JP2022001701A - 薬液製造方法及び薬液製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】材料コストを増加させることなく、高精度にpH調節された薬液を製造することのできる、薬液製造方法及び薬液製造システムを提供する。【解決手段】酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造方法であって、薬液の目標pHを設定する目標pH設定工程と、B液の投入停止後の薬液pHの変化傾向を特定するpH変化傾向特定工程と、薬液の製造の過程で該薬液の薬液pHを随時計測する作液計測工程と、薬液pHが停止目安pHとなった段階でB液の投入を停止するB液投入停止工程と、を有し、停止目安pHは薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算することにより設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、薬液製造方法及び薬液製造システムに関する。
地盤改良工法の一つである薬液注入工法においては、酸性溶液とアルカリ性溶液を混合することにより溶液型の注入薬液が製造され、この薬液製造は例えば現場において行われる。
薬液注入工法では、注入管等を通して流動性を有する薬液を地盤内に注入・浸透させることにより、薬液と地盤の間隙内にある地下水とを置換する。その後、間隙内にとどまった薬液が流動性を失ってゲル化することにより、地盤の止水性を向上させることができ、あるいは地震力に対する地盤の抵抗性を高めることができる。
ところで、地盤内に注入された薬液が当該地盤内でゲル化するまでに長時間を要する場合、薬液が地下水によって移動されたり希釈されることにより、地盤改良効果が低下することが知られている。そのため、薬液の品質確保に際しては、注入施工の条件に応じて適切なタイミングにて薬液をゲル化させる必要がある。
注入に用いられる薬液には様々な種類が存在するが、希釈水ガラスを含有する溶液型の薬液は、その高い浸透性等を理由に広く用いられている。この希釈水ガラスはアルカリ性の溶液であり、単体では半永久的に安定した溶液状態を保つ一方で、酸性の溶液に投入・混合して溶液全体を酸性乃至中性にした場合には、一定時間流動性を保った後にゲル化する性質を有している。尚、混合からゲル化に至るまでの時間(ゲルタイム)は、溶液のpHが中性に近いほど短くなることが知られている。
上記特性を利用する代表的な水ガラス系溶液型の薬液においては、構成材料に含まれる酸性反応材の量を変化させて薬液pHを調節することにより、ゲルタイムを任意に設定することが可能になる。
ここで、特許文献1には、水ガラス水溶液、コロイダルシリカ水溶液、及び酸の水溶液といった各種配合液を混合槽に送液する過程において、送液ポンプ停止後に惰性的に超過供給される各種配合液の量を予め把握し、この超過供給量を制御装置に入力しておき、超過供給量を見越したポンプ制御を行うことにより、所定量の送液による混合液の製造を行う、地盤改良薬液の混合システムが提案されている。
また、特許文献2には、薬液の全体が特定のpH範囲となるように水素イオン量を増減させる機能を備えた緩衝剤を利用することにより、構成材料の計量誤差や品質のばらつきに左右されずにpH調節がなされている地盤注入薬液と、この地盤注入薬液を用いる薬液注入工法が提案されている。
特開2012−7019号公報 特開昭62−181387号公報
特許文献1に記載の地盤改良薬液の混合システムは、薬液の材料となる各種配合液の量を管理することにより、所望性能の薬液を製造するものである。ところで、薬液を構成する各種配合液の品質は製造ロットごとにある程度のばらつきを有していることが一般的でであり、また、混合に使用される水にも一般に品質のばらつきがある。そのため、特許文献1に記載されるように規定量の混合を前提とした製造管理(量に基づく製造管理)を厳格に実施したとしても、所望するpHを備えた薬液が必ずしも製造される保証はない。
一方、特許文献2に記載の地盤注入薬液は、他の薬液材料に比べて高価な緩衝剤が適用されることから、薬液単価増が避けられず、地盤改良範囲が広域に及ぶに従い材料コスト増の影響が顕著になるといった課題を内包する。
本発明は、材料コストを増加させることなく、高精度にpH調節された薬液を製造することのできる、薬液製造方法及び薬液製造システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による薬液製造方法の一態様は、
酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造方法であって、
前記薬液の目標pHを設定する、目標pH設定工程と、
前記B液の投入停止後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定工程と、
前記薬液の製造の過程で該薬液の前記薬液pHを随時計測する、作液計測工程と、
前記薬液pHが停止目安pHとなった段階で、前記B液の投入を停止する、B液投入停止工程と、を有し、
前記停止目安pHは、前記薬液pHの変化傾向に基づいて前記目標pHから逆算することにより設定されることを特徴とする。
本態様によれば、混合槽に投入されている酸性溶液であるA液に対してアルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより薬液を製造する製造方法において、pH変化傾向特定工程にてB液の投入停止後の薬液pHの変化傾向を特定しておき、薬液pHが、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された停止目安pHとなった段階でB液の投入を停止することにより、B液投入に用いられているポンプ停止後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。また、薬液の製造に際して高価な緩衝剤を使用しないことから、薬液製造において材料コストが増加する恐れはない。
薬液注入工法に適用される薬液の製造に限られるものではないが、ポンプを用いて送液を行う際の当該ポンプの停止制御においては、使用するポンプが機械的に停止した後にも当該ポンプに連通する配管内の残存液が送り出されることが往々にしてあり、従って送液が完全に停止するまでに時間差が生じることになる。この現象は落差とも称され、この落差により、ポンプ停止時の薬液pHが変化することはpH落差と称することができる。
例えば、特許文献1に示すように各種配合液の量(液量)にて薬液pHを管理する上記落差への対応方法では、実際の薬液製造(運用)前に行うキャリブレーションを通してポンプに連通する配管内の残存液量を把握し、この残存液量に応じてB液投入量(もしくは、ポンプ停止タイミング)を補正することになる。ここで、残存液量は、ポンプの仕様や配管のレイアウト、ポンプ停止時の流量が固定されることにより一義的に定まることから、B液投入量(液量)の補正量も一定となる。
一方、残存液によるpH増加の程度は混合液のpH水準に依存して変化することから、仮に残存液量が一義的に定まったとしても、薬液pHの補正量は一定とはならない。さらに、液量に起因する上記落差が完了した後は、時間差をもって混合液の撹拌による均一化が生じ、この均一化に伴い薬液pHが増加し得る。
本態様の薬液製造方法によれば、pH変化傾向特定工程にて特定されているB液の投入停止後の薬液pHの変化傾向に基づいて停止目安pHを目標pHから逆算し、B液投入停止工程においてこの停止目安pHとなった段階でB液の投入を停止することにより、上記するpH落差を解消して目標pHの薬液を製造することが可能になる。
