JP2021531796A - Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体の提供。【解決手段】本発明は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関し、上記抗体は、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、有利にはFRETで測定した解離定数(Kd)が100nM未満である。FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)【選択図】なし

Description

本発明は、抗体分野、特にGタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)の分野に関する。本発明に係るsdAbは、その検出を可能にする分子と結合した重鎖抗体(HcAb)等の形態でFRETに使用にするのに特に好適である。
「Gタンパク質共役受容体」すなわち「GPCR」は、哺乳類で最もよく見られる膜受容体である。これらの受容体は、様々な生理学的プロセス(例えば、視覚、嗅覚、多数のホルモンや神経ペプチドの作用の仲介等)に関連する多種多様な細胞応答の起点である。これらの受容体は、例えば、光子、イオン、嗅覚分子、味覚分子、アミノ酸、核酸、脂質、カンナビノイド等の外因性分子、ケモカイン、又はホルモン等、非常に多様な性質のリガンドによって活性化される。
これらの受容体は、αヘリックス形態の膜貫通領域を7つ有し、それぞれの領域が22〜24個のアミノ酸を有している。ヒトのGPCRは、ロドプシン(Rhodopsin)、接着因子(Adhesion)、セクレチン(Secretin)、グルタミン酸(Glutamate)、及びフリズルド/苦味(Frizzled/Taste 2)と呼ばれる5つの主要なファミリーに分類される(非特許文献1)。GPCRは、リガンドによる活性化レベルに応じて、機能的立体構造状態を基礎立体構造状態に対して変化させる。特定のリガンドと結合することでGPCRが活性化されると、そのアゴニスト/受容体複合体の立体構造が変化することによって、ヘテロ三量体Gタンパク質を活性化できる。
Gタンパク質は、細胞外部からのシグナルを細胞内部に伝達することを目的とした生化学反応カスケードを開始することで、GPCRからの活性化シグナルを伝達するヘテロ3量体タンパク質である。Gタンパク質は細胞膜の内面に位置し、3つのサブユニット(α、β、γ)から形成されている。αサブユニットはGDP又はGTPのいずれかのグアニンヌクレオチドと結合することができる。
GPCR及びGタンパク質の一般に述べられる作用メカニズムを図1に示し、以下に概要を示す。
・不活性な休止状態では、Gタンパク質のαサブユニットはGDPヌクレオチドに結合している(GDPに結合した完全なGタンパク質)。
・GPCRの活性化後、GPCRはGタンパク質のαサブユニットに結合し、以下の2つの工程(1)及び(2)からなるGタンパク質活性化プロセスを引き起こす。(1)Gタンパク質のGDPが放出されて空のGタンパク質となり、不活性なGPCR/空のGタンパク質複合体が形成される。(2)GTPが結合してGTP形態の活性Gタンパク質が形成される(GTPに結合した完全なGタンパク質)。第一の工程では、受容体に結合したGタンパク質はいわゆる「空の形態」である。文献では、この状態は一過性とされている。というのは、GTPヌクレオチドがGタンパク質のαサブユニットにすぐに結合するといわれているからである。また、活性化Gタンパク質のβ/γサブユニットがαサブユニットから解離する。
・次いで、GTPに結合した完全なGタンパク質のαサブユニットは、エフェクターに結合してエフェクターを活性化させる。すると、エフェクターはシグナル伝達経路を活性化させて、細胞応答が起こる。
・次いで、GTPはGタンパク質のαサブユニットにより加水分解されてGDPとなり、αサブユニットがβ/γサブユニットと再結合して、GDPに結合した完全なGタンパク質を再形成する(不活性状態)。
Gαi1、Gαi2、Gαi3、Gαo1、Gαo2、Gαq、Gα12、Gα13、Gαs、Gαz、Gαt1、Gαt2、Gα11、Gα14、Gα15、Gα16、又はGαgusという少なくとも17個の異なるαサブユニットが存在する。
GPCRは多くのシグナル伝達経路に関与していることから、先行技術において、その活性を研究するための手段が開発されており、多くの場合、治療活性を有する可能性のあるこれらの受容体の新規なリガンドを同定することを目的としている。そのような手段の例としては、GTPの非加水分解性又は低加水分解性放射性誘導体、特にGTP−γ−S(受容体が活性化されるとGタンパク質αに結合する)の使用が挙げられる。また、ルシフェラーゼ(その発現は、受容体が活性化することで産生される二次メッセンジャーによって制御される)等の酵素活性の測定に基づく組換えシステムがある。また、細胞表面レベルでのGPCR活性化を検知するための抗体が合成されている(非特許文献2)。また、Gタンパク質αとGタンパク質β/γとの界面に結合することでGPCR/Gタンパク質複合体を安定化させることができるナノ抗体を提案する特許文献1が挙げられる。
しかしながら、先行技術の手段において、Gタンパク質のαサブユニットを特異的に検出できるものはなく、ましてや、特にFRETで使用するための、Gタンパク質αに結合するsdAbはない。従って、本発明は、Gタンパク質α(Gタンパク質α)に結合する重鎖抗体(HcAb)等の単一ドメイン抗体(sdAb)を提案しており、有利である。
欧州特許第2723764号明細書
Fredriksson et al,2003 Damien Maurel.Oligomerisation des recepteurs couples aux proteines G:deux ou plus? Application des technologies de FRET en temps resolu au cas du recepteur GABAB.Biologie cellulaire.Montpellier 1 University,2006,フランス語
本発明は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関する。
本発明の第1の主題は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関し、上記抗体は、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
上記抗体は、FRETで測定した完全なGタンパク質αに対する解離定数(Kd)が100nM未満である。
本発明の第2の主題は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関し、上記抗体は、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
・CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33、配列番号41、配列番号49、配列番号57、及び配列番号65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、
・CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、及び配列番号66から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、且つ
・CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35、配列番号43、配列番号51、配列番号59、及び配列番号67から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する。
本発明の第3の主題は、本発明に係る単一ドメイン抗体(sdAb)をコードする核酸配列に関する。
本発明の第4の主題は、本発明に係る核酸配列を有する組換えベクターに関する。
本発明の第5の主題は、本発明に係るベクター又は本発明に係る核酸配列を有する細胞に関する。
別段の指示がない限り、「本発明に係る抗体」、「本発明の抗体」、「本発明に係るsdAb」、又は「本発明のsdAb」は、本発明に係る第1の主題と本発明に係る第2の主題の両方を指す。
本発明の各主題を以下に詳述する。
GPCRの活性化メカニズム及びGタンパク質αの活性化の各段階、すなわち不活性化形態(GDPに結合したGタンパク質α)と活性化形態(GTPに結合したGタンパク質α)とを示す。 図3〜11で実施される、重鎖可変領域(VH)の親和性(Kd)を測定するHTRF(TR−FRET)アッセイの原理を示す。 TR−FRETアッセイによるVH F9の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。VH F9/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは32nMである。 TR−FRETアッセイによるVH F11の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。VH F11/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは3nMである。 TR−FRETアッセイによるVH B11の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。VH B11/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは1nMである。 TR−FRETアッセイによるVH F4の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。VH F4/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは31nMである。 TR−FRETアッセイによるVH G6の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。