JP2021532064A - デンドロビウム・ノビルを含有する組成物およびその使用方法 - Google Patents

デンドロビウム・ノビルを含有する組成物およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

大気汚染により誘導されるダメージからヒト皮膚を予防、処置および/または治癒するための組成物、および該組成物を使用する方法が記載される。一実施形態は、以下の作用:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを低減または予防すること;大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防すること;大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防すること;大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防すること;または大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防すること、のうちの少なくとも1種のために十分な量のデンドロビウム・ノビルの単離された成分または抽出物、および、化粧品として許容される担体または賦形剤を含む、化粧用組成物に関する。【選択図】なし

Description

大気汚染により引き起こされるダメージからヒト皮膚を予防、治療および/または治癒させるための組成物ならびに該組成物の使用方法が記載される。
ヒト皮膚は、身体の外側被覆である。ヒトでは、外皮系の最も大きな器官である。皮膚は、外胚葉性組織の複数の層を有し、その下にある筋肉、骨、靭帯および内部器官を保護する。
皮膚の2種類の主要な層には、角質層、または表皮、および真皮層が含まれる。表皮は、皮膚の最上層または外側の層であり、その主な機能は保護的被覆を提供すること、および内側の水分からの蒸発による水の喪失を抑制することである。表皮は、機械的傷害、外来性の化学物質および汚染物質の侵入、ならびに微生物による攻撃に対して防御する。表皮はまた、紫外線に対する最初の防御を与える。真皮は表皮の下に存在し、皮膚の厚さのうちの90パーセントを構成する。真皮は、コラーゲンおよびエラスチンの密な網状構造を含み、皮膚に強度および弾力性をもたらす。線維芽細胞が真皮中に存在する主要な細胞タイプを構成し、コラーゲン、エラスチン、およびグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸など)をはじめとする皮膚マトリックス成分の合成および分泌を担う。コラーゲンが皮膚に強度を与え、エラスチンは弾力性を与え、グリコサミノグリカンは皮膚の潤いとハリを維持するために機能する。
健康でいるためには、皮膚は、変化する環境条件および大気汚染に対処し、その一方で、皮膚に対するいかなるダメージも同時に修復しなければならない。環境要因および大気汚染は、老化、小じわ、皮膚変色、変性性皮膚状態、および皮膚癌などの皮膚疾患で重要な働きをする。
微粒子および生物分子を含む有害物質が大気中へと導入される場合に、大気汚染が起こる。大気汚染は、ヒトの疾患、アレルギーまたは死亡を生じさせる可能性があり;また、動物および食物作物などの他の生物体に害を及ぼす場合もあり、かつ、自然環境または構築環境を損傷させ得る。ヒトの活動および天然のプロセスの両方が、大気汚染をつくり出す可能性がある。大気汚染への曝露は、皮膚に対して負の作用を有し、これにより、皮膚老化、小じわおよび炎症の形成、およびおそらくは、皮膚癌さえも引き起こす可能性がある。繰り返す大気汚染へのヒト皮膚の曝露は、色素斑および小じわを伴う外因的な皮膚老化を裏付けることが疫学研究で示されている(Vierkoetter et al., J Invest Dermatol, 130 (12):2719-26 (2010))。
日光およびUV照射への曝露もまた、早期老化の症状のうちの90%を占める皮膚ダメージを生じさせる主要な要因である。重要なことに、酸素、日光、および他の環境または生活習慣ストレスへの曝露は、フリーラジカルの形成を誘導する。フリーラジカルは、コラゲナーゼなどのメタロプロテアーゼを活性化することにより小じわを引き起こすことができ、これが皮膚の結合組織(コラーゲンおよびエラスチン)の破壊に寄与する。結果が早期老化である。フリーラジカルダメージはまた、真皮層の厚さの減少も引き起こすことができる。このことにより、皮膚がたるむ場合がある。皮膚のたるみは、老化の最初かつ最も目に見える徴候であり、かつ小じわおよびしわの原因である。
皮膚に影響を及ぼす多数の有害作用に関して、皮膚の外見および状態を改善するための組成物および方法だけでなく、大気汚染物質がヒト皮膚に与える負の結果に対抗し、同時に大気汚染により誘導される皮膚ダメージから皮膚細胞を保護するものに対する要望も存在する。有利なことに、これらの組成物および方法は、任意により、日光およびUV照射ならびに/または他の環境条件に対する皮膚の曝露の負の結果にも対抗するであろう。
天然成分を有効成分として用いる皮膚、毛髪および/または爪に対する抗汚染の利益を提供する、有効な局所塗布される化粧用組成物に対する必要性も残っている。非天然化学合成生成物は、環境的または個人的に安全でないと受け止められる場合がある。対照的に、天然生成物は、純粋で刺激が少なく、かつ化学合成生成物よりも優れていると認識される。植物またはハーブから抽出される天然ベースの生成物は、フリーラジカルダメージの影響を中和することができる抗酸化剤/フリーラジカル捕捉剤を含有すると考えられる。加えて、天然ベースの生成物は、真皮中の損傷された結合組織構造の合成および復元ならびに表皮でのバリア機能を促進する物質を含有することができる。
Vierkoetter et al., J Invest Dermatol, 130 (12):2719-26 (2010)
しかしながら、植物またはハーブなどの「天然」供給源からの化粧上の利益を送達することは、ささやかなことではない。そのような供給源から現実的な利益を誘導するには、抗汚染および/または皮膚改善の利益を賦与するための、具体的な植物/ハーブ抽出物または成分、それらの最小有効濃度、および他の成分との組み合わせでのそれらの追加的または相乗的活性の特定を必要とする。
大気汚染により誘導されかつ/もしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージからヒト皮膚および/もしくは毛髪を予防、治療および/または治癒させるための、任意により追加的な皮膚への利益を有する、組成物および方法が、本明細書中に提供される。
概要
一実施形態は、以下の作用のうちの少なくとも1種のために十分な作用濃度でデンドロビウム・ノビル(Dendrobium nobile;金釵石斛)の単離された成分または抽出物;および化粧品として許容される担体または賦形剤を含む、化粧用組成物に関する:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを低減または予防すること;大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防すること;大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防すること;大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防すること;あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防すること。皮膚ダメージは、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、皮膚癌、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、またはそれらの組み合わせである。組成物は、パーソナルケア組成物、スキンケア組成物、ヘアケア組成物、アンチエージングケア組成物、日焼けケア組成物、またはそれらの組み合わせであり得る。組成物は、エアロゾル、クリーム、エマルジョン、固体剤、液剤、分散液、フォーム、ゲル、ローション、ムース、軟膏、粉末、パッチ、ポマード、溶液、ポンプスプレー(a pump a spray)、スティック、オイル(am oil)、ウェットティッシュ、またはそれらの組み合わせの形態であり得る。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在し得る。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総組成物の約0.01重量%〜約0.1重量%の量で存在し得る。化粧品として許容される担体または賦形剤は、水、グリセリン、C1〜C4アルコール、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱油、リポソーム、積層脂肪物質、シリコーン油、またはそれらの組み合わせからなる群より選択することができる。
別の実施形態は、デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物および製薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬に関し、このとき、該医薬は、以下の作用のうちの少なくとも1種からヒト皮膚および/もしくは毛髪を予防、治療および/または治癒させるためのものである:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ;大気汚染により誘導される酸化ストレス;大気汚染により誘導される細胞活力の低下;大気汚染により誘導されるIL-6の増加;あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷。皮膚ダメージは、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、皮膚癌、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、皮膚バリア機能損傷、またはそれらの組み合わせであり得る。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在し得る。あるいは、デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総組成物の約0.01重量%〜約0.1重量%の量で存在し得る。
またさらなる実施形態は、記載される組成物がまとめて入れられた1個以上の容器および該1個以上の容器から該組成物を塗布するための説明書を含む包装システムに関する。包装システムは、以下の構成要素のうちの1種以上を含み得る:(a) 本明細書中に記載される組成物がまとめて入れられた1個以上の容器;または(b) 該1個以上の容器から該組成物を塗布するための説明書。
別の実施形態は、記載される組成物を皮膚および/または毛髪に局所的に塗布するステップを含む、大気汚染により誘導されるダメージに対してヒト皮膚および/または毛髪を保護するための方法に関する。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、約0.01〜約5mg/cm2の有効量で、ヒト皮膚および/または毛髪に塗布される。あるいは、デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、約0.05〜約5mg/cm2の有効量で、ヒト皮膚および/または毛髪に塗布される。
また別の実施形態は、ヒト皮膚および/または毛髪を保護するための抗汚染剤としてのデンドロビウム・ノビルの成分または抽出物の使用に関する。抗汚染剤は、ヒト皮膚および/または毛髪の障害および機能不全の保護および/または抑制および/または減少を目的とする。
PM2.5毒性試験を実証する棒グラフである。 処理の4時間後および24時間後でのデンドロビウム・ノビル抽出物毒性試験の棒グラフである。 デンドロビウム・ノビル抽出物が、Hacat細胞の酸化ストレスを引き起こすことなく、PM2.5により上昇する活性酸素種(ROS)レベルに効果的に対抗できることを実証する棒グラフである。 ミトコンドリア膜電位(MMP)試験結果を示す棒グラフであり;PM2.5はMMPレベルを顕著に低下させるが、デンドロビウム・ノビル抽出物は細胞活力を保護することを示す。 種々の試験サンプルにより誘導されるIL-6レベルを示す棒グラフであり;PM2.5はIL-6レベルを顕著に上昇させるが、デンドロビウム・ノビル抽出物は、PM2.5処理群と比較して、IL-6レベルを顕著に低下させる(41.3%まで)ことを示す。 PM2.5は細胞損傷率を増大させ得るが、デンドロビウム・ノビル抽出物は細胞を損傷させないことを実証する棒グラフである。むしろ、抽出物はPM2.5を用いた処理により引き起こされるダメージから細胞を保護することができる。
