JP2021535796A - ヘアケア電気器具を制御する方法 - Google Patents

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Abstract

ヒータ(14)を含むヘアケア電気器具(10)を制御する方法(100,200)を提供する。方法は、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、において、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することを含む。

Description

本発明は、ヘアケア電気器具を制御する方法に関し、さらに詳細には、ヒータ含むヘアケア電気器具を制御する方法に関する。
ヘアケア電気器具、例えば、ヘアドライヤ又は高温スタイリングブラシは、典型的には、電気器具の中を通る空気流を加熱するヒータを含む。
国際公開第WО2017/098200
ヘアケア電気器具のヒータを制御することによって、電気器具によって出力される空気の温度を所望のレベルに保つことが以前から提案されてきた。
本発明の第1の側面によれば、ヒータを含むヘアケア電気器具を制御する方法が提供され、かかる方法は、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含む。
本発明の第1の側面による方法は、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含む方法として主に有利である。
特に、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することは、例えば、測定された出力温度と所望の出力温度の比較だけに基づいて制御信号を出力するシステムよりも、応答が速く且つ/又は正確なシステムを提供する。制御信号が、測定された出力温度と所望の出力温度の比較だけに基づいて出力される場合、ヒータの構成要素の熱的マスにより、大きい時間遅れが生じることがある。大きい時間遅れがあると、所望の温度よりも大きいオーバーシュートを生じさせることがある。本発明の第1の側面による方法は、ヒータ温度を予測することによって、任意の時間遅れを減少させ、かくして、使用中に生じる温度のオーバーシュートのおそれを減少させる。予想ヒータ温度を予測することはまた、ヒータ温度を測定する必要を回避することができ、このことは、追加の温度センサを使用する必要をなくし、したがって、少ない追加コストで又は追加コストなしに、比較的応答が速く且つ/又は比較的正確なシステムを達成することができる。
予想ヒータ温度を予測することは、ヒータパラメータ、例えば、ヒータ構成要素の熱的な係数等の予め定められたシミュレーション、マップ、又はルックアップテーブルを利用することを含むのがよい。予想ヒータ温度を予測することは、測定された出力空気温度に対する予想ヒータ温度が予め記憶されたルックアップテーブルを利用することを含むのがよい。このことは有利であり、その理由は、ヘアケア電気器具のコントローラがリアルタイム計算を実行する必要をなくし、それにより、任意の遅れを減少させ且つ温度のオーバーシュートのおそれを減少させるからである。
方法は、測定された出力空気温度を使用して、予想ヒータ温度を予測するのがよい。測定された出力空気温度を使用して、予想ヒータ温度を予測することは、ヒータの温度を測定する追加の温度センサを利用する必要を回避し、したがって、追加のコスト及び/又は追加の温度センサを含む複雑さを回避することができる。すでに測定されたパラメータ、すなわち、測定された出力空気温度を利用することによって、少ない追加コストで又は追加コストなしに、比較的応答が速く且つ/又は比較的正確であるシステムを達成することができる。
制御信号は、ヒータに供給される電力を調整するための電力制御信号を含むのがよい。制御信号は、ヒータタイミングパラメータ、例えば、いつ及び又はどのくらいの期間、電力がヒータに供給されるかを定めるパラメータを含むのがよい。制御信号は、デューティサイクル、例えば、電力供給波形のサイクルのうちの電力がヒータに供給されるパーセントを含んでいてもよい。制御信号は、位相角度、例えば、ヒータのスイッチが電力をヒータに導通させ始めるときの電力供給波形の角度を含んでいてもよい。制御信号は、スイッチ、例えば、ヒータのトライアックを制御するのがよい。
方法は、更に、予想ヒータ温度が所望のヒータ温度よりも低いとき、ヒータに供給される電力を増大させることと、及び/又は、予想ヒータ温度が所望のヒータ温度よりも高いとき、ヒータに供給される電力を減少させることと、を含むのがよい。
測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することは、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の差に相当する誤差値を計算することと、誤差値をオフセットするように所望のヒータ温度を計算することと、を含むのがよい。測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することは、第1の制御補償器を利用すること、例えば、第1のPI(比例積分)コントローラを利用することを含むのがよい。第1の制御補償器は、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の差である誤差値に対応する入力を含み、誤差値をオフセットさせる所望のヒータ温度を計算するのがよい。
