JP2022001847A - 渦流探傷装置および渦流探傷方法 - Google Patents

渦流探傷装置および渦流探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることのできる渦流探傷方法を提供すること。【解決手段】渦流探傷方法は、被検査体に生じた渦電流に基づく探傷信号と被検査体の導電率とを取得するステップAと、探傷信号を補正して補正探傷信号を生成するステップBと、を備える。ステップBにおいて、導電率に対応付けられた補正情報とステップAにおいて取得された導電率とを照合することにより補正量を特定して補正探傷信号を生成する。【選択図】図6

Description

本開示は、金属材料の非破壊検査の一つである渦流探傷に関する。
金属の非破壊検査方法としては、渦流探傷試験(Eddy Current Testing:ECT)が知られている。これは、励磁電流を供給したコイルが発生する磁束によって被検査体に渦電流を発生させ、この渦電流により発生する磁束に基づく探傷信号をコイルの出力信号として得る。この探傷信号は被検査体に傷があると、傷の位置、形状、深さ等を反映したものとなるから、この探傷信号に基づいて金属である被検査体の非破壊検査を行うことができる。
渦流探傷検査では、被検査体を模擬した校正ブロックを用いて探傷装置の校正・標準化が行われる。
「被検査体の模擬」をするには、形状、寸法および材料がある。このうち、形状および寸法は設計に固有のものであるが、材料は種々の規格、例えばAMS(Aerospace Material Specification:米国 航空宇宙用材料規格)等に従い製造される。AMS規格では金属、たとえばアルミニウム合金の熱処理後の導電率について許容範囲が記載されている。
探傷装置の校正・標準化では被検査体の導電率の変化が与える影響が大きい。したがって、例えばAMS規格で定められた導電率の許容範囲内であっても、検査結果としての探傷信号に大きな影響を受ける。
例えば、特許文献1は、探傷プローブを構成するコイルのインピーダンスに与える温度の影響を補償相殺することを開示するが、導電率の変化が与える影響についての提案はなされていない。
特表2001−505649号公報
そこで本開示は、被検査体に導電率の際があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることのできる渦流探傷方法および渦流探傷装置を提供することを課題とする。
本開示に係る渦流探傷方法は、被検査体に生じた渦電流に基づく探傷信号と被検査体の導電率とを取得するステップAと、前記探傷信号を補正して補正探傷信号を生成するステップBと、を備える。
本開示に係るステップBにおいて、導電率に対応付けられた補正情報と前記ステップAにおいて取得された前記導電率とを照合することにより補正量を特定して前記補正探傷信号を生成する。
本開示に係る渦流探傷装置は、被検査体に生じた渦電流に基づいて探傷信号を検出する渦電流プローブと、渦電流プローブに励磁電流を印加するとともに、探傷信号を処理する探傷器と、を備える。
本開示に係る探傷器は、導電率に対応付けられた探傷信号の補正情報を記憶する記憶部と、検出された探傷信号を補正情報に基づいて補正探傷信号に補正する処理部と、を備える。
本開示によれば、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることができる。
本開示の実施形態に係る渦流探傷装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図1の渦流探傷装置に適用される渦電流プローブの構成を示す、平面図(PV)、側面図(SV)および縦断面図(LP)である。 図1の渦流探傷装置を用いて行われる準備工程の手順を示すフロー図である。 図3の準備工程における補正情報の設定手順を示す図である。 図3の準備工程における探傷信号例示する図である。 図3の準備工程における補正情報を例示する図である。 図3の準備工程における補正情報の具体例を示す図である。 図3の準備工程における校正・標準化工程の内容を示す図である。 図1の渦流探傷装置を用いて行われる探傷工程の手順を示すフロー図である。 図4の探傷工程を被検査体100に適用した様子を示す図である。 図4の探傷工程の手順における補正の一例を示す図である。 透磁率を考慮する渦流探傷装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