本発明は、本明細書中に記載される特定の組成物、方法論、またはプロトコールに限定されるものではないことが理解されるべきである。さらに、特に定義しない限り、本明細書中で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、本発明の範囲を限定することは意図されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうこともまた、理解されるべきである。
本発明は、デンドロビウム・ノビルの植物体成分および/または植物体抽出物が、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを減少させかつ/または予防し、大気汚染により誘導される酸化ストレスを減少させかつ/または予防し、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を減少させかつ/または予防し、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を減少させかつ/または予防し、かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を減少させるかまたは予防するという驚くべき知見に基づく。成分または抽出物は、デンドロビウム属の群のいずれかの生物種メンバーに由来することができ;好ましくは、成分または抽出物は、デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物であり得る。
このことに鑑みて、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の単離された植物体成分および/または植物体抽出物を、以下の作用のうちの少なくとも1種からのヒト皮膚および/または毛髪の予防、治療および/または治癒を達成するために十分な量で含む組成物、およびそれらの組成物の使用が記載される:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ、大気汚染により誘導される酸化ストレス、大気汚染により誘導される細胞活力の低下、大気汚染により誘導されるIL-6の増加;ならびに/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷。
用語「組成物」とは、自然の状態、生物学的プロセスまたは疾患もしくは障害に伴う特定の状態を、治療、改善、促進、増大、管理、制御、維持、最適化、改変、減少、抑制、または予防する生成物を意味する。例えば、本明細書中に記載される組成物は、被験体での、汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ、大気汚染により誘導される酸化ストレス、大気汚染により誘導される細胞活力の低下、大気汚染により誘導されるIL-6の増加;ならびに/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷等のうちの少なくとも1種を改善する。組成物との用語には、限定するものではないが、有効量の抽出物、少なくとも1種のその成分、またはそれらの混合物を含む、医薬品(すなわち、薬物)、市販薬(OTC)、化粧品、食品、食品成分または食餌サプリメント組成物が含まれる。
本明細書中に記載される組成物の例示的形態(剤型)としては、エアロゾル、クリーム、エマルジョン、固体剤、液剤、分散液、フォーム、塗布フォーム(liniment foam)、ゲル、ローション、ムース、軟膏、パックまたは粉末、エマルジョン、パッチ、ポマード、溶液、ポンプスプレー(a pump a spray)、スティック、オイル(am oil)、ウェットティッシュ、錠剤、プラスター、顆粒、および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
用語「大気汚染」とは、天然起源または人工の、煤煙および/または有害ガス(例えば、交通排気および工業排気)、主に炭素、硫黄、および窒素の酸化物、いずれかの放出される粒子、または液滴による、大気のいずれかの汚染(コンタミネーション)を意味する。例えば、ゴム車輪の摩耗により放出されるいずれかの粒子も、大気汚染物質とみなすことができる。これらの大気汚染物質は、多環式芳香族炭化水素(PAH)に結合している可能性があるが、他の化学物質も含むことができる。プリンターにより放出されるカーボンブラック粒子もまた、屋内環境での大気汚染物質と見なすことができる。屋内調理(例えば、石炭または薪を用いるもの)もまた、大気汚染物質を生成する場合がある。
「大気汚染物質」とは、ヒトおよび生態系に悪影響を有する可能性があり、かつ大気汚染の原因となる、大気中の物質である。該物質は、固体粒子、液滴、または気体であり得る。汚染物質は、天然起源または人工のものであり得る。汚染物質は、一次または二次に分類される。一次汚染物質は、通常、ある過程から生成され、火山噴火由来の灰などである。他の例としては、自動車排気に由来する一酸化炭素ガス、または工場から放出される二酸化硫黄が挙げられる。二次汚染物質は、直接的に排出されない。むしろ、それらは、一次汚染物質同士が反応または相互作用したときに大気中で形成される。地表オゾンは、二次汚染物質の顕著な例である。一部の汚染物質は、一次および二次の両方であり得;それらは、直接的に排出され、かつ同時に他の一次汚染物質から形成される。
例示的な一次大気汚染物質としては、以下のものが挙げられる:二酸化炭素(CO2)(例えば、化石燃料の燃焼により排出される);火山により、および種々の工業的プロセスで生成される酸化硫黄(SOx)(例えば、二酸化硫黄(SO2))(例えば、石炭および石油は多くの場合に硫黄化合物を含有し、それらの燃焼により二酸化硫黄が生成される);酸化窒素(NOx)(例えば、二酸化窒素(NO2))(高温の燃焼から排出される);一酸化炭素(CO)(無色無臭の、毒性であるが刺激性でない気体であり、天然ガス、石炭または木などの燃料の燃焼の生成物でありかつ自動車排気による生成物である);揮発性有機化合物(VOC)(周知の屋外大気汚染物質であり、例えば、メタン(CH4)または非メタン(NMVOC)のいずれかである)(芳香族NMVOCであるベンゼン、トルエンおよびキシレンは、発癌性物質である疑いがあり;1,3-ブタジエンは工業的使用にしばしば関連する別の危険な化合物である);微粒子(あるいは、粒子状物質(PM)、大気粒子状物質、または微細粒子と称され、気体中に懸濁された固体または液体の微細な粒子である);エアロゾル(「粒子と気体との複合物」)(一部の微粒子は、火山、砂嵐、森林および草原火災、植生、および海水のしぶきに起因して天然に存在し、一部は、自動車での化石燃料の燃焼などのヒトの活動に起因し、発電所および種々の工業的プロセスもまた、著明な量のエアロゾルを生成する);毒性金属(例えば、鉛および水銀、特にそれらの化合物);クロロフルオロカーボン(CFC)(現在は使用禁止である製品から放出され、空調機器、冷蔵庫、エアロゾルスプレー等から放出される気体であり、大気中に放出されると、CFCは成層圏まで上昇し、ここで他の気体と接触して、オゾン層を損傷させ、有害な紫外線が地球の表面まで到達することを可能にし、これにより、例えば、皮膚癌または眼疾患が生じる);およびアンモニア(NH3)(農業的プロセスから放出され、通常は窒素および硫黄の酸化物と反応して二次粒子を形成することができる気体として存在する)。
例示的な二次大気汚染物質としては、気体状一次汚染物質と光化学スモッグ中の化合物とから生成される微粒子が挙げられる。スモッグは、大気汚染の一種である。古典的なスモッグは、煤煙と二酸化硫黄との混合物により引き起こされる、一定領域での多量の石炭燃焼の結果として生じる。近代のスモッグは、通常は石炭には由来せず、自動車および工業的排出から生じ、これらが日光由来の紫外線により大気中で作用して二次汚染物質を形成し、一次排出とも組み合わされて、光化学スモッグを形成する。地表オゾン(O3)は、NOxおよびVOCから形成された。オゾン(O3)は、対流圏の主要な構成要素である。オゾンはまた、オゾン層として一般的に知られる成層圏の特定の領域の重要な構成要素でもある。オゾンを含む光化学反応および化学反応は、昼夜を問わず大気中で起こる多数の化学的プロセスを駆動する。ヒトの活動(大部分は化石燃料の燃焼である)によりもたらされる異常な高濃度では、オゾンは汚染物質であり、かつスモッグの構成要素である。同様にNOxおよびVOCから形成されるパーオキシアセチルナイトレート(C2H3NO5)は、二次大気汚染物質の別の例である。
用語「大気汚染により誘導される皮膚および/または毛髪ダメージ」とは、大気汚染に対する短時間および/または長時間の曝露によりもたらされるいずれかの皮膚および/もしくは毛髪ダメージ、疾患、および/または状態を意味する。大気汚染により誘導される皮膚および/または毛髪ダメージは、例えば、皮膚老化;小じわおよび炎症の形成;しわ(例えば、細かいしわ)、小じわ、目尻のしわの形成;目のクマの形成;シミ、座瘡、加齢斑、そばかす、ストレッチマークの形成;癌(皮膚癌を含む)の形成;皮膚変色、皮膚色素沈着、またはそれらの組み合わせとして現われ得る。加えて、大気汚染により誘導される皮膚および/または毛髪ダメージは、乾癬、湿疹、脂漏、皮膚炎、日焼け、エストロゲン不均衡、黄変、そばかす(freckles)、皮膚萎縮、吹き出物、皮膚脆弱、乾燥、肌荒れ、あかぎれ、下垂、薄化、過形成、線維化、毛穴の拡張、セルライト形成、あざ、アポトーシス、細胞分化、細胞脱分化、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張(telangectasia))、多毛症、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、またはそれらの組み合わせとして現われ得る。
用語「大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ」とは、大気汚染物質の存在に応答して形成され得るいずれかの皮膚および/もしくは毛髪ダメージ、疾患、および/または症状を意味する。
本明細書中で用いる場合、用語「抽出物」または「植物性抽出物」とは、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)などの植物の物質の単離された有効成分を含む、固体、粘稠性、もしくは液体物質または調製物を意味する。成分または抽出物は、デンドロビウム属のいずれかの生物種メンバー由来であり得る。用語「抽出物」は、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)から生成される粗抽出物を含むだけでなく、水、1〜4個の炭素数の低級アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール等など)、エチレン、アセトン、ヘキサン、エーテル、クロロホルム、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの組み合わせのうちから選択される溶媒の使用により、そのような溶媒中の粗抽出物の画分も含むことが意図される。有効成分の抽出および保存を確実にする限り、いずれの抽出方法でも用いることができる。植物性抽出物の例としては、デンドロビウム・ノビル植物体由来の抽出物が挙げられる。
本明細書中で用いる場合、純粋化合物、組成物、抽出物、抽出物混合物、抽出物の成分、および/または活性薬剤もしくは有効成分、またはそれらの組み合わせの「十分な量」、「有効量」または「治療上有効量」との用語は、所望の結果を達成するために十分な投与量で十分な期間にわたって有効な量を意味する。例えば、「十分な量」、「有効量」または「治療上有効量」とは、被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与される場合に、例えば、汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ、大気汚染により誘導される酸化ストレス、大気汚染により誘導される細胞活力の低下、大気汚染により誘導されるIL-6の増加;および/または大気汚染により誘導される細胞損傷等の被験体での予防、治療、および/または治癒をもたらすために十分である、純粋化合物、組成物、抽出物、植物性抽出物、抽出物混合物、植物性抽出物混合物、抽出物の成分、および/または活性薬剤もしくは有効成分、またはそれらの組み合わせの量を意味する。「有効量」または「治療上有効量」を構成する本開示の組成物、抽出物、植物性抽出物、抽出物混合物、植物性抽出物混合物、抽出物の成分、および/または活性薬剤もしくは有効成分の量は、活性薬剤もしくは化合物、治療対象の状態およびその重症度、投与方法、治療の継続期間、または治療対象の被験体の年齢に応じて変わるであろうが、当業者の知識および本開示に鑑みて、当業者が慣用的に決定できる。