また、本発明による薬液製造方法の他の態様において、前記pH変化傾向特定工程では、製造条件に固有の以下の式(X)に基づいて前記薬液pHの変化傾向を特定することを特徴とする。
Figure 2022001701
本態様によれば、B液投入停止時の薬液pHと、B液投入停止時の薬液pHやB液投入速度に依存する係数を備える上記式(X)を適用することにより、高精度にB液投入を停止する目安となる停止目安pHを特定することができ、このことにより、高精度に目標pHの薬液を製造できることが本発明者等により特定されている。
また、本発明による薬液製造方法の他の態様は、
酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造方法であって、
前記薬液の目標pHを設定する、目標pH設定工程と、
前記B液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際に、投入速度の低減後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定工程と、
前記薬液pHが速度切替目安pHとなった段階で、前記B液の投入速度を低減することにより前記薬液を製造し、該製造の過程で該薬液の前記薬液pHを随時計測する、作液計測工程と、を有し、
前記速度切替目安pHは、前記薬液pHの変化傾向に基づいて前記目標pHから逆算することにより設定されることを特徴とする。
本態様によれば、混合槽に投入されている酸性溶液であるA液に対してアルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより薬液を製造する製造方法において、pH変化傾向特定工程にてB液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際の投入速度の低減後の薬液pHの変化傾向を特定しておき、薬液pHが、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された速度切替目安pHとなった段階でB液の投入速度を低減することにより、B液投入に用いられているポンプによる投入速度低減後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
ここで、「投入速度を段階的に低減」するとは、B液の投入速度を一回低減する(切替える)こと、二回、三回といった複数回に亘り順次低減する(切替える)ことを含んでいる。
本発明者等によれば、混合槽に投入されているA液に対して投入されるB液の投入速度の低減(切替え)を実施した際に、投入速度切替えに時間を要すること、投入速度が完全に切替えられた直後に薬液pHが顕著に増加し、その後暫くして一定の増加傾向に漸近することが確認されている。これは、投入速度切替え前のB液投入の際の上記pH落差により、投入速度切替え後の初期段階でB液量増分に対するpH増分が一時的に上昇し、その後に上記pH落差の影響が収束することにより、投入速度切替え後の投入速度に応じた薬液pHの増加傾向に移行したものと推察される。そこで、B液投入速度を段階的に低減する本態様の製造方法においては、B液の投入速度低減後のpH落差の影響の程度(投入速度の低減後の薬液pHの変化傾向)を予め特定しておき、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された速度切替目安pHとなった段階で、B液の投入速度を低減することにより、上記するpH落差を解消して目標pHの薬液を製造することが可能になる。
また、本発明による薬液製造方法の他の態様において、前記pH変化傾向特定工程では、製造条件に固有の以下の式(Y)に基づいて前記薬液pHの変化傾向を特定することを特徴とする。
Figure 2022001701
本態様によれば、B液投入速度切替時の薬液pHと、B液投入速度低減前のB液投入速度や薬液pHに依存する係数を備える上記式(Y)を適用することにより、高精度にB液の投入速度を低減する(切替える)目安となる速度切替目安pHを特定することができ、このことにより、高精度に目標pHの薬液を製造できることが本発明者等により特定されている。
また、本発明による薬液製造方法の他の態様において、前記作液計測工程では、前記薬液pHが1上昇した際に前記B液の投入速度を1/10に低減することを特徴とする。
本態様によれば、B液の投入速度を段階的に低減しながら薬液を製造する方法において、薬液pHの上昇に応じたB液の投入速度が具体的に規定されることにより、投入速度の低減管理が容易となり、投入速度が過大に設定されることにより薬液pHの調節精度が低下するといった課題や、逆に投入速度が過小に設定されることにより製造システムにおける製造能力が低下するといった課題が解消される。尚、薬液pHが1上昇した際にB液の投入速度を1/10に低減することは、本発明者等による実験結果に依拠している。尚、ここでの「1/10」は、1/10の近傍を含むものであり、1/9乃至1/11程度の範囲が「1/10」に含まれる。
また、本発明による薬液製造システムの一態様は、
酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造システムであって、
前記A液を作液するA液作液装置と、
前記B液を作液するB液作液装置と、
投入された前記A液と前記B液を混合して前記薬液を製造する混合槽、及び、該薬液の製造の過程で該薬液の薬液pHを計測するpH計を備えている、混合装置と、
前記混合槽に対して、前記A液作液装置と前記B液作液装置からそれぞれ前記A液と前記B液を送液するポンプと、
制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記薬液の目標pHと、随時計測される前記薬液pHとが少なくとも格納される、格納部と、
前記B液の投入停止後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定部と、
前記B液の投入を停止する際の目安となる停止目安pHを設定する、停止目安pH設定部と、
前記薬液pHが前記停止目安pHとなった段階で、前記B液の投入を停止する、B液投入停止部と、を有し、
前記停止目安pH設定部では、前記pH変化傾向特定部において特定された前記薬液pHの変化傾向に基づいて、前記目標pHから逆算することにより前記停止目安pHを設定することを特徴とする。
本態様によれば、混合槽に投入されている酸性溶液であるA液に対してアルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより薬液を製造する製造システムにおいて、制御装置のpH変化傾向特定部にてB液の投入停止後の薬液pHの変化傾向が特定され、停止目安pH設定部にて薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算して停止目安pHが設定され、薬液pHが停止目安pHとなった段階でB液投入停止部にてB液の投入を停止することにより、B液投入に用いられているポンプ停止後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
また、本発明による薬液製造システムの他の態様は、
酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造システムであって、
前記A液を作液するA液作液装置と、
前記B液を作液するB液作液装置と、