本実施形態に係る渦流探傷装置1は、被検査体100に導電率の差による探傷信号の相違を考慮することで、被検査体におけるゼロ点補正をすることなく、かつ、欠陥信号の評価精度が向上された渦流探傷を実現できる。渦流探傷装置1は、ピン状のファスナ105が貫通することで接合される複数枚、例えば2つの金属部材101および金属部材103を被検査体100とし、ファスナ105の周囲の金属部材に生じ得る欠陥110を検出することを目的とする。金属部材101および金属部材103は、非鉄系金属からなる。
渦流探傷装置1は、図1に示すように、渦電流プローブ10および探傷器20を主たる構成要素として備える。渦流探傷装置1は、実際に被検査体100の欠陥を検査するのに先立って、導電率の相違に基づく検査結果に対する補正量を設定し、被検査体100の欠陥を検査する際にこの補正量を用いて検査結果を補正する。
[渦電流プローブ10]
図2に示すように、渦電流プローブ10は、探傷試験時に交流の励磁電流を供給して交流磁束を生成することにより被検査体100に渦電流を発生させ、この渦電流により発生する磁場を探傷信号として取得する。
渦電流プローブ10としては、電磁コイルを構成要素として備える種々のタイプのものを用いることができる。一例として、一つのコイルが渦電流の発生と検出とを兼ねる自己誘導形コイル、渦電流を発生させるコイルと渦電流を検出するコイルとの2種類のコイルを用いる相互誘導形コイル、走査方向にコイルを二つ並べてそれらの信号の差異を検出する自己比較方式コイルなどが知られている。図1においては、渦電流の発生と磁場の検出という2つの機能を明確にするために、励磁コイル11と検出コイル13を備える渦電流プローブ10が記載される。図2においては、一例としての自己誘導形コイルによる渦電流プローブ10が記載されている。励磁コイル11および検出コイル13は、銅線が巻き回された形態をなしており、渦電流プローブ10の内部に埋め込まれている。
渦流探傷装置1は、ファスナ105により接合される複数枚の金属部材を被検査体100とする。検査の際には渦電流プローブ10は、図10に示すように、頭部105Aと軸部105Bからなるファスナ105の頭部105Aの周囲を取り囲むようにして被検査体100に載せられる。この検査形態に従って、渦電流プローブ10は円筒状の形態をなしており、円筒状に巻き回されたコイルを構成要素として備える。
非破壊検査手法である渦流探傷法では、渦電流により発生する磁場が被検査体100の導電率や透磁率、傷の位置、形状、深さなどで変化する。被検査体100の検査部位における磁場検出波形の振幅や位相(励磁電流波形に対する位相差)を測定し、予め定めた基準値と比較することにより被検査体100の欠陥の有無を判断する。
導電率計15は、準備工程(図3、図4、図5および図6)および探傷工程(図7、図8、図9および図10)において、導電率を測定する。詳しくは後述するが、導電率計15は準備工程において補正情報を設定するのに校正ブロック200の導電率を測定する。補正情報は、探傷器20の記憶部21に記憶される。また、導電率計15は探傷工程において、記憶部21に記憶された補正情報を用いて探傷信号を補正するために、被検査体100の導電率を測定する。
導電率計15は、図1においては、励磁コイル11、検出コイル13と別体として示されているが、被検査体100の導電率を測定できるのであれば、これに限らない。例えば、渦電流プローブ10を用いて被検査体100の導電率を測定することもできる。この測定は、導電率が既知の材料との比較による。つまり、被検査体100を構成する金属部材と同じ組成を有するが、導電率が既知でかつ異なる複数の比較部材を用意する。そして、複数の比較部材のそれぞれについて渦電流プローブ10を当て、信号の位置関係をそれぞれ取得する。ここで取得した信号の位置関係をSx1,Sx2,Sx3…Sxnとする。一方、渦電流プローブ10を被検査体100に当て、その時の信号の位置関係を取得する。これをSyとする。そして、Sx1,Sx2,Sx3…SxnのそれぞれとSyを比較して、Syに近いも信号の位置関係を有する比較部材を特定し、特定された比較部材の導電率を被検査体100の導電率とみなす。導電率計15が渦電流プローブ10と別体の場合には、測定された導電率が探傷器20の処理部23により補正情報が設定された後に、記憶部21に記憶される。