用語「大気汚染により誘導されるダメージに対してヒト皮膚および/または毛髪を予防、治療および/または治癒させること」とは、特にヒト皮膚および/または毛髪に対する、大気汚染により誘導されるダメージを、防止、停止、逆転、向上、消失、および/または低減させることを示す。皮膚および毛髪に対する大気汚染により誘導されるダメージの代表的な徴候としては、限定するものではないが、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、癌(皮膚癌を含む)、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、またはそれらの組み合わせが挙げられる。皮膚および毛髪に対する大気汚染により誘導されるダメージの他の徴候としては、乾癬、湿疹、脂漏、皮膚炎、日焼け、エストロゲン不均衡、黄変、そばかす(freckles)、皮膚萎縮、吹き出物、皮膚脆弱、乾燥、肌荒れ、あかぎれ、下垂、薄化、過形成、線維化、毛穴の拡張、セルライト形成、あざ、座瘡形成、アポトーシス、細胞分化、細胞脱分化、腫瘍誘導もしくは腫瘍進行の予防、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張(telangectasia))、多毛症、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
用語「化粧品として許容される」および「製薬上許容される」とは、過度な毒性、非適合性、不安定性、刺激性等を有さずに、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒトおよびより下等な動物の組織と接触させる使用に対して好適である薬物、医薬、軟膏、抽出物または不活性成分を意味する。
用語「投与すること」および「塗布すること」とは、相互に交換可能に用いることができ、当技術分野で公知の経路を介して被験体に組成物を提供することとして定義され、限定するものではないが、局所投与、経口投与、静脈内投与、動脈内投与、非経口投与、頬内投与、経皮投与、直腸投与、筋内投与、皮下投与、骨内投与、経粘膜投与、または腹腔内投与の経路が挙げられる。好ましい実施形態では、組成物を局所投与(すなわち、「局所的塗布」)する経路が好適である。
用語「変化させる」または「調節する」とは、特定の分子の発現もしくは活性を増大させるか、刺激もしくは促進するか、もしくは減少させるか、防止または抑制し、それにより、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを低減または予防する、デンドロビウム属の純粋化合物、組成物、抽出物、抽出物混合物、抽出物の成分、および/または活性薬剤もしくは有効成分、またはそれらの組み合わせの能力を意味する。例えば、用語「変化させる」とは、大気汚染により誘導される酸化ストレスを減少させるか、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を減少させるか、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を減少させるか、かつ/または大気汚染により誘導される細胞損傷を減少させる、デンドロビウム属の能力を意味することができる。この用語はまた、大気汚染による皮膚への考えられる刺激に対抗するための、デンドロビウム属の抗刺激特性または抗炎症特性も意味する。
用語「減少させる」、「減少させること」、「抑制する」または「抑制すること」とは、対照サンプル中などの、デンドロビウム属(デンドロビウム・ノビル)の植物体成分または植物体抽出物の非存在下でのタンパク質活性および/または発現と比較した場合の、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の植物体成分または植物体抽出物の存在下での、タンパク質活性および/もしくは発現、および/またはその下流作用の低減または減少を意味する。タンパク質活性および/もしくは発現、および/またはその下流作用の低減または抑制の程度は、存在するデンドロビウム属の植物体成分または植物体抽出物の性質および量によって変わるであろうが、例えば、タンパク質活性および/または発現の検出可能な減少として明らかであろうし;望ましくは、デンドロビウム属の非存在下でのタンパク質活性および/または発現と比較して、10%、25%、50%、75%、90%、95%または99%を超える減少の程度として明らかであろう。
用語「予防する」とは、被験体での、大気汚染により誘導される皮膚および/もしくは毛髪ダメージ、大気汚染により誘導される酸化ストレス、大気汚染により誘導される細胞活力の低下、大気汚染により誘導されるIL-6の増加;および/または大気汚染により誘導される細胞損傷等を予防することの文脈では、それらの作用が生じるかまたは存在しないように維持することを意味する。
用語「増加させる」、「増加させること」、「刺激する」または「刺激すること」とは、対照サンプル中などの、デンドロビウム属の植物体成分または植物体抽出物の非存在下でのタンパク質活性および/または発現と比較した場合の、デンドロビウム属の植物体成分または植物体抽出物の存在下での、タンパク質活性および/もしくは発現、および/またはその下流作用の増大を意味する。タンパク質活性および/もしくは発現、および/またはその下流作用の増大の程度は、存在するデンドロビウム属の植物体成分または植物体抽出物の性質および量によって変わるであろうが、例えば、タンパク質活性および/または発現の検出可能な増大として明らかであろうし;望ましくは、デンドロビウム属の植物体成分または植物体抽出物の非存在下でのタンパク質活性および/または発現と比較して、10%、25%、50%、75%、90%、95%または99%を超える増大の程度として明らかであろう。
本明細書中で用いる場合、用語「被験体」または「個体」としては、それに対して組成物を投与または塗布することができる哺乳動物が挙げられる。哺乳動物の非限定的な例としては、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類(トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスを含む)等が挙げられる。一部の実施形態では、被験体は哺乳動物であり、一部の実施形態では、被験体はヒトである。
組成物
一実施形態は、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ(例えば、皮膚癌、皮膚炎症、および/または色素沈着)を低減または予防し、大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防し、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防し、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防し、かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防するために十分な量での、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の単離された成分または抽出物;および製薬上または化粧品として許容されるビヒクルのうちの少なくとも1種を含む化粧用組成物に関する。
デンドロビウム属は、ランの大きな属であり、今日では約1200生物種を含む。この生物属は、中国、日本、インド、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、ニューギニア、ベトナム、および太平洋諸島のうちの多くを含む、南アジア、東アジアおよび東南アジアの大半にわたる多様な生息地で見られる。属名は、ギリシャ語のデンドロン(dendron、「木」)およびビオス(bios、「生命」)に由来する。デンドロビウム属の生物種は、着生種、またはときには岩生種のいずれかである。デンドロビウム属は、ヒマラヤ山脈の高地から、低地熱帯林、さらに豪州の砂漠の乾燥気候までの、広範な生息地に適応してきた。デンドロビウム属の例示的な生物種としては、以下のものが挙げられる:デンドロビウム・アノスマム(Dendrobium anosmum)、デンドロビウム・アフィルム(Dendrobium aphyllum)、デンドロビウム・ベガウディイ(Dendrobium begaudii)、デンドロビウム・ビロバム(Dendrobium bilobum)、デンドロビウム・ブレビカウダム(Dendrobium brevicaudum)、デンドロビウム・ブキドノネンシス(Dendrobium bukidnonensis)、デンドロビウム・ブレニアナム(Dendrobium bullenianum)、デンドロビウム・カリニフェルム(Dendrobium cariniferum)、デンドロビウム・セラウラ(Dendrobium ceraula)、デンドロビウム・カメレオン(Dendrobium chameleon)、デンドロビウム・クリサンサム(Dendrobium chrysanthum)、デンドロビウム・コナンサム(Dendrobium conanthum)、デンドロビウム・クリスピリングウム(Dendrobium crispilinguum)、デンドロビウム・クルメナタム(Dendrobium crumenatum;ハト蘭)、デンドロビウム・クスベルトソニイ(Dendrobium cuthbertsonii)、デンドロビウム・デアレイ(Dendrobium dearei)、デンドロビウム・エロスム(Dendrobium erosum)、デンドロビウム・エピデンドロプシス(Dendrobium epidendropsis)、デンドロビウム・エウリアンサム(Dendrobium euryanthum)、デンドロビウム・ファイルチルダエ(Dendrobium fairchildae)、デンドロビウム・ファルコロストラム(Dendrobium falcorostrum;ブナ蘭)、デンドロビウム・フォルベシイ(Dendrobium forbesii)、デンドロビウム・フォルモサム(Dendrobium formosum)、デンドロビウム・ゲルランディアナム(Dendrobium gerlandianum)、デンドロビウム・ギブソニイ(Dendrobium gibsonii)、デンドロビウム・グノムス(Dendrobium gnomus)、デンドロビウム・ゴルドシュミドチアナム(Dendrobium goldschmidtianum)、デンドロビウム・グアメンセ(Dendrobium guamense)、デンドロビウム・グエレロイ(Dendrobium guerreroi)、デンドロビウム・ヘルウィギアナム(Dendrobium hellwigianum)、デンドロビウム・ヘルコグロッサム(Dendrobium hercoglossum)、デンドロビウム・ヘテロカルプム(Dendrobium heterocarpum)、デンドロビウム・ヒメノフィルム(Dendrobium hymenophyllum)、デンドロビウム・イオノプス(Dendrobium ionopus)、デンドロビウム・ジョンソニアエ(Dendrobium johnsoniae)、デンドロビウム・ジュンセウム(Dendrobium junceum)、デンドロビウム・キンギアナム(Dendrobium kingianum)、デンドロビウム・リディアエ(Dendrobium lydiae)、デンドロビウム・リンドレイ(Dendrobium lindleyi)、デンドロビウム・リネアレ(Dendrobium lineale)、デンドロビウム・リツイフロラム(Dendrobium lituiflorum)、デンドロビウム・ロディゲシイ(Dendrobium loddigesii)、デンドロビウム・マクロフィラム(Dendrobium macrophyllum)、デンドロビウム・マクロパス(Dendrobium macropus)、デンドロビウム・ミラニアエ(Dendrobium milaniae)、デンドロビウム・ミンダナエンセ(Dendrobium mindanaense)、デンドロビウム・ミヤサキイ(Dendrobium miyasakii)、デンドロビウム・モニリフォルメ(Dendrobium moniliforme;セッコク)、デンドロビウム・ノビル(金釵石斛;Dendrobium nobile)、デンドロビウム・パピリオ(Dendrobium