投入された前記A液と前記B液を混合して前記薬液を製造する混合槽、及び、該薬液の製造の過程で該薬液の薬液pHを計測するpH計を備えている、混合装置と、
前記混合槽に対して、前記A液作液装置と前記B液作液装置からそれぞれ前記A液と前記B液を送液するポンプと、
制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記薬液の目標pHと、随時計測される前記薬液pHとが少なくとも格納される、格納部と、
前記B液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際に、投入速度の低減後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定部と、
前記B液の投入速度を低減する際の目安となる速度切替目安pHを設定する、速度切替目安pH設定部と、
前記薬液pHが前記速度切替目安pHとなった段階で、前記B液の投入速度を低減する、B液投入速度切替部と、を有し、
前記速度切替目安pH設定部では、前記pH変化傾向特定部において特定された前記薬液pHの変化傾向に基づいて、前記目標pHから逆算することにより前記速度切替目安pHを設定することを特徴とする。
本態様によれば、混合槽に投入されている酸性溶液であるA液に対してアルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより薬液を製造する製造システムにおいて、制御装置のpH変化傾向特定部にてB液の投入速度低減後の薬液pHの変化傾向が特定され、速度切替目安pH設定部にて薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算して速度切替目安pHが設定され、B液投入速度切替部にて薬液pHが速度切替目安pHとなった段階でB液の投入速度を低減することにより、B液投入に用いられているポンプによる投入速度低減後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
本発明の薬液製造方法及び薬液製造システムによれば、材料コストを増加させることなく、高精度にpH調節された薬液を製造することができる。
実施形態に係る薬液製造システムの一例の全体構成を示す図である。 薬液製造システムを構成する制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係る薬液製造システムを構成する制御装置の機能構成の一例を示す図である。 B液投入停止後のB液流入と薬液pHの変化に関する実験結果を示す図である。 停止目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図である。 第1実施形態に係る薬液製造方法の一例のフローチャートである。 第2実施形態に係る薬液製造システムを構成する制御装置の機能構成の一例を示す図である。 B液の投入速度を低減した際の薬液pHの変化に関する実験結果を示す図である。 一次投入から三次投入まで三段階に投入速度を切替える制御において、速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であって、(a)は、三次投入の際(二次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であり、(b)は、二次投入の際(一次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図である。 滴定曲線を説明する図である。 薬液pHの上昇とB液の投入速度の低減割合との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る薬液製造方法の一例のフローチャートである。 B液の投入速度を切替えて薬液を製造する実験における、実験条件を示すグラフである。 B液の投入速度を切替えて薬液を製造する実験における、実験結果を示すグラフである。
以下、各実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態]
<薬液製造システムの全体構成>
まず、図1及び図2を参照して、実施形態に係る薬液製造システムの一例の全体構成について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る薬液製造システムの一例の全体構成を示す図であり、図2は、薬液製造システムを構成する制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
薬液製造システム60(60A)は、酸性溶液であるA液を作液するA液作液装置10と、アルカリ性溶液であるB液を作液するB液作液装置20と、A液とB液を混合して薬液を製造する混合装置30と、制御装置50(50A)とを有する。薬液製造システム60(60A)は、例えば薬液注入工法が適用される現場において構築され、薬液製造システム60(60A)にて製造された薬液は、図示例のように薬液貯留槽へ送液されて貯留されたり、薬液貯留槽へ送液されることなく、地盤へ直接注入される。尚、第1実施形態に係る薬液製造システム60の備える制御装置50と、第2実施形態に係る薬液製造システム60Aの備える制御装置50Aのそれぞれの機能構成に関しては、以下で詳説する。
A液は、造粒シリカ材料(シリカコロイド)と、酸性反応材と、水とを含み、酸性反応材として例えば硫酸が適用される。一方、B液は、水ガラス系材料(水ガラスを主材とした材料)と水とを含み、水ガラス系材料には無機系材料と有機系材料が含まれる。例えば、強酸のA液に対して弱アルカリ性のB液を投入することにより弱酸の遊離が生じ、珪酸の沈殿により混合液をゲル化することができる。また、A液が造粒シリカ材料を含むことから、ゲルにより土粒子を固結させた後、ゲルからシリカが溶脱することを抑制できる。
A液作液装置10は、A液撹拌槽14とA液貯留槽15とを備え、A液撹拌槽14には、構成材料槽11,12,13からそれぞれ、不図示の送液ポンプを介して造粒シリカ材料と酸性反応材と水が供給される。そして、造粒シリカ材料と酸性反応材と水がA液撹拌槽14にて撹拌されることによりA液が作液され、作液されたA液がA液貯留槽15に貯留される。
A液撹拌槽14は、モータ17aと、モータ17aの駆動により回転する撹拌翼17bとにより構成される撹拌機17を備えており、撹拌翼17bの回転にてA液の構成材料を撹拌することによりA液を作液する。また、A液貯留槽15には、モータ18aと、モータ18aの駆動により回転する撹拌翼18bとにより構成される撹拌機18と、貯留するA液のpH(pH値)を計測するpH計19とが設けられており、撹拌機18にて再度撹拌されたA液のpHがpH計19にて計測され、計測データは制御装置50(50A)に随時送信されるようになっている。尚、少なくとも混合槽31にpH計33が設けられていればよいことから、pH計19が取り付けられていない形態であってもよい。
一方、B液作液装置20は、B液撹拌槽23とB液貯留槽24とを備え、B液撹拌槽23には、構成材料槽21,22からそれぞれ、不図示の送液ポンプを介して水ガラス系材料と水が供給される。そして、水ガラス系材料と水がB液撹拌槽23にて撹拌されることによりB液が作液され、作液されたB液がB液貯留槽24に貯留される。
