JP2022003106A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】チタン酸塩化合物粒子及びシリカを含有することにより優れたウェット制動性能を有するだけでなく、低燃費性及び耐摩耗性に優れた、ゴム組成物を提供すること。【解決手段】天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分、平均粒子径が30.0μm未満であり、BET比表面積が2m2/g以上である非繊維状チタン酸塩化合物粒子、並びにBET比表面積が50〜250m2/gのシリカ粒子を含み、前記ゴム成分100質量%中に、前記天然ゴムを10質量%以上70質量%以下、前記スチレンブタジエンゴムを30質量%以上90質量%以下含むことを特徴とする、ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤの制動性能は、濡れた路面で悪化することが知られている。そこで、濡れた路面でのタイヤの制動性能(以下、「ウェット制動性能」と記載する。)の向上を目的としたタイヤ材料への添加剤の検討が行われている。
特許文献1には、所定のチタン酸塩化合物粒子及びシリカを、タイヤ製造用のゴム組成物に添加することにより、優れたウェット制動性能が得られることが開示されている。
一方、ウェット制動性能の他に、タイヤに求められる特性として、耐摩耗性がある。その他にも、タイヤの転がり抵抗を低減することにより車の低燃費化を実現する性能(以下、単に「低燃費性」ともいう。)もあげることができる。
特許文献1に開示される添加物をタイヤ製造用のゴム組成物に加えることにより、優れたウェット制動性能を得ることができる一方で、耐摩耗性及び低燃費性に関しては、改善の余地が存在する。
国際公開第2019/013145号
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、チタン酸塩化合物粒子及びシリカを含有することにより優れたウェット制動性能を有するだけでなく、低燃費性及び耐摩耗性に優れた、ゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、チタン酸塩化合物粒子及びシリカ粒子を添加するゴム成分を構成するゴムの種類及びその配合率を所定の範囲に設定することにより、上気目的を達成することができることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のゴム組成物及びタイヤを提供する。
項1.
天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分、
平均粒子径が30.0μm未満であり、BET比表面積が2m/g以上である非繊維状チタン酸塩化合物粒子、並びに
BET比表面積が50〜250m/gのシリカ粒子を含み、
前記ゴム成分100質量%中に、前記天然ゴムを10質量%以上70質量%以下、前記スチレンブタジエンゴムを30質量%以上90質量%以下含むことを特徴とする、ゴム組成物。
項2.
前記非繊維状チタン酸塩化合物粒子を構成するチタン酸塩化合物が、
組成式ATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2〜8〕、RTi(2−y)〔式中、Rはリチウムを除くアルカリ金属、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、銅、鉄、アルミニウム、ガリウム、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1種、x=0.5〜1.0、y=0.25〜1.0〕、K0.2〜0.8Li0.27Ti1.733.7〜4、及びK0.2〜0.8Mg0.4Ti1.63.7〜4からなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1に記載のゴム組成物。
項3.
前記スチレンブタジエンゴム中のスチレン含有量が15質量%以上40質量%未満である、項1又は2に記載のゴム組成物。
項4.
前記ゴム成分100質量部に対し前記非繊維状チタン酸塩化合物粒子を1〜200質量部含む、項1〜3の何れかに記載のゴム組成物。
項5.
前記ゴム成分100質量部に対し前記シリカ粒子を20〜120質量部含む、項1〜4の何れかに記載のゴム組成物。
項6.
さらにカーボンブラック粒子を含む、項1〜5の何れかに記載のゴム組成物。
項7.
タイヤトレッド用である、項1〜6の何れかに記載のゴム組成物。
項8.