予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することは、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の差に相当する誤差値を計算することと、誤差値をオフセットするように制御信号を計算することと、を含むのがよい。予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することは、第2の制御補償器を利用すること、例えば、第2のPIコントローラを利用することを含むのがよい。第2の制御補償器は、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の差である誤差値に対応する入力を含み、誤差値をオフセットさせる制御信号を計算するのがよい。
第1の制御補償器の出力は、第2の制御補償器の入力を含むのがよい。第1の制御補償器及び第2の制御補償器は、カスケード制御システム、例えば、カスケードPI制御システムを含むのがよい。
方法は、第1の制御ループと第2の制御ループを含み、第1の制御ループは、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することを含み、第2の制御ループは、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含むのがよい。
第1の制御ループは、外側制御ループを含み、第2の制御ループは、内側制御ループを含むのがよい。第1の制御ループは、第2の制御ループよりも遅いのがよい。
ヒータは、ヒータトレースを含み、方法は、更に、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータトレース温度を決定することと、予測ヒータトレース温度を予測することと、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度を比較することと、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度の比較に基づいて、制御信号を出力することを含むのがよい。このことは有利であり、その理由は、温度センサをヒータトレースの上に又はそれに近接させて配置することが、例えば、断熱の必要性及び製造可能性により、難しいからである。かくして、予測ヒータトレース温度を予測することによって、温度センサをヒータトレースの上に又はそれに近接させて配置することを試みる必要を回避する。
予測ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気温度を使用して、予測ヒータトレース温度を予測することを含むのがよい。このことは有利であり、その理由は、予測ヒータトレース温度を予測する更なる温度センサを導入する必要を回避することができるからである。
ヒータは、ヒートシンクを含み、予測ヒータトレース温度を予測することは、測定されたヒートシンク温度を使用することを含むのがよい。このことは、例えば、測定された出力空気温度を使用することよりも有利であり、その理由は、空気流は、温度測定の正確さに影響を及ぼすことがあり、かくして、測定されたヒートシンク温度を使用することにより、比較的正確な予測ヒータトレース温度を提供することができるからである。
ヒータは、ヒータトレースが取付けられたセラミックプレートを含み、予測ヒータトレース温度を予測することは、測定されたセラミックプレート温度を使用することを含むのがよい。このことは、例えば、測定された空気出力温度を使用することよりも有利であり、その理由は、空気流は、温度測定の正確さに影響を及ぼすことがあり、かくして、測定されたセラミックプレート温度を使用することにより、比較的正確な予測ヒータトレース温度を提供することができるからである。更に、セラミックプレートは、例えば、熱的な安全上の理由で、既存の温度センサを含み、したがって、測定されたセラミックプレート温度を使用することにより、追加の温度センサのコスト及び/又は複雑さを生じさせることなしに、比較的正確な予測ヒータトレース温度を提供することができる。
ヒータは、複数のヒータトレースを含み、方法は、更に、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望の平均ヒータトレース温度を決定することと、予想平均ヒータトレース温度を予測することと、予想平均ヒータトレース温度と所望の平均ヒータトレース温度を比較することと、予想平均ヒータトレース温度と所望の平均ヒータトレース温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含むのがよい。予想平均ヒータトレース温度を予測することは、有利であり、その理由は、多数の個々の温度センサを、例えば、複数のヒータトレースに1つずつ使用する必要を回避することができるからである。このことは、ヒータトレースごとに温度センサを必要とする構成よりも、コストを減少させることができる。
