JP2022001164A - コイル体 - Google Patents

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Takaya Hashimoto
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Abstract

【課題】コイル体の外径を維持しつつ、内腔が確保された(大きい内径を有する)コイル体を提供する。【解決手段】素線を巻回することにより、中空筒状に形成されたコイル体であって、素線は、金属製の芯材と、芯材の外側を被覆し、かつ、樹脂材料により構成された樹脂層とを備える。コイル体の長手方向に直交する特定断面において、素線の仮想中心点とコイル体中心点とを通る仮想直線と、素線の外縁と、が交わる2つの交点のうち、コイル体中心点との距離が小さい方の交点を内側交点とし、コイル体中心点との距離が大きい方の交点を外側交点としたとき、仮想直線上において、仮想中心点と内側交点との間の距離は、仮想中心点と外側交点との間の距離より小さい。【選択図】図3

Description

本明細書に開示される技術は、コイル体に関する。
従来、例えば、医療用途等の種々の用途に用いられる機器の一部にコイル体が使用されている。一般に、コイル体は、1または複数の素線を巻回することにより構成されている。このようなコイル体として、例えば、植え込み型医療デバイス用リードの内腔に配置された螺旋状のコイル体であって、絶縁コーティングされたコイル体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2015−517383号公報
コイル体は、その内腔に他の部品を挿入して使用されることがある。このように、コイル体の内腔に他の部品を挿入して使用される場合、コイル体の内腔を確保することが要求されることがある。しかしながら、コイル体の内腔を確保するよう素線を巻回すれば、コイル体自体の外径が大きくなり、コイル体を狭いスペースで使用する場合や、上記従来技術のコイル体のように植え込み型医療デバイス用リードの内腔に配置する場合において、コイル体の使用性が低下しうる。このような状況下、コイル体の外径を維持しつつ、内腔が確保された(大きい内径を有する)コイル体が望まれている。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるコイル体は、素線を巻回することにより、中空筒状に形成されたコイル体であって、前記素線は、金属製の芯材と、前記芯材の外側を被覆する樹脂層と、を備え、前記コイル体の長手方向に直交する特定断面において、前記コイル体の中心点であるコイル体中心点を中心とした前記コイル体の外縁の相似形あって、前記素線に重なる円弧の長さが最も長い相似形を仮想円とし、前記仮想円のうち前記素線に重なる円弧を二等分する点を前記素線の仮想中心点として、前記仮想中心点と、前記コイル体中心点とを通る直線を仮想直線とし、前記仮想直線と前記素線の外縁とが交わる2つの交点のうち、前記コイル体中心点との距離が小さい方の交点を内側交点とし、前記コイル体中心点との距離が大きい方の交点を外側交点としたとき、前記仮想直線上において、前記仮想中心点と前記内側交点との間の距離は、前記仮想中心点と前記外側交点との間の距離より小さい。
本コイル体によれば、芯材が樹脂層に被覆されているため、芯材を保護し、ひいては、コイル体の耐久性を向上させることができる。また、本コイル体の素線では、上記特定断面において、仮想中心点と内側交点との間の距離(内側距離)は、仮想中心点と外側交点との間の距離(外側距離)より小さい。すなわち、本コイル体によれば、特定断面において、内側距離が外側距離と同等である素線から構成されたコイル体と比較して、コイル体の外径を維持しつつ、内腔を確保する(内径を大きくする)ことができる。このようなコイル体は、特に、コイル体の内腔に挿入する部品の大きさが大きい場合に、好適に使用されうる。なお、前記素線は、前記芯材の少なくとも前記内側交点を含む表面部分が樹脂層で被覆されていればよく、また前記芯材の前記内側交点及び外側交点を含む表面部分が樹脂層で被覆されていてもよく、更にまた前記芯材の外周面の全体が樹脂層で被覆されていてもよい。
(2)上記コイル体において、前記特定断面において、前記内側交点を含む部分の形状は、直線状、または、前記素線の外部に曲率中心を有する円弧状である構成としてもよい。換言すれば、特定断面において、内側交点を含む部分の素線形状は、コイル体の内腔に向かって突出した形状ではない。このため、本構成によれば、内腔がより効果的に確保されたコイル体を提供することができる。また、例えば、コイル体を構成する素線の形状が円形状である構成では、当該コイル体の内腔に他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される場合、コイル体の内側面(素線)と当該他の部品との接触面積が小さくなり(より具体的には、両者が点接触し)、当該接触部分における接触応力が大きくなる傾向がある。また、当該他の部品とコイル体の内側面の凹凸とが干渉することがある。一方、本コイル体では、コイル体の内側交点を含む部分が、直線状または上記円弧状であるため、素線の形状が円形状であるコイル体と比較して、コイル体の内側面(素線)と当該他の部品との接触面積が大きくなり、当該接触部分における接触応力を低減することができる。また、当該他の部品とコイル体の内側面の凹凸との干渉の発生を低減することができる。このため、本コイル体によれば、コイル体を構成する素線の樹脂層が、上記他の部品との接触に起因して剥がれることを抑制することができ、ひいては、コイル体の耐久性をより効果的に向上することができる。また、当該他の部品をコイル体の内部でより円滑に移動させることができる。