B液撹拌槽23は、モータ26aと、モータ26aの駆動により回転する撹拌翼26bとにより構成される撹拌機26とを備えており、撹拌翼26bの回転にてB液の構成材料を撹拌することによりB液を作液する。また、B液貯留槽24には、モータ27aと、モータ27aの駆動により回転する撹拌翼27bとにより構成される撹拌機27と、貯留するB液のpH(pH値)を計測するpH計28とが設けられており、撹拌機27にて再度撹拌されたB液のpHがpH計28にて計測され、計測データは制御装置50(50A)に随時送信されるようになっている。尚、少なくとも混合槽31にpH計33が設けられていればよいことから、pH計28が取り付けられていない形態であってもよい。
A液作液装置10は、A液送液管41を介して混合装置30を構成する混合槽31に通じており、A液貯留槽15に貯留されているA液は、A液送液管41を介して混合槽31に供給(投入)される。ここで、A液送液管41には、送液ポンプ42(ポンプの一例)と流量計43が介在しており、制御装置50(50A)により送液ポンプ42の駆動制御や駆動停止制御が実行され、流量計43にて計測されたA液送液量に関する計測データが制御装置50(50A)に送信されるようになっている。尚、混合槽31に対して最初に所定量のA液が投入されることから、例えば制御装置50(50A)に対してA液の投入量が現場管理者等により入力されており、現場管理者が例えば制御装置50(50A)に備えてある送液ポンプ42の駆動スイッチをON制御することにより、送液ポンプ42にて混合槽31へA液が送液される。このA液の送液の過程で流量計43にて計測される計測データに基づき、制御装置50(50A)は所定量のA液が混合槽31へ送液された段階(もしくは所定量の送液を見越した前段階)で送液ポンプ42の駆動を停止する制御を実行する。
B液作液装置20は、二系統のB液送液管44,47を介して混合槽31に通じており、B液貯留槽24に貯留されているB液は、B液送液管44,47を介して混合槽31に供給(投入)される。ここで、B液送液管44,47にはそれぞれ、送液ポンプ45,48(ポンプの一例)と流量計46,49が介在しており、制御装置50(50A)により送液ポンプ45,48の駆動制御や駆動停止制御が実行され、流量計46,49にて計測された計測データが制御装置50(50A)に送信されるようになっている。
例えば、一方のB液送液管44が相対的に大容量のB液を送液し、他方のB液送液管47が相対的に小容量のB液を送液するように設定されており、B液の送液量の微調整の際には送液ポンプ48を制御することにより、B液送液管47を介して送液されるB液の送液量を調整する制御が実行できる。また、例えば、B液送液管44、47の双方からB液を送液し、あるタイミングで一方の送液管からのB液の送液を停止することにより、混合槽31へのB液投入量を低減することができる。尚、図示例では、二系統のB液送液管44,47が設けられているが、三系統以上のB液送液管を備えたシステムであってもよい。
混合装置30は、混合槽31と、三基の撹拌機32とを有し、それぞれの撹拌機32は、モータ32aと、モータ32aの駆動により回転する撹拌翼32bとにより構成される。混合装置30は、混合槽31において、A液作液装置10から投入されているA液に対して、B液作液装置20から随時B液が投入され、各撹拌機32によりA液とB液を撹拌することにより、混合液である薬液を製造する。尚、A液撹拌槽14やB液撹拌槽23に比べて混合槽31は大容量であることから、三基の撹拌機32が設けられているが、撹拌機32は二基、四基以上等、混合槽31の大きさに応じた好適な数が設定されるのがよい。
また、混合槽31にはpH計33が設けられており、B液の投入により随時製造される薬液のpHを都度測定し、測定データが制御装置50(50A)に送信されるようになっている。尚、図示例では、一台のpH計33が設けられているが、複数台(例えば四台等)のpH計33が設けられてもよい。
混合槽31に所定量のA液が投入された後、B液が複数種の投入制御方法により投入されるようになっており、このB液の投入制御形態に応じて、送液ポンプ45,48の制御方法が相違する。以下、相違する二種類の制御を実行する二種類の制御装置50,50Aを有する薬液製造システム60,60Aとして説明するが、一つの薬液製造システムの制御装置において、複数種のB液投入制御方法を切換え制御可能なシステムであってもよい。
次に、図2を参照して、制御装置50(50A)のハードウェア構成の一例について説明する。図2に示すように、制御装置50(50A)は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の情報処理装置(コンピュータ)により構成される。
制御装置50(50A)を構成するコンピュータは、接続バス56により相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)51、主記憶装置52、補助記憶装置53、入出力IF(interface)54、及び通信IF55を備えている。主記憶装置52と補助記憶装置53は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。尚、上記の構成要素はそれぞれ個別に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
CPU51は、MPU(Microprocessor)やプロセッサとも呼ばれ、CPU51は、単一のプロセッサであってもよいし、マルチプロセッサであってもよい。CPU51は、コンピュータからなる制御装置50(50A)の全体の制御を行う中央演算処理装置である。CPU51は、例えば、補助記憶装置53に記憶されたプログラムを主記憶装置52の作業領域にて実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことにより、所定の目的に合致した機能を提供する。
主記憶装置52は、CPU51が実行するコンピュータプログラムや、CPU51が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置52は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置53は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納し、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶装置53には、例えば、OS(Operating System)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信IF55を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、ネットワークに接続する作業所(管理棟)にあるパーソナルコンピュータ(図示せず)等が含まれる。すなわち、現場にて製造された薬液に関する種々のデータは、ネットワークを介して作業所等に搭載されているパーソナルコンピュータに無線通信等により送信され、作業所のコンピュータに薬液製造に関する種々のデータが保存される。
補助記憶装置53は、例えば、主記憶装置52を補助する記憶領域として使用され、CPU51が実行するコンピュータプログラムや、CPU51が処理するデータ等を記憶する。補助記憶装置53は、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM))を含むシリコンディスク、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)装置、ソリッドステートドライブ装置等である。また、補助記憶装置53として、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BDドライブ装置といった着脱可能な記録媒体の駆動装置が例示され、着脱可能な記録媒体として、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等が例示される。
