JP7240633B2 - Co2吸脱着材 - Google Patents

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Description

本発明は、CO吸脱着材に関する。
近年、環境負荷の観点から温室効果ガスの一つである二酸化炭素(CO)の放出を削減するために、ガス中のCOを分離回収するためのCO吸脱着材の開発が進められている。例えば、特開2012-139622号公報(特許文献1)においては、シリカ等の支持体に対して式:RNH(CHOH[式中、Rは炭素数1~6のアルキル基を示し、pは2~5を示す。]で表されるアルカノールアミンを担持した二酸化炭素吸収材が記載されている。
また、特開2015-9185号公報(特許文献2)においては、窒素原子上に少なくとも2つイソプロピル基を有するポリアミンを支持体に担持したポリアミン担持体を含有する二酸化炭素分離材が記載されており、前記ポリアミンとしてジイソプロピル化テトラエチレンペンタミン、ジイソプロピル化スペルミン、テトライソプロピル化N,N,N’,N’-テトラキス(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン、ジイソプロピル化ペンタエチレンヘキサミン、ジイソプロピル化ヘキサエチレンヘプタミン及びジイソプロピル化トリエチレンテトラミンが挙げられている。
さらに、以下の非特許文献1においては、ペレット化したメソポーラスシリカにジイソプロピル化テトラエチレンペンタミンを担持させてなるポリアミン系固体吸着剤が記載されており、模擬排ガスに対するCO吸着特性が評価されている。
特開2012-139622号公報 特開2015-9185号公報
しかしながら、このような特許文献1に記載のような二酸化炭素吸収材は、温度の上昇とともに吸脱着性能が低下し、比較的高温の温度域(例えば、60℃程度)でのCOの吸脱着性能が十分なものではなかった。なお、CO吸脱着材の分野においては、例えば、発電所や工場からの排ガスの温度が一般に50~75℃程度であることから、比較的高温の温度域でのCOの吸脱着性能がより高いCO吸脱着材の出現が望まれている。
また、特許文献2に記載のような二酸化炭素分離材や非特許文献1に記載のようなポリアミン系固体吸着剤においては、比較的高温の温度域(例えば、60℃程度)におけるCOの吸脱着性能はある程度向上しているものの、例えば、減圧動作を伴う脱離工程で想定される吸脱着作動域(例えば、1~10kPa、60℃)におけるCOの取出可能量という観点からは必ずしも十分なものではないことを本発明者らは見出した。すなわち、任意のCOを分離・回収するのに莫大な量の吸脱着材が必要となるという理由からCO吸脱着材に前処理(例えば、80℃で2時間の真空乾燥)を施してから用いることが一般的であるが、特許文献2に記載のような二酸化炭素分離材や非特許文献1に記載のようなポリアミン系固体吸着剤においては、担体に担持されているポリアミン類の蒸気圧が比較的高く、このような前処理によってポリアミン類の担持量が低下してしまうため、前記前処理後において前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量の向上に限界があるという問題があることを本発明者らは見出した。
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、前記前処理が施された後であっても、担体へのポリアミン類の担持量が十分に維持されており、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1級アミン、2級アミン及び3級アミンの数の比率がそれぞれ特定の範囲内にある分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミン及び前記2級アミンのうちの少なくとも一部を特定のアルキル化度となるように低級アルキル化してなるアルキル化分岐状ポリエチレンイミンを担体に担持することにより、前記前処理が施された後であっても、担体へのポリアミン類の担持量が十分に維持され、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材を得ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のCO吸脱着材は、担体と、前記担体に担持されているポリエチレンイミンとを備えるCO吸脱着材であって、
前記ポリエチレンイミンが、該ポリエチレンイミン中の窒素原子の総数(N)に対する1級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、2級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、3級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が10~40%である分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミン及び前記2級アミンのうちの少なくとも一部がエチル基又はイソプロピル基である低級アルキル基によりアルキル化されているアルキル化分岐状ポリエチレンイミンであり、かつ、
前記分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合している前記低級アルキル基の数(R)の比(R/N)が0.2~1.5の範囲内である、
ことを特徴とするものである。
さらに、本発明のCO吸脱着材においては、前記原料分岐状ポリエチレンイミンの平均分子量が200~10000であることが好ましい。
本発明によれば、80℃で2時間の真空乾燥といった一般的な前処理が施された後であっても、担体へのポリアミン類の担持量が十分に維持されており、60℃程度の比較的高温の温度域における1~10kPaという吸脱着作動域においてCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材を提供することが可能となる。
比較例1で用いた分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))、並びに、実施例1で用いたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))に対するH-NMR測定で得られたNMRチャートを示すグラフである。 実施例1で得られたCO吸脱着材、並びに、比較例1で得られたCO吸脱着材に関し、それぞれ熱処理後のものについて得られたCO吸着等温線を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のCO吸脱着材は、担体と、前記担体に担持されているポリエチレンイミンとを備えるCO吸脱着材であって、