(3)上記コイル体において、前記コイル体は、複数の前記素線が隣り合うように巻回して形成された多条コイル体である構成としてもよい。このため、伸びにくく、かつ、良好な柔軟性を有するコイル体を提供することができる。また、複数の素線の外径や形成材料を異ならせることにより、多様な特性を有するコイル体を提供することができる。
(4)上記コイル体において、前記複数の素線は、前記コイル体の長手方向において、互いに移動可能な状態で接触配置されている構成としてもよい。換言すれば、コイル体を構成する素線は、コイル体に応力がかかっていない状態においては、隣接する素線は互いに接触している。一方、コイル体に応力がかかっている状態(例えば、コイル体がコイル体の軸線方向に伸長するよう引張応力がかかっている状態や、軸線以外の方向に曲げ応力がかかっている状態等)においては、応力の大きさにも依るが、隣接する素線は互いに離間することができる。従って、本コイル体によれば、応力がかかっている状態では、素線同士が離間して、当該応力に従ってコイル体の形状を変形可能とするとともに、応力がかかっていない状態では、素線同士が接触して、例えば、内腔に挿入された他の部品を保護することができる。
(5)上記コイル体において、前記樹脂層を構成する樹脂材料は、フッ素樹脂である構成としてもよい。これにより、隣接する素線同士の潤滑性(摺動性)が向上し、ひいては、良好な柔軟性を有するコイル体を提供することができる。また、樹脂層をフッ素樹脂で構成することにより、コイル体の表面(特には、内側面)における摩擦係数を小さくすることができる。これにより、潤滑性を有する(換言すれば、摺動性の高い)コイル体を提供することができる。従って、本構成によれば、良好な柔軟性および潤滑性を有するコイル体を提供することができる。内側面において潤滑性を有するコイル体は、特に、コイル体の内腔に他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、前記ワイヤロープの凹凸とコイル体の内側面の凹凸との干渉の発生を低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具の円滑な移動を実現することができる。
(6)上記コイル体において、前記コイル体の長手方向視において、前記コイル体の内側面の形状は、前記コイル体中心点を中心とした円形状である構成としてもよい。換言すると、上記コイル体の素線の表面のうち、上記コイル体の中心に最も近い点を含む表面は、前記コイル体中心点を中心とする円の円周上に配置されている構成としてもよい。本構成のコイル体は、特に、コイル体の内腔に円柱状の他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、前記ワイヤロープの凹凸とコイル体の内側面の凹凸との干渉の発生を更に低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具のより円滑な移動を実現することができる。また、本構成によれば、コイル体の回転トルク伝達性を向上させうる。
(7)上記コイル体において、前記中空筒状は、中空円筒状である構成としてもよい。本構成のコイル体では、特に、コイル体の内腔に円柱状の他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、前記ワイヤロープの凹凸とコイル体の内側面の凹凸との干渉の発生を更に低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具のより円滑な移動を実現することができる。また、本構成によれば、コイル体の回転トルク伝達性をより効果的に向上させうる。
(8)上記コイル体において、前記特定断面における前記仮想直線上において、前記内側交点を含む前記樹脂層の厚みは、前記外側交点を含む前記樹脂層の厚みより小さい構成としてもよい。換言すれば、本構成が採用されたコイル体は、内側交点を含む樹脂層の厚みが、外側交点を含む樹脂層の厚みより小さい構成であるため、素線を構成する芯材の外径を小さくすることなく、コイル体の内径を大きくすることができる。コイル体の剛性が、主に、素線を構成する芯材に起因する構成においては、芯材の外径を維持することにより、コイル体の剛性も維持することができる。このため、本構成によれば、コイル体の外径を抑制し、かつ、剛性を維持しつつ、内腔が確保されたコイル体を提供することができる。
(9)上記コイル体において、前記コイル体の長手方向視において(換言すると、前記コイル体の横断面において)、前記芯材の形状は、楕円状である構成としてもよい。これにより、コイル体を構成する、芯材、ひいては、素線の製造が容易になる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、コイル体、コイル体の製造方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態におけるコイル体1の外観構成を示す説明図 第1実施形態におけるコイル体1のYZ特定断面構成を示す説明図 コイル体1のYZ特定断面構成を部分的に示す説明図 第1実施形態におけるコイル体1のXZ特定断面構成を示す説明図 第1実施形態の変形例におけるコイル体1aのYZ特定断面構成を部分的に示す説明図 第2実施形態におけるコイル体1bのYZ特定断面構成を部分的に示す説明図 第3実施形態におけるコイル体1cのYZ特定断面構成を部分的に示す説明図
A.第1実施形態:
A−1.コイル体1の構成:
図1は、第1実施形態におけるコイル体1の外観構成を概略的に示す説明図である。図1には、X軸方向に延びるコイル体1のY軸方向視における外観構成が概略的に示されている。図2は、第1実施形態におけるコイル体1のYZ断面構成を概略的に示す説明図(コイル体1の横断面図)であり、図3は、図2のX1部におけるコイル体1のYZ断面構成を拡大して示す説明図である。図4は、第1実施形態におけるコイル体1のXZ断面構成を概略的に示す説明図(コイル体1の縦断面図)である。以降の説明において、図2に示すコイル体1のYZ断面をYZ特定断面といい、図4に示すコイル体1のXZ断面をXZ特定断面という。なお、各図には、方向を特定するための互いに直行するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、コイル体1の長手方向とX軸方向とが略一致しているが、コイル体1の長手方向がX軸方向とは異なる方向と一致していてもよい。なお、図2から図4において、各図には、各断面構成以外に、X軸方向視またはY軸方向視で視認可能なコイル体1の一部についても便宜上図示している。各断面においてX軸方向は、特許請求の範囲における長手方向の一例であり、YZ特定断面は、特許請求の範囲における特定断面の一例である。図2以降の図についても同様である。第1実施形態のコイル体1は、種々の用途(各種の機械装置、例えば、医療用ロボットに代表される各種の産業用ロボット)に用いられ得る。
図1に示すように、コイル体1は、複数の(本実施形態においては11本の)素線10sが互いに隣り合うように螺旋状に巻回することにより、中空筒状に形成された多条コイル体であり、外周面Soと内周面とSiとを有する。本実施形態において、コイル体1は、軸線OLを中心軸とする円柱状の外形を有し、かつ、その内部に中空部1Hを有する、中空円筒状に形成されている。中空部1Hは、コイル体1の内周面Siによって画定される空間である。本実施形態において、中空部1Hの外形(コイル体1の内周面Si)は、コイル体1と同様に、軸線OLを中心軸とする円柱状である。このため、YZ特定断面を含む任意のYZ断面において、コイル体1の外周面Soおよび内周面Si(中空部1H)の形状は、コイル体中心点Oを中心とした円形状である(図2参照)。なお、本明細書において、「円柱状」および「円筒状」とは、任意のYZ断面におけるコイル体1の外縁Eoおよび中空部1Hの外縁が真円形状であることに限定されず、略円形状であることを含むことを意味する。コイル体1の内周面Siは、特許請求の範囲におけるコイル体の内側面の一例である。
また、本実施形態において、コイル体1を構成する複数の素線10sは、コイル体1の長手方向(図1において、X軸方向)において、互いに移動可能な状態で接触配置されている。換言すれば、コイル体1を構成する各素線10sは、コイル体1に応力がかかっていない状態においては、隣接する各素線10sは互いに接触している。一方、コイル体1に応力がかかっている状態(例えば、コイル体1が軸線OLの方向に伸長するよう引張応力がかかっている状態や、軸線OL以外の方向に曲げ応力がかかっている状態等)においては、応力の大きさにも依るが、隣接する各素線10sは互いに離間することができる。
コイル体1の外径Doは、特に限定されないが、例えば、1.160mmに設定される。コイル体1の内径Diは、特に限定されないが、例えば、0.850mmに設定される。
コイル体1は、上述の通り、複数の(本実施形態においては11本の)素線10sが互いに隣り合うように螺旋状に巻回することにより形成されている。具体的には、コイル体1は、複数の素線10sから構成される1組の素線束10から構成されている。なお、本明細書では、素線束とは、後述の芯金に素線10sを巻回する際における、同一のボビンから繰出される素線10sの群を意味する。素線束10を構成する素線10sの数は、特に限定されないが、コイル体1の強度および柔軟性を向上させる観点から、例えば、6本以上、20本以下であり、好ましくは8本以上、12本以下である。
各素線10sは、YZ特定断面において、略楕円状の形状を有している(図2および図3参照)。YZ特定断面における、素線10sの詳細形状については、後に詳述する。各素線10sの長径Dsaは、特に限定されないが、例えば、0.200mmに設定される。各素線10sの短径Dsiは、特に限定されないが、例えば、0.155mmに設定される。本明細書において、素線10sの長径Dsaおよび短径Dsiは、YZ特定断面における素線10sの各径である。より詳しくは、素線10sの長径Dsaは、第1の仮想円VC1と素線10sの外縁Esoとが交わる2つの交点P1,P2を結ぶ線分CBの長さであり、素線10sの短径Dsiは、仮想線VLに沿った長さである。なお、第1の仮想円VC1は、コイル体中心点Oを中心としたコイル体1の外周面Soの相似形であって、素線10sに重なる円弧CAの長さが最も長い相似形である。仮想線VLは、素線10sの仮想中心点VOとコイル体中心点Oとを通る直線である。ここで、仮想中心点VOは、線分CBを二等分する点である。第1の仮想円VC1は、特許請求の範囲における仮想円の一例であり、仮想線VLは、特許請求の範囲における仮想直線の一例である。
各素線10sは、素線10sの延伸方向Lsに直交する断面において、略真円形状の形状を有している。各素線10sの延伸方向Lsに直交する断面において、各素線10sの直径Ds(図1参照)は、特に限定されないが、例えば、0.155mmに設定される。