入出力IF54は、制御装置50(50A)に接続する機器との間でデータの入出力を行うインターフェイスである。入出力IF54には、例えば、キーボード、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイス等が接続する。制御装置50(50A)は、入出力IF54を介して、入力デバイスを操作する操作者からの操作指示等を受け付ける。
また、入出力IF54には、例えば、液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(EL:Electroluminescence)等の表示デバイス、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスが接続される。例えば、制御装置50(50A)において、設定されている目標pHと、pH計33により計測された計測データ(薬液pH)とが入出力IF54を構成する表示デバイスに同時に表示されることにより、工事管理者等は、混合装置30にて製造されている薬液の薬液pHと目標pHとを同時に視認し、双方を比較することができる。
通信IF55は、制御装置50(50A)が接続するネットワークとのインターフェイスである。通信IF55は、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網等の無線ネットワーク、VPN(Virtual Private Network)等の専用ネットワーク、LAN(Local Area Network)等、様々なネットワークを介して、作業所にあるパーソナルコンピュータ等に薬液を製造する過程で得られる様々なデータを送信する。
<第1実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法>
次に、図3乃至図6を参照して、第1実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法の一例について説明する。ここで、図3は、第1実施形態に係る薬液製造システムを構成する制御装置の機能構成の一例を示す図である。また、図4は、B液投入停止後のB液流入と薬液pHの変化に関する実験結果を示す図であり、図5は、停止目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図である。さらに、図6は、第1実施形態に係る薬液製造方法の一例のフローチャートである。
図3に示すように、薬液製造システム60を構成する制御装置50は、CPU51によるプログラムの実行により、少なくとも、計測データ取得部502、pH変化傾向特定部504、停止目安pH設定部506、B液投入停止部508,及び格納部510の各種機能を提供する。尚、上記処理機能の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって提供されてもよく、同様に、上記処理機能の少なくとも一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用LSI(large scale integration)やその他のデジタル回路等であってもよい。
計測データ取得部502は、pH計19,28,33により計測されたA液、B液、及び混合液(薬液)のpHに関する計測データを受信し、格納部510に格納する。尚、pH計19,28を備えていない場合は、pH計33により計測された混合液のpHに関する計測データのみが受信される。
pH変化傾向特定部504は、A液が所定量投入されている混合装置30に対してB液を随時投入し、B液投入停止後の薬液pHの変化傾向を特定する。
ここで、図4は、本発明者等により行われた実験の中で、B液の投入を停止した後の、混合槽内の薬液pHの変化傾向(pH落差)を検証した実験結果を示すグラフである。本実験では、B液の投入停止pHを3.2に設定し、混合槽内のpH計が3.2となった段階(B液投入量が395.7Lとなった段階)でB液の投入を停止した。この結果、混合槽内の薬液pHは僅かな時間後に目標pHから大きく変化することが実証されている。
B液送液管内の残存液によるpH増加程度は、混合液(薬液)のpH水準に依存して変化することから、仮に残存液量が一律に定まったとしてもpHの補正量は一定にはならない。さらに、液量に起因するpH落差が完了した後は、時間差で混合液の撹拌による均一化が生じ、それによるpH増加が生じる。薬液pHの目標pH超過を防ぐには、B液投入停止後のpH変化を把握し、定式化して、特定された関係式に基づいてB液の投入停止の目安となる薬液pH(送液ポンプの停止タイミング)を決定することが有効となる。
そこで、pH変化傾向特定部504では、製造条件に固有の以下の式(Q1)に基づいて、もしくは、式(Q1)を示す図5に基づいて、薬液pHの変化傾向を特定する。尚、以下の式(Q1)は、pH落差補正チャートと称することもできる。
Figure 2022001701
図5に示すように、式(Q1)の導出は、運用前のキャリブレーションで確認されたB液投入停止時の薬液pHと実績pHとの関係(三点の黒丸)に基づいて行っており、実際の作液におけるB液投入停止時の薬液pHと実績pHの関係(一点の白丸)を式(Q1)のグラフ上にプロットし、式(Q1)の妥当性を確認している。
図5に示すように、B液投入停止時の薬液pHが2.94未満の範囲では、B液投入停止時の薬液pHは目標pHと同じになる(y=x)ことが分かり、B液投入停止時の薬液pHが2.94以上の範囲において、目標pHを達成するためのB液投入停止時の薬液pHを関係式(式(Q1))に基づいて特定する必要があることが分かる。
停止目安pH設定部506は、B液の投入を停止する際の目安となる停止目安pHを設定する。ここで、停止目安pH設定部506では、pH変化傾向特定部504において特定された薬液pHの変化傾向に基づいて、目標pHから逆算することにより停止目安pHを設定する。例えば、pH変化傾向特定部504において作成されている図5に示すグラフを参照して、製造される薬液の目標pHが3.5の際には、縦軸の作液実績pH3.5を関係式のyに代入し、このy値に対応するB液停止時の薬液pHを示すx値を特定することにより、この例ではB液投入停止時の薬液pHを3.3と特定することができる。
格納部510には目標pHが格納されており、この目標pHの薬液を製造するべく、停止目安pH設定部506にて設定されたB液投入停止時の薬液pHも格納部510に格納される。また、格納部510には、混合槽31に対してB液が随時投入される過程において、計測される薬液pHの計測データが計測データ取得部502にて取得され、格納部510に随時格納される。
B液投入停止部508は、格納部510に格納されている目標pHと、随時pHが上昇する薬液pH(計測データ)とを比較し、薬液pHが投入停止目安pHとなった際に、現在駆動している送液ポンプ45,48の駆動を停止する停止信号を双方のポンプに送信し、ポンプの駆動を停止させる。
送液ポンプ45,48の駆動停止後、一定時間の間はB液送液管44,47から残存液が混合槽31に送液されることから、pH計33による計測と計測データの制御装置50への送信が継続され、計測された薬液pHが一定値に収斂した際に制御装置50による制御を終了する。