VH G6/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは95nMである。 TR−FRETアッセイによるVH A10の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。VH A10/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは15nMである。 TR−FRETアッセイによるVH G7の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。VH G7/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは31nMである。 TR−FRETアッセイによるVH F2の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。VH F2/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは14nMである。 TR−FRETアッセイによるVH E2の親和性(Kd)測定を示す。図2で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。VH E2/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは72nMである。 図13〜16で実施される、VH型HcAb(VH HcAb)の親和性(Kd)を測定するTR−FRET(HTRF)アッセイの原理を示す。 TR−FRETアッセイによるHcAb−B11の親和性(Kd)測定を示す。図12で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。HcAb−B11/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは1nMである。 TR−FRETアッセイによるHcAb−F9の親和性(Kd)測定を示す。図12で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGTPgS(10μM)をロードする。HcAb−F9/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは3nMである。 TR−FRETアッセイによるHcAb−G7の親和性(Kd)測定を示す。図12で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。HcAb−G7/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは5nMである。 TR−FRETアッセイによるHcAb−A10の親和性(Kd)測定を示す。図12で詳述したアッセイの原理を用いる。Gαi1タンパク質に過剰のGDP(10μM)をロードする。HcAb−A10/Gαi1タンパク質相互作用について得られたKdは3nMである。 本発明に係るsdAb抗体が取り得る様々な形態を示す図である。
本出願人らは、完全なGタンパク質αに対する親和性が良好な、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)を開発した。このsdAbは、治療薬、診断薬、及び/又はGタンパク質α検出薬として、特にFRET型プロセスにおけるGタンパク質α検出薬として、特に強力な手段となる。
定義
「抗Gタンパク質α抗体」、「Gタンパク質αに結合する抗体」、及び「Gタンパク質αに特異的に結合する抗体」という用語は交換可能であり、Gタンパク質αを標的にすることで抗体が検出薬(例えばFRETアッセイ用)、診断薬、及び/又は治療薬として有用となるのに充分な親和性でGタンパク質αに結合する抗体を意味する。
「抗体」とは、免疫グロブリン遺伝子によりコードされる、抗原と結合可能なポリペプチドを意味すると理解される。本明細書において「抗体」という用語はその最も広い意味において使用され、所望の抗原結合活性を有する多様な抗体構造を包含するものであり、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。「従来の」抗体(例えば、ヒトのG型免疫グロブリン(IgG)が該当する)は、軽鎖と呼ばれる同一のポリペプチド鎖と、重鎖と呼ばれる2本の同一のポリペプチド鎖との2対を含む四量体の形態である。各鎖のN末端には可変領域があり(重鎖の場合は「VH」、軽鎖の場合は「VL」)、これら2つの可変領域VH及びVLによって抗原認識が可能となる。各可変領域は、通常、4つの「ヒンジ領域」(FR1、FR2、FR3、及びFR4と呼ばれる)と、抗原との結合に直接関与する「CDR」と呼ばれる3つの領域(CDR1、CDR2、及びCDR3と呼ばれる)と含む。一般的に、各可変領域はFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4という形態を有する。通常(例えばヒトのIgGが該当する)、抗原との結合は2つの可変領域(すなわち、軽鎖可変領域VLと重鎖可変領域VH)の対により行われる。すなわち、1つの抗原結合部位の形成には6つのCDRが関与する。
一方、単一ドメイン抗体の場合、抗原結合部位の形成に関与するのは3つのCDRのみである。従って、単一ドメイン抗体の抗原結合部位は3つのCDRにより形成される。そのため、「単一ドメイン抗体」及び「sdAb」という用語は交換可能であり、抗原との結合を単一の可変領域により行う抗体を指す。sdAbは、(i)その他の可変領域とは独立して抗原に結合する、抗原に結合可能な重鎖可変領域(VH)又はその断片を含むか、あるいはそれからなる抗体、(ii)その他の可変領域とは独立して抗原に結合する、抗原に結合可能な軽鎖可変領域(VL)又はその断片を含むか、あるいはそれからなる抗体、又は(iii)その他の可変領域とは独立して抗原に結合する、抗原に結合可能なVH型重鎖可変領域(VH)又はその断片を含むか、あるいはそれからなる抗体であってもよい。
「VH型重鎖抗体」又は「VH HcAb」とは、VH型可変領域をそれぞれ含む2本の重鎖からなる抗体を意味すると理解される。特に、各重鎖はCH2及びCH3断片と上記VH型可変領域とからなる。
「VH型重鎖抗体」又は「VH HcAb」とは、VH型可変領域をそれぞれ含む2本の重鎖からなる抗体を意味すると理解される。特に、各重鎖はCH2及びCH3断片と上記VH型可変領域とからなる。
本発明の目的において、「完全なGタンパク質α」又は「Gタンパク質αの完全な形態」という用語は、GTP、GDP、又はこれらの類似体、例えば非加水分解性若しくは低加水分解性GTPに結合したGタンパク質αを意味する。従って、これらの用語は、GDP若しくはGDP類似体に結合したGタンパク質α(「GDPに結合したGタンパク質α」)、又はGTP若しくはGTP類似体、例えば非加水分解性若しくは低加水分解性GTPに結合したGタンパク質α(「GTPに結合したGタンパク質α」)を意味する。完全なGタンパク質α(GDPに結合したGタンパク質α又はGTPに結合したGタンパク質α)を図1に示す。
「GDP」という用語はグアノシン二リン酸を意味する。
「GTP」という用語はグアノシン三リン酸を意味する。
「非加水分解性若しくは低加水分解性GTP」という用語は、加水分解しない、あるいはわずかだけ加水分解してGDPになるGTP類似体を意味する。例としては、GTPガンマS(「GTPgS」や「GTPγS」の頭字語でも知られる)(CAS番号37589−80−3)、GppNHp(CAS番号148892−91−5)、又はGppCp(CAS番号10470−57−2)が挙げられる。
本発明の目的において、「空のGタンパク質α」又は「Gタンパク質αの空の形態」という用語は、GTPにもGDPにも結合していないGタンパク質αを意味する。文献では、空のGタンパク質αは、GDPに結合したGタンパク質αとGTPに結合したGタンパク質αとの間の一過性の状態として説明されている。空のGタンパク質αは図1に示されている。
「親和性」という用語は、ある分子(例えばsdAb)とそのパートナー(例えば完全なGタンパク質α等の抗原)との間の全ての非共有結合性相互作用の力を指す。通常、親和性は解離定数(Kd)で表される。解離定数(Kd)は、FRETやSPR等の周知の方法で測定できる。
「FRET」(「蛍光共鳴エネルギー移動」)という用語は、2つの蛍光分子間のエネルギー移動を意味する。FRETは、エネルギー供与体とエネルギー受容体との双極子−双極子相互作用による非放射性エネルギー移動として定義される。この物理的現象は、これらの分子間のエネルギー互換性を必要とする。これは、供与体の発光スペクトルが受容体の吸収スペクトルと少なくとも部分的に重なっていなければならないことを意味する。フェルスターの理論によると、FRETは、2つの分子、すなわち供与体及び受容体を隔てる距離に依存するプロセスであり、これらの分子が互いに近接していると、FRETシグナルが放出される。本発明の文脈において、解離定数(Kd)は、例えば実施例で説明するようにFRETにより測定する。
本発明の目的において、「相同性」とは、比較ウィンドウにアライメントした2つの配列を比較して算出する。配列のアライメントによって、比較ウィンドウ内の2つの配列に共通している位置(ヌクレオチド又はアミノ酸)の数を求めることができる。そして、共通位置の数を比較ウィンドウ内の全位置数で割り、100を乗じることで、相同性%が得られる。配列相同性%の決定は手動で行ってもよく、周知のコンピュータープログラムを用いて行ってもよい。
本発明に係る抗体に関して「精製された」及び「単離された」とは、抗体が、他に同じ種類の生体高分子が実質的に存在しない状態で存在することを意味すると理解される。本明細書において「精製された」という用語は、存在している全ての高分子に対して、抗体が好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、更に好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%であることを意味する。
