリアミン、N-(3,6-ジアザヘキシル)-N’-(3-アザプロピル)ピペラジン、及びN-(3,6,9-トリアザノニル)ピペラジンで示される窒素原子数5のポリエチレンポリアミン化合物の混合物として、一般的に流通していることが多く、尚且つ微量のTETA成分及びPEHA成分を含有することがある。
PEHA以上の沸点のポリエチレンポリアミンは、TETAやTEPAに比べて更に多くのアミン化合物の混合物となって流通していることが多く、尚且つ少量のTETA成分、TEPA成分、及びHEHA成分を含有していることが多い。具体例として、特に限定するものではないが、例えば、PEHA(東ソー社製)、Poly-7(東ソー社製)やPoly-8(東ソー社製)等の名称で流通しているものが挙げられる。
なお、当該窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンについては、二酸化炭素の吸収放散に優れる点で、窒素原子数5以上のポリエチレンポリアミンであることが好ましく、窒素原子数6以上のポリエチレンポリアミンであることがより好ましく、窒素原子数6以上9以下のポリエチレンポリアミンであることがより好ましく、特に限定するものではないが、例えば、PEHA、HEHA、又は8以上のアミノ基を有するポリエチレンポリアミン等が挙げられる。
なお、このようなポリエチレンポリアミンにおける窒素原子数は、液体クロマトグラフィー分析や、ガスクロマトグラフィー分析によって定量することができる。
繰返しになるが、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体は、上記の窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの誘導体である。上記の窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンは、いずれも1級アミノ基(-NH)を有しているが、当該ポリエチレンポリアミンをそのまま二酸化炭素吸収剤として用いると、二酸化炭素を放散させるのに高温(典型的には100℃以上)を要する傾向がある(例えば、特許文献1)。本発明のポリエチレンポリアミン誘導体は、その前駆体が有する1級アミノ基(-NH)の20~100%について、片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体であることを特徴とし、当該特徴に基づいて、二酸化炭素の放散能力を高めることができる。なお、二酸化炭素の放散能力を高められる点で、40~95%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換されていることが好ましい。
上記の炭素数1~4のヒドロキシアルキル基については、特に限定するものではないが、例えば、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、4-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、又は2-ヒドロキシブチル基等を挙げることができる。なお、原料の入手が容易であり、合成が容易である点で、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、及び2-ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる基であることが好ましく、2-ヒドロキシプロピル基であることがより好ましい。
このような本発明のポリエチレンポリアミン誘導体については、特に限定するものではないが、例えば、具体的には、TETA、TEPA、PEHA、又はHEHA、及び8以上のアミノ基を有するポリエチレンポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリエチレンポリアミンに対し、エポキシ化合物、またはオキセタン化合物等を反応させることで製造することができる。
本発明のポリエチレンポリアミン誘導体としては、特に限定するものではないが、例えば、下記の表に示すものを例示することができる。なお、該表には具体的には記載していないが、例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が例示した置換基によって置換されている例を挙げることができる。
なお、表中、TETAはトリエチレンテトラミンを表し、TEPAはテトラエチレンペンタミンを表し、PEHAはペンタエチレンヘキサミンを表し、Poly-7はPEHAより高沸点のポリエチレンポリアミンを表し、Poly-8はPEHAより高沸点でPoly-7より低アミン価のポリエチレンポリアミンを表す。
Figure 2022007403000001
本発明のポリエチレンポリアミン誘導体は、二酸化炭素の吸収放散剤として有効に利用することができる。二酸化炭素の吸収放散剤として利用する際は、当該ポリエチレンポリアミン誘導体をそのまま用いることもできるが、吸収放散効率を高められる点で、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体を含むアミン組成物として用いたり、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体を担体に担持させた担持物として用いることが好ましい。