papilio)、デンドロビウム・パルセニウム(Dendrobium parthenium)、デンドロビウム・ペルデュルム(Dendrobium pendulum)、デンドロビウム・ペンタプテルム(Dendrobium pentapterum)、デンドロビウム・ファラエノプシス(Dendrobium phalaenopsis)、デンドロビウム・フィリピネンセ(Dendrobium philippinense)、デンドロビウム・フィリプシイ(Dendrobium phillippsii)、デンドロビウム・プラティカウロン(Dendrobium platycaulon)、デンドロビウム・ポリセマ(Dendrobium polysema)、デンドロビウム・プロフスム(Dendrobium profusum)、デンドロビウム・ラモシイ(Dendrobium ramosii)、デンドロビウム・サンデラエ(Dendrobium sanderae)、デンドロビウム・サングイノレンタム(Dendrobium sanguinolentum)、デンドロビウム・シュッツェイ(Dendrobium schuetzei)、デンドロビウム・セクンダム(Dendrobium secundum)、デンドロビウム・セラチラビウム(Dendrobium seratilabium)、デンドロビウム・シネンセ(Dendrobium sinense)、デンドロビウム・スペシオスム(Dendrobium speciosum)、デンドロビウム・タウリナム(Dendrobium taurinum)、デンドロビウム・チルシフロラム(Dendrobium thyrsiflorum)、デンドロビウム・チサノホラム(Dendrobium thysanophorum)、デンドロビウム・ウニフロルム(Dendrobium uniflorum)、デンドロビウム・ベルチナラブルム(Dendrobium velutinalabrum)、デンドロビウム・ビクトリアエ・レギナエ(Dendrobium victoriae-reginae)、デンドロビウム・ワングリアンギイ(Dendrobium wangliangii)、デンドロビウム・ウェンゼリイ(Dendrobium wenzellii)、およびデンドロビウム・イエアゲリ(Dendrobium yeageri)。
特定の実施形態では、デンドロビウム・ノビルの単離された成分または抽出物が、本明細書中に記載される組成物を作製するために用いられる。デンドロビウム・ノビルは、非常に高価かつ周知の中国の薬草であり、美しい花を有する。その名称は、形状に由来し;デンドロビウム・ノビルは、古代中国のピン(pin)に似ている。
デンドロビウム・ノビルの茎の抽出物は、以下のものを含む17種類のフェナントレンを生じ得る:3,4,8-トリメトキシフェナントレン-2,5-ジオール、2,8-ジヒドロキシ-3,4,7-トリメトキシフェナントレン、3-ヒドロキシ-2,4,7-トリメトキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、2,8-ジヒドロキシ-3,4,7-トリメトキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、2-ヒドロキシ-4,7-ジメトキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、2,2'-ジヒドロキシ-3,3',4,4',7,7'-ヘキサメトキシ-9,9',10,10'-テトラヒドロ-1,1'-ビフェナントレンおよび2,3,5-トリヒドロキシ-4,9-ジメトキシフェナントレン(Hwang, Ji Sang, et al., “Phenanthrenes from Dendrobium nobile and their inhibition of the LPS-induced production of nitric oxide in macrophage RAW 264.7 cells,” Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 20 (12):3785 (2010);およびYang, H, et al., “Antifibrotic phenanthrenes of Dendrobium nobile stems,” Journal of Natural Products, 70 (12): 1925-9 (2007))。
特定の実施形態では、デンドロビウム・ノビルの茎の抽出物は、約0.01〜80%の多糖を用いて標準化することができる。特定の別の実施形態では、デンドロビウム・ノビルの茎の抽出物は、約0.1〜0.2%(w/w)の多糖を用いて標準化することができる。
一例では、本明細書中に記載される独自の組成物中で有用な植物性抽出物は、脱イオン水抽出技術を用いて取得することができる。
例えば、多糖抽出は、一定の温度(10〜100℃)の脱イオン水を用いてデンドロビウム・ノビルの茎を抽出し、遠心分離およびろ過することにより行なうことができる。続いて、抽出物を、真空下で低温にて遠心分離した。多糖を、エタノールを添加することにより精製および濃縮し、沈殿物が分散された溶媒を得た。次に、沈殿物を遠心分離して回収し、水に溶解させた。続いて滅菌し、その後に抽出物をパッケージした。
別の例では、水抽出およびアルコール沈殿法(0〜30%エタノール-水(v/v))を用いて、本明細書中に記載される独自の組成物中で有用な植物性抽出物を得ることができる。本プロセスで生成される植物性抽出物は、広範囲の植物化学物質を含有することができるが、継続的にアルコール沈殿法を用いることにより、多糖精製および濃縮がもたらされる。
また別の例では、メンブレンろ過法を用いて、本明細書中に記載される独自の組成物中で有用な植物性抽出物を得ることができる。
記載される抽出プロセスにより生成される植物性抽出物は、抽出された物質中に存在する広範囲の植物化学物質を含有するであろう。
加えて、デンドロビウム・ノビルの好適な植物体成分および植物性抽出物は、下記でより完全に議論されるかまたは当技術分野で公知の抽出および精製技術のうちのいずれかを用いて取得することができる。
当業者は、当技術分野で公知および種々の特許および刊行物中に記載される多数の他の抽出プロセスがあり、これらを本発明の実施で用いるための抽出物を取得するために用いることができることを理解するであろう。
本明細書中に記載される局所用組成物の塗布により、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/もしくは毛髪ダメージを低減または予防するか、大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防するか、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防するか、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防するか;かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防することができる。
特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約21.5%;少なくとも約22%、少なくとも約22.5%;少なくとも約23%、少なくとも約23.5%;少なくとも約24%;少なくとも約24.5%、少なくとも約25%、少なくとも約25.5%、少なくとも約26%、少なくとも約26.5%、少なくとも約27%、少なくとも約27.5%、少なくとも約28%、少なくとも約28.5、少なくとも約29%、少なくとも約29.5%、または少なくとも約30%(本明細書中に提供される例示的パーセンテージの中間のパーセンテージもまた考慮される)のROSレベルの低下をもたらすことができる。より高いパーセンテージの低下もまた考慮される。特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、約27.78%のROSレベルの低下をもたらすことができる。
特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約21.5%;少なくとも約22%、少なくとも約22.5%;少なくとも約23%、少なくとも約23.5%;少なくとも約24%;少なくとも約24.5%、少なくとも約25%、少なくとも約25.5%、少なくとも約26%、少なくとも約26.5%、少なくとも約27%、少なくとも約27.5%、少なくとも約28%、少なくとも約28.5、少なくとも約29%、少なくとも約29.5%、少なくとも約30%、少なくとも約30.5%、少なくとも約31%、少なくとも約31.5%、少なくとも約32%、少なくとも約32.5%、少なくとも約33%、少なくとも約33.5%、少なくとも約34%、少なくとも約34.5%、または少なくとも約35%(本明細書中に提供される例示的パーセンテージの中間のパーセンテージもまた考慮される)の細胞損傷率の低下をもたらすことができる。より高いパーセンテージの低下もまた考慮される。特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、約30.99%の細胞損傷率の低下をもたらすことができる。
特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約21.5%;少なくとも約22%、少なくとも約22.5%;少なくとも約23%、少なくとも約23.5%;少なくとも約24%;少なくとも約24.5%、少なくとも約25%、少なくとも約25.5%、少なくとも約26%、少なくとも約26.5%、少なくとも約27%、少なくとも約27.5%、少なくとも約28%、少なくとも約28.5、少なくとも約29%、少なくとも約29.5%、少なくとも約30%、少なくとも約30.5%、少なくとも約31%、少なくとも約31.5%、少なくとも約32%、少なくとも約32.5%、少なくとも約33%、少なくとも約33.5%、少なくとも約34%、少なくとも約34.5%、少なくとも約35%、少なくとも約35.5%、少なくとも約36%、少なくとも約36.5%、少なくとも約37%、少なくとも約37.5%、少なくとも約38%、少なくとも約38.5%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約40.5%、少なくとも約41%、少なくとも約41.5%、少なくとも約42%、少なくとも約42.5%、少なくとも約43%、少なくとも約43.5%、少なくとも約44%、少なくとも約44.5%、少なくとも約45%(本明細書中に提供される例示的パーセンテージの中間のパーセンテージもまた考慮される)のIL-6レベルの低下をもたらすことができる。より高いパーセンテージの低下もまた考慮される。特定の実施形態では、本明細書中に記載される局所用組成物の塗布は、約41.3%のIL-6レベルの低下をもたらすことができる。
本明細書中に記載される組成物はまた、該組成物の抗汚染効果の結果として、様々な老化防止および皮膚感触への利益を提供することもできる。デンドロビウム・ノビルを含有する組成物は、他の市販の皮膚健康局所用製品と比較して、顕著な老化防止および皮膚感触への利益をもたらす顕著な抗汚染効果を提供すると考えられる。
特定の実施形態では、デンドロビウム・ノビルを含有する組成物の抗汚染の利益は、老化防止および改善された美的外見として現われる。したがって、特定の実施形態は、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを含むか、またはこれを伴う、加齢の徴候を防止、停止、逆転、向上、消失、低減または改善させるための皮膚の処置でのその使用のための、局所用組成物および方法に関する。加齢の徴候としては、限定するものではないが、皮膚脆弱;コラーゲンおよび/もしくはエラスチンの喪失;皮膚中のエストロゲン不均衡;皮膚萎縮、細かいしわを含むしわおよび/もしくは小じわの出現および/または深さ;目のクマを含む皮膚変色;目尻のしわ;皮膚下垂;皮膚疲労および/またはストレス、例えば、吹き出物;皮膚乾燥;皮膚乾燥による細かいしわ、肌荒れ;皮膚の粉吹き;細胞老化;皮膚の色調、弾力、透明感、光度、および/または光沢の喪失;皮膚の堅さの喪失;皮膚の感触の低下;皮膚弾力および/または回復力の喪失;皮膚薄化、および炎症が挙げられる。