前記ポリエチレンイミンが、該ポリエチレンイミン中の窒素原子の総数(N)に対する1級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、2級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、3級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が10~40%である分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミン及び前記2級アミンのうちの少なくとも一部が炭素数1~5の低級アルキル基によりアルキル化されているアルキル化分岐状ポリエチレンイミンであり、かつ、
前記分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合している前記低級アルキル基の数(R)の比(R/N)が0.2~1.5の範囲内である、
ことを特徴とするものである。
ポリエチレンイミンは、アミンと、脂肪族スペーサーとしてのエチレン基との繰り返し単位からなるポリマーであり、直鎖状のポリエチレンイミンと分岐状のポリエチレンイミンがあるが、本発明においては分岐状のポリエチレンイミンを用いる必要がある。テトラエチレンペンタミン(TEPA)のような低分子量の直鎖状ポリエチレンイミンでは、80℃で2時間の真空乾燥といった一般的な前処理によって担体への担持量が低下し、後述するアルキル化をしても、60℃程度の比較的高温の温度域における1~10kPaという吸脱着作動域におけるCOの取出可能量の向上に限界がある。また、脂肪族スペーサーがエチレン基より炭素数が大きいアルキレン基であるポリアミンを用いても、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に向上したCO吸脱着材は得られない。
分岐状のポリエチレンイミンは、例えば、エチレンイミン(CN、アミノエチレン)の重合に得られる、1級、2級、3級アミンを含む分岐構造を有するポリマーであるが、本発明においては、ポリエチレンイミン中の窒素原子の総数(N)に対する1級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、2級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、3級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が10~40%である分岐状ポリエチレンイミンを用いる必要がある。
前記3級アミンの数の比率が前記下限未満では、分岐が少なく、低分子量のポリアミンの場合には前記前処理によって担体への担持量が低下し、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材は得られない。他方、前記3級アミンの数の比率が前記上限を超えると、CO吸着に関与すると本発明者らが推察している1級、2級アミンの比率が相対的に低くなりCOの取出可能量が低下する。また、前記2級アミンの数の比率が前記下限未満では、1級、3級アミンの比率が相対的に高くなり、他方、前記2級アミンの数の比率が前記上限を超えると、1級、3級アミンの比率が相対的に低くなる。さらに、前記1級アミンの数の比率が前記下限未満では、アルキル化アミンの数が減少し、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材は得られない。他方、前記1級アミンの数の比率が前記上限を超えると、低分子量のポリアミンとなるか、主鎖のNHがCHとなり、アミンの数が減少してCOの取出可能量が低下する。
前記前処理によるポリアミン類の担持量の低減がより抑制され、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量がより高いCO吸脱着材が得られる傾向にあるという観点から、前記1級アミンの数の比率が30~50%、前記2級アミンの数の比率が30~50%、前記3級アミンの数の比率が15~35%であることがそれぞれ好ましい。
なお、このような1級アミン、2級アミン及び3級アミンの数の比率(アミン比)は、13C-NMRの測定チャートから求められる。
また、エチレンイミンの重合等によって得られる分岐状ポリエチレンイミンの末端は基本的に1級アミン(-NH)であり、H-NMRの測定チャートにおいてメチル基に対応するシグナルは確認されないものであることが好ましい。
本発明のCO吸脱着材においては、前記分岐状ポリエチレンイミンとして、平均分子量が200~10000のものを用いることが好ましく、200~3000のものを用いることがより好ましく、250~1500のものを用いることがさらにより好ましく、300~1000のものを用いることが特に好ましい。前記平均分子量が前記下限未満では、前記前処理によって担体への担持量が低下しやすくなり、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が低下する傾向にある。他方、前記平均分子量が前記上限を超えると、担体に高い担持量で担持させることが困難となる傾向にある。なお、前記平均分子量は、沸点上昇により求められる数平均分子量(Mn)である。
本発明においては、前記分岐状ポリエチレンイミン(アルキル化する前の原料分岐状ポリエチレンイミン)における前記1級アミン及び前記2級アミンのうちの少なくとも一部を炭素数1~5の低級アルキル基によりアルキル化し、得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミンを用いる必要がある。
このようなアルキル化により前記1級アミンや前記2級アミンの窒素原子に結合するアルキル基は、炭素数1~5の低級アルキル基である。前記低級アルキル基の炭素数が5を超えると、アルキル化ポリアミンを合成することが困難となる。このような低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、中でも、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量がより高いCO吸脱着材が得られる傾向にあるという観点から、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