本発明のアミン組成物は、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体、及び溶媒を含むことが好ましく、吸収放散効率を高められる点で、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体、及び水を含むことが好ましい。
本発明のアミン組成物については、液の粘度や二酸化炭素吸収能力の観点から、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体の濃度が、5~70重量%であることが好ましく、10~50重量%であることがより好ましい。
本発明のアミン組成物は、上述した本発明のポリエチレンポリアミン誘導体及び水以外の添加物を含有していてもよい。当該添加物としては、特に限定するものではないが、上記したポリエチレンポリアミン前駆体及び本発明のポリエチレンポリアミン誘導体以外のアミン化合物、アルコール化合物、ポリオール化合物を挙げることができ、より具体的には例えば、脂肪族アミン(エタノールアミン、ジエタノールアミン、1-アミノプロパン、イソプロピルアミン、1-アミノブタン、1-アミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、1-アミノオクタン、1-アミノデカン、1-アミノドデカン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-イソプロピルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エチレンジアミン、N-メチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N-メチルプロピレンジアミン、N,N-ジメチルプロピレンジアミン、N,N’-ジメチルプロピレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸)、芳香族アミン(アニリン、トルイジン、アニシジン、ナフチルアミン、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール)、上記以外の環状アミン(ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、1,4-ジメチルピペラジン、2-ヒドロキシメチルピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、1-(2-アミノエチル)-4-メチルピペラジン、1-(2、3-ジヒドロキシプロピル)-ピペラジン、1-(2、3-ジヒドロキシプロピル)-4-メチルピペラジン、ホモピペラジン、キヌクリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-メタノール、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、t-ブタノール、フェノール、1,4-ジヒドロキノン、2-t-ブチル-1,4-ジヒドロキノン、3,5-ジ-t-ブチル-1,4-ジヒドロキノン、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、1,2-エチレングリコール、グリセリン、又はポリエチレングリコール等が挙げられる。当該添加物の含有量については、0.01~35重量%であればよく、0.01~20重量%であることが好ましく、0.01~10重量%であることがより好ましい。
本発明のアミン組成物については、二酸化炭素吸収放散剤として、二酸化炭素の化学吸収法に用いることができる。
当該化学吸収法は、上記の本発明のポリエチレンポリアミン誘導体又はアミン組成物と二酸化炭素を含む気体を接触させ、二酸化炭素を選択的に吸収させた後、高温又は減圧することにより吸収された二酸化炭素を放散させる方法を表す。化学吸収法では、一般的に二酸化炭素を放散させる温度は100℃以上とされるが、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体又はアミン組成物を使用する場合には、特に温度に関する制約は無く、100℃未満の温度としてもよい。
また、本発明のポリエチレンポリアミン誘導体については、担体に担持して、二酸化炭素吸収放散剤として使用することもできる。
前記の担体としては、特に限定するものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラス、活性炭、ポリメチルメタクリレート系の多孔性樹脂、又は繊維などを用いることができる。
前記のシリカとしては、結晶性と非結晶性(アモルファス)があり、細孔を有するゼオライト状のシリカ、メソポーラスシリカなど多種知られている。本発明の二酸化炭素吸収放散剤において、使用できるシリカには特に制限はなく、工業的に流通しているものを使用することができるが、表面積が大きいシリカが好ましい。表面積が大きいほどポリエチレンポリアミン誘導体が効率的に作用する。なお、本発明の二酸化炭素分離剤においては、用いるポリエチレンポリアミン誘導体に応じて最適のシリカを適宜選択することが好ましい。