制御装置50を備えた薬液製造システム60によれば、制御装置50のpH変化傾向特定部504にてB液の投入停止後の薬液pHの変化傾向が特定され、停止目安pH設定部506にて薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算して停止目安pHが設定され、B液投入停止部508にて薬液pHが停止目安pHとなった段階でB液の投入を停止することにより、B液投入に用いられているポンプ停止後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
次に、図6を参照して、第1実施形態に係る薬液製造方法の一例について説明する。薬液製造方法では、まず、製造される薬液の目標pHの設定を行う。この目標pHは、薬液製造からゲル化に至るまでの時間(ゲルタイム)に基づいて設定する(以上、目標pH設定工程(ステップS102))。
次に、B液の投入停止後の薬液pHの変化傾向を特定する。既に説明したように、運用前のキャリブレーションで確認されたB液投入停止時の薬液pHと実績pHとの関係や、実際の作液により特定されたB液投入停止時の薬液pHと実績pHの関係に基づき、製造条件に固有の式(Q1)や式(Q1)を示す図5等を特定する。
特定された図5等に示される式(Q1)を参照して、目標pHに対応する薬液pHを特定し、ここで特定された薬液pHを、B液の投入を停止する際の目安となる停止目安pHとして設定する(以上、pH変化傾向特定工程(ステップS104))。
次に、混合装置30を形成する混合槽31に所定量のA液を投入し、混合槽31にB液を随時投入し、混合槽31内を撹拌機32にて撹拌することにより、薬液を製造する。この薬液製造過程では、混合槽31内に設けられているpH計33により、薬液pHを随時計測する(以上、作液計測工程(ステップS106))。
次に、随時計測される薬液pHが、既に設定されている停止目安pHとなった段階で、混合槽31へのB液の投入を停止する(B液投入停止工程(ステップS108))。B液投入停止後も、混合槽31内の撹拌と薬液pHの計測を継続し、一定時間が経過して薬液pHが一定値に収斂した段階で薬液の製造を終了する。一定値に収斂した薬液pHは目標pHとなっており、所定量の目標pHの薬液が製造される。
以上で説明する薬液製造方法によれば、pH変化傾向特定工程にてB液の投入停止後の薬液pHの変化傾向を特定しておき、薬液pHが、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された停止目安pHとなった段階でB液の投入を停止することにより、B液投入に用いられているポンプ停止後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
<第2実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法>
次に、図7乃至図12を参照して、第2実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法の一例について説明する。ここで、図7は、第2実施形態に係る薬液製造システムを構成する制御装置の機能構成の一例を示す図である。また、図8は、B液の投入速度を低減した際の薬液pHの変化に関する実験結果を示す図であり、図9は、一次投入から三次投入まで三段階に投入速度を切替える制御において、速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であって、図9(a)は、三次投入の際(二次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であり、図9(b)は、二次投入の際(一次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図である。さらに、図12は、第2実施形態に係る薬液製造方法の一例のフローチャートである。
図7に示すように、薬液製造システム60Aを構成する制御装置50Aは、CPU51によるプログラムの実行により、少なくとも、計測データ取得部502、pH変化傾向特定部504A、速度切替目安pH設定部512、B液投入速度切替部514,及び格納部510の各種機能を提供する。
計測データ取得部502は、pH計19,28,33により計測されたA液、B液、及び混合液(薬液)のpHに関する計測データを受信し、格納部510に格納する。尚、pH計19,28を備えていない場合は、pH計33により計測された混合液のpHに関する計測データのみが受信される。
pH変化傾向特定部504Aは、A液が所定量投入されている混合装置30に対してB液を随時投入し、B液の段階的な投入速度の低減後の薬液pHの変化傾向を特定する。
ここで、図8は、本発明者等により行われた実験の中で、B液の投入速度を低減した(切替えた)後の、混合槽内の薬液pHの変化傾向(pH落差)を検証した実験結果を示すグラフである。本実験では、混合槽へのB液の投入量が380Lとなった段階でそれまでのB液の投入速度24L/minの低減を開始し、381.5L付近となった段階で2L/minに低減させている。この結果、B液の投入速度が2L/minに到達した直後に薬液pHは顕著に増加し、その後暫くして一定の増加傾向に漸近する傾向が見られた。これは、先行の投入速度24L/min(先行工程)のpH落差によって次の投入速度2L/min(次工程)のB液量増分に対するpH増分が一時的に上昇し、その後にpH落差の影響が収束することにより、投入速度2L/minに応じたpH増加傾向に移行したものと推察される。
そこで、pH変化傾向特定部504Aでは、製造条件に固有の以下の式(Q2)、もしくは式(Q2)を示す図9に基づいて、薬液pHの変化傾向を特定する。尚、以下の式(Q2)も式(Q1)と同様、pH落差補正チャートと称することもできる。
Figure 2022001701
図示例では、B液の投入速度を、一次投入、二次投入、及び三次投入の三段階で低減(切替え)する例を示しており、運用前のキャリブレーションで確認されたB液投入速度切替時の薬液pHと、その後の薬液pHの落差影響が安定した時点での薬液pHの関係を導出している。ここで、図9は、一次投入から三次投入まで三段階に投入速度を切替える制御において、速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であって、図9(a)は、三次投入の際(二次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図であり、図9(b)は、二次投入の際(一次投入完了時)の速度切替目安pHの設定の際に適用されるグラフを示す図である。
速度切替目安pH設定部512は、B液の投入速度を段階的に低減する(切替える)際の目安となる速度切替目安pHを設定する。ここで、速度切替目安pH設定部512では、pH変化傾向特定部504Aにおいて特定された薬液pHの変化傾向に基づいて、目標pHから逆算することにより速度切替目安pHを設定する。例えば、pH変化傾向特定部504Aにおいて作成されている図9に示すグラフを参照して、各切替段階におけるB液投入切替時の薬液pHを特定する。B液投入停止時の目標pH(図示例の三段階の投入速度減速において、最後の三次投入停止の目安となる停止目安pH)を3.32に設定した場合、図9(a)に示すように、二次投入が完了する際の薬液pHが2.56と特定される。そして、図9(b)に示すように、二次投入が完了する際の薬液pHが2.56と特定されている場合において、一次投入が完了する際の薬液pHが2.23と特定される。