また、本発明のCO吸脱着材においては、前記分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合している前記低級アルキル基の数(R)の比(R/N)が0.2~1.5の範囲内であることが必要である、このようなアルキル化度に相当する前記の比(R/N)が0.2未満では、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が十分に向上したCO吸脱着材は得られず、他方、1.5を超えると、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量が低下する。
前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量がより高いCO吸脱着材が得られる傾向にあるという観点から、前記アルキル化度に相当する前記の比(R/N)が0.3~1.2の範囲内であることがより好ましく、0.5~1.0の範囲内であることが特に好ましい。
なお、このようなアルキル化度に相当する前記の比(R/N)は、H-NMRの測定チャートにおける、メチル基に対応するシグナルと、メチル基以外の主に主鎖に対応するシグナルとの面積比から求められる。
また、前記分岐状ポリエチレンイミンをアルキル化する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が好適に採用される。すなわち、原料となる前記分岐状ポリエチレンイミンと、還元反応により前記低級アルキル基となってアミンに結合する化合物とを溶媒(例えば、メタノール)中で混合し、さらにそこに還元剤(例えば、NaBH)を加えて混合し、濃縮した後にイオン交換水とクロロホルムとを順に加え、クロロホルム層を取り出し、再度水層を濃縮することにより目的とする前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンを得ることができる。
還元反応により前記低級アルキル基となってアミンに結合する化合物としては、例えば、イソプロピル基でアルキル化する場合はアセトン、エチル基でアルキル化する場合はアセトアルデヒドが好適に用いられる。
本発明のCO吸脱着材は、担体と、前記担体に担持されている前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンとを備えるものである。本発明に用いられる担体としては、前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンを担持することができ、かつ、COの分離回収の条件に耐えうるものであればよく、特に制限されないが、前記前処理によるポリアミン類の担持量の低減がより抑制され、前記吸脱着作動域におけるCOの取出可能量がより高いCO吸脱着材が得られる傾向にあるという観点から、シリカゲル、メソポーラスシリカ、アルミナが好ましく、中でも細孔容量の点とコスト面からシリカゲル、メソポーラスシリカが特に好ましい。
また、より多くの量の前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンが担持される傾向にあるという観点から、前記担体の比表面積は大きいことが好ましく、50~1000m/g程度がより好ましい。また、同様の観点から、前記担体の平均細孔径は1~50nm程度が好ましい。なお、このような比表面積や平均細孔径は、窒素吸着等温線に基づいて求められる。
また、本発明のCO吸脱着材における前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンの担持量は、特に限定されるものではないが、80℃で2時間の真空乾燥といった一般的な前処理後においても担体への担持量が高水準に担保されていることが好ましく、CO吸脱着材の質量(担体の質量とアルキル化分岐状ポリエチレンイミンの質量との合計量)に対するアルキル化分岐状ポリエチレンイミンの質量の比率が、30wt%以上であることが好ましく、40wt%以上であることがより好ましく、50wt%以上であることが特に好ましい。なお、前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンの担持量は、熱重量‐示差熱分析により求められる。
また、前記担体に前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンを担持させて本発明のCO吸脱着材を得る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が好適に採用される。すなわち、前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンの溶液(例えば、メタノール溶液)に前記担体を浸漬し、前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンを前記担体に十分に吸着させた後に、ろ過し、乾燥させることにより前記本発明のCO吸脱着材が得られる。
本発明のCO吸脱着材の形態等は特に制限されず、例えば、粉末状のままCO吸脱着材として用いてもよく、あるいは、各種基材(例えば、アルミ二ウム製ハニカム等)に担持して利用しても、必要に応じて各種形状に成形して使用してもよい。
このような本発明のCO吸脱着材の用途としては特に制限されるものではないが、例えば、発電所や工場からの排ガス(排ガス中のCOの含有割合は一般にCO:5~16容量%程度であり、排ガス温度は一般に50~75℃程度であり、圧力は100kPa程度である)や、自動車からの排ガス(排ガス中のCOの含有割合は一般にCO:10容量%程度であり、排ガス温度は一般に70~90℃程度であり、圧力は100kPa程度である)中のCOを吸脱着して分離回収するためのCO吸脱着材としての用途等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試薬としては以下のものを用いた。
(1)分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300)):株式会社日本触媒製、品番「SP-003」、分子量:約300、アミン比は表1に示すとおり
(2)分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600)):株式会社日本触媒製、品番「SP-006」、分子量:約600、アミン比は表1に示すとおり
(3)分岐状ポリエチレンイミンC(PEI-B(1800)):株式会社日本触媒製、品番「SP-018」、分子量:約1800、アミン比は表1に示すとおり