予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気温度を使用して、予想平均ヒータトレース温度を予測することを含むのがよい。このことは有利であり、その理由は、予想平均ヒータトレース温度を予測する更なる温度センサを導入する必要を回避することができるからである。
ヒータは、ヒートシンクを含み、予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定されたヒートシンク温度を使用することを含むのがよい。このことは、測定された空気出力温度を使用することよりも有利であり、その理由は、空気流が、温度測定の正確さに影響を及ぼすことがあり、かくして、測定されたヒートシンク温度を使用することにより、比較的正確な予想平均ヒータトレース温度を提供することができるからである。
ヒータは、ヒータトレースが取付けられたセラミックプレートを含み、予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定されたセラミックプレート温度を使用することを含むのがよい。このことは、例えば、測定された空気出力温度を使用することよりも有利であり、その理由は、空気流は、温度測定の正確性に影響を及ぼすことがあり、測定されたセラミックプレート温度を使用することは、比較的正確な予想平均ヒータトレース温度を提供することができるからである。更に、セラミックプレートは、例えば熱的な安全の理由で、予め存在している温度センサを含むのがよく、かくして、測定されたセラミックプレート温度を使用することにより、コストを生じさせることなしに且つ/又は追加の温度センサの複雑さを発生させることなしに、比較的正確な予想平均ヒータトレース温度を提供することができる。
制御信号は、ヒータトレースに供給される電力を調整する電力制御信号を含むのがよい。制御信号は、各ヒータトレースに供給される電力を調整して、各ヒータトレースに供給される電力が実質的に同じになるようにし、例えば、各ヒータトレースに供給される電力を、実質的に同じ量だけ増大させたり減少させたりする。
本発明の更なる側面によれば、データキャリアが提供され、かかるデータキャリアは、ヘアケア電気器具のコントローラの1又は2以上のプロセッサの作動のための機械読取り可能な指示を含み、かかる指示は、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含む。
本発明の更なる側面によれば、ヘアケア電気器具が提供され、かかるヘアケア電気器具は、ヒータと、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定する温度センサと、コントローラと、を含み、かかるコントローラは、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を行うように構成される。
ヘアケア電気器具は、例えば、ヘアドライヤ又は高温スタイリングブラシを含む。
本発明の各側面の好ましい特徴は、適当であれば、本発明の他の側面に等しく適用されてもよい。
本発明を更によく理解するために、及び、本発明がどのように実施されるのかをより明瞭に示すために、添付図面を参照して、本発明を例示として説明する。
本発明によるヘアケア電気器具の概略断面図である。 図1のヘアケア電気器具のヒータの概略図である。 本発明によるヘアケア電気器具を制御する方法の第1の実施形態を示す流れ図である。 図2のヒータの概略図を簡単化した第1の図である。 3つの流量について平均出力空気流温度に対する熱伝達係数をプロットした図である。 図5aのプロットの曲線近似プロットの図である。 図3の方法の部分的な制御ブロックダイアグラムである。 図6aの部分的な制御ブロックダイアグラムを簡略化した図である。 図3の方法の第1の制御ブロックダイアグラムである。 本発明によるヘアケア電気器具を制御する方法の第2の実施形態を示す流れ図である。 図2のヒータの概略図を簡単化した第2の図である。 図8の方法の第1の制御ブロックダイアグラムである。
全体的に10で指示されるヘアドライヤの形態のヘアケア電気器具を、図1に概略的に示す。ヘアドライヤ10は、モータ12と、ヒータ14と、コントローラ16を含む。モータ12の詳細は、本発明と関係ないので、簡潔のために、モータの詳細を本明細書に含めないが、モータ12は、使用中、ヘアドライヤ10の中を通る空気流を発生させることを述べておく。適当なモータ12は、例えば、特許文献1に開示されているモータである。
ヒータ14を図2に図式的かつ概略的に示し、ヒータ14は、3つのヒータトレース18、20、22と、セラミックヒータプレート24と、抵抗温度検出器(RTD)26と、ヒートシンク28を含む。3つのヒータトレース18、20、22は、タングステンで形成され、セラミックヒータプレート24の上に位置している。抵抗温度検出器(RTD)26は、セラミックヒータプレート24に連結されるので、抵抗温度検出器(RTD)26は、使用中、セラミックヒータプレート24の温度の測定値を提供することが可能である。抵抗温度検出器(RTD)26はまた、熱安全システムの一部として使用されてもよい。図2では、抵抗温度検出器(RTD)が示されているけれども、当業者は、任意適当な温度センサを使用してもよいことを認識すべきである。ヒートシンク28は、セラミックヒータプレート24に連結されている。