格納部510には目標pHが格納されており、この目標pHの薬液を製造するべく、速度切替目安pH設定部512にて特定されたB液投入速度切替時の薬液pHも格納部510に格納される。尚、図示例では、B液の投入速度の切替えを三段階に亘り実行することから、一次投入完了時と二次投入完了時の二つの速度切替目安pHが格納部510に格納される。また、格納部510には、混合槽31に対してB液が随時投入される過程において、計測される薬液pHの計測データが計測データ取得部502にて取得され、格納部510に随時格納される。
B液投入速度切替部514は、格納部510に格納されている目標pHと、随時pHが上昇する薬液pH(計測データ)とを比較し、薬液pHが速度切替目標pHとなった際に、現在駆動している送液ポンプ45,48のいずれか一方の駆動を停止する信号を該当するポンプに送信し、該当するポンプの駆動を停止することにより、混合槽31へ投入されるB液の投入速度を低減する。尚、B液の投入速度の他の低減方法として、送液ポンプ45,48のいずれか一方の送液量を低減する制御が実行されてもよい。この制御においては、例えばポンプ内にある流量弁(図示せず)の開度を調整して開度を小さくすること等により、送液量の低減制御を実行できる。
図示例では、三次投入の終了目安となる薬液pH3.32となった段階でB液の投入を停止する制御を実行し、撹拌機32による撹拌とpH計33による計測と計測データの制御装置50Aへの送信を継続する。そして、計測された薬液pHが一定値に収斂した際に制御装置50Aによる制御を終了する。
制御装置50Aを備えた薬液製造システム60Aによれば、pH変化傾向特定部504AにてB液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際の投入速度の低減後の薬液pHの変化傾向を特定しておき、薬液pHが、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された速度切替目安pHとなった段階で、B液投入速度切替部514がB液の投入速度を低減することにより、B液投入に用いられているポンプによる投入速度低減後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
ここで、B液の投入速度低減制御に関し、薬液pHの上昇に応じたB液の投入速度が本発明者等による検証により具体的に規定されている。このことを、図10及び図11を参照して説明する。ここで、図10は、滴定曲線を説明する図であり、図11は、薬液pHの上昇とB液の投入速度の低減割合との関係を示すグラフである。
作液過程の薬液pHは,図10の概念図に示すように、酸性領域から中性領域にかけての中和滴定曲線に類する傾向を示し、B液の投入が進行して薬液pHが上昇するに従い、B液の投入量に対する薬液pHの増加量は指数関数的に大きくなる。pHの定義と本発明者等による実験結果を示す図11に示す観察事実に基づけば、B液投入速度を一定とした場合、混合液のpH水準が1増加するごとに単位時間当たりのpH増加量は概ね10倍になる。このことから、作液過程の全般に亘り単位時間当たりのpH増加量を安定させながらpH調節の際の精度を確保するには、混合液のpH水準が1増加するごとにB液の投入速度を1/10程度に順次低減することが有効であることが分かった。尚、ここでの「1/10」は、1/10の近傍を含むものであり、1/9乃至1/11程度の範囲が「1/10」に含まれるものとする。
次に、図12を参照して、第2実施形態に係る薬液製造方法の一例について説明する。薬液製造方法では、まず、製造される薬液の目標pHの設定を行う。この目標pHは、薬液製造からゲル化に至るまでの時間(ゲルタイム)に基づいて設定する(以上、目標pH設定工程(ステップS102))。
次に、B液の投入速度を段階的に低減するに当たり、各投入速度軽減後の薬液pHの変化傾向を特定する。既に説明したように、運用前のキャリブレーションで確認されたB液投入速度低減時の薬液pHと実績pHとの関係等に基づき、製造条件に固有の式(Q2)や式(Q2)を示す図9等を特定する。
特定された図9等に示される式(Q2)を参照して、目標pHの薬液を製造するための、各減速段階におけるB液投入速度低減時の薬液pHを特定し、ここで特定された薬液pHを、B液の投入速度を低減する際の目安となる速度切替目安pHとして設定する(以上、pH変化傾向特定工程(ステップS110))。
次に、混合装置30を形成する混合槽31に所定量のA液を投入し、混合槽31にB液を随時投入し、混合槽31内を撹拌機32にて撹拌することにより、薬液を製造する。この薬液製造過程では、混合槽31内に設けられているpH計33により、薬液pHを随時計測する。
投入速度が最も早い(単位時間当たりのB液投入量が最も多い)一次投入の過程で、随時計測される薬液pHが、一次投入完了の目安となる速度切替目安pHとなった段階で、混合槽31へのB液の投入速度を減速し、二次投入に移行する。
次に、二次投入の過程で、二次投入完了の目安となる速度切替目安pHとなった段階で、混合槽31へのB液の投入速度をさらに減速し、三次投入に移行する。
次に、三次投入の過程で、三次投入完了の目安となる速度切替目安pH(ここでは、B液の投入を終了するので、投入停止目安pHとも言う)となった段階で、混合槽31へのB液の投入を停止する(以上、作液計測工程(ステップS112))。
B液投入停止後も、混合槽31内の撹拌と薬液pHの計測を継続し、一定時間が経過して薬液pHが一定値に収斂した段階で薬液の製造を終了する。一定値に収斂した薬液pHは目標pHとなっており、所定量の目標pHの薬液が製造される。
以上で説明する薬液製造方法によれば、pH変化傾向特定工程にてB液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際の投入速度の低減後の薬液pHの変化傾向を特定しておき、薬液pHが、薬液pHの変化傾向に基づいて目標pHから逆算された速度切替目安pHとなった段階でB液の投入速度を低減することにより、B液投入に用いられているポンプによる投入速度低減後に時間差をもって薬液pHが変化した場合でも、高精度に目標pHの薬液を製造することが可能になる。
[B液の投入速度を切替えて薬液を製造する実験]
本発明者等は、B液の投入速度を切替えて薬液を製造する実験を行った。ここで、薬液の製造において、作液過程の薬液pHの水準は、酸性のA液が先行投入された状態のpH=1程度から、アルカリ性のB液を投入し適度なゲルタイムが得られるpH=3〜4程度までが一般的である。本実験は、先行投入されるA液量を400Lとした。
pH=3〜4付近のB液投入速度を数L/minとすることにより、pH調節精度が確保できること、既述するようにpHが1増加するごとのB液の投入速度低減割合が1/10程度であることから、pH=2〜3付近のB液投入速度は数十L/minであり、さらにその前段のpH=1〜2付近のB液投入速度は数百L/minが適切であることが特定できる。そこで、目標pHが3〜4程度の条件の下で薬液を製造する実験を行った。この実験では、汎用的なポンプ能力等を考慮した上で、選定した具体的なB液の投入速度として、一次投入120L/min、二次投入24L/min、三次投入2L/minの三段階の投入速度切替を設定した。この試験条件を図13に示し、試験結果である、経過時間ごとに計測された混合槽内の薬液pHを図14に示す。尚、図14において、二系統の送液管のうち、大容量の送液管のB液第1速度を100L/minとし、小容量の送液管のB液第2速度を24L/minとし、二次投入に切換える際にはB液第1速度の送液を停止し、三次投入に切換える際にはB液第2速度を減速した。