sdAb抗体
本発明の第1の主題は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関し、上記抗体は、下記式(I)で表される、3つの相補性決定領域「CDR」(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域「FR」(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
FRETで測定した完全なGタンパク質αに対する解離定数(Kd)が100nM未満である。
第1の主題によれば、上記sdAbは完全なGタンパク質α(GTP若しくはその類似体の1種に結合したGタンパク質α、又はGDP若しくはその類似体の1種に結合したGタンパク質α)と結合し、FRETで測定した解離定数(Kd)が100nM未満であり、例えば親和性定数が75nM未満、50nM未満、25nM未満、又は10nM未満、例えば、1nMと10nMとの間、10nMと100nMとの間、10nMと75nMとの間、又は10nMと50nMとの間である。
第1の主題によれば、完全なGタンパク質αを単独で、又はアルミニウム塩、フロイントアジュバント、若しくは鉱油等のアジュバントと組み合わせて投与することを含むラクダ類の免疫化によって、上記sdAbを得ることができる。投与量を10μgと10mgとの間として、皮下、静脈内、筋肉内、又は腹腔内経路を介して、好ましくは皮下経路を介して、投与してもよい。上記投与は数回繰り返してもよく、各投与は、最適な免疫応答を得るために1日以上間隔を空けてもよい。その後、産生された抗体を、当業者に公知である従来の精製技術によって末梢血単核細胞から回収できる。例えば、この抗体をコードするmRNAの逆転写(RT−PCR)を行ってcDNAを得て、これをベクターにクローニングした後、ELISAプレートに固定した完全なGタンパク質αを用いて「ファージディスプレイライブラリー」により選択することで回収できる。
特に、本発明に係る抗体は、実施例1で述べるプロトコルを実施して得ることができる。
本発明の第1の主題の特定の実施形態において、
・CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33、配列番号41、配列番号49、配列番号57、及び配列番号65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、
・CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、及び配列番号66から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35、配列番号43、配列番号51、配列番号59、及び配列番号67から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列は、式(I)に従うよう容易に互いに組み合わせることができる。当業者であれば、所望の解離定数(Kd)を有する本発明に係るsdAbを得るためにこれらの配列をどの程度組み合わせることができるかを困難なく決定できる。
本発明の第2の主題は、Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)に関し、上記抗体は、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
・CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33、配列番号41、配列番号49、配列番号57、及び配列番号65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、
・CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、及び配列番号66から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35、配列番号43、配列番号51、配列番号59、及び配列番号67から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
Gタンパク質αはヒト由来であっても動物由来であってもよい。本発明に係るsdAbは、Gαiタンパク質(Gαi)、例えば、Gαi1タンパク質、Gαi2タンパク質、又はGαi3タンパク質と結合することが有利である。ヒト由来Gαi1タンパク質は、アイソフォーム1のUniProt識別子がP63096−1であり、アイソフォーム2のUniProt識別子がP63096−2である。ヒト由来Gαi1タンパク質をコードする遺伝子は「GNAI1」として知られている(遺伝子ID:2770、NCBI)。
本発明に係るsdAbは様々な形態であってよい。例えば、重鎖可変領域(VH)、VH型重鎖可変領域(VH)、VH型重鎖抗体(VH HcAb)、VH型重鎖抗体(VH HcAb)、軟骨魚類由来抗免疫グロブリン新規抗原受容体IgG重鎖抗体(Ig NAR)、又はIg NAR可変領域(V−NAR)であってよい。本発明に係る抗体構造の例を図17に示す。
本発明に係る抗体の好ましい実施形態において、
・CDR1は、配列番号1と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号2と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号3と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号9と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号10と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号11と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号17と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号18と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号19と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号25と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号26と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号27と少なくとも80%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号33と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号34と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号35と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号41と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号42と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号43と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号49と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号50と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号51と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・CDR1は、配列番号57と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号58と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号59と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;あるいは
・CDR1は、配列番号65と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、CDR2は、配列番号66と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つCDR3は、配列番号67と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
本発明に係る抗体の好ましい実施形態において、
・FR1は、配列番号5、配列番号12、配列番号20、配列番号28、配列番号36、配列番号44、配列番号52、配列番号60、及び配列番号68から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、
・FR2は、配列番号6、配列番号13、配列番号21、配列番号29、配列番号37、配列番号45、配列番号53、配列番号61、及び配列番号69から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・FR3は、配列番号7、配列番号14、配列番号22、配列番号30、配列番号38、配列番号46、配列番号54、配列番号62、及び配列番号70から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・FR4は、配列番号8、配列番号15、配列番号23、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号55、配列番号63、及び配列番号71から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
有利には、本発明に係る抗体の好ましい実施形態において、