(4)テトラエチレンペンタミン(TEPA):東京化成工業株式会社製、分子量:189、アミン比は表1に示すとおり
(5)メタノール:富士フィルム和光純薬株式会社製、特級
(6)アセトン:富士フィルム和光純薬株式会社製
(7)アセトアルデヒド:富士フィルム和光純薬株式会社製
(8)ヘキサナール:東京化成工業株式会社製
(9)クロロホルム:富士フィルム和光純薬株式会社製
(10)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH):富士フィルム和光純薬株式会社製
(11)メソポーラスシリカ(シリカゲル):富士シリシア化学株式会社製、CARiACT-G10、平均細孔径:10nm
(12)重メタノール:富士フィルム和光純薬株式会社製。
(実施例1)
原料ポリアミンとして分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))を用い、PEI-B(600)1gと、アセトン0.407gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.530gを加えて混合し、濃縮した後にイオン交換水とクロロホルムとを順に加え、クロロホルム層を取り出し、再度水層を濃縮することにより、イソプロピル基によりアルキル化されたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))を得た。
次いで、得られたIP-PEI-B(600)に、担体としてのメソポーラスシリカ(シリカゲル:G10)を浸漬し、室温にて2日間放置した後に、ろ過し、乾燥させることにより、IP-PEI-B(600)がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
(比較例1)
前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))を、アルキル化することなくそのまま用いて前記担体に担持するようにしたこと以外は実施例1と同様にして、PEI-B(600)がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
<核磁気共鳴(NMR)測定>
前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))、並びに、前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))に対して、測定装置として日本電子製の商品名「JNM-ECX400P(フーリエ変換核磁気共鳴装置)」、溶媒として重メタノールを用いて、室温にてH-NMR測定を行なった。得られたNMRチャートを図1に示す。
図1に示したNMRチャートから明らかなとおり、比較例1で担体に担持した前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))においては、メチル基以外の主に主鎖に対応するシグナル(2.7ppm付近)は確認されたものの、メチル基に対応するシグナル(1.1ppm付近)は確認されなかった。この結果から、下記構造式に一例を示すとおり、PEI-B(600)の末端は実質的に全て1級アミンであることが確認された。
Figure 0007240633000001
一方、実施例1で担体に担持した前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))においては、メチル基以外の主に主鎖に対応するシグナル(2.7ppm付近)とともに、メチル基に対応するシグナル(1.1ppm付近)が確認された。そして、メチル基に対応するシグナルと、メチル基以外の主に主鎖に対応するシグナルとの面積比から、前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)を求めたところ、約1.0であることが確認された。この結果から、下記構造式に一例を示すとおり、実施例1で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))においては、PEI-B(600)の末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
Figure 0007240633000002
<前処理>
実施例1で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材、並びに、比較例1で得られた前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に対して、それぞれ、CO吸脱着材として用いる際の一般的な前処理として、80℃で2時間の真空乾燥を施した。
<熱重量-示差熱分析(TG-DTA)>
実施例1で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、以下のようにしてCO吸脱着材における前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミンの担持量(アミン担持量)を求めた。また、比較例1で得られた前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関しても、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、以下のようにしてCO吸脱着材における前記分岐状ポリエチレンイミンBの担持量(アミン担持量)を求めた。
すなわち、各CO吸脱着材を測定試料として用い、測定装置として熱重量測定装置(リガク社製の熱重量分析装置:商品名「Thermo Plus TGA」)を利用して、大気中において、10℃/分の昇温速度で室温(25℃)から1000℃までの温度域で熱重量曲線を測定し、かかる熱重量曲線から150℃における重量分率(W1:150℃での重量の残分率、単位:wt%)と、700℃における重量分率(W2:700℃での重量の残分率、単位:wt%)とを求めて、下記計算式(1):
[有機分(アミン)の質量比]=(W1-W2)/W1 (1)
に基づいて各測定試料におけるアミン担持量(wt%)を求めた。得られた結果を表1に示す。
表1に示す結果から、実施例1で得られたCO吸脱着材、並びに、比較例1で得られたCO吸脱着材のいずれにおいても、前記前処理においてアミン担持量はほぼ低下していないことが確認された。
<CO吸脱着等温線によるCO取出可能量の測定>