ヒータ14の熱的構造も、図2において概略的に見ることができる。各ヒータトレース18、20、22は、熱的マスm0を有し、セラミックヒータプレート24は、熱的マスm1を有し、ヒートシンク28は、熱的マスm2を有する。各ヒータトレース18、20、22とセラミックヒータプレート24との間の熱伝達係数は、k1で示され、セラミックヒータプレート24とヒートシンク28との間の熱伝達係数は、k2で示され、ヒートシンク28と出力空気流30との間の熱伝達係数は、k3で示される。サーミスター32が、出力空気流30の温度を測定するために、ヘアドライヤ10の出口の近くに配置される。
コントローラ16は、任意適当なコントローラである。コントローラ16によって実行される制御の内容を、後で詳細に説明する。コントローラ16は、ヘアドライヤ10の本体内に配置される。
本発明によるヘアドライヤ10の制御方法100の第1の実施形態を、図3の流れ図から概略的に理解できる。方法100は、102において、ヘアドライヤ10の出力空気流30の温度を測定し、それにより、測定された出力空気流温度を得る。104において、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度を比較し、所望の出力空気流温度は、例えば、ヘアドライヤ10の作動モード、例えば、加熱設定を選択するユーザによって設定される。この比較に基づいて、106において、コントローラ16は、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度との間の任意の差を埋めるように、所望のヒータトレース温度を決定し、108において、コントローラ16は、測定された出力空気流温度に基づいて、ヒータトレース温度を予測する。110において、コントローラ16は、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度を比較し、112において、制御信号をヒータ14のトライアック(図示せず)に出力し、ヒータトレース18、20、22に供給される電力を制御する。このように、方法100は、測定された出力空気流温度によって決定された予測ヒータトレース温度に基づいて、出力空気流温度を、ヒータ温度の閉じた制御を介して、閉じた制御をするのがよい。かくして、方法100は、2つの閉フィードバックループを含み、外側のフィードバックループは、出力空気流温度を制御し、内側のフィードバックループは、ヒータトレース温度を制御する。
上述した方法100は、測定された出力空気流温度を使用してヒータトレース温度を予測可能であることに依存する。このことは、図2の図式的なヒータ構造の簡単化によって達成され、かかる簡単化を図4に示す。特に、計算流体力学(CFD)によるシミュレーションデータを使用して、出力空気流30とセラミックヒータプレート24との間の直接的な関係を得ることが可能であり、これにより、セラミックヒータプレート24と出力空気流30との間の熱伝達係数kc2aを、測定された出力空気流温度と出力空気流量の関数として得ることを可能にする。
システム内のエネルギー損失がないと仮定すれば、kc2aは、式1のように定められ、ここで、Tceramicは、セラミックヒータプレート24の温度であり、Tavgairflowは、平均出力空気流温度である(両方とも℃で測定される)。
Figure 2021535796
3つの異なる空気流量について、Tavgairflowに対するkc2aのプロットを図5aに示す。各流量について、曲線、すなわち、kc2a=k11×Tavgairflow+k12の当てはめを行うことにより、式2〜式4を得る。これらの当てはめ曲線を図5bに示す。
Figure 2021535796
Figure 2021535796
Figure 2021535796
式kc2a=k11×Tavgairflow+k12の曲線の当てはめを行うことによって、係数k11、k12を式5及び式6のように決定することが可能である。ここで、Qは、空気流量(毎秒リットル)である。
Figure 2021535796
Figure 2021535796
これにより、セラミックヒータプレート24と出力空気流30との間の熱伝達係数kc2aのための以下の関係を、測定された出力空気流温度と出力空気流量の関数として得る。
Figure 2021535796
出力空気流温度Tairflowとヒータトレース温度Ttraceとの間の関係を図6aの周波数領域の制御ブロックダイアグラムに見ることができる。この関係は、セラミックヒータプレート24と出力空気流30との間の熱伝達係数kc2aと、ヒータトレース18、20、22とセラミックヒータプレート24との間の熱伝達係数k1の両方に依存する。この関係はまた、ヒータトレース18、20、22の熱的マスm0、セラミックヒータプレート24の熱的マスm1、及び出力空気流30の熱的マスmairに依存する。
この関係を、周波数領域の制御ブロックダイアグラムで図6bに示すように、ヒータトレース18、20、22と出力空気流30との間の等価熱伝達係数kequの導入、及びヒータトレース18、20、22及びセラミックヒータプレート24の等価熱的マスmequの導入によって簡単化される。この場合の等価熱的マスmequは、3m0、すなわち、個別のヒータトレース18、20、22の熱的マスの3倍に設定されるが、必要であれば、等価熱的マスmequを調整してもよい。
等価熱伝達係数kequを、以下のように計算することができる。ヒータトレース温度Ttraceの温度関係及び出力空気流温度Tairflowの温度関係をそれぞれ式8及び式9に示し、ここでsは、微分演算子、例えば、d/dtであり、Pinは、入力電力である。