・FR1は、配列番号5と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号6と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号7と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号8と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号12と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号13と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3、好ましくは少なくとも90%の相同性、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性は、配列番号14と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号15と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号20と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号21と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号22と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号23と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号28と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号29と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号30と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号31と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号36と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号37と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号38と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号39と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号44と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号45と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号46と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号47と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号52と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号53と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号54と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号55と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;
・FR1は、配列番号60と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号61と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号62と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号63と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有するか;あるいは
・FR1は、配列番号68と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR2は、配列番号69と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、FR3は、配列番号70と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つFR4は、配列番号71と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
本発明に係る抗体の特に好ましい実施形態において、式(I)のアミノ酸配列は、配列番号4、配列番号16、配列番号24、配列番号32、配列番号40、配列番号48、配列番号56、配列番号64、及び配列番号72から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
本発明に係る抗体は、単離された形態で及び/又は膜環境に存在するGタンパク質αと結合できる。例えば、上記抗体は、1種以上のGPCR及び1種以上のGタンパク質αを有する膜の調製物に存在するGタンパク質αと結合してもよい。
本発明に係る抗体はタンパク質に結合することから、Gタンパク質αがGPCRと複合体を形成しなくても、本発明に係る抗体はGタンパク質に結合することができる。
第1の特定の実施形態において、本発明に係る抗体は、空のGタンパク質αと比較して完全なGタンパク質αに対する親和性、特にGTPγSに結合したGタンパク質αに対する親和性がより良好である。従って、FRETで測定した本発明の抗体の「空のGタンパク質αに対するKd/完全なGタンパク質αに対するKd」比は2以上であり、例えば、2.5以上、5以上、又は10以上であり、且つ
・CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33から選択されるアミノ酸配列のうちの1つと少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、
・CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
第2の特定の実施例において、本発明に係る抗体は、完全なGタンパク質αと比較して空のGタンパク質αに対する親和性がより良好である。従って、FRETで測定した本発明の抗体の「完全なGタンパク質αに対するKd/空のGタンパク質αに対するKd」比は5以上であり、例えば、10以上、20以上、又は50以上であり、且つ
・CDR1は、配列番号41、配列番号49、配列番号57、配列番号65から選択されるアミノ酸配列のうちの1つと少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、
・CDR2は、配列番号42、配列番号50、配列番号58、配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有し、且つ
・CDR3は、配列番号43、配列番号51、配列番号59、配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性、好ましくは少なくとも90%の相同性を有し、例えば、少なくとも95%の相同性、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の相同性を有する。
本発明に係る抗体は、FRETアッセイの実施において、特に完全なGタンパク質α又は空のGタンパク質αを検出するために、特に有利である。
従って、本発明に係る抗体は、その検出を可能にする分子と結合していてもよい。これはペプチドタグであってよく、例えば6XHisタグであってよい。また、基質存在下で比色分析、蛍光、又は発光により検出可能なシグナルを生成できる酵素であってもよく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、又はホースラディッシュペルオキシダーゼであってもよい。また、放射性核種、蛍光化合物、発光化合物、又は染料であってもよい。本発明に係る抗体は、FRETパートナー対のメンバーと結合していることが有利である。
FRETパートナー対
FRETパートナー対は、エネルギー供与体蛍光化合物及びエネルギー受容体蛍光化合物からなることが好ましい。
FRETは、エネルギー供与体とエネルギー受容体との双極子−双極子相互作用による非放射性エネルギー移動として定義される。この物理的現象は、これら分子間のエネルギー互換性を必要とする。これは、供与体の発光スペクトルが受容体の吸収スペクトルと少なくとも部分的に重なっていなければならないことを意味する。フェルスターの理論によると、FRETは、2つの分子、すなわち供与体及び受容体を隔てる距離に依存するプロセスであり、これらの分子が互いに近接しており、供与体化合物がその吸収ピークのいずれかに対応する波長で励起されると、エネルギー移動が生じて、供与体の発光波長で放出される発光が減少し、受容体の発光波長で放出される発光が増加する。
FRETシグナルを得るための供与体/受容体フルオロフォア対の選択は、当業者の能力の範囲内である。FRET現象の研究に用いることができる供与体/受容体の対は、特にJoseph R.Lakowiczの著作(Principles of fluorescence spectroscopy,2nd edition,Kluwer Academic/Plenum Publishers,NY(1999))に記載されており、当業者は参照することができる。
寿命の長いエネルギー供与体蛍光化合物(>0.1ミリ秒、好ましくは0.5〜6ミリ秒の範囲)、特に希土類キレート又はクリプテートは、測定培地から放出される自己蛍光現象を排除しながら、時間分解測定、すなわちTR−FRETシグナル測定を行うことができるため、有利である。このため、また通常は、これらは本発明に係る方法を実施するために好ましい。