[探傷器20]
次に、図1を参照しながら、探傷器20について説明する。
探傷器20は、渦流探傷に関わる種々のデータを記憶する記憶部21と、記憶部21に記憶されたデータ、検出コイル13で検出された探傷信号および導電率計15で測定された導電率を用いて探傷結果を生成する処理部23と、処理部23で生成された探傷結果を表示する表示部25と、を備えている。探傷器20は、ここで説明する以外に渦流探傷を実行するために必要な要素、例えば交流磁場を発生させるコイルなどを備えるが、これは当業者間で周知のことであるため、具体的な記載を省略する。以下、記憶部21、処理部23および表示部25の順に説明する。
<記憶部21>
記憶部21は、準備工程において、校正ブロック200について検出コイル13で検出される探傷信号と準備工程の際に導電率計15で測定される校正ブロック200の導電率が記憶される。準備工程においては、複数の校正ブロック200(201,202,…)について探傷信号および導電率が取得されるので、探傷信号よび導電率は、複数の校正ブロック200の識別情報に対応付けて記憶される。
また、記憶部21は、準備工程において、記憶されている探傷信号よび導電率に基づいて処理部23が生成する、導電率に対応付けられた探傷信号の補正量を記憶する。この補正量の集合が補正情報を構成する。
記憶部21は、探傷工程において、検出コイル13で取得される探傷信号を、探傷の対象である被検査体100に対応付けて記憶する。また、記憶部21は、探傷工程において、探傷信号と補正量に基づいて処理部23により生成される補正探傷信号を探傷の対象となった被検査体100に対応付けて記憶する。補正探傷信号は、処理部23の指示により、表示部25に表示される。
記憶部21は、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置から構成される。
<処理部23>
処理部23は、準備工程において、校正ブロック200の識別情報に対応付けて記憶部21に記憶されている探傷信号および導電率を用いて補正量を特定する。この補正量は、校正ブロック200と対応付けられている。後述するように、準備工程において用いられる複数の校正ブロック200は予め異なる導電率を有することが既知であるから、複数の校正ブロック200と対応付けられる補正量は、異なる複数の導電率に対応付けられることになる。処理部23は、複数の異なる導電率に対応する複数の補正量を用いて、曲線をなす補正情報を生成する。この補正情報は、記憶部21に記憶される。
処理部23は、探傷工程において、検出コイル13で取得する探傷信号、導電率計15で測定される導電率および補正情報を用いて、補正探傷信号を生成する。処理部23は生成される補正探傷信号を表示部25に表示させる。
処理部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含むコンピュータ装置から構成される。
<表示部25>
次に、表示部25は、処理部23の指示に従って、種々のデータを表示する。種々のデータとしては、処理部23で生成された補正情報、補正探傷信号が掲げられる。
表示部25は、例えばLED(Liquid crystal display:液晶表示装置)から構成される。
[渦流探傷の手順]
次に、渦流探傷装置1を用いて被検査体100を過流探傷する手順を説明する。この手順は、準備工程と探傷工程を含む。
準備工程は、探傷工程に先立って行われる手順であって、被検査体100を模擬する校正ブロック200に基づいて補正情報を生成すること、および、欠陥の有無による感度の相違を設定する校正・標準化を目的とする。生成された補正情報および感度は、記憶部21に記憶され、探傷工程において補正探傷信号を生成するのに用いられる。