本発明の担体を用いた二酸化炭素吸収放散剤においては、更に水を含有させてもよい。
本発明の担体を用いた二酸化炭素吸収放散剤における本発明のポリエチレンポリアミン誘導体の担持量は、二酸化炭素の吸収量及び本発明のポリエチレンポリアミン誘導体の担持操作に優れる点で、担体(ポリエチレンポリアミン誘導体未担持のもの)重量 100重量部に対し5~70重量部であることが好ましく、更に好ましくは10~60重量部である。
本発明の担体を用いた二酸化炭素吸収放散剤に含まれる水の量は、吸収する二酸化炭素に対し等モル以上が好ましい。水の量が二酸化炭素に対し等モル以上であると、二酸化炭素の放散エネルギーが余り大きくならない点で好ましい。
本発明の担体を用いた二酸化炭素吸収放散剤は固体吸収法として広く知られた二酸化炭素分離方法に適用できる。固体吸収法は、二酸化炭素分離剤と二酸化炭素を含む気体を接触させ、二酸化炭素を選択的に吸収させた後、高温又は減圧することにより吸収された二酸化炭素を放散させる方法を表す。固体吸収法では、一般的に二酸化炭素を放散させる温度は100℃以上とされるが、本発明の二酸化炭素分離組成物を使用する場合には、特に温度に関する制約は無く、100℃未満としてもよい。
TETA(平均窒素数約4)は、東ソー社製TETA(全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率18.3%)を用いた。
TEPA(平均窒素数約5)は、東ソー社製TEPA(全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率15.2%)を用いた。
PEHA(平均窒素数約6)は、東ソー社製PEHA(全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率13.9%)を用いた。
Poly-7はPEHAより高沸点のポリアミン(平均窒素数約6以上)を表し、実施例では、東ソー社製Poly-7(全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率12.8%)を用いた。
Poly-8はPEHAより高沸点且つPoly-7より低アミン価のポリアミン(平均窒素数約6以上)を表し、実施例では、東ソー社製Poly-8(全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率12.1%)を用いた。
全窒素原子のうち1級アミン窒素原子含有率(1級N率[%]とも称す)の定量は、パーキンエルマー社製Frontier NIR/MIRによる近赤外光スペクトル分析を用い、検量線法によって行った。
ポリエチレンポリアミン誘導体における1級アミノ基の転換率[%]は、下記式によって算出した。
Figure 2022007403000002

実施例で得られた化合物の化学構造は1H-NMR、13C-NMR(日本電子製JNM‐ECZ400)により確認した。
実施例1
コンデンサー、温度計を取り付けた3口フラスコに、Poly-7(1級N率=12.8%) 76gを入れ、60℃に加熱、撹拌しながら酸化プロピレン 21gを2時間かけて滴下した。その後、95℃に昇温し、1時間加熱した。再び60℃に降温、撹拌しながら酸化プロピレン 21gを2時間かけて滴下した。その後、95℃に昇温し、5時間加熱して、2-ヒドロキシプロピル化Poly-7 113gを得た。得られた2-ヒドロキシプロピル化Poly-7の1級N率は4.9%であった。すなわち、前駆体Poly-7の1級アミノ基の転換率は、62%であった。なお、酸化プロピレンの添加量は、Poly-7の1級アミノ基のモル数の等モルの量に相当する。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)δ 1.09(d,J=3Hz,3.5H),1.14(d,J=5Hz,2.5H), 2.20-2.90(m,22H),3.82(br s,2H)。
13C-NMR(100MHz、CDCl3)δ 20.3,21.0,21.1,38.6,39.4,39.8,41.4,41.6,46.1,46.2,46.3,47.5,49.0,49.1,49.3,49.4,51.5,52.3,52.5,52.9,53.1,53.6,55.0,55.8,56.3,57.2,57.8,61.0,62.2,62.3,62.8,63.2,64.9,65.2,65.4,65.7,66.0。
前記の製法によって得られた2-ヒドロキシプロピル化Poly-7 30gに純水 70gを加え、二酸化炭素吸収液を調製した。これを200mLのガス吸収瓶に入れ、水浴で40℃にした。これに100mL/分の二酸化炭素ガスと400mL/分の窒素ガスの混合気体を1時間吹き込み、ガス流量計と二酸化炭素濃度計を用いて二酸化炭素ガスの吸収量を測定したところ、標準状態換算で2.27Lであった。すなわち、吸収液 1kg当たり標準状態で二酸化炭素を22.7L吸収した。また、単位時間当たりの二酸化炭素ガス吸収量は、吸収液 1kg当たり378mL/分であった。