ジスプロシウム(Dy3+)、サマリウム(Sm3+)、ネオジム(Nd3+)、イッテルビウム(Yb3+)、又はエルビウム(Er3+)の錯体も本発明の目的に好適な希土類錯体であるが、ユーロピウム(Eu3+)又はテルビウム(Tb3+)のキレート及びクリプテートが特に好ましい。
多数の希土類錯体が開示されており、多くが現在PerkinElmer社、Invitrogen社、及びCisbio Bioassays社から販売されている。
本発明の目的に好適な希土類キレート又はクリプテートの例は以下の通りである。
・1つ以上のピリジン単位を含むランタニドクリプテート。そのような希土類クリプテートは、例えば、欧州特許第0180492号、欧州特許第0321353号、欧州特許第0601113号、及び国際公開第01/96877号に記載されている。テルビウム(Tb3+)又はユウロピウム(Eu3+)のクリプテートは本発明の目的に特に好適である。ランタニドクリプテートはCisbio Bioassays社から販売されている。例としては、下記式のユウロピウムクリプテート(反応性基(ここではNH基等)を介して標識対象の化合物と結合させることができる)が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2021531796
Figure 2021531796
・特に米国特許第4,761,481号、第5,032,677号、第5,055,578号、第5,106,957号、第5,116,989号、第4,761,481号、第4,801,722号、第4,794,191号、第4,637,988号、第4,670,572号、第4,837,169号、及び第4,859,777号に記載されたランタニドキレート。欧州特許第0403593号、米国特許第5,324,825号、米国特許第5,202,423号、及び米国特許第5,316,909号には、テルピリジン等の九座リガンドからなるキレートが記載されている。ランタニドキレートはPerkinElmer社から販売されている。
・Poole R.et al.,Biomol.Chem,2005,3,1013−1024,“Synthesis and characterisation of highly emissive and kinetically stable lanthanide complexes suitable for usage in cellulo”に記載されたものなど、芳香環を有する発色団により置換されたキレート剤(テトラアザシクロドデカン等)からなるランタニド錯体もまた用いることができる。国際公開第2009/010580号に記載された錯体もまた用いることができる。
・欧州特許第1154991号及び第1154990号に記載されたランタニドクリプテートもまた用いることができる。
・下記式のテルビウムクリプテート(反応性基(ここではNH基等)を介して標識対象の化合物に結合させることができる)。その合成は、国際公開第2008/063721号(89ページの化合物6a)に記載されている。
Figure 2021531796
・Cisbio Bioassays社から販売されているLumiphore社製テルビウムクリプテートLumi4−Tb。
・Research Organics社製の下記式の量子染料(反応性基(ここではNCS)を介して標識対象の化合物に結合させることができる)。
Figure 2021531796
・ルテニウムキレート、特にルテニウムイオン及びいくつかのビピリジンからなる錯体(例えばルテニウム(II)トリス(2,2’−ビピリジン))。
・Life Technologies社から販売されている下記式のテルビウムキレートDTPA−cs124Tb(反応性基Rを介して標識対象の化合物に結合させることができる)。その合成は、米国特許第5,622,821号に記載されている。
Figure 2021531796
・Latva et al.(Journal of Luminescence 1997,75:149−169)に記載された下記式のテルビウムキレート。
Figure 2021531796
供与体蛍光化合物は、ユウロピウムクリプテート、ユウロピウムキレート、テルビウムキレート、テルビウムクリプテート、ルテニウムキレート、及び量子染料から選択されることが特に有利であり、ユウロピウム又はテルビウムのキレート及びクリプテートが特に好ましい。
受容体蛍光化合物の吸収スペクトルは、供与体の発光スペクトルと重なっている必要があり(Mathis G,Clin.Chem.1993、39(9):1953−1959)、受容体蛍光化合物は以下の群から選択されてもよい:アロフィコシアニン、特に商品名XL665で知られているもの;発光有機分子、例えば、ローダミン、シアニン(Cy5等)、スクアライン、クマリン、プロフラビン、アクリジン、フルオレセイン、ボロンジピロメテン誘導体(「Bodipy」として販売)、「Atto」として知られているフルオロフォア、「DY」として知られているフルオロフォア、「Alexa」として知られている化合物、ニトロベンゾオキサジアゾール。受容体蛍光化合物は、アロフィコシアニン、ローダミン、シアニン、スクアライン、クマリン、プロフラビン、アクリジン、フルオレセイン、ボロンジピロメテン誘導体、ニトロベンゾオキサジアゾールから選択されることが有利である。
「シアニン」及び「ローダミン」という表現はそれぞれ、「シアニン誘導体」及び「ローダミン誘導体」を意味すると理解されるべきである。当業者は、市販されているこれらの各種フルオロフォアを知っている。
「Alexa」化合物はInvitrogen社から販売されている。「Atto」化合物はAtto−tec社から販売されている。「DY」化合物はDyomics社から販売されている。「Cy」化合物はAmersham Biosciences社から販売されている。他の化合物はSigma、Aldrich、又はAcros社等の様々な化学試薬供給業者から販売されている。
本発明の目的において、受容体蛍光化合物としては、シアニン又はフルオレセインの誘導体が好ましい。
エネルギー受容体又は供与体化合物による抗体の標識
本発明に係る抗体は、フルオロフォアで直接的(共有結合的)又は間接的に標識してもよい。FRETパートナーの少なくとも一方を第1又は第2の抗体と共有結合させることが好ましく、FRETパートナーの両方をそれぞれ第1及び第2の抗体と共有結合させることが更に好ましい。
蛍光供与体又は受容体化合物による本発明に係る抗体の直接標識は、反応性基を用いる従来の結合法で行われる。蛍光供与体又は受容体化合物は通常、「官能化された」形態で販売されている。すなわち、これらの化合物は、標識対象の化合物(この場合は本発明に係る抗体)に存在する官能基と反応できる反応性基を有している。
典型的には、供与体又は受容体蛍光化合物に存在する反応性基は、求電子性基又は求核性基であって、それぞれ適切な求核性基又は求電子性基の存在下に置かれると共有結合を形成できる基である。例示として、求電子性/求核性基の対と、これらの基が一緒になって形成される共有結合の種類とを以下にまとめる。
Figure 2021531796
*:活性化エステルは、式COYで表される基を意味すると理解される。式中、Yは以下の通りである。
・スクシンイミジルオキシ(−OCNO)基及びスルホスクシンイミジルオキシ(−OCNO−SOH)基から選択される脱離基。
・ニトロ基、フルオロ基、クロロ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基等の少なくとも1つの求電子性置換基で置換されているか又は置換されていないアリールオキシ基。そのため活性化アリールエステルを形成する。
・カルボジイミド基で活性化されたカルボン酸。無水物−OCORa又は−OCNRaNHRbを形成する。式中、Ra及びRbは同一又は異なって、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びシクロヘキシル基から選択される。
・3−ジメチルアミノプロピル又はN−モルホリノエチル。
市販の供与体及び受容体蛍光化合物は通常、マレイミド官能基又は活性化エステルを含み、最も多くの場合、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミジル)基で活性化されたエステルを含む。これらはそれぞれチオール基及びアミン基と反応するため、抗体の標識に用いることができる。標識された抗体は、本発明に係る抗体にグラフトされた標識分子の平均数を表す最終モル比(FMR)で特徴付けられる。
本発明に係る抗体に元から存在する以下の官能基のうちのいずれかを用いることが有利な場合がある:末端アミノ基、末端カルボキシレート基、アスパラギン酸及びグルタミン酸のカルボキシレート基、リシンのアミノ基、アルギニンのグアニジン基、システインのチオール基、チロシンのフェノール基、トリプトファンのインドール環、メチオニンのチオエーテル基、並びにヒスチジンのイミダゾール基。
本発明に係る抗体を蛍光化合物で標識する別の手法では、NHS基やマレイミド基等の反応性基を抗体に導入し、その反応性基と反応して共有結合を形成する官能基を有するフルオロフォアの存在下に置く。
本発明に係る標識された抗体がGタンパク質αに対する親和性を充分に保持していることを確認することが重要である。これは、本発明に係る標識された抗体のGタンパク質αに対する親和性定数を算出できる従来の結合実験によって簡単に調べることができる。
また、それ自体が蛍光化合物に共有結合した「二次」抗体であって、本発明に係る抗体、又はこの本発明に係る抗体に存在するハプテン(ジニトロフェニル基、ドゴキシゲニン基、フルオレセイン、又はFLAG、c−myc、若しくは6−HISタグ等)を特異的に認識する抗体をインキュベーション培地に導入することなどによって、本発明に係る抗体を間接的に蛍光化合物で標識してもよい。二次抗体は抗種抗体であってよい。
他の非常に伝統的な間接標識法では、標識対象の本発明に係る抗体にビオチンを結合させてから、フルオロフォアで標識されたストレプトアビジンの存在下、このビオチン化リガンドをインキュベートする。本発明に係る抗体のビオチンによる標識は、当業者の一般的な知識の範囲内であり、Cisbio Bioassays社は、例えば商品名「d2」(品番610SADLA)でフルオロフォアで標識されたストレプトアビジンを販売している。