項7に記載のゴム組成物をトレッド部に使用してなるタイヤ。
本発明のゴム組成物は、チタン酸塩化合物粒子及びシリカを含有することにより優れたウェット制動性能を有するとともに、低燃費性及び耐摩耗性にも優れる。
(1.ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、例えばタイヤ用のゴム組成物として好適に使用することが可能である。本発明のゴム組成物は、チタン酸塩化合物粒子及びシリカ粒子を含むことから、当該ゴム組成物を使用して得られるタイヤはウェット制動性能に優れる。また、ゴム成分を構成するゴムの種類及びその配合率が所定の範囲に設定されていることにより、低燃費性及び耐摩耗性にも優れる。また、本発明のゴム組成物は上記の性質を有することから、タイヤの中でも、特にトレッド部を構成する材料として好適に使用することができる。
(1.1.ゴム成分)
本発明のゴム組成物には、天然ゴム(NR)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)のみからなるゴム成分を使用する。これら2種のゴムを使用しないと、耐摩耗性と転がり抵抗性能とウェット制動性能とが高次元でバランスされたゴム組成物を得ることができない。
使用する天然ゴムとしては、特に制限されず、天然ゴムラテックス、技術的格付けゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、ガタパーチャ、杜仲由来天然ゴム、グアユール由来天然ゴム、ロシアンタンポポ由来天然ゴム、植物成分発酵ゴムなどの天然ゴムに加えて、エポキシ化天然ゴム、メタクリル酸変性天然ゴム、スチレン変性天然ゴムなどの変性天然ゴム等が挙げられる。
使用するスチレンブタジエンゴムとしては、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、これらの変性スチレンブタジエンゴム(変性S−SBR、変性E−SBR)等が挙げられるが、スチレンブタジエンゴム中のスチレン含有量は、15質量%以上40質量%未満であることが好ましく、20質量%以上37質量%以下であることがより好ましく、23質量%以上35質量%以下であることがさらに好ましい。
このようなスチレンブタジエンゴムとして、JSR株式会社製JSR1502(スチレン含有量23.5質量%)、旭化成株式会社製タフデン2000R(スチレン含有量:25質量%)等を挙げることができる。スチレン含有量を15質量%以上とすることにより、優れたウェット制動性能を得ることができる。また、スチレン含有量を40質量%未満とすることにより、タイヤの転がり抵抗を低下させることが可能であり、その結果、優れた低燃費性を得ることができる。また、スチレンブタジエンゴムのブタジエン構造のミクロ構造については、いずれも好適に用いることができる。
ゴム成分100質量%中の天然ゴム量は、10質量%以上であり、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。ゴム成分中の天然ゴム量は10質量%未満であると、十分な耐摩耗性が得られない。
また、ゴム成分100質量%中の天然ゴム量は70質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。ゴム成分中の天然ゴム量が70質量%を超えると、十分なウェット制動性能が得られない。
ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム量は30質量%以上であり、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。ゴム成分中のスチレンブタジエンゴム量が30質量%未満であると、十分なウェット制動性能が得られない。
一方、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム量は90質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。ゴム成分中のスチレンブタジエンゴム量が90質量%を超えると、十分な耐摩耗性が得られない。
ゴム成分中の天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとの好適な配合割合は、天然ゴム100質量部に対して、スチレンブタジエンゴムが150〜400質量部とすることが好ましく、200〜350質量部とすることがより好ましい。この範囲の割合とすることで、耐摩耗性と転がり抵抗性能の両立することができる。
ゴム組成物全体における、天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムの総量は、ゴム組成物100質量%中、40〜100質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましく、60〜75質量%であることがさらに好ましい。かかる構成を採用することにより、耐摩耗性とWET制動性能に優れるという効果を得ることができる。
(1.2.非繊維状チタン酸塩化合物粒子)
チタン酸塩化合物粒子としては、平均粒子径が30.0μm未満であり、BET比表面積が2m/g以上である球状、層状、板状、柱状、棒状、円柱状、ブロック状、多孔質状、複数の凸部を有する形状(アメーバ状、ブーメラン状、十字架状、金平糖状等)等の非繊維状の粒子(非繊維状粒子)であれば、公知のチタン酸塩化合物粒子の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。チタン酸塩化合物粒子の形状は、例えば走査型電子顕微鏡観察から解析することができる。
本明細書において、繊維状粒子とは、粒子に外接する直方体のうち最小の体積をもつ直方体(外接直方体)の最も長い長径L、次に長い辺を短径B、最も短い辺を厚さT(B>Tとする)として、L/T及びL/Bがいずれも5以上の粒子であると定義される。また、非繊維状粒子とは繊維状粒子を除く粒子を意味し、粒子に外接する直方体のうち最小の体積をもつ直方体(外接直方体)の最も長い長径L、次に長い辺を短径B、最も短い辺を厚さT(B>Tとする)として、L/Tが5未満の粒子であると定義される。
また、複数の凸部を有するとは、平面への投影形状が少なくとも通常の多角形、円、楕円等とは異なり2方向以上に凸部を有する形状を取り得るもの、いわゆる不定形状であることを意味する。具体的には、この凸部を有する形状とは、走査型電子顕微鏡による写真(投影図)に多角形、円、楕円等(基本図形)を当てはめ、それに対して突き出した部分に対応する部分をいう。