実施例1で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材、並びに、比較例1で得られた前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、それぞれ、以下のようにしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めた。
すなわち、各CO吸脱着材を測定試料として用い、測定装置としてマイクロトラック・ベル社製の比表面積・細孔分布測定装置:商品名「BELSORP-MINI II」を用い、60℃において、CO吸脱着等温線をそれぞれ測定した。得られた結果を図2に示す。
図2に示した結果から明らかなように、吸脱着作動域を1~10kPaとして、その範囲におけるCO吸着量の差を当該吸脱着作動域におけるCO取出可能量と定義すると、実施例1で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後であっても、0.057g/gという高水準のCO取出可能量であることが確認された。一方、比較例1で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後において、アミン担持量はあまり低下していないものの、CO取出可能量は0.020g/gと劣ったものであることが確認された。これらの結果を表1に示す。
Figure 0007240633000003
(実施例2)
PEI-B(600)1gと、アセトン0.203gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.265gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
実施例2において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)が約0.5であることが確認された。この結果から、表1に示すように、実施例2で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))においては、PEI-B(600)の末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約0.5個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
また、実施例2で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、実施例2で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量はほぼ低下していないことが確認された。
さらに、実施例2で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、前記前処理後であっても、0.045g/gという高水準のCO取出可能量であることが確認された。
(実施例3)
原料ポリアミンとして分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300))を用い、PEI-B(300)1gと、アセトン0.549gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.715gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(300))がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
(比較例2)
前記分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300))を、アルキル化することなくそのまま用いて前記担体に担持するようにしたこと以外は実施例3と同様にして、PEI-B(300)がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
比較例2において用いた分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300))、並びに、実施例3において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(300))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、比較例2で担体に担持した前記分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300))においては、下記構造式に一例を示すとおり、PEI-B(300)の末端は実質的に全て1級アミンであることが確認された。
Figure 0007240633000004
一方、実施例3で担体に担持した前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(300))においては、前記分岐状ポリエチレンイミンA(PEI-B(300))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)が約1.0であることが確認された。この結果から、下記構造式に一例を示すとおり、実施例3で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(300))においては、PEI-B(300)の末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
Figure 0007240633000005
また、実施例3で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(300))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、実施例3で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量はほぼ低下していないことが確認された。
さらに、実施例3で得られたCO吸脱着材、並びに、比較例2で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、実施例3で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後であっても、0.059g/gという高水準のCO取出可能量であることが確認された。一方、比較例2で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後において、CO取出可能量は0.015g/gと劣ったものであることが確認された。