探傷工程は、励磁コイル11で被検査体100に電流を印加する一方、検出コイル13から取得した探傷信号に補正情報を適用することで、補正探傷信号が生成され、探傷の結果として表示部25に表示される。渦流探傷装置1を用いて渦流探傷するオペレータは、補正探傷信号を参照することで、当該被検査体100の検査結果を判断することができる。
なお、準備工程と探傷工程は、時間的に連続している必要はなく、探傷工程に先立って準備工程が行われ、補正情報が得られていれば必要な探傷検査を行うことができる。
以下、準備工程および探傷工程の順に説明する。
<準備工程>
準備工程について、図3〜図9を参照して説明する。
準備工程は、図3に示すように、補正情報設定の手順(S101)と、校正・標準化の手順(S103)と、を含んでいる。以下、これら手順を順に説明する。
<補正情報設定(S101)>
補正情報の設定手順(S101)において、導電率が異なる複数の校正ブロック200を対象にして複数の探傷信号を取得する。探傷信号は、励磁コイル11に励磁電流を印加することで、検出コイル13が検出する信号である。なお、校正ブロック200と記載するときは複数の校正ブロックを包括する意味を有し、校正ブロック200A…200Nと記載するときは、個別の校正ブロックを意味する。校正ブロック200A…200Nは例示であり、本発明において用いられる校正ブロックの数を特定するものではない。
校正ブロック200は、金属部材201と金属部材203が、両者を貫通するファスナ205で締結されたものである。複数の校正ブロック200A…200Nは、形状、寸法および材質が一致するが、導電率が相違する。ただし、それぞれの校正ブロック200A…200Nにおいて、金属部材201と金属部材203は、形状、寸法および材質が一致するのに加えて導電率が一致する。
金属部材201および金属部材203として例示される同じ規格の組成を有するアルミニウム合金の許容される導電率の範囲は例えば5%程度ある。したがって、同じ規格下で作製されるアルミニウム合金からなる金属部材201および金属部材203は、形状および寸法が一致していても、導電率は相違することがある。これは、アルミニウム合金に限らず合金は組成につても許容される組成範囲があるのに加えて、熱処理についても許容される温度範囲があるためであり、異なるロットで作製される合金は、同じ規格下で作製されても、組成および物理的性質には不可塑的なずれを含んでいるためである。
図4は、複数の一例として五つの校正ブロック200A,200B,200C,200D,200Eのそれぞれについて渦電流プローブ10の励磁コイル11を用いて励磁電流を印加するとともに、検出コイル13を介して探傷信号を取得する。校正ブロック200A,200B,200C,200D,200Eのそれぞれの導電率はσA,σB,σC,σD,σEとする。この例では、導電率σAが最も小さく、導電率σEが最も大きく、かつ、σA<σB<σC<σD<σEの関係を有するものとする。また、導電率σAと導電率σEの差分(σE−σA)は、一例として、金属部材201および金属部材203を構成する合金に許容される導電率の範囲(Δσ)と一致する。
図5は、校正ブロック200A,200B,200C,200D,200Eのそれぞれについて取得した探傷信号を例示する。それぞれの探傷信号をIA,IB,IC,ID,IEと称する。これらの探傷信号IA〜IEは、インピーダンス・プレーン表示によるものであり、検出コイル13の抵抗をX軸方向、誘導リアクタンスをY軸方向へプロットしたグラフである。補正情報はこれらの探傷信号を用い、以下の手順で作成される。
はじめに、図6の左側のグラフG1に示すように、探傷信号IA〜IEの中で先端E(図5参照)が最も原点に近い値を示す探傷信号ICを標準とみなしてX軸とY軸の交点に設定する。次に、他の探傷信号IA,IB,ID,IEについても探傷信号ICの原点設定のための変位の分だけそれぞれの先端を変位させる。図6のグラフG2は探傷信号IA〜IEのそれぞれの先端部分を同じグラフにプロットして示しており、このプロットを繋げばインピーダンス・プレーン上に表示される補正情報が得られる。