Figure 2021535796
Figure 2021535796
これら2つの温度関係を組合せると、式10を得る。
Figure 2021535796
微分項をゼロとして処理すると、式11を得る。
Figure 2021535796
かくして、等価熱伝達係数kequを、式12のように誘導することができ、出力空気流温度Tairflowとヒータトレース温度Ttraceの間の関係を、図6bに示すように簡単化することができる。
Figure 2021535796
そして今、TairflowとTtraceとの間の関係の式13を得た。
Figure 2021535796
後退オイラー法s=(1−z-1)/tを使用して、式14のTtraceを、サンプリング時間ごとに計算し、ここで、X(i)は、i番目の瞬間の変数値であり、tsamplingは、アルゴリズムサンプリング時間である。
Figure 2021535796
112において、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度の比較に基づいて制御信号を出力することは、例えば、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度の比較だけに基づいて制御信号を出力するシステムよりも応答性に優れ且つ/又は正確なシステムを提供する。測定された出力空気流温度を使用してヒータトレース温度を予測することによって、ヒータトレース18、20、22の温度を直接測定する追加の温度センサの必要を回避することができる。かくして、より良好なータ制御を、少ない追加コストで又は追加コストなしで達成することができる。更に、個別の温度センサを各ヒータトレース18、20、22に取付けることは、煩わしく、かくして、測定された出力空気流温度を使用してヒータトレース温度を予測することにより、追加の製造の複雑さを回避することができる。
制御構造を、図7においてより詳細に図式的に見ることができる。分かるように、所望の出力空気流温度Tref及び測定された出力空気流温度Tairflowを、第1の補償器34に供給すると、第1の補償器34は、信号を第1のPIコントローラ36に出力する。第1のPIコントローラ36は、所望のヒータトレース温度Ttracerefを第2の補償器38に出力する。また、出力空気流温度Tairflowを、トライアックの測定された入力電力Pinと共に観測器40に供給すると、観測器40は、式14を使用して予測ヒータトレース温度Ttrace_estを第2の補償器38に出力する。第2の補償器38は、信号を第2のPIコントローラ42に出力し、第2のPIコントローラ42は、電力制御信号をトライアックに出力し、それにより、ヒータトレース18、20、22に供給される電力を制御する。
本発明による方法200の変形実施形態を、図8の流れ図から図式的に見ることができる。方法200は、202において、ヘアドライヤ10の出力空気流30の温度を測定し、測定された出力空気流温度を得る。204において、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度とを比較し、所望の出力空気流温度は、例えば、ヘアドライヤ10の作動モード、例えば、加熱設定を選択するユーザによって設定される。この比較に基づいて、206において、コントローラ16は、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度との間の任意の差を埋めるように、所望のヒータトレース温度を決定する。
方法200は、208において、例えば、抵抗温度検出器(RTD)26を使用して、セラミックヒータプレート24の温度を測定し、210において、測定されたセラミックヒータプレート温度を使用して、予測ヒータトレース温度を予測する。212において、コントローラ16は、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度を比較し、214において、制御信号をヒータ14のトライアック(図示せず)に出力して、ヒータトレース18、20、22に供給される電力を制御する。このように、方法200は、測定されたセラミックプレート温度によって決定された予測ヒータトレース温度に基づいて、出力空気流温度を、ヒータ温度の閉じた制御を介して、閉じた制御をするのがよい。かくして、方法200は、2つの閉フィードバックループを含み、外側のフィードバックループは、出力空気流温度を制御し、内側のフィードバックループは、ヒータトレース温度を制御する。
上述した方法200は、測定されたセラミックヒータプレート温度を使用してヒータトレース温度を予測可能であることに依存する。このことは、図2の図式的なヒータ構造の簡単化によって達成され、かかる簡単化を図9に示し、知る必要があるパラメータは、ヒータトレース18、20、22の熱的マスm0、セラミックヒータプレート24の熱的マスm1、及びヒータトレース18、20、22とセラミックヒータプレート24との間の熱伝達係数k1である。
次いで、ヒータトレース温度を測定された出力空気流温度から計算するために上述した仕方と同様の仕方で、ヒータトレース温度を、式15を使用して計算することができる。
Figure 2021535796