図14に示すように、本実験では、製造過程の全般に亘って薬液pHが急増することがなく、目標pH3の薬液が製造されていることが分かる。この実験結果より、実施形態に係る薬液製造システムと薬液製造方法を適用することにより、目標pHの薬液を高精度に製造できることが実証されている。
尚、既述の内容によれば、B液投入速度の低減段階数は、作液過程の薬液pH水準の変化程度に依拠することから、例えばA液投入時点のpH=1程度で目標pH=2〜3程度の条件の場合に、pH=1〜2程度において一次投入を完了させ、pH=2〜3程度において二次投入を完了させる、二段階の投入速度切替方法を適用することもできる。
また、本実験において適用した三段階のB液投入速度は、先行投入されるA液量に依拠して変化するものであり、例えばA液量が400Lから200Lに半減した場合のB液投入速度は、それぞれ半減された値である、一次投入60L/min、二次投入12L/min、三次投入1L/min程度が適切になるものと推察される。このことに加えて、B液投入速度に関しては、作液過程の全般に亘ってpH調節精度が確保できることを前提として、適宜選択することが可能である。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:A液作液装置
11,12,13:構成材料槽
14:A液撹拌槽
15:A液貯留槽
17,18:撹拌機
17a,18a:モータ
17b、18b:撹拌翼
19:pH計
20:B液作液装置
21,22:構成材料槽
23:B液撹拌槽
24:B液貯留槽
26,27:撹拌機
26a,27a:モータ
26b、27b:撹拌翼
28:pH計
30:混合装置
31:混合槽
32:撹拌機
32a:モータ
32b:撹拌翼
33:pH計
41:A液送液管
42:送液ポンプ(ポンプ)
43:流量計
44,47:B液送液管
45,48:送液ポンプ(ポンプ)
46,49:流量計
50,50A:制御装置
60,60A:薬液製造システム
502:計測データ取得部
504,504A:pH変化傾向特定部
506:停止目安pH設定部
508:B液投入停止部
510:格納部
512:速度切替目安pH設定部
514:B液投入速度切替部

Claims (7)

  1. 酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造方法であって、
    前記薬液の目標pHを設定する、目標pH設定工程と、
    前記B液の投入停止後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定工程と、
    前記薬液の製造の過程で該薬液の前記薬液pHを随時計測する、作液計測工程と、
    前記薬液pHが停止目安pHとなった段階で、前記B液の投入を停止する、B液投入停止工程と、を有し、
    前記停止目安pHは、前記薬液pHの変化傾向に基づいて前記目標pHから逆算することにより設定されることを特徴とする、薬液製造方法。
  2. 前記pH変化傾向特定工程では、製造条件に固有の以下の式(X)に基づいて前記薬液pHの変化傾向を特定することを特徴とする、請求項1に記載の薬液製造方法。
    Figure 2022001701
  3. 酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造方法であって、
    前記薬液の目標pHを設定する、目標pH設定工程と、
    前記B液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際に、投入速度の低減後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定工程と、
    前記薬液pHが速度切替目安pHとなった段階で、前記B液の投入速度を低減することにより前記薬液を製造し、該製造の過程で該薬液の前記薬液pHを随時計測する、作液計測工程と、を有し、
    前記速度切替目安pHは、前記薬液pHの変化傾向に基づいて前記目標pHから逆算することにより設定されることを特徴とする、薬液製造方法。
  4. 前記pH変化傾向特定工程では、製造条件に固有の以下の式(Y)に基づいて前記薬液pHの変化傾向を特定することを特徴とする、請求項3に記載の薬液製造方法。
    Figure 2022001701
  5. 前記作液計測工程では、前記薬液pHが1上昇した際に前記B液の投入速度を1/10に低減することを特徴とする、請求項3又は4に記載の薬液製造方法。
  6. 酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造システムであって、
    前記A液を作液するA液作液装置と、
    前記B液を作液するB液作液装置と、
    投入された前記A液と前記B液を混合して前記薬液を製造する混合槽、及び、該薬液の製造の過程で該薬液の薬液pHを計測するpH計を備えている、混合装置と、
    前記混合槽に対して、前記A液作液装置と前記B液作液装置からそれぞれ前記A液と前記B液を送液するポンプと、
    制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記薬液の目標pHと、随時計測される前記薬液pHとが少なくとも格納される、格納部と、
    前記B液の投入停止後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定部と、
    前記B液の投入を停止する際の目安となる停止目安pHを設定する、停止目安pH設定部と、
    前記薬液pHが前記停止目安pHとなった段階で、前記B液の投入を停止する、B液投入停止部と、を有し、
    前記停止目安pH設定部では、前記pH変化傾向特定部において特定された前記薬液pHの変化傾向に基づいて、前記目標pHから逆算することにより前記停止目安pHを設定することを特徴とする、薬液製造システム。
  7. 酸性溶液であるA液が投入されている混合槽に対して、アルカリ性溶液であるB液を投入して混合することにより、薬液注入工法に適用される薬液を製造する、薬液製造システムであって、
    前記A液を作液するA液作液装置と、
    前記B液を作液するB液作液装置と、
    投入された前記A液と前記B液を混合して前記薬液を製造する混合槽、及び、該薬液の製造の過程で該薬液の薬液pHを計測するpH計を備えている、混合装置と、
    前記混合槽に対して、前記A液作液装置と前記B液作液装置からそれぞれ前記A液と前記B液を送液するポンプと、
    制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記薬液の目標pHと、随時計測される前記薬液pHとが少なくとも格納される、格納部と、
    前記B液の投入速度を段階的に低減しながら該B液を投入する際に、投入速度の低減後の前記薬液pHの変化傾向を特定する、pH変化傾向特定部と、
    前記B液の投入速度を低減する際の目安となる速度切替目安pHを設定する、速度切替目安pH設定部と、
    前記薬液pHが前記速度切替目安pHとなった段階で、前記B液の投入速度を低減する、B液投入速度切替部と、を有し、
    前記速度切替目安pH設定部では、前記pH変化傾向特定部において特定された前記薬液pHの変化傾向に基づいて、前記目標pHから逆算することにより前記速度切替目安pHを設定することを特徴とする、薬液製造システム。
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