具体的に例示される補正情報が図7に示されている。図7の補正情報は、28%,30%,32%,34%,36%という異なる五つの導電率を有する校正ブロック200A〜200Eについて渦流探傷を行った結果に基づいている。導電率を除く形状、寸法などの五つの校正ブロックの仕様は一致する。この補正情報は、導電率が標準(32%)より高い被検査体を過流探傷した結果はY軸の下側へ補正され、逆に導電率が標準(32%)より低い被検査体を過流探傷した結果はY軸の上側へ補正されることを示している。補正情報は、導電率の相違に基づく抵抗(R,X軸)と誘導リアクタンス(L,Y軸)の1次関数として表すことができる。この補正情報および1次関数は、探傷器20の記憶部21に記憶される。
以上で準備工程における補正情報の設定手順が終える。
<校正・標準化(S103)>
次に、図8に示すように、欠陥を有しない正常な校正ブロック200αを用いてゼロ点を設定するとともに、人工的な欠陥210が設けられた校正ブロック200βを用いて感度が設定される。校正ブロック200αは、導電率を除けば、校正ブロック200A〜校正ブロックEと形状、寸法および材質などの仕様が一致する。校正ブロック200αと校正ブロック200βは、人工的な欠陥210の有無だけが相違する以外の形状、寸法および材質など仕様が一致する。また、校正ブロック200αと校正ブロック200βの導電率は、被検査体100の許容範囲にある。
ゼロ点の設定は、図8に示すように、校正ブロック200αについて渦電流プローブ10を用いて渦流探傷を行って探傷信号を取得し、取得した探傷信号を前述したのと同様に行われる。ゼロ点は傷のない被検査体100を特定する情報として記憶部21に記憶される。
次に、図8に示すように、校正ブロック200βについて渦電流プローブ10で渦流探傷を行って検出コイル13で探傷信号を取得する。取得された探傷信号は、欠陥を含む被検査体100の標準的な感度として記憶部21に記憶される。
以上で、探傷工程の前の準備工程が終わる。
[探傷工程]
次に、探傷工程について、図9および図10を参照して説明する。
探傷工程は、図9に示すように、探傷信号取得の手順(S201)と、補正量決定の手順(S203)と、補正探傷信号表示の手順(S205)と、を含んでいる。以下、これら手順を順に説明する。
<探傷信号取得の手順(S201)>
はじめに被検査体100について説明する。被検査体100は、図10に示す通りであり準備手順で用いられた校正ブロックAなどを一列に並べた形態を有している。つまり、被検査体100は、金属部材101と金属部材103が、それぞれが両者を貫通し、一列に並んだ複数のファスナ105で締結されたものである。金属部材101と金属部材103は、形状、寸法および導電率などの仕様が一致する。金属部材101と金属部材103は、平面が矩形状をなしており、例えばアルミニウム合金から構成される。また、ファスナ105は、頭部105Aと軸部105Bが一体に形成された例えばチタニウム合金からなる。
一例として図10に示すように、一方端側のファスナ105から他方端側のファスナ105に向けて順にファスナ105を取り囲むように渦電流プローブ10を金属部材101,103に載せる。そうしたら、銅線を巻き付けた励磁コイル11に交流電流を流して振動磁界を形成させる。そうすると、金属部材101の内部で渦電流が発生し、この渦電流自体が磁界を形成させる。この渦電流磁界と検出コイル13との間の相互インダクタンスによる相互作用が起こり、金属部材101,103に欠陥が存在すると、渦電流が途切れたり、渦電流の振幅やパターンに変化が生じたりする結果として磁界が変動する。このような磁界変動の影響を受けて検出コイル13の電気的インピーダンスが変動するため、検出コイル13を流れる電子の動きにも変化が生じる。このインピーダンス変化の振幅と位相角がインピーダンス・プレーン上に探傷信号として表示される。この表示は、例えば図11に探傷信号S1として示される通りである。
探傷信号は、対応するファスナ105の識別情報に対応付けて、記憶部21に記憶される。