(実施例4)
原料ポリアミンとして分岐状ポリエチレンイミンC(PEI-B(1800))を用い、PEI-B(1800)1gと、アセトン0.386gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.503gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(1800))がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
実施例4において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(1800))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、前記分岐状ポリエチレンイミンC(PEI-B(1800))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)が約1.0であることが確認された。この結果から、表1に示すように、実施例4で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(1800))においては、PEI-B(1800)の末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
また、実施例4で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(1800))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、実施例4で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量はほぼ低下していないことが確認された。
さらに、実施例4で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、実施例4で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後であっても、0.043g/gという高水準のCO取出可能量であることが確認された。
(比較例3)
PEI-B(600)1gと、アセトン0.813gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH1.059gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
比較例3において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)が約2.0であることが確認された。この結果から、表1に示すように、比較例3で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))においては、PEI-B(600)の末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約2個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
また、比較例3で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(IP-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、比較例3で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量はあまり低下していないことが確認された。
さらに、比較例3で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、前記前処理後において、CO取出可能量は0.023g/gと劣ったものであることが確認された。
(実施例5)
実施例1におけるアセトンに代えてアセトアルデヒドを用い、PEI-B(600)1gと、アセトアルデヒド0.308gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.530gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(E-PEI-B(600))がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
実施例5において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(E-PEI-B(600))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているエチル基の数(R)の比(R/N)が約1.0であることが確認された。この結果から、下記構造式に一例を示すとおり、実施例5で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(E-PEI-B(600))においては、PEI-B(600)の末端の1級アミン1分子に対してエチル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
Figure 0007240633000006
また、実施例5で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(E-PEI-B(600))が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、実施例5で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量はほぼ低下していないことが確認された。
さらに、実施例5で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、実施例5で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後であっても、0.066g/gという高水準のCO取出可能量であることが確認された。
(比較例4)