図2のYZ特定断面に示すように、本実施形態のコイル体1では、11本の素線10sは、コイル体1の全周にわたって等間隔に配置されている。また、本実施形態のコイル体1では、YZ特定断面において、11本の素線10sは、互いに接するように配置されている。また、図4のXZ特定断面に示すように、本実施形態のコイル体1では、11本の素線10sは、X軸方向において、等間隔に配置されている。また、本実施形態のコイル体1では、XZ特定断面において、11本の素線10sは、互いに接するように配置されている。
図2から図4に示すように、コイル体1を構成する各素線10sは、芯材11と、芯材11の外周面Scoを被覆する樹脂層13とから構成されている。芯材11の外周面Scoは、特許請求の範囲における「芯材の外側」の一例である。
各芯材11は、YZ特定断面において、略楕円状の形状を有している。各芯材11の長径Dcaは、特に限定されないが、例えば、0.181mmに設定される。各芯材11の短径Dciは、特に限定されないが、例えば、0.140mmに設定される。本明細書において、芯材11の長径Dcaおよび短径Dciは、YZ特定断面における芯材11の各径である。より詳しくは、芯材11の長径Dcaは、線分CBに沿った長さであり、芯材11の短径Dciは、仮想線VLに沿った長さである。
各芯材11は、素線10sの延伸方向Lsに直交する断面において、略真円形状の形状を有している。素線10sの延伸方向Lsに直交する断面において、各芯材11の直径は、特に限定されないが、例えば、0.140mmに設定される。
芯材11の形成材料としては、従来公知のいずれの金属材料も使用することができ、特に限定されない。芯材11の形成材料として、例えば、ステンレス合金(SUS302、SUS304、SUS316等)、ニッケル−チタン系合金、ニッケル−クロム系合金、コバルト合金、タングステン等を使用することができる。なお、複数の芯材11の形成材料は、互いに同じ種類であってもよく、また、異なる種類であってもよい。
各樹脂層13は、YZ特定断面において、略楕円環状の形状を有している。YZ特定断面における、樹脂層13の詳細形状については、後に詳述する。各樹脂層13の被覆厚さは、例えば、1μm以上、100μm以下である。当該被覆厚さが、1μm未満であると、樹脂層13にクラックや被覆破れが発生し、芯材11の表面が露出して、素線10s(ひいてはコイル体1)の耐熱性等が向上しにくい傾向がある。また、当該被覆厚さが、100μmを超えると、素線10s(ひいてはコイル体1)の柔軟性が損なわれる傾向がある。当該被覆厚さは、耐熱性等、柔軟性の観点から、1μm以上、80μm以下に設定することができる。本明細書において、樹脂層13の被覆厚さは、YZ特定断面における樹脂層13の被覆厚さである。より詳しくは、樹脂層13の被覆厚さは、仮想中心点VOを通る仮想直線(例えば、仮想線VL)に沿った長さである。
樹脂層13の形成材料としては、従来公知のいずれの樹脂材料も使用することができ、特に限定されない。樹脂層13の形成材料として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂または種々のエラストマー系樹脂等の熱可塑性樹脂、フッ素樹脂等を使用することができる。樹脂材料は、素線10s(ひいてはコイル体1)に、耐熱性、非粘着性、耐摩耗性、低摩擦性、耐薬品性、絶縁性(以下、単に「耐熱性等」ということがある)を付与する観点から、好ましくは、フッ素樹脂を含んでいる。フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)共重合体樹脂等を使用することができる。フッ素樹脂は、高温下における耐熱性に優れ、かつ、低温下における耐摩耗性および低摩擦性に優れる観点から、好ましくは、PTFE樹脂である。なお、樹脂層13は、充填材や着色剤等の他の成分を含んでいてもよい。本実施形態において、樹脂層13の形成材料は、フッ素樹脂である。
A−2.素線10sの詳細構成:
図2および図3を用いて、YZ特定断面における素線10sの形状を詳細に説明する。まず、各図において、素線10sにおける内側交点Piは、仮想線VLと素線10sの外周面Ssoとが交わる交点のうち、コイル体中心点Oとの距離が小さい方の交点であり、外側交点Poは、コイル体中心点Oとの距離が大きい方の交点である。すなわち、外側交点Poとコイル体中心点Oとの間の距離LVoは、内側交点Piとコイル体中心点Oとの間の距離LViより大きい。より具体的には、距離LVoは、距離LViに素線10sの短径Dsiを加えた距離である。
本実施形態におけるコイル体1では、素線10sにおける樹脂層13の内側被覆厚さTiは、外側被覆厚さToより小さい。一方、本実施形態において、素線10sの芯材11における、仮想中心点VOと点Pciとの間の長さと、仮想中心点VOと点Pcoとの間の長さとは、いずれも短径Dci×1/2であり、互いに同等である。このため、素線10sにおける仮想中心点VOと内側交点Piとの間の距離Li(以下、「内側距離Li」ともいう)は、仮想中心点VOと外側交点Poとの間の距離Lo(以下、「外側距離Lo」ともいう)より小さい。本明細書において、内側被覆厚さTiは、仮想線VLに沿った樹脂層13の被覆厚さであって、内側交点Piを含む被覆厚さであり、外側被覆厚さToは、仮想線VLに沿った樹脂層13の被覆厚さであって、外側交点Poを含む被覆厚さである。内側被覆厚さTiは、外側被覆厚さToと比較して、例えば、1μm以上、50μm以下小さい。内側被覆厚さTiの厚さは、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、5μmに設定される。外側被覆厚さToの厚さは、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、10μmに設定される。なお、本実施形態では、素線10sにおける樹脂層13の被覆厚さは、後述の内側部分ASを除いて略均一である。