探傷信号の取得をするとともに、導電率計15を用いて導電率を測定する。測定された透磁率は、対応するファスナ105の識別情報および探傷信号に対応付けて、記憶部21に記憶される。被検査体100については全体的に導電率が一定とみなせる場合には、次のファスナ105について探傷信号を取得する際には、導電率を測定することなく、すでに測定された導電率を適用することができるし、改めて導電率を測定することもできる。なお、ここで取得された探傷信号および導電率を、他と区別して特定するために探傷信号S1、導電率σ1と称している。
<探傷信号補正(S203)>
探傷信号S1および導電率σ1を測定、記録したならば、準備工程で用意された補正情報を用いて探傷信号S1を補正する。
<補正探傷信号表示(S205)>
補正探傷信号T1が得られたら、表示部25に補正探傷信号T1が表示される。図11に補正探傷信号T1の一例が示されており、探傷信号S1と補正探傷信号T1を対比すると、補正探傷信号T1の補正の程度がうかがい知れる。
[効果]
以上説明した渦流探傷装置1による渦流探傷によれば、以下の効果を奏する。
渦流探傷装置1は、導電率に対応付けられた補正情報と探傷工程において取得された導電率とを照合することにより補正量を特定して補正探傷信号を生成する。したがって、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることができる。
例えば、被検査体100について、複数のファスナ105に対応する被検査部位に欠陥110が同時に発生したいたとしても、補正探傷信号を生成することにより、欠陥110が生じている部位と正常な部位とを識別できる。
また、導電率差による信号変化量を考慮することで、被検査体100における実際の渦流探傷試験の際のゼロ点補正を行う必要がない。
また、被検査体100における補正で必要であった補正位置の健全性の検討が不要になる。
さらに、導電率差による信号変化量を考慮するため、欠陥信号の評価精度が向上する。
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
以上説明した実施形態は、アルミニウム合金のような非磁性材料を対象とし、導電率のばらつきに対応することにしているが、鉄合金などの磁性材料の場合には導電率の他に透磁率も測定する必要がある。透磁率も渦流探傷の結果に影響を与えるためである。したがって、磁性材料を対象とする渦流探傷装置2は、図12に示すように、渦電流プローブ10に透磁率計17の機能を備える。導電率計15と同様に渦電流プローブ10とは別体として透磁率計17を設けてもよい。
そして、実施形態で説明した準備工程においては、導電率に関する補正情報を得るのに加えて、透磁率に関する補正情報を生成する。探傷手順においては、導電率に関する補正情報に加えて透磁率に関する補正情報を用いて探傷信号S1を補正探傷信号T1に補正して表示部25に表示させる。
[付記]
以上の実施形態に記載の渦流探傷方法および探傷装置は、以下のように把握される。
[第1の態様に係る渦流探傷方法の構成]
第1の態様に係る渦流探傷方法は、被検査体(100)に生じた渦電流に基づく探傷信号と被検査体(100)の導電率とを取得するステップAと、探傷信号を補正して補正探傷信号を生成するステップBと、を備え、ステップBにおいて、導電率に対応付けられた補正情報と前記ステップAにおいて取得された前記導電率とを照合することにより補正量を特定して補正探傷信号を生成する。
[第1の態様に係る渦流探傷方法の効果]
第1の態様に係る渦流探傷方法によれば、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることができる。
[第2の態様に係る渦流探傷方法の構成]
第2の態様に係る渦流探傷方法において、補正情報は、好ましくは、異なる導電率を有する複数の校正ブロックについて取得した複数の予備探傷信号に基づいて生成されたものである。
[第2の態様に係る渦流探傷方法の効果]
第2の態様に係る渦流探傷方法によれば、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えた探傷信号を生成できる。
[第3の態様に係る渦流探傷方法の構成]
第3の態様に係る渦流探傷方法は、生成された補正探傷信号を表示する表示ステップCを備えることが好ましい。