実施例1におけるアセトンに代えてヘキサナールを用い、PEI-B(600)1gと、ヘキサナール0.701gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.530gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(H-PEI-B(600))がG10に担持されたCO吸脱着材を得ようとしたところ、比較例4において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(H-PEI-B(600))がゲル化してしまい、担体(G10)に担持させることが困難であったため、H-PEI-B(600)がG10に担持されたCO吸脱着材を得ることができなかった。
なお、比較例4において得られたアルキル化分岐状ポリエチレンイミン(H-PEI-B(600))に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、前記分岐状ポリエチレンイミンB(PEI-B(600))における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているヘキシル基の数(R)の比(R/N)が約1.0であることが確認された。この結果から、表1に示すように、比較例4で得られた前記アルキル化分岐状ポリエチレンイミン(H-PEI-B(600))においては、PEI-B(600)の末端の1級アミン1分子に対してヘキシル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
(比較例5)
原料ポリアミンとして直鎖状のポリエチレンイミンであるテトラエチレンペンタミン(TEPA)を用い、TEPA1gと、アセトン0.614gとをメタノール10ml中で混合し、さらにそこにNaBH0.799gを加えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、イソプロピル基によりアルキル化されたアルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)を得た後、IP-TEPAを用いて実施例1と同様にしてアルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)がG10に担持されたCO吸脱着材を得た。
比較例5において原料ポリアミンとして用いたテトラエチレンペンタミン(TEPA)、並びに、比較例5において得られたアルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)に対して、実施例1と同様にしてH-NMR測定を行なったところ、比較例5で用いた前記テトラエチレンペンタミン(TEPA)においては、下記構造式に示すとおり、TEPAの末端は実質的に全て1級アミンであることが確認された。
Figure 0007240633000007
一方、比較例5で担体に担持した前記アルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)においては、前記テトラエチレンペンタミン(TEPA)における1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合しているイソプロピル基の数(R)の比(R/N)が約1.0であることが確認された。この結果から、下記構造式に一例を示すとおり、比較例5で得られた前記アルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)においては、TEPAの末端の1級アミン1分子に対してイソプロピル基が約1個結合したアルキル化度に相当するものであることが確認された。
Figure 0007240633000008
また、比較例5で得られた前記アルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)が担持されているCO吸脱着材に関し、初期(熱処理前)のものと、前記熱処理後のものについて、それぞれ、実施例1と同様にしてアミン担持量を求めたところ、表1に示すように、比較例5で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理においてアミン担持量は著しく比較しており、前記アルキル化テトラエチレンペンタミン(IP-TEPA)は蒸気圧が高く脱離しやすいことが確認された。
さらに、比較例5で得られたCO吸脱着材に関し、前記熱処理後のものについて、実施例1と同様にしてCO吸脱着等温線を測定し、60℃での1~10kPaという吸脱着作動域におけるCO取出可能量を求めたところ、表1に示すように、比較例5で得られたCO吸脱着材においては、前記前処理後において、CO取出可能量は0.028g/gと劣ったものであることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、80℃で2時間の真空乾燥といった一般的な前処理が施された後であっても、担体へのポリアミン類の担持量が十分に維持されており、60℃程度の比較的高温の温度域における1~10kPaという吸脱着作動域においてCOの取出可能量が十分に高いCO吸脱着材を提供することが可能となる。
したがって、本発明のCO吸脱着材は、例えば、発電所や工場からの排ガスや自動車の排ガス等の比較的高温の排ガスから二酸化炭素(CO)を吸脱着により分離回収するための材料等として特に有用である。

Claims (2)

  1. 担体と、前記担体に担持されているポリエチレンイミンとを備えるCO吸脱着材であって、
    前記ポリエチレンイミンが、該ポリエチレンイミン中の窒素原子の総数(N)に対する1級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、2級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が25~55%、3級アミンの数(N)の比率{(N/N)×100}が10~40%である分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミン及び前記2級アミンのうちの少なくとも一部がエチル基又はイソプロピル基である低級アルキル基によりアルキル化されているアルキル化分岐状ポリエチレンイミンであり、かつ、
    前記分岐状ポリエチレンイミンにおける前記1級アミンの数(N)に対する前記アルキル化により窒素原子に結合している前記低級アルキル基の数(R)の比(R/N)が0.2~1.5の範囲内である、
    ことを特徴とするCO吸脱着材。
  2. 前記分岐状ポリエチレンイミンの平均分子量が200~10000であることを特徴とする請求項1に記載のCO吸脱着材。
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