皮膚の美的外見に対する利益および改善は、以下のうちのいずれかに現われ得る:毛穴サイズ、細かいしわ、小じわ、ざらつき、および炎症の減少;皮膚色調、輝き、透明感および/または硬直の改善;抗酸化活性の促進;皮膚の堅さ、ふっくらさ、柔軟性、および/または柔らかさの改善;プロコラーゲンおよび/またはコラーゲン産生の改善;皮膚の感触の改善および/または再組織化(retexturization)の促進;皮膚バリア修復および/または機能の改善;皮膚の輪郭の外見の改善;皮膚の光沢、透明感、および/または明度の回復;老化および/もしくは閉経により減少する皮膚中の必須栄養素および/または構成要素の補充;皮膚細胞同士の伝達の改善;細胞増殖および/または倍増の増加;老化および/もしくは閉経により減少する皮膚細胞代謝の増大;皮膚湿潤化の改善;細胞ターンオーバーの促進および/または加速;皮膚厚さの強化;皮膚弾力および/または回復力の増加;ならびにαもしくはβヒドロキシ酸、ケト酸または他のピーリング剤(exfoliant)を用いるかまたは用いない、剥離の増強。
他の利益としては、皮膚の滑らかさおよび/または柔らかさの増加、皮膚状態の知覚の増加、皮膚の湿潤性の増加、皮膚ストレスおよび細かいしわの減少、明度の増加および/または美白、皮膚の感触および皮膚の堅さの改善が挙げられる。
本発明の一実施形態では、局所用組成物は、デンドロビウム属、例えば、デンドロビウム・ノビルの単離された成分または抽出物を、少なくとも、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/もしくは毛髪ダメージを低減または予防するか、大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防するか、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防するか、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防するか;かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防するために十分な量で含有する。デンドロビウム・ノビルは、総組成物の約0.0001重量%〜5重量%;望ましくは、総組成物の約0.001重量%〜約2.5重量%;より望ましくは、総組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%;さらにより望ましくは、総組成物の約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲の量で存在し得る。組成物は、パーソナルケア組成物、スキンケア組成物、ヘアケア組成物、アンチエージングケア組成物、または日焼けケア組成物であり得る。組成物は、約6.0〜約8.0のpHを有し得るか、あるいは、組成物は、実質的に中性であるpHを有し得る。特定の実施形態では、植物性抽出物が用いられている組成物は、概ね中性のpHを有する。
特定のさらなる実施形態は、大気汚染による皮膚への考えられる刺激に対抗するために、抗刺激特性または抗炎症特性に関連する皮膚への利益を提供するために十分な量で、デンドロビウム属を含む局所用組成物に関する。
追加の構成要素
特定の他の実施形態では、本明細書中に記載される組成物はさらに、DNA修復酵素を含み得る。本明細書中で用いる場合、用語「DNA修復酵素」とは、上述の酵素ならびに現在公知であるかまたはその後に発見もしくは開発される他の酵素を含むことが意図され、他の酵素としては、グリコシラーゼ、脱プリン塩基/脱ピリミジン塩基エンドヌクレアーゼまたは損傷されたDNAを修復することが可能な活性を有する他の酵素が挙げられる。DNA修復酵素としては、塩基除去修復(BER)、ヌクレオチド除去修復(NER)経路、または例えば、米国特許第6,368,594号に記載される通りの代替的な除去修復経路のいずれかに関与する酵素が挙げられる。これらの経路は、DNA切断、損傷部除去、ギャップ補充、およびライゲーション反応を行なうことが可能なタンパク質の別個の組により媒介される。
NER経路は、広範囲に分布する、損傷部非特異的修復経路を構成し、損傷箇所の上流および下流での二重切断反応を介するDNA損傷除去を編成し、これにより損傷を含むオリゴヌクレオチドが放出される。損傷されたDNAの除去に続いて、生じたギャップが埋められ、DNA末端同士がライゲーションされる。
BER経路は、DNA塩基損傷のうちのすべての主要な形態に対する主な防御である。この経路は、非損傷DNAの大きなプール内の様々な特異的な個別の塩基損傷部の検出および除去を担う。BER経路は、典型的に、CPDに特異的なN-グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素の活性を含む。N-グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素は、CPD-5'-ピリミジンのN-グリコシド結合を最初に切断し、続いて、β-リアーゼ機構を介して、脱塩基部位でのホスホジエステル骨格を切断する。
デンドロビウム属の成分および/または抽出物と組み合わせて使用するために好適なDNA修復酵素は、CPDおよび(6-4)光分解生成物などの損傷されたDNAを認識、切断および修復することが可能なN-グリコシラーゼ/APリアーゼ活性を有する。これらの酵素の活性は、光依存性(例えば、フォトリアーゼ)であるか、または光非依存性であり得る。この群の例示的DNA修復酵素としては、限定するものではないが、バクテリオファージT4ピリミジン二量体特異的エンドヌクレアーゼ(denVエンドヌクレアーゼ)、ルテウス菌(Micrococcus luteus)N-グリコシラーゼ/APリアーゼ、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)N-グリコシラーゼ/脱プリン塩基-脱ピリミジン塩基リアーゼ、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)UV損傷エンドヌクレアーゼ(UVDE)、クロレラ属ウイルス単離株PBCV-1ピリミジン二量体特異的グリコシラーゼ、アナシスチス・ニデュランス(Anacystis nidulans)フォトリアーゼ、およびそれらの改変型非生来型(例えば、組み換え型)酵素生成物が挙げられる。
DNA修復酵素としてはまた、BER、NERまたは代替的経路由来の他のメンバーも挙げられる。これらの酵素としては、O6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ、ウラシルおよびヒポキサンチン-DNAグリコシラーゼ、DNAエキソヌクレアーゼ、損傷塩基グリコシラーゼ(例えば、3-メチルアデニン-DNAグリコシラーゼ)、単体または複合体中のエンドヌクレアーゼ(例えば、大腸菌uvrA/uvrB/uvrCエンドヌクレアーゼ複合体)、ならびにそれらの活性が現在では部分的にしか理解されていない他の酵素および酵素複合体(ヒトのERCC遺伝子および酵母のRAD遺伝子の産物など)が挙げられる。例示的DNA修復酵素としては、限定するものではないが、ウラシルDNAグリコシラーゼ、3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼ、エンドヌクレアーゼIII/チミングリコールDNAグリコシラーゼ、エンドヌクレアーゼVIII、fapy/8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ、A-G-ミスマッチDNAグリコシラーゼ、G-T-ミスマッチDNAグリコシラーゼ、ホルミルウラシルDNAグリコシラーゼ、ヒドロキシメチルウラシルDNAグリコシラーゼ、XPC-hHR23B、XPA、RPA、XPB、TFIIH、XPG、XPF-ERCC1、Rad-4-Rad23、Rad14、Rfa、Rad25/Ss12、Rad3、Rad2、Rad1-Rad10、種々のDNAポリメラーゼ、DNAリガーゼなどが挙げられる。これらの酵素の例示的供給源としては、限定するものではないが、大腸菌、出芽酵母、分裂酵母、ヒト、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター等をはじめとする、細菌または哺乳動物細胞供給源が挙げられる。
DNA修復酵素は、大腸菌、ミクロコッカス属等などの好適な供給源に由来するか、これらから抽出されることができる。DNA修復酵素は、米国特許第5,296,231号(その内容全体が参照により本明細書中に組み入れられる)に記載される通りに、リポソーム中に封入することができる。例えば、ルテウス菌細胞溶解物由来のDNA修復酵素は、レシチンおよび水を含有するリポソーム製剤中に提供され、かつULTRASOMESTM(Applied Genetics, Inc. Dermatics, Freeport, N.Y.)またはULTRASOMES-VTM(Barnet Products Corporation, Englewood Cliffs, N.J.)として入手可能である。アナシスチス・ニデュランス(Anacystis nidulans)フォトリアーゼを含有するアナシスチス・ニデュランス溶解物を封入したリポソームは、PHOTOSOMESTMまたはPHOTOSOMES-VTM(Applied Genetics, Inc. Dermatics, Freeport, N.Y.)として入手可能である。リポソームは、植物由来供給源(例えば、ダイズ)由来の慣用のリン脂質、オレイン酸および/またはコレステロールヘミコハク酸エステルを含むことができ、またはこれらは当業者に慣用的に公知である他の好適な供給源から生成することができる。
例示的実施形態は、総組成物のうちの約0.01重量%〜20重量%、望ましくは約0.1wt%〜約10wt%、より望ましくは約0.5wt%〜約3wt%の範囲の量で、ULTRASOMESTM、ULTRASOMES-VTM、PHOTOSOMESTM、またはPHOTOSOMES-VTMを組み込むことができる。
リポソームは、本発明の植物体または植物性成分およびDNA修復酵素などの、化粧品として活性な薬剤の、皮膚の真皮への移動を促進するための送達剤として用いることができる。他の送達剤を、リポソームの代わりに真皮送達のために用いることができ、他の送達剤としては、限定するものではないが、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ナノ粒子、ミクロスフェア、エトソーム、トランスファーソーム(transfersome)、およびニオソーム(niosome)を含む、当業者に公知の皮膚送達ビヒクルが挙げられる。
特定の実施形態では、追加の化粧品成分もまた、本明細書中に記載される化粧用組成物に含めることができ、限定するものではないが、以下の材料中に存在する成分:リコリス、リコリス抽出物、リコリス誘導体(例えば、グリチルリチン酸塩);レモン抽出物;キュウリ抽出物;ヒマワリ種子抽出物;ヒマ種子油;オートムギタンパク質、オートムギ抽出物、加水分解オートムギ;シルクタンパク質(例えば、セリシン);ヒアルロン酸およびその誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム);ビタミン;ミネラル;抗酸化剤;リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール;および/または老化防止特性、抗酸化特性、抗炎症特性、抗刺激特性、抗癌特性もしくは他の皮膚保護特性;美的外見を強化する特性;および/または増大した皮膚送達特性を有する、他の成分もしくはそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明に従う局所塗布のための、化粧品として有用なビタミン、ミネラルおよび/または抗酸化剤としては、抗酸化特性を有する植物体成分および抽出物(例えば、ローズマリー抽出物、センテラ属アシアティコシド(Centella asiaticoside)等);ビタミンAおよびその前駆体または誘導体(例えば、β-カロテン、レチニルパルミテート);ビタミンB3およびその前駆体または誘導体(例えば、ナイアシンアミド);ビタミンB5およびその前駆体または誘導体(例えば、パンテノール);ビタミンCおよびその前駆体または誘導体(例えば、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、パルミチン酸アスコルビル);ビタミンEおよびその前駆体または誘導体(例えば、d-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール);ビタミンKおよびその前駆体または誘導体;セレニウムおよびその誘導体(例えば、L-セレノメチオニン);およびα-リポ酸(ALA)が挙げられる。
ALAは、強力な天然に存在する抗酸化剤であり、水および脂質の両方でのその活性および溶解性を理由に、ときには「万能抗酸化剤」(universal anti-oxidant)と称される。ALAは、皮膚細胞に浸透することができ、コラーゲンおよびエラスチンの分解に関与する炎症性NF-kB経路の活性化を防止することができ、かつビタミンEおよびCの保護作用を強化して、それにより天然に存在する抗酸化剤を細胞内で強化することができる。