本実施形態におけるコイル体1では、素線10sの外周面Ssoのうち、中空部1Hに面する部分(すなわち、コイル体1の内周面Siを画定する部分、以下、「内側部分AS」という)は、円弧状の形状を有している。より詳しくは、素線10sの外周面Ssoは、内側部分ASにおいて、コイル体中心点Oを中心とする第2の仮想円VC2に重なる。すなわち、内側部分ASの形状は、素線10sの外部(すなわち中空部1H)に曲率中心を有する円弧状である。なお、内側部分ASは、内側交点Piを含む部分である。なお、内側部分ASは、YZ特定断面において、素線10sの外周面Ssoのうち、内側交点Piを含む線であって、内側交点Piに最も近い2つの屈曲点を両端点とする線と規定することができる。
本実施形態のコイル体1では、コイル体1の長手方向(X軸方向)に直交する任意のYZ断面において、上述のYZ特定断面におけるコイル体1の構成が採用されている。
A−3.コイル体1の製造方法:
次に、本実施形態のコイル体1の製造方法の一例を説明する。はじめに、芯材11が樹脂層で被覆された素線を作製する。
例えば、加圧式押出し被覆方法により、芯材11を樹脂層で被覆することができる。具体的には、まず、樹脂層を形成する樹脂(例えば、フッ素樹脂)を溶融して溶融樹脂を準備して加圧する。加圧した溶融樹脂内に芯材を通過させた後、冷却させることにより、芯材11に樹脂層を形成する。樹脂層で被覆された芯材11を、以下「未加工素線」という。
次いで、未加工コイル体を作製する。未加工コイル体は、例えば、複数の(本実施形態においては11本の)未加工素線を、芯金に巻き付けてコイル状にし、その後、芯金を抜き出すことにより作製することができる。
最後に、コイル体1を作製する。より具体的には、未加工コイル体の内周面に加工を施して、軸線OLを中心軸とする円柱状の中空部1Hの外形(内周面Si)を有するコイル体1を作製する。未加工コイル体の内周面の加工方法は、特に限定されないが、例えば、内面研削盤等を用いて、未加工コイル体の内周面を研削する方法を採用することができる。以上の製造方法により、上述した構成のコイル体1が製造される。
A−4.第1実施形態の効果:
以上説明したように、第1実施形態のコイル体1は、素線10sを巻回することにより、中空筒状に形成されている。素線10sは、金属製の芯材11と、芯材11の外側を被覆する樹脂層13と、を備えている。素線10sのYZ特定断面において、仮想線VL上における内側距離Liは外側距離Loより小さい。
本実施形態のコイル体1によれば、芯材11が樹脂層13に被覆されているため、芯材11を保護し、ひいては、コイル体1の耐久性を向上させることができる。また、本実施形態のコイル体1の素線10sでは、YZ特定断面において、内側距離Liは外側距離Loより小さい。すなわち、本実施形態のコイル体1によれば、YZ特定断面において、内側距離Liが外側距離Loと同等である素線から構成されたコイル体と比較して、コイル体1の外径Doを維持しつつ、内腔(中空部1H)を確保する(内径Diを大きくする)ことができる。このようなコイル体1は、特に、コイル体1の内腔(中空部1H)に挿入する部品の大きさが大きい場合に、好適に使用されうる。
本実施形態のコイル体1は、YZ特定断面において、素線10sにおける内側部分ASの形状が、素線10sの外部(中空部1H)に曲率中心を有する円弧状である。換言すれば、YZ特定断面において、内側部分ASの素線形状は、コイル体1の内腔(中空部1H)に向かって突出した形状ではない。このため、本実施形態のコイル体1によれば、内腔(中空部1H)がより効果的に確保されたコイル体1を提供することができる。また、例えば、コイル体を構成する素線の形状が円形状である構成では、当該コイル体の内腔に他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される場合、コイル体の内側面(素線)と当該他の部品との接触面積が小さくなり(より具体的には、両者が点接触し)、当該接触部分における接触応力が大きくなる傾向がある。また、当該他の部品とコイル体の内側面の凹凸とが干渉することがある。一方、本実施形態のコイル体1では、コイル体1の内側部分ASが上記円弧状であるため、素線の形状が円形状であるコイル体と比較して、コイル体1の内周面Si(素線10s)と当該他の部品との接触面積が大きくなり、当該接触部分における接触応力を低減することができる。また、当該他の部品とコイル体1の内側面の凹凸との干渉の発生を低減することができる。このため、本実施形態のコイル体1によれば、コイル体1を構成する素線10sの樹脂層13が、上記他の部品との接触に起因して剥がれることを抑制することができ、ひいては、コイル体1の耐久性をより効果的に向上することができる。また、当該他の部品をコイル体の内部でより円滑に移動させることができる。
本実施形態のコイル体1は、複数の素線10sが隣り合うように巻回して形成された多条コイル体である。このため、伸びにくく、かつ、良好な柔軟性を有するコイル体1を提供することができる。また、複数の素線10sの外径や形成材料を異ならせることにより、多様な特性を有するコイル体1を提供することができる。