次に、上記のガス吸収瓶を70℃の水浴に入れ、500mL/分の窒素ガスを2時間吹き込み、ガス流量計と二酸化炭素濃度計を用いて二酸化炭素ガスの放散量を測定したところ、標準状態換算で0.38Lであった。すなわち、吸収液1kg当たり標準状態で二酸化炭素ガスを3.8L放散した。また、単位時間当たりの二酸化炭素ガス放散量は、吸収液 1kg当たり32mL/分であった。
実施例2~5
実施例1の実施例に準じて、前駆体ポリエチレンポリアミン種、1級アミノ基を転換するための試薬、薬品の混合比率を調整し、下表に示すポリエチレンポリアミン誘導体を合成した。なお、前駆体ポリエチレンポリアミン種としては、TEPA、TETA、PEHA、又はPoly-8を用い、1級アミノ基を転換するための試薬としては、1級アミノ基と等モル量の酸化プロピレンを用いた。
得られたエチレンアミン誘導体について、実施例1と同じ方法で、1級アミノ基の転換率と二酸化炭素吸収放散性能を評価した。結果を実施例1と併せて下表に示した。
比較例1
N-メチルジエタノールアミン(富士フイルム和光純薬工業製、以下、「MDEA」とも称する) 30gに純水 70gを加え、二酸化炭素吸収液を調製した。これを200mLのガス吸収瓶に入れ、水浴で40℃にした。これに100mL/分の二酸化炭素ガスと400mL/分の窒素ガスの混合気体を1時間吹き込み、ガス流量計と二酸化炭素濃度計を用いて二酸化炭素ガスの吸収量を測定したところ、標準状態換算で0.60Lであった。すなわち、吸収液 1kg当たり標準状態で二酸化炭素を6.0L吸収した。また、単位時間当たりの二酸化炭素ガス吸収量は、吸収液 1kg当たり100mL/分であった。
次に、上記のガス吸収瓶を70℃の水浴に入れ、500mL/分の窒素ガスを2時間吹き込み、ガス流量計と二酸化炭素濃度計を用いて二酸化炭素ガスの放散量を測定したところ、標準状態換算で0.21Lであった。すなわち、吸収液1kg当たり標準状態で二酸化炭素ガスを2.1L放散した。また、単位時間当たりの二酸化炭素ガス放散量は、吸収液 1kg当たり17mL/分であった。
Figure 2022007403000003
Figure 2022007403000004

Claims (8)

  1. ポリエチレンポリアミン誘導体であって、(i)窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの誘導体であることを特徴とし、(ii)前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、20~100%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体であることを特徴とする、ポリエチレンポリアミン誘導体。
  2. 前駆体である窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンの1級アミノ基(-NH)のうち、40~95%の1級アミノ基(-NH)の片方又は両方の水素原子が炭素数1~4のヒドロキシアルキル基で置換された誘導体である、請求項1に記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
  3. 窒素原子数4以上のポリエチレンポリアミンが、窒素原子数6以上9以下のポリエチレンポリアミンである、請求項1又は2に記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
  4. 炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、及び2-ヒドロキシエチル基からなる群より選ばれる基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリエチレンポリアミン誘導体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリエチレンポリアミン誘導体及び水を含むアミン組成物。
  6. ポリエチレンポリアミン誘導体の含有量が5~70重量%である、請求項5に記載のアミン組成物。
  7. 請求項5又は6に記載のアミン組成物からなる二酸化炭素吸収放散剤。
  8. 少なくとも請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリエチレンポリアミン誘導体が担持されたシリカ、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラス、活性炭、ポリメチルメタクリレート系の多孔性樹脂、又は繊維からなる二酸化炭素吸収放散剤。
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WO2023182171A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 二酸化炭素分離材、二酸化炭素を分離又は回収する方法、および、二酸化炭素分離材の製造方法
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WO2024096117A1 (ja) * 2022-11-02 2024-05-10 artience株式会社 二酸化炭素の吸収液、及び二酸化炭素の分離回収方法

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