TR−FRETシグナル測定
TR−FRETシグナル測定は、パルス線源を用いて測定培地を供与体化合物の励起帯で励起した後に、好ましくは1〜500マイクロ秒(μ秒)の遅延時間後、10〜2000μ秒間行う。遅延時間は50μ秒(時間分解)であることが更に好ましい。
TR−FRETシグナルは、測定された発光の強度又はその寿命からなっていてよい。
本発明に係る抗体はポリペプチドに存在していてもよい。また、固体支持体に固定されていてもよい。
本発明の別の態様は、本発明に係る抗体を含む複合体、例えば、本発明に係る抗体及びGタンパク質αを含む複合体に関する。
本発明に係る抗体は、「ヒト化」版であってもよく、これは、例えば、上記抗体のアミノ酸配列中(特にFR中)の1つ以上のアミノ酸を、従来のヒト四量体抗体の対応する位置に現れる1つ以上のアミノ酸で置換することで得られる。いくつかのヒト化技術が文献に記載されており、当業者は、本発明に係る抗体を調製する目的でそれらを困難なく実施することができる。
本発明に係る抗体は、当該分野で公知である任意の技術で作製することができ、例えば、限定されることはないが、任意の化学的、生物学的、遺伝学的、又は酵素的技術を単独で又は組み合わせて用いてよい。
所望の抗体のアミノ酸配列が既知であれば、当業者は、ポリペプチド作製のための従来技術を用いて該抗体を容易に作製できる。例えば、本発明に係る抗体は、周知の固相法を用いて、好ましくは市販のポリペプチド合成装置(Applied Bionystems(California、Foster City)により製造されたもの等)を用い、製造元の指示に従って合成できる。変形例として、文献で公知の組換えDNA技術で本発明に係る抗体を合成してもよい。例えば、発明に係る抗体は、該抗体をコードする核酸配列を1つ以上の発現ベクターに組み込み、所望の抗体を発現することになる適切な宿主細胞にこのベクターを導入した後、上記核酸配列を発現させることで得られる。
本発明に係る抗体は、例えば所望の抗体を発現する宿主細胞の培養上清から、クロマトグラフィー及び/又はアフィニティーカラムでの精製等の公知の精製技術を実施して、精製(又は単離)することが有利である。
他の主題
本発明の第3の主題は、本発明に係る抗体をコードする核酸配列に関する。
本発明の第4の主題は、本発明に係る核酸配列を有する組換えベクターに関する。本発明の文脈においては、抗体の作製に適した任意の種類のベクターを用いることができる。上記ベクターは、例えばプロモーター配列や制御配列等、本発明に係る抗体の作製に必要な核酸配列を有することになる。適切なベクターの作製については広く文献に記載されている。
本発明の第5の主題は、本発明に係るベクター又は本発明に係る核酸配列を有する細胞に関する。本発明に係る細胞は、広く文献に記載されている方法で得ることができ、例えば、本発明に係るベクター又は核酸配列で細胞クローンをトランスフェクトすることで得ることができる。本発明は特定の細胞種に限定されない。本発明の文脈においては、抗体を産生可能な任意の細胞を使用できる。上記細胞は、哺乳類細胞(例えばヒト細胞又はマウス細胞)等の真核細胞、細菌等の原核細胞、又は酵母であってもよい。
以下の図及び実施例により本発明を更に説明する。しかしながら、これらの実施例及び図はいかなる形でも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
Figure 2021531796
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実施例1:ラマの免疫化及びsdAbライブラリーの構築
GDP又はGTPgSに結合した組換えヒトタンパク質TST−Gαi1(TEVリンカーを介してN末端がTwinStreptag(TST)タグ(IBA)で標識されたUniProt配列P63096−1のGαi1タンパク質)で、2頭のラマ(Lama glama)を皮下免疫した。これまでに(Alvarez−Rueda,Behar et al.,2007,Behar Chames et al.2009)で述べられている通り、大腸菌株TG1においてVH/VHライブラリーの構築を行った。得られたライブラリーの多様性は10クローンを超えていた。
ファージ−VH/VH粒子の作製
50mLの2YTA(アンピシリン100μg/mLを含有する2YT)に50μLの細菌ライブラリーを播種し、振とう(250rpm)させながら37℃でインキュベートしてOD600を0.4と0.6との間とした。この細菌を、振とうさせずに、感染多重度を20とし、30分間37℃でファージKM13に感染させた。培養液を3000gで10分間遠心分離し、50μg/mLのカナマイシンを含有する2YTA250mLに細菌ペレットを再懸濁させて、振とうさせながら30℃で一晩かけてVH−ファージを作製した。培養液を10本のチューブに分け、3000g、4℃で20分間遠心分離した。各チューブについて、新しい清潔なチューブ内の上清に5mLの20%PEG8000、2.5mMのNaClを加え、氷上で1時間インキュベートしてファージ粒子を沈殿させた。この溶液を3000g、4℃で15分間遠心分離し、ファージ含有ペレットを1mLのPBSに再懸濁させた。別の遠心分離工程(2分、16000g)を行って細菌混入物を除去し、新しいチューブ内の上清に200μLのPEG8000NaClを加えた。氷上に30分間置き、最終遠心分離(5分、16000g)を行った後、ファージ含有ペレットを1mLのPBSに再懸濁させて、すぐに選択に使用できる状態のファージ−VHを得た。
ファージディスプレイによるVH/VH選択
固定化されたStrep−Tactinを含むプレート(IBA#2−4101−001)上でファージライブラリーを枯渇させることで、抗Strep−Tactin VHが選択されないようにする工程を行った後、予め10μMのGDPを37℃で2時間ロードし、2%BSAのPBS溶液で室温にて1時間飽和させたTwin−Strep−tagと融合した組換えヒトGαi1を含むStrep−Tactinプレート上で第1の選択サイクルを実施した。室温で2時間インキュベートした後、プレートを0.1%のTween PBS及びPBSで洗浄した。結合したファージを、振とうさせながら、1mg/mLのトリプシン溶液(Sigma)を用いて室温で30分間溶出した。ファージを回収し、TG1細菌株に感染させて増幅した。予め10μMのGTPをロードしたGαi1に対して同様の方法で第2の選択サイクルを実施した。第2のストラテジーでは、ヌクレオチドの非存在下、Gαi1に対する選択を2ラウンド行った。第3のストラテジーは、Gαiの活性立体構造(GTP)に特異的なVHの選択を促進することを目的としており、予め10μMのGTPgSをロードしたGαi1 Twin−Strep−tagに対して2回の選択サイクルを行い、次いで、予め10μMのGDPをロードしたGαi1 Twin−Strep−tagで被覆したプレート上で枯渇工程を行った。96ウェル深型ウェルプレートにおいて、2%グルコースを含有する2YTA400μL中で個々のTG1コロニーを培養した。一晩増殖させた後、培養液を20%グリセリン中、−80℃で凍結させ、残りの培養液は、2YTA中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した可溶性VHの作製に用いた。VHを含む上清はスクリーニングアッセイに用いた。
VHの作製及び精製
VHを大規模に作製するために、陽性ファージミドを大腸菌株BL21 DE3に形質転換した。形質転換細菌を400mLの2YTA中で培養してOD600値を0.7とし、100μMのIPTGで誘導して、振とうさせながら30℃で一晩増殖させた。細菌を遠心分離で回収し、Bugbuster(商標)試薬(Novagen)で溶解させた。3000gで20分間遠心分離した後、TALON(登録商標)Superflow(商標)(GE Healthcare)アフィニティークロマトグラフィーを用い、製造元の指示に従って上清からVHを精製した。
VH−HcAbの作製
遺伝子合成(Genecust)によって、ヒトIgG1のCH2及びCH3領域をコードする遺伝子、次いで6ヒスチジンタグと融合させることで、VH遺伝子をpHLsecベクターにクローニングした(Aricescu AR,Lu W,Jones EY.Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.2006 Oct;62(Pt10):1243−50)。対応するプラスミドを用いて浮遊適応HEK293株をトランスフェクトし、この細胞を製造元の指示に従って撹拌しながらインキュベートした(FreeStyle 293 Expression System、Thermofisher)。5日後、回収した上清をそのまま用いて、製造元の指示に従ってTALON(登録商標)Superflow(商標)アフィニティークロマトグラフィーによってHcAbを精製した。
実施例2:FRET(HTRF)における本発明に係る単一ドメイン抗体(sdAb)の親和性定数(Kd)の測定
材料
組換えTST−Gαi1タンパク質(TEVリンカーを介してN末端がTwinStreptag(TST)タグ(IBA)で標識されたUniProt配列P63096−1のGαi1タンパク質)をSf9昆虫細胞(バキュロウイルスを介した感染)で産生させてから、TwinStreptag(TST)タグを介したアフィニティーカラム(Strep−Tactin Superflow高容量樹脂(IBA、カタログ:2−1208−002))で精製した。
受容体d2によるTR−FRET検出に適合性があるLumi4(登録商標)−Tb供与体蛍光プローブで抗TST抗体(抗Twin−Strep−Tag、カタログ参照番号2−1517−001、IBA製)を標識した。このようにして得た抗体を「抗TST抗体−Lumi4−Tb」と呼んだ。