本実施形態のコイル体1において、複数の素線10sは、コイル体1の長手方向(X軸方向)において、互いに移動可能な状態で接触配置されている。換言すれば、コイル体1を構成する素線10sは、コイル体1に応力がかかっていない状態においては、隣接する素線10sは互いに接触している。一方、コイル体1に応力がかかっている状態(例えば、コイル体1がコイル体1の軸線OLの方向に伸長するよう引張応力がかかっている状態や、軸線OL以外の方向に曲げ応力がかかっている状態等)においては、応力の大きさにも依るが、隣接する素線10sは互いに離間することができる。従って、本実施形態のコイル体1によれば、応力がかかっている状態では、素線10s同士が離間して、当該応力に従ってコイル体1の形状を変形可能とするとともに、応力がかかっていない状態では、素線10s同士が接触して、例えば、内腔(中空部1H)に挿入された他の部品を保護することができる。
本実施形態のコイル体1において、樹脂層13を構成する樹脂材料は、フッ素樹脂である。これにより、隣接する素線10s同士の潤滑性(摺動性)が向上し、ひいては、良好な柔軟性を有するコイル体1を提供することができる。また、樹脂層13をフッ素樹脂で構成することにより、コイル体1の表面(特には、内周面Si)における摩擦係数を小さくすることができる。これにより、潤滑性を有する(換言すれば、摺動性の高い)コイル体1を提供することができる。従って、本実施形態のコイル体1によれば、良好な柔軟性および潤滑性を有するコイル体1を提供することができる。内周面Siにおいて潤滑性を有するコイル体1は、特に、コイル体1の内腔(中空部1H)に他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、上記ワイヤロープの凹凸とコイル体1の内側面の凹凸との干渉の発生を低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具の円滑な移動を実現することができる。
本実施形態のコイル体1において、コイル体1の長手方向視(X軸方向視)において、コイル体1の内周面Siの形状は、コイル体中心点Oを中心とした円形状である。換言すると、コイル体1の素線10sの表面(外周面Sso)のうち、コイル体1の中心に最も近い点(内側交点Pi)を含む表面は、コイル体中心点Oを中心とする円(第2の仮想円VC2)の円周上に配置されている。このため、特に、コイル体1の内腔に円柱状の他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、上記ワイヤロープの凹凸とコイル体1の内側面の凹凸との干渉の発生を更に低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具のより円滑な移動を実現することができる。また、本実施形態のコイル体1によれば、コイル体1の回転トルク伝達性を向上させうる。
本実施形態のコイル体1において、中空筒状は、中空円筒状である。このため、特に、コイル体1の内腔に円柱状の他の部品(例えば、鉗子などの各種機械器具を駆動するためのワイヤロープなど)を挿入して使用される機器(例えば、医療用ロボット)に使用されうる。これにより、例えば、上記ワイヤロープの凹凸とコイル体1の内側面の凹凸との干渉の発生を更に低減することができ、ワイヤロープを介した鉗子などの各種機械器具のより円滑な移動を実現することができる。また、本実施形態のコイル体1によれば、コイル体1の回転トルク伝達性をより効果的に向上させうる。
本実施形態のコイル体1において、YZ特定断面における仮想線VL上において、素線10sにおける内側被覆厚さTiは外側被覆厚さToより小さい。換言すれば、本実施形態のコイル体1は、内側被覆厚さTiが外側被覆厚さToより小さい構成であるため、素線10sを構成する芯材11の外径を小さくすることなく、コイル体1の内径Diを大きくすることができる。コイル体1の剛性が、主に、素線10sを構成する芯材11に起因する構成においては、芯材11の外径を維持することにより、コイル体1の剛性も維持することができる。このため、本実施形態のコイル体1によれば、コイル体1の外径Doを抑制し、かつ、剛性を維持しつつ、内腔(中空部1H)が確保されたコイル体1を提供することができる。
本実施形態では、コイル体1の長手方向視(X軸方向視)において、芯材11の形状は、楕円状である。これにより、コイル体1を構成する、芯材11、ひいては、素線10sの製造が容易になる。
A−5.第1実施形態の変形例:
本発明のコイル体は、上述の方法とは異なる方法によっても規定することができる。すなわち、第1実施形態のコイル体1と同等の構成を有する本変形例のコイル体1aの構成は、次に示す方法によっても規定されうる。図5を用いて、以下に詳細に説明する。図5は、コイル体1aにおける図3に相当する部分のYZ特定断面構成である。以下では、上述した第1実施形態のコイル体1の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
本変形例において、コイル体1aを構成する素線10sは、素線10sの仮想領域VAにおいて、欠損部LAが欠損している形状である。ここで、仮想領域VAは、素線10sの外側外縁部Epoと仮想内側外縁部Epiとから形成される領域である。外側外縁部Epoは、素線10sの外縁Esoの一部であって、線分CBで分割したときの、コイル体1aにおける外側部分に位置する外縁である。仮想内側外縁部Epiは、線分CBを対称軸SLとして、外側外縁部Epoを反転させることにより形成される外縁である。欠損部LAは、仮想領域VAにおいて、特定点SPを含む一部である。特定点SPは、仮想内側外縁部Epiの外縁上に位置し、かつ、コイル体中心点Oとの距離が最も小さい点である。本変形例のコイル体1aにおいても、素線10sにおける内側部分ASaの形状は、第1実施形態のコイル体1における内側部分ASと同様に、素線10sの外部(すなわち中空部1H)に曲率中心を有する円弧状である。