一実施形態では、アスコルビン酸テトラヘキシルデシルを、本明細書中に記載される組成物中に組み込むことができる。アスコルビン酸テトラヘキシルデシルは、ビタミンCの安定な脂溶性エステル誘導体である。ビタミンCは、コラーゲン合成を促進し、脂質分解を抑制し、ビタミンEを再生し、細かいしわおよび小じわを減少させ、日焼けを癒すことが報告されており、かつ顕著な抗炎症特性を有するフリーラジカルの強力な抗酸化性捕捉剤であり、それにより、例えば、アラキドン酸生成を妨げる。
別の実施形態では、パンテノールまたはその等価物が、組成物と共に使用するために意図される。パンテノールは、抗炎症特性を有する効果的なフィルム形成性湿潤化剤である。パンテノール等価物としては、CTFA化粧品成分ハンドブック(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association. Inc., pp. 272-273, 1992)に記載されるものなどの、パントテン酸のアルコール誘導体が挙げられる。最適な有用性のためには、パンテノールの量は、組成物が合理的に迅速に乾燥するように選択されるべきである。組成物中のパンテノールが多ければ、皮膚または他の表面へと塗布される場合に、組成物が乾燥するまで長時間かかる。
ビタミン、ミネラル、および/または抗酸化剤は、総組成物のうちの約0.01重量%〜20重量%、望ましくは約0.1wt%〜約10wt%、より望ましくは約0.5wt%〜約3wt%の範囲の合計量で存在し得る。
任意により、本組成物は、1種以上の麻酔薬、抗アレルギー剤、抗刺激剤、抗真菌剤、抗微生物剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、着色剤、脱色剤、エモリエント剤、乳化剤、フィルム形成剤、香料、保湿剤、昆虫忌避剤、滑沢剤、湿潤化剤、医薬物質、光安定化剤、保存料、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、日焼け止め剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、粘度調節剤、またはそれらのいずれかの組み合わせを、追加的に含むことができる。
一部の実施形態はピーリング剤(exfoliating agent)の使用を含まないが、ピーリング剤の刺激性作用を向上するために十分な抗刺激剤/抗炎症剤が含まれるのであれば、これらのピーリング剤が含まれ得る。例示的な抗刺激剤としては、限定するものではないが、アロエ・ベラ、α-ビサボロール、カフェインもしくは他のキサンテン、カモミール、コーラ・ニチダ(cola nitada)抽出物、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸およびその誘導体、緑茶抽出物、レシチンもしくは水添レシチン、リコリス抽出物、ティートゥリー油、ステロイド性または非ステロイド性抗炎症剤、限定するものではないが、例えば、シクロオキシゲナーゼ抑制剤(例えば、サリチル酸、アセチルサリチル酸)、NF-κB抑制剤、酢酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、尿素、またはそれらの組み合わせが挙げられる。望ましい抗刺激剤としては、グリチルリチン酸二カリウム、レシチンおよび水添レシチンが挙げられる。
抗刺激剤または抗炎症剤は、個別にまたはまとめて、総組成物の約0.01重量%〜10重量%、望ましくは約0.05wt%〜約5wt%、より望ましくは約0.2wt%〜約1.5wt%の範囲の量で存在し得る。
植物体成分、植物体抽出物、油、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、抗刺激剤または他の活性薬剤は、個別にまたはまとめてのいずれかで、製薬上または化粧品として許容されるビヒクル中に含めることができる。本発明の実施形態に対して好適な製薬上または化粧品として許容されるビヒクルの例としては、限定するものではないが、水、C1〜C4アルコール、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、グリセリン、グリコール、植物油、鉱油、レシチン、水添レシチン、リポソーム、積層脂肪物質、リン脂質、ポリグリコール、ポリオール、プロピルアルコール、シリコーン油、植物油、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書中に記載される組成物と共に使用するための製薬上または化粧品として許容されるビヒクルは、均一相製剤の形態で、または限定するものではないが水中油型、油中水型および三相を含む多相エマルジョンをはじめとするエマルジョンもしくはマイクロエマルジョンの形態であり得る。これらのエマルジョンは、水っぽいローション(噴霧またはエアロゾル送達にも好適であり得る)、クリーム状ローション、軽いクリームおよび重いクリームを含む、広範囲の稠度を網羅することができる。他の好適な局所用担体としては、油およびアルコールなどの無水液体溶媒;水系単相液体溶媒(例えば、含水アルコール溶媒系);無水固体および半固体(ゲルおよびスティックなど);ならびに水系ゲルおよびムース系が挙げられる。
製薬上または化粧品として許容されるビヒクルは、通常、総組成物の約5重量%〜約99.9重量%、望ましくは約25重量%〜約80重量%、より望ましくは組成物の約50重量%〜約70重量%を含有するであろうし、また、他の化粧品補助剤の非存在下で、組成物の均衡を形成し得る。総組成物の5重量%〜99重量%のいずれかのパーセンテージもまた、考慮される。
エモリエント剤は、水和を維持するかまたは保護性エモリエントコーティングを提供することにより皮膚に水分を補給するための湿潤化剤である。エモリエント剤は、エステル、脂肪酸およびアルコール、ポリオールおよび炭化水素などの一般的な化学的カテゴリーのもとに分類することができる。エステルはモノまたはジエステルであり得る。脂肪ジエステルの代表的な例としては、限定するものではないが、グリチルリチン酸二カリウム、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ジリノール酸ジイソプロピル(diisopropyl dimerate)、およびコハク酸ジオクチルが挙げられる。許容される分岐鎖脂肪エステルとしては、限定するものではないが、ミリスチン酸2-エチル-ヘキシル、ステアリン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソステアリルが挙げられる。許容される三塩基酸エステルとしては、限定するものではないが、トリリノール酸トリイソプロピルおよびクエン酸トリラウリルが挙げられる。許容される直鎖脂肪エステルとしては、限定するものではないが、パルミチン酸ラウリル、乳酸ミリスチル、およびオレイン酸ステアリルが挙げられる。
好適な脂肪アルコールおよび脂肪酸としては、限定するものではないが、約10〜20個の炭素原子を有するアルコールまたは酸が挙げられる。例えば、セチル、ミリスチルなどのアルコール、パルミチンおよびステアリルアルコールおよび酸を用いることができる。
ポリオールは、エモリエント剤として機能することができ、限定するものではないが、直鎖および分岐鎖アルキルポリヒドロキシル化合物が挙げられる。代表的ポリオールとしては、限定するものではないが、ブチレン、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの高分子ポリオールなどが挙げられる。
炭化水素は、エモリエント剤として機能することができ、限定するものではないが、鉱油、ワセリン、スクアレンおよびイソパラフィンをはじめとする約12〜30個の炭素原子を有する炭化水素鎖が挙げられる。
例示的なエモリエント剤としては、限定するものではないが、ブチレン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヒマシ油、セテアレス-20、セテアレス-30、セテアリルアルコール、セテス20、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール、コレステロール、カカオバター、アジピン酸ジイソプロピル、グリセリン、モノオレイン酸グリセリル(gyceryl monooleate)、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソパラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン、イソパラフィン、液体パラフィン、リノール酸、鉱油、オレイン酸、ワセリン、リン脂質、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-7グリセリル・ココエート、ポリエチレングリコール-18メチルエステルジメチルシラン、ポリオキシエチレングリコール脂肪アルコールエーテル、ポリオキシプロピレン15-ステアリルエーテル、ポリプロピレングリコールプロピレングリコール、プロピレングリコールステアレート、ソルビトール、スフィンゴ脂質、スクアレン、ステアレス-2または-100、ステアリン酸、ステアリルアルコール、尿素、白色ワセリン等が挙げられる。
エモリエント剤は、個別にまたはまとめて、総組成物の約0.005重量%〜20重量%、望ましくは約0.1wt%〜約10wt%、より望ましくは約1.0wt%〜約5.0wt%の範囲の量で存在し得る。
保湿剤は、水と結合し、かつそれを皮膚表面で保持することができる湿潤化剤である。例示的な保湿剤としては、限定するものではないが、アセチルグルコサミン、二糖ガム、ブチレングリコール、エトキシジグリコール、エチレングリコールポリプロピレン、グルコース、グリセレス-26、グリセリン、グリセロール、グリコール、ラクチトール、マルチトール、プロピレングリコール、セリシン、ヒアルロン酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトール、クエン酸ナトリウム、グルコース等が挙げられる。
保湿剤は、まとめて、総組成物の約0.1重量%〜40重量%、望ましくは約2.5wt%〜約25wt%、より望ましくは約5wt%〜約15wt%の範囲の量で存在し得る。
本組成物は、1種以上の保存料を含み得る。好適な保存料としては、EDTA二ナトリウム、ベンジルアルコール、メチルパラベン、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンおよびイソブチルパラベンが挙げられる。
組成物内の機能的成分の別のカテゴリーは、増粘剤である。増粘剤は、通常、組成物の約0.01〜10重量%、望ましくは約0.05〜5重量%、より望ましくは約0.1重量%〜1重量%のうちのどこかの範囲の合計量で存在するであろう。例示的な増粘剤は、架橋ポリアクリル酸材料である。キサンタン、カラギーナン、ゼラチン、カラヤ、ペクチンおよびローカストビーンガムなどのガムを用いることができる。特定の環境下では、増粘機能は、シリコーンまたはエモリエント剤としても機能する材料により達成できる。例えば、10センチストークスを超えるシリコーンゴム、ステアリン酸グリセロールなどのエステルが、二重の機能性を有する。
特定の実施形態では、皮膚美白剤を、記載される組成物中に含めることができる。皮膚美白剤としては、限定するものではないが、チロシナーゼ抑制剤、フリーラジカル捕捉剤、およびそれらの混合物が挙げられる。
化粧用組成物に粉末を組み込むことができる。これらの粉末としては、チョーク、タルク、カオリン、デンプン、スメクタイト粘土、化学修飾型ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機修飾型モントモリロナイト粘土、水添ケイ酸アルミニウム、フュームドシリカ、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
他の補助的な少量の構成要素もまた、記載される化粧用組成物へと組み込むことができる。これらの成分としては、着色料、乳白化剤および香料が挙げられる。これらの他の補助的な少量の構成要素は、組成物のうちの0.001重量%から最大で20重量%のどこかの範囲であり得る。
本発明の組成物は、皮膚への局所塗布に好適ないずれかの便利な形態で製剤化することができる。そのような製品形態としては、限定するものではないが、エアロゾルスプレー、クリーム、分散液、エマルジョン、フォーム、ゲル、液剤、ローション、ムース、軟膏、パッチ、ポマード、パックまたは粉末、ポンプスプレー、固体剤、溶液、スティック、およびウェットティッシュが挙げられる。