非繊維状チタン酸塩化合物粒子(以下、単に「チタン酸塩化合物粒子」ともいう。)の平均粒子径は、30.0μm未満であって、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.6μm以上、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは1.5μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下である。平均粒子径が30.0μm以上になると、耐摩耗性の悪化を招くこととなってしまう。その上で、平均粒子径を上記した好ましい範囲に調整することにより、より一層優れた分散性、ウェット制動性、及び耐摩耗性を得ることができる。
チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができ、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における積算基準累積50%時の粒子径(体積基準累積50%粒子径)、すなわちD50(メジアン径)である。この体積基準累積50%粒子径(D50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、粒子サイズの小さいものから粒子数をカウントしていき、累積値が50%となる点の粒子径である。
るチタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、2m/g以上であり、好ましくは2〜300m/gであり、より好ましくは7〜100m/gである。BET比表面積が2m/gに満たない場合、耐摩耗性の悪化を招くこととなってしまう。その上で、BET比表面積を、上記した好ましい範囲に調整することにより、より一層優れた分散性、ウェット制動性及び耐摩耗性を得ることができる。
チタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、JIS Z8830に準拠して測定することができる。BET法とは、試料粉体粒子の表面上に占有面積のわかった窒素ガスを吸着させ、その吸着量から試料粉体粒子の比表面積を求める方法であり、この方法で求めた比表面積を「BET比表面積」という。
チタン酸塩化合物粒子を構成するチタン酸塩化合物としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられ、好ましくはマグネシウム、カルシウムである。
上記チタン酸塩化合物の具体例としては、例えば、組成式ATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2〜8〕、RTi(2−y)〔式中、Rはリチウムを除くアルカリ金属、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、銅、鉄、アルミニウム、ガリウム、及びマンガンから選ばれる1種又は2種以上、x=0.5〜1.0、y=0.25〜1.0〕、K0.2〜0.8Li0.27Ti1.733.7〜4、K0.2〜0.8Mg0.4Ti1.63.7〜4等で表されるチタン酸塩化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも結晶構造がトンネル構造のATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2〜8〕で表されるチタン酸塩化合物が好ましく、具体的には、NaTi13、NaTi17、KTi13、KTi17等を挙げることができる。トンネル構造にすることで、チタン酸塩化合物からのアルカリの溶出をより一層抑制することができる。
チタン酸塩化合物粒子は、水分散pHが7〜11であることが好ましい。チタン酸塩化合物粒子の水分散pHを、このような範囲内にすることにより、チタン酸塩化合物粒子に含まれる酸性不純物による耐摩耗性の低下をより一層抑制することができる。本発明において水分散pHとは、チタン酸塩化合物粒子を20℃の水に分散させて得られる1質量%スラリーのpHのことをいう。
チタン酸塩化合物粒子は、分散性のより一層の向上、ゴム成分との密着性のより一層の向上等を目的として、チタン酸塩化合物粒子の表面に表面処理剤からなる処理層が形成されていることが好ましい。表面処理剤としては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のカップリング剤が挙げられ、これらの中でもシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤の例として、スルフィド系、ポリスルフィド系、チオエステル系、チオール系、オレフィン系、エポキシ系、アミノ系、アルキル系等のシランカップリング剤が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
スルフィド系のシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフ
ィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等を挙げることができる。
チオエステル系のシランカップリング剤としては、例えば、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
チオール系のシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
オレフィン系のシランカップリング剤としては、例えば、ジメトキシメチルビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メトキシジメトキシジメチルシリル)プロピルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート等を挙げることができる。
エポキシ系のシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)シラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アミノ系のシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのうち3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