上述したように、本変形例のコイル体1aは、YZ特定断面において、コイル体1aの中心点であるコイル体中心点Oを中心としたコイル体1aの外縁Eoの相似形あって、素線10sに重なる円弧の長さが最も長い相似形を第1の仮想円VC1とし、第1の仮想円VC1と素線10sの外縁Esoとが交わる2つの交点P1,P2を結ぶ線分CBを二等分する点を素線10sの仮想中心点VOとして、仮想中心点VOと、コイル体中心点Oとを通る直線を仮想線VLとし、素線10sの外縁Esoの一部であって、線分CBで分割したときの、コイル体1aにおける外側部分に位置する外縁を外側外縁部Epoとし、外側外縁部Epoと、線分CBを対称軸SLとして、外側外縁部Epoを反転させることにより形成される仮想内側外縁部Epiと、から形成される領域を仮想領域VAとし、仮想内側外縁部Epiの外縁上に位置し、かつ、コイル体中心点Oとの距離が最も小さい点を特定点SPとしたとき、素線10sの形状は、仮想領域VAにおいて、特定点SPを含む一部(欠損部LA)が欠損している形状である。このため、本変形例の1aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、本変形例のコイル体1aによれば、YZ特定断面において、仮想領域VAを占める素線から構成されたコイル体と比較して、コイル体1aの外径Doを維持しつつ、内腔(中空部1H)を確保する(内径Diを大きくする)ことができる。
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態のコイル体1bにおける図3に相当する部分のYZ特定断面構成である。以下では、第2実施形態のコイル体1bの構成のうち、上述した実施形態および変形例のコイル体1,1aの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。第2実施形態のコイル体1bは、少なくとも1のYZ断面において、以下の構成を有している。
図6に示すように、第2実施形態のコイル体1bを構成する素線10sbは、芯材11と樹脂層13bとから構成されている。第2実施形態のコイル体1bは、YZ特定断面における内側部分ASbの形状が、第1実施形態のコイル体1と異なっている。具体的には、第2実施形態のコイル体1bにおいて、YZ特定断面における内側部分ASbの形状は直線状である。本実施形態では、YZ特定断面において、コイル体1bの中空部1Hの形状は、多角形状である。
本実施形態のコイル体1bにおいても、第1実施形態のコイル体1と同様に、素線10sbにおける樹脂層13bの内側被覆厚さTi(本実施形態において、内側交点Pibを含む被覆厚さ)は、外側被覆厚さToより小さい。また、本実施形態においても、第1実施形態のコイル体1と同様に、素線10sbの芯材11における、仮想中心点VOと点Pciとの間の長さと、仮想中心点VOと点Pcoとの間の長さとは、いずれも短径Dci×1/2であり、互いに同等である。このため、本実施形態のコイル体1においても、素線10sbにおける内側距離Liは、外側距離Loより小さい。従って、本実施形態のコイル体1bによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、素線10sbにおける樹脂層13bの被覆厚さは、後述の内側部分ASを除いて略均一である。
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態のコイル体1cにおける図3に相当する部分のYZ特定断面構成である。以下では、第3実施形態のコイル体1cの構成のうち、上述した実施形態および変形例のコイル体1,1a,1bの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図7に示すように、第3実施形態のコイル体1cを構成する素線10scは、芯材11cと樹脂層13cとから構成されている。第3実施形態のコイル体1cは、YZ特定断面における、素線10scを構成する芯材11cの形状が、第1実施形態のコイル体1と異なっている。具体的には、第3実施形態のコイル体1cでは、芯材11cの外周面Scoのうち、素線10scの内側部分AScに対向する部分(以下、「内側部分ACc」ともいう)は、内側部分AScと同様に、円弧状の形状を有している。より詳しくは、芯材11cの外周面Scoは、内側部分ACcにおいて、コイル体中心点Oを中心とする第3の仮想円VC3に重なる。
本実施形態におけるコイル体1cでは、素線10scにおける樹脂層13cの内側被覆厚さTiは、外側被覆厚さToと同等である。本実施形態では、素線10scにおける樹脂層13cの被覆厚さは、略均一である。一方、本実施形態において、素線10scの芯材11cにおける、仮想中心点VOと点Pciとの間の長さは、仮想中心点VOと点Pcoとの間の長さより小さい。このため、素線10scにおける内側距離Liは、外側距離Loより小さい。従って、本実施形態のコイル体1bによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
D.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態のコイル体1は、複数の素線10sから構成されているが、コイル体は1本の素線10sから構成されていてもよい。また、上記実施形態のコイル体1を構成する素線10sの数は11本であるが、これに限定されず、2本〜10本または12本以上であってもよい。
上記実施形態のコイル体1は、コイル体1が円筒状の中空部1Hを有する、中空円筒状に形成されているが、これに限定されず、コイル体が楕円柱や多角柱等の形状の中空部を有するよう形成されていてもよい。