望ましい化粧用剤型は、水中油型エマルジョンであるクリームである。油中水型およびシリコーン中水型エマルジョンもまた考慮される。各製剤中には、種々の公知の慣用的化粧品成分を組み込むことができる。例えば、アルコール、油脂、界面活性剤、脂肪酸、シリコーン油、保湿剤、湿潤化剤、粘度調節剤、乳化剤、安定化剤、着色料、および香料などの化粧品成分を含めることができる。
組成物は、必要であれば、1日1回、1日に数回、または所望の結果が達成されるようにいずれかの好適なレジメンで、投与することができる。
組成物は、継続的または断続的に投与することができる。
特定の実施形態は、本発明の局所用組成物を含浸させたパッチを含む化粧用処置システムに関する。本発明での使用のためのパッチは、特定の標的領域を処置するために好適ないずれかの形状であり得る。パッチは、特定の領域を標的とする小さな領域を含み得るか、またはマスクの形態で顔などの大きな領域を覆い得る。目の周りに医薬を塗布するための現行のパッチの全体サイズおよび形状は、目の近傍での目の処置用製品の塗布を困難なものにし得る。パッチは、本発明の組成物を吸収、含有、および放出するために好適ないずれかの除去可能な材料で作製することができる。例えば、パッチは、不織布材料で作製することができる。不織布材料としては、コットン、コットン/ポリエステル混合材、または天然もしくは合成材料の他の好適な組み合わせが挙げられる。パッチはさらに、閉塞性、半閉塞性または非閉塞性バリアを提供するためにつくられることができる。パッチは、接着性または非接着性であり得る。パッチは、単層の材料を含むことができ、あるいは追加の構造的一体性および/もしくは柔軟性を与えるために同種および/または異種材料の多層を含むことができる。好適なパッチまたはパッチ材料は、例えば、米国特許第6,096,334号;同第6,120,792号;同第6,495,158号;同第6,623,751号;同第8,697,099号;米国特許出願公開第2002/0086043号;同第2003/0152610号;同第2003/0175328号;およびそれらの中で引用されている参照文献中に開示され、これらの内容は参照により本明細書中に組み入れられる。
特定の実施形態では、本発明の化粧用処置システムは、化粧用処置システムの個別の構成要素を保持するための包装システムを含むことができる。好ましい実施形態では、化粧用処置システムは、パッチ;少なくとも1個の容器;および顔の少なくとも一部分の処置用に製剤化された局所用組成物を含む。
1個以上の容器は、化粧用処置システムの構成要素のうちの1種以上を保持するために用いることができる。化粧用処置システムの構成要素を保持するために好適ないずれかの容器を、当業者に公知の慣用の実務に従って用いることができる。あるいは、パッチは、使用前に窪んだトレイ中にパッチをしっかりと維持するための密封性の取り外し可能なカバーが重ねられた、窪んだトレイの形態の容器中に包装することができる。
容器は、ポリプロピレンなどの好適な材料の熱成形または薄壁射出成型により、作製することができる。容器の設計は、特定のパッチの形状に合わせて改変することができる。好適な容器は、米国特許第6,623,751号に開示され、その内容は参照により本明細書中に組み入れられる。
特定のさらなる実施形態は、所望の期間(14日間など)に好適な化粧用組成物の好適な量を収容する包装システムを含む化粧用処置システムに関する。本実施形態において、化粧用処置システムは、複数の容器を含む包装システムを含み、それぞれの容器が、単回使用に好適な量の、本発明に係る化粧用組成物を有する。容器は、バイアルまたは他の好適な保持デバイスの形態であり得る。
一実施形態では、化粧用処置システムは、複数のバイアルを有する包装システムを含み、各バイアルは、皮膚への化粧用組成物の単回塗布に好適な十分量の化粧用組成物を収容する。包装システムは、化粧用組成物が皮膚に塗布される日数に合わせた数のバイアルを提供するために作製することができる。あるいは、包装システムは、1日2回以上の塗布のために作製することができる。一実施形態では、包装システムは、14日間の期間にわたる皮膚への1日1回処置のために14個のバイアルを含むことができる。包装システムはさらに、組成物を塗布するための1種以上のアプリケーターを含むことができ、かつ化粧用処置システムに関連する包装システムの使用説明書のセットをさらに含むことができる。
本発明はまた、本発明の化粧用組成物の局所塗布により皮膚を処置する方法を含む。使用に際して、少量の組成物(例えば、0.1〜100mL)を、好適な容器またはアプリケーターから、皮膚の露出した領域へと塗布することができ、必要であれば、続いて、これを、手もしくは指または好適なデバイスを用いて、皮膚に広げ、かつ/または塗り込む。あるいは、組成物は、組成物が含浸されたパッチの形態で皮膚に塗布することができる。パッチは、不織布材料で作製することができ、かつ、皮膚にパッチを貼り付けるための粘着剤をさらに含むことができる。
特定の追加の実施形態は、以下の作用のうちの少なくとも1種からヒト皮膚および/もしくは毛髪を予防、治療および/または治癒させるための、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の単離された成分または抽出物を含有する医薬に関する:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ;大気汚染により誘導される酸化ストレス;大気汚染により誘導される細胞活力の低下;大気汚染により誘導されるIL-6の増加、ならびに/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総医薬の約0.0001重量%〜5重量%;望ましくは総医薬の約0.001重量%〜約2.5重量%;より望ましくは総医薬の約0.001重量%〜約0.5重量%;さらにより望ましくは総医薬の約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲の量で存在し得る。本明細書中に記載される医薬はまた、本明細書中に記載される局所用組成物に関連して上記で列挙されたいずれかの追加の構成要素も含有することができる。
本明細書中に記載される医薬の塗布により、大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/もしくは毛髪ダメージが低減または予防されるか、大気汚染により誘導される酸化ストレスが低減または予防されるか、大気汚染により誘導される細胞活力の低下が低減または予防されるか、大気汚染により誘導されるIL-6の増加が低減または予防されるか;かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷が低減または予防され得る。本明細書中に記載される医薬はまた、組成物の抗汚染効果の結果として、様々な老化防止および皮膚感触に対する利益も提供し得る。デンドロビウム・ノビルを含有する組成物は、他の市販の皮膚健康局所用製品と比較して、顕著な老化防止および皮膚感触への利益をもたらす顕著な抗汚染効果を提供すると考えられる。本明細書中に記載される医薬の例示的な利益としては、上記の局所用組成物に関連して上述されるものが挙げられる。
方法
特定のさらなる実施形態は、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の単離された成分もしくは抽出物を含有する組成物または医薬を塗布するステップを含む、大気汚染により誘導されるダメージからヒト皮膚および/または毛髪を保護するための方法に関し、このとき、該組成物または医薬は、以下の作用のうちの少なくとも1種に対して十分な作用量である:大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/もしくは毛髪ダメージを低減および/または予防するか、大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減および/または予防するか、大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減および/または予防するか、大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減および/または予防するか、かつ/あるいは大気汚染により誘導される細胞損傷を低減および/または予防すること。デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物は、総医薬の約0.0001重量%〜5重量%;望ましくは総医薬の約0.001重量%〜約2.5重量%;より望ましくは総医薬の約0.001重量%〜約0.5重量%;さらにより望ましくは総医薬の約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲の量で存在し得る。
特定のさらなる実施形態は、抗汚染剤、それぞれ、ヒト皮膚および/または毛髪を保護するための抗汚染混合物としての、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の単離された成分もしくは抽出物の使用に関する。抗汚染とは、特に、それぞれ、酸化ストレスの誘導、細胞活力の低下、および/またはIL-6遺伝子発現の増加に関連する、ヒト皮膚および毛髪の障害および機能不全の保護および/または抑制および/または減少を目的とする。
特定の他の実施形態は、大気汚染によりダメージを受けた皮膚および/毛髪の美的外見を改善するための方法に関し、このとき、本明細書中に記載される組成物または医薬は、それぞれ、皮膚の美的外見を改善するために十分な、化粧品としてもしくは製薬上有効な量で、皮膚に局所的に塗布される。改善は、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、癌(皮膚癌を含む)、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、皮膚厚、弾力、回復力、潤い、色調、感触、輝き、光沢、美白、明度、透明度、輪郭、堅さ、硬直、柔軟性、柔らかさ、敏感さ、毛穴の大きさ、皮膚バリア機能、またはそれらの組み合わせに関することができる。
改善はさらに、乾癬、湿疹、脂漏、皮膚炎、日焼け、エストロゲン不均衡、色素沈着、色素脱失、変色、黄変、そばかす(freckles)、皮膚萎縮、吹き出物、皮膚脆弱、乾燥、あかぎれ、下垂、薄化、過形成、線維化、毛穴の拡張、セルライト形成、あざ、座瘡形成、アポトーシス、細胞分化、細胞脱分化、腫瘍誘導もしくは腫瘍進行の予防、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張(telangectasia))、多毛症、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、皮膚バリア機能損傷、またはそれらの組み合わせにより影響されるか、これらを生じるか、またはこれらをはじめとする、大気汚染により生じる悪性皮膚状態を改善することにも関することができる。
皮膚および/または毛髪に対する抗汚染効果を有することに加えて、本明細書中に記載される局所用組成物または医薬は、皮膚の全般的な健康、活力および外見を強化するために局所的に塗布することができる。例えば、本組成物は、微小循環、皮膚細胞間の伝達、必須栄養素もしくは皮膚構成要素の補充を改善するために、または皮膚細胞の代謝、増殖、倍増、ターンオーバーおよび/もしくは剥離を改善するために、皮膚に塗布することができる。
特定の他の実施形態は、デンドロビウム属(例えば、デンドロビウム・ノビル)の植物体成分、植物体抽出物もしくは天然複合体、またはその抽出物、および製薬上または化粧品として許容されるビヒクルを含有する局所用組成物を含む化粧用処置システムに関する。
以下は、本発明の非限定的な例である。特に示さない限り、すべての割合およびパーセンテージは、重量基準である。
以下は、本発明に係る製剤および方法の例である。
実施例1:デンドロビウム・ノビル抽出物の調製
デンドロビウム・ノビルの植物性抽出物を、脱イオン水抽出技術を用いて取得した。
具体的には、低温(約80℃)で脱イオン水を用いてデンドロビウム・ノビルの茎を抽出し、続いて、遠心分離および10μmメンブレンを用いてろ過することにより、多糖抽出を行なった。次に、多糖抽出物を、真空中でまた低温(約60℃)で濃縮した。多糖抽出物を、約80%(v/v)の点まで幾分かのエタノールを添加することにより精製および濃縮して、沈殿物が分散された溶媒を取得した。次に、沈殿物を、遠心分離して回収し、水に溶解させた。続いて滅菌し、その後、抽出物をパッケージした。
デンドロビウム・ノビルの茎の抽出物を、約0.1〜0.2%(w/w)で多糖を用いて標準化した。
実施例2:デンドロビウム・ノビル抽出物の細胞毒性