アルキル系のシランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これらのシランカップリング剤の中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを特に好ましく使用することができる。
チタン酸塩化合物粒子の表面に表面処理剤からなる処理層を形成する方法としては、公知の表面処理方法を使用することができる。例えば、加水分解を促進する溶媒(例えば、水、アルコール又はこれらの混合溶媒)に表面処理剤を溶解して溶液として、その溶液をチタン酸塩化合物粒子に噴霧する湿式法や、ゴム成分にチタン酸塩化合物粒子と表面処理剤とを配合するインテグラルブレンド法等を使用することができる。
表面処理剤をチタン酸塩化合物粒子の表面へ処理する際の該表面処理剤の量は、特に限定されないが、湿式法の場合は、チタン酸塩化合物粒子100質量部に対して表面処理剤が0.1〜20質量部となるように表面処理剤の溶液を噴霧すればよい。また、インテグラルブレンド法の場合は、チタン酸塩化合物粒子100質量部に対して表面処理剤が好ましくは1〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部になるように表面処理剤をゴム成分に配合すればよい。表面処理剤の量を上記範囲内にすることで、ゴム成分との密着性が向上し、チタン酸塩化合物粒子の分散性をより一層向上することができる。
チタン酸塩化合物粒子の製造方法としては、上述の組成、特性を得ることができれば特に制限されないが、例えば、チタン酸塩化合物の結晶粒が焼結及び/又は融着等により結合してなる多孔質チタン酸塩化合物粒子であって、細孔直径0.01〜1.0μmの範囲の積算細孔容積が5%以上である多孔質チタン酸塩化合物粒子を、公知の方法で乾式粉砕処理又は湿式粉砕処理し、必要に応じて更に乾式分級処理又は湿式分級処理することにより、平均粒子径及び比表面積を調整して製造することができる。上記の多孔質チタン酸塩化合物粒子を粉砕することにより、非繊維状の微粒子を容易に製造できる。また、微細なチタン酸塩化合物の粒子が焼結及び/又は融着等により結合してなる多孔質チタン酸塩化合物粒子であることから、ゴム組成物の混練時のせん断力により、更に微細になり、ゴム組成物中に均一に分散するものと考えられる。
上記多孔質チタン酸塩化合物粒子の積算細孔容積は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。上記積算細孔容積の好ましい上限値は40%であり、より好ましくは30%である。上記積算細孔容積が小さすぎると、微細粒子の製造が困難な場合がある。上記積算細孔容積が大きすぎると、多孔質チタン酸塩化合物粒子の結晶粒間の結合部分が弱くなり、多孔質構造が保てなくなる場合がある。上記積算細孔容積は、水銀圧入法により測定することができる。
また、多孔質チタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、1〜13m/gの範囲内であることが好ましく、3〜9m/gの範囲内であることがより好ましい。上記BET比表面積1m/g以上であることにより、微細粒子であっても容易に製造することが可能である。また、焼成工程における化学反応を十分に完結させるために、BET比表面積を13m/g以下に設定することが好ましい。
多孔質チタン酸塩化合物粒子の粒子形状は、球状、不定形状等の粉末状であることが好ましく、非繊維状であることが好ましい。特に、球状であることが好ましい。
多孔質チタン酸塩化合物粒子の粒子サイズは特に制限されないが、平均粒子径が5〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがより好ましい。これらの各種粒子形状及び粒子サイズは、製造条件、特に原料組成、焼成条件、粉砕処理条件等により任意に制御することができる。
上記多孔質チタン酸塩化合物粒子の製造方法は、上述の特性を得ることができれば特に制限されないが、例えば、チタン源とアルカリ金属源とをメカニカルに粉砕をすることで得られる粉砕混合物を、乾式造粒し、焼成して製造する方法等を例示することができる。
メカニカルな粉砕としては、物理的な衝撃を与えながら粉砕する方法が挙げられる。具体的には、振動ミルによる粉砕が挙げられる。振動ミルによる粉砕処理を行うことにより、混合粉体の摩砕によるせん断応力により、原子配列の乱れと原子間距離の減少が同時に起こり、異種粒子の接点部分の原子移動が起こる結果、準安定相が得られると考えられる。これにより、反応活性の高い粉砕混合物が得られ、後述の焼成温度を低くでき、粉砕混合物を造粒しても未反応物を低減することができる。メカニカルな粉砕は、原料に効率良くせん断応力を与えるため、水や溶剤を用いない乾式処理が好ましい。
メカニカルな粉砕による処理時間は、特に制限されるものではないが、一般に0.1〜2時間の範囲内であることが好ましい。
粉砕混合物の造粒は、水及び溶剤を用いない乾式造粒で行われる。乾式造粒は、公知の方法で行うことができ、例えば転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒等を例示することができる。湿式造粒は、造粒物の乾燥工程において、造粒物内部での液状物の気化に伴い、結果として内部に大きな空洞を有する多孔質粒子が得られ、粉体強度が低下するため好ましくない。また、水及び溶媒を気化させるために加熱が必要となり、量産性も悪い。
造粒物を焼成する温度としては、目的とするチタン酸塩化合物の組成により適宜選択することができるが、650〜1000℃の範囲であることが好ましく、800〜950℃の範囲であることがさらに好ましい。焼成時間は、0.5〜8時間であることが好ましく、2〜6時間であることがさらに好ましい。
チタン源は、二酸化チタン又は焼成により二酸化チタンを生成する化合物である。焼成により二酸化チタンを生成する化合物としては、チタン元素を含有して焼成により二酸化チタンの生成を阻害しない原材料であれば特に限定されないが、例えば空気中で焼成することにより二酸化チタンに導かれる化合物等がある。かかる化合物としては、例えばオルトチタン酸又はその塩、メタチタン酸又はその塩、水酸化チタン、ペルオクソチタン酸又はその塩等が挙げられる。上記チタン源は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンの結晶系として
は、ルチル型又はアナターゼ型が好ましい。