後退オイラー法s=(1−z-1)/tを使用して、式16のTtraceを、サンプリング時間ごとに計算し、ここで、X(i)は、i番目の瞬間の変数値であり、tsamplingは、アルゴリズムサンプリング時間である。
Figure 2021535796
214において、予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度の比較に基づいて制御信号を出力することは、例えば、測定された出力空気流温度と所望の出力空気流温度の比較だけに基づいて制御信号を出力するシステムよりも応答性に優れ且つ/又は正確なシステムを提供する。測定されたセラミックプレート温度を使用してヒータトレース温度を予測することによって、ヒータトレース18、20、22の温度を直接測定する追加の温度センサの必要を回避することができる。かくして、より良好なヒータ制御を、少ない追加コストで又は追加コストなしで達成することができる。更に、個別の温度センサを各ヒータトレース18、20、22に取付けることは、煩わしく、かくして、測定された出力空気流温度を使用してヒータトレース温度を予測することにより、追加の製造の複雑さを回避することができる。
測定されたセラミックヒータプレート温度を使用して、ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気流温度を使用して、ヒータトレース温度を予測することよりも有益であり、その理由は、測定されたセラミックヒータプレート温度は、測定された出力空気流温度に影響を及ぼすことがある空気流特性による影響を受けないからである。かくして、測定されたセラミックヒータプレート温度を使用して、ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気流温度を使用して、ヒータトレース温度を予測することよりも、ヒータトレース温度の正確な予測を行うことができる。
制御構造を、図10においてより詳細に図式的に見ることができる。分かるように、所望の出力空気流温度Tref及び測定された出力空気流温度Tairflowを、第1の補償器34に供給すると、第1の補償器34は、信号を第1のPIコントローラ36に出力する。第1のPIコントローラ36は、所望のヒータトレース温度Ttracerefを第2の補償器38に出力する。測定されたセラミックプレート温度を、トライアックの測定された入力電力Pinと共に観測器40に供給すると、観測器40は、式16を使用して、予測ヒータトレース温度Ttrace_estを第2の補償器38に出力する。第2の補償器38は、信号を第2のPIコントローラ42に出力し、第2のPIコントローラ42は、電力制御信号をトライアックに出力し、それにより、ヒータトレース18、20、22に供給される電力を制御する。

Claims (21)

  1. ヒータを含むヘアケア電気器具を制御する方法であって、
    ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、
    予想ヒータ温度を予想することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含む方法。
  2. 制御信号は、ヒータに供給される電力を調整するための電力制御信号を含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、予想ヒータ温度が所望のヒータ温度よりも低いとき、ヒータに供給される電力を増大させることと、及び/又は、予想ヒータ温度が所望のヒータ温度よりも高いとき、ヒータに供給される電力を減少させることと、を含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することは、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の差に相当する誤差値を計算することと、誤差値をオフセットするように所望のヒータ温度を計算することを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することは、第1の制御補償器を利用することを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することは、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の差に相当する誤差値を計算することと、誤差値をオフセットするように制御信号を計算することを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することは、第2の制御補償器を利用することを含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記方法は、第1の制御ループと、第2の制御ループを含み、
    第1の制御ループは、ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することとと、測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することを含み、