9種の重鎖可変領域(VH)(F9:配列番号24、F4:配列番号40、B11:配列番号16、F11:配列番号4、G6:配列番号32、A10:配列番号48、E2:配列番号64、F2:配列番号56、及びG7:配列番号72)を大規模に作製するために、これらのVHをコードするファージミドを大腸菌株BL21 DE3に形質転換した。形質転換細菌を400mLの2YTA中で培養してOD600値を0.7とし、100μMのIPTGで誘導して、撹拌しながら30℃で一晩増殖させた。細菌を遠心分離で回収し、Bugbuster(商標)試薬(Novagen)で溶解させた。3000gで20分間遠心分離した後、TALON(登録商標)Superflow(商標)(GE Healthcare)アフィニティークロマトグラフィーを用い、製造元の指示に従って上清からVHを精製した。
VH型重鎖抗体(VH−HcAb)を作製するために、遺伝子合成(Genecust)によって、ヒトIgG1のCH2及びCH3ドメインをコードする遺伝子、次いで6ヒスチジンタグと融合させることで、VH遺伝子をpHLsecベクターにクローニングした(Aricescu AR、Lu W,Jones EY.Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.2006 Oct;62(Pt10):1243−50)。対応するプラスミドを用いて浮遊適応HEK293株をトランスフェクトし、この細胞を製造元の指示に従って撹拌しながらインキュベートした(FreeStyle 293 Expression System、Thermofisher)。5日後、回収した上清をそのまま用いて、製造元の指示に従ってTALON(登録商標)Superflow(商標)アフィニティークロマトグラフィーによってVH−HcAbを精製した。
抗TST抗体の標識に用いた供与体Lumi4−TbによるTR−FRET検出に適合性がある受容体蛍光プローブd2で、得られたsdAb(VH又はVH−HcAb)を標識した。この標識された抗体を「抗Gαi抗体−d2」と呼んだ。
GDP及びGTPγSヌクレオチドは、Sigma Aldrichから購入した(それぞれカタログ参照番号G7127及びG8634)。
384ウェル低容量白色プレート(背面白色)は、Greiner Bio Oneから購入した(カタログ参照番号784075)。
方法
1)試薬の調製
すべての試薬は、緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、10mMのMgCl、10mMのNaCl、0.1%のBSA)で希釈した。組換えTST−Gαi1タンパク質は、4倍調製してウェル中の最終濃度1nMで使用した(別段の指示が無い限り)。GDP又はGTPγSヌクレオチドは、4倍調製してウェル中の最終濃度10μMで使用した。抗TST抗体−Lumi4−Tbは、4倍調製してウェル中の最終濃度0.25nMで使用した。各種の抗Gαi−d2抗体は、4倍調製して、グラフに記載したウェル中の最終濃度を目指し、最大で200nMであった。
2)384ウェルプレートでの試薬の分配
・TST−Gαi1タンパク質:5μL
・ヌクレオチド(GDP又はGTPgS):5μL
・抗TST抗体−Lumi4−Tb(供与体):5μL
・抗Gαi抗体−d2(受容体):5μL
非特異的シグナル(バックグラウンド蛍光ノイズ)は、2種の検出試薬(供与体及び受容体で標識)、すなわち抗TST抗体−Lumi4Tb(供与体)及び抗Gαi抗体−d2(受容体)のみを含み、他の成分はそれらの希釈緩衝液で置き換えたウェルで測定した。
3)HTRFシグナルの読取り
プレートを21℃で20時間インキュベートし、次いでHTRFシグナルを以下の構成でPHERAstarリーダー(BMG Labtech)によって測定した。
・モジュール:HTRF(励起:337nm、発光:665nm及び620nm)
・励起:レーザー、40フラッシュ
・読取りウィンドウ:遅延:60μ秒−積算:400μ秒
4)シグナル処理
665nm及び620nmの生シグナルから下記式によってHTRF比を算出した。
HTRF比=(665nmのシグナル/620nmのシグナル)×10,000
5)重鎖可変領域VHの親和性(Kd)測定用TR−FRET(HTRF)アッセイの原理
TR−FRET(HTRF)試験によって、各種抗体のGαi1タンパク質に対する親和性(Kd)を測定することができた。この試験の原理を図2に示す。精製してTSTで標識した組換えGαi1タンパク質(TST−Gαi1タンパク質)を一定濃度(1nM)とし、過剰のヌクレオチド(GDP又はGTPgS)(10μM)、一定濃度(0.5nM)の供与体Lumi4−Tbで標識した抗TST抗体(抗TST抗体−Lumi4−Tb)、及び濃度を漸増させた受容体d2で標識したVH型単一ドメイン抗体(抗GαiVH抗体−d2)の存在下に置いた。その後、全HTRFシグナルを得た。
並行して、Gαi1タンパク質無しの条件を実施して、非特異的なHTRFシグナルを測定した。
その後、全シグナルから非特異的シグナルを差し引くことで、抗体とGαi1タンパク質との相互作用による特異的なHTRFシグナルを算出した。そして、特異的なHTRFシグナルのデータをGraphPad Prism7ソフトウェアで「1部位特異的結合」フィットによって解析した。その後、抗体のGαi1タンパク質に対する解離定数(Kd)を求めた。GTPγsに結合したGタンパク質αに結合する抗体で得た結果と、GDPに結合したGタンパク質αに結合する抗体で得た結果とを下記表1及び表2に示す。
6)VH型重鎖抗体(VH HcAb)の親和性(Kd)測定用HTRF(TR−FRET)アッセイの原理
各種VH−HcAbのGαi1タンパク質に対する親和性(Kd)を測定するために実施したTR−FRET(HTRF)アッセイの原理を図12に示す。精製してTSTで標識した組換えGαi1タンパク質(TST−Gαi1タンパク質)を一定濃度(1nM)とし、過剰のヌクレオチド(GDP又はGTPgS)(10μM)、一定濃度(0.5nM)の供与体Lumi4−Tbで標識した抗TST抗体(抗Tag Ab−供与体)、一定濃度(50nM)の受容体d2で標識した抗6HIS抗体(抗6HIS受容体抗体、Cisbio Bioassays #61HISDLF)、及び濃度を漸増させた6HISで標識したVH−HcAb抗体(6HIS−Fc−sdAb)の存在下に置いた。その後、全HTRFシグナルを得た。
並行して、Gαi1タンパク質無しの条件を実施して、非特異的なHTRFシグナルを測定した。
その後、全シグナルから非特異的シグナルを差し引くことで、VH−HcAbとGαi1タンパク質との相互作用による特異的なHTRFシグナルを算出した。そして、特異的なHTRFシグナルのデータをGraphPad Prism7ソフトウェアで「1部位特異的結合」フィットによって解析した。その後、VH−HcAbのGαi1タンパク質に対する解離定数(Kd)を求めた。抗体HcAb−B11、HcAb−F9、HcAb−G7、HcAb−A10で得た結果を下記表3に示す。
結果
図3〜11に上記VHについて得られた飽和曲線を示す。
上記VH(F9、F11、B11、F4、及びG6)は、GTPγSに結合したGタンパク質αに対する親和性が高くなり、解離定数(Kd)が100nM未満であり、1nM(例えば抗体B11の場合)まで低くなった。
Figure 2021531796
上記VH(A10、G7、F2、及びE2)は、GDPに結合したGタンパク質αに対する親和性が高くなり、解離定数(Kd)が100nM未満であり、14nM(例えば抗体F2の場合)まで低くなった。
Figure 2021531796
図13〜16に上記VH HcAbについて得られた飽和曲線を示す。
上記抗体HcAb−B11、HcAb−F9、HcAb−G7、及びHcAb−A10は、GDP又はGTPγSに結合したGタンパク質αに対する親和性が高くなり、解離定数(Kd)が10nM未満であり、1nM(例えば、GTPγSに結合したGタンパク質αに結合する抗体HcAb−B11の場合)まで低くなった。
Figure 2021531796
Figure 2021531796
Figure 2021531796

Claims (14)

  1. Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)であって、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
    FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
    上記抗体は、FRETで測定した完全なGタンパク質αに対する解離定数(Kd)が100nM未満である、単一ドメイン抗体。
  2. CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33、配列番号41、配列番号49、配列番号57、及び配列番号65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、
    CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、及び配列番号66から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、且つ
    CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35、配列番号43、配列番号51、配列番号59、及び配列番号67から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1に記載の抗体。
  3. Gタンパク質αに結合する単一ドメイン抗体(sdAb)であって、下記式(I)で表される、3つのCDR領域(CDR1〜CDR3)及び4つのヒンジ領域(FR1〜FR4)からなるアミノ酸配列を有し、
    FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 (I)
    CDR1は、配列番号1、配列番号9、配列番号17、配列番号25、配列番号33、配列番号41、配列番号49、配列番号57、及び配列番号65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、