アルカリ金属源は、アルカリ金属の酸化物又は焼成によりアルカリ金属の酸化物を生成する化合物である。焼成によりアルカリ金属の酸化物を生成する化合物としては、アルカリ金属を含有して焼成によりアルカリ金属の酸化物の生成を阻害しない原材料であればよく、例えば、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酢酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。上記アルカリ金属源は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルカリ金属の炭酸塩が好ましい。
チタン源とアルカリ金属源の混合比は、目的とするチタン酸塩化合物粒子の組成により適宜選択することができる。
ゴム組成物中のチタン酸塩化合物粒子の配合量は、上記した天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。この範囲とすることでより一層優れたウェット制動性及び耐摩耗性を得ることができる。
(1.3.シリカ粒子)
シリカ粒子は、BET比表面積が50〜250m/gであり、好ましくは80〜210m/gであり、より好ましくは100〜190m/gである。BET比表面積が50m/gに満たない場合、耐摩耗性の悪化を招くこととなってしまう。一方、BET比表面積が250m/gを超えると著しく加工性を招くこととなってしまう。シリカ粒子のBET比表面積は、JIS Z8830に準拠して測定することができる。BET法とは、試料粉体粒子の表面上に占有面積のわかった窒素ガスを吸着させ、その吸着量から試料粉体粒子の比表面積を求める方法であり、この方法で求めた比表面積を「BET比表面積」という。
シリカ粒子を構成するシリカとしては、狭義の二酸化ケイ素のみを示すものではなくケイ酸系充填材を意味し、従来の補強用充填材として使用されるものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水シリカ)等を挙げることができる。これらの中でも、加工性、ウェット制動性及び耐摩耗性をより一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ゴム成分との親和性をより一層向上させるために表面が有機処理されていてもよい。
シリカ粒子の平均2次粒子径は、得られるゴム組成物の加工性、ウェット制動性、及び耐摩耗性をより一層向上する観点から、0.04〜3μmとすることが好ましく、0.1〜1μmとすることがより好ましく、0.2〜0.7μmとすることがさらに好ましい。シリカ粒子の平均2次粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができ、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における積算基準累積50%時の粒子径(体積基準累積50%粒子径)、すなわちD50(メジアン径)である。この体積基準累積50%粒子径(D50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、粒子サイズの小さいものから粒子数をカウントしていき、累積値が50%となる点の粒子径である。
シリカ粒子の配合量は、上記した天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分100質量部に対して20〜120質量部とすることが好ましく、25〜100質量部とすることがより好ましく、30〜90質量部とすることがさらに好ましい。かかる構成を有することにより一層優れたウェット制動性能及び耐摩耗性を得ることができる。
(1.4.カーボンブラック)
耐摩耗性をより一層向上させることを目的として、本発明のゴム組成物は、さらにカーボンブラック粒子を含んでいてもよい。
上記カーボンブラック粒子のBET比表面積は、分散性、機械的強度、及び硬度をより一層向上させる観点から、好ましくは20〜160m/gであり、より好ましくは40〜130m/gであり、さらに好ましくは50〜120m/gである。カーボンブラック粒子のBET比表面積は、JIS Z8830に準拠して測定することができる。BET法とは、試料粉体粒子の表面上に占有面積のわかった窒素ガスを吸着させ、その吸着量から試料粉体粒子の比表面積を求める方法であり、この方法で求めた比表面積を「BET比表面積」という。
上記カーボンブラック粒子の平均2次粒子径としては、分散性、機械的強度及び硬度をより一層向上させる観点から、0.05〜3μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましく、0.2〜0.9μmがさらに好ましい。カーボンブラック粒子の平均2次粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができ、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における積算基準累積50%時の粒子径(体積基準累積50%粒子径)、すなわちD50(メジアン径)である。この体積基準累積50%粒子径(D50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、粒子サイズの小さいものから粒子数をカウントしていき、累積値が50%となる点の粒子径である。
上記カーボンブラック粒子を構成するカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。これらの中でも、ゴム組成物の機械強度をより一層向上させる観点から、ファーネスブラックが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ゴム成分との親和性をより一層向上させるために表面が有機処理されていてもよい。
カーボンブラック粒子を配合する場合の配合量は、ゴム成分100質量部に対して2〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることがさらに好ましい。
(1.5.その他の配合剤)
本発明のゴム組成物には、補強性充填材として、炭酸カルシウム(CaCO)、アルミナ(Al)、アルミナ水和物(Al・HO)、水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を配合することができる。これら補強性充填材は、いずれか1種又は2種以上を混合して使用することができる。補強性充填材の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは30〜100質量部である。