[第3の態様に係る渦流探傷方法の効果]
第3の態様に係る渦流探傷方法によれば、渦流探傷を行うオペレータが、生成された補正探傷信号を視覚的に認識できるので、高い精度で渦流探傷を行うことができる。
[第1の態様に係る渦流探傷装置の構成]
第1の態様に係る渦流探傷装置(1)は、被検査体(100)に生じた渦電流に基づいて探傷信号を検出する渦電流プローブ(10)と、前記渦電流プローブ(10)に励磁電流を印加するとともに、前記探傷信号を処理する探傷器(20)と、を備え、前記探傷器(20)は、導電率に対応付けられた前記探傷信号の補正情報を記憶する前記記憶部(21)と、検出された前記探傷信号を前記補正情報に基づいて補正探傷信号に補正する処理部(23)と、を備える。
[第1の態様に係る渦流探傷装置の効果]
第1の態様に係る渦流探傷方法によれば、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えることができる。
[第2の態様に係る渦流探傷装置の構成]
第2の態様に係る渦流探傷装置1における処理部(23)は、好ましくは、前記探傷信号の検出に伴って前記被検査体(100)について測定された導電率と前記補正情報を照合することにより、前記探傷信号を前記補正探傷信号に補正する。
[第2の態様に係る渦流探傷装置の効果]
第2の態様に係る渦流探傷装置によれば、被検査体に導電率の差異があったとしても、探傷信号に与える影響を抑えた探傷信号を生成できる。
[第3の態様に係る渦流探傷装置の構成]
第3の態様に係る渦流探傷装置1は、好ましくは、補正探傷信号を表示する表示部(25)をさらに備える。
[第3の態様に係る渦流探傷装置の効果]
第3の態様に係る渦流探傷装置によれば、渦流探傷を行うオペレータが、生成された補正探傷信号を視覚的に認識できるので、高い精度で渦流探傷を行うことができる。
1,2 渦流探傷装置
10 渦電流プローブ
11 励磁コイル
13 検出コイル
15 導電率計
17 透磁率計
20 探傷器
21 記憶部
23 処理部
25 表示部
100 被検査体
101,103 金属部材
105 ファスナ
105A 頭部
105B 軸部
110 欠陥
200,200A,200B,200C,200D,200E 校正ブロック
200α,200β 校正ブロック
201,203 金属部材
205 ファスナ
210 欠陥

Claims (6)

  1. 被検査体に生じた渦電流に基づく探傷信号と前記被検査体の導電率とを取得するステップAと、
    前記探傷信号を補正して補正探傷信号を生成するステップBと、を備え、
    前記ステップBにおいて、
    導電率に対応付けられた補正情報と前記ステップAにおいて取得された前記導電率とを照合することにより補正量を特定して前記補正探傷信号を生成する、
    渦流探傷方法。
  2. 前記補正情報は、
    異なる導電率を有する複数の校正ブロックについて取得した複数の予備探傷信号に基づいて生成されたものである、
    請求項1に記載の渦流探傷方法。
  3. 生成された前記補正探傷信号を表示する表示ステップCを備える、
    請求項1または請求項2に記載の渦流探傷方法。
  4. 被検査体に生じた渦電流に基づいて探傷信号を検出する渦電流プローブと、
    前記渦電流プローブに励磁電流を印加するとともに、前記探傷信号を処理する探傷器と、を備え、
    前記探傷器は、
    導電率に対応付けられた前記探傷信号の補正情報を記憶する前記記憶部と、
    検出された前記探傷信号を前記補正情報に基づいて補正探傷信号に補正する処理部と、
    を備える渦流探傷装置。
  5. 前記処理部は、
    前記探傷信号の検出に伴って前記被検査体について測定された導電率と前記補正情報を照合することにより、前記探傷信号を前記補正探傷信号に補正する、
    請求項4に記載の渦流探傷装置。
  6. 前記補正探傷信号を表示する表示部をさらに備える、
    請求項4または請求項5に記載の渦流探傷装置。
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