    CDR2は、配列番号2、配列番号10、配列番号18、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、及び配列番号66から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、且つ
    CDR3は、配列番号3、配列番号11、配列番号19、配列番号27、配列番号35、配列番号43、配列番号51、配列番号59、及び配列番号67から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、単一ドメイン抗体。
  4. CDR1は配列番号1と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号2と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号3と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号9と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号10と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号11と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号17と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号18と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号19と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号25と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号26と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号27と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号33と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号34と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号35と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号41と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号42と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号43と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号49と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号50と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号51と少なくとも80%の相同性を有するか;
    CDR1は配列番号57と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号58と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号59と少なくとも80%の相同性を有するか;あるいは
    CDR1は配列番号65と少なくとも80%の相同性を有し、CDR2は配列番号66と少なくとも80%の相同性を有し、且つCDR3は配列番号67と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. FR1は、配列番号5、配列番号12、配列番号20、配列番号28、配列番号36、配列番号44、配列番号52、配列番号60、及び配列番号68から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、
    FR2は、配列番号6、配列番号13、配列番号21、配列番号29、配列番号37、配列番号45、配列番号53、配列番号61、及び配列番号69から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、
    FR3は、配列番号7、配列番号14、配列番号22、配列番号30、配列番号38、配列番号46、配列番号54、配列番号62、及び配列番号70から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、且つ
    FR4は、配列番号8、配列番号15、配列番号23、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号55、配列番号63、及び配列番号71から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体。
  6. FR1は配列番号5と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号6と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号7と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号12と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号13と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号14と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号20と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号21と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号22と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号28と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号29と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号30と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号36と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号37と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号38と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号44と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号45と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号46と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号52と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号53と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号54と少なくとも80%の相同性を有するか;
    FR1は配列番号60と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号61と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号62と少なくとも80%の相同性を有するか;あるいは
    FR1は配列番号68と少なくとも80%の相同性を有し、FR2は配列番号69と少なくとも80%の相同性を有し、且つFR3は配列番号70と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗体。
  7. 上記式(I)のアミノ酸配列が、配列番号4、配列番号16、配列番号24、配列番号32、配列番号40、配列番号48、配列番号56、配列番号64、及び配列番号72から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗体。
  8. 上記式(I)のアミノ酸配列が、配列番号4、配列番号16、配列番号24、配列番号32、配列番号40、配列番号48、配列番号56、配列番号64、及び配列番号72から選択されるアミノ酸配列と100%の相同性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗体。
  9. 上記抗体は、重鎖可変領域(VH)、VH型重鎖可変領域(VH)、VH型重鎖抗体(VH HcAb)、VH型重鎖抗体(VH HcAb)、軟骨魚類由来抗免疫グロブリン新規抗原受容体IgG重鎖抗体(Ig NAR)、又はIg NAR可変領域(V−NAR)から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体。
  10. 上記抗体の検出を可能にする分子と結合している請求項1〜9のいずれか1項に記載の抗体。
  11. 上記分子は、ペプチドタグ、酵素、放射性核種、蛍光化合物、発光化合物、染料、有利にはFRETパートナー対のメンバーから選択される、請求項10に記載の抗体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)をコードする核酸配列。
  13. 請求項12に記載の核酸配列を有する組換えベクター。
  14. 請求項13に記載のベクター又は請求項12に記載の核酸配列を有する細胞。

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