本発明のゴム組成物には、上記各成分に加えて、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、スコーチ防止剤、オゾン防止剤、発泡剤、加硫遅延剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を適宜配合することができる。
加硫剤としては、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤を配合することができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレート等を配合することができる。これらの有機過酸化物の中では、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等を配合することができる。これらの硫黄系加硫剤の中では、硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系等を配合することができる。
スルフェンアミド系としては、例えば、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物等が挙げられる。
チアゾール系としては、例えば、MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
チウラム系としては、例えば、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
チオウレア系としては、例えば、チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物等が挙げられる。
グアニジン系としては、例えば、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、例えば、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシルイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、オクタデシルイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチオカルバミン酸系化合物等が挙げられる。
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、例えば、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物等が挙げられる。
加硫促進助剤としては、ステアリン酸、亜鉛華(酸化亜鉛)等を配合することができる。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物、カルバミン酸金属塩、ワックス等を配合することができる。
軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類;リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;等を配合することができる。軟化剤を配合することで、練加工性をより一層向上することができる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等を配合することができる。
スコーチ防止剤としては、無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド;等を配合することができる。
本発明のゴム組成物は、目的に応じて天然ゴム及びスチレンブタジエンゴム以外のゴムとして、合成ジエン系ゴム又は非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。この場合、天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分量は、該ゴム成分に合成ジエン系ゴム及び/又は非ジエン系ゴムを加えた全ゴム100質量%中、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。合成ジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPM)、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体(SBS)等、及びこれらの変性合成ジエン系ゴム等が挙げられる。また、非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム(IIR)、並びに臭素化ブチルゴム(BIIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)等のハロゲン化ブチルゴム等のブチル系ゴムが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、特に、タイヤ用途として、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等の各部材に用いることができる。これらの中でも、よりウェット制動性能のみならず、耐磨耗性及び低燃費性にも優れることから、タイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
(2.タイヤ)
本発明のタイヤは、上記本発明のゴム組成物をトレッド部に使用した点に特徴を有し、これにより、優れたウェット制動性を有するだけでなく、優れた耐摩耗性及び低燃費性を備えるものである。本発明のタイヤにおいては、上記本発明のゴム組成物をトレッド部に用いる以外の点については特に制限はなく、常法に従い適宜構成することができる。
(3.ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物は、公知の方法を用いて製造することができ、ロール等の開放式混練機や、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等の混練機を用いて上記の配合剤を混練することによって得られ、成形加工後に例えば140〜190℃で5〜40分間加硫を行うことで、各種ゴム製品に適用することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3、及び比較例1〜3