上記実施形態のコイル体1は、コイル体1を構成する複数の素線10sが、コイル体1の長手方向(X軸方向)において、互いに移動可能な状態で接触配置されているが、これに限定されず、コイル体1に応力がかかっていない状態において、複数の素線10sが互いに、または、少なくとも一方側に隣り合う素線10sと接触していなくてもよい。
上記実施形態のコイル体1において、YZ特定断面における素線10sは、略楕円状の形状を有している構成としたが、これに限定されず、他の形状であってもよい。例えば、円形状、多角形状等であってもよい。
上記実施形態のコイル体1において、YZ特定断面における芯材11は、略楕円状の形状を有している構成としたが、これに限定されず、他の形状であってもよい。例えば、円形状、多角形状等であってもよい。
上記実施形態のコイル体1において、芯材11および樹脂層13の形成材料は、適宜選択することができる。
上記実施形態のコイル体1を構成する素線10sでは、芯材11の外周面Scoの全体が樹脂層13で被覆されている構成としたが、これに限定されない。例えば、コイル体1を構成する少なくとも1本の素線には、芯材11の少なくとも内側交点Piを含む表面部分が樹脂層で被覆されている構成や、芯材11の内側交点Piおよび外側交点Poを含む表面部分が樹脂層で被覆されている構成が採用されていてもよい。
上記実施形態のコイル体1の製造方法は、上述の製造方法に限定されない。例えば、未加工コイル体を作製する際、すなわち、複数の素線を芯金に巻き付けてコイル状にする際に、当該コイル体を締め込む等により加圧変形させ及び/又は加熱により変形させて、円弧状等の内側部分ASが形成されたコイル体1を製造することとしてもよい。
1:コイル体 1H:中空部 1a:コイル体 1b:コイル体 1c:コイル体 10:素線束 10s:素線 10sb:素線 10sc:素線 11:芯材 11c:芯材 13:樹脂層 13b:樹脂層 13c:樹脂層 ACc:内側部分 AS:内側部分 ASa:内側部分 ASb:内側部分 ASc:内側部分 LA:欠損部 Li:内側距離 Lo:外側距離 Ls:延伸方向 O:コイル体中心点 OL:軸線 Pi:内側交点 Po:外側交点 SL:対称軸 SP:特定点 Sco:外周面 Si:内周面 So:外周面 Sso:外周面 Ti:内側被覆厚さ To:外側被覆厚さ VC1:第1の仮想円 VC2:第2の仮想円 VC3:第3の仮想円 VL:仮想線 VO:仮想中心点

Claims (9)

  1. 素線を巻回することにより、中空筒状に形成されたコイル体であって、
    前記素線は、金属製の芯材と、前記芯材の外側を被覆し、かつ、樹脂材料により構成された樹脂層と、を備え、
    前記コイル体の長手方向に直交する特定断面において、
    前記コイル体の中心点であるコイル体中心点を中心とした前記コイル体の外縁の相似形あって、前記素線に重なる円弧の長さが最も長い相似形を仮想円とし、
    前記仮想円と前記素線の外縁とが交わる2つの交点を結ぶ線分を二等分する点を前記素線の仮想中心点として、前記仮想中心点と、前記コイル体中心点とを通る直線を仮想直線とし、
    前記仮想直線と前記素線の外縁とが交わる2つの交点のうち、前記コイル体中心点との距離が小さい方の交点を内側交点とし、前記コイル体中心点との距離が大きい方の交点を外側交点としたとき、
    前記仮想直線上において、前記仮想中心点と前記内側交点との間の距離は、前記仮想中心点と前記外側交点との間の距離より小さい、
    コイル体。
  2. 請求項1に記載のコイル体であって、
    前記特定断面において、前記内側交点を含む部分の形状は、直線状、または、前記素線の外部に曲率中心を有する円弧状である、
    コイル体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコイル体であって、
    前記コイル体は、複数の前記素線が隣り合うように巻回して形成された多条コイル体である、
    コイル体。
  4. 請求項3に記載のコイル体であって、
    前記複数の素線は、前記コイル体の長手方向において、互いに移動可能な状態で接触配置されている、
    コイル体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコイル体であって、
    前記樹脂材料は、フッ素樹脂を含む、
    コイル体。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のコイル体であって、
    前記コイル体の長手方向視において、前記コイル体の内側面の形状は、前記コイル体中心点を中心とした円形状である、
    コイル体。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のコイル体であって、
    前記中空筒状は、中空円筒状である、
    コイル体。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のコイル体であって、
    前記特定断面における前記仮想直線上において、前記内側交点を含む前記樹脂層の厚みは、前記外側交点を含む前記樹脂層の厚みより小さい、
    コイル体。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のコイル体であって、
    前記コイル体の長手方向視において、前記芯材の形状は、楕円状である、
    コイル体。
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