    第2の制御ループは、予想ヒータ温度を予測することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することを含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 第1の制御ループは、外側制御ループを含み、第2の制御ループは、内側制御ループを含み、第1の制御ループは、第2の制御ループよりも遅い、請求項8に記載の方法。
  10. 予想ヒータ温度を予測することは、測定された出力空気温度を使用して、予想ヒータ温度を決定することを含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. ヒータは、ヒータトレースを含み、
    前記方法は、更に
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータトレース温度を決定することと、
    予測ヒータトレース温度を予測することと、
    予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度を比較することと、
    予測ヒータトレース温度と所望のヒータトレース温度の比較に基づいて、制御信号を出力することを含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 予測ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気温度を使用して、予測ヒータトレース温度を予測することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. ヒータは、ヒートシンクを含み、
    予測ヒータトレース温度を予測することは、測定されたヒートシンク温度を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. ヒータは、ヒータトレースが取付けられたセラミックプレートを含み、
    予測ヒータトレース温度を予測することは、測定されたセラミックプレート温度を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. ヒータは、複数のヒータトレースを含み、
    前記方法は、更に、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望の平均ヒータトレース温度を決定することと、
    予想平均ヒータトレース温度を予測することと、
    予想平均ヒータトレース温度と所望の平均ヒータトレース温度を比較することと、
    予想平均ヒータトレース温度と所望の平均ヒータトレース温度の比較に基づいて、制御信号を出力することを含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  16. 予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定された出力空気温度を使用して、予想平均ヒータトレース温度を予測することを含む、請求項15に記載の方法。
  17. ヒータは、ヒートシンクを含み、
    予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定されたヒートシンク温度を使用することを含む、請求項15に記載の方法。
  18. ヒータは、ヒータトレースが取付けられたセラミックプレートを含み、
    予想平均ヒータトレース温度を予測することは、測定されたセラミックプレート温度を使用することを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 制御信号は、各ヒータトレースに供給される電力を調整して、各ヒータトレースに供給される電力が同じになるように調整する、請求項15〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. ヘアケア電気器具のコントローラの1又は2以上のプロセッサの作動のための機械読取り可能な指示を含むデータキャリアであって、
    かかる指示は、
    ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、
    予想ヒータ温度を予測することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を含む、データキャリア。
  21. ヘアケア電気器具であって、
    ヒータとヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定する温度センサと、コントローラを含み、
    前記コントローラは、
    ヘアケア電気器具の出力空気の温度を測定して、測定された出力空気温度を得ることと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度を比較することと、
    測定された出力空気温度と所望の出力空気温度の比較に基づいて、所望のヒータ温度を決定することと、
    予想ヒータ温度を予測することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度を比較することと、
    予想ヒータ温度と所望のヒータ温度の比較に基づいて、制御信号を出力することと、を行う、ヘアケア電気器具。
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