下記表1の工程(I)に記載の各成分をその割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混合物の最高温度が160℃になるように回転数を調整しながら5分間混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、表1の工程(II)に記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、各ゴム組成物を製造した。
ウェット制動性能試験
実施例1〜3、及び比較例1〜3で作製したゴム組成物(試験組成物)について、粘弾性測定装置(Metravib社製)を使用し、温度0℃、動歪0.25%、周波数10Hzの条件に低加硫ゴムのtanδ値を測定して、下記式に基づいて、ウェット制動性能指数を算出した。この値が高いほど制動特性に優れていることを示す。なお、比較例1の試験組成物の制動性を100とする。
結果を表1に示した。
式:
ウェット制動性能指数 = {(各試験組成物のtanδ)/(比較例1の試験組成物tanδ)}×100
低発熱性(tanδ指数)試験
各試験組成物について、粘弾性測定装置(Metravib社製)を使用し、温度50℃、動歪5%、周波数15Hzでtanδを測定して、下記式に基づいて、低発熱性指数を算出した。この低発熱性指数の値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいこと
を示す。なお、比較例1の試験組成物の低発熱性を100とする。
結果を表1に示した。
式:
低発熱性指数={(比較例1の試験組成物のtanδ)/(各試験組成物のtanδ)}×100
耐摩耗性試験
各試験組成物について、ランボーン摩耗試験(JISK6264)を、室温、スリップ率24%の条件下で実施して、下記式に基づいて、下記式に基づいて、耐摩耗性指数を算出した。この値が高いほど耐摩耗性に優れていることを示す。なお、比較例1の試験組成物の耐摩耗性を100とする。
結果を表1に示した。
式:
耐摩耗性指数={(比較例1の試験組成物の摩耗量)/(各試験組成物の摩耗量)}×100
Figure 2022003106
※1:宇部興産株式会社製、商品名「BR150B」
※2:旭化成株式会社製、商品名「タフデン2000R」(スチレン含有量:25質量%)
※3:GUANGKEN RUBBER社製、TSR−20
※4:東ソー・シリカ株式会社製、商品名「Nipsil(銘柄AQ)」
※5:Evonik Industries AG製、商品名「Si69」
※6:東海カーボン株式会社製、商品名「#80」
※7:川口化学工業株式会社製、商品名「Antage 6C」
※8:Schill + Seilacher "Struktol" GmbH社製、商品名「ストラクトールHT254」
※9:堺化学工業株式会社製、酸化亜鉛 銘柄「1種」
※10:Sichuan Tianyu Grease Chemical Co., Ltd. 製
※11:出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスオイルNS」
※12:大塚化学株式会社製、商品名「テラセスL−SS」
※13:大塚化学株式会社製、商品名「テラセスPS」
※14:大塚化学株式会社製、商品名「テラセスTF−SS」
※15:大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
※16:大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
※17:細井化学工業株式会社製、商品名「HK200−5」
本発明のゴム組成物は、非繊維状チタン酸塩化合物粒子及びシリカ粒子を含むことにより、優れたウェット制動性能のみならず、使用するゴム成分を所定の組成とすることにより優れた低燃費性及び耐摩耗性を有しており、タイヤ材料として好適に活用することができる。

Claims (8)

  1. 天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分、
    平均粒子径が30.0μm未満であり、BET比表面積が2m/g以上である非繊維状チタン酸塩化合物粒子、並びに
    BET比表面積が50〜250m/gのシリカ粒子を含み、
    前記ゴム成分100質量%中に、前記天然ゴムを10質量%以上70質量%以下、前記スチレンブタジエンゴムを30質量%以上90質量%以下含むことを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記非繊維状チタン酸塩化合物粒子を構成するチタン酸塩化合物が、
    組成式ATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2〜8〕、RTi(2−y)〔式中、Rはリチウムを除くアルカリ金属、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、銅、鉄、アルミニウム、ガリウム、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1種、x=0.5〜1.0、y=0.25〜1.0〕、K0.2〜0.8Li0.27Ti1.733.7〜4、及びK0.2〜0.8Mg0.4Ti1.63.7〜4からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記スチレンブタジエンゴム中のスチレン含有量が15質量%以上40質量%未満である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対し前記非繊維状チタン酸塩化合物粒子を1〜200質量部含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対し前記シリカ粒子を20〜120質量部含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のゴム組成物。
  6. さらにカーボンブラック粒子を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のゴム組成物。
  7. タイヤトレッド用である、請求項1〜6の何れか1項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のゴム組成物をトレッド部に使用してなるタイヤ。
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