セルカウンティングキット-8(Cell Counting Kit-8;CCK-8)は、いずれかのin vitroモデルでの細胞増殖の誘導および抑制を研究するためのツールを提供する。CCK-8は、高い水溶性のテトラゾリウム塩を用いることにより、非常に便利なアッセイを可能にする。WST-8[2-(2-メトシキ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム・一ナトリウム塩]は、電子伝達体の存在下での還元に際して、水溶性ホルマザン色素を生成する。ホルマザン色素の量は、生存細胞数と直接的に比例する。
CCK-8比色アッセイを、同仁化学研究所から購入したセルカウンティングキット-8(Cell Counting Kit-8、同仁化学研究所、熊本、日本)を製造業者の説明書に従って用いて行ない、それにより、PM2.5粒子を用いた処理と比較して、デンドロビウム・ノビル抽出物を用いた処理後の細胞毒性アッセイでの細胞生存率を決定した。PM2.5粒子は、大気から収集された、約2.5マイクロメートル以下の直径を有する大気汚染物質である。
対照よりも10%低い細胞生存率を引き起こす濃度を、細胞毒性基準として定義する。PM2.5粒子群に関する濃度は、図1に示される通り、4時間で対照の80%を超えるPM2.5処理群の細胞生存率を生じるように選択された。デンドロビウム・ノビル抽出物処理群に関する濃度は、図2に示される通り、4時間では毒性作用は見られないが、24時間では対照の80%を超えるデンドロビウム・ノビル抽出物処理群の細胞生存率を生じるように選択された。
Figure 2021532064
CCK-8アッセイスクリーニングによれば、デンドロビウム・ノビル抽出物処理群およびPM2.5粒子処理群に関する濃度は、表1に示される通り、以下の試験に対して選択される。
抗PM2.5と比較したデンドロビウム・ノビル抽出物に関する数種類のin vitro有効性試験を、細胞毒性試験に関して選択された濃度に基づいて行なった(実施例2)。
実施例3:in vitro有効性試験
Hacat細胞での活性酸素種(ROS)レベルに対するデンドロビウム・ノビル抽出物の作用を決定するために、Sigma-Aldrich社から購入した蛍光測定細胞内ROSキットを用いた(Fluorometric Intracellular ROS Kit、橙色蛍光、カタログ番号MAK144)。
ROSは、好気的呼吸中の酸素減少の結果として、細胞内の様々な酵素系により生成される。生理的レベルでは、ROSは、細胞シグナル伝達および宿主防御に寄与する。生体系の解毒能力を超えるROS生成の増加は、酸化ストレスおよび細胞損傷をもたらす。細胞に対する主要なダメージは、膜脂質中の多価不飽和脂肪酸、必須タンパク質、およびDNAなどの高分子のROS誘導性変化から生じる。
製造業者により記載される通りでは、このキットは、1時間のインキュベーション中に、生存細胞での細胞内ROS(特にスーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカル)を検出する高感度アッセイを提供する。ROSが細胞透過性センサーと反応して、存在するROSの量と比例する蛍光生成物が生じる。
図3は、PM2.5がHacat細胞でのROSレベルを著明に強化し得ることを示す。言い換えれば、PM2.5は、Hacat細胞の酸化ストレスを増強し得る。図3はまた、デンドロビウム・ノビル抽出物が、PM2.5により上昇したROSレベルに効果的に対抗し得ること、およびデンドロビウム・ノビル抽出物自体は、Hacat細胞の酸化ストレスを引き起こさないであろうことも実証する。
実施例4:ミトコンドリア膜電位(MMP)試験
図4は、ミトコンドリア膜電位(MMP)試験の結果を示す。MMP試験は、Sigma-Aldrich社から購入したミトコンドリア膜電位キットを用いて製造業者の説明書に従って行なった(Mitochondria Membrane Potential Kit、JC-10 Assay for Microplate Readers、カタログ番号MAK159、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)。該キットは、細胞でのMMPの低下を決定するためにJC-10を用いる。該キットは、アポトーシスをモニタリングするため、ならびにアポトーシス抑制物質および活性化物質をスクリーニングするために用いることができる。
図4に示される通り、PM2.5は、MMPレベルを顕著に低下させ、かつ細胞活力の低下を引き起こした。図中に示される通り、デンドロビウム・ノビル抽出物自体は細胞MMPレベルを低下させないが、デンドロビウム・ノビル抽出物は、明らかに細胞活力を保護する。
実施例5:IL-6
本研究は、対照サンプルと比較して、IL-6レベルに対するデンドロビウム・ノビル抽出物の作用を決定するために設計された。Sigma-Aldrich社から購入したELISAキットを、製造業者の説明書に従って用いた。
図5は、IL-6レベルが、種々のサンプルにより誘導できることを示す(対照、PM2.5、デンドロビウム・ノビル抽出物(50μg/mL)、およびデンドロビウム・ノビル抽出物(50μg/mL)+PM2.5)。デンドロビウム・ノビル抽出物サンプルをPM2.5対照サンプルと比較した場合、PM2.5は、IL-6レベルを顕著に増加させた。デンドロビウム・ノビル抽出物もまた一部の濃度ではIL-6レベルを増加させることができるが、デンドロビウム・ノビル抽出物は、PM2.5処理群と比較した場合に、41.3%まで、IL-6レベルを顕著に減少させる。
実施例6:乳酸脱水素酵素(LDHまたはLD)
乳酸脱水素酵素(LDHまたはLD)は、ほぼすべての生存細胞(動物、植物、および原核生物)で見出される酵素である。LDHは、乳酸塩からピルビン酸への変換およびその逆反応を触媒し、同様に、NAD+からNADHへ、およびその逆へと変換する。LDHは、血液細胞および心筋などの様々な身体組織中で広く発現される。この酵素は細胞損傷中に放出されるので、細胞損傷のマーカーとして機能する。具体的には、組織中のLDHレベルが高ければ、より多くの細胞損傷が観察される。
乳酸脱水素酵素活性アッセイキットを、Sigma-Aldrich社から購入し(Sigma Aldrich社、カタログ番号MAK0660)、PM2.5およびデンドロビウム・ノビル抽出物を用いた処理後の細胞損傷を試験した。
図6に示される通り、PM2.5は細胞損傷率を上昇させるが、デンドロビウム・ノビル抽出物を用いた処理は細胞を損傷させない。むしろ、デンドロビウム・ノビル抽出物を用いた処理は、暗緑色カラムで示される通り、驚くべきことにPM2.5により引き起こされる損傷から細胞を保護することができる。
実施例7:製剤
例示的化粧用製剤は以下の通りであり得る:
Figure 2021532064
実施例1〜5に基づけば、デンドロビウム・ノビル抽出物は明らかに、非常に良好な抗汚染特性を有する。加えて、この抽出物は水溶性であり、かつ化粧用製品中で広く用いることができる。
したがって、上記の詳細な説明は、限定的ではなくむしろ例示的であると見なされること、および本発明の精神および範囲を規定することが意図されるのは、すべての等価物を含む以下の特許請求の範囲であると理解されることが意図される。

Claims (16)

  1. 以下の作用のうちの少なくとも1種のために十分な量のデンドロビウム・ノビルの単離された成分または抽出物:
    (a) 大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージを低減または予防すること;
    (b) 大気汚染により誘導される酸化ストレスを低減または予防すること;
    (c) 大気汚染により誘導される細胞活力の低下を低減または予防すること;
    (d) 大気汚染により誘導されるIL-6の増加を低減または予防すること;または
    (e) 大気汚染により誘導される細胞損傷を低減または予防すること;
    および、化粧品として許容される担体または賦形剤
    を含む、化粧用組成物。
  2. 前記皮膚ダメージが、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、皮膚癌、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、皮膚バリア機能損傷、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、パーソナルケア組成物、スキンケア組成物、ヘアケア組成物、アンチエージングケア組成物、日焼けケア組成物、またはそれらの組み合わせである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記組成物が、エアロゾル、クリーム、エマルジョン、固体剤、液剤、分散液、フォーム、ゲル、ローション、ムース、軟膏、粉末、パッチ、ポマード、溶液、ポンプスプレー、スティック、オイル、ウェットティッシュ、またはそれらの組み合わせの形態である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物が、総組成物のうち約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物が、総組成物のうち約0.01重量%〜約0.1重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記化粧品として許容される担体または賦形剤が、水、グリセリン、C1〜C4アルコール、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱油、リポソーム、積層脂肪物質、シリコーン油、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物および製薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬であって、該医薬は、以下の作用のうちの少なくとも1種からヒト皮膚および/もしくは毛髪を予防、治療および/または治癒させるためのものである、上記医薬:
    (a) 大気汚染により誘導されるかもしくは大気汚染により誘導可能な皮膚および/または毛髪ダメージ;
    (b) 大気汚染により誘導される酸化ストレス;
    (c) 大気汚染により誘導される細胞活力の低下;
    (d) 大気汚染により誘導されるIL-6の増加;または
    (e) 大気汚染により誘導される細胞損傷。
  9. 前記皮膚ダメージが、皮膚老化、しわ、細かいしわ、小じわ、目尻のしわ、目のクマ、シミ、加齢斑、そばかす、ストレッチマーク、皮膚癌、皮膚炎症、皮膚変色、皮膚色素沈着、皮膚バリア機能損傷、またはそれらの組み合わせである、請求項8に記載の医薬。
  10. 前記デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物が、総組成物のうちの約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項8または9に記載の医薬。
  11. 前記デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物が、総組成物のうちの約0.01重量%〜約0.1重量%の量で存在する、請求項8または9に記載の医薬。
  12. (a) 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物もしくは請求項8〜11のいずれか1項に記載の医薬がまとめて入れられた1個以上の容器;または
    (b) 該1個以上の容器から組成物を塗布するための説明書
    のうちの少なくとも1種を含む、包装システム。
  13. 皮膚および/または毛髪に請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物もしくは請求項8〜11のいずれか1項に記載の医薬を局所的に塗布するステップを含む、大気汚染により誘導されるダメージからヒト皮膚および/または毛髪を保護するための方法。
  14. デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物が、約0.01〜約5mg/cm2の有効量でヒト皮膚および/または毛髪に塗布される、請求項13に記載の方法。
  15. ヒト皮膚および/または毛髪を保護するための抗汚染剤としての、デンドロビウム・ノビルの成分または抽出物の使用。
  16. 抗汚染が、ヒト皮膚および/または毛髪の障害および機能不全の保護および/または抑制および/または減少を目的とする、請求項15に記載の使用。
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